JP2016028740A - 先端および側面が被覆される安全針 - Google Patents

先端および側面が被覆される安全針 Download PDF

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Abstract

【課題】穿刺の後にその先端および側面が被覆される安全針を提供する。
【解決手段】医療用安全針は、体に挿入可能な針先と側面とを有する針本体3と、針本体に嵌合可能であって、側面に嵌合可能であって、側面を遮蔽するべく寸法づけられた可撓性のシース5と、針先を露出する第1の位置から前記針先を遮蔽する第2の位置まで移動可能なように針本体およびシースに摺動可能に嵌合し、第1の位置から第2の位置へ移動する時にシースを針本体に嵌合せしめるようにシースに擦り当たるべく寸法づけられたスライダ11と、を備える。
【選択図】図2A

Description

本発明は、医療用の針に関し、特に穿刺の後にその先端および側面が被覆される安全針に関する。
患者の体に薬液またはカテーテルを導入する等の目的のために、様々な医療用の針が利用されている。その使用後において、医療用の針には患者の血液ないし体液が付着しており、これは稀にHIVや肝炎等のウイルスに汚染されている。それゆえ医療用の針には感染症を媒介する潜在的な疑いがある。
感染を防止するべく、使用後の針の先端を遮蔽する器具が提案されている。特許文献1〜5は、関連する技術を開示している。特許文献4が開示する器具は、固定部材5が使用済位置Bに移動した後には針2の先端のみならず側面をも遮蔽することができる。シャッター12が作動すればかかる状態は維持されるが、作動し損なえば、固定部材5は使用済位置Bから意図せずに後退しかねない。この時にはチューブ体7は再び針2から離脱し、針2の先端および側面が再び露出することがありうる。
国際公開公報WO90/06142 欧州特許公開公報1935447(A1) 欧州特許公開公報2338554(A1) 特開2008−554号公報 特表2008−531236号公報
上述の器具の幾つかは、針の先端を遮蔽するが、針の側面は露出されたままである。かかる器具は、使用後の針による受傷が引き起こす感染を防止するが、針の特に側面に付着した液体に不特定の者が触れることによるリスクには有効でない。また他の器具は、針の先端のみならず側面をも遮蔽し得るが、液体が針の側面または器具の内面に沿って外部へ流れ出ることを、総じて防止し得ない。本発明者らは、ここに潜在的な問題を見出し、針の先端に加えて側面をも遮蔽し、針に付着した液体を保持し、以ってかかる液体がもたらすであろう潜在的な問題を解決し得る安全針に想到したのである。
本発明の一局面によれば、医療用安全針は、針先と側面とを有する針本体と、前記側面に嵌合可能であって、前記針先および前記側面を遮蔽するべく寸法づけられた可撓性のシースと、前記針先を露出する第1の位置から前記針本体および前記シースから離脱した第2の位置まで前記針本体に沿って移動可能なように前記針本体および前記シースに摺動可能に嵌合し、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する時に前記シースを前記針本体に嵌合せしめるように前記シースに擦り当たるべく寸法づけられたスライダと、を備える。
図1は、本発明の一実施形態による安全針の模式的な斜視図である。 図2Aは、使用前の状態における前記安全針の模式的な縦断面図である。 図2Bは、前記安全針の模式的な縦断面図であって、スライダを動かした状態を示す。 図2Cは、前記安全針の模式的な縦断面図であって、シースが針に嵌合した状態を示す。 図3Aは、第1の例によるシースの模式的な横断面図である。 図3Bは、第2の例によるシースの模式的な横断面図である。 図3Cは、第3の例によるシースの模式的な横断面図である。 図3Dは、第4の例によるシースの模式的な横断面図である。 図3Eは、第5の例によるシースの模式的な横断面図である。 図4Aは、帽体の無いシースの模式的な縦断面図である。 図4Bは、一例による帽体を有するシースの模式的な縦断面図である。 図4Cは、他の例による帽体を有するシースの模式的な縦断面図である。 図4Dは、中実な帽体を有するシースの模式的な縦断面図である。 図5Aは、帽体の無いシースの模式的な立面図である。 図5Bは、他の例による帽体の無いシースの模式的な立面図である。 図5Cは、一例による帽体を有するシースの模式的な立面図である。 図5Dは、他の例による帽体を有するシースの模式的な立面図である。 図5Eは、係合する構造を備えたシースの模式的な立面図である。 図6は、図2Bに示した状態に対応する針本体、シースおよびスライダの関係を詳しく示す模式的な拡大縦断面図である。 図7Aは、シャッタを備えたスライダを示す模式的な断面図である。 図7Bは、前記スライダを針先の方向から見た模式的な上面図である。 図7Cは、前記シャッタの模式的な斜視図である。 図7Dは、前記シャッタがスライダの貫通孔を閉塞した状態を示す模式的な断面図である。 図8Aは、変形例によるシャッタを備えたスライダを備えたスライダの模式的な横断面図である。 図8Bは、図8Aに示したシャッタが引き込まれた状態を示す模式的な横断面図である。 図9Aは、他の変形例によるスライダを示す模式的な立面図である。 図9Bは、図9Aに示したシャッタが引き込まれた状態を示す模式的な立面図である。 図10は、さらに他の変形例によるシャッタおよびスライダの模式的な縦断面図である。 図11は、変形例による針本体、シースおよびスライダの関係を詳しく示す模式的な縦断面図である。 図12は、さらに他の変形例による針本体、シースおよびスライダの関係を詳しく示す模式的な縦断面図である。 図13は、他の実施形態による安全針の模式的な斜視図である。 図14Aは、図13に示した安全針において針本体、シースおよびスライダの関係を詳しく示す模式的な縦断面図である。 図14Bは、図14Aに示したシャッタが引き込まれた状態を示す模式的な縦断面図である。 図15は、さらに他の実施形態による安全針の模式的な斜視図である。 図16Aは、図15に示した安全針に適用されるシースの一例を示す模式的な横断面図である。 図16Bは、シースの他の例を示す模式的な横断面図である。 図16Cは、シースのさらに他の例を示す模式的な横断面図である。 図17は、他の実施形態による安全針の模式的な斜視図である。 図18は、さらに他の実施形態による安全針の模式的な立面図であって、一部断面を示している。 図19Aは、さらに他の実施形態による安全針の模式的な立面断面図であって、使用前の状態を示している。 図19Bは、前記安全針の模式的な立面断面図であって、スライダを動かした状態を示す。 図19Cは、前記安全針の模式的な立面断面図であって、針先が遮蔽された状態を示す。
添付の図面を参照して以下に本発明の幾つかの例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態による安全針は、何れも患者の体に薬品等の液体またはカテーテル等の管を導入する目的で利用できる。もちろん人に限らずあらゆる生物、さらには物に適用することもできる。以下の実施形態はカテーテル導入具に適用する例に関するが、もちろんこれに限られず、例えば注射器その他に適用できる。
図1を参照するに、一実施形態による安全針1は、患者の体に挿入可能な針本体3と、針本体3に嵌合可能であって、その針先および側面を遮蔽するためのシース5と、針本体3に嵌合したカテーテル7と、安全針1が固定されるハンドル9と、針先方向へ移動することによりシース5を針本体3に嵌合せしめるスライダ11と、を備える。安全針1を注射器に適用する場合には、カテーテル7は省かれ、ハンドル9は液体を注入または抽出するためのシリンダである。
図1に加えて図2Aを参照するに、針本体3は、中空でも中実でもよく、患者の体を穿刺するための針先3pと、側面とを有する。針先3pに対して反対側の基端において、針本体3はハンドル9の肩部9aに固定される。固定は圧入等の適宜の手段による。針本体3の基端はハンドル9の内部に突出していてもよいし、肩部9aに埋没していてもよい。使用前の状態において、針本体3にスライダ11が嵌合しており、またカテーテルを利用する場合にはカテーテル7も嵌合しており、その側面はこれらによりほぼ遮蔽されている。カテーテル7の後端は、スライダ11に嵌合していてもよい。カテーテル7は、針を患者の体に穿刺した後は、患者の体に留め置かれる。
スライダ11は、図2Aに示す状態においてハンドル9の肩部9aに接する第1の位置にあり、このとき針先3pは露出している。スライダ11は、図2Bに示すごとく針先3pに向かって移動可能であり、このときシース5に擦り当たることによりシース5を針本体3に嵌合せしめる。さらにスライダ11が針先3pを遮蔽する第2の位置にまで移動すると、シース5は針先3pおよび側面の全体に嵌合し、これを遮蔽する。あるいはシース5は針本体3の一部に嵌合していなくてもよい。その後、使用者はスライダ11をさらに移動せしめて、図2Cに示すごとく針本体3から離脱せしめてもよい。
なお本明細書および請求の範囲を通じて、「遮蔽する」の語は外部から内部への接触を実質的に妨げることを意味する。
シース5は、可撓性の素材よりなり、その基端あるいはその近傍において針本体3に嵌合し、共にハンドル9の肩部9aに固定されている。使用前の状態において、シース5の基端あるいはその近傍以外の部位は、針本体3から離されており、例えば図2Aに示すごとく、スライダ11の側面から外に引き出されている。シース5は、後述のごとく針本体3に嵌合可能な形状であり、さらに針本体3に嵌合したときに針先3pおよび針の側面の実質的に全てを遮蔽するべく寸法づけられている。可撓性の素材としては、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ナイロン、フッ素系樹脂が例示できるが、これらに限られない。例えば、ごく薄くしなやかな金属によりシース5が製造されていてもよい。
図3A〜図3Eを参照するに、シース5は針本体3に嵌合するのに適した形状を有する。
例えばシース5は、図3Aのごとく、中空円筒状の形状でもよく、円筒に類似した壁21は、その長手方向に延びて針を受け入れるスロット23と、壁21により囲われた空洞25とを有し、空洞25に針が受容されて嵌合する。すなわち壁21は針の側面を遮蔽する。スロット23は、図示のごとく僅かに開いていてもよいし、針を受け入れる以前において閉じていてもよい。かかる形状は、シース5と針本体3とが嵌合した後、針とシースとが密着して、空洞25内に収まった針が再び外に飛び出すことを効果的に防止する。
円筒に代わり、シース5の長手方向に延びた直方体形状でもよい。例えば図3Bのごとく、矩形の壁27はスロット29を有し、その内部の矩形の空洞31に針が嵌合する。かかる形状は、捻れが起こりにくい点で有利である。針本体3と壁27との間に若干のクリアランスができるが、針の側面に付着した血液ないし体液のごとき液体がこのクリアランスに保持される。かかる液体は、それ自体の粘性および表面張力によってそこに留まろうとするので、クリアランスは液体の漏洩を防止するのにより有利である。
また図3Cのごとく、スロット35を狭める方向に壁33がせり出していてもよい。針は狭くなったスロット35を通って空洞37内に嵌まり込む。かかる形状は、空洞37内に収まった針が再び外に飛び出すことを効果的に防止する。
あるいは図3Dのごとく、壁39の一方の縁からのみせり出していてもよい。針は狭くなったスロット41を通って空洞43内に嵌まり込む。かかる形状も、空洞43内に収まった針が再び外に飛び出すことを効果的に防止する。
あるいは図3Eのごとく、シース5は、その長手方向に延びた壁45と、壁の幅方向の両縁から互いに向かって飛び出した一対の弁状体47とよりなっていてもよい。弁状体47間に確保された狭いスロット49を通って針が空洞51に嵌まり込む。弁状体47はスロット49を閉塞する向きに付勢されるので、空洞51内に収まった針が再び外に飛び出すことを効果的に防止する。
上述のごとき針本体3に嵌合するのに適した形状は、針先3pおよびその近傍に限定してもよい。また場合により、上述のような形状ではなく、シース5の全体にわたって例えばストリップ状ないしワイヤ状であってもよい。
上述のクリアランスは、図3Bに示したシースに限らず、他の例のシース、例えば図3Aに示した円筒状のシースにおいても確保されていてもよい。クリアランスは、より多量の液体を収容する観点からはより幅広に確保することが好ましいが、液体の漏洩を防ぐ観点からはより幅狭に確保することが好ましい。そこで、クリアランスは例えば幅0.01〜1mmにできる。
シース5の少なくとも内面は、化学修飾及びプラズマ処理等の公知の技術による親水処理が施されていてもよい。使用後においては針先3pおよび側面に血液が付着しているが、親水処理された内面は、針本体3とシース5との間でかかる血液を保持するのに有効である。あるいは、撥水処理を適用してもよい。
親水処理に代えて、または加えて、シース5に吸水性を付与してもよい。例えばシース5を吸水性の繊維層により内張りしてもよく、あるいは吸水性の材料によりシース5は製造されていてもよい。かかる構造も、血液を保持するのに有効である。
いずれにせよ、シース5が針先3pおよび針の側面を遮蔽するのみならず、遮蔽した後は、血液ないし体液のごとき液体が外部に流れ出ることを効果的に防止する。
シース5の外面は、疎水処理ないし防水処理されていてもよい。あるいは、疎水性ないし防水性の素材からシース5は製造されていてもよい。
図4A〜図4Dおよび図5A〜図5Eを参照して、シース5の先端5aの構造を説明する。
図4Aおよび図5Aに示すごとく、シース5は先端5aに向かって開放されていてもよい。あるいは、図4Bに示すごとく、先端5aはこれを閉塞する帽体53を備えてもよい。帽体53は、針先3pから血液が滴り落ちることを防止し、また針先3pが帽体53に引っ掛かることによりシース5が針先3pから離脱することを効果的に防止する。これらの効果を増大するべく、帽体53の内部に窪み55が設けられていてもよい。
あるいは、図4Cおよび図5Dに示すごとく、帽体57は球状に膨出していてもよい。膨出した帽体57は、内部の窪み55に、血液ないし体液を保持するためにより大きな容量を付与しうる。もちろん球状の帽体59は、図4Dに示すごとく、中実であってもよい。詳しくは後述するが、かかる球状の帽体は、スライダ11を係止することによってその脱落を防止し、あるいは後述するシャッタを自動的に引き込むのに利用できる。
あるいは、図5Bに示すごとく、帽体61は外方に膨出しつつ、先端5aに向かって開放されていてもよい。もちろん図5Cに示すごとく、膨出した帽体63において先端5aは閉塞されていてもよい。
さらにあるいは、図5Eに示すごとく、先端5aは例えばスライダ11又はシャッタに係合するべく、突起61,63を備えてもよい。
上述の帽体は、いずれもシースの先端を加熱等により変形させて成形することができる。あるいは、シースとは独立に帽体を成形しておき、加熱や超音波接合のごとき手段によりシースに接着してもよい。あるいは、シースに結び目を作ることによりシースの先端を膨出させてもよい。さらに、金属あるいは他の素材の円環をシースの周囲に加締めてもよい。
図6〜図12を参照して、スライダ11の構造を説明する。スライダ11は、ポリカーボネート等の適宜の樹脂により形成できるが、これに限られない。
図6を参照するに、一実施形態によれば、スライダ11は、本体から上方に突出した頭部11aと、頭部11aを貫通する貫通孔13と、本体の下部を貫通する貫通孔15と、本体の側面を貫通する貫通孔17と、本体の内部にあって各貫通孔と連通する空洞19とを有する。
上部の貫通孔13は比較的に小径であって、針本体3上に嵌合する。頭部11aが上方に延長しているので、貫通孔13も比較的に長く、従って比較的に広い範囲で針本体3上に嵌合する。スライダ11はかかる貫通孔13に案内されるので、揺動することなくスムーズに針本体3に対して摺動できる。また頭部11aは、図2Aより理解されるように、カテーテル7と嵌合してこれを支持する。
下部の貫通孔15および側面の貫通孔17は、上部の貫通孔13より径において大きく、シース5の通過を許容する。シース5は下部の貫通孔15の近傍において針本体3から離れ、側面の貫通孔17を通ってスライダ11の外部に引き出されている。
図6より理解されるように、貫通孔15および貫通孔17はシース5に常に当接し、シース5を針本体3に向けて湾曲せしめつつ付勢する。それゆえ、図2Bに示すごとく、スライダ11を針先に向かって移動すると、貫通孔15および貫通孔17はシース5を針本体3に嵌合せしめる。すなわち、スライダ11は、移動する時にシース5を針本体3に嵌合せしめるようにシース5に擦り当たるべく寸法づけられている。
なお、好ましくはハンドル9の肩部9aとスライダ11の下部とは、互いに係合しあってスライダ11を図2Aに示す最初の位置に保持する構造を有する。例えば、ハンドル9の肩部9aは、貫通孔15と嵌合する突起を備えてもよい。あるいは、貫通孔15の周囲は下方に延びる突起を備え、ハンドル9の肩部9aがこれに対応する凹所を備えてもよい。
図7A〜図7Dを参照するに、スライダ11は、スライダ11の内部に嵌合して横方向に引き込み可能なシャッタ71を備えてもよい。シャッタ71は、図示のごとくスライダ11の側面の貫通孔から外方に僅かに突出していてもよいし、内方に全体が引っ込んでいてもよい。シャッタ71は、ポリカーボネート等の適宜の樹脂により形成できるが、これに限られない。シャッタ71は、例えば少なくとも下方が開放された矩形の箱であって、その側面に貫通孔73を有する。シース5は、シャッタ71の貫通孔73に当接する。
図7Aおよび図7Bより理解されるように、当初、シャッタ71は針本体3に干渉しない位置にされており、その一端はスライダ11の側面から僅かに突出していてもよい。スライダ11が針先3p方向に移動して針先3pがスライダ11内に没すると、シース5の帽体59がシャッタ71の貫通孔73に引っ掛かる。さらにスライダ11を前進させようとすると、引っ掛かった帽体59がシャッタ71をスライダ11内に引き込み、以ってシャッタ71はスライダ11の上部の貫通孔13を閉塞する。針先3pがスライダ11から突出することが防止され、また血液が貫通孔13を通って漏洩することがない。
血液の漏洩を更に効果的に防止するため、シャッタ71は吸水部材を備えてもよく、あるいはシャッタ71自体を吸水性物質により形成してもよい。
シャッタ71が再び移動しないよう、シャッタ71は針先3pと係合する窪み75を備えてもよい。またシャッタ71を引き込むべく、スライダ11はバネ等の付勢手段を備えてもよい。この場合、針先3pが貫通孔13内に没するとともに付勢手段がシャッタ71を引き込むので、シース5は帽体を備える必要がない。
シャッタ71はスライダ11に対して特定の位置に係止されるべく、適宜の係合手段を備えてもよい。例えば、図8Aおよび図8Bに示した例では、シャッタ71は可撓性ランス73およびその先端から外方に突出した爪75を備える。またスライダ11も、その内面において、係止爪77,79を備える。
側面に近い係止爪77と爪75とが係合することによってシャッタ71は当初の位置に係止される。シャッタ71が引き込まれると、ランス73が内方に撓むことにより爪75が係止爪79を乗り越え、爪75と係止爪79とが係合する。このとき、ランス73はクリック音とクリック感とを発するので、使用者はシャッタ71が引き込まれた位置に達したことを確認することができる。爪75と係止爪79との係合により、シャッタ71は引き込まれた位置に留め置かれる。
図9Aおよび図9Bを参照するに、スライダ11はシャッタ71の位置を確認するための窓81を備えていてもよい。シャッタ71が当初の位置にあるとき、図9Aに示すごとく窓81を通して何も見えないが、シャッタ71が正しい位置にまで引き込まれたとき、図9Bに示すごとく窓81を通してシャッタ71が確認される。シャッタ71の確認を容易にするため、シャッタ71に着色してもよい。
上述の説明において、シャッタは水平に移動するような形状であったが、斜め方向に移動させるよう変形してもよい。すなわち、図10に示すようにスライダ11は傾斜的な空洞83を有し、シャッタ85はこれに対応した形状であってもよい。シャッタ85が移動する方向が、シース5が走る方向に、より一致しているため、シャッタ85の移動がより容易になる。
シース5は必ずしもスライダの側面から引き出さなくてもよい。図11を参照するに、貫通孔13’は、シース5の通過を許容するべく比較的に大径に形成されており、シース5はここを通ってスライダ11の外部に引き出されている。このような構造であっても、スライダ11’の移動によってシース5を針本体3に嵌合せしめる動作に支障はない。
また、シース5は必ずしもスライダの外部に引き出さなくてもよい。図12を参照するに、スライダ11を比較的に大きくしておき、その内部の空洞19にシース5の全体を収容しておいてもよい。このような構造であっても、スライダ11の移動によってシース5を針本体3に嵌合せしめる動作に支障はない。
図13〜図14Bを参照するに、安全針1は、さらにカテーテル7をスライダ11に対して一時的に係止しておくためのロック部材91を備えていてもよい。好ましくは図14Aに示すごとく、ロック部材91はスライダ11の内部に陥入しており、その端に貫通孔93を備えて、前述のシャッタと同様な作用を奏する。ロック部材91は、反対側の端において上方に延長されて、カテーテル7の基部に係合するラッチ95を形成している。
スライダ11が当初の第1の位置にあるとき、あるいはそこから多少前進した位置においても、ラッチ95がカテーテル7と係合し続けるので、カテーテル7はスライダ11と一体になっている。
スライダ11を針先3pを遮蔽する第2の位置にまで前進させると、シース5の帽体59が貫通孔93に引っ掛かり、ロック部材91は図14Bに示すごとく左方に移動する。ロック部材91はスライダ11の上部の貫通孔を閉塞すると共に、カテーテル7はラッチ95から解放されて、自動的に安全針1から取り外される。
以上より理解されるように、安全針1の使用前においては、ラッチ95によりカテーテル7が係止されているので、カテーテル7は意図せずに針本体3から脱落することがない。使用後において、スライダ11を前進させる段においても、カテーテル7はスライダ11と一体であって、針先3pを遮蔽する。スライダ11が針先3pを遮蔽する位置に達して、ようやくカテーテル7がラッチ95から解放される。すなわち、この一連の操作の間、カテーテル7かシース5か何れかが常に針本体3の全体を遮蔽している。誰かが意図せずに針本体3に触れてしまうことが防止される。
また、シースは必ずしも単一の部材でなくてもよく、例えば図15に示すごとく、互いに嵌合し合うシース5L,5Rを採用してもよい。シース5Lは、例えば図16Aに示すごとく、針本体3に嵌合したシース5Rを包むようにこれに嵌合するよう構成してもよい。あるいは図16Bに示すごとく、シース5Lと針本体3とシース5Rとが協調して嵌合しあうように構成してもよい。あるいは図16Cに示すごとく、シース5Lは嵌合のための突起5Mを備え、シース5Rはこれを受容する凹部5Fを備え、以って互いに嵌合し合うように構成してもよい。あるいは、シース5L,5Rを互いに固定しあうべく粘着剤等を利用してもよい。何れの場合でも、針の周囲をシースが完全に囲うので、より効果的に針が遮蔽される。
あるいは図17に示すごとく、シース101は単一の部材であっても針本体3の全体を包み得るよう構成されていてもよい。好ましくはシース101の幅方向両縁は、互いに係合しあう構造を備える。そのような構造としては、線ファスナ(いわゆるジッパー)が例示できる。スライダ103を針先の方向へ移動せしめることにより、両縁は互いに係合し、以ってシース101は針本体3の全体を包む。針の周囲をシースが完全に囲うので、より効果的に針が遮蔽される。
上述の何れの例においても共通に、図18に示すごとく、針本体3およびカテーテル7を保護するべく、安全針1はカバー105を備えてもよい。カバー105は好ましくはシース5を外部に引き出すための切り込みを有し、さらにシース5を下方に曲げるべくシース5を押さえるように構成される。またハンドル9は、シース5を受容する切り込みを備えてもよい。使用される前の段階において針先3pが効果的に保護されるのみならず、シース5の揺動が効果的に防止され、安全針1の輸送の便宜の点で有利である。
シース5を収容するためにハンドル9や他の部材を利用することができる。図19A〜図19Cは、ハンドル9にシース5を収容する例である。
使用前の状態を示す図19Aを主に参照するに、スライダ11はハンドル9の肩部に接する第1の位置にあり、シース5の基端109はハンドル9に固定されておらず、ハンドル9に設けられた開口113を通って収容室111に引き込まれている。収容室111の基端は開放されていてもよく、閉塞されていてもよい。開放されている場合、基端109は収容室111の外部に露出されていてもよく、内部に引っ込んでいてもよい。何れにしろ、使用前の状態において、シース5の大部分は収容室111に収容される。図中ではシース5は、ほぼ真っ直ぐにされているが、湾曲していてもよく、あるいは螺旋を成していてもよい。
シース5は、その両端107,109に、係合のための膨出部あるいは帽体を備える。あるいは、両端107,109の何れかまたは両方において、内部の空洞が閉塞されていてもよい。閉塞した空洞が針本体3に係合することにより、膨出部あるいは帽体と同様な作用を為し得る。
スライダ11の下部の貫通孔付近において、シース5は針本体3に嵌合しており、その直上においてシース5は針本体3から離れて、スライダ11の側面から外部に引き出されている。シース5の先端107は、スライダ11の側面の貫通孔に、スライダ11がシャッタを備える場合にはシャッタの側面の貫通孔に、当初から係合していてもよい。
図19Bを参照するに、スライダ11が針先3pに向かって移動する時、スライダ11はシース5に擦り当たることによりシース5を針本体3に嵌合せしめつつ、シース5を収容室111から引き出す。このとき、ハンドル9の開口113はシース5の嵌合を維持するべく、シース5を針本体3に向かって押圧する。それ故、スライダ11が通過した跡であって開口113より上の部分において、シース5は針本体3に嵌合している。
スライダ11が針先3pを遮蔽する図19Cに示した第2の位置にまで移動すると、シース5は針本体3のほぼ全体に嵌合し、これを遮蔽する。先端107が貫通孔に係合しており、また基端109が開口113に係合するので、スライダ11はこの位置において抜け止めされる。あるいは閉塞した基端109が針本体3に引っ掛かることにより、スライダ11が抜け止めされる。以って針先3pが露出することも防止される。スライダ11がシャッタを備える場合には、先端107によってシャッタが駆動されてスライダ11の上部の貫通孔は閉塞される。
かかる実施形態によれば、シース5が側方に飛び出していないので、使用者による安全針1の操作が容易である。
好適な実施形態により本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記開示内容に基づき、当該技術分野の通常の技術を有する者が、実施形態の修正ないし変形により本発明を実施することが可能である。
針の先端に加えて側面をも遮蔽することができる安全針が提供される。

Claims (11)

  1. 針先と側面とを有する針本体と、
    前記側面に嵌合可能であって、前記針先および前記側面を遮蔽するべく寸法づけられた可撓性のシースと、
    前記針先を露出する第1の位置から前記針本体および前記シースから離脱した第2の位置まで前記針本体に沿って移動可能なように前記針本体および前記シースに摺動可能に嵌合し、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する時に前記シースを前記針本体に嵌合せしめるように前記シースに擦り当たるべく寸法づけられたスライダと、
    を備えた医療用安全針。
  2. 請求項1に記載された医療用安全針において、前記スライダは、前記シースに擦り当たるべく構成された第1の貫通孔と、第2の貫通孔とを備え、前記針本体は前記第1の貫通孔および前記第2の貫通孔を貫通する。
  3. 請求項2に記載された医療用安全針において、前記スライダは第3の貫通孔を備え、前記スライダが前記第1の位置にある時に前記シースの先端は前記第3の貫通孔を通って引き出される。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項に記載された医療用安全針において、前記シースは、前記針本体を受容するべく寸法づけられた空洞を囲い、前記側面を遮蔽するべく構成された壁を備える。
  5. 請求項4に記載された医療用安全針において、前記壁面は、前記壁面と前記側面との間に液体を保持し得るクリアランスを有するべく寸法づけられている。
  6. 請求項1ないし5の何れか1項に記載された医療用安全針において、前記シースは、前記針先を閉塞するための帽体を備える。
  7. 請求項1ないし6の何れか1項に記載された医療用安全針であって、前記シースを収容するべく構成された収容室を、さらに備える。
  8. 請求項7に記載された医療用安全針であって、前記収容室を内包し、前記シースに擦り当たるべく構成されたハンドルをさらに備える。
  9. 請求項4に記載された医療用安全針であって、前記シースは前記空洞を囲むべく中空な円筒または直方体である。
  10. 請求項4または9に記載された医療用安全針であって、前記空洞に収まった前記針本体が再び外に飛び出すことを防ぐべく、前記壁は前記シースのスロットを狭める方向にせり出すか、または互いに向かって飛び出した一対の弁状体を備える。
  11. 請求項1ないし10の何れか1項に記載された医療用安全針であって、前記シースは、その先端に、前記針先が引っ掛かる帽体を備える。
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