JP2016027385A - トナーおよびトナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有する、体積基準のメジアン径が5nm以上500nm以下の樹脂微粒子を含む水系分散液1を作製する工程、
(2)コア粒子を含む水系分散液2を作製する工程、
(3)該水系分散液1及び該水系分散液2を混合して、該コア粒子の表面に該樹脂微粒子を付着させる工程、及び、
(4)該樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の温度で該混合分散液を加熱して、該樹脂微粒子を該コア粒子の表面に固着させて、表面に凸部を有するトナー粒子を形成する工程、
を有することを特徴とするトナーの製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明に係るトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するコア粒子を有するトナー粒子を含み、該トナー粒子は、その表面に凸部を有している。そして該凸部は、環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有する。
コア粒子は、トナーとしての機能を果たすために必要な材料として結着樹脂及び着色剤を含有し、任意材料として離型剤ス、荷電制御剤などを含有する粒子である。
コア粒子に含有される結着樹脂としては、特に限定されず、例えば、以下の重合体又は樹脂を用いることができる。ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂など。
コア粒子に含有される着色剤としては、所望の色画像を形成できるものであれば特に限定されず、例えば、以下の黒色、イエロー、マゼンタ及びシアン着色剤が挙げられる。
トナー粒子には、離型剤を含有させることができる。離型剤としては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナウバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナウバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
トナー粒子には、必要に応じて荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添することもでき外添することもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できる。荷電制御剤の使用量は、特に限定されないが、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
トナーの帯電特性や耐久特性など向上の観点から、トナー粒子の外添剤として、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、等を含有させることができる。
トナー粒子の表面の凸部は、環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有する。
該樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、後述する形状の凸部が形成できるような大きさであって、例えば、5nm以上500nm以下であり、10nm以上400nm以下であることが好ましい。
本発明に係るトナー粒子は、その表面に前記樹脂微粒子に由来する凸部を有する。この凸部は、前記樹脂微粒子がコア粒子の表面に固着する際に変形して略山型(略半球型)の形状を有している。本発明において、凸部の平均曲率半径Rs、コア粒子の平均粒径Rc、トナー粒子の投影面積S、凸部の投影面積S1およびトナー粒子表面における凸部の平均表面被覆率Covは、以下のように定義する。図3(a)〜(e)は、凸部の平均曲率半径Rs、コア粒子の平均粒径Rc、トナー粒子の投影面積S、凸部の投影面積S1およびトナー粒子表面における凸部の平均表面被覆率Covの算出方法の説明図である。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されないが、例えばコア粒子の表面に樹脂微粒子を付着させ、加熱して樹脂微粒子を変形させてコア粒子に固着させる方法が挙げられる。より具体的には、例えば以下の工程(1)〜(4)を含む方法が挙げられる。
(1)環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有する、体積基準のメジアン径5nm以上500nm以下の樹脂微粒子を含む水系分散液1を作製する工程、
(2)結着樹脂及び着色剤を含有するコア粒子を含む水系分散液2を作製する工程、
(3)該水系分散液1及び該水系分散液2を混合して、該コア粒子の表面に該樹脂微粒子を付着させる工程、及び、
(4)該樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の温度で該混合分散液を加熱して、該樹脂微粒子を該コア粒子の表面に固着させて、凸部を形成する工程。
以下、これらの各工程を順次説明する。
環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有する樹脂(以下、「環状オレフィン系樹脂」という場合がある。)を溶解し且つ水に不溶な溶剤に溶解した油相と、アニオン系界面活性剤をイオン交換水に溶解した水相を混合し、撹拌機によってせん断力をかけることで、油相サイズが数μmの水中油滴(O/W型)エマルションを作製する。得られたエマルションを、更に高せん断力をかけられる湿式微粒化装置(例えば、吉田機械興業社製ナノマイザー、スギノマシン社製スターバーストなど)にて複数回処理することで、油相サイズが5nm〜500nmの水中油滴(O/W型)エマルションを作製する。その後に減圧蒸留をおこなって溶剤を除去することで、体積基準のメジアン径が5nm以上500nm以下の環状オレフィン系樹脂の微粒子が分散された水系分散液1を得ることができる。この微粒子の体積基準のメジアン径は10nm以上400nm以下であることがより好ましい。
コア粒子をアニオン系界面活性剤等で分散させてコア粒子を含む水系分散液を作製する。コア粒子は前述の通り、結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤などを含む粒子であって、乳化凝集法、懸濁重合法などにて作製したものが使用できる。コア粒子としては、例えば、乳化凝集法にて作製した平均粒径3〜15μmのコア粒子が用いられ、より好ましくは4〜12μmのコア粒子が用いられる。
前記工程(1)で作製された水系分散液1及び前記工程(2)で作製された水系分散液2を適量の割合で混合し、撹拌しながらこの混合分散液中に凝集剤である希塩酸を少しずつ加えることにより、前記樹脂微粒子が略均一に付着したコア粒子を含む混合分散液を得ることができる。即ち、酸凝集法によって、コア粒子の表面に樹脂微粒子を付着させることができる。希塩酸の濃度は、例えば、0.01〜8モル/lであり、添加速度は例えば、1〜50ml/分である。
前記混合分散液を撹拌しながら、前記樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の温度でしばらく加熱する。コア粒子の表面を形成する樹脂と非相溶な環状オレフィン系樹脂は、コア粒子の表面においてコア粒子と相溶せずに、環状オレフィン系樹脂を含有する微粒子同士が凝集し相溶していくため、コア粒子の表面には環状オレフィン系樹脂に由来する凸部が形成される。
以下の表1に示す種類と量の材料を準備した。先ず、COC樹脂とクロロホルムを混合し、COC樹脂を溶解して油相を作製し、またアニオン系界面活性剤とイオン交換水を混合して水相を作製した。
調製例1において、COC樹脂を40質量部に、クロロホルムを360質量部に変更したこと以外は調製例1と同様にして、体積基準のメジアン径が10nmのCOC樹脂の微粒子が分散された水系分散液E2(固形分濃度10質量%)を作製した。
調製例1において、ナノマイザー処理時の圧力条件を10MPaに変更したこと以外は調製例1と同様にして、体積基準のメジアン径が150nmのCOC樹脂の微粒子が分散された水系分散液E3(固形分濃度10質量%)を作製した。
調製例1において、COC樹脂をグレードTM:70質量部、グレードTB:30質量部とし、クロロホルム量を500質量部に変更したこと以外は調製例1と同様にして、体積基準のメジアン径が180nmのCOC樹脂の微粒子が分散された水系分散液E4(固形分濃度10質量%)を作製した。
以下の表2に示す種類と量の材料を混合し、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス社製)を用いて4000rpmで攪拌しながら、この混合液中にイオン交換水177.80質量部を滴下した。その後エバポレーターを用いてテトラヒドロフランを除去し、コア粒子用樹脂微粒子分散液A1を得た。この分散液A1中のコア粒子用樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒度分布計(ナノトラック:日機装社製)を用いて測定した結果、90nmであった。
以下の表3に示す種類と量の材料を混合し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業社製)を用いて1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の水系分散液A2を調製した。この分散液A2中の着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒度分布計(ナノトラック:日機装社製)を用いて測定した結果、200nmであった。
以下の表4に示す種類と量の材料を攪拌装置付きの混合容器内に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック社製)へ循環しながらローター外径が3cm、クリアランスが0.3mmの剪断攪拌部位にて、ローター回転数19000rpm、スクリーン回転数19000rpmの条件にて攪拌し、60分間分散処理した。その後、ローター回転数1000rpm、スクリーン回転数0rpm、冷却速度10℃/分の冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の水系分散液A3を得た。この分散液A3中の離型剤微粒子の体積基準のメジアン径は、150nmであった。
冷却管、撹拌機、温度計および、窒素導入管を取り付けた反応器内に以下の表5に示す種類と量の材料を仕込み、30分間窒素バブリングを行った。反応混合物を窒素雰囲気下、120℃で6時間加熱し、重合反応を完結させた。反応液を室温まで冷却後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をアセトン−メタノールで2回再沈殿し、50℃、0.1kPa以下で減圧乾燥させることにより荷電制御剤微粒子を得た。
以下の表6に示す種類と量の材料を、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用ウォーターバス中で45℃まで攪拌翼にて攪拌しながら加熱した。45℃で1時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。5質量%クエン酸三ナトリウム水溶液40質量部を加えた後、攪拌を継続しながら85℃まで昇温して120分間保持しコア粒子を融合させた。次いで、攪拌を継続しながら、ウォーターバス内に水を入れ、25℃まで冷却し、水洗浄・濾過を繰り返して界面活性剤を洗浄した後に、30℃設定した乾燥機内で48時間、乾燥させることにより、ポリエステル樹脂、顔料、離型剤、荷電制御剤を含むコア粒子(a)を得た。尚、コア粒子(a)中における各成分の含有量は、PEs樹脂100質量部、顔料5質量部、離型剤10質量部、荷電制御剤0.2質量部であった。
1.コア粒子の水分散液の作製
以下の表7に示す種類と量の材料を用いた。調製例9で得られたコア粒子(a)と、アニオン系界面活性剤0.1質量%水溶液(b)と、アニオン系界面活性剤0.2質量%水溶液(c)と、イオン交換水(d)を混合することにより、コア粒子の「水系分散液1」を調製した。また、調製例1で得られたCOC樹脂の微粒子の水系分散液E1(e)とアニオン系界面活性剤0.1質量%水溶液(f)を混合し、微粒子の「水系分散液2」を調製した。
1000mlの容器内で、前記水系分散液1(191.5g)と前記水系分散液2(12.52g)を混合し、混合液を撹拌しながら加熱用ウォーターバスの温度を43℃まで昇温した。この温度で撹拌を継続したまま、濃度2モル/lの塩酸を14ml/分の速度で滴下した。随時、混合液を少量抽出し、2μmのマイクロフィルターに通した濾液が透明になるまで(つまり混合液中に分散状態で存在するCOC樹脂の微粒子がほぼなくなり、ほぼ全てのCOC樹脂の微粒子がコア粒子に付着するまで)塩酸を投入した。このようにして、コア粒子の表面にCOC樹脂の微粒子を略均一に付着させた。
次いで、撹拌を継続したまま、加熱用ウォーターバスの温度を65℃まで上げ、この水分散液を30分間加熱してCOC樹脂の微粒子を軟化変形させて固着させた後、水分散液を水冷して液温を15℃まで下げ、コア粒子の表面にCOC樹脂の凸部を形成したトナー粒子の水分散液を作製した。
次いで、水洗浄・濾過を繰り返して界面活性剤を洗浄した後に乾燥機で乾燥させることにより、コア粒子の表面にCOC樹脂の凸部を有するトナー粒子1を得た。このトナー粒子の表面被覆率(トナー粒子表面における凸部の平均表面被覆率Cov)は5%であり、平均曲率半径は150nmであった。
微粒子の水系分散液(E1〜E4)の種類、使用量及び凸部の形成工程の加熱温度を表8に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれトナー粒子2〜7を得た。各トナー粒子の表面被覆率及び平均曲率半径を表8に示す。
実施例1における結着樹脂であるPEsをPEsとCOCの混合樹脂に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子8を得た。このトナー粒子の表面被覆率及び平均曲率半径を表8に示す。
微粒子の水系分散液の種類、使用量及び凸部の形成工程の加熱温度を表8に示す条件としたこと以外は、実施例1と同様にして、それぞれトナー粒子C1〜C4を得た。各トナー粒子の表面被覆率及び平均曲率半径を表8に示す。
結着樹脂としてCOCを用い、微粒子の水系分散液を使用せず、コア粒子の表面への微粒子の付着工程及び、加熱による凸部の形成工程を行なわなかった。これら以外は実施例1と同様にして、トナー粒子C5を得た。このトナー粒子の表面被覆率及び平均曲率半径を表8に示す。
上記の各実施例及び各比較例で得られたトナー粒子1〜8及びトナー粒子C1〜C5について、各トナー粒子100質量部に対して、BET法で測定した比表面積が200m2/gである疎水化処理されたシリカ微粉体1.8質量部を添加して、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で乾式混合して、外添処理を行ない、トナー1〜8及びトナーC1〜C5を得た。これらの各トナーについて下記の評価を実施した。評価結果を表8に示す。
かぶり量の評価は、予め画像形成装置を評価環境(温度30℃、相対湿度80%)にて1日放置して当該環境になじませた後に行う。具体的な評価方法としては、ベタ白画像を印字中に画像形成装置を停止させ、現像後かつ転写前の感光体上のトナーを一旦透明なテープに転写し、トナーが付着したテープを記録紙に貼り付ける。また、同様の記録紙上に、トナーが付着していないテープを貼り付ける。それらの記録紙に貼り付けられたテープの上から、光学反射率測定機(商品名:TC−6DS;東京電飾社製)により光学反射率を測定する。トナーが付着していないテープの光学反射率r0から、トナーが付着しているテープの光学反射率r1を差し引いた値「r0−r1」を、かぶり量とする。かぶり量は各テープについて3点測定し、その平均値を求める。
S:かぶり量が1.0%未満である。
A:かぶり量が1.0〜3.0%未満である。
B:かぶり量が3.0〜5.0%未満である。
C:かぶり量が5.0%以上である。
ベタ画像印字時の定着前における記録紙上のトナー量が、0.6mg/cm2になるようにあらかじめ画像形成装置を調整する。調整後、定着器の定着温度を100℃から200℃まで10℃おきに設定して、各温度(合計11点)にて、ベタ画像を印字し、得られた画像に対してオフセット画像試験と擦り定着性試験を実施する。
S:11点中8点以上の定着温度において、良好な定着性を示す。
A:11点中6〜7点の定着温度において、良好な定着性を示す。
B:11点中4〜5点の定着温度において、良好な定着性を示す。
C:11点中3点以下の定着温度において、良好な定着性を示す。
トナーの流動性評価は、以下に示す移送性指数を用いて行う。移送性指数とは、図1に示す移送性測定装置(コニカミノルタ社製)により測定される、一定の振動を与えた状態におけるトナーの移動性を指数化したものである。そして、トナーの移送されやすさ、すなわち、トナーの搬送されやすさを示すものである。この移送性指数は、一般にいうトナーの静止時における、例えば、安息角などによって評価される流動性とは異なる指標である。実際にトナーを搬送する工程から移送性指数を算出しているため、トナーの搬送度合いをより顕著に指数化できる。
S:移送性指数が0.2mg/秒以上6.0mg/秒未満である。
A:移送性指数が6.0mg/秒以上9.0mg/秒未満である。
B:移送性指数が9.0mg/秒以上15.0mg/秒未満である。
C:移送性指数が15.0mg/秒以上である。
D:移送性指数が0.2mg/秒未満である。
請求項1で規定された表面被覆率が5%以上90%以下の要件を満たす実施例1〜3では、トナーの凝集性を低減でき、初期から耐久運転後を通じ、トナーは高い流動性を維持できている。また、凸部を形成する樹脂が環状オレフィン系樹脂であることで、トナー粒子の表面を低吸湿化でき、かぶりの少ない、環境によらず帯電安定性が高いトナーとなっている。また、凸部を形成している環状オレフィン系樹脂の粘度は、定着システムにおける定着ニップ内で十分に下がることが可能であるため、トナーの定着ラチチュードを広く保つことが可能になっている。
また、比較例4において、凸部の平均曲率半径は600nmであり、0.100Rcμmを超えている。そのため、隣接するトナー粒子間におけるコア粒子同士の接触面積の低減効果が少なく、初期及び耐久運転後のトナーの流動性が低い結果となっている。
B:計量手段
C:駆動源
D:ボール
E:坂路
F:ボールDの中心軸
G:受け皿
H:板バネ
I:センサー
Claims (5)
- 結着樹脂及び着色剤を含有するコア粒子を有するトナー粒子を含むトナーであって、
該トナー粒子は、表面に凸部を有し、
該凸部は、環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有し、
走査型電子顕微鏡により撮影される該トナー粒子の平面投影像から算出される、該凸部の平均曲率半径Rs(μm)、該コア粒子の平均粒径Rc(μm)、該トナー粒子の投影面積Sおよび該凸部の投影面積S1において、
該凸部の平均曲率半径Rsが、0.004Rcμm以上0.100Rcμm以下であり、
該トナー粒子の投影面積Sに対する該凸部の投影面積S1の比で定義される表面被覆率「100×S1/S」%の平均値が5%以上90%以下であることを特徴とするトナー。 - 前記環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体が、炭素数が2以上12以下の非環式オレフィン及び炭素数が3以上17以下の環式オレフィンを含む単量体を用いて得られた共重合体を含有する請求項1に記載のトナー。
- 前記結着樹脂が少なくとも1種のオレフィン系重合体を含有する請求項1に記載のトナー。
- 請求項1に記載のトナーの製造方法であって、
(1)環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体を含有する、体積基準のメジアン径が5nm以上500nm以下の樹脂微粒子を含む水系分散液1を作製する工程、
(2)コア粒子を含む水系分散液2を作製する工程、
(3)該水系分散液1及び該水系分散液2を混合して、該コア粒子の表面に該樹脂微粒子を付着させる工程、及び、
(4)該樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上の温度で該混合分散液を加熱して、該樹脂微粒子を該コア粒子の表面に固着させて、凸部を形成する工程、
を有することを特徴とするトナーの製造方法。 - 前記環状オレフィン構造を有するオレフィン系重合体が、炭素数が2以上12以下の非環式オレフィン及び炭素数が3以上17以下の環式オレフィンを含む単量体を用いて得られた共重合体を含む請求項4に記載のトナーの製造方法。
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