JP2016029417A - レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズの光軸方向の位置ずれに対するピントずれの比率を示す位置敏感度が高いと、温度変化による部品寸法の膨張または収縮によって発生するピントずれ量が大きくなる。従来ピントずれ補正のために、移動レンズ群の移動範囲に余裕量をもたせているが、高敏感度になると、必要十分な移動範囲の確保が困難となったり、大型化するなどの問題がある。
【解決手段】固定で凸の第1レンズ群、移動可能で凹の第2レンズ群、固定で凸の第3レンズ群、および移動可能で凸の第4レンズ群からなるズームレンズを内包するレンズ鏡筒で、第1レンズ鏡筒は第1レンズ群を保持する。後部鏡筒は第2レンズ群を駆動するモータを保持し、更に、モータとラックを介して間接的に第2レンズ群を保持する。ズーム望遠位置にて、撮像素子取付け面からの部品の累積寸法は、第1レンズ群までの方が第2レンズ群までよりも大きく、光軸方向の線膨張係数は、第1レンズ鏡筒の方が、後部鏡筒よりも小さい。
【選択図】図1
【解決手段】固定で凸の第1レンズ群、移動可能で凹の第2レンズ群、固定で凸の第3レンズ群、および移動可能で凸の第4レンズ群からなるズームレンズを内包するレンズ鏡筒で、第1レンズ鏡筒は第1レンズ群を保持する。後部鏡筒は第2レンズ群を駆動するモータを保持し、更に、モータとラックを介して間接的に第2レンズ群を保持する。ズーム望遠位置にて、撮像素子取付け面からの部品の累積寸法は、第1レンズ群までの方が第2レンズ群までよりも大きく、光軸方向の線膨張係数は、第1レンズ鏡筒の方が、後部鏡筒よりも小さい。
【選択図】図1
Description
本発明は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ等の撮像装置に用いるレンズ鏡筒や光学機器に関するものである。
特許文献1に記載されているようなレンズ鏡筒は、レンズを保持する鏡筒部品の多くに樹脂材料が使用されている。樹脂材料は一般的に金属に比較すると線膨張係数が高く、周囲の温度変化に応じた寸法変化が大きい。鏡筒部品の光軸方向の寸法が変化してしまうとレンズ位置が変化してしまい、結果としてピントのずれが生じてしまう。
従来から、温度変化によるピント補正の手段として、特許文献2に示すような温度変化によってピントがずれた分、ピントが合うようにレンズの位置を制御するピント補正が行われている。レンズ鏡筒側では、温度変化によるピント変化が発生した際に、ピント補正用の移動レンズ群を移動させられる分だけ余分に移動レンズ群の移動量を確保しておけばよい。
しかしながら、近年のレンズ鏡筒や光学機器の小型化、撮像素子の小型化、更にはズーム倍率の高倍化などにより、レンズ鏡筒としては、レンズの光軸方向の位置変化に対するピント変化量の比率を示す位置敏感度が大きくなる傾向にある。
位置敏感度が高くなると、その分、温度変化による部品寸法変化によって生じるピントずれ量が、従来以上に大きくなることとなる。よって、ピント補正のためにレンズ群を移動させるようにするためには、移動レンズ群がメカ端に衝突することなく移動できるように、従来以上に移動範囲を大きく設定する必要がある。しかし、小型化を実現するためには、必要十分な移動範囲量を確保するのが困難な場合があったり、または、大型化してしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、位置敏感度が高いレンズにおいても、温度変化によるピント変化量を抑制し、小型化を実現出来るレンズ鏡筒およびそれを備える光学機器を提供することを目的とする。
その目的を達成するために、本発明の一側面としてのレンズ鏡筒は、少なくとも光軸に沿って開口した側面部を有する第1の鏡筒部と、少なくとも光軸に沿って開口した側面部を有する第2の鏡筒部とを有し、 前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部との夫々の開口した側面部同士を合わせて、密閉された鏡筒本体の外観形状を構成し、前記鏡筒本体の内部に、固定で凸の第1レンズ群、移動可能で凹の第2レンズ群、固定で凸の第3レンズ群、および移動可能で凸の第4レンズ群からなるズームレンズを内包し、前記第2レンズ群を保持する第2レンズ移動枠と、前記第2レンズ移動枠に取り付けられたラック部材と、前記第2レンズ群を移動させるための駆動源とを有し、前記駆動源は、ねじが形成された出力軸と保持部材を有し、前記ラック部材は前記出力軸に噛合し、前記出力軸の回転により前記第2レンズ群が光軸方向に移動可能に保持されており、前記第1の鏡筒部は、前記1群レンズ群を保持し、前記第2の鏡筒部は、撮像素子保持部を有し、且つ、前記駆動源を保持し、ズームの望遠位置における各部品の光軸方向の寸法を累積した寸法は、撮像素子取付け面から前記第1レンズ群までの累積寸法が、撮像素子取付け面から前記第2レンズ群までの累積寸法よりも大きく、前記第1の鏡筒部の光軸方向の線膨張係数が、前記第2の鏡筒部の光軸方向の線膨張係数よりも小さいことを特徴とする。
本発明によれば、位置敏感度が高いレンズにおいても、ピント変化量を抑制し、小型化を実現出来るレンズ鏡筒、光学機器を提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
図1、図2は本発明のレンズ鏡筒の基本構成を示す要部概略図である。図1はレンズ鏡筒を分解した斜視図を、図2はレンズ鏡筒の要部縦断面である。これらの図において、12はレンズ鏡筒に収納した光学系(ズームレンズ)の光軸である。L1は最も物体側の第1レンズ群、L2は光軸方向に移動して変倍を行う変倍レンズ群を含む第2レンズ群である。L3は固定の第3レンズ群である。L4は光軸方向に移動することで変倍に伴う焦点面変動(像面変動)の補正と焦点合わせを行うレンズ群を含む第4レンズ群である。
図1、図2は本発明のレンズ鏡筒の基本構成を示す要部概略図である。図1はレンズ鏡筒を分解した斜視図を、図2はレンズ鏡筒の要部縦断面である。これらの図において、12はレンズ鏡筒に収納した光学系(ズームレンズ)の光軸である。L1は最も物体側の第1レンズ群、L2は光軸方向に移動して変倍を行う変倍レンズ群を含む第2レンズ群である。L3は固定の第3レンズ群である。L4は光軸方向に移動することで変倍に伴う焦点面変動(像面変動)の補正と焦点合わせを行うレンズ群を含む第4レンズ群である。
第1レンズ群L1を保持する第1レンズ鏡筒(第1の鏡筒部)1は、光軸直交方向の下面(図1における下方)と後方(結像面方向)に開口面を有する略半円筒形状の上蓋部を有する。上蓋部の天井面には、不図示であるが、該天井面に入射した光の反射を抑えてゴーストの発生を防止するための遮光線を形成することが可能であり、必要に応じて適宜遮光線を形成するとよい。
後部鏡筒(第2の鏡筒部)5は、光軸に直交する方向の上面(図2における上方)と前方(被写体方向)に開口面が形成されている。後端には、後端部5aが形成されており、底面には、不図示であるが、該底面に入射した光の反射を抑えてゴーストの発生を防止するための遮光線を形成することが可能であり、必要に応じて適宜遮光線を形成するとよい。後端部5aには、ローパスフィルターを保持するフィルタ保持部5mと、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子を保持する撮像素子保持部5nとが形成されている。5kはローパスフィルター及び撮像素子への不要光の入射を遮る遮光部である。
第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5を組み合わせることで、前記の互いの開口面が塞がれ、ビス17によって結合され固定される。
6a、6bは光軸と平行に延びて、その両端を第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5により保持されるガイドバーである。
尚、本実施例にいう「光軸と平行」とは、平行である場合だけでなく、許容誤差等の範囲で平行からずれているが平行とみなせる場合を含む。「光軸に直交する」も同様である。
ガイドバー6aには、第2レンズ群L2を保持する第2レンズ保持枠2に形成されたスリーブ部と第4レンズ群L4を保持する第4レンズ保持枠4に形成されたU溝部とがそれぞれ移動可能に係合している。第2レンズ保持枠2と第4レンズ保持枠4は各々移動レンズ保持部材を構成している。
一方、ガイドバー6bには、第2レンズ保持枠2に形成されたU溝部と第4レンズ保持枠4に形成されたスリーブ部とがそれぞれ移動可能に係合している。第2レンズ保持枠2は、ガイドバー6aによって光軸方向にガイドされるとともに、ガイドバー6bとU溝部との係合によりガイドバー6aの回りでの回転が阻止されている。第4レンズ保持枠4は、ガイドバー6bによって光軸方向にガイドされるとともに、ガイドバー6aとU溝部との係合によりガイドバー6b回りでの回転が阻止される。
第2レンズ保持枠2には、ラック(ラック部材)15が光軸直交面内で回動可能に取り付けられている。このラック15は、ズームモータ(駆動源)8のスクリュウ軸(出力軸)8aの送りねじに噛合う。これにより、ズームモータ8が作動してスクリュウ軸8aが回転すると、第2レンズ保持枠2は光軸方向に駆動される。ラック15は、ラックバネ16によって、第2レンズ保持枠2の光軸方向端面に向けて付勢されているとともに、スクリュウ軸8aに噛合う方向に付勢されている。これにより、第2レンズ保持枠2、ラック15及びスクリュウ軸8a間でのガタが小さくなるようにしている。
第2レンズ保持枠2(第2レンズ群L2)の光軸方向に対する傾きは、スリーブ部を十分な長さでガイドバー6aに係合させることで防止されている。第4レンズ保持枠4には、ラック13が光軸直交面内で回動可能に取り付けられている。このラック13は、フォーカスモータ7のスクリュウ軸7aの送りねじに噛合う。これにより、フォーカスモータ7が作動してスクリュウ軸7aが回転すると、第4レンズ保持枠4は光軸方向に駆動される。ラック13は、ラックバネ14によって、第4レンズ保持枠4の光軸方向端面に向けて付勢されているとともに、スクリュウ軸7aに噛合う方向に付勢されている。
これにより、第4レンズ保持枠4、ラック13及びスクリュウ軸7a間でのガタが小さくなるようにしている。第4レンズ保持枠4(第4レンズ群L4)の光軸方向に対する傾きは、スリーブ部4aを光軸13方向で十分な長さでガイドバー6bに係合させることで防止されている。
3は第3レンズ群L3を保持する第3レンズ保持枠である。該第3レンズ保持枠3は、ガイドバー6bに係合する基準位置決め用穴部と、ガイドバー6aに係合する回転止め用の穴部(長穴部)とを有する。これらの穴部とガイドバー6a、6bとの係合により、第3レンズ保持枠3、つまりは第3レンズ群L3の光軸位置合わせを行っている。光軸方向に関しては、第1レンズ鏡筒1に係合する係止部を設けて位置合わせを行っている。
ここで、第3レンズ保持枠3は、移動群である第2レンズ保持枠2と第4レンズ保持枠4との間に配置されているため、第3レンズ保持枠3のガイドバー6bとの係合長を長くすることが難しい。このため、第3レンズ保持枠3における周方向3個所に第1レンズ鏡筒1に係合する係止部を設けて該第3レンズ保持枠3(第3レンズ群L3)の光軸方向に対する傾きを阻止している。
フォーカスモータ7及びズームモータ8はそれぞれ、ステッピングモータ等により構成されている。モータ8は、板金により製作されたモータ保持板(保持部材)8bにより保持されて、例えば不図示のビスにより後部鏡筒5に固定されている。モータ7についても同様に、板金により製作されたモータ保持板7bにより保持されて、例えば不図示のビスにより後部鏡筒5に固定されている。
9は、不図示のビスにより後部鏡筒5に固定される光量調節装置である。光量調節装置9は、絞り羽根9aを開閉して光が通過する開口の径を変化させることで撮像素子に入射する光量を調整する。
10、11はフォトインタラプタであり、それぞれ不図示の補強板に接着されている。フォトインタラプタ10は補強板を介して不図示のビスにより後部鏡筒5に固定されている。フォトインタラプタ11は補強板を介して不図示のビスにより第1レンズ鏡筒1に固定されている。第2レンズ保持枠2が光軸方向に移動すると、該第2レンズ保持枠2に形成された遮光部2aがフォトインタラプタ11を構成する発光部と受光部との間に出入りする。
これにより遮光状態と受光状態とに切り換わる。フォトインタラプタ11は、この切り換わりを検出することにより、第2レンズ保持枠2がそれぞれ基準位置に位置しているか否かを検出している。第4レンズ保持枠4に関しても同様に、フォトインタラプタ10を用いて、第4レンズ保持枠4がそれぞれ基準位置に位置しているか否かを検出している。
前記フォーカスモータ7、ズームモータ8、光量調節装置9、フォトインタラプタ10、11には、不図示のフレキシブルプリント板FPCが半田付けされている。このFPCを通じて撮像装置(カメラ本体)との電気信号の通信を行なっている。
図12は、本実施例のレンズ鏡筒を用いて構成した撮像装置(ビデオカメラ)の要部ブロック図である。なお、この図中において、上述した実施例における構成要素と同じものには、同じ符号を付して説明に代える。
レンズ群L1〜L4を通る入射光を受光する撮像素子221の出力は、カメラ信号処理回路228に接続されている。カメラ信号処理回路228の出力のY信号は、AEゲート229、AFゲート230に接続されている。AEゲート229の出力はCPU232に接続され、AFゲート230の出力はAF信号処理回路231を介してCPU232に接続されている。
CPU232には、第2レンズ群L2の光軸方向位置を検出するズームエンコーダ225、光量調節装置9の開口径を検出する絞りエンコーダ226、第4レンズ群L4の光軸方向位置を検出するフォーカスエンコーダ227の出力が接続されている。更にCPU232には、ズームスイッチ233、ズームトラッキングメモリ234の出力が接続されている。
CPU232の出力はズーム駆動源222、絞り駆動源224、フォーカス駆動源223に接続されている。ズーム駆動源222は第2レンズ群L2を駆動するズームモータ8、リードスクリュウ8b等を含み、フォーカス駆動源224は第4レンズ群L4を駆動するフォーカスモータ7、リードスクリュウ7b等を含んでいる。絞り駆動源224は光量調節装置9に備えられており、絞りばね9aを駆動する。
カメラ信号処理回路228は撮像素子221の出力に対して所定の増幅やガンマ補正などを施す。これらの所定の処理を受けた映像信号のコントラスト信号はAEゲート229、AFゲート230を通過する。AF(オートフォーカス)のためのAF信号処理回路231は、映像信号の高周波成分に関する1つ又は複数の出力を生成する。ズームスイッチ233、ズームトラッキングメモリ234は、変倍に際して被写体距離と第2レンズ群L2位置に応じてとるべき第4レンズ群L4の位置の情報を記憶する。なお、ズームトラッキングメモリ234としてはCPU232内のメモリを使用してもよい。
例えば、撮影者によりズームスイッチ233が操作されると、CPU232はズームトラッキングメモリ234の情報を基に算出した第2レンズ群L2と第4レンズ群L4の所定の位置関係が保たれるように駆動制御する。即ち、ズームエンコーダ225の検出結果から得られる第2レンズ群L2の光軸方向絶対位置と算出された位置とが一致するように、ズーム駆動源222とフォーカス駆動源223を駆動制御する。同様に、フォーカスエンコーダ227の検出結果より得られる第4レンズ群L4の光軸方向絶対位置と算出された位置が一致するように、ズーム駆動源222とフォーカス駆動源223を駆動制御する。
また、オートフォーカス動作ではAF信号処理回路231の出力がピークを示すように、CPU232はフォーカス駆動源223により第4レンズ群L4を駆動制御する。更に、適正露出を得るために、CPU232はAEゲート229を通過したY信号の出力の平均値の所定値及び絞りエンコーダ226の出力所定値となるように、絞り駆動源224を駆動制御して光量調節装置9の開口径を制御する。
なお、ズーム駆動源222及びフォーカス駆動源223としては、実施例のようにステッピングモータに限らず、例えばDCモータやボイスコイルモータ、振動型モータ、振動型リニアアクチュエータ等を用いてもよい。
第2、第4レンズ群L2、L4の位置を検出するためには、エンコーダ以外の検出方式を採用してもよい。本実施例のように、駆動源としてステッピングモータを用いる場合には、或る基準位置にレンズ移動枠を配置してから、ステッピングモータに入力する動作パルス数を連続して計数する方法が一般的である。移動するレンズ保持枠に一体的に遮光板を設け、フォトインタラプタにより基準位置を検出する。そして、その後ステッピングモータに与える駆動パルス数をカウントすることによりレンズ群の位置を制御している。DCモータを用いる場合には、エンコーダとして、ボリューム等の絶対位置エンコーダや磁気式エンコーダを用いることができる。
絞りエンコーダ226は絞り駆動源224のメータ内部にホール素子を配置し、ロータとステータの回転位置関係を検出する方式のものなどが使用できる。絞り駆動源224により2枚の絞り羽根9aが駆動され光量調節を行う。また絞り羽根には、小絞り回折による画質劣化を防止するため、NDフィルタが貼り付けられている。或いは、このNDフィルタを別の駆動源により駆動するものが知られている。
なお図12ではビデオカメラについて説明したが、本発明のレンズ駆動装置は、デジタルスチルカメラやフィルムカメラ、交換レンズ等、他の光学機器(撮像装置)にも同様に適用することができる。
次に温度変化によって発生するピント変化に関して説明する。一般に、材料は温度上昇に伴い膨張し、温度下降に伴い収縮する。よって、レンズ鏡筒においては、周辺温度の変化に伴って部品寸法が変化することで、各レンズ群の光軸方向に対する位置が変化し、結果としてピント面のずれが生じることとなる。
図7は、各レンズ群が光軸方向に位置変化した際のピント面の変化の比率を示す指数(以下、位置敏感度)を示したものである。尚、図7は本実施例におけるズームレンズの位置敏感度特性を示すものであるが、凸凹凸凸の4群リアフォーカスタイプのズームレンズで有れば、数値自体にはレンズ個別で差異があるが、特性としては図7とほぼ類似な特性を示すと考えてよい。この図7において、縦軸は位置敏感度を示し、符号の差はピントの変化する方法の差である。横軸はズーム位置を示し、左端が広角端(WIDE端)、右端が望遠端(TELE端)である。
この図7より、第3レンズ群と第4レンズ群は、広角端から望遠端まで位置敏感度が低く、且つ、ピント変化量の符号が逆で相殺関係にあることが分かる。一方、第1レンズ群と第2レンズ群は、望遠端の手前から望遠端にかけてグラフが急激に変化している。これにより、望遠端近辺において第1レンズ群と第2レンズ群の位置敏感度が高い、即ち、第1群レンズと第2群レンズの光軸方向の位置変化がピント変化量に大きく影響することが分かる。更に、第1レンズ群と第2レンズ群の位置敏感度は、符号は逆であるが絶対値はほぼ近い値を示している。
これは第1レンズ群と第2レンズ群の位置変化量がおおよそ同等であれば、互いのピント変化方向が逆方向であるために、互いのレンズ群によるピント変化量は相殺されることを示している。以上のことから、温度変化により光軸方向の寸法に変化が生じた際のピント変化は、望遠端近傍から望遠端にかけて問題になり易いといえる。そして、そのピント変化を抑制するためには位置敏感度の高い第1レンズ群と第2レンズ群の光軸方向の位置関係に着目すればよいことが分かる。
図5はズーム広角端における各レンズ群位置を示す図、図6はズーム望遠端における各レンズ群位置を示す図である。図4、図5、および下記に示す符号
A1:第1レンズ群L1の位置敏感度
A2:第2レンズ群L2の位置敏感度
α1:第1レンズ鏡筒1の線膨張係数
α2:後部鏡筒5の線膨張係数
α3:第2レンズ移動枠2の線膨張係数
α4:ラック15の線膨張係数
α5:ズームモータ8のスクリュウ軸8aの線膨張係数
α6:ズームモータ8のモータ保持板8bの線膨張係数
X1:第1レンズ群L1〜第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の結合面の寸法
X2:第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の結合面〜撮像素子取付け基準面の寸法
X3:第2レンズ群L2〜第2レンズ移動枠2のラック取付け基準位置の寸法
X4:第2レンズ移動枠2のラック取付け基準位置〜ラック噛合位置の寸法
X5:ラック噛合位置〜モータ保持板8b先端の寸法(ズーム位置により可変)
X6: モータ保持板8b先端〜ズームモータ取付け基準位置の寸法
X7: 撮像素子取付け基準面〜ズームモータ取付け基準位置の寸法
を用いると、撮像素子取付け面から前記第1レンズ群までの寸法は、次式となる。
A1:第1レンズ群L1の位置敏感度
A2:第2レンズ群L2の位置敏感度
α1:第1レンズ鏡筒1の線膨張係数
α2:後部鏡筒5の線膨張係数
α3:第2レンズ移動枠2の線膨張係数
α4:ラック15の線膨張係数
α5:ズームモータ8のスクリュウ軸8aの線膨張係数
α6:ズームモータ8のモータ保持板8bの線膨張係数
X1:第1レンズ群L1〜第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の結合面の寸法
X2:第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の結合面〜撮像素子取付け基準面の寸法
X3:第2レンズ群L2〜第2レンズ移動枠2のラック取付け基準位置の寸法
X4:第2レンズ移動枠2のラック取付け基準位置〜ラック噛合位置の寸法
X5:ラック噛合位置〜モータ保持板8b先端の寸法(ズーム位置により可変)
X6: モータ保持板8b先端〜ズームモータ取付け基準位置の寸法
X7: 撮像素子取付け基準面〜ズームモータ取付け基準位置の寸法
を用いると、撮像素子取付け面から前記第1レンズ群までの寸法は、次式となる。
X1+X2 ・・・(1)
撮像素子取付け面から前記第2レンズ群までの寸法は、次式となる。
X3+X4+X5+X6+X7 ・・・(2)
図5のズーム望遠端においては、(1)>(2)の関係にある。
尚、ここでは、寸法の符号は、図中矢印方向を正、その逆方向を負とする。
温度が1℃変化した時の第1レンズ群L1の光軸方向の位置変化量は、次式となる。
α1×X1+α2×X2
温度が1℃変化した時の第2レンズ群L2の光軸方向の位置変化量は、次式となる。
α3×X3+α4×X4+α5×X5+α6×X6+α2×X7
温度が1℃変化した時の第1レンズ群L1によるピント変化量は、次式となる。
(α1×X1+α2×X2)×A1 ・・・(3)
温度が1℃変化した時の第2レンズ群L2によるピント変化量は、次式となる。
(α3×X3+α4×X4+α5×X5+α6×X6+α2×X7)×A2 ・・・(4)
30℃でのピント変化量は、それぞれの式から導かれる値を30倍すればよい。
撮像素子取付け面から前記第2レンズ群までの寸法は、次式となる。
X3+X4+X5+X6+X7 ・・・(2)
図5のズーム望遠端においては、(1)>(2)の関係にある。
尚、ここでは、寸法の符号は、図中矢印方向を正、その逆方向を負とする。
温度が1℃変化した時の第1レンズ群L1の光軸方向の位置変化量は、次式となる。
α1×X1+α2×X2
温度が1℃変化した時の第2レンズ群L2の光軸方向の位置変化量は、次式となる。
α3×X3+α4×X4+α5×X5+α6×X6+α2×X7
温度が1℃変化した時の第1レンズ群L1によるピント変化量は、次式となる。
(α1×X1+α2×X2)×A1 ・・・(3)
温度が1℃変化した時の第2レンズ群L2によるピント変化量は、次式となる。
(α3×X3+α4×X4+α5×X5+α6×X6+α2×X7)×A2 ・・・(4)
30℃でのピント変化量は、それぞれの式から導かれる値を30倍すればよい。
前述の通り、ピント変化に対しては、第1レンズ群と第2レンズ群の光軸方向の位置関係に着目すればよく、(3)式と(4)式の和が0に近く出来ればそれだけピント変化量も小さく抑えられることとなる。尚、ここでは、例えばズームモータ8のスクリュウ軸8aの軸受け部品など、寸法が小さくてピント変化への影響が少ない部品に関しては割愛している。
ところで、先行文献1に記載の従来のレンズ鏡筒は、第1レンズ鏡筒に第1レンズ群とズームモータを保持し、後部鏡筒に撮像素子の保持部を有し、第1レンズ鏡筒と第2レンズ移動枠と後部鏡筒は同じ材質という構成であった。よって、上式においてα2=α1、α3=α1となるため、従来のレンズ鏡筒では、(1)式は次のようになる。
(α1×(X1+X2))×A1 ・・・(5)
同様に(2)式は次のようになる。
同様に(2)式は次のようになる。
(α1×(X3+X7))+(α4×X4+α5×X5+α6×X6))×A2 ・・・(6)
望遠端においては、図6から分かるようにX5とX6は符号が逆方向で相殺関係にある。更に金属材料のため、樹脂材に比べると線膨張係数が小さい。X4は寸法自体が小さい上に相殺方向の寸法である。よって、これらは温度変化による位置変化への影響度は低いといえる。よって、第1レンズ群と第2レンズ群の温度による光軸方向の位置変化量の差は、(X1+X2)と(X3+X7)の寸法差が、大きく影響するといえる。(X1+X2)は撮像素子取付け基準面から第1レンズ群までの鏡筒の占める寸法である。(X3+X7)は撮像素子取付け基準面から第2レンズ群までの鏡筒の占める寸法である。
望遠端においては、図6から分かるようにX5とX6は符号が逆方向で相殺関係にある。更に金属材料のため、樹脂材に比べると線膨張係数が小さい。X4は寸法自体が小さい上に相殺方向の寸法である。よって、これらは温度変化による位置変化への影響度は低いといえる。よって、第1レンズ群と第2レンズ群の温度による光軸方向の位置変化量の差は、(X1+X2)と(X3+X7)の寸法差が、大きく影響するといえる。(X1+X2)は撮像素子取付け基準面から第1レンズ群までの鏡筒の占める寸法である。(X3+X7)は撮像素子取付け基準面から第2レンズ群までの鏡筒の占める寸法である。
望遠端位置では、図6から分かるように、第1レンズ群までの寸法のほうが、第2レンズ群までの寸法よりも大きいために、温度変化による膨張・収縮での光軸方向の位置変化が第1レンズ群の方が大きくなる。
A1とA2は前述のように符号は逆であるが、絶対値としては近い値である。故に、(3)式と(4)式の和を考えると、(X1+X2)と(X3+X7)の寸法差が、ピント変化量の値に大きく影響するといえる。
図10は従来例のレンズ鏡筒の構成を採用した場合の1℃変化時の各レンズ群によるピント変化量を表したものである。望遠側において、第1レンズ群によるピント変化量が第2レンズ群によるピント変化量の約2倍を示している。30℃変化時の各群によるピント変化量を合計したものが図11であるが、第1群レンズ群と第2レンズ群のピント変化量の差分が大きく影響して、レンズ鏡筒としては、望遠端近傍にて大きくピントずれが発生するのがわかる。
以上の考察から、温度変化によるピント変化量をより小さく抑える方策の一つとしては、次のことが考えられる。第1レンズ群と第2レンズ群の撮像素子取付け面からの部品を累積した距離および温度での位置変化量が異なる点を考慮し、第1レンズ群を保持する鏡筒と第2レンズ群を保持する鏡筒の光軸方向の線膨張係数を異なるものに設定すればよい。
次に、温度変化によるピント変化を抑制するための本実施例におけるレンズ鏡筒の構成の詳細に関して説明する。
次に、温度変化によるピント変化を抑制するための本実施例におけるレンズ鏡筒の構成の詳細に関して説明する。
図4に示す第1レンズ鏡筒1は、前述の通り、前方に第1レンズ群L1を保持する。1aは、後部鏡筒5との結合面である。第1レンズ群L1を保持する別の第1レンズ保持枠を設け、それを第1レンズ鏡筒に固定することで、第1レンズ鏡筒1が第1レンズ群L1を保持するような構成でもよい。
図3に示す後部鏡筒5は、前述の通り後端部5aが形成されている。5bは第1レンズ鏡筒1との結合面である。第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の結合は、前記結合面において図1および図2で示す3本のビス17によって行われている。
後部鏡筒5には不図示のビスによりズームモータ8が固定されている。ズームモータ8のスクリュウ軸8aには、第2レンズ群L2を保持する第2レンズ保持枠2に取り付けられたラック15が噛合している。つまり、後部鏡筒5は、ズームモータ8とラック15を介して、間接的に第2レンズ群L2を保持している。
前述の通り、第1レンズ群L1の方が第2レンズ群L2に比べて、望遠端においては温度変化による膨張・収縮での光軸方向の位置変化が大きい。よって、本実施例では第1レンズ群L1を保持する第1レンズ鏡筒1の線膨張係数が、第2レンズ群L2を直接保持する第2レンズ移動枠2および第2レンズ群L2を間接的に保持する後部鏡筒5の線膨張係数よりも小さい材料を選定している。第2レンズ移動枠2と後部鏡筒5は同じ材料を用いている。
上記符号を用いて表すと、α1<α2=α3の関係にある。具体的には、前記3部品はいずれもポリカーボネート樹脂であるが、メーカーおよびグレードの選定により、α1=1.8×10−5、α2=α3=3.2×10−5の材料を使用している。
図6は、望遠端における各レンズ群の位置関係を図示した図であり、図中に前述の符号X1〜X7を付加している。第1レンズ群L1を保持するする部品であり、線膨張係数を小さい側に設定した第1レンズ鏡筒1の光軸方向の寸法、即ち、X1の寸法は、X2の寸法に対して十分に大きいほうが、より第1レンズ群L1の温度による位置変化を抑えることができる。よって、前述の第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の結合面は、X1の寸法を出来る限り大きく取れるようにするために、撮像素子取付け面に近い側に設置している。
以上の実施例にて、1℃変化時の各レンズ群によるピント変化量を表したものが図8である。望遠側において、第1レンズ群によるピント変化量と第2レンズ群によるピント変化量の差が図10と比較して大分小さく抑えられているのが分かる。30℃変化時の各群によるピント変化量を合計したものが図9であるが、図11と比較して、望遠端では約1/4まで低減出来ている。ピント変化量は、X1〜X7の寸法やα1〜α6の線膨張係数の設定次第では、更に小さく抑えることが可能となる。
温度によるピント変化量の抑制が可能になることで、位置敏感度の高いズームレンズにおいても、大型化することなく、移動レンズ群の必要十分な移動範囲の確保ができるようになる。
温度によるピント変化量の抑制が可能になることで、位置敏感度の高いズームレンズにおいても、大型化することなく、移動レンズ群の必要十分な移動範囲の確保ができるようになる。
[実施例2]
実施例1においては、第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5と第2レンズ移動枠2の材料の選択によって、線膨張係数が異なるようにした。樹脂材料は、例えばガラス繊維などを添加したものにおいては、そのガラス繊維の配向性による流れ方向とその直角方向とで線膨張係数の差が生じる。たとえが、ポリカーボネートのガラス繊維30%含有のものでは、流れ方向の線膨張係数が3×10−5、直角方向の線膨張係数が6×10−5である。
実施例1においては、第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5と第2レンズ移動枠2の材料の選択によって、線膨張係数が異なるようにした。樹脂材料は、例えばガラス繊維などを添加したものにおいては、そのガラス繊維の配向性による流れ方向とその直角方向とで線膨張係数の差が生じる。たとえが、ポリカーボネートのガラス繊維30%含有のものでは、流れ方向の線膨張係数が3×10−5、直角方向の線膨張係数が6×10−5である。
よって、第1レンズ鏡筒と第2レンズ鏡筒が同材質であっても、配向性のある材料であれば、光軸方向の線膨張係数が互いの部品で異なるように設定することが可能となる。つまり、成形時の流れ方向が互いの部品で直交するように第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5の形状および型構造を構成すればよい。
図3の後部鏡筒5において、金型の分割を、光軸との直交方向である図中aおよびbの方向に開くようにし、アンダーカット部は光軸方向cおよびdの方向のスライド型により形成できる形状としている。ゲートの種類、数、配置を適宜選択することによって、成形時の樹脂の流れ方向を光軸直交方向とすることができる。
図4の第1レンズ鏡筒1において、金型の分割を、光軸方向である図中cおよびdの方向に開くようにし、アンダーカット部は、例えば光軸直交方向aおよびbの方向のスライド型により形成できる形状としている。ゲートの種類、数、配置を適宜選択することによって、成形時の樹脂の流れ方向を光軸方向とすることができる。
前記のガラス繊維30%含有のポリカーボネート材を用いると、第1レンズ鏡筒1の光軸方向の線膨張係数がα1=3×10−5、後部鏡筒5の光軸方向の線膨張係数がα2=6×10−5となり、α1<α2の関係である。光軸方向の部品寸法は、実施例1と同様である。
1℃変化時の各レンズ群によるピント変化量や、30℃変化時の各群によるピント変化量を合計したもの、即ち、レンズ鏡筒としてのピント変化量は、実施例1と同様に従来例に対して大幅に低減できる。よって、温度によるピント変化量の抑制が可能になることで、位置敏感度の高いズームレンズにおいても、大型化することなく、移動レンズ群の必要十分な移動範囲の確保ができるようになる。
尚、第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5は、同材質に限らず異材質であっても良い。実施例1との違いは、第1レンズ鏡筒1と後部鏡筒5において、成形時の樹脂材料の流れ方向の違いから、光軸方向の線膨張係数を異なるように設定した点であるが、その他の内容や構成に関しては、実施例1と同様である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
L1 第1レンズ群、L2 第2レンズ群、L3 第3レンズ群、L4 第4レンズ群、
1 第1レンズ鏡筒(第1の鏡筒部)、2 第2レンズ保持枠、3 第3レンズ保持枠、
4 第4レンズ保持枠、5 後部鏡筒(第2の鏡筒部)、8 ズームモータ(駆動源)、
8a スクリュウ軸(出力軸)、8b モータ保持板(保持部材)、12 光軸、
15 ラック(ラック部材)
1 第1レンズ鏡筒(第1の鏡筒部)、2 第2レンズ保持枠、3 第3レンズ保持枠、
4 第4レンズ保持枠、5 後部鏡筒(第2の鏡筒部)、8 ズームモータ(駆動源)、
8a スクリュウ軸(出力軸)、8b モータ保持板(保持部材)、12 光軸、
15 ラック(ラック部材)
Claims (7)
- 少なくとも光軸に沿って開口した側面部を有する第1の鏡筒部と、
少なくとも光軸に沿って開口した側面部を有する第2の鏡筒部とを有し、
前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部との夫々の開口した側面部同士を合わせて、
密閉された鏡筒本体の外観形状を構成し、
前記鏡筒本体の内部に、固定で凸の第1レンズ群、移動可能で凹の第2レンズ群、固定で凸の第3レンズ群、および移動可能で凸の第4レンズ群からなるズームレンズを内包し、
前記第2レンズ群を保持する第2レンズ移動枠と、
前記第2レンズ移動枠に取り付けられたラック部材と、
前記第2レンズ群を移動させるための駆動源とを有し、
前記駆動源は、ねじが形成された出力軸と保持部材を有し、
前記ラック部材は前記出力軸に噛合し、
前記出力軸の回転により前記第2レンズ群が光軸方向に移動可能に保持されており、
前記第1の鏡筒部は、前記1群レンズ群を保持し、
前記第2の鏡筒部は、撮像素子保持部を有し、且つ、前記駆動源を保持し、
ズームの望遠位置における各部品の光軸方向の寸法を累積した寸法は、
撮像素子取付け面から前記第1レンズ群までの累積寸法が、撮像素子取付け面から前記第2レンズ群までの累積寸法よりも大きく、
前記第1の鏡筒部の光軸方向の線膨張係数が、前記第2の鏡筒部の光軸方向の線膨張係数よりも小さいことを特徴とするレンズ鏡筒。 - レンズ群の光軸方向の位置変化量に対するピント面ずれ量の比率を示す位置敏感度において、ズームの望遠側近傍にて、前記第1レンズ群の位置敏感度と前記第2レンズ群の位置敏感度は、互いの符号が逆方向で、相殺関係にあることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部とを結合する面は、光軸方向において、撮像素子取付け面に近い側にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズ鏡筒。
- 撮像素子取付け面から前記第1レンズ群までの寸法の主な構成要素は、
前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部であり、
前記第1の鏡筒部の前記第1レンズ群受面から前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部の結合面までの寸法X1と、
前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部の結合面から前記第2の鏡筒部の撮像素子取付け面までの寸法X2からなり、
撮像素子取付け面から前記第2レンズ群までの寸法の主な構成要素は、
前記第2レンズ移動枠と前記ラック部材と前記駆動源と前記第2の鏡筒部であり、
前記第2レンズ移動枠の前記第2レンズ群受面から前記ラック部材取付け面までの寸法X3と、
前記ラック部材取付け面から前記ラック部材の前記駆動源の出力軸の噛合位置までの寸法X4と、
前記ラック部材の噛合位置から前記駆動源の出力軸受部までの寸法X5と、
前記駆動源の出力軸受部から前記第2の鏡筒部への駆動源の取付け基準位置までの寸法X6と、
前記第2の鏡筒部の前記駆動源の取付け基準位置から撮像素子取付け面までの寸法X7からなり、
前記第1の鏡筒部の線膨張係数をα1、前記第2の鏡筒部の線膨張係数をα2、前記第2レンズ移動枠の線膨張係数をα3、前記ラック部材の線膨張係数をα4、前記駆動源の出力軸の線膨張係数をα5、前記駆動源の保持部材の線膨張係数をα6、第1レンズ群の位置敏感度をA1、第2レンズ群の位置敏感度をA2とすると、
撮像素子取付け面から前記第1レンズ群までの寸法は、
X1+X2 ・・・(1)
撮像素子取付け面から前記第2レンズ群までの寸法は、
X3+X4+X5+X6+X7 ・・・(2)
で示され、ズームの望遠位置において、(1)>(2)の関係にあり、
温度変化による前記第1レンズ群の光軸方向の位置変化は、1℃あたり、
α1×X1+α2×X2 ・・・(3)
温度変化による前記第2レンズ群の光軸方向の位置変化は、1℃あたり、
α3×X3+α4×X4+α5×X5+α6×X6+α2×X7 ・・・(4)
温度変化による前記第1レンズ群でのピント位置変化は、1℃あたり、
(3)×A1
温度変化による前記第2レンズ群でのピント位置変化は、1℃あたり、
(4)×A2
で示され、A1とA2は異符号であり、α1<α2 、X1>X2 であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のレンズ鏡筒。 - 前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部は、異材質の樹脂製成形品であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のレンズ鏡筒。
- 前記第1の鏡筒部と前記第2の鏡筒部は、成形時における材料の流動方向が互いに直交する方向になるように、成形金型の分割方向およびゲートが異なる方向に配置された同材質の樹脂製成形品、または、異材質の樹脂製成形品であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載のレンズ鏡筒。
- 請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載のレンズ鏡筒を備える光学機器。
Priority Applications (1)
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JP2014151465A JP2016029417A (ja) | 2014-07-25 | 2014-07-25 | レンズ鏡筒およびそれを有する光学機器 |
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US20190064473A1 (en) * | 2017-08-25 | 2019-02-28 | Canon Kabushiki Kaisha | Lens barrel and imaging apparatus |
CN110764212A (zh) * | 2018-07-26 | 2020-02-07 | 扬明光学股份有限公司 | 镜筒及其制造方法 |
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2014
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CN109425949A (zh) * | 2017-08-25 | 2019-03-05 | 佳能株式会社 | 镜筒和摄像设备 |
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