JP2016027349A - 圧力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度が高く、製作が容易で、安価に出来るセンサを実現する。
【解決手段】 センサウエハの一方の素子面に歪ゲージ素子が設けられ、前記センサウエハの他方の研削研磨面が研磨されて前記素子面から前記研削研磨面までの厚みを有するダイアフラムが形成されてなるセンサ基板と、この研削研磨面に接合されたベース基板と、前記ベース基板と前記センサ基板との接合部に設けられ、所定の隙間を有する凹部と、この凹部に測定圧を導入する導入孔とを具備し、前記研削研磨面が、前記歪ゲージ素子の凹凸パターンを現した、凹凸パターンを備える
【選択図】図1

Description

本発明は、振動式差圧センサに関するものである。
更に詳述すれば、測定精度が高く、製作が容易で、安価に出来る振動形差圧センサに関するものである。
図13は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、例えば、実開平01−171337号公報に示されている。図において、11,111は、所定の流体112中に配置されたシリコンのダイアフラムとシリコンのダイアフラムの固定部である。流体112は、この場合は、シリコンオイルが用いられている。
振動子形歪みゲージ12は、この場合はH形形状をなし、第1図には、その固定端近傍の断面が現れている。30はダイアフラム11との間の流体112の密度と粘度によりシリコンのダイアフラム11が振動子形歪みゲージ12と共振しないようにダイアフラム11の少なくとも一面に一面が近接して設けられた振動抑制体である。
この場合は、ヨーク131と永久磁石132からなる磁石13の、ヨーク131が振動抑制体30の機能を果している。113はシリコンのダイアフラム11とシリコンのダイアフラムの固定部111とで構成される凹部である。
40はシリコンのダイアフラムの固定部111の一面に一面が固定され凹部113とともに室114を構成するシリコンの基板である。141はシリコンの基板40に設けられ室114に圧力を導入する導圧孔である。
50はシリコンの基板40との間の流体112の密度と粘度によりシリコンのダイアフラムの固定部111が、振動子形歪みゲージ12と共振しないように、導圧孔41の外部開口部に設けられたスペーサー42を介してシリコンの基板40に一面が近接して固定された導圧接手である。
スペーサー42は、この場合は、シリコンの基板40と一体に構成されている。51は導圧接手50に設けられシリコンの基板40の導圧孔41に連通する連通孔である。60は磁石13,ダイアフラム11,固定部111,基板40とスペーサー42とを覆って導圧接手50に取付けられ、内部に流体112が充填されるカバーである。
以上の構成において、ダイアフラム11に外力が加わると、振動子形歪みゲージ12の固有振動数は外力に対応して変化する。この振動子形歪みゲージ12の振動は、振動検出手段により検出され、検出周波数は出力信号として取出される。
この結果、ダイアフラム11に加わった外力が検出出来る。また、ダイアフラム11の少なくとも一面に一面が近接して設けられた振動抑制体30が設けられたので、シリコンのダイアフラム11が振動子形歪みゲージ12と共振しない。
すなわち、ダイアフラム11は、その形状で決まる共振周波数を有するが、ダイアフラム11とヨーク131との隙間に入っているシリコンオイル112によって制動され、振動子形歪みゲージ12の発振周波数がダイアフラム11の共振周波数と一致しても、ダイアフラム11は共振しないようにすることが出来る。例えば、本実施例では、100csのシリコンオイル中でヨーク131とダイアフラム11との隙間a<0.1mmで、この条件は充分に達成される。
図14は、種々の流体中のダイアフラム11のQと隙間aとの関係を実測した例である。Q<0.7で実質的に、ダイアフラム11の共振の影響はなくなることが分かった。
Aは流体112が大気の場合、Bはフレオンの場合、Cはシリコンオイルの場合を示す。
図15は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、例えば、特開平02−032224号公報に示されている。図において、19は凹部13の中に収納できるシリコン単結晶で出来たダンピング基台であり、中央には流通孔20が形成されておりその底部は貫通孔15と連通するように基台チップ16に熱酸化接合されている。
その上部はダイアフラム13の底部と所定の間隙Δが保持されている。21はシリコンオイルであり、このシリコンオイルを凹部11の内部に封入することによって振動式歪ゲージ14の自励振動の影響を狭い間隙Δによってダンピングさせて除去させている。
図16から図23は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、例えば、特開平06−244438号公報に示されている。図において、
(a)図16に示す如く、半導体基板11の一面側にスピネルエピ層12を形成する。
(b)図17に示す如く、半導体基板11のスピネルエピ層12に接する面に酸化シリコン膜13を形成する。
なお、スピネルエピ層については、例えば、「SOI構造形成技術」P259古川静二郎編著 産業図書発行 昭和62年10月23日発行 に記載されている。スピネルエピ層12はシリコンの結晶性を受けついだ膜である。
(c)図18に示す如く、スピネルエピ層12の表面にポリシリコン層14を形成し、ポリシリコン層14をアニ―ル処理して単結晶化する。
(d)図19に示す如く、フォトリソグラフィーとエッチング(RIE法(リアクティブ イオン エッチング法)など)により、ポリシリコン層14とスピネルエピ層12と酸化シリコン膜13との、ダイアフラム3に対応する部分以外を除去する。15はレジストである。
(e)図20に示す如く、半導体基板11とポリシリコン層14の表面にシリコンエピタキシャル成長層16を形成する。
(f)図21に示す如く、シリコンエピタキシャル成長層16に歪み検出センサ17を形成する。この場合は、ピエゾ抵抗素子が形成される。
(g)図22に示す如く、半導体基板11の他面より、酸化シリコン膜13に達する連通孔18をエッチングにより形成する。
(h)図23に示す如く、連通孔18を通して選択エッチングにより、酸化シリコン膜13を除去する。
而して、ダイアフラム3と空隙室4が構成される。
要するに、この種の振動式差圧センサでは、圧力の印加によるダイアフラムの変形によって、振動子形歪ゲージに歪を生じさせ、振動子形歪ゲージの共振周波数を変化させる。この周波数変化を検出することにより、ダイアフラムに入力された圧力を計測することができる。
このような振動子形歪ゲージ用いた振動式差圧センサでは、振動子形歪ゲージが外部回路を用いて自励振されており、回路から供給されるエネルギーが振動子形歪ゲージの振動のみに利用されることが望ましい。
しかし、ダイアフラムの共振周波数と振動子形歪ゲージの自励振周波数が同じであるような周波数では、振動子形歪ゲージに入力したエネルギーの一部が、ダイアフラムの共振エネルギーとして消費される。その結果、振動子形歪ゲージ素子のQ値(出力)が低下するため、理論的には圧力と周波数が2次の比例関係にあるが、この比例関係からの誤差が大きくなり入出力特性等の諸特性が悪くなるという問題がある。このような問題を解決する手段として、オイルで満たした狭い隙間を用いてダイアフラムの共振を抑制する手法が提案されている。
上述を実現するための具体的な例としては、振動子形歪ゲージを配した側に機械加工部品を配して隙間を作製する方法(実開平01−171337,図1の(a))やダイアフラムの凹部と対向する部品に凸部を配する方法(特開平02−032224,図1の(b))、酸化膜層をエッチングして隙間を形成する方法(特開平6−244438,図1の(c))が提案されている。
次に、このような従来例の製造方法、特に、ダイアフラムの形成方法としては、実開平01−171337と特開平02−032224で使用されている深堀のアルカリエッチングをもちいたダイアフラムの形成方法、及び、特開平6−244438で使用されている酸化膜をエッチストップとして使用するダイアフラムの形成方法がある。
深堀のアルカリエッチングを用いたダイアフラムの形成方法では、単結晶シリコンウエハ101を異方性ウェットエッチングにより、ダイアフラム102を所望の厚みになるように加工する。厚みの制御は、エッチングレイトとエッチング時間により行う。この手法では、図24に示すように、(111)面により構成される凹部が形成される。
特開平6−244438に使用されているような酸化膜をエッチストップとして用いるダイアフラムの形成方法では、アルカリ溶液によるエッチング及びプラズマエッチングがもちいられるが、酸化膜をエッチストップとして用いることができるため、深堀のアルカリエッチングを用いた方法よりも精密に膜厚の制御が可能である。
実開平01−171337号公報 特開平02−032224号公報 特開平06−244438号公報
このような装置においては、以下の問題点がある。
実開平01−171337では、ダイアフラムの作製を深堀のアルカリエッチングで行うため、数um〜数10umの厚み制御を数um単位で行うことが難しく、感度のばらつきを抑制することが困難である。
隙間の形成においては、機械加工部品を用いているため、数10um以下の狭い隙間を精度よく製作することが難しく、ダイアフラムの共振を抑制するのにも限界がある。また、機械加工部品を用いているため、隙間形成時に異物が入りダイアフラムの可動範囲が制限され、入出力特性等の諸特性に影響を与えることもある。さらに、ダイアフラムの形成時のアルカリエッチングにより結晶の面方位の影響を受け、ダイアフラムの形状を自由に選択できない。そのため、ダイアフラムの設計の際に形状に制約が課せられ、自由な形状のダイアフラム設計ができない。
特開平02−032224では、ダイアフラムの作製を深堀のアルカリエッチングで行うため、数um〜数10umの厚み制御を数um単位で行うことが困難である。隙間形成においては、アルカリエッチングにて凹部を精度良く加工することが困難であること、対向する凸部品の加工誤差が精度を悪化させることから、数umの隙間を精度良く製作することが難しく、ダイアフラムの共振を抑制するのにも限界がある。
また、ダイアフラムの形成時のアルカリエッチングにより結晶の面方位の影響を受け、ダイアフラムの形状を自由に選択できないため、ダイアフラムの設計の際に形状に制約が課せられ自由な形状のダイアフラム設計ができない。
特開平6−244438では、隙間の製作に酸化膜層を用いるため、酸化膜とシリコンの境界で応力が生じて、ウエハの反りや酸化膜の割れが発生する場合がある。このような状態を回避するためには3〜4um程度の酸化膜厚が限界であり、3〜4um以上の隙間を形成することができない。
そのため、ダイアフラムの可動範囲が隙間に制限され、変位を4um以上取ることが必要な圧力レンジのセンサ設計に制約を課す。また、エピタキシャル成長にてダイアフラムを作製しており、結晶面の影響を受けるため、基板とダイアフラムの境界部分に結晶欠陥が無く破壊応力が高いダイアフラムを作製しようとすると結晶面を考慮した設計を行わなければならない。そのため、結晶方位に制約されない自由な形状のダイアフラム設計ができない。
次に、このような従来例の製造方法、特に、ダイアフラムの形成方法の問題点について説明する。
実開平01−171337,特開平02−032224に用いられている深堀のアルカリエッチングの問題点としては、薬液の温度の影響を受けやすく厚みの制御が難しいこと、エッチングによる深堀量の大きさに対して、ダイアフラム膜厚の精度が高く要求され、制御が難しいこと、エッチングの際に薬液から素子面側を保護する必要があることが挙げられる。
一方、特開平6−244438に利用されているような酸化膜をエッチストップとして用いた方法では、酸化膜厚により隙間を形成する。そのため、ウエハの反りや酸化膜割れの生じる3〜4um程度以上の隙間の形成はできない。そのことによりダイアフラムが対向する構造に接触し、ダイアフラムの可動範囲が制約される。すなわち、変位を4um以上取ることが必要な圧力レンジのセンサ設計に大きな制約がある。
また、深堀のアルカリエッチングでは、図25に示すように、同じマスク形状で同じダイアフラム厚に仕上げようとすると、面方位のエッチング速度の違いにより、厚みの異なるウエハではダイアフラムの仕上がり形状が異なる。
そのため、インチサイズが異なるウエハでは、ウエハの厚みが異なるためにエッチング条件やマスクパターンの変更が必要になる。このことは、研究開発段階で4インチなどのインチサイズの小さいウエハで試作を行った後、量産時に8インチや12インチなどのインチサイズの大きなウエハで製品化する際に、マスクを作り直し、製造条件を変える必要があることを示している。このことは、試作から製品化に移行するために膨大な時間を費やさなくてはならないことを意味する。
さらに、差圧センサでは、圧力レンジによりダイアフラムの形状と厚みの設計を変える必要がある。このような多様な圧力レンジに対応して様々なダイアフラム厚さを深堀のアルカリエッチングで実現しようとすると、対応するダイアフラム厚さごとにマスクパターンと製造条件を個別に管理して製造を行わなければならない。
また、特開平6−244438のようなエピタキシャル成長を用いて作製したダイアフラムでも面方位の影響を受けるため結晶方位に制約されない自由な形状に設計できない。
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、以下の如き、センサとその製造方法を提供することにある。
1)振動式差圧センサの構造に対しては、
感度のばらつきを抑えることができるダイアフラム厚みの制御性の良い構造。
ダイアフラム共振を防ぐ隙間(サブum〜数10um以上)をサブumの精度で実現できる構造。
2)振動式差圧センサの製造方法に対しては、
ウエハのインチサイズによらない振動式差圧センサの製造方法。
ダイアフラムの厚さが異なっても同一のマスクで作製可能な振動式差圧センサの製造方
法。
ダイアフラムの厚みばらつきの少ない感度のそろったダイアフラムを有する振動式差圧
センサの製造方法。
ダイアフラムの共振を抑制するための狭い隙間が作製可能な振動式差圧センサの製造方
法。
研削研磨工程と接合工程後の工程に振動子形歪ゲージ素子を完成させるための前工程を
含まない簡略な工程とする振動式差圧センサの製造方法。
このような課題を達成するために、本発明では以下を特徴とする。
(1)センサウエハの一方の素子面に歪ゲージ素子が設けられ、前記センサウエハの他方の研削研磨面が研磨されて前記素子面から前記研削研磨面までの厚みを有するダイアフラムが形成されてなるセンサ基板と、この研削研磨面に接合されたベース基板と、前記ベース基板と前記センサ基板との接合部に設けられ、所定の隙間を有する凹部と、この凹部に測定圧を導入する導入孔とを具備し、前記研削研磨面が、前記歪ゲージ素子の凹凸パターンを現した、凹凸パターンを備えることを特徴とする圧力センサ。
(2)前記凹部が前記ベース基板または前記センサ基板のいずれか一方のみに形成されることを特徴とする(1)記載の圧力センサ。
)前記センサウエハの素子面が平坦であることを特徴とする(1)記載の圧力センサ。
)前記センサウエハが100um以下に研削研磨されることを特徴とする(1)記載の圧力センサ。
(5)前記研削研磨面と前記ベース基板とが常温直接接合で接合されることを特徴とする(1)記載の圧力センサ。
本発明によれば、次のような効果がある。
個々のウエハ厚さのばらつきを考慮して、ウエハごとに研磨量を調整できるため、例えば、数um〜サブum程度の精度でダイアフラム厚みを容易に制御できる。そのため、感度のバラツキを抑制可能な振動式差圧センサが得られる。
接合に異種材料を使用しないため、接合部分がシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。よって、破壊耐圧特性に優れた振動式差圧センサが得られる。
また、熱膨張係数の違いによる熱歪を抑えられるため、温度特性が良い振動式差圧センサが得られる。
温度及び圧力履歴により生じる異種材料間の内部残留歪も抑えられ、ヒステリシスの無い構造を実現できる振動式差圧センサが得られる。
ベース基板の凹部とダイアフラムの間で、例えば、数10um以下の隙間を形成できる。そのため、ダイアフラムの共振を防止でき、異物の混入によってダイアフラムの可動範囲が制限されることなく入出力特性等の諸特性が良好な振動式差圧センサが得られる。
ベース基板の凹部の隙間形成時のエッチング量が少ないため、高精度な隙間の制御性の良い振動式差圧センサが得られる。
ベース基板の、例えば、数10um以下の凹部の形状がそのままダイアフラムの形状となるため、素子を形成されたウエハの裏面からアルカリ溶液による深堀の異方性エッチングによってダイアフラムを形成する場合に比べて、(111)結晶面によるダイアフラムサイズや形状の変化がないので、円形など結晶方位に制約されない自由な形状を作製できる。
特に、プラズマを用いたエッチングを用いれば、製造工程は単純になり、コストを抑え、感度が揃った振動式差圧センサが得られる。
本発明によれば、次のような効果がある。
個々のウエハ厚さのばらつきを考慮して、ウエハごとに研磨量を調整できるため、例えば、数um〜サブum程度の精度でダイアフラム厚みを容易に制御できる。そのため、感度のバラツキを抑制可能な振動式差圧センサが得られる。
接合に異種材料を使用しないため、接合部分がシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。よって、破壊耐圧特性に優れた振動式差圧センサが得られる。
また、熱膨張係数の違いによる熱歪を抑えられるため、温度特性が良い振動式差圧センサが得られる。
温度及び圧力履歴により生じる異種材料間の内部残留歪も抑えられ、ヒステリシスの無い構造を実現できる振動式差圧センサが得られる。
ダイアフラムの研磨面側に設けたセンサ基板の凹部とベース基板の間で、例えば、数10um以下の隙間を形成できる。そのため、ダイアフラムの共振を防止でき、異物の混入によってダイアフラムの可動範囲が制限されることなく入出力特性等の諸特性が良好な振動式差圧センサが得られる。
センサ基板の凹部の隙間形成時のエッチング量が少ないため、高精度な隙間の制御性が良い振動式差圧センサが得られる。
センサ基板の、例えば、数10um以下の凹部の形状がそのままダイアフラムの形状となるため、素子を形成された基板の裏面からアルカリ溶液による深堀の異方性エッチングによってダイアフラムを形成する場合に比べて、(111)結晶面によるダイアフラムサイズや形状の変化がないので、円形など結晶方位に制約されない自由な形状を作製できる。
特に、プラズマを用いた等方性エッチングを用いれば、製造工程は単純になり、ダイアフラム周辺での応力集中部分に丸みを持たせることでき、破壊耐圧が増加する。そのため、コストを抑え、感度が高い振動式差圧センサが得られる。
本発明によれば、次のような効果がある。
研削研磨工程により、実質的にダイアフラム厚みが決まることから、アルカリエッチングによる深堀と異なりエッチングの深さによるダイアフラム形状の差異を考慮したマスクが必要なくなる。また、アルカリエチングとは異なり、インチサイズの小さなウエハ(4インチウエハ等)による試作結果を用いて、インチサイズの大きなウエハ(8インチ,12インチ等)で製品にする場合でも、同一のマスクパターンと同一プロセスを適用できるため、量産化の移行を効率的に行える。そのため、ウエハのインチサイズによらない振動式差圧センサの製造方法が得られる。
個々のウエハ厚さのばらつきを考慮して、ウエハごとに研磨量を調整できるため、アルカリエッチングによる深堀量と異なり、数um単位の精度で厚みを容易に制御できる。そのため、感度のそろったダイアフラムが製造可能な振動式差圧センサの製造方法が得られる。
エッチング量が少ないベースウエハの凹部の深さにて隙間を決定することができるため、例えば、数10um〜サブum以下までの隙間を容易に作成可能である。また、エッチング量も少ないことから、その精度もサブum程度の高精度で制御が可能である。その結果、制御性が良い状態で、ダイアフラムの共振を抑制するための狭い隙間が製作可能な振動式差圧センサの製造方法が得られる。
シリコンウエハ同士を常温付近で直接に接合することができる常温直接接合あるいは金属拡散接合などを用いたダイアフラム作製工程は、センサウエハに配されている金属配線の耐熱温度よりも低い工程であるため、振動子形歪ゲージ素子の金属配線工程を完了した状態で接合が可能である。また、圧力のレンジに応じてダイアフラムの形状や厚みを変える要求に対しても、上述の接合を用いたダイアフラム形成ではダイアフラムの形状や厚みに依存せずに同一プロセス、同一マスクで実現できる。
接合温度の低温化は他にも多くの長所を持っている。一般的に、振動子形歪ゲージを作成した後に800度以上の高温工程を実施すると、不純物元素の再分布や原子の再配列や再結晶化など起きるため、センサのデバイス特性の劣化が生じることがある。
上述の常温直接接合あるいは金属拡散接合などによるダイアフラム作製工程は、例えば、400度以下で構成できるので、差圧センサの特性に悪影響を与えるようなシリコンのクリープや熱歪が残留しない。そのため、良好な特性の振動式差圧センサの製造方法が得られる。
本発明によれば、次のような効果がある。
研削研磨工程により、実質的にダイアフラム厚みが決まることから、アルカリエッチングによる深堀と異なりエッチングの深さによるダイアフラム形状の差異を考慮したマスクが必要なくなる。また、アルカリエッチングとは異なり、インチサイズの小さなウエハ(4インチウエハ等)による試作結果を用いて、インチサイズの大きなウエハ(8インチ,12インチ等)で製品にする場合でも、同一のマスクパターンと同一プロセスを適用できるため、量産化の移行を効率的に行える。そのため、ウエハのインチサイズによらない振動式差圧センサの製造方法が得られる。
個々のウエハ厚さのばらつきを考慮して、ウエハごとに研磨量を調整できるため、アルカリエッチングによる深堀量と異なり、数um単位の精度で厚みを容易に制御できる。そのため、感度のそろったダイアフラムが製造可能な振動式差圧センサの製造方法が得られる。
エッチング量が少ないベースウエハの凹部の深さにて隙間を決定することができるため、例えば、数10um〜サブum以下までの隙間を容易に作成可能である。また、エッチング量も少ないことから、その精度もサブum程度の高精度で制御が可能である。その結果、制御性が良い状態で、ダイアフラムの共振を抑制するための狭い隙間が製作可能な振動式差圧センサの製造方法が得られる。
また、プラズマを用いた等方性エッチングを用いれば、製造工程は単純になり、ダイアフラム周辺での応力集中部分に丸みを持たせることでき、破壊耐圧が増加する。そのため、コストを抑え、感度高い振動式差圧センサが得られる。
シリコンウエハ同士を常温付近で直接に接合することができる常温直接接合あるいは金属拡散接合などを用いたダイアフラム作製工程は、センサウエハに配されている金属配線の耐熱温度よりも低い工程であるため、振動子形歪ゲージ素子の金属配線工程を完了した状態で接合が可能である。また、圧力のレンジに応じてダイアフラムの形状や厚みを変える要求に対しても、上述の接合を用いたダイアフラム形成ではダイアフラムの形状や厚みに依存せずに同一プロセス、同一マスクで実現できる。
一般的に、振動子形歪ゲージを作成した後に800度以上の高温工程を実施すると、不純物元素の再分布や原子の再配列や再結晶化など起きるため、センサのデバイス特性の劣化が生じることがある。
上述の常温直接接合あるいは金属拡散接合などによるダイアフラム作製工程は、例えば、400度以下で構成できるので、差圧センサの特性に悪影響を与えるようなシリコンのクリープや熱歪が残留しない。そのため、良好な特性の振動式差圧センサの製造方法が得られる。
本発明の一実施例の要部構成説明図である。 図1の動作説明図である。 図1の製作工程説明図である。 図3のプロセスフローチャート説明図である。 本発明の他の実施例の要部構成説明図である。 図5の動作説明図である。 図5の製作工程説明図である。 図6のプロセスフローチャート説明図である。 本発明の他の実施例の要部構成説明図である。 図9の動作説明図である。 図9の製作工程説明図である。 図11のプロセスフローチャート説明図である。 従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。 図13の動作説明図である。 従来より一般に使用されている他の従来例の要部構成説明図である。 従来より一般に使用されている他の従来例の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 図16の要部製作説明図である。 従来より一般に使用されている他の従来例の要部製作説明図である。 従来より一般に使用されている他の従来例の要部製作説明図である。
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図、図2は図1の要部構成説明図、図3は図1の製作工程説明図、図4は図3のプロセスフローチャート説明図である。
図1において、センサ基板410は、一方の面に振動子形歪ゲージ素子411が設けられ、他方の面がダイアフラム412に相当する厚さに研磨されて形成されシリコンよりなる。ベース基板430は、センサ基板410の他方の面に一方の面が直接に接合されたシリコンよりなる。
凹部435は、ベース基板430のセンサ基板410との接合部に設けられ、センサ基板410に実質的にダイアフラム412を形成し、異物の混入により、ダイアフラム412の可動範囲が制限されることなく、且つ振動子形歪ゲージ素子411の振動によって励起される、ダイアフラム412の共振に対して、後述する流体446により制動作用をなすための、所定の隙間を有する。
導入孔445は、この凹部435に測定圧を導入する。流体446は、この凹部435に導入孔445を介して圧力を伝搬し、ダイアフラム412を制動する。
即ち、振動式差圧センサ400は、センサ基板410とベース基板430により構成される。ベース基板430には、プラズマエッチング又はアルカリエッチング等により、導入孔445が設けられている。この孔の形状は導入孔であればどのような孔でも良い。振動子形歪ゲージ素子411は、ダイアフラム412の上面415に製作されている。
ダイアフラムの厚み420はセンサ基板410の厚みにより決定される。そのため、所望の厚みまで研削研磨してダイアフラムの厚み420を調整する。研磨量はウエハ毎に微調整できるので、個々のウエハの厚みを数um単位で正確に制御できる。センサ基板410とベース基板430はシリコンであり、基板の接合には、酸化膜やその他の異種材料を介さずに接合される。そのため、接合面でもシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。また、温度特性も良好な振動式差圧センサ400を実現できる。
ベース基板430の凹部435が接合後に形成される隙間435となる。凹部435は、プラズマエッチング及びウェットエッチング等により形成される。この凹部435は、アルカリ薬液(KOH,TMAH等)を用いて深堀エッチングする必要が無いため、サブum〜数10um以下の隙間を精度よく容易に実現できる。よって、異物の混入を考慮した隙間の設計やダイアフラム412の可動範囲を考慮した設計に自由度を持たせることができる。ダイアフラム412の寸法は、ベース基板430の凹部435の部分の寸法440できまる。
具体的な形状としては、図2に示す如く、四角形460、円形465、多角形470等が考えられる。ベース基板430の凹部435の部分は、サブum〜数10um以下の狭い隙間であるため、アルカリ薬液(KOH,TMAH等)を用いて深堀エッチングするダイアフラムの形成方法と異なり、エッチングの面による基板面内方向の大きさの制約が無い。そのため、ダイアフラムの結晶方位に制限されずに形状を自由に設計できる。
以上の構成において、図3は図1の製作工程説明図、図4は図3のプロセスフローチャート説明図を示す。(a)〜(g)は図3及び図4で同じ工程を示す。図3の(a)には、センサウエハ510の作製工程を示す。
この工程を経たセンサウエハ510には、一方の面に振動子形歪ゲージ素子411が配されており、振動子形歪ゲージ素子411の形成、金属配線が既に完成したウエハである。つまり、振動子形歪ゲージ素子411を配した面の加工は既に完了しており、以降の工程で加工の必要は無い。なお、振動子形歪ゲージ素子411は、小さくて表示できないので、振動子形歪ゲージ素子411の配置領域を、センサウエハ510と異なるハッチングで示す。
図3の(b)には、センサウエハの貼り付け工程を示す。
貼り付け用材料522を用いて、センサウエハ510の素子面とサポートウエハ521を貼り付ける。ここでの貼り付け用材料522とは、熱可塑性接着剤、薬液溶解型接着剤、UV接着剤、両面テープ、WAX等である。貼り付け精度は、以降の研削研磨の厚みのばらつきに影響を及ぼすためTTV(total thickness variation, ウエハ面内厚みの最小値と再大値の差)や反りを制御する必要がある。サポートウエハ521には、サファイア、ガラス、シリコン等の素材を使用する。また、サポートウエハの形状は、特に制約するものではない。
図3の(c)にはセンサウエハ裏面研削研磨工程を示す。
サポートウエハ521に貼り付けられたセンサウエハ510の振動子形歪ゲージ素子411と反対側の面531を研削研磨により、所望の厚みまで薄くする。この際、研削時の破砕層や研削跡がなくなるまで研磨を実施する必要がある。
また、薄くしたセンサウエハ510には、振動子形歪ゲージ素子411の凹凸パターンが研削研磨後の研削研磨面に凹凸パターンとして現れる。この研削研磨面の凹凸は接合時に未接合部を発生させたり、センサに接合歪を発生させたりするため、センサウエハ510の素子面の凹凸は極力平坦であるほうが良い。センサウエハ510を100um以下に研削研磨する場合、ウエハ単体でハンドリングすると簡単にウエハが割れてしまうが、サポートウエハ521がついた状態では、数10um以下のセンサウエハ510でもハンドリングが可能である。
研削研磨後は、研削研磨面の清浄性を高めるために図示しない洗浄工程を実施することが望ましい。洗浄工程は、物理洗浄(CO2洗浄,2流体洗浄)や酸アルカリ洗浄等が考えられるが、貼り付け用材料の耐熱温度以下で実施し、この材料が薬液耐性を有する薬液を使用する必要がある。
図3の(d)には、ベースウエハ作製工程を示す。
ベースウエハ540には、圧力導入孔541と凹部542を形成する。ベースウエハ540は、プラズマエッチング及びウェットエッチング等、圧力導入孔541が形成できる手法であればどのような手法を用いても良い。また、この孔の形状は導入孔であればどのような孔でも良い。また、凹部542も同様に、プラズマエッチング及びウェットエッチング等を用いて形成する。
図3の(e)には、ウエハ直接接合工程を示す。
圧力導入孔541と凹部542を製作したベースウエハ540とサポートウエハ521に貼り付けられている研削研磨済みセンサウエハ510とを接合する。
その際、貼り合わせ用材料が耐熱温度以下で、ベースウエハ540とセンサウエハ510を接合する必要がある。
具体的には、接着剤では100〜200℃程度、両面テープの場合約150℃程度が使用できる上限温度である。また、工程を簡略化する観点から、研削研磨面は成膜や改質工程を実施しない状態で接合を実施することが望ましい。このような条件を満たす接合には、常温直接接合,金属拡散接合がある。
常温直接接合では、ウエハの表面をイオンガン又はFAB(高速原子ビーム)ガンで接合面の表面をエッチングして活性を上げた後、高真空中でウエハを接合する。この技術の特徴は、常温で接合が可能であること、表面がシリコン同士の接合に適している点である。貼り合せ用材料からの出るガスは表面に再付着して接合力を大幅に落とす原因となるため、貼り合せよう材料には出るガスが無いものを選定する必要がある。
金属拡散接合は、常温直接接合でエッチングを用いて表面活性を上げる代わりに、原子層レベルで基板表面に金属を付けて接合する技術である。常温直接接合と同様に高真空下で接合を実施する。この接合においては異種材料が非常に薄く原子層レベルで付いているだけなので、差圧センサの特性を悪化させること無く接合できる。
低温での接合技術としては、上述した技術以外にプラズマ活性化接合がある。プラズマ活性化接合は、Ar,N2,O2等のガスを用いたプラズマで表面にOH基を配した状態で、表面同士を仮接合(単に貼り付ける行為)後、400度程度の温度でアニールすることにより接合強度を高める。この技術では、接合時に発生する水分がボイドの原因となるが、接合面積が小さいダイアフラムのような構造では、水分が接合界面から離脱でき、シリコン同士の接合であってもボイドのない良好な接合を実現できる。
図3の(f)には、サポートウエハの剥離工程を示す。薄く研磨された後に直接接合されたセンサウエハ510とベースウエハ540をサポートウエハ521から切り離す。サポートウエハ521からの剥離方法は、使用する接着剤によりその方法が異なる。例えば、熱可塑性接着剤では温度をかけた状態でスライドさせることにより剥離する。また、熱剥離型の両面テープでは熱をかけるだけで簡単に剥離が可能である。図示していないが、剥離後は、貼り合せ用材料の残渣を除去するため、スピン洗浄、薬液浸漬等にて、センサ素子面を洗浄することが望ましい。
図3の(g)には、ダイシング工程を示す。
ウエハの最終工程として、接合後にサポートウエハ521を剥離した接合済みウエハ560のダイシングを行う。これにより振動式差圧センサ400が完成する。
この結果、ダイアフラム412の厚さを研削研磨量により調整するため、ウエハ毎に厚みを微調整できる。例えば、数um〜サブum程度の精度でダイアフラム厚みを容易に制御できる。そのため、感度のバラツキを抑制可能な振動式差圧センサが得られる。接合に異種材料を使用しないため、接合部分がシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。よって、破壊耐圧特性に優れた振動式差圧センサが得られる。
また、熱膨張係数の違いによる熱歪を抑えられるため、温度特性が良い振動式差圧センサが得られる。温度及び圧力履歴により生じる異種材料間の内部残留歪も抑えられ、ヒステリシスの無い構造を実現できる振動式差圧センサが得られる。
ベース基板540の凹部の深さにて、隙間を決定することができるため、ベース基板の凹部435とダイアフラム412の間で、例えば、数10um以下の隙間を形成できる。そのため、ダイアフラム412の共振を防止でき、異物の混入により前記ダイアフラムの可動範囲が制限されることなく入出力特性等の諸特性が良好な振動式差圧センサが得られる。
ベース基板430の、例えば、数10um以下の凹部の形状が、そのままダイアフラム412の形状となるため、振動子方歪ゲージ素子411を形成されたウエハの裏面からアルカリ溶液による深堀の異方性エッチングによってダイアフラムを形成する場合比べて、(111)結晶面によるダイアフラムサイズや形状の変化がないので、円形など結晶方位に制約されない自由な形状を作製できる。特に、プラズマを用いたエッチングを用いれば、製造工程は単純になり、コストを抑え、感度が揃った振動式差圧センサが得られる。
また、研削研磨工程により、実質的にダイアフラム412の厚みが決まることから、アルカリエッチングによる深堀と異なりエッチングの深さによるダイアフラム形状の差異を考慮したマスクが必要なくなる振動式差圧センサの製造方法が得られる。アルカリエッチングとは異なり、インチサイズの小さなウエハ(4インチウエハ等)による試作結果を用いて、インチサイズの大きなウエハ(8インチ,12インチ等)で製品にする場合でも、同一のマスクパターンと同一プロセスを適用できるため、量産化の移行を効率的に行える。
そのため、ウエハのインチサイズによらない振動式差圧センサの製造方法が得られる。
同様に、圧力のレンジに応じてダイアフラム412の形状や厚みを変える要求に対しても、上述の接合を用いたダイアフラム形成ではダイアフラム412の形状や厚みに依存せず同一のマスクと同一のプロセスで実現できる。
シリコンウエハ同士を直接に接合する常温直接接合あるいは金属拡散接合などを含むダイアフラム作製工程が、センサウエハ510に配されている金属配線の耐熱温度よりも低い工程であるため、最初に、振動子形歪ゲージ素子の金属配線工程を完了した状態で接合が可能である。
また、常温直接接合あるいは金属拡散接合などを含むダイアフラム作製工程が、例えば、400度以下で構成できるので、差圧センサの特性に影響を与えるようなシリコンのクリープや熱歪が残留しない。そのため、良好な特性の振動式差圧センサの製造方法が得られる。
図5は、本発明の他の実施例の要部構成説明図、図6は図5の要部構成説明図、図7は図5の製作工程説明図、図8は図7のプロセスフローチャート説明図である。図5において、センサ基板610は、一方の面に振動子形歪ゲージ素子611が設けられ、他方の面がダイアフラム612に相当する厚さに研磨後、凹部635を形成し、シリコンよりなる。
ベース基板630は、センサ基板610の他方の面に、一方の面が直接に接合されたシリコンよりなる。凹部635は、ベース基板630との接合部のセンサ基板610に設けられ、センサ基板610に実質的にダイアフラム612を形成し、異物の混入によるダイアフラム612の可動範囲が制限されることなく、且つ振動子形歪ゲージ素子611の振動によって励起されるダイアフラム612の共振に対して、後述する流体646によって制動作用をなすための所定の隙間を有する。
導入孔645は、凹部635に測定圧を導入する。流体646は、凹部635に導入孔645を介して圧力を伝搬し、ダイアフラム612を制動する。
即ち、振動式差圧センサ600は、センサ基板610とベース基板630により構成される。ベース基板630には、プラズマエッチング又はアルカリエッチング等により、導入孔645が設けられている。この孔の形状は導入孔であればどのような穴でも良い。振動子形歪ゲージ素子611は、ダイアフラム612の上面615に製作されている。
ダイアフラムの厚み620はセンサ基板610の厚みからセンサ基板610の裏面の凹部635のエッチング量を引いた値により決定される。そのため、ダイアフラム612の厚みの精度は、研削研磨の数umの精度とエッチングのサブumの精度の和で表され、結果として数umの精度での加工精度を有する。
センサ基板610とベース基板630はシリコンであり、基板の接合には酸化膜やその他の異種材料を介さずに接合される。そのため、接合面でもシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。また、温度特性も良好なセンサを実現できる。
また、センサ基板610の凹部635のエッチングに、等方性エッチングを用いて、丸み650を付けることにより、ダイアフラム612の応力集中を分散できる。その結果、センサの破壊耐圧が増加する。センサ基板の凹部635がベース基板630と接合後に、隙間を形成する。凹部635は、プラズマエッチング及びウェットエッチング等により形成される。
この凹部635は、アルカリ薬液(KOH,TMAH等)を用いて深堀エッチングする必要が無いため、サブum〜数10um以下の隙間を精度よく容易に実現できる。よって、異物の混入を考慮した隙間の設計やダイアフラム612の可動範囲を考慮した設計に自由度を持たせることができる。ダイアフラム612の寸法は、センサ基板610の凹部635の部分の寸法640できまる。
具体的な形状としては、図6に示す如く、四角形660、円形665、多角形670等が考えられる。センサ基板610の凹部635の部分は、サブum〜数10um以下の狭い隙間であるため、アルカリ薬液(KOH,TMAH等)を用いて深堀エッチングするダイアフラムの形成方法と異なり、エッチングの面による基板面内方向の大きさの制約が無い。そのため、ダイアフラムの結晶方位に制限されずに形状を自由に設計できる。
以上の構成において、図7は図5の製作工程説明図、図8は図5のプロセスフローチャート説明図を示す。(a)〜(h)は図7及び図8で同じ工程を示す。
図7の(a)は、センサウエハ710の作製工程を示す。
この工程を経たセンサウエハ710は、センサウエハ710の一方の面に振動子形歪ゲージ611が配されており、振動子形歪ゲージ素子611の形成、金属配線が既に完成したウエハである。つまり、振動子形歪ゲージ素子611を配した面の加工は既に完了しており、以降の工程で加工の必要は無い。
図7の(b)にはセンサウエハ710の貼り付け工程を示す。
貼り付け用材料722を用いて、センサウエハ710の素子面とサポートウエハ721を貼り付ける。ここでの貼り付け用材料722とは、熱可塑性接着剤、薬液溶解型接着剤、UV接着剤、両面テープ、WAX等である。
貼り付け精度は、以降の研削研磨の厚みのばらつきに影響を及ぼすためTTV(total thickness variation, ウエハ面内厚みの最小値と再大値の差)や反りを制御する必要がある。サポートウエハ721には、サファイア、ガラス、シリコン等の素材を使用する。また、サポートウエハ721の形状を特に制約するものではない。
図7の(c)にはセンサウエハ裏面研削研磨工程を示す。
サポートウエハ721に貼り付けられたセンサウエハ710の振動子形歪ゲージ素子611と反対側の面731を研削研磨により、所望の厚みまで薄くする。この際、研削時の破砕層や研削跡がなくなるまで研磨を実施する必要がある。
また、薄くしたウエハ710には、振動子形歪ゲージ素子611の凹凸パターンが研削研磨後の研削研磨面に凹凸パターンとして現れる。この研削研磨面の凹凸は接合部に未接合部を発生させたり、センサに接合歪を発生させるため、センサウエハ710の素子面の凹凸は極力平坦であるほうが良い。
センサウエハ710を100um以下に研削研磨する場合、ウエハ単体でハンドリングすると簡単にウエハが割れてしまうが、サポートウエハ721がついた状態では、数10um以下のセンサウエハ710でもハンドリングが可能である。
研削研磨後は、研削研磨面の清浄性を高めるために図示しない洗浄工程を実施することが望ましい。洗浄工程は、物理洗浄(CO2洗浄,2流体洗浄)や酸アルカリ洗浄等が考えられるが、貼り付け用材料が熱分解する温度以下で実施し、この材料が薬液耐性を有する薬液を使用する必要がある。
図7の(d)には、センサウエハ裏面パターン形成工程を示す。
研削研磨面にレジストを用いたフォトリソグラフィーにより開口部を設け、開口部分をドライエッチング等の手法によりエッチングする。エッチング後にはレジストを剥離することにより、センサウエハの凹部742が形成できる。
図7の(e)には、ベースウエハ作製工程を示す。
ベースウエハ740には、圧力導入孔741を形成する。圧力導入孔741は、プラズマエッチング及びウェットエッチング等、圧力導入孔形成できる手法であればどのような手法を用いても良い。また、この孔の形状は導入孔であればどのような孔でも良い。
図7の(f)にはウエハ直接接合工程を示す。
圧力導入孔741を製作したベースウエハ740と凹部742を製作したセンサウエハ710とを接合する。その際、貼り合わせ用材料の耐熱温度以下で、ベースウエハとセンサウエハを接合する必要がある。
具体的には、接着剤では100〜200℃程度、両面テープの場合約150℃程度が使用できる上限温度である。また、工程を簡略化する観点から、研削研磨面は成膜や改質工程を実施しない状態で接合を実施することが望ましい。このような条件を満たす接合には、常温直接接合,金属拡散接合がある。
常温直接接合では、ウエハの表面をイオンガン又はFAB(高速原子ビーム)ガンで接合面の表面をエッチングして活性を上げた後、高真空中でウエハを接合する。この技術の特徴は、常温で接合が可能であること、表面がシリコン同士の接合に適している点である。貼り合せ用材料からの出るガスは表面に再付着して接合力を大幅に落とす原因となるため、貼り合せ用材料には出るガスが無いものを選定する必要がある。
金属拡散接合は、常温直接接合でエッチングを用いて表面活性を上げる代わりに、原子層レベルで基板表面に金属を付けて接合する技術である。常温直接接合と同様に高真空下で接合を実施する。この接合においては異種材料が非常に薄く原子層レベルで付いているだけなので、差圧センサの特性を悪化させること無く接合できる。
低温での接合技術としては、上述した技術以外にプラズマ活性化接合がある。
プラズマ活性化接合は、Ar,N2,O2等のガスを用いたプラズマで表面にOH基を配した状態で、表面同士を仮接合(単に貼り付ける行為)後、400度程度の温度でアニールすることにより接合強度を高める技術である。この技術では、接合時にOH基に起因して発生する水分がボイドの原因となるが、接合面積が小さいダイアフラムのような構造では、水分が接合界面から離脱でき、ボイドのない良好な接合を実現できる。
図7の(g)には、サポートウエハの剥離工程を示す。
薄く研磨された後に直接接合されたセンサウエハとベースウエハをサポートウエハから切り離す。サポートウエハからの剥離方法は、使用する接着剤によりその方法が異なる。例えば、熱可塑性接着剤では温度をかけた状態でスライドさせることにより剥離する。
また、熱剥離型の両面テープでは熱をかけるだけで簡単に剥離が可能である。図示していないが、剥離後は、貼り合せ用材料の残渣を除去するため、スピン洗浄、薬液浸漬等にて、センサ素子面を洗浄することが望ましい。
図7の(h)にはダイシング工程を示す。
ウエハの最終工程として、接合後にサポートウエハを剥離した接合済みウエハ760のダイシングを行う。これにより振動式差圧センサ600が完成する。
この結果、ダイアフラム612の厚さをウエハ毎の研削研磨量の微調整とドライエッチングにより調整するため、例えば、数um〜サブum程度の精度でダイアフラム厚みを容易に制御できる。そのため、感度のバラツキを抑制可能な振動式差圧センサが得られる。
接合に異種材料を使用しないため、接合部分がシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。よって、破壊耐圧特性に優れた振動式差圧センサが得られる。また、熱膨張係数の違いによる熱歪を抑えられるため、温度特性が良い振動式差圧センサが得られる。
温度及び圧力履歴により生じる異種材料間の内部残留歪も抑えられ、ヒステリシスの無い構造を実現できる振動式差圧センサが得られる。
センサ基板の凹部の深さにて隙間を決定することができるためセンサ基板の凹部635とベース基板の間で、数10um〜サブum程度の精度でダイアフラムの厚みを容易に制御できる。また、エッチング量も少ないことから、その精度もサブum程度の高精度で制御が可能である。その結果、ダイアフラム612の共振を防止でき、異物の混入により前記ダイアフラムの可動範囲が制限されないので、入出力特性等の諸特性が良好な振動式差圧センサが得られる。
また、プラズマを用いた等方性エッチングを用いれば、製造工程は単純になり、ダイアフラム周辺での応力集中部分に丸みを持たせることでき、破壊耐圧が増加する。
そのため、コストを抑え、感度高い振動式差圧センサが得られる。
センサ基板610の、例えば、数10um以下の凹部635の形状がそのままダイアフラム612の形状となるため、振動子形歪ゲージ素子611を形成された基板の裏面からアルカリ溶液による深堀の異方性エッチングによってダイアフラムを形成する場合比べて、(111)結晶面によるダイアフラムサイズや形状の変化がないので、円形など結晶方位に制約されない自由な形状を作製できる。
特に、プラズマを用いた等方性エッチングを用いれば、製造工程は単純になり、ダイアフラム周辺での応力集中部分に丸みを持たせることでき、破壊耐圧が増加する。そのため、コストを抑え、感度が高い振動式差圧センサが得られる。
また、研削研磨とプラズマエッチングにより、ダイアフラム厚みを決められることから、アルカリエッチングによる深堀と異なりエッチングの深さによるダイアフラム形状の差異を考慮したマスクが必要なくなる振動式差圧センサの製造方法が得られる。
つまり、アルカリエチングとは異なり、インチサイズの小さなウエハ(4インチウエハ等)による試作結果を用いて、インチサイズの大きなウエハ(8インチ,12インチ等)で製品にする場合でも、同一のマスクパターンと同一のプロセスを適用できるため、量産化への移行を効率的に行える。
そのため、インチサイズによらない振動式差圧センサの製造方法が得られる。
同様に圧力のレンジに応じてダイアフラムの形状や厚みを変える要求に対しても、上述の接合を用いたダイアフラム形成方法ではダイアフラムの形状や厚みに依存せずに同一のマスクと同一のプロセスで実現できる。
シリコンウエハ同士を直接に接続する常温直接接合あるいは金属拡散接合などを含むダイアフラム作製工程が、センサウエハ710に配されている金属配線の耐熱温度よりも低い工程であるため、振動子形歪ゲージ素子611の金属配線工程を完了した状態で接合が可能である。
常温直接接合あるいは金属拡散接合などを含むダイアフラム作製工程が、例えば、400度以下で構成できるので、差圧センサの特性に影響を与えるようなシリコンのクリープや熱歪が残留しない。そのため、良好な特性の振動式差圧センサの製造方法が得られる。
図9は、本発明の他の実施例の要部構成説明図、図10は図9の要部構成説明図、図11は図9の製作工程説明図、図12は図11のプロセスフローチャート説明図である。
である。
図9において、振動式差圧センサの構造800を示す。
振動式差圧センサ800は、センサ基板810とベース基板830により構成される。ベース基板830には、プラズマエッチング及びアルカリエッチングにより、導入孔845が設けられている。この孔の形状は導入孔であればどのような穴でも良い。振動子形歪ゲージ素子811はダイアフラムの上面815に製作されている。
ダイアフラムの厚みは、センサ基板810の厚みにより決定される。そのため、所望の厚みまで研削研磨してダイアフラムの厚み820を調整する。研削研磨量はウエハ毎に微調整できるので、個々のウエハの厚みを数um単位で正確に制御できる。
センサ基板810とベース基板830はシリコンであり、ウエハの接合には酸化膜やその他の異種材料を介さずに接合される。そのため、接合面でもシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。また、温度特性も良好なセンサを実現できる。
ベース基板830の凹部835が接合後に形成される隙間として具備される。隙間はプラズマエッチング及びウェットエッチング等により形成される。この隙間は、アルカリ薬液(KOH,TMAH等)を用いて深堀エッチングする必要が無いため、サブum〜数10um以下の隙間を精度よく容易に実現できる。よって、異物の混入を考慮した隙間の設計やダイアフラム812の可動範囲を考慮した設計に自由度を持たせることができる。
ダイアフラム812の寸法はベース基板830の凹部の寸法840できまる。
具体的な形状としては、図10に示すごとく、四角形860、円形865、多角形870等が考えられる。ベース基板830の凹部835部分は、サブum〜数10um以下の狭い隙間であるため、アルカリ薬液(KOH,TMAH等)を用いて深堀エッチングするダイアフラムの形成方法と異なり、エッチングの面方位によるマスクパターンの形状制約が無い。
そのため、ダイアフラムの結晶方位に制限されずに形状を自由に設計できる。また、センサ基板810に形成したリング状の丸み850は、ダイアフラムへの応力集中を緩和できるため、破壊耐圧を向上できる。
以上の構成において、図11にはプロセスの概要図を、図12にはプロセスフローチャートを示す。
図11の(a)には、センサウエハ910の作製工程を示す。
この工程を経たセンサウエハ910は、センサウエハ910の一方の面911に振動子形歪ゲージ素子811が配されており、振動子形歪ゲージ素子811の形成、金属配線が既に完成したウエハである。つまり、振動子形歪ゲージ素子811を配した面911の加工は既に完了しており、以降の工程で加工の必要は無い。
図11の(b)にはセンサウエハ910の貼り付け工程を示す。
貼り付け用材料922を用いて、センサウエハ910の素子面とサポートウエハ921を貼り付ける。ここでの貼り付け用材料922とは、熱可塑性接着剤、薬液溶解型接着剤、UV接着剤、両面テープ、WAX等である。
貼り付け精度は、以降の研削研磨の厚みのばらつきに影響を及ぼすためTTV(total thickness variation, ウエハ面内厚みの最小値と再大値の差)や反りを制御する必要がある。サポートウエハ921には、サファイア、ガラス、シリコン等の素材を使用する。また、サポートウエハの形状を特に制約するものではない。
図11の(c)にはセンサウエハ裏面研削研磨工程を示す。
サポートウエハ921に貼り付けられたセンサウエハ910の振動子形歪ゲージ素子811と反対側の面931を研削研磨により、所望の厚みまで薄くする。この際、研削時の破砕層や研削跡がなくなるまで研磨を実施する必要がある。
また、薄くしたセンサウエハ910には、振動子形歪ゲージ素子811の凹凸パターンが研削研磨後の研削研磨面に凹凸とパターンとして現れる。この研削研磨面の凹凸は接合部に未接合部を発生させたり、センサに接合歪を発生させるため、センサウエハ910の素子面の凹凸は極力平坦であるほうが良い。センサウエハ910を100um以下に研削研磨する場合、ウエハ単体でハンドリングすると簡単にウエハが割れてしまうが、サポートウエハ921がついた状態では、数10um以下のウエハでもハンドリングが可能である。
研削研磨後は、研削研磨面の清浄性を高めるために図示しない洗浄工程を実施することが望ましい。洗浄工程は、物理洗浄(CO2洗浄,2流体洗浄)や酸アルカリ洗浄等が考えられるが、貼り付け用材料の耐熱温度以下で実施し、この材料が薬液耐性を有する薬液を使用する必要がある。
図11の(d)には、センサウエハ裏面パターン形成工程を示す。
研削研磨面にレジストを用いたフォトリソグラフィーにより開口部を設け、開口部分をドライエッチング等の手法によりエッチングする。エッチング後にはレジストを剥離することにより、センサウエハの丸み部932が形成される。
図11の(e)には、ベースウエハ作製工程を示す。
ベースウエハ940には、圧力導入孔941と凹部942を形成する。ベースウエハ940は、プラズマエッチング及びウットエッチング等、圧力導入孔が形成できる手法であればどのような手法を用いても良い。また、この孔の形状は導入孔であればどのような孔でも良い。また、凹部942も同様に、プラズマエッチング及びウットエッチング等を用いて形成する。
図11の(f)にはウエハ直接接合工程を示す。
圧力導入孔941と凹部942を製作したベースウエハ940と丸み部932を製作したセンサウエハ910とを接合する。その際、貼り合わせ用材料の耐熱温度以下で、ベースウエハ940とセンサウエハ910を接合する必要がある。
具体的には、接着剤では100〜200℃程度、両面テープの場合約150℃程度が使用できる上限温度である。また、工程を簡略化する観点から、研削研磨面は成膜や改質工程を実施しない状態で接合を実施することが望ましい。このような条件を満たす接合には、常温直接接合,金属拡散接合がある。
常温直接接合では、ウエハの表面をイオンガン又はFAB(高速原子ビーム)ガンで接合面の表面をエッチングして活性を上げた後、高真空中でウエハを接合する。この技術の特徴は、常温で接合が可能であること、表面がシリコン同士の接合に適している点である。貼り合せ用材料から出るガスは表面に再付着して接合力を大幅に落とす原因となるため、貼り合せ用材料には出るガスが無いものを選定する必要がある。
金属拡散接合は、常温直接接合でエッチングを用いて表面活性を上げる代わりに、原子層レベルで基板表面に金属を付けて接合する技術である。
常温直接接合と同様に高真空下で接合を実施する。この接合においては異種材料が非常に薄く原子層レベルで付いているだけなので、差圧センサの特性を悪化させることは無く接合できる。
低温での接合技術としては、上述した技術以外にプラズマ活性化接合がある。
プラズマ活性化接合は、Ar,N2,O2等のガスを用いたプラズマで表面にOH基を配した状態で、表面同士を仮接合(単に貼り付ける行為)後、400度程度の温度でアニールすることにより接合強度を高める。この技術では、OH基に起因して発生する水分がボイドの原因となるが、接合面積の小さいダイアフラムのような構造では、水分が接合界面から離脱でき、ボイドのない良好な接合を実現できる。
図11の(g)には、サポートウエハ921の剥離工程を示す。
薄く研磨された後に直接接合されたセンサウエハ910とベースウエハ940をサポートウエハ921から切り離す。サポートウエハ921からの剥離方法は、使用する接着剤によりその方法が異なる。例えば、熱可塑性接着剤では温度をかけた状態でスライドさせることにより剥離する。
また、熱剥離型の両面テープでは熱をかけるだけで簡単に剥離が可能である。図示していないが、剥離後は、貼り合せ用材料の残渣を除去するため、スピン洗浄、薬液浸漬等にて、センサ素子面を洗浄することが望ましい。
図11の(h)にはダイシング工程を示す。
ウエハの最終工程として、接合後にサポートウエハ921を剥離した接合済みウエハ960のダイシングを行う。これにより振動式差圧センサ800が完成する。
この結果、図9実施例では、図1実施例の効果を減じることなく、更に、ダイアフラム812への応力集中を抑える構造を実現できる。
本発明によれば、次のような効果がある。
ダイアフラム812の厚さを接合前に研削研磨により調整できるため、例えば、数um〜サブum程度の精度でダイアフラム812の厚みを容易に制御できる。そのため、感度のバラツキを抑制可能な振動式差圧センサが得られる。
接合に異種材料を使用しないため、接合部分がシリコンの母材強度と同等の破壊強度を実現できる。よって、破壊耐圧特性に優れた振動式差圧センサが得られる。また、熱膨張係数の違いによる熱歪を抑えられるため、温度特性が良い振動式差圧センサが得られる。
温度及び圧力履歴により生じる異種材料間の内部残留歪も抑えられ、ヒステリシスの無い構造を実現できる振動式差圧センサが得られる。ベースウエハの凹部942の深さにて、隙間を決定することができるため、ベース基板の凹部835とダイアフラム812の間で、例えば、数10um〜サブum以下までの隙間を形成できる。また、エッチング量も少ないことから、その精度もサブum程度の高精度で制御が可能である。
その結果、ダイアフラム812の共振を防止でき、異物混入によりダイアフラムの可動範囲が制限されないので、入出力特性等の諸特性が良好な振動式差圧センサが得られる。また、プラズマを用いた等方性エッチングを用いれば、製造工程は単純になり、ダイアフラム周辺での応力集中部分に丸みを持たせることでき、破壊耐圧が増加する。
そのため、コストを抑え、感度高い振動式差圧センサが得られる。
ベース基板830の、例えば、数10um以下の凹部835の形状がそのままダイアフラム812の形状となるため、素子が形成されたウエハの裏面からアルカリ溶液による深堀の異方性エッチングによってダイアフラムを形成する場合比べて、(111)結晶面によるダイアフラムサイズや形状の変化がないので、円形など結晶方位に制約されない自由な形状を作製できる。
特に、プラズマを用いた等方性エッチングを用いれば、製造工程は単純になり、コストを抑え、感度が高い振動式差圧センサが得られる。
また、研削研磨により、ダイアフラム812の厚みが決められることから、アルカリエッチングによる深堀と異なりエッチングの深さによるダイアフラム形状の差異を考慮したマスクが必要なくなる。
つまり、アルカリエチングとは異なり、インチサイズの小さなウエハ(4インチウエハ等)による試作結果を用いて、インチサイズの大きなウエハ(8インチ,12インチ等)で製品にする場合でも、同一のマスクパターンと同一のプロセスを適用できるため、量産化への移行を効率的に行える。そのため、インチサイズによらない振動式差圧センサの製造方法が得られる。
同様に、圧力のレンジに応じてダイアフラム812の形状や厚みを変える要求に対しても、上述の常温直接接合あるいは金属拡散接合などによる接合を用いたダイアフラム形成ではダイアフラム812の形状や厚みに依存せず同一のマスクと同一のプロセスで実現できる。
シリコンウエハ同士を直接に接合する常温直接接合あるいは金属拡散接合などを含むダイアフラム812の作製工程が、センサウエハ910に配されている金属配線の耐性温度よりも低い工程であるため、振動子形歪ゲージ素子の金属配線工程を完了した状態で接合が可能である。
また、常温直接接合あるいは金属拡散接合などを含むダイアフラム作製工程が、例えば、400度以下で構成できるので、差圧センサの特性に影響を与えるようなシリコンのクリープや熱歪が残留しない。そのため、良好な特性の振動式差圧センサの製造方法が得られる。
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
101 単結晶シリコンウエハ
102 ダイアフラム
400 振動式差圧センサ
410 センサ基板
411 振動子形歪ゲージ素子
412 ダイアフラム
415 上面
420 ダイアフラムの厚み
430 ベース基板
435 凹部
440 凹部の部分の寸法
445 導入孔
446 流体
460 四角形
465 円形
470 多角形
510 センサウエハ
521 サポートウエハ
522 貼り付け用材料
531 反対側の面
540 ベースウエハ
541 圧力導入孔
542 凹部
560 ポートウエハを剥離した接合済みウエハ
600 振動式差圧センサ
610 センサ基板
611 振動子形歪ゲージ素子
612 ダイアフラム
615 上面
620 ダイアフラムの厚み
630 ベース基板
635 凹部
640 凹部の部分の寸法
645 導入孔
646 流体
650 丸み
660 四角形
665 円形
670 多角形
710 センサウエハ
721 サポートウエハ
722 貼り付け用材料
731 反対側の面
740 ベースウエハ
741 圧力導入孔
742 凹部
760 ポートウエハを剥離した接合済みウエハ
800 振動式差圧センサ
810 センサ基板
811 振動子形歪ゲージ素子
812 ダイアフラム
815 上面
820 ダイアフラムの厚み
830 ベース基板
835 凹部
840 凹部の部分の寸法
845 導入孔
846 流体
850 丸み
860 四角形
865 円形
870 多角形
910 センサウエハ
921 サポートウエハ
922 貼り付け用材料
931 反対側の面
932 丸み
940 ベースウエハ
941 圧力導入孔
942 凹部
960 ポートウエハを剥離した接合済みウエハ

Claims (5)

  1. センサウエハの一方の素子面に歪ゲージ素子が設けられ、前記センサウエハの他方の研削研磨面が研磨されて前記素子面から前記研削研磨面までの厚みを有するダイアフラムが形成されてなるセンサ基板と、
    この研削研磨面に接合されたベース基板と、
    前記ベース基板と前記センサ基板との接合部に設けられ、所定の隙間を有する凹部と、
    この凹部に測定圧を導入する導入孔とを具備し
    前記研削研磨面が、前記歪ゲージ素子の凹凸パターンを現した、凹凸パターンを備える
    ことを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記凹部が前記ベース基板または前記センサ基板のいずれか一方のみに形成される
    ことを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 前記センサウエハの素子面が平坦である
    ことを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  4. 前記センサウエハが100um以下に研削研磨される
    ことを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  5. 前記研削研磨面と前記ベース基板とが常温直接接合で接合される
    ことを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
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