JP2016027072A - 焼成鉛筆芯 - Google Patents

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Abstract

【課題】細線状の焼成鉛筆芯において、焼成した芯は得られるものの、十分な折損強度を得ようとすると芯体が磨耗しにくく筆跡濃度が低下してしまう。この問題を改善し、曲げ強さと筆記線の濃度とのバランスのよい焼成鉛筆芯を提供する。【解決手段】黒鉛と熱可塑性樹脂の合計重量に対する熱可塑性樹脂の重量割合が、42〜50重量%である配合材料を、混練し細線状に押出成形した後に熱処理を施し、横断面直径が、0.05〜0.25mmであると共に、側壁の長手方向に、高さが横断面直径に対して0.3〜4.5%である凸条を複数形成した焼成鉛筆芯。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも黒鉛と合成樹脂とを混練し細線状に成型した後に焼成して得られる焼成鉛筆芯に関する。
従来、焼成鉛筆芯は、着色材としての黒鉛と、塩化ビニル樹脂などの合成樹脂と、その他配合物を混練し、細線状に押し出し成形した後、1300℃程度までの熱処理を施された黒鉛と樹脂炭化物との基本骨格により形成されている。
芯自身の摩耗によって黒鉛等の着色材を紙面に定着させるため、筆記圧力で摩耗することが前提であり、崩れやすい芯体とすることで摩耗しやすく摩耗粉を紙面に多く提供することで濃くはっきりした筆跡とすることができるが、崩れやすい芯体は曲げ強さが弱く、シャープペンシルの先部材から突出させた部分が筆圧で折れたり、筆圧や外部からの衝撃によりシャープペンシルの先部材内や鉛筆の木軸の中で崩れたり、チャックで把持している部分が崩れてステンパイプなど先部材内で残芯状態になり甚だしく筆記し難いという問題がある。即ち、筆跡濃度と曲げ強さとが逆相関の関係となっている。
特に、近年、特にシャープペンシルにおいて直径0.3mm以下といった細線状の芯への要望が高まっているが、当然に細いので折れやすく、焼成した芯は得られるものの、上記の問題で十分な曲げ強さを得ようとすると、崩れにくく筆跡濃度が満足できないものであった。現在、市場で最も細いシャープペンシル用芯は、商品包装に表示されている芯の直径では0.2mmとされているものの実測寸法は約0.28mm程度のものが流通しているが、より直径の細い直径0.2mm未満の超細径のシャープペンシル用芯の開発も望まれている。
筆跡濃度を維持しながら、芯体の折れや崩れを抑制しようとして、例えば、特許文献1には、特殊なノズルを使用した異型押出成形により芯の直径に対して最大値が5〜15%の凹溝を形成することで、チャックの把持で芯の表面が削り取られても凹溝に強靭な外皮が残留して曲げ強さを保つ芯の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、特殊なノズルで押出成形することで芯体の体質材を押出軸方向に対して螺旋状に配向させ、芯体横方向の1種の編み目構造を作りだして、濃度、書き味を保持しながら曲げ強さを向上させる芯とその製造方法が開示されている。
特開昭61−248798号公報 特開平07−216286号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の発明では、押出成形時に使用するダイスは、細径芯の押出になるほど吐出口径が小さくなるので内壁に凹凸を形成する加工が難しい。また、吐出口径が小さくなるほど押出の際にダイス内壁にかかる圧力は大きくなるため、加工した微細な凸部が材料の押出が続くことで摩耗したり、凹部に材料が詰まり所望の芯の外形が得られ難いものである。
更に、熱可塑性樹脂を配合したものは焼成時の体積収縮によって横断面異型の細線状に押出成形された芯に割れやフクレが発生しやすく、また、ダイスの内壁の凹凸により材料の流れが乱れることで配合物がランダムな方向を向いた状態で成形されるので、微視的には硬くて摩耗し難い芯となり、濃い筆跡を形成できない半面、巨視的には脆くなる傾向にあり、実際には濃く鮮明な筆跡と滑らかな書き味、強い曲げ強度を満足することができないものであった。
即ち、本発明は、少なくとも黒鉛と熱可塑性樹脂とからなる配合材料を、混練し細線状に押出成形した後に熱処理を施してなる焼成鉛筆芯において、横断面直径が0.20mm以下であると共に、前記黒鉛と熱可塑性樹脂との合計の配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量比率が42重量%以上50重量%以下とし、芯側壁の長手方向に連続して高さが横断面直径に対して0.3%以上4.5%以下である複数の凸条を形成した焼成鉛筆芯を第1の要旨とし、更に、前記凸条の幅が20μm以下である焼成鉛筆芯を第2の要旨とする。
本発明において、「凸条の高さ」とは、芯の長手方向に対して、任意の位置で垂直に切断した芯の横断面を、電子顕微鏡(超深度マルチアングルレンズVHX−D500、(株)キーエンス製)を使用して倍率1000倍にて観察して得られた2次電子画像において、芯の横断面の外形に外側から接する最小径の円の半径と、芯の横断面の内側内に描き得る最大径の円の半径との差とする。
「横断面直径」とは、前述の芯の横断面の外形に外側から接する最小径の円の直径のことをいう。
一般的に、熱可塑性樹脂を配合材料に用いた場合には、熱処理時に樹脂の分解により芯体が収縮し、芯の側面には複数の凸条が形成される。配合材料中の、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計に対する熱可塑性樹脂の割合が42重量%以上50重量%以下のとき、熱処理にて横断面直径に対して比較的高い凸条が形成される。これは、外側から収縮する際、焼成された配合物の密度が高まりつつ外皮部分が応力を逃がすように折れ曲がりながら収縮し、高さが横断面直径に対して0.3%以上4.5%以下と比較的高い凸条が形成されるものと推察される。また、熱処理後に炭化物となった熱可塑性樹脂が、押出成形によって芯体の長手方向に沿って配向された黒鉛粒子の間に残存して強固に結びつけ、高密度かつ強固に結合された配合物が凸条の中で形成されて梁として機能し芯体を支えるため、横断面直径が0.2mm以下という極めて細い焼成鉛筆芯であっても折り曲げ強さが高く、また、チャックの把持のような垂直方向に係る力では崩れ難いものとなる。
加えて、この凸条の幅が20μm以下であることによって、筆記面では芯体の微細な凸部分が紙面の凹凸のくぼみに入り込みやすく、摩耗粉が均一に紙面に乗った、より隠蔽性の高い濃く鮮明な筆記線を得ることができる。紙の表面の凹凸で芯が削られるため文字が書けるわけであるが、原紙ではこの凹凸の深さの平均が約10μm、塗工紙では平均3μm(「紙のはなしI」、第110項、技報堂出版株式会社出版、1985年5月25日発行)であり、非塗工の筆記用紙はこの範囲の平均の深さであるため、幅が20μm以下の凸条は紙面表面のくぼみに入り込みやすく、樹脂炭化物による接着力が高く表面がチャックでは崩れづらくとも、紙面との摩擦により働く力が黒鉛自身を極めて微細に劈開するため、芯体の摩耗が促進されると推察される。
以下、本発明を詳細に説明する。
黒鉛としては鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土壌黒鉛、人造黒鉛などが挙げられるが、これらの黒鉛は1種類単独で用いても、2種類以上の黒鉛を用いても構わない。また、黒鉛を配合量全体の30重量%以上とすることで、熱処理後に芯体を構成する黒鉛の割合が80重量%以上になり、着色剤として十分な量の黒鉛粒子が存在するため十分な濃度の筆記線となる。しかし、黒鉛を配合量全体の45重量%を超えて配合すると、芯体中で黒鉛を結合させる樹脂炭化物の割合が少なくなり、本発明の効果範囲から外れる脆い構造の芯体となってしまう。
熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン樹脂、ポリビニルアルコール、スチロール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレンーブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド樹脂、ブチルゴムなどの熱可塑を必要に応じて1種または2種以上併用できる。また、熱処理後の芯体中に樹脂炭化物として存在する熱可塑性樹脂の割合は、選択する樹脂の種類にも因るが、塩化ビニルなど含塩素樹脂を使用した場合には、樹脂を配合材料全体の20重量%以上とすることで、焼成後の芯体を構成する炭化物の割合を10重量%から20重量%程度にすることができ、黒鉛粒子を結合する役割を果たすことができる。しかし、熱可塑性樹脂を配合量全体の40重量%を超えて配合すると、芯体中での黒鉛が少なくなり、黒鉛を結合する樹脂炭化物の割合が多くなるため、芯体が崩れ難くなり、濃度が薄く、書き味も硬い芯体となってしまう。
黒鉛や熱可塑性樹脂以外にも、焼成鉛筆芯として公知の配合材料を使用できる。例えば、配合材料の混練時の均一分散性を高め、焼成時に気化することで芯体に細孔を形成する目的で、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、ジオクチルアジペート、ジアリルイソフタレート、トリクレジルホスフェート、アジピン酸ジオクチルなどの可塑剤や、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン類やエタノール等のアルコール類、水などの溶剤が配合できる。上記可塑剤や溶剤は、熱処理の際に芯体中から気化して芯体中に細孔を形成するため、配合量全体の20重量%以上とするとよい。配合量全体の40重量%を超えて配合すると芯体中の細孔の量が多くなりすぎ、脆い芯体となってしまう。
更に、材料の混練や押出成形など製造工程中での合成樹脂の熱劣化を防止する安定剤として、ステアリン酸塩や有機スズカルボン酸塩などを使用できる。
また、成形性や離形性を高める滑材として、ステアリン酸、ベヘニン酸などの脂肪酸類や脂肪酸アマイド類等を配合することもできる。
更に、芯体の横断面の真円度などの芯体外観品質を高め、シャープペンシルのチャックでの把持による芯体の崩れを防止するために、鉄、アルミニウム、チタン、亜鉛等金属の酸化物や窒化物、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、炭素繊維、非晶質板状シリカといった無機体質材を使用することもできる。これらの無機体質材は配合量全体に対して3重量%程度で十分な効果を発揮する。
これら配合材料をニーダー、ヘンシェルミキサー、3本ロールなどで均一に分散させた後、細線状に押出成形し、使用する樹脂に応じて昇温速度などを調整し、最終的に非酸化雰囲気中で800℃〜1300℃の焼成処理を施すことで焼成鉛筆芯を得る。その後、芯体の摩耗促進、摩耗粉の紙面への定着性向上などを目的に、α−オレフィンオリゴマー、シリコーン油、流動パラフィン、スピンドル油、エステルオイル等の合成油、スクワラン、ヒマシオイル等の動植物油、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、カルナバワックスといった蝋状物を含浸させてシャープペンシル用の芯としてもよい。
本発明の焼成鉛筆芯は、上述のような芯体の配合材料中、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合を、42重量%以上50重量%以下の割合で配合することで、直径が0.2mm以下という極めて細い芯においても曲げ強度が高く、チャックで把持されても崩れ難い芯でありながら濃く鮮明な筆跡を形成できるものであるが、この熱可塑性樹脂の割合が42重量%未満であると、熱可塑性樹脂に起因した収縮量が少なくなり、高く強い凸条が形成され難く、曲げ強度が弱く、チャックでの把持により崩れやすくなる。また、熱可塑性樹脂の割合が50重量%を超えると、芯体自身が硬くなり、摩耗し難くなるので、濃く鮮明な筆跡が形成され難くなる。更に、芯の配合材料中の黒鉛と熱可塑性樹脂の合計に対して、熱可塑性樹脂の割合が50重量%より多い場合には、熱処理の際の収縮応力も大きくなるため、芯の側壁に形成される凸条の高さが高くなり過ぎて凸条が座屈を起こして曲げ強度が低下する。
芯体の製造工程での条件である押出成形時の押出速度、熱処理における低温での加熱処理の際の昇温温度や焼成時の最高温度などを調整することでも芯体の側面に形成される凸条の高さを調整できる場合がある。例えば、黒鉛に対する熱可塑性樹脂の配合比率が大きく、さらに、熱可塑性樹脂にポリ塩化ビニルなどの含塩素樹脂を用いた場合には、低温での加熱処理における昇温速度を小さくし、焼成時の最高温度を高温にすると芯の横断面直径に対してより高い凸条を得ることができる。また、押出成型時の押出速度を0.5m/s〜4.5m/s、好ましくは1.5〜3.0m/sとすることで高さが均一なものとなりやすい。
また、焼成鉛筆芯の嵩密度は、1.35g/cm以上1.65g/cm以下であることが好ましい。ただし、ここでいう嵩密度とは、芯50本の重量から換算した芯1本あたりの重量嵩密度のことをいう。この嵩密度は1.35g/cm未満であると、本発明の範囲内においても、芯体内部が疎であるため構造体としての十分な強度を得難く、曲げ強さの小さい芯となる。また、嵩密度が1.65g/cmより大きい場合は、内部で黒鉛や炭化物が密に充填された硬く摩耗し難い芯体となり、筆記した際に薄い筆記線となってしまう。
本発明の焼成鉛筆芯をシャープペンシル用芯として使用する場合のシャープペンシル本体としては、従来公知のものが種々使用できる。例えば、特開平8−282182号公報に開示されているような、筆記時に、芯の摩耗と共に先端部材の先端面が紙面に擦られた状態で後退するなどして、筆記時の芯折れを防ぐものや、特開2012−158092号公報に開示されているような摺動体スプリングの弾発力を任意に設定することで、筆記時にクッション作用をもたらし、芯を保護する機構を有するものであると、本発明により得られる直径の小さい焼成鉛筆芯の保護として特に有効である。
また、チャックは合成樹脂成形品であっても良いが、後続芯の後退量を少なくし、筆記の際の違和感を少なくするものとしては金属材質とするのが好ましい。チャックの把持力で芯体が極力崩れないようにするために、リン青銅などの柔らかい金属をチャックの加工材質として選択し、チャックを後方に附勢させるスプリングの荷重も400gf以下にして把持強度を調節することもできる。
尚、本発明のような細径芯の曲げ強さを測定する機器としては、最小分解能が0.001Nのデジタルフォースゲージ(ZTS−2NやZTS−5N、ZTA−2N、ZTA−5N、(株)イマダ製)など、微小な荷重変化を検出できる機器を用いることが望ましい。
以下、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
黒鉛(体質材:平均粒径20μm) 50重量部
ポリ塩化ビニル樹脂(結合材) 48重量部
フタル酸ジブチル(可塑剤) 20重量部
ステアリン酸亜鉛(安定剤) 3重量部
ステアリン酸(滑材) 1重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 20重量部
上記材料をヘンシェルミキサーによる分散混合処理、3本ロールにより混練処理をした後、単軸押出機にて、細線状に芯出し速度2.5m/sで押出成形し、低温での加熱を空気中で300℃まで9時間かけて実施後、密閉容器中で1000℃を最高とする焼成処理を施し、冷却後、流動パラフィンを含浸させて、直径0.18mm、嵩密度1.54g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は49重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.5%〜3.2%、幅が18μmであった。
<実施例2>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を44重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.52g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜3.3%、幅が17μmであった。
<実施例3>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を40重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は44重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.0%〜3.1%、幅が18μmであった。
<実施例4>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を36重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.49g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は42重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.8%〜2.1%、幅が15μmであった。
<実施例5>
実施例1において、黒鉛を48重量部とし、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.17mm、嵩密度1.48g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は50重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は2.6%〜4.5%、幅が15μmであった。
<実施例6>
実施例1において、黒鉛を54重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.17mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.8%〜2.8%、幅が15μmであった。
<実施例7>
実施例1において、黒鉛を平均粒径が10μmのものを使用し、配合量を54重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.63g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.5%〜2.0%、幅が8μmであった。
<実施例8>
実施例1において、黒鉛を58重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.54g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は45重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜2.3%、幅が16μmであった。
<実施例9>
実施例1において、黒鉛を62重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.58g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は44重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.3%〜2.1%、幅が16μmであった。
<実施例10>
実施例1において、黒鉛を66重量部、可塑剤を18重量部、低温での加熱を空気中で300℃まで6時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.20mm、嵩密度1.54g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は42重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.3%〜2.0%、幅が18μmであった。
<実施例11>
実施例1において、細線状への押出速度を0.8m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.2mm、嵩密度1.57g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜4.5%、幅が22μmであった。
<実施例12>
実施例1において、細線状への押出速度を3.6m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.5%〜1.8%、幅が10μmであった。
<実施例13>
実施例1において、結合材にポリ塩化ビニル樹脂のかわりにポリ酢酸ビニル樹脂48重量部を用いた他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.38g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は47重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.1%〜2.6%、幅が17μmであった。
<実施例14>
実施例1において、黒鉛を40重量部、可塑剤を10重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.34g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.6%〜2.8%、幅が19μmであった。
<実施例15>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を5重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.68g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜2.3%、幅が14μmであった。
<実施例16>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を7重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.63g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.0%〜2.6%、幅が13μmであった。
<実施例17>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.55g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.8%〜3.6%、幅が15μmであった。
<実施例18>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を9重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.38g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.9%〜4.1%、幅が19μmであった。
<実施例19>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、押出ダイスの出口径をφ0.1mm小さいものに変更した他は、実施例1と同様にして、直径0.10mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.5%〜1.6%、幅が10μmであった。
<実施例20>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を40重量部、可塑剤を20重量部とし、実押出ダイスの出口径をφ0.1mm小さいものに変更し、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.10mm、嵩密度1.57g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は50重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は2.8%〜3.2%、幅が10μmであった。
<実施例21>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、添加剤に疎水性無定形シリカ(アエロジルR972、平均粒径0.016μm、日本アエロジル(株)製)を0.5重量部配合し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.55g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜3.1%、幅が19μmであった。
<実施例22>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、添加剤に板状アルミナ(平均粒径5.0μm、キンセイマテック(株)製)を0.5重量部配合し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.4%〜3.6%、幅が18μmであった。
<実施例23>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、添加剤に板状シリカ(シルリーフ、平均粒径5μm、水澤化学工業(株)製)を0.5重量部配合した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.5%〜3.3%、幅が18μmであった。
<実施例24>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、添加剤に板状シリカ(シルリーフ、平均粒径5μm、水澤化学工業(株)製)を0.5重量部配合し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.33g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.7%〜3.4%、幅が15μmであった。
<実施例25>
実施例1において、黒鉛を52重量部とし、添加剤に板状シリカ(シルリーフ、平均粒径5μm、水澤化学工業(株)製)を1.5重量部配合した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.58g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は3.4%〜4.4%、幅が14μmであった。
<実施例26>
実施例1において、黒鉛を64重量部に変更し、添加剤に疎水性無定形シリカ(アエロジルR972、平均粒径0.016μm、日本アエロジル(株)製)を10重量部配合し、低温での加熱を空気中で300℃まで5時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.57g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.3%〜0.6%、幅が16μmであった。
<比較例1>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を70重量部、可塑剤を22重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.62g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は57重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.6%〜5.0%、幅が19μmであった。
<比較例2>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を70重量部、可塑剤を22重量部、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.61g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は57重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.1%〜5.8%、幅が18μmであった。
<比較例3>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を60重量部、可塑剤を22重量部、低温での加熱を空気中で300℃まで12時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.17mm、嵩密度1.55g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は54重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.6%〜4.8%、幅が21μmであった。
<比較例4>
実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂を32重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.48g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は39重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.5%〜2.3%、幅が22μmであった。
<比較例5>
実施例1において、黒鉛を70重量部とした他は、実施例1と同様にして、直径0.20mm、嵩密度1.56g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は41重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.2%〜1.2%、幅が24μmであった。
<比較例6>
実施例1において、黒鉛を40重量部、結合材にポリ塩化ビニル樹脂のかわりに熱硬化性のレゾール型フェノール樹脂40重量部を用い、可塑剤を10重量部とし、低温での加熱を空気中で300℃まで7時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.40g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は0重量%(黒鉛と熱硬化性樹脂との合計配合量に対する熱硬化性樹脂の配合量割合は50重量%)、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.2%〜0.4%、幅が5μmであった。
<比較例7>
実施例1において、黒鉛を40重量部、結合材にポリ塩化ビニル樹脂のかわりに熱硬化性のレゾール型フェノール樹脂15重量部を用い、可塑剤を10重量部とし、低温での加熱を空気中で300℃まで7時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.31g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は0重量%(黒鉛と熱硬化性樹脂との合計配合量に対する熱硬化性樹脂の配合量割合は27重量%)、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.1%〜0.3%、幅が5μmであった。
<比較例8>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、細線状への押出速度を3.5m/s、低温での加熱を空気中で300℃まで4時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.34g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.2%〜0.4%、幅が21μmであった。
<比較例9>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、細線状への押出速度を2.0m/s、低温での加熱を空気中で300℃ま で4時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.18mm、嵩密度1.34g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.6%〜2.8%、幅が24μmであった。
<比較例10>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を10重量部とし、細線状への押出速度を0.5m/s、低温での加熱を空気中で300℃まで18時間かけて実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.19mm、嵩密度1.32g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.6%〜5.4%、幅が26μmであった。
<比較例11>
実施例1において、黒鉛を52重量部とし、押出ダイスの出口径をφ0.04mm大きいものに変更し、細線状への押出速度を3.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.22mm、嵩密度1.58g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は0.7%〜1.6%、幅が24μmであった。
<比較例12>
実施例1において、黒鉛を40重量部、ポリ塩化ビニル樹脂を30重量部、可塑剤を8重量部とし、押出ダイスの出口径をφ0.04mm大きいものに変更し、細線状への押出速度を2.0m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.22mm、嵩密度1.53g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は43重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.2%〜3.3%、幅が23μmであった。
<比較例13>
実施例1において、黒鉛を52重量部とし、押出ダイスを0.2mm芯成形用のものに変更し、細線状への押出速度を3.5m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.28mm、嵩密度1.59g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.1%〜2.1%、幅が25μmであった。
<比較例14>
実施例1において、鉛を52重量部とし、押出ダイスを0.3mm芯成形用のものに変更し、細線状への押出速度を3.5m/sで実施した他は、実施例1と同様にして、直径0.38mm、嵩密度1.57g/cmの焼成鉛筆芯を得た。黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合は48重量%、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は1.0%〜1.8%、幅が27μmであった。
以上、各実施例及び比較例で得た焼成鉛筆芯について、下記方法により、曲げ強さと筆記線濃度、筆記線の紙面被覆率を測定した。
焼成鉛筆芯の曲げ強さの試験は支点間距離を20mmとしてJIS S 6005に準じて実施した。
また、濃度試験は、筆記線の幅に応じて検出される濃度と本発明の効果を相対的に評価するため、筆記角度を90°、荷重を100gfにて、得られた芯の直径に応じて画線間隔(ピッチ)を調節し、筆記線とケント紙の表面(反射率100%となる領域)の割合を一定にして測定した。基準となる割合は、横断面直径0.18mmの芯でピッチ0.4mmで画線したときとした。このとき、測定用のシャープペンシルとしては、筆記に際し芯の摩耗と共に先端部材の先端面が紙面に擦られた状態で後退するパイプスライド方式のシャープペンシル(ぺんてる(株)製、Orenz、製品符号PP−502のチャック寸法とステンパイプの内径を芯径に合わせて加工したもの)を使用した。
さらに、筆記線の被覆率は、筆記角度を90°、荷重を100gfで筆記した筆記線に対して、光学顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−2000、(株)キーエンス製)で倍率1000倍にて撮影した画像を測定機器に内蔵の面積計測ツールにより測定し、10点の平均値とした。この被覆率が大きいほど鮮明な筆記線であるといえる。
Figure 2016027072
上記表1の結果から明らかなように本発明範囲の実施例1〜27の鉛筆芯は、比較例1〜14の鉛筆芯に比べて曲げ強さを向上しつつも筆記濃度に優れ、且つ鮮明な筆記線を提供できることが判明した。
実施例1で得られた鉛筆芯は、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合が42重量%以上50重量%以下であり、横断面直径に対する凸条の高さの範囲が3.0%〜4.3%、且つ、凸条の幅も20μm以下であるため、本発明の効果の範囲内である。一方、比較例1では、横断面直径に対する凸条の高さの範囲は4.6%〜5.8%と本発明の範囲より高い凸条を有しているため、曲げ応力が働いたときに凸条の座屈が起き、曲げ強さの低下につながったものと推察する。
また、実施例1では直径が0.18mmの芯の側面に、芯の横断面直径に対して0.3%以上4.5%以下の範囲の高さの凸条、且つその幅が20μm以下であることによって、筆記面では芯体の微細な凸部分が紙面の凹凸のくぼみに入り込みやすいため、摩耗粉が均一に紙面に乗ったより隠蔽性の高い鮮明な筆記線を得ることができている。一方、比較例3〜5で得られた芯は、凸条の幅が20μm以上であり、芯の凸部分が紙面の凹凸のくぼみに入り込み難く、被覆率が小さく鮮明さに欠ける筆記線となっている。
実施例1〜4は、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合を、42重量%以上50重量%以下にするため、黒鉛の配合量を固定して熱可塑性樹脂の量で調節している。これに対し、実施例5〜10では熱可塑性樹脂の配合量を固定して、黒鉛の配合量を調節することで、黒鉛と熱可塑性樹脂との合計配合量に対する熱可塑性樹脂の配合量割合を、42重量%以上50重量%以下としている。これらの実施例について比較すると同じ配合比率であっても黒鉛の配合量が多い方が曲げ強さと濃度が向上しているため、黒鉛の配合量を50重量部より多くするとより好ましいといえる。
実施例11と12は、細線状への押出速度がそれぞれ0.8m/sと3.6m/sであるが、押出速度が速い実施例12の方が凸条の高さの範囲が小さく高さのそろった凸条を形成できている。
実施例13、14は、熱可塑性樹脂にポリ酢酸ビニル樹脂を使用した。熱処理を施した際に、ポリ塩化ビニル樹脂もポリ酢酸ビニル樹脂もそれぞれ脱塩酸反応と脱酢酸反応という一段階目の分子の脱離反応を経た後に、炭化に至る点では共通の反応であるが、脱塩酸反応は脱酢酸反応よりも進行しやすいため、熱処理時にポリ塩化ビニル樹脂を使用した実施例8は樹脂の炭化収縮が実施例13の芯よりも進行しやすかったため、曲げ強さが高くなった。このため、本発明の範囲で使用する熱可塑性樹脂としてはポリ塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹脂などの含塩素樹脂をもちいるとより好ましい。
実施例15〜18は、嵩密度が1.35g/cm以上であるため、比較例8〜10より曲げ強さの大きい焼成鉛筆芯となっている。
本発明の効果により、実施例19、20のように横断面直径が0.10mmと、非常に細い焼成鉛筆芯であっても、高い曲げ強さと鮮明で濃い筆記線を得ることができる。しかし、横断面直径が0.2mmを超える比較例11〜14の芯では、横断面直径に対する凸条の高さが0.3%〜4.5%であっても、凸条の幅が20μm以下にならないため被覆率が小さい鮮明さに欠ける筆記線となることがわかる。
実施例22〜25は、無機板状粒子が体質材の一部として機能しているため、無機粒子を添加した実施例21よりも高い曲げ強さの芯を得ることができている。

Claims (2)

  1. 少なくとも黒鉛と熱可塑性樹脂とからなる配合材料を、混練し細線状に押出成形した後に熱処理を施してなる焼成鉛筆芯において、横断面直径が0.20mm以下であると共に、前記黒鉛と熱可塑性樹脂との合計の配合量に対する熱可塑性樹脂の配合比率が42重量%以上50重量%以下とし、芯側壁の長手方向に連続して高さが横断面直径に対して0.3%以上4.5%以下である複数の凸条を形成した焼成鉛筆芯。
  2. 前記凸条の幅が20μm以下である請求項1に記載の焼成鉛筆芯。
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