JP2016029253A - 壁体および壁構造物ならびにその構築方法 - Google Patents

壁体および壁構造物ならびにその構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】作業効率が良好となる壁体および擁壁ならびにその構築方法を提供する。
【解決手段】擁壁Sは、土留め壁として使用され、現場での設置済みの壁体10及びこの壁体10に対してL形となるよう現場で施工する鉄筋コンクリートのベース20を備える。即ち、予め工場生産などされる壁体10及び施工現場で後うちするベース20よりなる擁壁Sにおいては、壁体10の平面的構造体から突出物(「邪魔物」と同義)がないので、壁体10が簡易に積み重ねられ、壁体10の運搬および設置作業などの作業効率を良好にし得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、擁壁・塀などして使用される壁体および壁構造物ならびにその構築方法に関するものである。
従来の擁壁には、例えばL形擁壁を底版および前壁に二分割し、それぞれを運搬可能なプレキャスト鉄筋コンクリート製品としている発明が開示されている(特許文献1及び2)。そして、両特許文献は、これらの底版および前壁を、施工現場でスリーブ継手またはPC鋼材などにより連結してL形擁壁を構築する。
そして、特許文献1の底版は、基礎コンクリート上の所定位置に設置される(段落番号「0018」及び図1参照)。この図1に示すように、基礎コンクリート下には、砕石を敷詰める作業が行われ、砕石帯が施工されている。なお、基礎コンクリートは、L形擁壁の重量などにより、必要または不要となる。
特開平9−242094号公報 特開平9−296462号公報
ところで、両特許文献では、底版用と前壁用とに分割した一対のプレキャスト鉄筋コンクリート製品としているので、それぞれの底版および前壁を施工現場まで運搬する必要がある。また、底版または前壁の少なくともいずれか一方には、例えばガイド棒または張出し部などの突出物が配置されている。即ち、両特許文献では、これらの突出物が底版および前壁の運搬時などの作業において邪魔物として支障が生じ可能性があるので、例えば施工現場での設置作業などに細心の注意力を要することとなり、作業遅延の原因ともなり得る場合もある。
本発明の目的は、作業効率が良好となる壁体および壁構造物ならびにそれらの構築方法を提供する。
本発明の壁構造物は、平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートの壁体と、現場での設置済みの上記壁体に対してL形となるよう現場で施工する鉄筋コンクリートのベースと、を備える。また、上述した壁構造物においては、孔を上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成すると共に、上記孔に対して上記壁体の転倒防止手段を配置するようにしても良い。なお、この転倒防止手段は、壁体の孔及びベースの外へと突出するように配置する筒体(例えば鋼管など)としても良い。また、上述した各壁構造物においては、上記壁体のベース側に歯部を設けるようにしても良い。この場合には、上記歯部に対して連結鉄筋を上記壁体の幅方向に沿って配置させるようにしても良い。また、上述した壁構造物においては、上記連結鉄筋に並列するよう上記ベースに連結鉄筋を配置させるようにしても良い。この場合には、上記壁体の連結鉄筋および上記ベースの連結鉄筋を巻くフープ鉄筋を設けるようにしても良い。更に、上述した各壁構造物においては、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工するようにしても良い。
本発明の壁体は、現場で施工する鉄筋コンクリートのベースに対し、L形となるよう最初に設置する平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートで形成することを特徴とする。また、上述した壁体においては、上記壁体のベース側に歯部を設けるするようにしても良い。なお、この場合には、上記歯部間に挿通するよう連結鉄筋を配置させるようにしても良い。また、上述した各壁体においては、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工するようにしても良い。更に、上述した各壁体においては、上記壁体の転倒防止手段を連結する孔を、上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成するようにしても良い。
本発明の壁構造物の構築方法は、平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートの壁体を現場で最初に設置し、その後工程としてその現場で鉄筋コンクリートのベースを施工してL形とすることを特徴とする。また、上述した壁構造物の構築方法においては、上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成される孔に対し、上記壁体の転倒防止手段を連結させるようにしても良い。更に、上述した各壁構造物の構築方法においては、上記壁体のベース側に設ける歯部間に挿通するよう配置するようにしても良い。この場合には、上記壁体の歯部間に挿通するよう配置される連結鉄筋に、並列するよう上記ベースに連結鉄筋を配置するようにしても良い。また、この場合には、上記壁体の連結鉄筋および上記ベースの連結鉄筋をフープ鉄筋で巻付けるようにしても良い。また、上述した壁構造物の構築方法においては、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工するようにしても良い。
そして、本発明の壁構造物には、擁壁をも含む概念であり、以下の課題解決手段も包含される。本発明は、土留め壁として使用される擁壁であって、平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートの壁体と、現場での設置済みの上記壁体に対してL形となるよう現場で施工する鉄筋コンクリートのベースと、を備える。また、上述した擁壁においては、孔を上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成すると共に、上記孔に対して上記壁体の転倒防止手段を配置するようにしても良い。更に、上述した各擁壁においては、上記壁体のベース側に歯部を設けるようにしても良い。なお、この場合には、上記歯部に対して連結鉄筋を上記壁体の幅方向に沿って配置させるようにしても良い。また、上述した擁壁においては、上記連結鉄筋に並列するよう上記ベースに連結鉄筋を配置させるようにしても良い。更に、この場合には、上記壁体の連結鉄筋および上記ベースの連結鉄筋を巻くフープ鉄筋を設けるようにしても良い。また、上述した各擁壁においては、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工するようにしても良い。本発明は、土留め壁として使用される壁体であって、現場で施工する鉄筋コンクリートのベースに対し、L形となるよう最初に設置する平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートで形成することを特徴とする。また、上述した壁体においては、上記壁体のベース側に歯部を設けるようにしても良い。なお、この場合には、上記歯部間に挿通するよう連結鉄筋を配置させるようにしても良い。更に、上述した各壁体においては、上記壁体の転倒防止手段を連結する孔を、上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成するようにしても良い。上述した各壁体においては、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工するようにしても良い。本発明は、土留め壁として使用される擁壁の構築方法であって、平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートの壁体を現場で最初に設置し、その後工程としてその現場で鉄筋コンクリートのベースを施工してL形とすることを特徴とする。また、上述した擁壁の構築方法においては、上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成される孔に対し、上記壁体の転倒防止手段を連結させるようにしても良い。更に、上述した各擁壁の構築方法においては、連結鉄筋を上記壁体のベース側に設ける歯部間に挿通するよう配置するようにしても良い。この場合には、上記壁体の歯部間に挿通するよう配置される連結鉄筋に、並列するよう上記ベースに連結鉄筋を配置するようにしても良い。また、この場合には、上記壁体の連結鉄筋および上記ベースの連結鉄筋をフープ鉄筋で巻付けるようにしても良い。上述した各擁壁の構築方法においては、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工するようにしても良い。
本発明によれば、予め工場生産などされる壁体及び施工現場で後うちするベースよりなる擁壁を含む壁構造物においては、壁体の平面的構造体から突出物(「邪魔物」と同義)がないので、壁体が簡易に積み重ねられ、壁体の運搬および設置作業などの作業効率を良好にし得る。
なお、本発明によれば、壁体に形成される孔に対して壁体の転倒防止手段を配置する場合、壁体は転倒防止され、起立状態に保持されるので、安定した状態でベースを後うちし得る。また、転倒防止手段を壁体の孔及びベースの外へと突出するように配置する筒体(例えば鋼管など)とする場合には、土留め側からの水を抜く水抜きパイプとして機能し得る。
本発明に係る第1実施例の壁体の平面図である。 図1に示す壁体を現場で設置する側面図である。 図2に示す壁体にベース等を施工した擁壁の側面図である。 図3に示す壁体およびベースの連結鉄筋にフープ鉄筋を巻き付けた状態を示す概念図である。 本発明に係る第2実施例の壁体の平面図である。 図5に示す壁体にベース等を施工した擁壁の側面図である。 本発明に係る第3実施例の壁体の平面図である。 (A)〜(E)は図7に示す壁体の正面図である。 本発明に係る第4実施例の壁体の平面図である。 本発明に係る第5実施例の壁体の平面図である。 図10に示す壁体にベース等を施工した壁構造物の側面図である。 本発明に係る他の適用例の壁体の平面図である。 本発明の壁体を建物の基礎とする正面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、具体化した第1実施例乃至第5実施例を説明する。
以下、図1乃至図4に基づいて、本発明の第1実施例である壁体および擁壁(壁構造物の一概念)ならびにその構築方法について説明する。図1及び図2に示すように、本実施例に係る壁体10は、予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートで形成される。即ち、図3に示すように、本実施例に係る擁壁(壁構造物)Sは、土留め壁として使用され、現場での設置済みの壁体10及びこの壁体10に対してL形となるよう現場で施工する鉄筋コンクリートのベース20を備える。
(壁体10に関する構成)
壁体10は、予め工場などで製造されたプレキャスト鉄筋コンクリートで成型され、縦長の略平板となっている(図1及び図2参照)。なお、コンクリート内には、図示しない鉄筋が適宜配筋されている。また、図1及び図2に示すように、壁体10には、その長手方向一端側(図2示すベース20側)に、複数の歯部12が突設されている。
これらの歯部12には、一対の連結鉄筋14が、壁体10の幅方向に沿って上下にそれぞれ配置されている。即ち、連結鉄筋14は、歯部12間を横架しており、且つその一部が露出している。この図1に示す露出部分14Aには、後述するフープ鉄筋30が、巻き付けられる(図4参照)。
更に、図1に示すように、右側の歯部12(壁体10のベース20側)には、円形の孔(壁体10の転倒防止手段の一部を構成)16が、壁体10の厚み方向に形成されている(図3参照)。なお、この孔16は、連結鉄筋14に干渉しないように、一対の連結鉄筋14間に配置している。
(本実施例の擁壁施工順序)
引続き、擁壁施工順序すなわち擁壁の構築方法について、図1乃至図4に基づき順次説明する。先ず本例は、図1に示す壁体10を、上述した構成となるように予め工場などで製造し、施工現場まで搬送する。次に施工現場では、図1に示す壁体10を設置場所まで移動させる。
ここで、設置場所は、例えば図示しない土などを掘り起こし、砕石G(図2及び図3参照)を敷詰める。この場合、現場状況などによっては、基礎コンクリートを打設して壁体10及びベース20を安定させるようにしても良い。例えば壁体10及び後うちするベース20を含む擁壁Sが小型(壁体10が縦横1m厚み10cm)などの場合には、上述した基礎コンクリートを省いても良い。
なお、図3に示す砕石G上には、図示しないモンタルを施工しても良い。このモンタル範囲は、例えば壁体10及びベース20を施工する範囲とする。そして、本例では、図2及び図3に示すように、砕石G(或いはモンタル)上に壁体10を先ず設置し、その後に現場で鉄筋コンクリートのベースを施工(「後うち」と同義)してL形とする。
具体的には、例えば搬送後の壁体10を設置場所で吊下げ起立させた安定状態(図2参照)とした後、図3に示す適宜長さの鋼管22を、壁体10の孔16に挿通(「連結」と同義)させる。即ち、図3に示すように、鋼管22は、その一端22Aを壁体10の表面と面一となるよう挿通する。また、鋼管22の他端は、図3の二点鎖線に示す根止め鋼管23で係止し得るように、ベース20側へ突出させる。
壁体10の転倒防止手段の一部を構成する鋼管22には、根止め鋼管23を挿通させる係止孔(図示省略)が形成されている。そのため、根止め鋼管(壁体10の転倒防止手段の一部を構成)23で砕石Gなどに根止めされた壁体10は転倒防止され、壁体10は図3に示す起立状態に保持される。そして、本実施例では、安定した状態でベース20を後うち(施工現場での壁体10の設置後におけるベース20の配筋および打設)し得る。
ベース20を後うち(「現場打ち」と同義)する際には、図4に示すように、壁体10の連結鉄筋14と並列するようベース20側に連結鉄筋24を所定間隔をもって複数配置する。この際、連結鉄筋14に対し直角(水平)方向へと並列する連結鉄筋24は、例えば図示しないコンクリートスペンサーブロックなどにおいて、配筋される。
この配筋された連結鉄筋24及び壁体10の連結鉄筋14に対し、図4に示すフープ鉄筋26を取り回すように巻付ける。即ち、フープ鉄筋26は、剪断補助筋の一種で、帯筋として主筋(連結鉄筋14及び24と同義)よりも細い鉄筋である。そして、この配筋状態(歯部12間の連結鉄筋14を含む)において、打設すなわち図示しない型枠内に半流動体のコンクリートを流し込み、ベース20を形成する。
本実施例は、壁体10を設置した後に、ベース20を後うちにて施工(「構築」と同義)し得るので、当日中(最短期間)に壁体10設置部分のベース20打設が可能となる。即ち、本実施例おいては、ベース20の当日打設が可能であるので、後日に行う場合に比べて埋戻し及び養生期間を短縮できる。また、本実施例では、壁体10に対するベース20の厚さ又は大きさ等を、施工現場に対応するよう適切に補強調整できるので、壁体10に対するベース20の強度補強をより確保し得る。
本実施例の鋼管22は、壁体10の孔16及びベース22のコンクリートで固定(「配置」と同義)されるので、土留め側からの水を抜く水抜きパイプとして機能し得る。なお、根止め鋼管23はベース22が養生した後に鋼管22から取外し、擁壁Sは完成する(図3の実線参照)。また、本実施例では、複数枚の壁体10を連続して設置させ、壁体10に対するベース20を後うちするようにしても良い。
予め工場生産などされる壁体10及び施工現場で後うちするベース20よりなる擁壁Sにおいては、壁体10を平面的構造体として重ね積みし得るので、運搬が容易である。即ち、本実施例によれば、壁体10には図1及び図2に示すよう四角形の平面体から突出物(「邪魔物」と同義)がないので、壁体10が簡易に積み重ねられ、壁体10の運搬および設置作業などの作業効率を良好にし得る。
なお、本実施例は、擁壁Sにおける強度(壁体10に対するベース20の接合部の強度計算)が後うちでは基本的にできないとされるので、例えば現状の宅造申請範囲外の工事またはブロック積み工事などに適用させる。即ち、本実施例では、将来的に上述した強度計算に基づき、宅造申請工事などにも適用できるよう考慮している。
以下、図6及び図7に基づいて、第2実施例について説明する。この第2実施例の壁体は、図1及び図3に示す壁体10を、横長とした例である。なお、上述した実施例1の図1乃至図4に示す壁体10及び擁壁Sと実質的に同一部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
第2実施例は、図5に示すように、孔16を両側の歯部12或いは孔28(図5の二点鎖線参照)を中央の歯部12上方にそれぞれ形成する例で、壁体10の転倒防止をより確実にし得る。なお、孔28を中央の歯部12上方に形成する場合には、図6の二点鎖線に示すように、鋼管22が例えばベース20の上方へ離間する状態で根止め鋼管23(図6の二点鎖線参照)を介して支持される。
また、第2実施例には、図6に示すように、一本の連結鉄筋14が孔16の上部に配置され、それに並列するようベース22側に一列の連結鉄筋24が複数配置される例である。即ち、第2実施例は、フープ鉄筋26を一列の連結鉄筋14及び24に略巻き付けられる例(図6の破線参照)である。
更に、第2実施例は、図5の二点鎖線に示すように、補強鉄筋30を壁体10に対して縦方向へ配筋し、且つその先端が歯部12間へ突出(「露出」と同義)するようにしても良い。なお、この場合には、補強鉄筋30が連結鉄筋14と干渉しないように配筋される。その他の構成および作用効果は、第1実施例と同様である。
以下、図7及び図8に基づいて、本発明の第3実施例である壁体および壁構造物ならびにその構築方法について説明する。この第3実施例の壁体は、図1に示す壁体10を、横長とした例である。なお、上述した実施例1の図1に示す壁体10及び擁壁(壁構造物)Sと実質的に同一部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。ここで、図8は、図7の底面図である。
第3実施例は、図7及び図8(A)に示すように、歯部12幅方向側面の内側に向かってV字状に切り欠く切欠部32または歯部12幅方向側面の外側に向かうV字状の突部34を、壁体10の厚み方向の中央に形成する例である。また、切欠部32は、突部34にそれぞれ対向するように形成されている。そして、歯部12は、ベースとしてのコンクリートで施工される。即ち、歯部12は切欠部32または突部34によってコンクリートに対する圧着力を増し、壁体10は滑り止めされる。
更に、第3実施例は、その切欠部32または突部34の形状を、図8(B)乃至図8(E)に示すように、半円状・コ字状・斜状などに変形させても良い。なお、これらの切欠部32または突部34は、図7および図8に示す、歯部12幅方向側面の一部または全部に形成しても良い。
以下、図9に基づいて、第4実施例について説明する。この第4実施例は、第3実施例と同様に、図1に示す壁体10の歯部12を変形した例である。そして、本実施例では、歯部12の根元12Aを補強し得るよう膨出(図9参照)させたので、壁体10の転倒が防止される。なお、上述した実施例1の図1に示す壁体10及び擁壁Sと実質的に同一部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。また、図9に示す壁体10は、擁壁の他に、塀(壁構造物)などにも適用し得る。
以下、図10乃至図11に基づいて、本発明の第5実施例である壁体および壁構造物(擁壁または塀などをも含む概念)ならびにその構築方法について説明する。この第5実施例の壁体は、コンクリート製の歯部よりも強度のある鋼鉄製のアンカー(歯部の一種)36を、後付けする例である。なお、上述した実施例1の図1に示す壁体10及び擁壁Sと実質的に同一部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。ここで、図11は、図10の側面図である。
第5実施例は、側面逆T字状の鋼鉄製アンカー36を、歯部の代わりとする例である(図10及び図11参照)。このアンカー36は、その先端を逆T字状または逆L字状などにすることで、壁体10を立てた状態での現場における食込みを防止するものである。ここで、アンカー36は、壁体10をコンクリートで成型する際に、予め配置させて一体成形させる(図10参照)。そして、ユーザは、図11の一点鎖線及び二点鎖線に示すように、後工程として基礎コンクリートでベース20を施工(打設)する。
ここで、本発明に係る壁体10は、第1実施例乃至第5実施例のように壁構造物としての擁壁または塀などの仕様しても良く、更に他の適用例として図12に示すような門柱(壁の一種)38などにも適用しても良い。また他の仕様として、壁体10は、図13に示すように、その壁構造物を例えば物置40など簡易タイプの建物基礎としても良い。ここで、図13の図示しないベースは、歯部12に対応するよう施工される。
なお、図1及び図5並びに図7などの二点鎖線あるいは一点鎖線などで示すように、上述した各実施例では、横断面略半円状のフェンス溝18を、壁体10の長手方向他端側(上端側)両端にそれぞれ形成しても良い。そして、この場合は、図示しないフェンス柱を、隣接するフェンス溝18同士で形成される孔(図示省略)に挿入し、例えばモンタルなどで固定する。
また、各実施例では、鉄筋接続用の孔19を、壁体10における歯部12側の両端にそれぞれ形成しても良い。そして、この場合は、図示しない鉄筋を、孔19に挿入して接続する。この場合も、隣接する壁体10同士のズレが防止される。更に、各実施例は、連結鉄筋14の表面を防錆用亜鉛などで加工しても良く、また連結鉄筋14或いは孔16などを設けないようにしても良い(図7参照)。
本発明では、施工能力たとえば強度などを高めるため、例えば壁体10の大きさ・厚さ・鉄筋・鉄骨またはベース20との接合カット面の大きさなどを、適宜変更し得る。また、本実施例では、第1実施例乃至第5実施例などの組合せにおいて、例えば上記各例の構成の内、適宜の箇所を組合せるパターンとしても良い。
10…壁体、12…歯部、14…連結鉄筋、14A…連結鉄筋の露出部、16・28…孔(転倒防止手段)、20…ベース、22…鋼管(転倒防止手段)、23…根止め鋼管(転倒防止手段)、24…ベース側の連結鉄筋、26…フープ鉄筋、30…補強鉄筋、32…切欠部、34…突部、36…アンカー(歯部の一種)、38…門柱(壁構造物)、40…物置(壁構造物)、S…擁壁(壁構造物)、G…砕石

Claims (18)

  1. 平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートの壁体と、
    現場での設置済みの上記壁体に対してL形となるよう現場で施工する鉄筋コンクリートのベースと、
    を備えることを特徴とする壁構造物。
  2. 請求項1に記載の壁構造物において、孔を上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成すると共に、上記孔に対して上記壁体の転倒防止手段を配置することを特徴とする壁構造物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の壁構造物において、上記壁体のベース側に歯部を設けることを特徴とする壁構造物。
  4. 請求項3に記載の壁構造物において、上記歯部に対して連結鉄筋を上記壁体の幅方向に沿って配置させることを特徴とする壁構造物。
  5. 請求項4に記載の壁構造物において、上記連結鉄筋に並列するよう上記ベースに連結鉄筋を配置させることを特徴とする壁構造物。
  6. 請求項5に記載の壁構造物において、上記壁体の連結鉄筋および上記ベースの連結鉄筋を巻くフープ鉄筋を設けることを特徴とする壁構造物。
  7. 請求項3乃至請求項6のいずれか1項に記載の壁構造物において、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工することを特徴とする壁構造物。
  8. 現場で施工する鉄筋コンクリートのベースに対し、L形となるよう最初に設置する平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートで形成することを特徴とする壁体。
  9. 請求項8に記載の壁体において、上記壁体のベース側に歯部を設けることを特徴とする壁体。
  10. 請求項9に記載の壁体において、上記歯部間に挿通するよう連結鉄筋を配置させることを特徴とする壁体。
  11. 請求項9または請求項10に記載の壁体において、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工することを特徴とする壁体。
  12. 請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の壁体において、上記壁体の転倒防止手段を連結する孔を、上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成することを特徴とする壁体。
  13. 平板で予め製造済みプレキャスト鉄筋コンクリートの壁体を現場で最初に設置し、その後工程としてその現場で鉄筋コンクリートのベースを施工してL形とすることを特徴とする壁構造物の構築方法。
  14. 請求項13に記載の壁構造物の構築方法において、上記壁体のベース側で且つ厚み方向に形成される孔に対し、上記壁体の転倒防止手段を連結させることを特徴とする壁構造物の構築方法。
  15. 請求項13または請求項14に記載の壁構造物の構築方法において、連結鉄筋を上記壁体のベース側に設ける歯部間に挿通するよう配置することを特徴とする壁構造物の構築方法。
  16. 請求項15に記載の壁構造物の構築方法において、上記壁体の歯部間に挿通するよう配置される連結鉄筋に、並列するよう上記ベースに連結鉄筋を配置することを特徴とする壁構造物の構築方法。
  17. 請求項16に記載の壁構造物の構築方法において、上記壁体の連結鉄筋および上記ベースの連結鉄筋をフープ鉄筋で巻付けることを特徴とする壁構造物の構築方法。
  18. 請求項13乃至請求項17のいずれか1項に記載の壁構造物の構築方法において、上記歯部幅方向側面に切欠部または突部を上記切欠部同士または上記突部同士が対向するよう形成し、上記歯部をコンクリートで施工することを特徴とする壁構造物の構築方法。
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