JPH09178770A - 半導体加速度センサ - Google Patents
半導体加速度センサInfo
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- JPH09178770A JPH09178770A JP33735395A JP33735395A JPH09178770A JP H09178770 A JPH09178770 A JP H09178770A JP 33735395 A JP33735395 A JP 33735395A JP 33735395 A JP33735395 A JP 33735395A JP H09178770 A JPH09178770 A JP H09178770A
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- pedestal
- silicon substrate
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 重り上下のダンピング定数を等しくし、高周
波あるいは過大な加速度が入力された時の波形歪みを小
さくして、出力誤差を低減すること。 【解決手段】 (100)シリコン基板を裏面から異方
性エッチングして得られる、四角錘状の重り3を肉薄の
梁2で周囲のフレーム4に支持する構造体を重り3と対
向した窪みを有するような台座1とキャップ5で両側か
ら挟み込んでサンドウィッチ構造形成し、重り3の上面
の面積S1と底面の面積S2に対して、対応するエア・
ギャップ7,8の長さd1とd2が、S12 /d13 =
S22 /d23 の関係式を満足する構成とした。
波あるいは過大な加速度が入力された時の波形歪みを小
さくして、出力誤差を低減すること。 【解決手段】 (100)シリコン基板を裏面から異方
性エッチングして得られる、四角錘状の重り3を肉薄の
梁2で周囲のフレーム4に支持する構造体を重り3と対
向した窪みを有するような台座1とキャップ5で両側か
ら挟み込んでサンドウィッチ構造形成し、重り3の上面
の面積S1と底面の面積S2に対して、対応するエア・
ギャップ7,8の長さd1とd2が、S12 /d13 =
S22 /d23 の関係式を満足する構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 この発明は、シリコン基板
を裏面から選択的に異方性エッチ液でエッチングして、
単数もしくは複数の肉薄の梁で肉厚の重り部を周囲の肉
厚のフレーム部に懸架・支持する構造体を形成し、前記
梁上にピエゾ抵抗を形成した加速度検出用構造体を前記
重り部に対向した窪みを有するような台座とキャップと
で挟んでサンドウィッチ構造としたピエゾ抵抗式半導体
加速度センサに関する。
を裏面から選択的に異方性エッチ液でエッチングして、
単数もしくは複数の肉薄の梁で肉厚の重り部を周囲の肉
厚のフレーム部に懸架・支持する構造体を形成し、前記
梁上にピエゾ抵抗を形成した加速度検出用構造体を前記
重り部に対向した窪みを有するような台座とキャップと
で挟んでサンドウィッチ構造としたピエゾ抵抗式半導体
加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来の半導体加速度センサとしては、
例えば図5に示すようなものがある。この内容について
は米国特許USP5,103,667に述べられてい
る。図5をもとにこの加速度センサの構造、動作を以下
に説明する。加速度選出部はシリコン基板を裏面から選
択的に異方性エッチして形成された両持ち梁構造体であ
り、重り23を両側から肉薄の梁22で周囲のフレーム
24に支持する構成になっている。このシリコン構造体
は重り23に対向する窪みを有するような台座21上に
接合されると共に、その上側には同じく重り23に対向
する窪みを有するようなキャップ25が接合されてい
て、サンドウィッチ構造となっている。梁22上にはピ
エゾ抵抗26が形成されていて(図では梁22の上に示
してあるが、通常梁22のシリコン基板の中に拡散形成
される)、シリコン基板主面と垂直方向に加速度が印加
され、梁22上に応力が生じるとこのピエゾ抵抗26の
抵抗値が変化して加速度を検出できるような構成となっ
ている。キャップ25は右端が削除されていて、ここの
フレーム24上にピエゾ抵抗26の出力を外部へ取り出
すためのパッド電極30が形成されている。重り23と
上下に配置されているキャップ25、台座21との間に
はそれぞれ通常数μm程度のエア・ギャップ27,28
が存在し、これにより重り23が振動する時にはエア・
ダンピングガ働き、共振を抑えるような構成となってい
る。またキャップ25の窪みの中には重り23と対向し
て電極29が形成されている。この電極29と重り23
の間に電圧を印加すると静電力が生じ、加速度印加時と
同様な出力を発生させることができるのでセンサ機能の
自己判断ができるような構成となっている。
例えば図5に示すようなものがある。この内容について
は米国特許USP5,103,667に述べられてい
る。図5をもとにこの加速度センサの構造、動作を以下
に説明する。加速度選出部はシリコン基板を裏面から選
択的に異方性エッチして形成された両持ち梁構造体であ
り、重り23を両側から肉薄の梁22で周囲のフレーム
24に支持する構成になっている。このシリコン構造体
は重り23に対向する窪みを有するような台座21上に
接合されると共に、その上側には同じく重り23に対向
する窪みを有するようなキャップ25が接合されてい
て、サンドウィッチ構造となっている。梁22上にはピ
エゾ抵抗26が形成されていて(図では梁22の上に示
してあるが、通常梁22のシリコン基板の中に拡散形成
される)、シリコン基板主面と垂直方向に加速度が印加
され、梁22上に応力が生じるとこのピエゾ抵抗26の
抵抗値が変化して加速度を検出できるような構成となっ
ている。キャップ25は右端が削除されていて、ここの
フレーム24上にピエゾ抵抗26の出力を外部へ取り出
すためのパッド電極30が形成されている。重り23と
上下に配置されているキャップ25、台座21との間に
はそれぞれ通常数μm程度のエア・ギャップ27,28
が存在し、これにより重り23が振動する時にはエア・
ダンピングガ働き、共振を抑えるような構成となってい
る。またキャップ25の窪みの中には重り23と対向し
て電極29が形成されている。この電極29と重り23
の間に電圧を印加すると静電力が生じ、加速度印加時と
同様な出力を発生させることができるのでセンサ機能の
自己判断ができるような構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、この
ような従来の加速度センサにあっては、上面側にピエゾ
抵抗等のデバイスをフォトリソグラフィーで形成する都
合上、下面側から異方性エッチングを行い、梁22を形
成するため、重り23の上面と下面で面積が著しく異な
っていて、重り23の上下に同程度のエア・ギャップ2
7,28を設けた場合にはエア・ダンピングのダンピン
グ定数が上下で大きく異なるような構成となっていたた
め、エア・ダンピングが効くような高周波あるいは過大
な加速度が印加されると、正負の加速度によるダンピン
グが異なるので、センサ出力波形が歪んで出力誤差を生
じるという問題点があった。
ような従来の加速度センサにあっては、上面側にピエゾ
抵抗等のデバイスをフォトリソグラフィーで形成する都
合上、下面側から異方性エッチングを行い、梁22を形
成するため、重り23の上面と下面で面積が著しく異な
っていて、重り23の上下に同程度のエア・ギャップ2
7,28を設けた場合にはエア・ダンピングのダンピン
グ定数が上下で大きく異なるような構成となっていたた
め、エア・ダンピングが効くような高周波あるいは過大
な加速度が印加されると、正負の加速度によるダンピン
グが異なるので、センサ出力波形が歪んで出力誤差を生
じるという問題点があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、台座、キャップの窪みの深さ、す
なわち上下のエア・ギャップ長を、面積の広い重り上面
のエア・ギャップを大きくし、面積の狭い重り底面のエ
ア・ギャップは小さくして、上下のエア・ダンピングの
ダンピング定数がほぼ等しくなるように調整するような
構成とすることにより、上記問題点を解決することを目
的としている。
してなされたもので、台座、キャップの窪みの深さ、す
なわち上下のエア・ギャップ長を、面積の広い重り上面
のエア・ギャップを大きくし、面積の狭い重り底面のエ
ア・ギャップは小さくして、上下のエア・ダンピングの
ダンピング定数がほぼ等しくなるように調整するような
構成とすることにより、上記問題点を解決することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ため、請求項1記載の発明では、(100)シリコン基
板を裏面から選択的に異方性エッチングして得られる四
つの側面が(111)面で上下面が(100)面である
ような四角錘状の重りを肉薄の単数もしくは複数の梁で
周囲のフレームに懸架・支持するような構造体と、前記
梁上に形成され該梁上の応力を検出するためのピエゾ抵
抗と、前記重りと対向する窪みを有して前記シリコン基
板の裏面に接合された台座と、前記重りと対向する窪み
を有して前記シリコン基板の上面に接合されたキャップ
とを有して前記シリコン基板と垂直方向に印加された加
速度を前記ピエゾ抵抗の抵抗値変化として検出するよう
な半導体加速度センサにおいて、前記重りの上面の面積
S1と前記重りの底面の面積S2に対して、前記重りの
上面と底面が前記キャップ及び台座との間でそれぞれ形
成するエア・ギャップの長さd1とd2が関係式S12
/d13 =S22 /d23 を満足するように前記窪みの
深さが設定され、正方向と負方向の加速度に対する前記
エア・ギャップによるエア・ダンピングのダンピング定
数が等しくなっていることを特徴とする。また、請求項
2記載の発明では、上記台座及びギャップをガラスで構
成し、上記窪みは前記ガラスの基板を選択的にエッチン
グして形成した。請求項3記載の発明では、上記台座及
びギャップの窪みの深さが等しく、前記台座の窪みの中
に上記重り底面のエア・ギャップの長さを調節するため
の電極膜が形成されていて、上記エア・ギャップの関係
式を満足するようにした。
ため、請求項1記載の発明では、(100)シリコン基
板を裏面から選択的に異方性エッチングして得られる四
つの側面が(111)面で上下面が(100)面である
ような四角錘状の重りを肉薄の単数もしくは複数の梁で
周囲のフレームに懸架・支持するような構造体と、前記
梁上に形成され該梁上の応力を検出するためのピエゾ抵
抗と、前記重りと対向する窪みを有して前記シリコン基
板の裏面に接合された台座と、前記重りと対向する窪み
を有して前記シリコン基板の上面に接合されたキャップ
とを有して前記シリコン基板と垂直方向に印加された加
速度を前記ピエゾ抵抗の抵抗値変化として検出するよう
な半導体加速度センサにおいて、前記重りの上面の面積
S1と前記重りの底面の面積S2に対して、前記重りの
上面と底面が前記キャップ及び台座との間でそれぞれ形
成するエア・ギャップの長さd1とd2が関係式S12
/d13 =S22 /d23 を満足するように前記窪みの
深さが設定され、正方向と負方向の加速度に対する前記
エア・ギャップによるエア・ダンピングのダンピング定
数が等しくなっていることを特徴とする。また、請求項
2記載の発明では、上記台座及びギャップをガラスで構
成し、上記窪みは前記ガラスの基板を選択的にエッチン
グして形成した。請求項3記載の発明では、上記台座及
びギャップの窪みの深さが等しく、前記台座の窪みの中
に上記重り底面のエア・ギャップの長さを調節するため
の電極膜が形成されていて、上記エア・ギャップの関係
式を満足するようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】 以下、この発明を図面に基づい
て説明する。図1は、この発明の実施の形態である半導
体加速度センサの断面図である。検出部は(100)p
形シリコン基板上に形成されたn形エピタキシャル層9
からなる肉薄の梁2により重り3が両側から周囲のフレ
ーム4に懸架・支持された構造になっている。梁2の両
側接続部近傍には表面からp形ピエゾ抵抗6が拡散形成
されていて、電極結線によりホイートストン・ブリッジ
が形成されていて(図示せず)、その出力が基板端部に
形成されたパッド電極10から取り出せるような構成と
なっている。また、シリコン基板表面には保護用のシリ
コン酸化膜11が形成されている。この梁構造を有する
シリコン基板は重り3と対抗するような窪みを有するパ
イレックス・ガラスからなる台座1上に接合され、重り
23の底面と窪みの間には比較的狭いエア・ギャップ8
が形成されている。
て説明する。図1は、この発明の実施の形態である半導
体加速度センサの断面図である。検出部は(100)p
形シリコン基板上に形成されたn形エピタキシャル層9
からなる肉薄の梁2により重り3が両側から周囲のフレ
ーム4に懸架・支持された構造になっている。梁2の両
側接続部近傍には表面からp形ピエゾ抵抗6が拡散形成
されていて、電極結線によりホイートストン・ブリッジ
が形成されていて(図示せず)、その出力が基板端部に
形成されたパッド電極10から取り出せるような構成と
なっている。また、シリコン基板表面には保護用のシリ
コン酸化膜11が形成されている。この梁構造を有する
シリコン基板は重り3と対抗するような窪みを有するパ
イレックス・ガラスからなる台座1上に接合され、重り
23の底面と窪みの間には比較的狭いエア・ギャップ8
が形成されている。
【0007】一方、シリコン基板上面にも重り3と対向
するような窪みを有するパイレックス・ガラスからなる
キャップ5が接合されていて、広いエア・ギャップ7が
形成されている。エア・ギャップ7の長さd1とエア・
ギャップ8の長さd2は重り3の上面の面積S1と重り
の底面の面積S2に対して、 S12 /d13 =S22 /d23 ……(式1) の関係が成立するように設定されている。
するような窪みを有するパイレックス・ガラスからなる
キャップ5が接合されていて、広いエア・ギャップ7が
形成されている。エア・ギャップ7の長さd1とエア・
ギャップ8の長さd2は重り3の上面の面積S1と重り
の底面の面積S2に対して、 S12 /d13 =S22 /d23 ……(式1) の関係が成立するように設定されている。
【0008】この構成においてシリコン基板に対して垂
直方向に加速度が印加されると、梁2の表面に加速度に
比例した応力が生じ、それがブリッジ回路により電圧に
変換されて出力される。
直方向に加速度が印加されると、梁2の表面に加速度に
比例した応力が生じ、それがブリッジ回路により電圧に
変換されて出力される。
【0009】次にこの加速度センサの製造方法について
図2の(a)〜(d)の図を基に簡単に説明する。
(a)に示すように、最初に(100)p形シリコン基
板17の上に梁2の厚さに対応した厚さでn形エピタキ
シャル層9を成長させ、表面にシリコン酸化膜11を熱
酸化により形成する。
図2の(a)〜(d)の図を基に簡単に説明する。
(a)に示すように、最初に(100)p形シリコン基
板17の上に梁2の厚さに対応した厚さでn形エピタキ
シャル層9を成長させ、表面にシリコン酸化膜11を熱
酸化により形成する。
【0010】(b)に示すように、ボロンのイオン注入
によりp形ピエゾ抵抗6を選択的に形成した後、n形エ
ピタキシャル層9に電圧バイアスするためのn+領域
(図示せず)を形成する。次にシリコン基板裏面の酸化
膜をパターンニングして異方性エッチングのための耐エ
ッチ・マスク層12を形成する。
によりp形ピエゾ抵抗6を選択的に形成した後、n形エ
ピタキシャル層9に電圧バイアスするためのn+領域
(図示せず)を形成する。次にシリコン基板裏面の酸化
膜をパターンニングして異方性エッチングのための耐エ
ッチ・マスク層12を形成する。
【0011】(c)に示すように、シリコン酸化膜11
を選択的にエッチングをしてコンタクトを形成し、n形
ピエゾ抵抗6をブリッジ接続するためのA1の電極配線
を形成する(図示せず)。この時パッド電極10が形成
される。次にn形エピタキシャル層9に正の電圧をバイ
アスしながら、KOHやヒドラジン等の異方性エッチ液
を用いてシリコン基板17を裏面からエッチするエレク
トロケミカル・エッチングを行う。エッチングはn形エ
ピタキシャル層9のpn接合で停止し、n形エピタキシ
ャル層9からなる梁2で重り3をシリコン基板からなる
フレーム4に支持するような構造体が完成する。
を選択的にエッチングをしてコンタクトを形成し、n形
ピエゾ抵抗6をブリッジ接続するためのA1の電極配線
を形成する(図示せず)。この時パッド電極10が形成
される。次にn形エピタキシャル層9に正の電圧をバイ
アスしながら、KOHやヒドラジン等の異方性エッチ液
を用いてシリコン基板17を裏面からエッチするエレク
トロケミカル・エッチングを行う。エッチングはn形エ
ピタキシャル層9のpn接合で停止し、n形エピタキシ
ャル層9からなる梁2で重り3をシリコン基板からなる
フレーム4に支持するような構造体が完成する。
【0012】(d)に示すように、耐エッチ・マスク膜
12を除去した後、梁構造を有するシリコン基板をパイ
レックス・ガラスからなる台座1に陽極接合する。台座
1の重り3に対向する領域には窪みが形成されていて、
重り3が自由に変位できるような構成となっている。こ
の後、重り3に対向する領域には窪みが形成されたパイ
レックス・ガラスからなるキャップ5をシリコン基板上
面に陽極接合することにより図1に示す半導体加速度セ
ンサが完成する。
12を除去した後、梁構造を有するシリコン基板をパイ
レックス・ガラスからなる台座1に陽極接合する。台座
1の重り3に対向する領域には窪みが形成されていて、
重り3が自由に変位できるような構成となっている。こ
の後、重り3に対向する領域には窪みが形成されたパイ
レックス・ガラスからなるキャップ5をシリコン基板上
面に陽極接合することにより図1に示す半導体加速度セ
ンサが完成する。
【0013】次に作用を説明する。図1の加速度センサ
において、重り3の上面及び底面の形状がほぼ相似形と
し、重り3の上面の面積をS1、底面の面積をS2、重
り3の上側のエア・ギャップ7の長さをd1、下側のエ
ア・ギャップ8の長さをd2とすると、印加加速度に対
応して重り3が上側及び下側に変位する時のエア・ダン
ピングのダンピング定数λ1及びλ2はそれぞれ次のよ
うに表すことができる。 λ1=K・S12 /d13 ……(式2) λ2=K・S22 /d23 ……(式3) ここでKは気体の粘性定数を含む比例定数である。台座
1及びキャップ5に窪みを形成するエッチングの時間を
調節して、前記(式1)の関係が成立するようにd1、
d2の値を設定するとダンピング定数λ1とλ2は等し
くなり、重り3の上下の変位に対してほぼ同等のエア・
ダンピングを実現することができる。したがって、高周
波あるいは過大の加速度が印加された場合、正負の加速
度に対してほぼ同等のダンピングが効き、波形歪みによ
る出力誤差を低減することが可能となる。
において、重り3の上面及び底面の形状がほぼ相似形と
し、重り3の上面の面積をS1、底面の面積をS2、重
り3の上側のエア・ギャップ7の長さをd1、下側のエ
ア・ギャップ8の長さをd2とすると、印加加速度に対
応して重り3が上側及び下側に変位する時のエア・ダン
ピングのダンピング定数λ1及びλ2はそれぞれ次のよ
うに表すことができる。 λ1=K・S12 /d13 ……(式2) λ2=K・S22 /d23 ……(式3) ここでKは気体の粘性定数を含む比例定数である。台座
1及びキャップ5に窪みを形成するエッチングの時間を
調節して、前記(式1)の関係が成立するようにd1、
d2の値を設定するとダンピング定数λ1とλ2は等し
くなり、重り3の上下の変位に対してほぼ同等のエア・
ダンピングを実現することができる。したがって、高周
波あるいは過大の加速度が印加された場合、正負の加速
度に対してほぼ同等のダンピングが効き、波形歪みによ
る出力誤差を低減することが可能となる。
【0014】図3に異方性エッチングにより得られる重
りの形状を示す。重り3の上面14と底面13は(10
0)面であり、四つめの斜めの側面15は(111)面
である。したがって、今例えば、シリコン基板の厚さを
400μm、重り3の上面14の寸法を1.5mm×
1.5mmとすると、S1=2.25mm2 、S2=
0.87mm2 となり、d2=1μmならばd1=2.
4μm、d2=2μmならば、d1=4.8μmとする
ことにより(式1)を成立させ、上下のダンピングを等
しくして出力誤差を低減することができる。
りの形状を示す。重り3の上面14と底面13は(10
0)面であり、四つめの斜めの側面15は(111)面
である。したがって、今例えば、シリコン基板の厚さを
400μm、重り3の上面14の寸法を1.5mm×
1.5mmとすると、S1=2.25mm2 、S2=
0.87mm2 となり、d2=1μmならばd1=2.
4μm、d2=2μmならば、d1=4.8μmとする
ことにより(式1)を成立させ、上下のダンピングを等
しくして出力誤差を低減することができる。
【0015】図4には他の実施の形態を示す。この実施
の形態は、パイレックス・ガラスの台座1とキャップ5
の窪みの深さを等しくし、台座1の窪みの中だけに電極
16を形成して、上下のエア・ギャップ長と重り面積の
間に(式1)が成立するように調整したものである。他
の構成については図1の実施例とまったく同じであるの
で説明を省略する。図4のように構成することにより台
座1とキャップ5の窪みのエッチング工程が同じにな
り、製造工程を簡略化できる他、窪みのエッチング後窪
みの深さを測定し、それに合わせて電極16の厚さを調
整することによりエア・ギャップ長の設定精度を向上さ
せる事ができる。
の形態は、パイレックス・ガラスの台座1とキャップ5
の窪みの深さを等しくし、台座1の窪みの中だけに電極
16を形成して、上下のエア・ギャップ長と重り面積の
間に(式1)が成立するように調整したものである。他
の構成については図1の実施例とまったく同じであるの
で説明を省略する。図4のように構成することにより台
座1とキャップ5の窪みのエッチング工程が同じにな
り、製造工程を簡略化できる他、窪みのエッチング後窪
みの深さを測定し、それに合わせて電極16の厚さを調
整することによりエア・ギャップ長の設定精度を向上さ
せる事ができる。
【0016】以上図では、簡単のため、両持ち梁構造に
ついて示してきたが、片持ち梁構造あるいはダイアフラ
ム構造についても当然同様に適用することができる。ま
た検出部だけでなく、同一チップ上に信号処理用周辺回
路を集積するような集積化センサにも適用することがで
きる。
ついて示してきたが、片持ち梁構造あるいはダイアフラ
ム構造についても当然同様に適用することができる。ま
た検出部だけでなく、同一チップ上に信号処理用周辺回
路を集積するような集積化センサにも適用することがで
きる。
【0017】
【発明の効果】 以上説明してきたように、この発明に
よれば、その構成を(100)シリコン基板を裏面から
異方性エッチングして得られる、四角錘状の重りを肉薄
の梁で周囲のフレームに支持する構造体を前記重りと対
向した窪みを有するような台座とキャップで両側から挟
み込んでサンドウィッチ構造形成し、前記重りの上面の
面積S1と底面の面積S2に対して、対応するエア・ギ
ャップの長さd1とd2が、S12 /d13 =S22 /
d23 の関係式を満足するような構成としたため、重り
上下のダンピング定数が等しくなり、高周波あるいは過
大な加速度が入力された時の波形歪みが小さくなり、出
力誤差を低減できるという効果が得られる。
よれば、その構成を(100)シリコン基板を裏面から
異方性エッチングして得られる、四角錘状の重りを肉薄
の梁で周囲のフレームに支持する構造体を前記重りと対
向した窪みを有するような台座とキャップで両側から挟
み込んでサンドウィッチ構造形成し、前記重りの上面の
面積S1と底面の面積S2に対して、対応するエア・ギ
ャップの長さd1とd2が、S12 /d13 =S22 /
d23 の関係式を満足するような構成としたため、重り
上下のダンピング定数が等しくなり、高周波あるいは過
大な加速度が入力された時の波形歪みが小さくなり、出
力誤差を低減できるという効果が得られる。
【図1】本発明の実施の形態の半導体加速度センサを示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】その製造プロセスを示す説明図である。
【図3】重りの形状を示す斜視図である。
【図4】他の実施の形態の半導体加速度センサを示す断
面図である。
面図である。
【図5】従来例の半導体加速度センサの断面図である。
1 台座 2 梁 3 重り 4 フレーム 5 キャップ 6 p形ピエゾ抵抗 7 エア・ギャップ 8 エア・ギャップ 9 n形エピタキシャル層 10 パッド電極 11 シリコン酸化膜 12 耐エッチ・マスク 13 重り底面 14 重り上面 15 重り側面 16 電極 17 p形シリコン基板
Claims (3)
- 【請求項1】 (100)シリコン基板を裏面から選択
的に異方性エッチングして得られる四つの側面が(11
1)面で上下面が(100)面であるような四角錘状の
重りを肉薄の単数もしくは複数の梁で周囲のフレームに
懸架・支持するような構造体と、前記梁上に形成され前
記梁上の応力を検出するためのピエゾ抵抗と、前記重り
と対向する窪みを有して前記シリコン基板の裏面に接合
された台座と、前記重りと対向する窪みを有して前記シ
リコン基板の上面に接合されたキャップとを有して前記
シリコン基板と垂直方向に印加された加速度を該ピエゾ
抵抗の抵抗値変化として検出するような半導体加速度セ
ンサにおいて、 前記重りの上面の面積S1と前記重りの底面の面積S2
に対して、前記重りの上面と底面が前記キャップ及び台
座との間でそれぞれ形成するエア・ギャップの長さd1
とd2が関係式 S12 /d13 =S22 /d23 を満足するように前記窪みの深さが設定され、正方向と
負方向の加速度に対する前記エア・ギャップによるエア
・ダンピングのダンピング定数が等しくなっていること
を特徴とする半導体加速度センサ。 - 【請求項2】 上記台座及びギャップがガラスで構成さ
れ、上記窪みが前記ガラスの基板を選択的にエッチング
して形成されていることを特徴とする請求項1記載の半
導体加速度センサ。 - 【請求項3】 上記台座及びギャップの窪みの深さが等
しく、前記台座の窪みの中に上記重り底面のエア・ギャ
ップの長さを調節するための電極膜が形成されていて、
上記エア・ギャップの関係式を満足するようにしたこと
を特徴とする請求項1もしくは2記載の半導体加速度セ
ンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33735395A JP3327088B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 半導体加速度センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33735395A JP3327088B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 半導体加速度センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09178770A true JPH09178770A (ja) | 1997-07-11 |
JP3327088B2 JP3327088B2 (ja) | 2002-09-24 |
Family
ID=18307827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33735395A Expired - Fee Related JP3327088B2 (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 半導体加速度センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3327088B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506203A (ja) * | 2000-08-04 | 2004-02-26 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | マイクロマシニング技術を用いた構成素子 |
JP2010066231A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Mitsubishi Electric Corp | 加速度センサ |
-
1995
- 1995-12-25 JP JP33735395A patent/JP3327088B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506203A (ja) * | 2000-08-04 | 2004-02-26 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | マイクロマシニング技術を用いた構成素子 |
JP2010066231A (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-25 | Mitsubishi Electric Corp | 加速度センサ |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3327088B2 (ja) | 2002-09-24 |
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