JP2016030026A - 眼科装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より一層安定して被検眼内部の測定対象部位の位置を正確に特定することが可能となり、さらには、より信頼性の高いデータを得ることが可能となる眼科装置を提供する。【解決手段】 本願の眼科装置は、参照光学系の光路長と測定光学系の光路長とが同一となるゼロ点からの光路長が第1の光路長となる第1光路部と、ゼロ点からの光路長が第2の光路長となる第2光路部とを有する較正光学系において、第1光路部の光路長は、ゼロ点から測定対象部位のゼロ点に最も近い第1部位の位置までの光路長より短く、第2光路部の光路長は、ゼロ点から測定対象部位のゼロ点に最も遠い第2部位の位置までの光路長より長くなるように設定されている。【選択図】 図1

Description

本明細書に開示する技術は、被検眼を検査する眼科装置に関する。
光干渉を利用して被検眼の内部を検査する方式としては、タイムドメイン方式とフーリエドメイン方式がある。タイムドメイン方式と比較してフーリエドメイン方式では、フーリエ解析を利用するため、光学系の構成を簡易にすることができるという利点を有する。しかしながら、フーリエドメイン方式の眼科装置では、干渉光から特定される被検眼内部の測定対象部位の位置が、時間の経過に伴って変化することが判明した。すなわち、光源の温度変化や経年変化によって、光源から被検眼に照射される光の特性が変化すると、受光素子で受光される干渉光の特性も変化する。その結果、受光した干渉光をフーリエ解析して得られる被検眼内部の測定対象部位の位置も変化する。
そこで、このような問題に対処するために、本出願人は、先に、特開2013−180111号(特許文献1)において、改善された眼科装置を提案した。この先願に係る眼科装置は、較正光学系を有し、測定光用干渉光と較正用干渉光とを用いて被検眼内部の測定対象部位の位置を特定するものである。
従って、かかる本出願人の先願である特許文献1に記載の眼科装置においては、時間の経過に伴って干渉光の特性が変化しても、被検眼内部の測定対象部位の位置を正確に特定することが可能となった。
そして、その後、本発明者が更なる研究と実験等を重ねた結果、上記特許文献1で提案した眼科装置よりも一層安定して被検眼内部の測定対象部位の位置を正確に特定することができる眼科装置を発明するに至ったのである。
特開2013−180111号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景としてなされたものであって、かかる先願(特許文献1)に記載の眼科装置よりも尚一層、安定して被検眼内部の測定対象部位の位置を正確に特定することが可能となり、さらには、より信頼性の高いデータを得ることが可能となる、改良された眼科装置を提供することを本発明の目的とする。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組合せで採用可能である。
本発明の第1の態様は、光源と、該光源からの光を被検眼の内部に照射すると共にその反射光を導く測定光学系と、該光源からの光を案内して参照光とする参照光学系と、前記測定光学系により導かれた反射光と前記参照光学系により案内された参照光とが合成された測定用干渉光と、較正光学系により案内された較正光と前記参照光学系により案内された参照光とが合成された較正用干渉光とを受光する受光素子と、該受光素子で受光された前記測定用干渉光と前記較正用干渉光をフーリエ解析することで、前記被検眼の測定対象部位の位置を特定する演算装置とを有する眼科装置において、前記較正光学系は、前記参照光学系の光路長と測定光学系の光路長とが同一となるゼロ点からの光路長が第1の光路長となる第1光路部と、ゼロ点からの光路長が第2の光路長となる第2光路部を有しており、前記第1光路部の光路長は、ゼロ点から前記測定対象部位のゼロ点に最も近い第1部位の位置までの光路長より短く、前記第2光路部の光路長は、ゼロ点から前記測定対象部位のゼロ点に最も遠い第2部位の位置までの光路長より長くなるように設定されている。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る眼科装置において、前記受光素子は、前記較正光学系の前記第1光路部により案内された光と前記参照光学系により導かれた反射光とが合成された第1較正用干渉光と、前記較正光学系の前記第2光路部により案内された光と前記参照光学系により導かれた反射光とが合成された第2較正用干渉光とを受光し、前記演算装置は、前記第1較正用干渉光の測定結果と前記第2較正用干渉光の測定結果を用いて、前記測定用干渉光から特定される前記被検眼の前記測定対象部位の位置を補正する。
本発明の第3の態様は、前記第1又は2の態様に係る眼科装置において、演算装置は、さらに、前記測定用干渉光と前記較正用干渉光から特定される前記被検眼の前記測定対象部位の位置から、該被検眼の所定部位の寸法を算出する。
本発明によれば、本出願人の先願と比較して、第1較正用干渉光をフーリエ解析することで得られる第1較正用ピークと第2較正用干渉光をフーリエ解析することで得られる第2較正用ピークをゼロ点により近い位置に設けるため、較正用ピークをより確実に検出できるとともに、較正用ピーク位置をより正確に特定することが可能となる。さらに、第1較正用ピークと第2較正用ピークとの較正用ピーク間距離がより長く確保できるため、より誤差の少ない較正値を得ることができ、より信頼性の高いデータを得ることが可能となる。
本実施例にかかる眼科装置の光学系の概略構成図である。 本実施例に係る眼科装置の制御系のブロック図である。 ゼロ点と参照ミラーと被検眼との位置関係を説明するための図である。 (A)先願,(B)本発明の構成による干渉信号波形を示す図である。 干渉信号を処理する手順を説明するための図である。 本実施例に係る眼科装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本実施例の変形例に係る眼科装置の光学系の構成を示す図である。 本実施例の他の変形例に係る眼科装置の光学系の構成を示す図である。
本実施例では、被検眼の眼軸長(角膜前面から網膜までの長さ)の寸法を測定する眼科装置に適用して説明する。
図1に示すように、本実施例の眼科装置は、被検眼100を検査するための測定部10を有している。測定部10は、被検眼100から反射される反射光と参照光とを干渉させる干渉光学系14と、被検眼100の前眼部を観察する観察光学系50と、被検眼100に対して測定部10を所定の位置関係にアライメントするためのアライメント光学系(図示省略)を有している。アライメント光学系は、公知の眼科装置に用いられているものを用いることができるため、その詳細な説明は省略する。
干渉光学系14は、光源12と、光源12からの光を被検眼100の内部に照射すると共にその反射光を導く測定光学系(24,72,48)と、光源12からの光を参照面22aに照射すると共にその反射光を導く参照光学系(24,22)と、光源12からの光を反射面(74a,74b)に照射すると共にその反射光を導く較正光学系(24,72,74)と、測定光学系により導かれた反射光と参照光学系により導かれた反射光とが合成された測定用干渉光と、較正光学系により導かれた反射光と参照光学系により導かれた反射光とが合成された較正用干渉光とを受光する受光素子26によって構成されている。
光源12は、波長掃引型の光源であり、出射される光の波長が所定の周期で変化するようになっている。すなわち、本実施例の眼科装置では、光源12から出射される光を、その波長を変化(走査)させながら被検眼100に照射する。そして、被検眼100からの反射光と参照光との干渉光から得られる信号をフーリエ解析することで、被検眼100の深さ方向の各部位から反射される光の強度分布を得る。被検眼100の深さ方向の光強度分布が得られると、後述するように、被検眼100の内部の各部位(すなわち、角膜102や網膜106)の位置を特定することが可能となる。なお、光源12から照射される光は、光源12の温度や光源12の経年変化によって変化する。このため、測定時間に応じて光源12の温度が上昇すると、光源12から照射される光の特性が変化する。また、眼科装置の経年変化によって、光源12から照射される光の特性が変化する。その結果、干渉光から得られる信号をフーリエ解析した結果も変化することとなる。
測定光学系は、ビームスプリッタ24と、ビームスプリッタ72と、ホットミラー48によって構成されている。光源12から出射された光は、ビームスプリッタ24、ビームスプリッタ72及びホットミラー48を介して被検眼100に照射される。被検眼100からの反射光は、ホットミラー48、ビームスプリッタ72及びビームスプリッタ24を介して受光素子26に導かれる。
参照光学系は、ビームスプリッタ24と参照ミラー22によって構成されている。光源12から出射された光の一部は、ビームスプリッタ24で反射され、参照ミラー22の参照面22aに照射され、参照ミラー22の参照面22aによって反射される。参照ミラー22で反射された光は、ビームスプリッタ24を介して受光素子26に導かれる。参照ミラー22とビームスプリッタ24と受光素子26は、干渉計20内に配置され、その位置が固定されている。このため、本実施例の眼科装置では、参照光学系の参照光路長は一定で変化しない。
較正光学系は、ビームスプリッタ24と、ビームスプリッタ72と、光学部材74によって構成されている。光源12から出射された光は、ビームスプリッタ24及びビームスプリッタ72を介して光学部材74に照射される。光学部材74は、その一端に設けられた第1反射面74aと、その他端に設けられた第2反射面74bを有している。したがって、光学部材74に照射される光の一部は、第1反射面74aで反射され、その残りが光学部材74内に入射する。光学部材74内に入射した光の一部は、第2反射面74bで反射され、残りは光学部材74から外部に照射される。第1反射面74aで反射された光と第2反射面74bで反射された光は、ビームスプリッタ72及びビームスプリッタ24を介して受光素子26に導かれる。
本実施例の較正光学系は、ゼロ点からの光路長が第1の光路長となる第1光路部(光源12→第1反射面74a→受光素子26)と、ゼロ点からの光路長が第2の光路長となる第2光路部(光源12→第2反射面74b→受光素子26)を有している。具体的には、ゼロ点を基準にして光学部材74の位置が設定されており、ゼロ点から第1反射面74aまでの光路長が測定対象部位のゼロ点に最も近い第1部位(本実施例では、被検眼100における角膜102の前面)の光路長より短く、ゼロ点から第2反射面74bまでの光路長が測定対象部位のゼロ点に最も遠い第2部位(本実施例では、被検眼100における網膜106)の光路長より長くなるように設定されている。ここで、ゼロ点とは、参照光学系の光路長(参照光路長)と測定光学系の光路長(測定光路長)とが同一となる点を意味する(図3参照)。さらに、第1光路部と第2光路部の光路長の差は、光学部材74の一端の第1反射面74aから他端の第2反射面74bまでの長さによって決まる。すなわち、第1光路部と第2光路部の光路長の差は、光学部材74と他の部材との位置関係に影響を受けず、光学部材74によってのみ決定される。
より詳細には、眼軸長は、一般的に20〜30ミリと言われている。そのため、本実施例では、眼軸長の測定領域(被検眼100の各部(角膜102の前面及び後面、水晶体104の前面及び後面、網膜106)の位置を表すピークが発生する領域)は40ミリ(空気換算値54.4ミリ、平均屈折率1.36)以下であるとし、光学部材74の第1反射面74aから第2反射面74bまでの長さを60ミリ(空気換算値)としている。そして、眼軸長の測定領域と光学部材74による第1、第2反射面74a,74bの位置を表すピークとが重ならないように、さらに、第1反射面74aの位置を表すピーク(第1較正用ピーク)は、眼軸長の測定領域の下限位置より小さい位置で、第2反射面74bの位置を表すピーク(第2較正用ピーク)は、測定領域の上限の位置より大きい位置になるように、ゼロ点に対する光学部材74を配置する位置を決定する(図4参照)。なお、眼科装置では、被検眼100に対して装置が所定の位置関係となるようにアライメントするため、眼軸長の測定領域は、ゼロ点から所定の位置に決められる。そして、眼軸長の測定領域のゼロ点からの位置に応じて、光学部材74の位置を設定している。
なお、光学部材74としては、例えば、光学ガラスを用いることができる。光源12からの光を光学ガラスに照射することで、光学ガラスの一端(入射面)を第1反射面として機能させ、光学ガラスの他端(出射面)を第2反射面として機能させることができる。光学部材74の他の例としては、例えば、光学プラスチック等を用いることができる。
これにより、本出願人の先願と比較して、第1較正用ピークと第2較正用ピークをゼロ点により近い位置に設けるため、較正用ピークをより確実に検出できるとともに、較正用ピーク位置をより正確に特定することが可能となる。すなわち、波長掃引光源によるフーリエドメイン方式では、ゼロ点から遠ざかるほど感度が低下し、ピーク形状が鈍くなってしまうのに対し、ゼロ点により近いほど高い感度を得ることができ、ピークの形状が鋭くなる。本発明によれば、第1及び第2較正用ピークをゼロ点により近い位置に設けることから、感度の高い鋭い形状のピークを得ることができるため、較正用ピークをより確実に検出できるとともに、較正ピーク位置をより正確に特定することが可能となる。
また、本出願人の先願と比較して、第1較正用ピークと第2較正用ピークとの較正用ピーク間距離がより長く確保できるため、より誤差の少ない較正値を得ることができ、より信頼性の高いデータを得ることが可能となる。すなわち、波長掃引光源によるフーリエドメイン方式では、測定可能な深さ方向の測定可能領域Zmaxは有限の限られた範囲であることから、測定可能領域Zmax内に眼軸長の測定領域と較正用ピークを設ける必要がある。本発明によれば、眼軸長の測定領域を挟むように較正用ピークの位置を設定することから、第1較正用ピークと第2較正用ピークとの較正用ピーク間距離をより長く確保できるため、より誤差の少ない較正値を得ることができ、より信頼性の高いデータを得ることが可能となる。
さらに、本出願人の先願と比較して、眼軸長の測定領域を挟むように較正用ピーク位置を設定するため、より低い周波数成分の信号をローパスフィルタで遮断することができ、測定可能領域Zmax内における光学素子による反射ノイズの発生を防ぐことが可能となる。すなわち、波長掃引光源によるフーリエドメイン方式では、干渉光において、ナイキスト周波数(Zmax)を超える周波数成分の信号が含まれる場合、ナイキスト周波数を超える周波数成分の信号のエイリアシングが発生して、測定可能領域Zmax内に光学素子による反射ノイズが現れてしまうため、ナイキスト周波数を超える周波数成分の信号を遮断するためにローパスフィルタを用いる。しかしながら、ナイキスト周波数を超える周波数成分の信号の遮断では、ナイキスト周波数を超える近傍に、信号強度が強い光学素子による反射ノイズが存在する場合、反射ノイズ信号を十分に遮断することができずに、エイリアシングにより測定可能領域Zmax内に光学素子による反射ノイズが依然として現れてしまうという問題があった。本発明によれば、眼軸長の測定領域を挟むように較正用ピーク位置を設定するため、ナイキスト周波数より、より低い周波数成分からローパスフィルタで遮断することができることから、ナイキスト周波数を超える近傍に発生した反射ノイズ信号を確実に遮断することが可能となるため、測定可能領域Zmax内における光学素子による反射ノイズの発生を防ぐことが可能となる。
受光素子26は、参照光学系により導かれた光と測定光学系により導かれた光とを合成した測定用干渉光と、参照光学系により導かれた光と較正光学系により導かれた光とを合成した較正用干渉光を検出する。上述の説明から明らかなように、較正用干渉光には、第1反射面74aで反射された光(第1光路部により導かれた光)と参照光学系により導かれた光を合成した第1較正用干渉光と、第2反射面74bで反射された光(第2光路部により導かれた光)と参照光学系により導かれた光を合成した第2較正用干渉光が含まれる。したがって、受光素子26は、測定用干渉光と第1較正用干渉光と第2較正用干渉光を検出する。受光素子26としては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。
観察光学系50は、被検眼100にホットミラー48を介して観察光を照射すると共に、被検眼100から反射される反射光(すなわち、照射された観察光の反射光)を撮影する。ここで、ホットミラー48は、干渉光学系の光源12からの光を反射する一方で、観察光学系の光源からの光を透過する。このため、本実施例の眼科装置では、干渉光学系による測定と、観察光学系50による前眼部の観察を同時に行うことができる。なお、観察光学系50には、公知の眼科装置に用いられているものを用いることができるため、その詳細な構成については説明を省略する。
なお、本実施例の眼科装置では、被検眼100に対して測定部10の位置を調整するための位置調整機構16(図2に図示)と、その位置調整機構16を駆動する第1駆動装置54(図2に図示)を備えている。第1駆動装置54を駆動することで、被検眼100に対する測定部10の位置が調整される。
次に、本実施例の眼科装置の制御系の構成を説明する。図2に示すように、眼科装置は演算装置64によって制御される。演算装置64は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータ(マイクロプロセッサ)と高速演算用ゲートアレイによって構成されている。演算装置64には、光源12と、第1駆動装置54と、モニタ62と、観察光学系50が接続されている。演算装置64は、光源12のオン/オフを制御し、第1駆動装置54を制御することで位置調整機構16を駆動し、また、観察光学系50を制御して観察光学系50で撮像される前眼部像をモニタ62に表示する。また、演算装置64には、受光素子26が接続され、受光素子26で検出される干渉光(すなわち、測定用干渉光,第1較正用干渉光,第2較正用干渉光)の強度に応じた干渉信号が入力する。演算装置64は、受光素子26からの干渉信号をフーリエ変換する(測定用干渉信号及び較正用干渉信号を得る)ことによって、被検眼100の各部位(角膜102の前後面、水晶体104の前後面、網膜106)及び光学部材74の反射面74a,74bの位置を特定し、これらを用いて被検眼100の眼軸長を算出する。なお、演算装置64による被検眼100の各測定部位の位置を特定する処理の詳細については後述する。
次に、本実施例の眼科装置を用いて眼軸長を測定する際の手順を説明する。図6に示すように、まず、検査者は図示しないジョイスティック等の操作部材を操作して、被検眼100に対して測定部10の位置合わせを行う(S10)。すなわち、演算装置64は、検査者の操作部材の操作に応じて、第1駆動装置54により位置調整機構16を駆動する。これによって、被検眼100に対する測定部10のxy方向(縦横方向)の位置とz方向(進退動する方向)の位置が調整される。また、演算装置64は、図示しない焦点調整機構及びゼロ点調整機構を調整することで、光源12から被検眼100に照射される光の焦点の位置が被検眼100の所定の位置(例えば、角膜102の前面)となる。また、測定光路長と参照光路長が一致するゼロ点の位置が被検眼100に対して所定の位置(例えば、角膜102の前面からわずかに光源12側にずれた位置)となるように設定されている。
次に、演算装置64は、光源12から照射される光の周波数を変化させながら、受光素子26で検出される信号を取り込む(S12)。既に説明したように、受光素子26で受光する干渉光には、被検眼100の深さ方向の各部位から反射された光が含まれている。すなわち、受光素子26から出力される干渉信号は、図4に示すように、信号強度が時間によって変化する信号となり、この信号には被検眼100の各部(角膜102の前面及び後面、水晶体104の前面及び後面、網膜106)及び第1、第2反射面74a,74bから反射された各反射光と参照光とを合成した干渉波による信号が含まれている。そこで、演算装置64は、受光素子26から入力する信号をフーリエ変換することで、その信号から被検眼100の各部(角膜102の前面及び後面、水晶体104の前面及び後面、網膜106)及び第1、第2反射面74a,74bから反射された反射光による干渉信号成分を分離する(図5の下段のグラフ参照)。これにより、演算装置64は、被検眼100の各部の位置及び第1、第2反射面74a,74bの位置を特定することができる。
次に、演算装置64は、ステップS12で得られた干渉信号をフーリエ変換することで、被検眼100の各部(角膜102の前面及び後面、水晶体104の前面及び後面、網膜106)及び第1、第2反射面74a,74bの位置を特定する(S14)。
次に、演算装置64は、ステップS14で得られた被検眼100の各部の位置と、第1、第2反射面74a,74bの位置から、被検眼100の眼軸長(角膜の前面から網膜までの長さ)を算出する(S16)。具体的には、演算装置64は、まず、ステップS14で得られた被検眼100の網膜の位置から角膜表面の位置を減算することで、干渉光に基づく眼軸長を算出する。次いで、演算装置64は、ステップS14で得られた第2反射面74bの位置から第1反射面74aの位置を減算することで、干渉光に基づく第1反射面74aから第2反射面74bまでの長さを算出する。ここで、第1反射面74aから第2反射面74bまでの長さは、光学部材74の長さに相当し、光学部材74の長さは既知である。したがって、干渉光から算出された眼軸長を、光学部材74の長さ(実値)と、干渉光から得られた光学部材74の長さ(測定値)により補正する。具体的には、次の式、すなわち、眼軸長(補正後)=干渉光から得られた眼軸長×(光学部材74の長さ(実値)/干渉光から得られた光学部材74の長さ(測定値))、により算出する。
演算装置64は、ステップS16で眼軸長を算出すると、その算出した眼軸長をモニタ62に表示する(S18)。これによって、演算装置64の処理が終了する。
上述の説明から明らかように、本実施例に係る眼科装置では、測定光学系により得られる測定用干渉光と、較正光学系により得られる較正用干渉光とを用いて、被検眼100の眼軸長を算出する。このため、光源12の発熱や経年変化等によって光源12から出力される光が経時的に変化しても、それらの影響を抑制でき、被検眼100の眼軸長を正確に算出することができる。
また、較正光学系には第1反射面74aと第2反射面74bが設けられ、第1反射面74aと第2反射面74bの光路長の差を利用して眼軸長を補正する。したがって、光学部材74と他の部材(例えば、光源12、干渉計20)との位置関係が経時的に変化し、光源12から光学部材74の各反射面74a,74bまでの光路長が変化しても、それらが眼軸長の測定には影響しない。すなわち、光源12から第1反射面74aまでの光路長の変化量と、光源12から第2反射面74bまでの光路長の変化量が同一となるため、これらが算出される眼軸長の長さに影響しない。このため、被検眼100の眼軸長を適切に測定することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施例では、較正光学系を光学部材74によって構成したが、このような形態に限られない。例えば、図7に示すような光学系の構成を採ることができる。図7に示す光学系では、光源12からの光をカプラ70によって参照光(参照面に照射する光)と物体光(被検眼に照射する光)に分岐し、分岐した物体光をさらにカプラ72によって被検眼に照射する光と、較正用の光に分岐する。較正用に分岐された光は、カプラ74によって光ファイバ76と、光ファイバ78に分岐される。光ファイバ76,78に入射した光は、光ファイバ76,78の端面で反射し、カプラ74,72,80を介して検出器(受光素子)26で検出される。光ファイバ76の光路長は、光ファイバ78の光路長と相違するため、検出器26では、光ファイバ76の端面で反射された光による較正用干渉光と、光ファイバ78の端面で反射された光による較正用干渉光が検出される。したがって、上述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
あるいは、図8に示すような光学系の構成を採ることもできる。図8に示す光学系では、光源12からの光をカプラ82によって参照光(参照面に照射する光)と物体光(被検眼に照射する光)に分岐し、分岐した物体光をさらにカプラ84によって被検眼に照射する光と、較正用の光に分岐する。較正用に分岐された光は、カプラ86によって光ファイバ88と、光ファイバ90に分岐される。光ファイバ88,90に入射した光は、カプラ92,94,96を介して検出器(受光素子)26で検出される。光ファイバ88,90の光路長を相違させ、光ファイバ88,90によってカプラ94まで光を案内することで、検出器26では、光ファイバ88に案内された光による較正用干渉光と、光ファイバ90に案内された光による較正用干渉光が検出される。したがって、図8に示す光学系を用いても、上述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
また、上述した実施例では、被検眼に照射される光の光軸上に較正用光学系を設けたが、参照面に照射される光の光軸上に較正用光学系を設けてもよい。さらには、較正光学系に2つの光路部を形成し、両者の光路長を利用する場合は、測定光学系の任意の位置に設置することができる。例えば、図1のホットミラー48と被検眼100の間に較正光学系を設置してもよい。
また、上述した実施例では、2つの反射面74a,74bからの反射光を利用する較正光学系であったが、1つの反射面からの反射光を利用する較正光学系としてもよい。すなわち、1つの反射面を予め設定された距離だけ移動させて2つの反射光を生成し、これら2つの反射光を利用して、測定用干渉光から得られる被検眼の各部の位置を補正してもよい。
また、上述した実施例では、ゼロ点の位置を被検眼100に対して角膜102の前面からわずかに光源12側にずれた位置であったが、網膜103に対して光源12から離れる方向にわずかにずれた位置に調整してもよい。この場合、測定対象部位のゼロ点に最も近い第1部位は被検眼100における網膜103となり、測定対象部位のゼロ点に最も遠い第2部位は被検眼100における角膜102の前面となる。さらに、上述した実施例では、光学部材74による較正用ピークが、ゼロ点に近い側が第1反射面ピークとなり、ゼロ点に遠い側が第2反射面ピークとなっているが、光学部材74の配置位置を変えて、ゼロ点に近い側が第2反射面ピークとして、ゼロ点に遠い側が第1反射面となるようにしてもよい。すなわち、被検眼100の測定対象部位の測定領域を挟むように較正用ピークの位置が設定されればよい。
また、上述した実施例では、被検眼100の眼軸長(角膜前面から網膜までの長さ)を算出する例であったが、それ以外の部位の被検眼の軸方向の寸法を算出してもよい。具体的には、眼軸長の算出以外に、被検眼100における角膜厚(角膜前面から角膜後面までの長さ)、前房深度(角膜前面又は角膜後面から水晶体前面までの長さ)、水晶体厚(水晶体前面から水晶体後面までの長さ)であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:測定部、12:光源、14:干渉光学系、20:干渉計、22:参照ミラー、24:ビームスプリッタ、26:受光素子、48:ホットミラー、50:観察光学系、54:第1駆動装置、62:モニタ、64:演算装置

Claims (3)

  1. 光源と、
    該光源からの光を被検眼の内部に照射すると共にその反射光を導く測定光学系と、
    該光源からの光を案内して参照光とする参照光学系と、
    前記測定光学系により導かれた反射光と前記参照光学系により案内された参照光とが合成された測定用干渉光と、較正光学系により案内された較正光と前記参照光学系により案内された参照光とが合成された較正用干渉光とを受光する受光素子と、
    該受光素子で受光された前記測定用干渉光と前記較正用干渉光をフーリエ解析することで、前記被検眼の測定対象部位の位置を特定する演算装置とを有する眼科装置において、
    前記較正光学系は、前記参照光学系の光路長と前記測定光学系の光路長とが同一となるゼロ点からの光路長が第1の光路長となる第1光路部と、ゼロ点からの光路長が第2の光路長となる第2光路部とを有しており、
    前記第1光路部の光路長は、ゼロ点から前記測定対象部位のゼロ点に最も近い第1部位の位置までの光路長より短く、前記第2光路部の光路長は、ゼロ点から前記測定対象部位のゼロ点に最も遠い第2部位の位置までの光路長より長くなるように設定されている眼科装置。
  2. 前記受光素子は、前記較正光学系の前記第1光路部により案内された光と前記参照光学系により導かれた反射光とが合成された第1較正用干渉光と、前記較正光学系の前記第2光路部により案内された光と前記参照光学系により導かれた反射光とが合成された第2較正用干渉光とを受光し、
    前記演算装置は、前記第1較正用干渉光の測定結果と前記第2較正用干渉光の測定結果を用いて、前記測定用干渉光から特定される前記被検眼の前記測定対象部位の位置を補正する請求項1に記載の眼科装置。
  3. 演算装置は、さらに、前記測定用干渉光と前記較正用干渉光から特定される前記被検眼の前記測定対象部位の位置から、該被検眼の所定部位の寸法を算出する請求項1又は2に記載の眼科装置。
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