JP2016027313A - 温度センサ及び温度センサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度センサ1は、温度検出部5、ハウジング2、コネクタ部材3及び衝部材4を有している。温度検出部5は、温度を検出する感温素子51を備えている。コネクタ部材3は、ハウジング2の軸方向Xにおいて、ハウジング2側に設けられたコネクタ対向面301を有しており、ハウジング2は、コネクタ対向面301と対向するハウジング対向面201を有している。コネクタ対向面301とハウジング対向面201とは、互いに離れた位置に配置され両者の間には空隙71が形成されており、緩衝部材4は空隙71に配置されている。温度センサ1は、緩衝部材4が弾性変形することにより、コネクタ部材3とハウジング2とが軸方向Xにおいて、互いに移動可能に構成されている。
【選択図】図3
Description
特許文献1に示された温度センサは、コネクタとハウジングとが軸方向において当接した状態で一体に固定されている。そのため、内燃機関等の振動がハウジングを介して、コネクタへと伝達されやすい。コネクタに振動が伝達されると、このコネクタと、接続される外部機器側コネクタとの間において擦れが生じる。これにより、コネクタ及び外部機器側コネクタに内蔵された接続端子の摩耗等が生じるおそれがある。
また、コネクタとハウジングとは、ハウジングに包みかしめを施すことによって、一体に固定されている。包みかしめによって、コネクタが押圧されることにより、コネクタに残留応力が生じるおそれがある。コネクタにおける残留応力を抑制するためには、かしめ量の調整等が必要となり、温度センサの生産性が低下しやすい。
該温度検出部の基端側に配設される筒状のハウジングと、
該ハウジングの基端側に配設されるコネクタ部材と、
上記コネクタ部材と上記ハウジングとの間に配置される弾性変形可能な緩衝部材とを有しており、
上記コネクタ部材は、上記ハウジングの軸方向において、該ハウジング側に設けられたコネクタ対向面を有しており、
上記ハウジングは、上記コネクタ対向面と対向するハウジング対向面を有しており、
上記コネクタ対向面と上記ハウジング対向面とは、互いに離れた位置に配置され両者の間には空隙が形成されており、上記緩衝部材は上記空隙に配置されており、
上記緩衝部材が弾性変形することにより、上記コネクタ部材と上記ハウジングとが上記軸方向において、互いに移動可能に構成されていることを特徴とする温度センサにある。
上記コネクタ部材は、上記ハウジングの軸方向において、該ハウジング側に設けられたコネクタ対向面を有しており、上記ハウジングは、上記コネクタ対向面と対向するハウジング対向面を有しており、上記コネクタ対向面と上記ハウジング対向面とは、互いに離れた位置に配置され両者の間には空隙が形成されており、上記緩衝部材は上記空隙に配置されており、上記緩衝部材が弾性変形することにより、上記コネクタ部材と上記ハウジングとが上記軸方向において、互いに移動可能に構成され、
上記コネクタ部材は、上記軸方向と直交する径方向に向かって突出した鍔部を有しており、上記ハウジングは、上記コネクタ部材側に向かって延設され上記鍔部を収容可能な筒状の連結部を有しており、
上記空隙に上記緩衝部材を配置した状態で、上記鍔部を上記連結部の内側に配置し、
上記連結部の上記コネクタ部材側の端部を、上記連結部の内側でかつ上記ハウジング側に向かって変形させて、上記鍔部を包む包みかしめ部を形成し、
該包みかしめ部を形成する際には、上記連結部を変形させる加工荷重と、上記連結部における変形開始からの加工時間とを検出し、上記加工荷重が所定の荷重閾値を超えると共に、上記加工時間が所定の時間閾値を超えた際に上記包みかしめ部の形成を完了することを特徴とする温度センサの製造方法にある。
また、上記加工荷重及び上記加工時間の両方を検出することにより、上記加工荷重の異常な上昇などを検知することができる。これにより、上記包みかしめ部における成形不良の発生を抑制することができる。
上記温度センサにかかる実施例について、図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すごとく、温度センサ1は、温度検出部5、ハウジング2、コネクタ部材3及び緩衝部材4を有している。温度検出部5は、温度を検出する感温素子51を備えている。ハウジング2は、温度検出部5の基端側に配設されており筒形状に形成されている。コネクタ部材3は、ハウジング2の基端側に配設されている。緩衝部材4は、コネクタ部材3とハウジング2との間に配置されており、弾性変形可能に構成されている。
図1〜図4に示すごとく、本例において、温度センサ1の軸方向Xにおける、温度検出部5が配設された側を先端側とし、先端側と反対側を基端側として説明する。
本例の温度センサ1は、自動車の内燃機関においてエキゾーストマニホールド内の排ガスの温度を計測するために用いられる。尚、温度センサ1は、エキゾーストマニホールド以外にも排ガスを流通する排気管や、冷却水を流通する配管等に用いることもできる。
温度検出部5は、温度を検出する感温素子51と、感温素子51を収納する保護チューブ53と、保護チューブ53の内側において感温素子51を固定するための充填材55とを有している。
感温素子51は、基端側に向かって延設された一対の素子電極線52を有している。一対の素子電極線52は、コネクタ部材3の内側に配置された一対のターミナル6とそれぞれ電気的に接続されている。
充填材55は、一対の素子電極線52における先端側の一部及び素子電極線52の周囲を覆うように、保護チューブ53の先端側に充填されている。充填材55としては、例えば、セメント等を用いることができる。
ハウジング固定部21は、略円筒形状をなしており、その外側面にはネジ山が形成されている。内燃機関のエキゾーストマニホールドに形成されたネジ穴に、ハウジング固定部21を螺号することにより、温度センサ1をエキゾーストマニホールドに固定することができる。また、ハウジング固定部21の先端側に位置する端面には、先端側に向かって延設された円筒状の先端突出部211が形成されている。この先端突出部211には、保護チューブ53の拡径部54が嵌合される。
図1〜図7に示すごとく、包みかしめ部22は、ハウジング2とコネクタ部材3とを固定する前の状態において、略円筒状の連結部220をなしており工具係合部23から基端側に向かって延設されている。連結部220には、径方向内側に向かって突出する一対の係合凸部221が形成されている。一対の係合凸部221は、互いに対向する位置に形成されている。
図3〜図5に示すごとく、コネクタ底部33における外側面には、径方向外側に突出した略円環状の鍔部31が形成されている。鍔部31における基端側の角部には、一対の係合凹部311が形成されている。一対の係合凹部311は互いに反対側の位置でかつ、コネクタ部材3における一対の係合凸部221と対応した位置にそれぞれ形成されている。尚、係合凹部311と係合突部221との軸方向Xにおける係合長さはSとする。
図8は、縦軸を包みかしめ部22形成時の加工荷重とし、横軸を上型を前進させた際の加工時間としたグラフである。尚、本グラフのデータは、一例を示すものであり、サイズや形状によって変化する場合がある。
上型は、略円環状をなしており、連結部220から包みかしめ部22を形成するための加工面を有しており、軸方向Xに進退可能に構成されている。加工面は、包みかしめ部22の外形形状と略同一形状に形成されている。下型は、ハウジング2を保持しており、上型を下型に向かって前進させ、上型と下型とによって連結部220を挟み込む。これにより、連結部220の開口端を径方向内側でかつ下型側に向かって変形させ、包みかしめ部22が形成される。
図8に示すごとく、加工時間t1において上型と連結部220が接触すると、加工荷重が上昇し始める。そして、加工時間t2を経過した時点で連結部220の材料が降伏し、加工荷重が低下する。その後、加工時間t3を経過すると、再度、加工荷重が上昇を始める。このとき、図7に示すごとく、コネクタ部材3の突出部34が、ハウジング2部材と接触しており、加工時間t3以降はコネクタ部材3をたわませながら、包みかしめ部22が形成される。
温度センサ1において、コネクタ対向面301とハウジング対向面201とは、互いに離れた位置に配置され両者の間には空隙71が形成されている。また、空隙71に配置された緩衝部材4が弾性変形することにより、コネクタ部材3とハウジング2とが軸方向Xにおいて、互いに移動可能に構成されている。そのため、ハウジング2に振動が伝達された際には、ハウジング2とコネクタ部材3が互いに軸方向Xに移動することにより振動の伝達が抑制される。さらに、緩衝部材4によって振動を吸収することにより、コネクタ部材3への振動の伝達をより効果的に抑制することができる。
また、加工荷重及び加工時間の両方を検出することにより、加工荷重の異常な上昇などを検知することができる。これにより、包みかしめ部22における成形不良の発生を抑制することができる。
本試験は、試料1〜試料3を用いて、温度センサ1における共振周波数及び共振倍率の変化を確認した。
試料1〜試料3は、いずれも実施例1に示した温度センサ1におけるハウジング2、コネクタ部材3及び緩衝部材4の3つの部品により構成されている。
試料1において、空隙71の大きさH、突出部34の高さH1、補助空隙72の大きさH2及び緩衝部材4の高さH0は実施例1と同様である。
試料3は、試料2に対して、ハウジング2とコネクタ部材3とを強く接触させたものである。空隙71の大きさH、補助空隙72の大きさH2は試料2と同様であるが、連結部220の包みかしめを、コネクタ部材3側に0.03mm、入り込むように形成してある。
上述以外の構成は、実施例1に示した温度センサ1と同様である。
図11に示すごとく、試料1においては、試料2及び試料3に対して、共振周波数の低下及び共振倍率が低減することが確認された。したがって、実施例1に示した温度センサ1によれば、ハウジング2からコネクタ部材3へ伝達される振動を効果的に抑制することができる。
2 ハウジング
201 ハウジング対向面
3 コネクタ部材
301 コネクタ対向面
4 緩衝部材
5 温度検出部
51 感温素子
71 空隙
Claims (7)
- 温度を検出する感温素子(51)を備えた温度検出部(5)と、
該温度検出部(5)の基端側に配設される筒状のハウジング(2)と、
該ハウジング(2)の基端側に配設されるコネクタ部材(3)と、
上記コネクタ部材(3)と上記ハウジング(2)との間に配置される弾性変形可能な緩衝部材(4)とを有しており、
上記コネクタ部材(3)は、上記ハウジング(2)の軸方向において、該ハウジング(2)側に設けられたコネクタ対向面(301)を有しており、
上記ハウジング(2)は、上記コネクタ対向面(301)と対向するハウジング対向面(201)を有しており、
上記コネクタ対向面(301)と上記ハウジング対向面(201)とは、互いに離れた位置に配置され両者の間には空隙(71)が形成されており、上記緩衝部材(4)は上記空隙(71)に配置されており、
上記緩衝部材(4)が弾性変形することにより、上記コネクタ部材(3)と上記ハウジング(2)とが上記軸方向において、互いに移動可能に構成されていることを特徴とする温度センサ(1)。 - 上記緩衝部材(4)は円環状に形成されると共に上記軸方向と中心軸とが同軸上となるように配置されたOリングであり、上記コネクタ対向面(301)には、上記Oリングの内周に挿通されるように上記ハウジング(2)側に向かって突出する突出部(34)が形成されており、上記軸方向において、上記突出部(34)の突出高さは、上記ハウジング(2)と上記コネクタ部材(3)との間に配置された上記Oリングの高さよりも小さく、上記突出部(34)と上記ハウジング対向面(201)との間には補助空隙(72)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ(1)。
- 上記ハウジング(2)及び上記コネクタ部材(3)のいずれか一方の部品には、他方の部品に向かって突出した係合凸部(221)が少なくとも1つ形成されており、他方の部品には、上記係合凸部(221)と対応した位置に、一方の部品と反対側に向かって窪んだ係合凹部(311)が形成されており、上記係合凸部(221)が上記係合凹部(311)の内側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度センサ(1)。
- 上記緩衝部材(4)は、フッ素ゴムによって形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度センサ(1)。
- 上記ハウジング(2)と上記コネクタ部材(3)との間に配設された上記緩衝部材(4)の高さは、上記ハウジング(2)と上記コネクタ部材(3)との間に配置される前の上記緩衝部材(4)の高さに対して、18%〜30%圧縮されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度センサ(1)。
- 上記コネクタ部材(3)は、上記軸方向と直交する径方向に向かって突出した鍔部(31)を有しており、上記ハウジング(2)は、上記コネクタ部材(3)側に向かって形成された筒状の連結部(220)を、上記鍔部(31)を包み込むように変形させた包みかしめ部(22)を有しており、上記コネクタ部材(3)と上記ハウジング(2)とは、上記鍔部(31)と上記包みかしめ部(22)とからなる包みかしめ構造によって互いに固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の温度センサ(1)。
- 温度を検出する感温素子(51)を備えた温度検出部(5)と、該温度検出部(5)の基端側に配設される筒状のハウジング(2)と、該ハウジング(2)の基端側に配設されるコネクタ部材(3)と、上記コネクタ部材(3)と上記ハウジング(2)との間に配置される弾性変形可能な緩衝部材(4)とを有するた温度センサ(1)を製造する製造方法であって、
上記コネクタ部材(3)は、上記ハウジング(2)の軸方向において、該ハウジング(2)側に設けられたコネクタ対向面(301)を有しており、上記ハウジング(2)は、上記コネクタ対向面(301)と対向するハウジング対向面(201)を有しており、上記コネクタ対向面(301)と上記ハウジング対向面(201)とは、互いに離れた位置に配置され両者の間には空隙(71)が形成されており、上記緩衝部材(4)は上記空隙(71)に配置されており、上記緩衝部材(4)が弾性変形することにより、上記コネクタ部材(3)と上記ハウジング(2)とが上記軸方向において、互いに移動可能に構成され、
上記コネクタ部材(3)は、上記軸方向と直交する径方向に向かって突出した鍔部(31)を有しており、上記ハウジング(2)は、上記コネクタ部材(3)側に向かって延設され上記鍔部(31)を収容可能な筒状の連結部(220)を有しており、
上記空隙(71)に上記緩衝部材(4)を配置した状態で、上記鍔部(31)を上記連結部(220)の内側に配置し、
上記連結部(220)の上記コネクタ部材(3)側の端部を、上記連結部(220)の内側でかつ上記ハウジング(2)側に向かって変形させて、上記鍔部(31)を包む包みかしめ部(22)を形成し、
該包みかしめ部(22)を形成する際には、上記連結部(220)を変形させる加工荷重と、上記連結部(220)における変形開始からの加工時間とを検出し、上記加工荷重が所定の荷重閾値を超えると共に、上記加工時間が所定の時間閾値を超えた際に上記包みかしめ部(22)の形成を完了することを特徴とする温度センサ(1)の製造方法。
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