JP6337708B2 - ニッケルスラッジからのニッケルの分離方法 - Google Patents

ニッケルスラッジからのニッケルの分離方法 Download PDF

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Description

本発明は、電解メッキあるいは無電解メッキ工業で発生する廃液を中和して生じたスラッジ(水酸化ニッケルを主成分とする沈澱物)中から不純物を効率的に分離し、純度が高いニッケル化合物を回収するニッケルスラッジからのニッケルの分離方法に関する。
メッキ廃液から不純物を分離する方法として、電解メッキと無電解メッキとでは、それぞれ分離方法が異なる。具体的には、電解メッキの廃液は、主要な共存物質がホウ酸であるのに対し、無電解メッキ廃液の主要な共存物質は次亜リン酸やその酸化生成物である亜リン酸、リン酸である。
無電解メッキ液の精製方法については、主として沈澱法が検討されている。例えば、特許文献1には、次亜リン酸浴のメッキ液中に可溶性のアルカリ土類化合物を溶解、共存させ、メッキ反応の過程で生成する亜リン酸、リン酸塩を不溶性沈澱として逐次分離する方法について記載されている。
特許文献2には、無電解メッキ廃液を電解槽内で陽極酸化し、完全にリン酸に変換した後、不溶性のリン酸塩として沈澱分離する方法が記載されている。
電解メッキ液からのホウ酸分離については、特許文献3に記載されているようなキレート樹脂繊維を使用する方法が知られている。
特表2000-503354号公報 特開2005-76103号公報 特開2001-179253号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載されている無電解メッキ廃液からリン酸塩の沈澱を分離する方法では、リン酸カルシウム(Ca(PO)は十分に溶解度が低くて分離できるものの、副生する亜リン酸カルシムや次亜リン酸カルシウム、また、リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウムのようなリン酸カルシウムの水素塩はいずれも溶解度が高く、完全に除去することは困難である。
また、特許文献3に記載されている電解メッキ液からのホウ酸の分離法では、単純な浴組成であれば対応できるものの、ホウ酸以外の多くの陰イオンなど共存元素が存在する場合、ホウ酸よりも選択的かつ強固にキレート樹脂に吸着するイオンが含まれるため、ホウ酸を選択的かつ完全に分離することは困難である。
さらに、特許文献3に記載されているような方法では、専用の樹脂塔および吸着、洗浄、溶離設備を必要とし、溶離液として別途薬剤を多く使用し、回収されたホウ酸含有液は別途濃縮、精製を行わないとリサイクルして製品化することは困難である。
このように、無電解メッキ、電解メッキを問わず、ニッケルメッキ廃液から生じたニッケルスラッジから資源のニッケルを有効に回収して活用することは難しく、その結果多くは埋め立てなどで処分されている。
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、リンやホウ酸を含有するニッケルスラッジからニッケルを容易に回収することができるニッケルスラッジからのニッケルの分離方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係るニッケルスラッジからのニッケルの分離方法は、ニッケルと不純物を含有するニッケルスラッジからニッケルを分離するニッケルの分離方法において、ニッケルスラッジに硫酸溶液を添加してpHを4〜6に調整し、次いで、沈澱物と浸出液とに固液分離する浸出工程と、浸出工程で得た浸出液を濃縮して濃縮液を得る濃縮工程と、濃縮工程で得た濃縮液を冷却して硫酸ニッケルの結晶を晶析させ、固液分離により硫酸ニッケルの結晶を回収する晶析工程と、を有し、不純物はリン及びホウ素と、マグネシウム、アルミニウム、鉄、カルシウム、マンガン、亜鉛、フッ素のうちの1つ以上であることを特徴とする。
本発明では、不純物元素、特に分離が困難とされるリンやホウ素を含有していても、特別な装置を使用することなく、簡単な操作で選択的にニッケルを回収することができる。
実施例において行ったpHの違いによる元素の浸出変化を示す図である。
以下に、本発明を適用したニッケルスラッジからのニッケルの分離方法について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
ニッケルスラッジは、ニッケルのメッキ廃液等のニッケルを含む溶液に消石灰、苛性ソーダ、炭酸ナトリウム等の中和剤を添加して、中和されたニッケルを含有するスラッジである。ニッケルスラッジは、複数のスラッジが種々の比率で混合されていることが多く、天然の鉱物よりも対象とする元素の種類が多く、難処理であることが特徴である。したがって、工業的で経済的なプロセスを想定した場合には、通常のニッケル製錬のような個々の元素を個別に分離する工程を設けるのではなく、極力類似の性質を持つ元素を集合分離するプロセスを構築することが重要である。
本発明では、ニッケルスラッジの選択浸出による低塩基性不純物の一括分離と濃度を管理した二段階の結晶晶出を組み合わせることにより、溶解度が低いホウ酸やリンを含む共存元素の大部分を分離するプロセスである。
具体的に、ニッケルスラッジからのニッケルの分離方法(以下、単にニッケルの分離方法という。)は、ニッケルスラッジに硫酸溶液を添加してpHを4〜6に調整し、次いで、沈澱物と浸出液とに固液分離する浸出工程と、浸出工程で得た浸出液を濃縮して、濃縮液を得る濃縮工程と、濃縮工程で得た濃縮液を冷却して硫酸ニッケルの結晶を晶析させ、硫酸ニッケルの結晶と不純物とを固液分離する晶析工程とを有する。また、ニッケルの分離方法では、ニッケルスラッジにホウ酸を含む場合、濃縮工程後に、濃縮工程で得た濃縮液を冷却し、析出したホウ酸の結晶と冷却後液とを固液分離する冷却工程を更に有し、晶析工程では冷却工程で得た冷却後液を濃縮して冷却することで硫酸ニッケルの結晶を晶析させてもよい。ニッケルスラッジには、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、鉄、リン、カルシウム、マンガン、亜鉛、フッ素のうちの1つ以上の不純物が含まれている。ホウ素は、ホウ酸またはホウ酸塩の形態として含有されており、リンはリン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、またはそれらの水素塩の形態として含有されている。
[浸出工程]
浸出工程は、ニッケルスラッジに含有されているニッケルと、不純物のアルミニウム、鉄(III)、マンガン(III〜IV)、リン酸、亜リン酸とを分離する。ニッケルは、塩基性が高い、即ち高pHで水酸化物として沈澱する元素である。そのため、ニッケルスラッジのpHを高pHに制御することで、酸浸出により選択浸出が可能である。一方、共存している元素のうちアルミニウム、鉄(III)、マンガン(III〜IV)は、塩基性が低く、酸に溶解しにくいため、選択的に沈澱物の残渣に分離することが可能である。
浸出工程におけるニッケルスラッジのpHは、4〜6であり、ニッケルスラッジに含有されている不純物の種類に応じて適切なpHとすることが好ましく、特にpH5前後において選択性が高くなる。浸出工程では、ニッケルスラッジのpHを4〜6とすることにより、水酸化ニッケルと共存した状態で、アルミニウム、鉄、マンガンを残渣に分配させ、選択的にニッケルを浸出可能にすることができる。
また、pHの調整に使用する酸としては、硫酸塩の結晶分離を中核とし、マンガン(III〜IV)が還元されて溶出されることの防止も勘案すると、硫酸又は硫酸水溶液が特に望ましい。
不純物としてリンを含有する場合は、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸のいずれかであることにより、挙動が大きく異なる。リン酸、亜リン酸の形態で存在する場合は、ニッケルスラッジに含有されている金属イオンの多くと難溶性の沈澱を形成するため、浸出工程において残渣に分配させることが可能である。
一方、次亜リン酸の形態で存在する場合には、スラッジ中に存在する金属イオンとは難溶性塩を形成しないため、後工程の硫酸ニッケルの晶析工程において全て母液に分配させ、ニッケルから分離することができる。また、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩の水素塩も母液に分配させる。したがって、ニッケルの分離方法では、リンがどのような形態で存在していても最終的にニッケルと分離することができる。即ち、このニッケルの分離方法では、電解メッキ廃液のスラッジに適用できることがいえる。
したがって、浸出工程では、ニッケルスラッジに硫酸溶液を添加してpHを4〜6に調整することで、アルミニウム、鉄(III)、マンガン(III〜IV)、リン酸、亜リン酸を含む沈澱物と、ニッケルや次亜リン酸を含む浸出液とを得ることができる。浸出工程では、沈澱物と浸出液とを固液分離することにより、ニッケルを含む浸出液からアルミニウム、鉄(III)、マンガン(III〜IV)、リン酸、亜リン酸を除去することができる。固液分離方法は、ろ過、遠心分離等の一般的な固液分離方法を適用することができる。
なお、スラッジの水分率が特に低く、かつ、ホウ酸を高純度な形で分離する必要がない場合は、スラッジを最小量の水で懸濁して、硫酸浸出後、0〜20℃の温度範囲まで冷却した後、固液分離することにより、ホウ酸等の温度依存性が高い不純物も残渣中に分配させて、ニッケルの浸出が可能である。
また、洗浄不良によりニッケルスラッジに硫酸アルカリが付着している場合は、浸出工程前に再度水洗すれば、浸出工程におけるニッケルスラッジにアルカリが混入することを回避できる。
[濃縮工程]
濃縮工程では、浸出工程で得た浸出液を濃縮して濃縮液を得る。濃縮する際には、浸出液中のニッケル濃度が80〜100g/lに達するまで濃縮することが好ましい。この濃度領域では、次に冷却工程を設けた場合、その冷却工程で0〜20℃レベルまで溶液の温度を冷却しても例えば硫酸ニッケル七水和物等のニッケルの結晶は析出しないが、含有されているホウ酸は温度依存が大きく、この温度領域で選択的に無色の高純度な結晶として析出し、分離することができる。
ニッケル濃度が80g/l未満では、濃縮率が低いため、ホウ酸の分離回収率が低下してしまう。一方、ニッケル濃度が100g/lを超えると回収するホウ酸の結晶中に例えば硫酸ニッケル七水和物等のニッケルの結晶が混入する可能性があるため好ましくない。
ニッケル濃度を80〜100g/lとするための濃縮倍率は、ニッケルスラッジ中のニッケル品位、スラリー濃度と浸出液濃度との関係を予め調査しておけば、濃縮する度に分析することなく求めることができる。
[冷却工程]
冷却工程は、濃縮液を冷却することで温度依存性の高いホウ酸等の不純物を析出させることができることから、ニッケルスラッジにホウ酸を含む場合、ホウ酸を分離することができる。従って、この冷却工程は、ホウ酸を含む電解メッキ液のニッケルスラッジや温度依存性の高い他の不純物を含む場合に行うようにする。
具体的に、冷却工程では、上述したように、適切に濃縮した濃縮液を0〜20℃の範囲内で冷却することにより、ニッケルは析出せず、温度依存性が高い不純物の結晶を析出させることができる。
冷却温度が0℃未満では、濃縮液が凍結する恐れがあり、20℃を超えるとホウ酸等の温度依存性の高い不純物の収率が低下するため好ましくない。特に温度が低いほど、ホウ酸とニッケルとの分離係数は大きくなるため、冷却工程では冷却温度を極力0℃近くにすることが望ましい。
そして、冷却工程では、析出したホウ酸等の結晶とニッケルを含む冷却後液とを固液分離して、ニッケルと不純物とを分離する。固液分離方法は、ろ過、遠心分離等の一般的な固液分離方法を適用することができる。
[晶析工程]
晶析工程では、濃縮工程で得た濃縮液を冷却して硫酸ニッケルの結晶を析出させ、又は冷却工程で固液分離して得られた冷却後液を再度濃縮して得られた濃縮液を冷却して硫酸ニッケルの結晶を析出させ、次亜リン酸やリン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩の水素塩など可溶性のリン化合物、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、フッ素等の不純物と分離して、硫酸ニッケルの結晶を回収する。冷却工程で得られた冷却後液には、ホウ酸等の不純物が少量残存している場合がある。そのため、晶析工程では、残存したホウ酸等の不純物が析出せず、主成分である硫酸ニッケルの結晶のみが析出する条件に調整し、高純度の硫酸ニッケルの結晶を晶析させて選択的に回収する。
具体的に、晶析工程では、まず、冷却後液の体積(液量)が、晶析前の体積(液量)の1/2〜1/4になるように、即ち2〜4倍に濃縮し、次いで、濃縮液を強く撹拌しながら冷却して濃縮液を40〜70℃に維持して硫酸ニッケル六水塩等の硫酸ニッケルの結晶を晶出させる。冷却後液の濃縮倍率が2倍未満では、ニッケルの回収率(収率)が低下する。一方、濃縮倍率が4倍を超えるまで濃縮すると、硫酸ニッケルの結晶に少量残存したホウ酸の結晶が混入する可能性がある。したがって、この晶析工程では、冷却後液の濃縮倍率を2〜4倍にすることが好ましい。
ここで、硫酸ニッケルを晶出させる場合、濃縮液の温度が40℃未満では、不純物の陽イオン元素と複塩を形成しやすい七水塩の硫酸ニッケルが晶出しやすく、70℃を超えると硫酸ニッケルの収率が大きく低下するため、いずれも好ましくない。したがって、晶析工程では、濃縮後、その濃縮液を40〜70℃に維持することで、不純物を含まない硫酸ニッケル6水塩を晶出し、硫酸ニッケルの収率を上げることができる。
そして、晶析工程では、硫酸ニッケルの結晶を晶析させた後、固液分離によりニッケルの結晶を不純物から分離して回収することができる。不純物の次亜リン酸、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩の水素塩、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、フッ素は、母液に分配される。固液分離方法は、ろ過、遠心分離等の一般的な固液分離方法を適用することができる。
更に、ニッケルの結晶を分離した後の液(母液)は、浸出工程の浸出液と混合して、再度、濃縮工程、冷却工程、晶析工程を経ることで、ニッケルの回収率、ホウ酸等の不純物の除去率を高めることができる。
以上のようなニッケルスラッジからのニッケルの分離方法では、先ず、浸出工程でアルミニウム、鉄(III)、マンガン(III〜IV)等の低塩基性の不純物、及びリン酸や亜リン酸の難溶性の沈澱を形成する不純物を沈澱させて、一括的に分離し、次に、濃縮工程及び冷却工程で浸出液を濃縮して冷却することで、温度依存が大きいホウ酸を分離し、そして、冷却後液を晶析工程で硫酸ニッケルの結晶を晶析して、その他の不純物と固液分離することで、ニッケルを不純物から分離して高い回収率で回収することができる。
このニッケルスラッジからのニッケルの分離方法では、無電解メッキ廃液や電解メッキ廃液に含まれる分離が困難なリンやホウ素を含有していても、特別な装置を使用することなく、簡単な操作で選択的にニッケルを回収することができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
原料として使用したニッケルスラッジの組成を表1に示す。表1に示す組成は、ニッケルスラッジの乾燥物に含まれる元素の含有量を示している。
表1で示したニッケルスラッジ40wet−g(乾燥物換算12.7g)を水200ml中に懸濁し、濃度64重量%硫酸を添加して、表2に示すようにpH8.8からpH0.5まで段階的にpHを低下させて浸出工程を行った。各段階の各元素の浸出率を分析した結果を表2及び図1に示す。
表2に示すように、pH4付近では、Feのみしか残渣に残すことができないが、Niは90%近く浸出可能である。一方、pH6付近では、Feだけでなく、Al、P、Mn、Znも残渣に分離できるが、Ni浸出率は55%まで低下する。したがって、原料組成を勘案して、pH4〜6の範囲で最適なpHを選択して浸出すべきことが確認できた。
そして、浸出工程をpH5で行って浸出して得た液を濾過した後、Ni濃度80g/lまで濃縮し(濃縮工程)、次いで10℃まで冷却することにより(冷却工程)、無色のホウ酸の結晶を回収した。さらに再び、液を沸騰させて濃縮し、液量をさらに1/2量まで濃縮し、強く撹拌しながら50℃まで冷却して、析出した硫酸ニッケル6水塩の結晶を熱時濾過した(晶析工程)。硫酸ニッケル6水塩の結晶は、10mlの純水で洗浄した後、不純物成分の分析を行った。その結果を表3に示す。
表3に示すように、硫酸ニッケル6水塩には不純物はほとんど含まれておらず、主成分のNiにより塩基性が高く、浸出工程では選択的な分離が困難なCa、Mg、Mn、Znについても、晶析工程で母液に分離されるため、硫酸ニッケル結晶中には不純物がほとんど混入しないことが確認された。
以上、一連の試験より、浸出工程における選択的な浸出と、冷却工程と晶析工程の二段階での選択結晶化というプロセスを組み合わせることで、個別の元素の化学精製なしに、主要な不純物元素をそれぞれ0.01%以下の品位まで低減できることが確認できた。

Claims (5)

  1. ニッケルと不純物を含有するニッケルスラッジからニッケルを分離するニッケルの分離方法において、
    上記ニッケルスラッジに硫酸溶液を添加してpHを4〜6に調整し、次いで、沈澱物と浸出液とに固液分離する浸出工程と、
    上記浸出工程で得た浸出液を濃縮して濃縮液を得る濃縮工程と、
    上記濃縮工程で得た濃縮液を冷却して硫酸ニッケルの結晶を晶析させ、固液分離により硫酸ニッケルの結晶を回収する晶析工程と、を有し、
    上記不純物はリン及びホウ素と、マグネシウム、アルミニウム、鉄、カルシウム、マンガン、亜鉛、フッ素のうちの1つ以上であることを特徴とするニッケルスラッジからのニッケルの分離方法。
  2. 上記ニッケルスラッジがホウ酸を含、上記濃縮工程で得た濃縮液を冷却し、析出したホウ酸の結晶と冷却後液とを固液分離する冷却工程を更に有し、
    上記冷却工程で得た冷却後液を上記晶析工程で再度濃縮して、その濃縮液を冷却して硫酸ニッケルの結晶を晶析させることを特徴とする請求項1に記載のニッケルスラッジからのニッケルの分離方法。
  3. 上記濃縮工程では、上記濃縮液のニッケル濃度が80〜100g/lに達するまで濃縮することを特徴とする請求項1又は2に記載のニッケルスラッジからのニッケルの分離方法。
  4. 上記晶析工程では、上記冷却後液を液量が1/2〜1/4倍に達するまで濃縮し、次いで、液温を40〜70℃に維持しつつ硫酸ニッケルの結晶を晶析させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のニッケルスラッジからのニッケルの分離方法。
  5. 上記冷却工程では、上記濃縮液の温度が0〜20℃の範囲となるまで冷却することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載のニッケルスラッジからのニッケルの分離方法。
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