健康管理の対象となるユーザの健康状態を直感的に把握できるように表示すべく、本開示における健康管理システムは、ユーザの健康を管理する健康管理システムであって、ユーザについての測定により生成された測定データを取得する取得部と、ユーザの健康に関する評価のための所定健康評価基準に基づいて、前記取得部により取得された測定データに応じた健康評価値を算定する算定部と、前記算定部により算定された健康評価値に応じて、事物を表す画像であるオブジェクトを特定する特定部と、前記特定部により特定されたオブジェクトを表示する表示部とを備える。
これにより、測定で得られたユーザの健康に係る評価を、事物を表す画像であるオブジェクトに仮想化して(つまり置き換えて)表示するため、ユーザは、オブジェクトの閲覧により、その事物に関する経験、知識等に基づいて健康状態について直感的に把握し得る。
ここで、例えば、前記特定部は、前記健康評価値が第1値である場合には、物体の形状を表わす第1画像を前記オブジェクトとして特定し、前記健康評価値が前記第1値とは異なる第2値である場合には、前記第1画像とは異なる、物体の形状を表す第2画像を、前記オブジェクトとして特定することとしてもよい。
これにより、測定で得られたユーザの健康に係る評価が、物体の形状を表す画像であるオブジェクトに仮想化して表示されることになる。ここで、人が物体について一定の価値についての認識を共有し易いことから、その物体に関する経験、知識等に基づいてユーザは、オブジェクトの閲覧により、健康状態について直感的に把握し得る。
また、例えば、前記第2画像は、前記第1画像と同じ物体を、前記第1画像とは異なる数量にして、表す画像であることとしてもよい。
これにより、健康に係る評価の相違が、物体の個数、面積等の数量における相違として表されるため、ユーザは、オブジェクトの閲覧により、健康状態の程度を直感的に把握し得る。
また、前記特定部は、前記算定部により算定された健康評価値に応じて、人が摂取し得る物体であって前記測定データと関連する健康状態の悪化の要因となる物体の形状を表す画像を、前記オブジェクトとして特定することとしてもよい。
これにより、例えば、特定の飲食物(例えば食塩等)の摂り過ぎが特定種別の測定データ(例えば血圧)に基づき評価される健康状態を悪くする要因の1つである場合に、その健康状態が、特定の飲食物を表す画像で表示されるようになり、閲覧したユーザにその特定の飲食物の摂り過ぎへの注意が喚起され得るようになる。
また、前記算定部は、前記測定データが測定されたユーザの健康について良好な状態である程、高い値となるように前記健康評価値の算定を行い、前記特定部は、前記算定部により算定された健康評価値が高い程、高い価値を有する物体の形状を表す画像を、前記オブジェクトとして特定することとしてもよい。
これにより、ユーザは、オブジェクトを見て感じる価値によって直感的に健康状態を把握し得る。
また、前記特定部は、物体の形状を表す複数の画像それぞれと健康評価値とを、健康評価値が高い程、高い価値を有する物体の形状を表す画像と対応するように予め対応付けた対応情報に基づいて、前記複数の画像のうち前記算定部により算定された健康評価値に対応する画像を前記オブジェクトとして特定することとしてもよい。
これにより、予め適切に対応情報が定めておくことで、ユーザが適切に健康状態の把握を行えるようになる。
また、前記算定部は、前記測定データが測定されたユーザの健康について劣悪な状態である程、高い値となるように前記健康評価値の算定を行い、前記特定部は、前記算定部により算定された健康評価値が高い程、劣悪な状態となった物体の形状を表す画像を、前記オブジェクトとして特定することとしてもよい。
これにより、例えばユーザについて測定された血糖値が高い程、劣悪な状態となった物体の形状(例えば不自然に膨れた店舗等の建築物)を表す画像であるオブジェクトが表示されるため、ユーザは、オブジェクトを見ることで健康状態が良好でないことを直感的に認識できるようになる。
また、前記算定部は、前記取得部により取得された測定データを、健康指導を行う指導者が入力した指導補正値に基づいて補正した上で、前記所定健康評価基準に基づく健康評価値の前記算定を行うこととしてもよい。
これにより、指導者が指導補正値により、健康状態を実際より良く見せ、或いは悪く見せることで、ユーザの健康増進へのモチベーションの向上が図れる。
また、前記健康管理システムは、ユーザ端末、及び、当該ユーザ端末と通信可能なサーバ装置を備え、前記サーバ装置は、前記取得部と前記算定部と前記特定部と、前記取得部により取得された測定データを記憶するための記憶部と、前記特定部により特定されたオブジェクトを前記ユーザ端末に送信する出力部とを有し、前記ユーザ端末は、ユーザについての測定により生成された前記測定データと当該ユーザを識別するユーザ識別情報とを対応付けて前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置の前記出力部により送信されたオブジェクトを受信する通信部と、前記表示部とを有し、前記表示部は、前記通信部により受信されたオブジェクトを表示し、前記取得部は、前記ユーザ端末から送信された前記測定データを受信することにより、前記測定データの前記取得を行い、前記記憶部は、前記取得部により取得された前記測定データを、当該測定データに対応付けて前記ユーザ端末から送信された前記ユーザ識別情報に、対応付けて記憶し、前記算定部は、ユーザ識別情報に対応付けて前記記憶部に記憶された測定データに応じて当該ユーザ識別情報で識別されるユーザの健康に関する健康評価値の前記算定を行い、前記出力部は、前記算定部により算定された、ユーザの健康に係る前記健康評価値に応じて、前記特定部により特定されたオブジェクトを、当該ユーザを識別するユーザ識別情報の送信元のユーザ端末へと送信することとしてもよい。
これにより、ユーザはユーザ端末に表示されるオブジェクトを確認することで、自分の測定により算定された健康状態等の評価について、直感的に把握し得る。また、ユーザ端末はサーバ装置と通信する機能があれば、測定データを仮想的なオブジェクトに変換する機能を有さなくてもよい。このため、ユーザ端末は、例えば比較的小型化し易くユーザが利用し易いものとなる。
また、前記健康管理システムは更に、健康指導を行う指導者が指導データを入力するための指導者端末を備え、前記記憶部は更に、健康指導を行う指導者と、当該指導者に対応する指導対象者となるユーザとを対応付けた指導対象者管理テーブルを記憶し、前記出力部は更に、指導者が指導データを入力するための前記指導者端末に、当該指導者に対応する指導対象者についての前記記憶部に記憶している測定データを送信し、前記指導者端末は、測定データを受信して表示し、入力された指導データを前記サーバ装置に送信し、前記取得部は更に、前記指導者端末から送信された前記指導データを、受信することにより取得し、前記出力部は、ユーザ端末へと送信する前記オブジェクトに付して、前記取得部により取得された前記指導データを送信し、前記通信部は、前記出力部により送信された指導データを受信し、前記表示部は、前記通信部により受信された前記オブジェクトに加えて前記通信部により受信された前記指導データを表示することとしてもよい。
これにより、ユーザは、ユーザ端末に表示される指導者からの指導データを確認し得る。即ち、健康管理システムは、健康指導を受ける指導対象者であるユーザに対して、健康状態に関する評価を直感的に分かり易いようにオブジェクトを提示できる。
また、前記取得部は、前記測定データを逐次取得し、前記算定部は更に、ユーザについての測定の継続性に関する評価のための所定継続性評価基準に基づいて、前記取得部が前記測定データを取得した時の間隔に応じた継続性評価値を算定し、前記特定部は更に前記算定部により算定された継続性評価値に応じて、前記オブジェクトを特定することとしてもよい。
これにより、ユーザによる測定の継続性についての評価がオブジェクトに仮想化して表示されるので、ユーザはオブジェクトの閲覧により、測定の継続性について直感的に把握し得る。このことは、健康管理の前提としての測定の促進のために有用となる。
また、前記健康管理システムは更に、前記継続性評価値に応じて前記ユーザに対してサービスの提供を受けるために利用可能なポイントを付与するポイント付与部を備えることとしてもよい。
これにより、ユーザにとっての測定へのモチベーションの向上が図れる。
また、前記測定データは、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のうちの1つ以上についてのデータであることとしてもよい。
これにより、ユーザは、オブジェクトによる表示を閲覧することで、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のいずれかの状態を、直感的に把握し得る。
また、前記オブジェクトは、ホース、ダム、道路、店舗、森林、食塩、砂糖、ごはん、パン、ケーキ、たばこ、及び、アルコール飲料のうちの1つ以上を表す画像であることとしてもよい。
これにより、人々に広く知られている物体(ホース、ダム等)を表した画像であるオブジェクトを閲覧することで、これらの物体についての知識等に基づいて、ユーザは健康状態について直感的に把握し得る。
また、本開示における健康管理装置は、ユーザの健康を管理する健康管理装置であって、ディスプレイとプロセッサとを備え、前記プロセッサは、ユーザについての測定により生成された測定データに基づいて定められた健康評価値に応じて、事物を表す画像であるオブジェクトを特定し、特定した当該オブジェクトを前記ディスプレイに表示させるための制御信号を送出し、前記ディスプレイは、前記プロセッサから送出される前記オブジェクトを表示させるための前記制御信号に応じて当該オブジェクトを表示する。
これにより、ディスプレイに表示されるオブジェクトを閲覧することで、ユーザは自分の健康状態について直感的に把握し得る。
また、本開示における表示方法は、ユーザの健康を管理する健康管理システムにおいて用いられる表示方法であって、ユーザについての測定により生成された測定データを取得する取得ステップと、ユーザの健康に関する評価のための所定健康評価基準に基づいて、前記取得ステップにおいて取得された測定データに応じた健康評価値を算定する算定ステップと、前記算定ステップにおいて算定された健康評価値に応じて、事物を表す画像であるオブジェクトを特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定されたオブジェクトを表示する表示ステップとを含む。
これにより、ユーザは、事物を表す画像であるオブジェクトの閲覧により、その事物に関する経験、知識等に基づいて、自分の健康状態について直感的に把握し得る。
なお、これらの包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組合せが含まれる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既に良く知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。即ち、以下の具体例を用いた説明で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって、特許請求の範囲に記載の主題を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図28を用いて、実施の形態1に係る健康管理システム1を説明する。
[1−1.健康管理システムの概要]
図1は、実施の形態1に係る健康管理システム1の一構成例を示す概略図である。
図1に示すように、健康管理システム1は、サーバ装置100、ユーザ端末200及び指導者端末300を備える。サーバ装置100は、ネットワーク11を介してユーザ端末200及び指導者端末300のそれぞれと通信可能である。ネットワーク11は、有線ネットワークでも無線区間を含むネットワークでもよく、例えばインターネット等の広域通信網を含む。ユーザ端末200は、体重を測定する体重計4、血糖値を測定する血糖値計5、血圧(最高血圧、最低血圧)及び脈拍数を測定する血圧計6、並びに、身体活動量及び運動強度を測定する活動量計7といった4つの測定装置と有線又は無線で通信可能である。なお、説明の便宜上、図1では、ユーザ端末200及び指導者端末300をそれぞれ1台しか示していないが、健康管理システム1は、複数のユーザ端末200と複数の指導者端末300とを備えてもよい。
健康管理システム1は、ユーザの健康を管理するためのシステムである。即ち、健康管理システム1は、ユーザについての測定により生成された測定データに基づいてユーザ端末200を使用するユーザの健康状態を把握して健康状態に関連する表示の制御等を行うためのシステムである。指導者端末300は、健康維持、増進等のための指導(健康指導)を行う指導者によって、指導対象者となるユーザについての健康指導上必要な情報の入力等に使用される。サーバ装置100は、ユーザ端末200から測定データを受信して管理(例えば記憶保持等)し、測定データを仮想的なオブジェクトに変換してユーザ端末200に送信する機能等を有する。この測定データのオブジェクトへの変換は、測定データに基づいてオブジェクトを特定することを意味する。オブジェクトは例えば物体の形状等を表す画像であり、後に詳しく説明する。この健康管理システム1によりユーザは、ユーザ端末200を使用して、健康状態に関する、オブジェクトを含む各種表示を確認することができる。なお、ここでは、ユーザ端末200を使用する者をユーザ或いは指導対象者と称し、指導者端末300を使用する者を指導者と称する。
図1で示した体重計4、血糖値計5、血圧計6及び活動量計7は、測定装置についての例示にすぎず、健康管理システム1では、これら4つの測定装置以外の測定装置により測定された測定データに基づいてユーザの健康管理を行ってもよい。測定装置は、生体情報、活動量等のユーザについて何らかの測定をする装置であり、上述した4つの測定装置以外の測定装置の例としては、体重、体組成(体脂肪、筋肉等)、BMI(Body Mass Index)等を測定する体重体組成計、体温を測定する体温計、心拍数を測定する心拍計、歩数を測定する歩数計、睡眠の状態を測定する睡眠センサー、食事のカロリー計算を行うカロリー計等が挙げられる。なお、ここでは、便宜上、主に血圧、血糖値、体重及び身体活動量を取り上げて説明する。
図2は、健康管理システム1に係る機能ブロック図である。健康管理システム1の機能は、例えばサーバ装置100がユーザ端末200及び指導者端末300と連携して動作することにより、発揮される。以下、図2、及び、ハードウェア構成例を示す図3〜図5を用いて、健康管理システム1におけるサーバ装置100、ユーザ端末200及び指導者端末300のそれぞれの構成について説明する。
[1−1−1.サーバ装置]
図3は、サーバ装置100のハードウェア構成例を示す図である。サーバ装置100は、同図に示すように、通信インタフェース(I/F)101、プロセッサ102、メモリ103等を含んで構成されるコンピュータである。通信I/F101は、ネットワーク11を介して他の装置との間で情報の授受を行なうための通信回路等である。プロセッサ102は、メモリ103に格納された制御プログラムを実行することによりサーバ装置100の各部を制御して機能処理を実現する。メモリ103はROM、RAM等であり、不揮発性メモリを含んでいてもよい。これらのメモリにはサーバ装置100の各機能処理を実現するための制御プログラムやその制御プログラムで利用するための設定値等が予め格納され、また、メモリ103は、制御プログラムのプロセッサ102による実行に際して用いられる各値を一時的に格納するためにも用いられる。サーバ装置100は、メモリ103の他、ハードディスク装置等を含み得る。
サーバ装置100は、ユーザ端末200から送信される、ユーザについての測定により生成された測定データを受信して管理し、測定データに基づいてオブジェクトを特定してその特定したオブジェクトをユーザ端末200に送信する機能を有する。また、サーバ装置100は、指導者端末300へ指導対象者の測定データを送信し、測定データに対する指導者からの指導事項等を示す指導データを受信して管理し、指導データをユーザ端末200に送信する機能を有する。これらの機能を実現すべくサーバ装置100は、機能面での構成要素(機能構成要素)として、図2に示すように、通信部110、制御部120及び記憶部150を有する。
記憶部150は、メモリ103等の記憶媒体の記憶領域で実現され、指導対象者について管理するための指導対象者管理テーブル151、指導者により入力された指導データを管理するための指導データ管理テーブル152、測定データを管理するための測定データ管理テーブル153、及び、オブジェクトを特定する際に参照されるためのオブジェクト管理テーブル154といった管理テーブル群等を記憶し、また他のデータを記憶し得る。ここでは、指導データ管理テーブル152及び測定データ管理テーブル153は指導対象者毎に存在し、オブジェクト管理テーブル154は、オブジェクトの種類毎に存在するものとする。これらの各テーブルの具体的な構成については後に説明する。
通信部110は、制御プログラムを実行するプロセッサ102、通信I/F101等で実現され、ネットワーク11に接続してユーザ端末200及び指導者端末300と通信する機能を有する。通信部110は、ユーザ端末200或いは指導者端末300から送信されたデータを受信することによりデータを取得する取得部111、及び、制御部120から伝達されたデータをユーザ端末200等に送信する出力部112を有する。
取得部111は、具体的には、ユーザについての測定により生成された測定データ(例えば体重、血糖値、血圧及び身体活動量等についての、測定日時を含む測定データ)をユーザ端末200から逐次受信して取得する。ユーザ端末200から測定データに対応付けてユーザ識別情報(指導対象者ID)が送信されると、取得部111は、その測定データとユーザ識別情報とを、対応付けて測定データ管理テーブル153の一部として記憶部150に記憶させる。また、取得部111は、指導者端末300から送信された指導データを、受信することにより取得して、指導データ管理テーブル152の一部として記憶部150に記憶させる。
出力部112は、測定データとともにユーザ識別情報(指導対象者ID)を送信したユーザ端末200に、測定データに基づいて特定されたオブジェクトを送信する機能、測定データを指導者端末300に送信する機能等を有する。
制御部120は、制御プログラムを実行するプロセッサ102等により実現され、測定データをオブジェクトに変換するために、つまり測定データに基づくオブジェクトの特定のために、算定部130及び特定部140を有する。また、制御部120は、記憶部150に記憶された測定データを出力部112に伝達して指導者端末300に送信させる機能、特定部140により特定されたオブジェクトを、記憶部150に記憶された指導データを付して出力部112に伝達してユーザ端末200に送信させる機能、記憶部150の指導対象者管理テーブル151により指導対象者(ユーザ)と指導者とを対応付けて管理する機能等を有する。
算定部130は、記憶部150に記憶された測定データを参照し、ユーザの健康に関する評価のために予め定められた所定健康評価基準に基づいて測定データに応じた健康評価値を算定する機能と、ユーザについての測定の継続性に関する評価のために予め定められた所定継続性評価基準に基づいて、取得部111が取得した測定データの測定間隔に応じた継続性評価値を算定する機能とを有する。なお、所定健康評価基準に基づく健康評価値の算定及び所定継続性評価基準に基づく継続性評価値の算定ついては後に詳しく説明する。
特定部140は、記憶部150のオブジェクト管理テーブル154を参照し、算定部130により算定された健康評価値及び継続性評価値に応じて、例えば物体の形状等を表す画像であるオブジェクトを特定する機能を有する。なお、健康評価値及び継続性評価値に応じたオブジェクトの特定については後に詳しく説明する。
制御部120が、算定部130により健康評価値及び継続性評価値を算定し、特定部140によりオブジェクトを特定して、出力部112に送信させるタイミングと、測定データを出力部112に送信させるタイミングとについては、測定データを受信した時であることとしても、予め定められた時刻、周期等に従った時であることとしても、ユーザ端末200又は指導者端末300から要求を受けた時であることとしてもよい。例えば、ユーザ端末200がユーザ識別情報(指導対象者ID)を送信してサーバ装置100にアクセスして健康管理に関する情報を要求した場合に、制御部120は、記憶部150内の管理テーブルを参照してユーザに対応して送信すべき初期画面種別(体重を示す画面、血圧を示す画面等の別)を選定し、その初期画面種別に対応する画面の表示要素としてのオブジェクト等を送信するよう制御してもよい。
[1−1−2.ユーザ端末]
図4は、ユーザ端末200のハードウェア構成例を示す図である。ユーザ端末200は、同図に示すように、通信インタフェース(I/F)201、プロセッサ202、入力インタフェース(I/F)203、ディスプレイ204、メモリ205等を含んで構成されるコンピュータであり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等である。通信I/F201は、ネットワーク11を介してサーバ装置100との間で情報の授受を行なうための通信回路等である。プロセッサ202は、メモリ205に格納された制御プログラムを実行することによりユーザ端末200の各部を制御して機能処理を実現する。入力I/F203は、キーボード、ポインティングデバイス等のユーザの入力操作を受ける入力装置であり、体重計4、血糖値計5、血圧計6、活動量計7等の測定装置がユーザについて測定された測定データを送信する機能を有する場合にはその測定データを受信するための通信回路も含む。測定データを送信する機能を有する測定装置とユーザ端末200との間は、有線接続の他、赤外線或いは無線(所謂近距離無線通信技術を用いてもよい)により通信がなされ得る。また測定装置が測定データを送信する機能を有さない場合でも、ユーザ(指導対象者)は、測定装置により測定された測定データを入力I/F203によりユーザ端末200に入力できる。ディスプレイ204は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、プロセッサ202からの制御信号を受けて動作し、ユーザ端末200がサーバ装置100から受信したオブジェクト、指導データ等を表示し得る。メモリ205はROM、RAM等であり、不揮発性メモリを含んでいてもよい。これらのメモリにはユーザ端末200の各機能処理を実現するための制御プログラムやその制御プログラムで利用するための設定値等が予め格納され、また、メモリ205は、制御プログラムのプロセッサ202による実行に際して用いられる各値を一時的に格納するためにも用いられる。
ユーザ端末200は、ユーザに使用され、ユーザについての測定により生成された測定データを受け付けてその測定データをサーバ装置100に送信し、及び、サーバ装置100から送信されるオブジェクト及び指導データを受信して表示するため、機能構成要素として、図2に示すように、通信部210、制御部220、入力部230及び表示部240を有する。
通信部210は、制御プログラムを実行するプロセッサ202、通信I/F201、メモリ205等により実現され、ユーザに入力された、ユーザ(指導対象者)を一意に識別するユーザ識別情報(指導対象者ID)を付して、メモリ205に記憶された測定データをサーバ装置100に送信し、サーバ装置100から送信されるオブジェクト及び指導データを受信してメモリ205に格納する機能を有する。
入力部230は、入力I/F203、メモリ205等で実現され、ユーザに入力装置で入力されたユーザ識別情報その他の情報を受け付ける機能、及び、ユーザについて測定された測定データを測定装置から受信すること或いはユーザに入力装置で入力された測定データを受け付けることにより、測定データを取得して制御部220に伝達する機能を有する。
制御部220は、制御プログラムを実行するプロセッサ202、メモリ205等により実現され、入力部230に伝達された測定データその他の情報をメモリ205に格納し、通信部210に測定データをサーバ装置100に送信させる制御を行い、通信部210によりオブジェクト及び指導データが受信された場合にはメモリ205に格納されたオブジェクト及び指導データを表示部240に表示させる制御を行う機能を有する。サーバ装置100への測定データの送信については、予め定められた時刻、周期等(例えば1日1回等)に従って送信することとしても、ユーザによる入力がなされた時に送信することとしてもよい。
表示部240は、ディスプレイ204等で実現され、制御部220の制御下で、メモリ205に格納されたオブジェクト及び指導データを表示する機能を有する。
[1−1−3.指導者端末]
図5は、指導者端末300のハードウェア構成例を示す図である。指導者端末300は、同図に示すように、通信インタフェース(I/F)301、プロセッサ302、入力インタフェース(I/F)303、ディスプレイ304、メモリ305等を含んで構成されるコンピュータであり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等である。通信I/F301は、ネットワーク11を介してサーバ装置100との間で情報の授受を行なうための通信回路等である。プロセッサ302は、メモリ305に格納された制御プログラムを実行することにより指導者端末300の各部を制御して機能処理を実現する。入力I/F303は、キーボード、ポインティングデバイス等のユーザの入力操作を受ける入力装置である。ディスプレイ304は、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等であり、サーバ装置100から受信した測定データ等を表示し得る。メモリ305はROM、RAM等であり、不揮発性メモリを含んでいてもよい。これらのメモリには指導者端末300の各機能処理を実現するための制御プログラムやその制御プログラムで利用するための設定値等が予め格納され、また、メモリ305は、制御プログラムのプロセッサ302による実行に際して用いられる各値を一時的に格納するためにも用いられる。
指導者端末300は、指導者に使用され、サーバ装置100に記憶されている指導対象者の測定データを取得し、指導対象者への健康指導に関する指導事項を示す指導データをサーバ装置100に通知するため、機能構成要素として、図2に示すように、通信部310、制御部320、入力部330及び表示部340を有する。
通信部310は、制御プログラムを実行するプロセッサ302、通信I/F301、メモリ305等により実現され、サーバ装置100から送信される測定データを受信してメモリ305に格納し、指導者に入力された、指導者を一意に識別する指導者識別情報(指導者ID)を付して、メモリ305に記憶された指導データをサーバ装置100に送信する機能を有する。
入力部330は、入力I/F303、メモリ305等で実現され、指導者に入力装置で入力された指導者識別情報、指導対象者に対する指導事項を示す指導データその他の情報を受け付ける機能を有する。
制御部320は、制御プログラムを実行するプロセッサ302、メモリ305等により実現され、入力部330に伝達された指導データその他の情報をメモリ305に格納し、通信部310により測定データが受信された場合にはメモリ305に格納された測定データを表示部340に表示させる制御を行い、通信部310に指導データをサーバ装置100に送信させる制御を行う機能を有する。サーバ装置100への指導データの送信については、予め定められた時刻、周期等(例えば1日1回等)に従って送信することとしても、指導者による入力がなされた時に送信することとしてもよい。また、制御部320は、指導者の入力に応じて測定データをサーバ装置100に要求することとしてもよい。なお、サーバ装置100から指導者端末300へは測定データを送信する代わりに、測定データを送信してきた指導対象者のリストを送信することとしてもよく、この場合には、指導者端末300ではそのリストを表示し、指導者がそのリストを見て、全員又は一部の指導対象者を指定し、制御部320がその指定された指導対象者の測定データをサーバ装置100に要求することとしてもよい。
表示部340は、ディスプレイ304等で実現され、制御部320の制御下で、メモリ305に格納された測定データを表示する機能を有する。測定データは、数字を含む文字列等でデータ値を表示しても、グラフ化等を施して表示してもよい。
[1−2.管理テーブル」
以下、サーバ装置100が記憶部150に保持する管理テーブル群のそれぞれについて説明する。
[1−2−1.指導対象者管理テーブル]
図6は、指導対象者管理テーブル151の一構成例を示す図である。指導対象者管理テーブル151は、例えば予め指導者等により定められる。なお、指導者が指導者端末300から入力したデータを受信したサーバ装置100がその受信したデータに応じて指導対象者管理テーブル151の内容を設定或いは更新してもよい。
図6に示すように、指導対象者管理テーブル151は、指導対象者ID、指導者ID、測定データファイル名、指導データファイル名、血圧フラグ、血糖値フラグ、及び、初期画面種別を含んで構成される。
指導対象者IDは、指導対象者(ユーザ)を一意に示す識別子、即ちユーザを識別する識別情報である。また、指導者IDは、指導対象者に健康指導を行う指導者を一意に示す識別子である。図6の例は、指導対象者ID「A」、「B」、「D」のそれぞれで識別される指導対象者(以下、それぞれ「指導対象者A」、「指導対象者B」、「指導対象者D」と称する)の指導者は、指導者ID「X」で識別される指導者(以下、「指導者X」と称する)であることを示している。また、図6の例は、指導対象者ID「C」で識別される指導対象者(以下、「指導対象者C」と称する)の指導者は、指導者ID「Y」で識別される指導者であることを示している。
測定データファイル名は、指導対象者についての測定データを管理するための測定データ管理テーブル153を内容とするファイルのファイル名であり、指導データファイル名は、指導者に入力された指導データを管理するための指導データ管理テーブル152を内容とするファイルのファイル名である。図6の例によると、指導対象者Aの測定データは、ファイル名「測定データA」のファイルにおける測定データ管理テーブルで管理されている。同様に、指導対象者Aに対する指導者Xの指導データは、ファイル名「指導データA」のファイルにおける指導データ管理テーブルで管理されている。なお、測定データファイル名及び指導データファイル名はそれぞれ、測定データ管理テーブル153、指導データ管理テーブル152を識別してアクセスするための情報であれば、各管理テーブルのファイル名以外の情報であってもよい。
血圧フラグは、指導対象者が特に血圧の状況に注意を必要とする者であるか否かについて、指導者が判断して設定するフラグであり、特に注意して観察する必要がある者については「要観察」(値1)を設定し、通常の観察で十分である者については「通常観察」(値0)を設定する。同様に血糖値フラグは、指導対象者が特に血糖値の状況に注意を必要とする者であるか否かについて、指導者が判断して設定するフラグであり、特に注意して観察する必要がある者については「要観察」(値1)を設定し、通常の観察で十分である者については「通常観察」(値0)を設定する。図6の例は、指導対象者Aは、血圧及び血糖値について「要観察」、指導対象者Bは、血圧のみ「要観察」、指導対象者Cは、血糖値のみ「要観察」、指導対象者Dは、血圧も血糖値も「要観察」でない(「通常観察」である)ことを示す。
初期画面種別は、指導対象者がユーザ端末200を起動した場合、或いは、ユーザ端末200に健康管理に関する情報の閲覧開始のための所定入力を行った場合に、例えば体重、血糖値、血圧及び身体活動量等のどの種別の測定データに関する情報をユーザ端末200に表示させるべきかを示す情報であり、指導者が判断して設定する。設定しない場合のデフォルト値(例えば血圧等)が予め定められていてもよい。ユーザ端末200からアクセスされて健康管理に関する情報が要求された場合に、この初期画面種別に従って、サーバ装置100は、各種の測定データに関して特定部140が特定したオブジェクトのうち送信すべきオブジェクトを選定することができる。この指導対象者管理テーブル151では、最初に表示される情報を定める初期画面種別を含むこととしたが、この他に、体重、血糖値、血圧及び身体活動量のユーザ端末200での表示順序を示す情報を含むようにしてもよい。
[1−2−2.指導データ管理テーブル]
図7は、指導データ管理テーブル152の一構成例を示す図である。指導データ管理テーブル152は、指導対象者毎に定められ、図7では1人の指導対象者についての指導データ管理テーブル152の一例を示している。
図7に示すように、指導データ管理テーブル152は、指導日時、指導コメント、血圧補正値、血糖値補正値等といった項目を含んで構成されるレコード(指導データ)の集合である。このレコードは、指導者端末300からサーバ装置100に送信される指導データにより構成される。例えば、指導者が指導コメント、血圧補正値及び血糖値補正値を指導者端末300に入力し、指導者端末300がその入力日時を指導日時として付加して入力されたデータとから定まる指導データをサーバ装置100に送信し、サーバ装置100では指導データを受信して指導データ管理テーブル152の1レコードとして記録する。
指導コメントは、指導対象者の測定データに基づいて指導者が指導対象者に対して健康指導として行うアドバイス等を内容とする文字列等の情報である。
血圧補正値は、指導対象者の血圧の測定データ(測定値)を、補正して指導対象者に認識させるために用いられる値である。この血圧補正値に応じて、測定値を何パーセントか増加させ、或いは減少させた値が、算定部130による健康評価値の算定において利用される。図7の例に示す「+25」は、25パーセント増加させることを示す。この血圧補正値は、血圧の測定値を現実とは異なる値に補正することで、健康状態を実際より良く見せ、或いは悪く見せて、これにより指導対象者の健康増進へのモチベーションを高めるために設定するものである。同様に、血糖値補正値は、指導対象者の血糖値の測定データ(測定値)を、補正して指導対象者に認識させるために用いられる値である。指導データ管理テーブル152における項目には、血圧、血糖値の他に、例えば体重及び身体活動量等についての補正値(これらの各種の補正値を「指導補正値」とも称する)も含まれ得る。
[1−2−3.測定データ管理テーブル]
図8は、測定データ管理テーブル153の一構成例を示す図である。測定データ管理テーブル153は、指導対象者毎に定められ、図8では1人の指導対象者についての測定データ管理テーブル153の一例を示している。
図8に示すように、測定データ管理テーブル153は、測定日時、測定日時における各測定値である血圧(最高血圧、最低血圧)、脈拍、血糖値(空腹時血糖値、食後2時間経過時における食後2時間血糖値)、体重及び身体活動量等といった項目を含んで構成されるレコード(測定データ)の集合である。このレコードは、ユーザ端末200からサーバ装置100に送信される測定データにより構成される。例えば、測定装置から受信すること或いは指導対象者(ユーザ)から入力を受け付けることによりユーザ端末200が測定データを得て、その測定データを得た日時等を測定日時として付加して、その測定データをサーバ装置100に送信し、サーバ装置100では測定データを受信して測定データ管理テーブル153の1レコードとして記録する。
[1−2−4.オブジェクト管理テーブル]
オブジェクト管理テーブル154は、予め定められており、健康管理上の分析項目毎、つまり算定部130が算定する健康評価値、継続性評価値の区別毎に存在する。健康評価値及び継続性評価値のそれぞれは、1つのパラメータであってもよいが、複数のパラメータに区別され得る。オブジェクト管理テーブル154は、ユーザ端末200に表示してユーザ(指導対象者)に提示するためのオブジェクトをサーバ装置100の特定部140で特定するために用いられるテーブルである。オブジェクトは、例えば物体の形状を表す画像である。特定部140は、複数の画像(オブジェクト)の中から1つの画像(オブジェクト)を、ユーザに対して提示(表示)するための画像(オブジェクト)として特定する。ここでは、継続性、健康状態等を、町の状態に仮想化して表現すべく、町における土地、建築物その他の物体の形状を表す画像であるオブジェクトを用いた一例を示す。
図9は、継続性評価値についてのオブジェクト管理テーブル154の一構成例を示す図である。図9に例示するオブジェクト管理テーブル154は、ユーザについての測定の継続性を示す継続性評価値(継続性パラメータα)の値と各種のオブジェクトとを対応付けたテーブルである。同図で示す継続性パラメータαの値(例えば45)は、値の範囲(例えば10より大きく45以下である範囲)であってもよく、特定部140が算定部130により算定された継続性パラメータαからオブジェクトを特定するために利用できるようにオブジェクト管理テーブル154を構成すればよい。継続性パラメータαは、測定データが測定された時間間隔(測定日時の間隔)が一定時間(例えば1日)内である測定が、長い期間続く程、高い値となるように算定される。例えば、指導対象者が1日に1回以上の測定を長い日数続ける程、継続性パラメータαの値は高くなる。図9のオブジェクト管理テーブル154において、土地オブジェクト21は、土地を四角形の図形で表す画像であり、四角形のサイズの大きい土地程、高い継続性パラメータαの値と対応する。建築物オブジェクト22は、住宅、城等の建築物(建築物の外形等)を表す画像であり、一般的に高い価値を有すると考えられる立派な建築物程、高い継続性パラメータαの値と対応する。プレゼントオブジェクト23は、指導者が指導対象者へプレゼントとして付与することが想定されたオブジェクトであり、図9の例では、継続性パラメータαの値毎に、それぞれ異なるランドマークを表す画像であるオブジェクトが対応付けられている。
なお、継続性評価値として継続性パラメータαの他に、1日に測定した回数を示す回数パラメータ等を用いることとしてもよく、この場合に、例えば、図9で建築物オブジェクト22として示した同じ継続性パラメータαの値に対応する複数の建築物から、回数パラメータの値に応じて1つのオブジェクトを選択すること(例えば回数パラメータの値が高い程、立派な建築物を選択すること)が可能となる。
図10は、健康評価値についてのオブジェクト管理テーブル154の一構成例を示す図である。図10に例示するオブジェクト管理テーブル154は、ユーザについての健康状態を示す健康評価値の1つである血圧パラメータε1(後述)の値と各種のオブジェクトとを対応付けたテーブルである。同図で示す血圧パラメータε1の値(例えば50)は、値の範囲(例えば100より小さく50以上である範囲)であってもよく、特定部140が算定部130により算定された血圧パラメータε1からオブジェクトを特定するために利用できるようにオブジェクト管理テーブル154を構成すればよい。図10のオブジェクト管理テーブル154において、健康状態オブジェクト24は、物体の形状を表す画像(放水しているダムを表す画像)であり、放水量が、血圧パラメータε1の値と対応する。ここで、血圧が正常であれば血圧パラメータε1は0である。血圧は、高い程、血圧パラメータε1は大きくなり、放水量の多い健康状態オブジェクト24と対応する。図10における要因オブジェクト25は、血圧パラメータε1で示される血圧の状態を悪化させる要因となる飲食物等の人が摂取し得る物体を表す画像(ここでは、食塩庫の食塩を表す画像)である。食塩の在庫量が多い画像程、高い血圧パラメータε1(つまり高い血圧)に対応する。要因オブジェクト25と血圧パラメータε1との対応関係は、血圧が高い程、塩分の摂取について配慮が必要である旨を示唆する効果を狙って対応付けられている。
図11は、健康評価値についてのオブジェクト管理テーブル154の別の一構成例を示す図である。図11に例示するオブジェクト管理テーブル154は、ユーザについての健康状態を示す健康評価値の1つである血糖値パラメータε2(後述)の値と各種のオブジェクトとを対応付けたテーブルである。同図で示す血糖値パラメータε2の値(例えば50)は、値の範囲(例えば100より小さく50以上である範囲)であってもよく、特定部140が算定部130により算定された血糖値パラメータε2からオブジェクトを特定するために利用できるようにオブジェクト管理テーブル154を構成すればよい。図11のオブジェクト管理テーブル154において、健康状態オブジェクト26は、物体の形状を表す画像(飲食物を販売する店舗を表す画像)であり、店舗の膨れ度合いが、血糖値パラメータε2の値と対応する。ここで、血糖値が正常であれば血糖値パラメータε2は0である。血糖値が高い程(高血糖である程)、血糖値パラメータε2は大きくなり、店舗が大きく膨らんだ健康状態オブジェクト26と対応する。図11における要因オブジェクト27は、血糖値パラメータε2で示される血糖値の状態を悪化させる要因となる飲食物等の人が摂取し得る物体を表す画像(ここでは、ケーキ、白米、パン、酒といった飲食物を表す画像)である。高血糖の要因となる飲食物の数量が多い画像程、高い血糖値パラメータε2に対応する。要因オブジェクト27と血糖値パラメータε2との対応関係は、血糖値が高い程、ケーキ等の甘い食べ物、白米、パン、酒等を摂り過ぎずに控える必要がある旨を示唆する効果を狙って対応付けられている。
図12は、健康評価値についてのオブジェクト管理テーブル154のまた別の一構成例を示す図である。図12に例示するオブジェクト管理テーブル154は、ユーザについての健康状態を示す健康評価値である評価パラメータβ1又はβ2(後述)の値と建築物オブジェクトとを対応付けたテーブルである。評価パラメータβ1、β2は、1〜5の5段階で健康について良好な状態である程高い値となるように定められる。図12のオブジェクト管理テーブル154において、建築物オブジェクトは、住宅、城等の建築物(建築物の外形等)を表す画像であり、一般的に高い価値を有すると考えられる立派な建築物程、高い評価パラメータの値と対応する。図12に示すオブジェクト管理テーブル154のように、物体の形状を表す複数の画像それぞれと健康評価値とを、健康評価値が高い程、高い価値を有する物体の形状を表す画像と対応するように予め対応付けた対応情報を用いて特定部140によりオブジェクトの特定が行われると、ユーザにとってその特定されたオブジェクトを見たときに、健康評価値が表す健康状態等について、直感的に把握できる効果が生じ得る。なお、図12等のオブジェクト管理テーブル154を定めるにあたり、オブジェクトで表されたもの(例えば建築物等)の価値は、知識、経験等に基づいて評価される他、例えば複数の人々に対するアンケート調査等に基づいて価値が決定されてもよく、また、ユーザ或いは指導者の判断を参考にして決定されてもよい。
図13は、健康評価値についてのオブジェクト管理テーブル154の更に別の一構成例を示す図である。図13に例示するオブジェクト管理テーブル154は、ユーザについての健康状態を示す健康評価値である傾向パラメータγ1、γ2の値とオブジェクトとを対応付けたテーブルである。傾向パラメータγ1、指導者が指導対象者を指導している全期間において健康状態が良い方向に変化しているか、健康状態が維持されているか、健康状態が悪化しているかを区別する評価値である。また、傾向パラメータγ2は、最近1週間において健康状態が良い方向に変化しているか、健康状態が維持されているか、健康状態が悪化しているかを区別する評価値である。図13のオブジェクト管理テーブル154は、傾向パラメータγ1と傾向パラメータγ2とを組み合わせて1つのオブジェクトを特定するように構成されており、傾向パラメータγ1に応じて顔の表情が変化し、傾向パラメータγ2に応じて顔の輝き等が変化するような複数の顔オブジェクトを含んでいる。例えば、全期間の傾向を示す傾向パラメータγ1が良化を示す場合には、顔オブジェクトが笑顔になり、γ1が維持を示す場合には、普通の表情になり、γ1が悪化を示す場合には、元気のない表情になる。また、最近1週間の傾向を示す傾向パラメータγ2が良化の場合には、顔オブジェクトが金色(図示せず)で後光があり、γ2が維持を示す場合には、顔オブジェクトが金色で後光がなく、γ2が悪化を示す場合には、顔オブジェクトが灰色となる。
[1−3.算定部の動作(健康評価値及び継続性評価値の算定)]
図14は、サーバ装置100の算定部130による健康評価値及び継続性評価値の算定に係る動作を示すフローチャートである。
以下、算定部130による、健康評価値及び継続性評価値である各パラメータ(血圧パラメータε1、血糖値パラメータε2、継続性パラメータα等)の算定に係る動作について図14に即して説明する。
例えばユーザ端末200等から要求を受けた時、或いは予め定められた周期的なタイミングで、制御部120における算定部130は、指導対象者について逐次測定されて生成された複数の測定データに基づいて、パラメータを算定する。健康評価値のパラメータは、ユーザの健康に関する評価のために用いられるパラメータであり、所定健康評価基準(つまり以下に一例を示す算定方法)に基づいて算定される。また、継続性評価値のパラメータは、ユーザについての測定の継続性に関する評価のために用いられるパラメータであり、所定継続性評価基準(つまり以下に一例を示す算定方法)に基づいて算定される。算定の基礎となる測定データの範囲については、その算定の日である今日(現在)と、今日から1週間前までの期間(以下、「最近1週間」と称する)と、今日から指導開始日(初回測定日)までの期間(以下、「全期間」と称する)との範囲が用いられる。
ここでは、制御部120が指導対象者Aの測定データに基づいて算定部130によりパラメータを算定する場合を例にして説明を行う。
まず、算定部130は、記憶部150に格納された指導対象者管理テーブル151から、指導対象者Aの測定データを管理する測定データ管理テーブル153のファイル名と、指導対象者Aについての指導データを管理する指導データ管理テーブル152のファイル名とを取得する。そして、算定部130は、指導対象者Aの測定データ管理テーブル153のファイル名で測定データ管理テーブル153を特定して、その測定データ管理テーブル153に含まれる指導対象者Aの測定データを読み出す(ステップS801)。
次に、算定部130は、指導対象者Aの指導データ管理テーブル152のファイル名で指導データ管理テーブルを特定して、その指導データ管理テーブル152に含まれる指導対象者Aに対する指導データを読み出す。そして、算定部130は、指導データに含まれる指導補正値に基づいて、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて測定データの補正用の変数ω(指導補正値ω)を設定する(ステップS802)。具体的には、指導データで血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて指導補正値が定められていればその指導補正値を変数ωに設定し、指導補正値が定められていなければ0を変数ωに設定する。パラメータの算定において、測定データの測定値は、例えば、この変数ωを用いてω/100+1倍される。血圧の変数ω(指導補正値ω)が25であれば、測定データにおける血圧の測定値(最高血圧p1及び最低血圧P2)は、1.25倍されて以下に示すパラメータの算定の手順(ステップS805等)が行われる。
また、算定部130は、指導対象者Aについての測定データ管理テーブル153の測定データに応じて、予め定められた所定継続性評価基準に基づいて、測定データの測定の継続性を示す継続性パラメータαを算定する(ステップS803)。例えば、測定データ管理テーブル153における測定日時より1日1回以上測定がなされている日の連続数を、継続性パラメータαとして定める。例えば、今日までに10日間連続して測定がなされている場合には継続性パラメータαは、10となる。なお、上述した回数パラメータを包含するように継続性パラメータαを算定してもよく、この場合には、継続性パラメータαを、1日1回以上測定がなされている日の連続数α1と1日の平均測定回数α2とを用いた所定の関数f(α1,α2)により算定することとしてもよい。所定の関数fは、例えば、1日の平均測定回数α2が同じであれば連続数α1が大きい程、継続性パラメータαが大きくなり、連続数α1が同じであれば1日の平均測定回数α2が大きい程、継続性パラメータαが大きくなるように予め定められる。
算定部130は、指導対象者管理テーブル151の指導対象者Aについての血圧フラグが要観察の旨を示す1に設定されているか否かを判定し(ステップS804)、血圧フラグとして1が設定されている場合は、血圧パラメータε1の算定を行い(ステップS805)、血圧フラグとして1が設定されていない場合は、血圧パラメータε1の算定(ステップS805)をスキップする。
ステップS805における血圧パラメータε1の算定は、予め定められた健康評価基準としての血圧評価基準テーブルに基づいて行われる。図15は、血圧評価基準テーブルの一例を示す図である。血圧評価基準テーブルは、血圧(最高血圧p1、最低血圧p2)と血圧パラメータε1とを対応付けたテーブルである。この血圧評価基準テーブルは、同図の例によれば、例えば、最高血圧p1が180(mmHg)以上、又は、最低血圧p2が110(mmHg)以上の場合に、血圧パラメータε1が100と算定されることを定めている。なお、図15では、血圧パラメータε1の値についての意味を、血圧の状態の欄に記している。図15の例によれば、算定された血圧パラメータε1が100である場合には、高血圧の状態であることを意味している。ステップS805では算定部130は、例えば今日測定された最高血圧及び最低血圧の値(例えば、1回だけ測定された場合はその測定値、複数回測定されていれば複数の測定値の平均値)をそれぞれ最高血圧p1、最低血圧p2として、血圧評価基準テーブルに基づいて血圧パラメータε1を算定する。
算定部130は、指導対象者管理テーブル151の指導対象者Aについての血糖値フラグが要観察の旨を示す1に設定されているか否かを判定し(ステップS806)、血糖値フラグとして1が設定されている場合は、血糖値パラメータε2の算定を行い(ステップS807)、血糖値フラグとして1が設定されていない場合は、血糖値パラメータε2の算定(ステップS807)をスキップする。
ステップS807における血糖値パラメータε2の算定は、予め定められた健康評価基準としての血糖値評価基準テーブルに基づいて行われる。図16は、血糖値評価基準テーブルの一例を示す図である。血糖値評価基準テーブルは、血糖値(空腹時血糖値q1、食後2時間血糖値q2)と血糖値パラメータε2とを対応付けたテーブルである。この血糖値評価基準テーブルは、同図の例によれば、例えば、空腹時血糖値q1が126(mg/dl)以上、又は、食後2時間血糖値q2が200(mg/dl)以上の場合に、血糖値パラメータε2が100と算定されることを定めている。なお、図16では、血糖値パラメータε2の値についての意味を、血糖値の状態の欄に記している。図16の例によれば、算定された血糖値パラメータε2が100である場合には、糖尿病に該当する状態であることを意味している。ステップS807では算定部130は、例えば今日測定された空腹時血糖値q1及び食後2時間血糖値q2(複数回測定されていれば平均値)に基づいて、血糖値評価基準テーブルに基づいて血糖値パラメータε2を算定する。なお、図16の血糖値評価基準テーブルは、血糖値パラメータε2を算定するための方法の一例にすぎず、例えば、空腹時血糖値q1及び食後2時間血糖値q2のうち一方を用いないこととしてもよい。また、指導対象者又は指導者がいずれの血糖値を測定するかを設定することとしてもよい。なお、測定データにおける血糖値が空腹時血糖値か食後2時間血糖値かを区別していない場合において、算定部130が、予め定めた基準に従って測定日時(測定時間帯等)から推定して空腹時血糖値か食後2時間血糖値かを判別することとしてもよい。
また、算定部130は、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて、全期間及び最近1週間のそれぞれにおける測定データ(測定値)の平均値と標準偏差値とを算定する(ステップS808)。
次に、算定部130は、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて、今日の測定データ(測定値)を全期間の平均値及び標準偏差値を用いて評価した評価パラメータβ1と、今日の測定データ(測定値)を最近1週間の平均値と標準偏差値を用いて評価した評価パラメータβ2とを算定する(ステップS809)。
ステップS809において算定部130は、血圧及び血糖値のそれぞれについては、図17に示す全期間用血圧血糖値評価基準テーブルを用いて評価パラメータβ1を算定し、図18に示す最近1週間用血圧血糖値評価基準テーブルを用いて評価パラメータβ2を算定する。図17、図18で示す各テーブルにおいて、yは今日の血圧又は血糖値を示し、X1は血圧又は血糖値の全期間における平均値を示し、σ1は血圧又は血糖値の全期間における標準偏差値を示し、X2は血圧又は血糖値の最近1週間における平均値を示し、σ2は血圧又は血糖値の最近1週間における標準偏差値を示す。また、ステップS809において算定部130は、体重については、図19に示す全期間用体重評価基準テーブルを用いて評価パラメータβ1を算定し、図20に示す最近1週間用体重評価基準テーブルを用いて評価パラメータβ2を算定する。図19、図20で示す各テーブルにおいて、yは今日の体重を示し、X1は体重の全期間における平均値を示し、σ1は体重の全期間における標準偏差値を示し、X2は体重の最近1週間における平均値を示し、σ2は体重の最近1週間における標準偏差値を示す。また、ステップS809において算定部130は、身体活動量については、図21に示す全期間用身体活動量評価基準テーブルを用いて評価パラメータβ1を算定し、図22に示す最近1週間用身体活動量評価基準テーブルを用いて評価パラメータβ2を算定する。図21、図22で示す各テーブルにおいて、yは今日の身体活動量を示し、X1は身体活動量の全期間における平均値を示し、σ1は身体活動量の全期間における標準偏差値を示し、X2は身体活動量の最近1週間における平均値を示し、σ2は身体活動量の最近1週間における標準偏差値を示す。このように、評価パラメータβ1、β2は、健康について良好な状態である程高い値となるように定められる(図17〜図22)。ここで、健康について良好な状態とは、健康である状態、健康である状態へ次第に近づいている状態、健康である状態へ近づくための活動が十分行えている状態等といった、健康の維持増進のために好ましい状態を言う。
次に、算定部130は、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて、測定データの全期間における変化の傾向を示す傾向パラメータγ1と、測定データの最近1週間における変化の傾向を示す傾向パラメータγ2とを算定する(ステップS810)。具体的には、算定部130は、全期間の測定データの回帰分析を行うことにより経過時間(経過日数)に対する測定値の分布の傾き方向(例えば最小二乗法により算出される回帰直線の傾き)を求めて、図23に示す傾向評価基準テーブルを用いて傾向パラメータγ1を算定し、同様に最近1週間の測定データの回帰分析を行うことにより経過時間に対する測定値の分布の傾き方向を求めて、その傾向評価基準テーブルを用いて傾向パラメータγ2を算定する。
そして最後に算定部130は、算定した各パラメータを記憶部150に格納する(ステップS811)。
[1−4.特定部の動作(オブジェクトの特定)]
サーバ装置100の特定部140は、算定部130が算定した健康評価値及び継続性評価値に係る各パラメータに応じて、オブジェクト管理テーブル154を用いてオブジェクトを特定する。
図24は、サーバ装置100の特定部140によるオブジェクトの特定に係る動作を示すフローチャートである。
以下、特定部140によるオブジェクトの特定に係る動作について図24に即して説明する。ここでは、制御部120が指導対象者Aの測定データに基づいて特定部140によりオブジェクトを特定する場合を例にして説明を行う。
まず、特定部140は、記憶部150から算定部130が算定した各パラメータを読み出す(ステップS901)。
次に、特定部140は、継続性パラメータαの値に応じて、継続性評価値についてのオブジェクト管理テーブル154(図9参照)に従ってオブジェクトを特定する(ステップS902)。図9の例によれば、継続性パラメータαが大きい程、大きい土地を示すサイズの大きな四角形の土地オブジェクト21が特定されて立派な建築物を表す建築物オブジェクト22が特定される。また、継続性パラメータαの値毎に異なるランドマークを表すプレゼントオブジェクト23が特定される。
図25は、継続性評価値についてのオブジェクトの使用例を示す図である。図25において町オブジェクト31a〜31fのそれぞれは、継続性パラメータαが10、45、90、120、150及び180のそれぞれに対応した町オブジェクトである。これらの町オブジェクトは、図9に示す土地オブジェクト21及び建築物オブジェクト22を組み合わせて構成されている。図25に示すように、継続性パラメータαが大きくなるほど、町が広くなり、町の建築物が立派になっている。このような町オブジェクトはサーバ装置100からユーザ端末200に送信されてユーザ端末200に表示されることとなる。従って、ユーザ(指導対象者)が測定を継続的に行うことにより、次第に継続性評価値である継続性パラメータαが増加し、ユーザ端末200に、次第に立派な町が表示されるようになる。このことは、指導対象者にとって測定を継続することに対するモチベーションの向上のために有用である。
次に、特定部140は、指導対象者管理テーブル151の指導対象者Aについての血圧フラグが要観察の旨を示す1に設定されているか否かを判定し(ステップS903)、血圧フラグとして1が設定されている場合は、血圧パラメータε1に応じてオブジェクトの特定を行い(ステップS904)、血圧フラグとして1が設定されていない場合は、血圧パラメータε1に応じたオブジェクトの特定(ステップS904)をスキップする。ステップS904における血圧パラメータε1に応じたオブジェクトの特定は、血圧パラメータε1についてのオブジェクト管理テーブル154(図10参照)に従って行われる。図10の例によれば、血圧パラメータε1が大きい程、放水量の多いダムを表す画像である健康状態オブジェクト24が特定される。また、血圧パラメータε1が大きい程、多い食塩の在庫を有する食塩庫の画像である要因オブジェクト25が特定される。
次に、特定部140は、指導対象者管理テーブル151の指導対象者Aについての血糖値フラグが要観察の旨を示す1に設定されているか否かを判定し(ステップS905)、血糖値フラグとして1が設定されている場合は、血糖値パラメータε2に応じてオブジェクトの特定を行い(ステップS906)、血糖値フラグとして1が設定されていない場合は、血糖値パラメータε2に応じたオブジェクトの特定(ステップS906)をスキップする。ステップS906における血糖値パラメータε2に応じたオブジェクトの特定は、血糖値パラメータε2についてのオブジェクト管理テーブル154(図11参照)に従って行われる。図11の例によれば、血糖値パラメータε2が大きい程、膨れた店舗を表す画像である健康状態オブジェクト26が特定される。また、血糖値パラメータε2が大きい程、多い数量の、高血糖の要因となる飲食物を表す画像である要因オブジェクト27が特定される。
次に、特定部140は、評価パラメータβ1、β2に応じてオブジェクトの特定を行う(ステップS907)。具体的には、特定部140は、評価パラメータβ1、β2についてのオブジェクト管理テーブル154(図12参照)に従ってオブジェクトを特定する。図12の例によれば、評価パラメータβ1又は評価パラメータβ2が大きい程、立派な建築物の外形を表した画像である建築物オブジェクトが特定される。なお、ステップS907において、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて、評価パラメータβ1、β2のうち一方のみについてオブジェクトの特定を行うこととしてもよいし、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のうちの一部のみについての評価パラメータについてオブジェクトの特定を行うこととしてもよい。また、評価パラメータの値に応じて、建築物の補修工事の必要性(補修が必要な箇所等)を表す画像であるオブジェクトを特定するようにしてもよい。この場合に、評価パラメータに応じて特定されるオブジェクトの例を図26に示す。図26における建築物オブジェクト32a〜32eは、それぞれ評価パラメータの異なる値に応じて特定されるオブジェクトであり、建築物オブジェクト32b〜32eは建築物について補修工事をしている状態を表した画像である。例えば、評価パラメータの値が、健康について良好な状態ではなくその状態が劣悪(例えば健康状態に注意が必要な程度が高い状態)である程、補修箇所が多い建築物を表した画像であるオブジェクトが特定されるようにしてもよい。なお、図26の補修工事をしている建築物は一例にすぎず、補修工事の他に、建築物が壊れていることを表す表現等、通常の状態とは異なる状態を表す表現を用いてオブジェクトを定め得る。
次に、特定部140は、傾向パラメータγ1、γ2に応じてオブジェクトの特定を行う(ステップS908)。具体的には、特定部140は、血圧、血糖値、体重及び身体活動量のそれぞれについて、傾向パラメータγ1、γ2についてのオブジェクト管理テーブル154(図13参照)に従って、顔オブジェクトを特定する。
そして最後に特定部140は、特定した各オブジェクトを記憶部150に格納する(ステップS909)。このように記憶部150に格納された各オブジェクトは、制御部120により出力部112に伝達され出力部112により、指導対象者Aが使用するユーザ端末200へと送信されることになる。
[1−5.健康管理システムにおける全体的な動作]
図27は、健康管理システム1における装置間の通信シーケンスを示す図である。以下、同図に即してユーザ端末200、サーバ装置100及び指導者端末300の連携動作を説明する。
指導対象者(ユーザ)は、例えば毎日1回又は数回、血圧、血糖値、体重及び身体活動量を各測定装置により測定する。ユーザ端末が起動され(ステップS1600)、測定データが各測定装置又はユーザによりユーザ端末200に入力されると、ユーザ端末は、測定データに測定日時及び指導対象者IDを付加してサーバ装置100に送信する(ステップS1601)。
サーバ装置100は、ユーザ端末200から受信した測定データを記憶部150における測定データ管理テーブル153の一部として記憶させる。サーバ装置100は、測定データをオブジェクトに変換し、つまり測定データに基づいて健康評価値及び継続性評価値としての各種パラメータを算定してそのパラメータに応じてオブジェクトを特定し(ステップS1602)、既に指導データがあればその指導データを付加して、そのオブジェクトを、指導対象者IDを送信してきたユーザ端末200に送信する(ステップS1603)。ユーザ端末200は、受信したオブジェクト等を表示する。
指導者端末300より、測定データの要求(指導者IDを含む要求)を受信すると(ステップS1604)、サーバ装置100は、指導者端末300を使用する指導者の指導対象となる指導対象者を記憶部150の指導対象者管理テーブル151を参照して特定し、その指導対象者の測定データを測定データ管理テーブル153より抽出して、指導者端末300に送信する(ステップS1605)。
指導者端末300がサーバ装置100から受信した測定データを表示し、指導者は測定データを閲覧して、指導対象者に対する健康指導の内容(指導コメント等)を含む指導データを指導者端末300に入力する(ステップS1606)。指導者が指導対象とする指導対象者が複数存在する場合には、指導者端末300は、サーバ装置100から複数の指導対象者の測定データを受信して表示するので、指導者は指導対象者毎に指導データを入力する。
指導データの入力を受けた指導者端末300は、指導データに指導日時を付加してサーバ装置100に送信する(ステップS1607)。サーバ装置100は、指導者端末300から受信した指導データを、記憶部150における指導データ管理テーブル152の一部として記憶させて管理する。
例えば1日後或いは数時間後等といった次の測定タイミングで、指導対象者が測定データを測定するために、ユーザ端末200を起動する(S1608)。ステップS1601での処理と同様にユーザ端末200は、サーバ装置100に測定データを送信する(ステップS1609)。ステップS1602での処理と同様に、サーバ装置100は、今回受信した測定データ及びそれ以前に受信した測定データを反映して、健康評価値及び継続性評価値としての各種パラメータを算定してそのパラメータに応じてオブジェクトを特定する(ステップS1610)。サーバ装置100は、記憶部150における指導データ管理テーブル152を参照して、ステップS1607で受信した指導データを抽出して、オブジェクトと共に指導データをユーザ端末200に送信する(ステップS1611)。そして、ユーザ端末200は受信したオブジェクト及び指導データを表示する。
ステップS1603及びステップS1611でのサーバ装置100からのオブジェクトの送信は、例えば、ステップS1602或いはステップS1610で特定したオブジェクトの一部の送信であり、その送信対象となるオブジェクトは記憶部150における指導対象者管理テーブル151の初期画面種別に従って選択されたオブジェクトである。図27では省略しているが、その後にユーザ端末200からの次画面の送信要求を受けてからサーバ装置100が残りのオブジェクトを選択して送信する。なお、ステップS1603及びステップS1611でのサーバ装置100からのオブジェクトの送信は、例えば、ステップS1602或いはステップS1610で特定した全てのオブジェクトの送信であることとしてもよい。この場合には、ユーザ端末200が、サーバ装置100より送信されたオブジェクトを表示する前に、サーバ装置100における指導対象者管理テーブル151の初期画面種別に何が設定されているかを確認して、初期画面種別に対応する種別(例えば血圧、血糖値、体重及び身体活動量のいずれか)に主として対応するオブジェクトを最初に表示する。初期画面に表示されていない測定データの種別について表示させたい場合に指導対象者(ユーザ)が所定操作を行うこととして、この場合にユーザ端末200に別の種別の測定データに対応するオブジェクトを表示する。この所定操作への対応は、例えば、画面中に画面切り替え用の切替ボタンを表示して、その切替ボタンの押下操作を受け付けること等により行える。
図28は、ユーザ端末200でのオブジェクトの表示例を示す図である。図28は、図6の指導対象者管理テーブル151に示した指導対象者Aが使用するユーザ端末200に表示された初期画面の例を示している。初期画面種別は、血圧である。
図28の例では、画面右上には健康状態の傾向を示す顔オブジェクト1700が表示され、画面左上には継続性と健康状態との評価を示すオブジェクト群1710が表示され、画面下段には指導者からの指導データ(指導コメント)1720が表示されている。オブジェクト群1710は、継続性を表す土地オブジェクト1716上に、建築物オブジェクト等を配置して構成されている。土地オブジェクト1716上の手前に現在(今日)の健康状態(初期画面種別に応じた血圧の状態)を示す建築物オブジェクト1711を配置し、それ以外の場所に、表示するよう設定されている各種別の測定データに応じた健康状態オブジェクト、要因オブジェクト等を配置している。傾向パラメータに基づく顔オブジェクト1700は、全期間で血圧の良好な傾向にあり、最近1週間の血圧は状態が維持されている傾向にあることを示している(図13参照)。評価パラメータに基づく建築物オブジェクト1711は、現在の血圧の状態の評価が5段階中の3であることを示している(図12参照)。また、健康状態オブジェクト1712は、現在の血圧は正常高血圧であり、要因オブジェクト1713は塩分の摂り過ぎへの注意の必要性が特に高くはないことを示している(図10、図15参照)。また、健康状態オブジェクト1714は、血糖値は正常な状態にあり、要因オブジェクト1715は糖分の摂りすぎへの注意の必要性がないことを示している(図11、図16参照)。なお、オブジェクト群1710に、指導者から指導対象者へのプレゼントとしてのプレゼントオブジェクト(図9参照)を含めてもよい。サーバ装置100の制御部120が出力部112によりユーザ端末200に送信するオブジェクトは画像(送信する場合においては画像を示すデータ)であるため、複数のオブジェクトからなるオブジェクト群1710を、複数の部分的な画像を包含した1つの画像であるオブジェクトとして取り扱うこともできる。
[1−6.効果]
以上説明したように実施の形態1に係る健康管理システム1では、取得部111が、ユーザ(指導対象者)についての測定により生成された測定データを取得し、記憶部150に格納する。また、算定部130が、ユーザの健康に関する評価のための所定健康評価基準(図15〜図23参照)に基づいて、取得部111により取得された測定データに応じた健康評価値を算定する。特定部140は、算定部130により算定された健康評価値に応じてオブジェクトを特定する。そして、その特定されたオブジェクトはユーザ端末200の表示部240において表示される。
これにより、ユーザ(指導対象者)についての測定に係る測定データを、仮想化したオブジェクトに変換して表示させることができる。従って、ユーザに対して直感的に把握されやすいようにユーザの健康状態に関する情報を提示できる。
(実施の形態2)
以下、上述した健康管理システム1の一部を変形した態様について、図29及び図30を用いて説明する。
実施の形態2に係る健康管理システムは、実施の形態1に係る健康管理システム1と、主にサーバ装置100の機能が異なる。以下、実施の形態2に係る健康管理システムにおけるサーバ装置100aについて説明する。
図29は、実施の形態2に係るサーバ装置100aの機能ブロック図である。
図29に示すようにサーバ装置100aは、実施の形態1に係るサーバ装置100(図2参照)の一部を変形し、制御部120が更に機能構成要素としてポイント付与部160を含むようにし、記憶部150が更にポイント管理テーブル155を記憶するようにしたものである。サーバ装置100aの機能構成要素のうち、サーバ装置100と同じものには同じ符号を付してあり、これらについては説明を省略する。サーバ装置100aのハードウェア構成は、サーバ装置100と同一であり、プロセッサ102に実行されるための、メモリ103に記憶された制御プログラムの内容が異なることにより、サーバ装置100aはサーバ装置100と異なる機能を発揮する。
ポイント管理テーブル155は、ユーザ(指導対象者)について指導対象者IDと指導対象者の現在の獲得ポイント数とを対応付けて管理するためのテーブルである。
ポイント付与部160は、例えば、記憶部150に記憶されている指導対象者についての継続性評価値(継続性パラメータ)を用いて、継続性パラメータの値に応じて、ユーザ(指導対象者)にサービスの提供を受けるために利用可能なポイントを付与する。ポイント付与部160は、例えば継続性パラメータの値が高い程多くのポイントを付与する。サーバ装置100aは、指導対象者にオブジェクトを送信するタイミングで現在の獲得ポイント数を表す画像であるオブジェクトをユーザ端末200に送信する。ユーザ端末200では、獲得ポイント数を示すオブジェクトを表示し、指導対象者は表示された獲得ポイント数を確認できる。
図30は、実施の形態2におけるユーザ端末200でのオブジェクトの表示例を示す図である。図30の例では、ユーザ端末200の画面には、獲得ポイント数を示すオブジェクト1900が表示されており、獲得ポイント数が2であることが表されている。
指導対象者は、ポイントを使用して、予め定められているサービスを利用できる。サービスは、健康管理システムの一機能として提供されてもよいし、健康管理システムの運用者等により提供されてもよい。これにより、指導対象者の測定に対するモチベーションの向上が図れる。なお、ポイント付与部160は、評価パラメータ、傾向パラメータ等に応じてポイントを付与してもよく、例えば健康について良好な状態である程多くのポイントを付与してもよい。また、健康管理システムの利用料金等としてユーザに課金される金額をユーザの獲得ポイント数に応じて減額してもよく、また、ユーザの獲得ポイントに応じた金額或いは数量の健康食品等をユーザにプレゼントとして提供してもよい。
(実施の形態3)
以下、健康管理システム1の一部を変形した実施の形態3に係る健康管理システム2について、図31〜図33を用いて説明する。
図31は、実施の形態3に係る健康管理システム2の一構成例を示す概略図である。
図31に示すように、健康管理システム2は、実施の形態1で示した健康管理システム1と同様に指導者端末300を備える他、サーバ装置100b、ユーザ端末200a及び情報端末8を備える。サーバ装置100bは、ネットワーク11を介してユーザ端末200a、情報端末8及び指導者端末300のそれぞれと通信可能である。図31に示す健康管理システム2の構成要素のうち、健康管理システム1の構成要素と同じものには同じ符号を付してあり、これらについては説明を省略する。また、サーバ装置100bは実施の形態1で示したサーバ装置100とハードウェア構成は同じで、サーバ装置100の機能にメッセージ転送機能を追加したものである。ユーザ端末200aは実施の形態1で示したユーザ端末200とハードウェア構成は同じで、ユーザ端末200の機能に、メッセージ表示機能を追加したものである。
情報端末8は、ユーザ端末200と同様に通信I/F、プロセッサ、入力I/F、ディスプレイ、メモリ等を含んで構成されるコンピュータ(例えばスマートフォン)であり、ユーザ端末200aと同様にオブジェクト等を表示する機能と、メール等のメッセージを送受信する機能とを有する。情報端末8は、例えば、ユーザ端末200aを使用しているユーザ(指導対象者)と同居していない家族等に使用されることが想定される。
図32は、健康管理システム2における装置間の通信シーケンスを示す図である。以下、同図に即してユーザ端末200a、情報端末8、サーバ装置100b及び指導者端末300の連携動作を説明する。
ユーザ端末200a、サーバ装置100b及び指導者端末300は、実施の形態1におけるユーザ端末200、サーバ装置100及び指導者端末300と同様の動作を行う(ステップS1600〜S1611)。
また、サーバ装置100bは、ユーザ端末200aに送信するオブジェクト及び指導データと同じデータを情報端末8に送信する(ステップS1612)。この送信タイミングは、例えば予め定められた周期等に従ったタイミングであるが、この送信タイミングをユーザ端末200aへのオブジェクト等の送信と同期させてもよい。情報端末8ではオブジェクト及び指導データを受信して表示する。これにより、情報端末8のユーザ(指導対象者の家族等)は、ユーザ端末200aのユーザ(指導対象者)の健康状態等を知ることができる。
情報端末8のユーザは、指導対象者の健康状態を確認して、健康に関するコメント等を含む指導対象者へのメッセージを入力すると、情報端末8からメッセージがサーバ装置100bに送信される(ステップS1613)。
サーバ装置100bは、情報端末8から送信されるメッセージを受信し、そのメッセージをユーザ端末200aに送信(転送)する(ステップS1614)。サーバ装置100bからメッセージを受信すると、ユーザ端末200aは、メッセージが届いていることを示すオブジェクトをディスプレイに表示する。
図33は、実施の形態3におけるユーザ端末200aでのオブジェクトの表示例を示す図である。図33の例では、ユーザ端末200aの画面には、メッセージが届いていることを示すオブジェクト2100が表示されている。このオブジェクト2100により、指導対象者は、自分の健康(健康状態、測定の継続性等)に関する家族等からのメッセージが届いたのが分かる。これにより、指導対象者の測定に対するモチベーションの向上が図れる。
(他の実施の形態等)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜3を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。以下、他の実施の形態を例示する。
上述の実施の形態においては、個々の指導対象者に対して、一人の指導者を対応付けた例を示したが、個々の指導対象者に、複数の指導者が対応することとしてもよい。
また、指導対象者管理テーブルに、指導対象者が指定した、かかりつけ医についての情報を含ませて、管理してもよい。これにより、指導者が医者の診断が必要であると判断した場合に、かかりつけ医にデータを送付し、判断を仰ぐことが可能となる。また、指導者が医者に診てもらうよう指導データに記載している場合に、指導対象者は、診察を受けに行くときに、測定データを携帯端末にダウンロードして携帯したり、ダウンロードしたデータを印刷して持って行ったり、医者にネットワーク経由で送信することも可能となる。
また、上述の実施の形態では、血圧の健康状態に関連して高血圧の要因となり得る食塩を表した画像である要因オブジェクトを用いたが、指導者による測定データの分析等から要因が特定できた場合にその特定できた要因を表す画像を要因オブジェクトとして用いることとしてもよい。
また、上述の実施の形態では、血圧及び血糖値のそれぞれの状態を示すオブジェクトとして、ダムの画像と店舗の画像とを用いたが、例えば、ダムの代わりにホース、道路等を用いてもよい。また、店舗の代わりに森林等を用いてもよい。また、要因を示すオブジェクトとして、高血圧の要因となり得る食塩、高血糖の要因となり得るケーキ、酒等の飲食物等を用いたが、人が摂取し得る物である、たばこを用いてもよい。この場合、パラメータ値に応じて、たばこの吸い殻の数を増減したオブジェクトを表示に用いることができる。このように、オブジェクトは、一例を挙げれば、ホース、ダム、道路、店舗、森林、食塩、砂糖、ごはん、パン、ケーキ、たばこ、及び、アルコール飲料(酒等)のうちの1つ以上を表す画像である。
また、上述の実施の形態では、オブジェクトとして町を構成する土地、建築物等の画像を用いたが、これに限定されることはなく、オブジェクトは、例えばその他の物体の形状を表す画像であってもよい。この物体は、実体として空間を占める存在であり、また有形の物体は明確なために、物体の形状によれば人々が一定の価値についての認識を共有し易い。つまり、物体の形状は一定の価値等を表し得る。例えば、土地は、広い方が狭いよりも価値が高く、建築物は、形状において大きい或いは複雑である場合に価値が高いと、一般的には考えられている。また、一般的には、壊れた状態の建築物は、壊れていない状態の建築物よりも価値が低いと考えられている。従って、健康管理システムによるオブジェクトへの変換によって、健康についての状態の良し悪し等を、物体の良し悪し(つまり価値)に置き換えると、ユーザにとって理解され易いという効果が生じ得る。即ち、物体の形状を表す画像であるオブジェクトにより健康についての状態が表されると、グラフ、数値、文字等で表されるよりもユーザにとって直感的に状態が把握される効果が生じ得る。なお、物体の形状を画像で表すときの表現方法は、特に一定のものに制限されるものではなく、例えば、オブジェクトである画像は、物体の写真画像であっても、物体の動画像であっても、物体の形状をデフォルメ(変形)して描かれた画像(例えば物体をモチーフとして描かれた画像)であってもよく、絵、図、マーク、イラスト等のイメージ(画像)であってもよい。なお、食塩等の1粒という単位の小さい物体を表す画像のオブジェクトは、例えばある程度の大きさの塊(ブロック)、容器等の形状を用いることで食塩の形状を表現した画像であってもよい(図10参照)。また、酒等のアルコール飲料(液体)を表す画像のオブジェクトは、例えば徳利(容器)等の形状を用いることで酒の形状を表現した画像であってもよい(図11参照)。
また、更に、オブジェクトは、物体の形状を表す画像に限定されることはなく、事物を表す画像であれば足りる。この事物は、物体、事件、現象等を含む物事であり、架空の物体(例えば想像上の物等)、架空の事件等を含む。事物を表す画像には、形状を有しない物体を表した画像も含まれる。また、健康管理システムにおいて、指導対象者の嗜好を考慮したオブジェクトを用いてもよい。例えば、スポーツが好きな指導対象者に対して提示するオブジェクト(つまり測定データに応じて特定して表示されるようにするオブジェクト)は、指導対象者の測定の継続性、健康状態に係る評価に応じて、スポーツ選手(プレイヤー)が上達するような様子を表す画像であってもよい。また、健康管理システムは、指導対象者の測定の継続性、健康状態に係る評価に応じて、指導対象者が興味のあるものに係る画像を収集できるように、オブジェクトの提示を行ってもよい。
また、上述の実施の形態で示した健康管理システムにおけるユーザ端末200は、測定データをサーバ装置100に送信する。この送信に際して、ユーザが入力した指導者への質問を付加して、サーバ装置100に送信してもよい。この場合、サーバ装置100は、指導対象者に測定データと指導対象者からの質問とを送信し、指導者端末300を介して送信される指導者からの、質問への回答を受信して、その回答をオブジェクトに付加してユーザ端末200へ送信する。そして、ユーザ端末200で、オブジェクトと同時に質問と回答とを表示することとしてもよい。
また、上述の実施の形態では、サーバ装置100が測定データに基づいて健康評価値及び継続性評価値の算定及びオブジェクトの特定を行ったが、このサーバ装置100の機能をユーザ端末200、或いは、指導者端末300が有することとしてもよい。例えば、上述したユーザ端末200に、更に算定部130、特定部140及び記憶部150の機能を含ませるようにユーザ端末200を構成してもよく、この場合には、サーバ装置100は不要となる。この場合には、ユーザの健康を管理する健康管理装置として機能することとなるユーザ端末200(図4)において、プロセッサ202が、ユーザについての測定により生成された測定データに基づいて定められた健康評価値に応じて、事物を表す画像であるオブジェクトを特定し、特定したオブジェクトをディスプレイ204に表示させるための制御信号を送出する。そして、ディスプレイ204が、プロセッサ202から送出されるオブジェクトを表示させるための制御信号に応じてオブジェクトを表示する。また、サーバ装置100が健康評価値及び継続性評価値の算定を行って、特定部140の機能をユーザ端末200が分担する等と、サーバ装置100の機能の一部をユーザ端末200が行うようにユーザ端末200を構成してもよい。また、例えば、サーバ装置100が、各データの管理(記憶保持)のみを行うこととしてもよい。また、健康管理システムが指導者端末300を備えないこととして、サーバ装置100において直接指導者が指導データ(例えば指導補正値、指導コメント等)を入力することとしてもよい。また、健康管理システムが指導者端末300を備えない場合に、指導データを取り扱わないこととしてもよい。この場合においても、健康管理システムにより、ユーザについての測定により生成された測定データに応じて算定された健康評価値に対応して特定されたオブジェクトがユーザ端末200に表示されるので、ユーザは直感的に健康状態等を把握できるようになる。また、ユーザ端末200は、測定データを測定するための測定装置と一体化していてもよい。
また、上述の実施の形態で示した管理テーブル群(指導対象者管理テーブル151等)において管理テーブルに設定される項目及び値は、上述した以外のものであってもよく、例えば、数値、記号、文字等いかなる形式の値であってもよい。また、指導対象者管理テーブル151において血圧フラグ、血糖値フラグ以外にも、他の種別の測定データに対応するフラグを設けてもよく、また、必ずしも血圧フラグ、血糖値フラグを設けなくてもよい。また、指導データ管理テーブル152における指導データに血圧補正値等の補正値を含めなくてもよいし、その補正値の対象となる測定データの種別も血圧等に限定されるものではない。
また、上述の実施の形態で示した健康評価値及び継続性評価値(つまり各パラメータ値等)は、必ずしも数値でなくても、文字、記号等の形式で表現されていてもよく、その形式に対応して、特定部140を、健康評価値又は継続性評価値に基づいてオブジェクトの特定ができるように構成していればよい。
また、上述の実施の形態で示した健康管理システムにおける各種処理の実行順序(例えば図14、図24、図27、図32に示した手順等)は、必ずしも実施の形態で記載した通りの順序に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で実行順序を入れ替えることができる。
また、上述の実施の形態で示した健康管理システムにおける各装置の機能構成要素(機能ブロック)は、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてあり得る。
また、上述した各種処理(例えば図14、図24に示した処理等)の全部又は一部は、装置のハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理は、装置に含まれるプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布や流通させてもよい。例えば、頒布された制御プログラムを装置にインストールして、装置のプロセッサに実行させることで、装置に各種処理(図14、図24に示した処理等)を行わせることが可能となる。