JP2016027001A - 抗菌活性を有するカルノサジンラクタム誘導体 - Google Patents

抗菌活性を有するカルノサジンラクタム誘導体 Download PDF

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和之 皆川
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達郎 安酸
鈴木 尚之
Naoyuki Suzuki
尚之 鈴木
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太一 上田
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昌高 麓
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智彦 大和田
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Abstract

【課題】従来の抗菌剤に比べて改善された特性を有する新規化合物、それを含有する医薬組成物の提供。【解決手段】式(I):[式中、R1は、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニルなどであり、R2は、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルカルボニルなどであり、R3は、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニルまたは−C(NHR31)=NR32であり、R31は、水素原子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルキニルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、アルケニルオキシカルボニルまたはアルキニルオキシカルボニルであり、R32は、水素原子、アルキル、アルケニルまたはアルキニルである。]で示される化合物またはその製薬上許容される塩。【選択図】なし

Description

本発明は、抗菌活性を有する新規化合物、さらに詳しくは、グラム陽性菌に対し抗菌活性を有するカルノサジンラクタム誘導体およびそれを含有する医薬組成物に関する。
抗菌薬を用いた感染症の治療において、しばしば耐性菌が出現して効果が低下することが知られている。例えば、医療現場においてペニシリン、セファロスポリンなどに耐性の細菌が現れ、多剤耐性およびメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)感染が重要な問題を招いている。耐性菌に対し抗菌活性を有する物質として、バンコマイシンに代表されるグリコペプチド抗生物質(特許文献1〜3)や、特許文献4および5において報告されている抗生物質(スタロバシンA〜G、スタロバシンHおよびI)などが知られている。特に、バンコマイシンはMRSAおよび他の耐性菌感染のツール薬物となっている。しかし、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)など、特定の微生物はバンコマイシンに対する耐性を現し始めている。VREは保有する遺伝子のタイプによって耐性の機構や程度が異なり、それはVanA、B、C、D、E、G等の耐性に関与する遺伝子に依存する。また最近では、VREの耐性を獲得した黄色ブドウ球菌(VRSA)も発見されている。とりわけ、ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などのグラム陽性菌には耐性菌が多く、これらグラム陽性菌に対して改善された活性や選択性を有する新規な抗菌剤を開発する必要がある。
また、本発明と構造が比較的類似した化合物が記載されている文献として非特許文献1が挙げられるが、化学合成技術に関する文献であり、薬理活性については記載されていない。
米国特許第3067099号明細書 特開昭61−251699号公報 特開平7−258289号公報 特許第3542150号公報 特許第3568978号公報
Tetrahedron: Asymmetry、7巻、12号、3573頁〜3584頁(1996年)
本発明は、従来の抗菌剤に比べて改善された特性を有する新規な化合物を提供する。
本発明は、以下に記載する新規なカルノサジンラクタム誘導体およびそれを含有する医薬組成物を提供する。
[1]式(I):
Figure 2016027001
[式中、
1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、
2は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、
3は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルまたは−C(NHR31)=NR32であり、
ここで、R31は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、
32は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである。]
で示される化合物(但し、スタロバシンA、B、C、D、E、F、G、HおよびIを除く。)またはその製薬上許容される塩。
[2]R1が水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルである、[1]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[3]R2が水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルである、[1]または[2]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[4]R1が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルカルボニルであり、R2が、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルである、[1]〜[3]に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[5]R3が−C(NHR31)=NR32である、[1]〜[4]に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[6]R1が以下に示される基
Figure 2016027001
(ここで、
11は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素カルボニル、置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニルであり、
12は、水素原子、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシであり、
13、R14およびR15は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである)である、[1]〜[5]に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[7]R11が置換若しくは非置換のアルキルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルであり、R12が水素原子またはヒドロキシであり、R13が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルであり、R14が水素原子であり、R15がカルボキシメチルである、[6]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[8]R2が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルである、[6]または[7]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[9]R2が以下に示される基
Figure 2016027001
(ここで、
2Aは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、
2B、R2C、R2D、R2E、R2IおよびR2Jは、それぞれ独立して、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルであり、
2Fは、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシまたは−NR2K2L(R2KおよびR2Lは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニル)であり、
2G、R2H、R2IおよびR2Jは、それぞれ独立して、水素またはヒドロキシである)である、[6]または[7]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[10]R2Aが水素原子またはヘテロ原子基が介在してもよい置換若しくは非置換のアルキルカルボニルであり、R2B、R2C、R2D、R2E、R2IおよびR2Jがいずれも水素原子であり、R2F、R2GおよびR2Hがいずれもヒドロキシである、[9]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[11]R1が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルカルボニルであり、R2が以下に示される基
Figure 2016027001
(ここで、
Yは、単結合またはオキソで置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、若しくはアルキニレンであり、
2Iは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、
およびR22は、水素原子、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシまたは−NR2324(R23、R24は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよい)
である、[1]〜[5]に記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[12]R2が以下に示されるいずれかの基
Figure 2016027001
である、[11]記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
[13][1]〜[12]に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
[14][1]〜[12]に記載に記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する抗菌剤。
「カルノサジンラクタム」とは、、次式
Figure 2016027001
で示されるラクタムを意味する。
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチルなどの炭素数1〜8のアルキル等が挙げられる。
「アルケニル」とは、1個もしくは2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を意味し、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−オクテニルなどの炭素数2〜8のアルケニル等が挙げられる。
「アルキニル」とは、1個もしくは2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を意味し、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、2−ヘキシニル、2−ヘプチニル、2−オクチニルなどの炭素数2〜8のアルキニル等が挙げられる。
「アルキレン」とは、直鎖状又は分枝状の炭素数1〜8のアルキレンを包含する。例えば、メチレン、エチレン、1−メチルエチレン、1−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジエチルエチレン、1,2−ジエチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,1−ジエチルトリメチレン、1,2−ジエチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2,2−ジ−n−プロピルトリメチレン、2−エチル−2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン等が挙げられる。
「アルケニレン」とは、1個又はそれ以上の二重結合を有する炭素数2〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキレンを包含する。例えば、ビニレン、1−プロペニレン、アリレン、イソプロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニルレン、3−ブテニルレン、2−ペンテニレン、1,3−ブタジエニレン、3−メチル−2−ブテニレン等が挙げられる。
「アルキニレン」とは、1個又はそれ以上の三重結合を有する炭素数2〜8個の直鎖状又は分枝状のアルキレンを包含する。例えば、エチニレン、1−プロピニレン等が挙げられる。
「アルキルカルボニル」、「アルキルオキシカルボニル」および「アルキルオキシ」における「アルキル」は、上記「アルキル」と同意義である。
「アルケニルカルボニル」、「アルケニルオキシカルボニル」および「アルケニルオキシ」における「アルケニル」は、上記「アルケニル」と同意義である。
「アルキニルカルボニル」、「アルキニルオキシカルボニル」および「アルキニルオキシ」における「アルキニル」は、上記「アルキニル」と同意義である。
「シクロアルキル」とは、炭素数が3〜8個であるシクロアルキルを包含する。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。例えば、C3−C6シクロアルキルが挙げられる。特に炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「シクロアルキル」を意味する。
「シクロアルケニル」とは、炭素数が3〜8個であるシクロアルケニルを包含する。例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルが挙げられ、例えばC3−C6シクロアルケニルが挙げられる。特に炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「シクロアルケニル」を意味する。
「芳香族炭素環式基」とは、環内に炭素原子のみを含む芳香族の5〜8員環(好ましくは6員環)またはそれらが2個以上縮合した環から導かれる1価の基を包含する。単環式芳香族炭素環は、5〜8員(好ましくは6員)の芳香族炭素環から誘導される、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい環を包含する。縮合芳香族炭素環は、5〜8員(好ましくは6員)の単環式芳香族炭素環が、1〜4個の5〜8員(好ましくは6員)の単環式芳香族炭素環と縮合している、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい環を包含する。例えば、6員芳香族炭素環が挙げられる。芳香族炭素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられる。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。
「非芳香族炭素環式基」とは、環内に炭素原子のみを含む非芳香族の3〜8員環またはそれらが2個以上縮合した、および/または架橋した環から導かれる1価の基を包含する。単環式非芳香族炭素環は、3〜8員の非芳香族炭素環から誘導される、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい環を包含する。縮合非芳香族炭素環は、5〜8員の単環式非芳香族炭素環が、1〜4個の5〜8員の単環式非芳香族炭素環および/または上記「芳香族炭素環」と縮合している、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい環を包含する。非芳香族であれば、飽和でも不飽和でもよい。例えば、5〜6員非芳香族炭素環が挙げられる。非芳香族炭素環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクオクタン環、シクロプロペン環、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、アダマンチル環が挙げられる。例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、テトラヒドロナフタレン環が挙げられる。
「芳香族複素環式基」とは、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1個以上含む芳香族の5〜8員環またはそれらが2個以上縮合した環から導かれる1価の基を包含する。単環式芳香族複素環は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1〜4個含んでいてもよい5〜8員の芳香族複素環から誘導される環を包含する。該単環式芳香族複素環は、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい。縮合芳香族複素環は、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1〜4個含んでいてもよい5〜8員の単環式芳香族複素環が、1〜4個の5〜8員の単環式芳香族炭素環もしくは他の5〜8員の単環式芳香族複素環と縮合している環を包含する。該縮合芳香族複素環は、置換可能な任意の位置に結合手を有していてもよい。例えば、5〜6員芳香族複素環が挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソチアゾール環、イソキサゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、インドリジン環、イソインド−ル環、インド−ル環、インダゾール環、アザインドール環、プリン環、キノリジン環、イソキノリン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、ジベンゾフラン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾイソキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環などが挙げられる。例えば、チオフェン環、ピリジン環、フラン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピリミジン環が挙げられる。
「非芳香族複素環式基」とは、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子、および/または窒素原子を環内に1個以上含む非芳香族の3〜8員環またはそれらが2個以上縮合した環から導かれる1価の基を包含する。また、そのような非芳香族複素環は、炭素数1〜4のアルキル鎖で架橋されていてもよい。さらに、そのような非芳香族複素環は、上記「芳香族炭素環」(例えば、6員環が挙げられる)、上記「非芳香族炭素環」(例えば、3〜6員環)、上記「芳香族複素環」、および/または他の「非芳香族複素環」と縮合していてもよい。縮合環は、環として非芳香族環であれば、いずれかの環内に不飽和を有していてもよい。例えば、ピロリン環、ピロリジン環、ピロリジノン環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピペリジノン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ジアゼパン環、モルホリン環、テトラヒドロピラン環、テトラヒドロフラン環、ジヒドロピラン環、ジヒドロフラン環、ベンゾジオキソール環、オクタヒドロシクロペンタピロール環、オクタヒドロピロロピラジン環、アザビシクロオクタン環、ジアザビシクロオクタン環、アザビシクロヘキサン環などが挙げられる。例えば、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環、ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環が挙げられる。
「芳香族炭素環カルボニル」、「芳香族炭素環オキシ」および「芳香族炭素環スルホニル」における「芳香族炭素環」は、上記「芳香族炭素環」と同意義である。
「非芳香族炭素環カルボニル」、「非芳香族炭素環オキシ」および「非芳香族炭素環スルホニル」における「非芳香族炭素環」は、上記「非芳香族炭素環」と同意義である。
「芳香族複素環カルボニル」、「芳香族複素環オキシ」および「芳香族複素環スルホニル」における「芳香族複素環」は、上記「芳香族複素環」と同意義である。
「非芳香族複素環カルボニル」、「非芳香族複素環オキシ」および「非芳香族複素環スルホニル」における「非芳香族複素環」は、上記「非芳香族複素環」と同意義である。
「置換若しくは非置換の」において、「置換」とは、置換可能な任意の位置がそれぞれ同一または異なる1個又はそれ以上可能な個数の置換基で置換されていることを意味する。置換基としては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ハロアルキル(例えば、CF3、CH2CF3、CH2CCl3等)、ハロアルコキシ、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル等)、アルケニル(例えば、ビニル)、ホルミル、アシル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル、ピリジンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル等)、アルキニル(例えば、エチニル)、アルキレン(例えば、トリメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等)、アルケニレン(例えば、2−プロペン−1,3−ジイル、3−ペンテン−1,5−ジイル、3−ヘキセン−1,6−ジイル等)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、ニトロ、ニトロソ、オキソ、置換されていてもよいアミノ、アジド、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、シアノ、イソシアノ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、メルカプト、アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ等)、アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、芳香族炭素環スルホニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、非芳香族複素環スルホニル、、置換されていてもよいカルバモイル、スルファモイル、ホルミルオキシ、ハロホルミル、オキザロ、メルカプト、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、スルフィノ、スルフォ、スルホアミノ、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、ホルミルオキシ、チオキソ、アルコキシアルコキシ、アルキルチオアルコキシ等が挙げられる。
「置換されていてもよいアミノ」および「置換されていてもよいカルバモイル」における置換基としては、例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ハロアルキル(例えば、CF3、CH2CF3、CH2CCl3等)、ハロアルコキシ、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル等)、アルケニル(例えば、ビニル)、ホルミル、アシル(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ベンゾイル、ピリジンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル等)、アルキニル(例えば、エチニル)、アルキレン(例えば、トリメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等)、アルケニレン(例えば、2−プロペン−1,3−ジイル、3−ペンテン−1,5−ジイル、3−ヘキセン−1,6−ジイル等)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル等)、ニトロ、ニトロソ、オキソ、アミノ、アジド、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、芳香族炭素環オキシ、非芳香族炭素環オキシ、芳香族複素環オキシ、非芳香族複素環オキシ、シアノ、イソシアノ、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、メルカプト、アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ等)、アルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、芳香族炭素環スルホニル、非芳香族炭素環スルホニル、芳香族複素環スルホニル、非芳香族複素環スルホニル、カルバモイル、スルファモイル、ホルミルオキシ、ハロホルミル、オキザロ、メルカプト、チオホルミル、チオカルボキシ、ジチオカルボキシ、チオカルバモイル、スルフィノ、スルフォ、スルホアミノ、ヒドラジノ、ウレイド、アミジノ、グアニジノ、ホルミルオキシ、チオキソ、アルコキシアルキル、アルコキシアルコキシ、アルキルチオアルコキシ、カルボキシ(アミノ)アルキルカルボニル等が挙げられる。より好ましくは、ハロアルキル、アルキル、アルケニル、アシル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基、アルコキシアルキルまたはカルボキシ(アミノ)アルキルカルボニルであり、さらに好ましくは、アルキル、アルコキシアルキルまたはカルボキシ(アミノ)アルキルカルボニルである。
置換基の個数又は置換基の種類を指定している場合は、その指定の範囲内で置換されていてもよいことを意味する。
「スタロバシンA」、「スタロバシンB」、「スタロバシンC」、「スタロバシンD」、「スタロバシンE」、「スタロバシンF」および「スタロバシンG」とは、上記特許文献4(特許第3542150号)において、それぞれ、「スタロバシンA」、「スタロバシンB」、「スタロバシンC」、「スタロバシンD」、「スタロバシンE」、「スタロバシンF」および「スタロバシンG」として記載された物理化学的特性により特徴付けられる抗生物質を意味する。
「スタロバシンH」および「スタロバシンI」とは、上記特許文献5(特許第3568978号)において、それぞれ、「スタロバシンH」および「スタロバシンI」として記載された物理化学的特性により特徴付けられる抗生物質を意味する。
本明細書中、必要に応じて以下の略語を用いる。
Me:メチル
Et:エチル
tBu:tert-ブチル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
TBS:tert-ブチルジメチルシリル
Fmoc:9−フルオレニルメチルオキシカルボニル
Bn:ベンジル
TMS:トリメチルシリル
TBDPS:tert-ブチルジフェニルシリル
Cy:シクロヘキシル
TFA:トリフルオロ酢酸
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
本発明の一態様では、式(I)において、R1は、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、より好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、さらに好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、特に好ましくは、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルカルボニルである。
本発明のさらなる態様では、R1は、次式
Figure 2016027001
(式中、R11、R12、R13、R14、R15は前記と同意義)
で示されるような、置換アルキルカルボニルであってよい。
ここで、R11は、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素カルボニル、置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニルであり、より好ましくは、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニルまたは置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニルであり、さらに好ましくは、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニルであり、特に好ましくは、置換若しくは非置換のアルキルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルである。
11の置換基としては、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、芳香族炭素環式基、非芳香族炭素環式基、芳香族複素環式基、非芳香族複素環式基または置換されていてもよいアミノが好ましく、ヒドロキシまたは置換されていてもよいアミノがより好ましく、ヒドロキシ、アルキルアミノまたはアルコキシアルキルアミノがさらに好ましい。
12は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシであり、最も好ましくは、水素原子またはヒドロキシである。
13、R14およびR15は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、特に好ましくは、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルである。R13は、最も好ましくは、水素原子またはメチルである。R14は、最も好ましくは、水素原子である。R15は、最も好ましくは、水素またはカルボキシメチルである。
11が、「置換若しくは非置換のアルキルカルボニル」、「置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル」等の鎖状置換基である場合、炭素数1〜25、好ましくは5〜23、より好ましくは10〜19であり、例えば次式:
Figure 2016027001
のように、環(例:シクロアルキル、好ましくはC3〜C6シクロアルキル)を含んだ構造を有していてもよい。
本発明の具体的な態様では、式(I)の化合物は、
1が、次式
Figure 2016027001
(式中、各置換基は前記と同意義)
で示される置換アルキルカルボニルであって、さらに側鎖の末端部分(R11)が、飽和または不飽和脂肪酸などの脂溶性側鎖で修飾されており、該脂溶性側鎖は上記に示したような環を含んだ構造を有していてもよい。
本発明の別の態様では、式(I)において、R2は、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、より好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、特に好ましくは、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルである。
本発明のさらなる態様では、R2は、次式
Figure 2016027001
(式中、Y、R21、R22は前記と同意義)
で示されるような、置換アルキルであってよい。この場合、R2は、次式
Figure 2016027001
(式中、Y、R21、R22は前記と同意義)
で示されるような、置換アルキルであるのがさらに望ましい。
ここで、Yは、好ましくは、単結合またはオキソで置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、若しくはアルキニレンであり、特に好ましくは、オキソで置換されていてもよいアルキレンであり、最も好ましくは、オキソで置換されていてもよいプロピレンである。
2Iは、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、より好ましくは、水素原子あるいはヘテロ原子基(例えば、酸素原子、窒素原子等)が介在してもよい置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、特に好ましくは、水素原子またはヘテロ原子基が介在してもよい置換若しくは非置換のアルキルカルボニルである。
2Iの置換基としては、ヒドロキシ、置換していてもよいアミノまたはグアニジノが好ましく、アミノまたはヒドロキシ(アミノ)アルキルカルボニルアミノがより好ましい。
22は、好ましくは、水素原子、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシまたは−NR2324であり、より好ましくは、ヒドロキシまたは−NR2324であり、ここで、R23、R24は、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、より好ましくは、水素原子またはヘテロ原子基が介在してもよい置換若しくは非置換のアルキルである。
23およびR24の置換基としては、オキソ、ヒドロキシまたはカルボキシが好ましい。
本発明の別の態様では、式(I)において、Rは、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルまたは−C(NHR31)=NR32であり、より好ましくは、−C(NHR31)=NR32であり、最も好ましくは、−C(NH)=NHである。
ここで、R31は、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、より好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、さらに好ましくは、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニルであり、最も好ましくは、水素原子である。
32は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルであり、最も好ましくは、水素原子である。
本発明の具体的な態様では、R2の置換アルキルは、次式
Figure 2016027001
(式中、R2A、R2B、R2C、R2D、R2E、R2F、R2G、R2H、R2I、R2Jは前記と同意義)
で示されるような、アルキルアミド構造を有する側鎖で修飾された置換アルキルであってよい。
ここで、R2Aは、好ましくは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、より好ましくは、水素原子あるいはヘテロ原子基が介在してもよい置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、特に好ましくは、水素原子または酸素原子が介在してもよいアルキルカルボニルである。
2B、R2C、R2D、R2E、R2IおよびR2Jは、それぞれ独立して、好ましくは、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルであり、最も好ましくは、水素原子である。
2Fは、好ましくは、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシまたは−NR2K2L(R2KおよびR2Lは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニル)であり、より好ましくは、ヒドロキシまたは−NR2K2L(R2Kは置換若しくは非置換のアルキル;R2Lは水素原子)であり、最も好ましくは、ヒドロキシである。
2G、R2H、R2IおよびR2Jは、それぞれ独立して、好ましくは、水素またはヒドロキシである。R2GおよびR2Hは、最も好ましくは、ヒドロキシである。R2IおよびR2Jは、最も好ましくは、水素原子である。
本発明のさらに別の具体的な態様では、式(I)の化合物は、
1が、次式
Figure 2016027001
(式中、各置換基は前記と同意義)
で示される置換アルキルカルボニルであって、側鎖の末端(R11)が、環を含んでいてもよい脂溶性側鎖で修飾されており、
2の置換アルキルが、次式
Figure 2016027001
(式中、R2A、R2B、R2C、R2D、R2E、R2F、R2G、R2H、R2I、R2Jは前記と同意義)
で示される、アルキルアミド構造を有する側鎖で修飾された置換アルキルであってよい。
式(I)で示される化合物の一つ以上の水素、炭素および/または他の原子は、それぞれ水素、炭素および/または他の原子の同位体で置換され得る。そのような同位体の例としては、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、123Iおよび36Clのように、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素および塩素が包含される。式(I)で示される化合物は、そのような同位体で置換された化合物も包含する。該同位体で置換された化合物は、医薬品としても有用であり、式(I)で示される化合物のすべての放射性標識体を包含する。また該「放射性標識体」を製造するための「放射性標識化方法」も本発明に包含され、代謝薬物動態研究、結合アッセイにおける研究および/または診断のツールとして有用である。
式(I)で示される化合物の放射性標識体は、当該技術分野で周知の方法で調製できる。例えば、式(I)で示されるトリチウム標識化合物は、例えば、トリチウムを用いた触媒的脱ハロゲン化反応によって、式(I)で示される特定の化合物にトリチウムを導入することで調製できる。この方法は、適切な触媒、例えばPd/Cの存在下、塩基の存在下または非存在下で、式(I)で示される化合物が適切にハロゲン置換された前駆体とトリチウムガスとを反応させることを包含する。他のトリチウム標識化合物を調製するための適切な方法としては、文書Isotopes in the Physical and Biomedical Sciences,Vol.1,Labeled Compounds(Part A),Chapter 6(1987年)を参照にできる。14C−標識化合物は、14C炭素を有する原料を用いることによって調製できる。
式(I)で示される化合物の製薬上許容される塩としては、例えば、式(I)で示される化合物と、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、バリウム等)、マグネシウム、遷移金属(例えば、亜鉛、鉄等)、アンモニア、有機塩基(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、ピコリン、キノリン等)およびアミノ酸との塩、または無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、臭化水素酸、リン酸、ヨウ化水素酸等)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、マンデル酸、グルタル酸、リンゴ酸、安息香酸、フタル酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等)との塩が挙げられる。特に塩酸、硫酸、リン酸、酒石酸、メタンスルホン酸との塩等が挙げられる。また分子内塩も包含する。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、溶媒和物(例えば、水和物等)および/または結晶多形を形成する場合があり、本発明はそのような各種の溶媒和物および結晶多形も包含する。「溶媒和物」は、式(I)で示される化合物に対し、任意の数の溶媒分子(例えば、水分子等)と配位していてもよい。式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、大気中に放置することにより、水分を吸収し、吸着水が付着する場合や、水和物を形成する場合がある。また、式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩を、再結晶することでそれらの結晶多形を形成する場合がある。
式(I)で示される化合物またはその製薬上許容される塩は、プロドラッグを形成する場合があり、本発明はそのような各種のプロドラッグも包含する。プロドラッグは、化学的又は代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解により又は生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素的に酸化、還元、加水分解などを受けて式(I)で示される化合物に変換される化合物、胃酸などにより加水分解されて式(I)で示される化合物に変換される化合物等を包含する。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs, Elsevier, Amsterdam 1985に記載されている。プロドラッグは、それ自身が活性を有する場合がある。
本発明に係る式(I)で示される化合物は、例えば、以下に示す一般的合成法によって製造することができるが、本発明化合物の合成はそれら合成法に限定されない。
カルノサジンラクタムの合成
本発明化合物のカルノサジンラクタム骨格は、以下の方法によって形成することができる。
Figure 2016027001
第1工程 化合物(3)の合成
THF、アセトニトリル、ジクロロメタンなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(1)に化合物(2)、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)を窒素雰囲気下で添加し、0〜70℃、好ましくは25℃〜70℃で、数分〜数十時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物(3)を合成することができる。
第2工程 化合物(4)の合成
メタノール、THF、酢酸エチルなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(3)に水酸化パラジウムおよび酢酸を添加し、水素雰囲気下、0〜50℃、好ましくは25℃〜50℃で、数分〜数十時間、好ましくは30分〜5時間反応させることにより、化合物(3)の脱保護体を合成することができる。
さらに、THF、DMF、ジクロロメタンなどの溶媒中、化合物(3)の脱保護体にtert−ブトキシカリウムを氷冷下で添加し攪拌後、塩化ベンジルオキシカルボニル(CbzCl)およびジイソプロピルエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分〜十数時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物(4)を合成することができる。
カルノサジンラクタム誘導体の合成
例えば、置換基R2を有するカルノサジンラクタム誘導体(9)は以下の方法により合成することができる。
Figure 2016027001
(式中、R2は前記と同意義である。)
第1工程 化合物(5)の合成
ジクロロメタン、THF、トルエンなどの溶媒中、化合物(1)にTBSClおよびイミダゾールを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分〜数十時間、好ましくは5〜10時間反応させることにより、化合物(5)を合成することができる。
第2工程 化合物(6)の合成
THF、DMF、ジメチルアセトアミド(DMA)などの溶媒中、化合物(5)に水素化ナトリウムを氷冷下で添加し攪拌後、R2−Iを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から数十時間、好ましくは、4〜12時間反応させることにより、化合物(6)を合成することができる。
第3工程 化合物(7)の合成
THF、ジエチルエーテル、ジクロロメタンなどの溶媒中、化合物(6)にフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)のTHF溶液を添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から数十時間、好ましくは、1〜5時間反応させることにより、化合物(7)を合成することができる。
第4工程 化合物(8)および(9)の合成
化合物(7)より、前述の「化合物(4)の合成」と同様の方法で、化合物(8)および(9)を得ることができる。
(A)式(I)において、例えば、R1が置換アルキルカルボニルである場合、本発明化合物は、以下の方法により合成することができる。
(A1)化合物(17)の合成
Figure 2016027001
(式中、R13、R2は前記と同意義であり、RAは置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基または置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基である。)
第1工程 化合物(12)の合成
ピリジンなどの溶媒中、化合物(10)に化合物(11)を添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、1〜数十時間、好ましくは5〜12時間反応させることにより、化合物(12)を合成することができる。
第2工程 化合物(14)の合成
DMF、ジクロロメタンなどの溶媒中、化合物(12)に化合物(13)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)およびジイソプロピルエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは1〜12時間反応させることにより、させることにより、化合物(14)を合成することができる。
第3工程 化合物(15)の合成
酢酸エチル、THF、メタノールなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(14)にパラジウム炭素を添加し、水素雰囲気下、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは1〜6時間反応させることにより、化合物(15)を合成することができる。
第4工程 化合物(16)の合成
ジクロロメタン、ジクロロエタンなどの溶媒中、化合物(4)または化合物(9)にトリフルオロ酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは30分〜2時間反応させる。反応後、溶媒を減圧等の方法により除去してDMF、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解し、化合物(15)、HBTUおよびジイソプロピルエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは1〜12時間反応させることにより、化合物(16)を合成することができる。
第5工程 化合物(17)の合成
メタノール、酢酸エチル、THFなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは30分〜5時間反応することにより、化合物(16)の脱保護体を合成することができる。
さらに、ジクロロメタン、THFなどの溶媒中、化合物(16)の脱保護体にトリフルオロ酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から数十時間、好ましくは、1〜12時間反応させることにより、化合物(17)を合成することができる。
(A2)化合物(24)の合成
Figure 2016027001
(式中、R13、R2は前記と同意義であり、RBは置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである。)
第1工程 化合物(20)の合成
DMF、ジクロロメタンなどの溶媒中、化合物(19)に2−トリメチルシリルエタノール、O−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HATU)およびN−メチルモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは1〜5時間反応させることにより、化合物(19)のトリメチルシリルエチルエステル体を合成することができる。
さらに、THF、DMFなどの溶媒中、化合物(19)のトリメチルシリルエチルエステル体にジエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間攪拌する。その後、溶媒を減圧等の方法により除去し、DMF、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解し、化合物(18)、HATUおよびN−メチルモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(20)を合成することができる。
第2工程 化合物(22)の合成
DMF、ジクロロメタンなどの溶媒中、化合物(21)に2−トリメチルシリルエタノール、HATUおよびN−メチルモルホリンを添加し、0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは1〜5時間反応させることにより、化合物(21)のトリメチルシリルエチルエステル体を合成することができる。さらに、THF、DMFなどの溶媒中、化合物(21)のトリメチルシリルエチルエステル体にジエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応することにより、化合物(21)のトリメチルシリルエチルエステル体の脱Fmoc体を合成することができる。
一方、THF、メタノールなどの溶媒中、化合物(20)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよびモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物(20)のカルボン酸体を合成することができる。
最後に、化合物(21)のトリメチルシリルエチルエステル体の脱FMoc体および化合物(20)のカルボン酸体をDMF、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解し、HATUおよびN−メチルモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(22)を合成することができる。
第3工程 化合物(23)の合成
THF、メタノールなどの溶媒中、化合物(22)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムおよびモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物(22)のカルボン酸体を合成することができる。
ジクロロメタン、THF、トルエンなどの溶媒中、化合物(9)にトリフルオロ酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応させる。反応後、溶媒を減圧等の方法により除去してDMF、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解し、化合物(22)のカルボン酸体、HATUおよびN−メチルモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(23)を合成することができる。
第4工程 化合物(24)の合成
THF、メタノールなどの溶媒中、化合物(23)にジエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応させる。反応後、溶媒を減圧等の方法により除去してTHF、DMFなどの溶媒に溶解し、TBAFのTHF溶液を添加し、0〜50℃、好ましくは0℃〜25℃で、数分から〜数十時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(24)を合成することができる。
(A3)化合物(32)の合成
Figure 2016027001
(式中、各定義は前記と同意義。)
第1工程 化合物(25)の合成
ジクロロメタン、THFなどの溶媒中、化合物(1)にtert−ブチルジフェニルクロロシラン(TBDPSCl)およびイミダゾールを添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(25)を合成することができる。
第2工程 化合物(27)の合成
ジクロロメタン、THF、トルエンなどの溶媒中、化合物(25)にトリフルオロ酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物(25)の脱保護体を合成することができる。
さらに、DMF、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解中、化合物(25)の脱保護体に化合物(26)、HATUおよびN−メチルモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(27)を合成することができる。
第3工程 化合物(28)の合成
THF、ジエチルエーテル、DMFなどの溶媒中、化合物(27)にカリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)のTHF溶液を−50〜0℃で添加し攪拌後、R2−Clを添加し、−50℃〜25℃、好ましくは−50〜0℃で、数分から十数時間、好ましくは1〜4時間反応させることにより、化合物(28)を合成することができる。
第4工程 化合物(29)の合成
メタノール、THF、酢酸エチルなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(28)に水酸化パラジウムおよび酢酸を添加し、水素雰囲気下、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させる。反応後、溶媒を減圧等の方法により除去してDMF、ジクロロメタンなどの溶媒に溶解し、化合物(12)、HATUおよびN−メチルモルホリンを添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(29)を合成することができる。
第5工程 化合物(30)の合成
THF、メタノールなどの溶媒中、化合物(29)にTBAFのTHF溶液および酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(30)を合成することができる。
第6工程 化合物(31)の合成
THF、アセトニトリル、DMFなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(30)に化合物(2)、トリフェニルホスフィンおよびDIADを窒素雰囲気下で添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは30分〜2時間反応させることにより、化合物(31)を合成することができる。
第7工程 化合物(32)の合成
メタノール、THF、酢酸エチルなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(31)に水酸化パラジウムおよび酢酸を添加し、水素雰囲気下、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは30分〜4時間反応させる。
次に、反応液より溶媒を減圧等の方法により除去して、THF、DMFなどの溶媒に溶解し、tert−ブトキシカリウムを氷冷下で添加し攪拌後、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜5時間反応させる。
最後に、反応液より抽出操作を行い、溶媒を減圧等の方法により除去して、ジクロロメタン、THFなどの溶媒に溶解し、トリフルオロ酢酸を氷冷下で添加し攪拌後、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは30分〜2時間反応させる。
(B)式(I)において、例えば、R2が以下に示される基
Figure 2016027001
等である本発明化合物は、以下の方法によって合成することができる。


(B1)化合物(36)の合成
Figure 2016027001
(式中、Yは前記と同意義であり、RAは置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである。)
第1工程 化合物(34)の合成
ジクロロメタン、THFなどの溶媒中、化合物(4)にトリフルオロ酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは30分〜2時間反応させる。反応後、溶媒を減圧等の方法により除去してDMF、THFなどの溶媒に溶解し、化合物(33)および炭酸カリウムを添加し、25℃〜100℃、好ましくは25℃〜60℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応ことにより、化合物(34)を合成することができる。
第2工程 化合物(35)の合成
ジクロロメタン、DMFなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(34)に化合物(10)およびジイソプロピルエチルアミンを添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させることにより、化合物(35)を合成することができる。
第3工程 化合物(36)の合成
メタノール、THF、酢酸エチルなどの溶媒、またはそれらの混合溶媒中、化合物(35)に水酸化パラジウムおよび酢酸を添加し、水素雰囲気下、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは2〜12時間反応させる。反応後、溶媒を減圧等の方法により除去してジクロロメタン、THFなどの溶媒に溶解し、トリフルオロ酢酸を添加し、0〜50℃、好ましくは0〜25℃で、数分から十数時間、好ましくは30分〜4時間反応させることにより、化合物(36)を合成することができる。
また、以下に示す式aで示される化合物(以下「化合物a」という)を出発物質として用いることによっても、本発明化合物を得ることができる。化合物aは下記製造例2に記載する発酵生産により入手することができる。
(C)化合物dの合成
Figure 2016027001
(式中、RCは置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基である)
(第1工程)
本工程は化合物aのアシル基を切断し、化合物bを得る工程である。反応は過酸化水素存在下、リパーゼ(例:リパーゼB)で処理することで合成できる。反応温度は30から40℃が好ましく、反応溶媒としては水と酢酸エチルの2層溶媒系が例示される。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは2から24時間である。
(第2工程)
本工程は化合物bを化合物cと反応させて化合物dを得る工程である。化合物cは、その他の活性エステルや酸クロリド等でもよい。好ましくはトリエチルアミンやN,N―ジイソブロピルエチルアミン等塩基の存在下、適当な溶媒中で行う。反応温度は0から80℃、好ましくは20から40℃である。反応溶媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)等が例示される。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは18から72時間である。
(E)化合物gおよび化合物hの合成
Figure 2016027001
(式中、RDは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基である)
(第3工程)
本工程は化合物aのオレフィンを酸化的に開裂させ化合物eを得る工程である。好ましくは、ピリジンなどの配位性アミン存在下、四酸化オスミウムで処理し、さらに過ヨウ素酸ナトリウムで処理すればよい。反応温度は0から80℃、好ましくは20から40℃である。反応溶媒としては、アセトニトリルと水等の混合溶媒が例示される。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは1から18時間である。
(第4工程)
本工程は化合物eと化合物fを反応させることで、化合物gを得る工程である。反応は一般的に行われる還元的アミノ化反応の条件に準じて行えばよい。還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等を使用することができる。反応温度は0から80℃、好ましくは20から40℃である。反応溶媒としては、アセトニトリルと水等の混合溶媒が例示される。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは1から3時間である。
(第5工程)
本工程は化合物eを還元することで化合物hを得る工程である。反応は一般的に行われるアルデヒドをアルコールに還元する反応条件に準じて行えばよい。還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等を使用することができる。反応温度は0から80℃、好ましくは20から40℃である。反応溶媒としては、アセトニトリルと水等の混合溶媒が例示される。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは1から3時間である。
(F)化合物iの合成
Figure 2016027001
(第6工程)
本工程は化合物aのオレフィンを還元することで化合物iを得る工程である。反応は一般的に行われる接触還元反応の条件に準じて行えばよい。好ましくは水素雰囲気下、触媒としてはパラジウムカーボン等を用いればよい。反応温度は0から80℃、好ましくは20から40℃である。反応溶媒としては、メタノール、テトラヒドロフラン(THF)、水等が例示される。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは1から30時間である。
(G)化合物kの合成
Figure 2016027001
(式中、REは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである)

(第7工程)
本工程は化合物aを化合物jと反応させて化合物kを得る工程である。化合物jは、その他の活性エステルでもよい。好ましくはリン酸緩衝液とアセトニトリルの混合溶媒等、適当な溶媒中で行う。反応温度は0から80℃、好ましくは20から40℃である。反応時間は、数分から数十時間、好ましくは1から4時間である。
本発明化合物は、抗菌活性を有するため、細菌感染症の治療剤および/または予防剤として有用であり、好ましくは、下記いずれか、あるいは全ての優れた特徴を有している。
a)CYP酵素(例えば、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4等)に対する阻害作用が弱い。
b)高いバイオアベイラビリティー、適度なクリアランス等良好な薬物動態を示す。
c)代謝安定性が高い。
d)CYP酵素(例えば、CYP3A4)に対し、本明細書に記載する測定条件の濃度範囲内で不可逆的阻害作用を示さない。
e)変異原性を有さない。
f)心血管系のリスクが低い。
g)高い溶解性を示す。
h)耐性菌に対しても強い薬効を示す。
i)蛋白質結合率が低い。
本発明の医薬組成物を投与する場合、経口的、非経口的のいずれの方法でも投与することができる。経口投与は常法に従って錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の通常用いられる剤型に調製して投与すればよい。非経口投与は、注射剤等の通常用いられるいずれの剤型でも好適に投与することができる。本発明に係る化合物は経口吸収性が高いため、経口剤として好適に使用できる。
本発明化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の各種医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬組成物とすることができる。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、体重、疾病の種類や程度、投与経路等を考慮した上で設定することが望ましいが、成人に経口投与する場合、通常0.05〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.1〜10mg/kg/日の範囲内である。非経口投与の場合には投与経路により大きく異なるが、通常0.005〜10mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜1mg/kg/日の範囲内である。これを1日1回〜数回に分けて投与すれば良い。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
製造例1:カルノサジンラクタム4の合成
Figure 2016027001
(第1工程)
化合物1(310mg、1.20mmol)をTHF(4mL)およびMeCN(4mL)に溶かし、化合物2(587mg、1.79mmol)、PPh3(469mg、1.70mmol)およびDIAD(0.35mL、1.79mmol)を窒素雰囲気下で加えた。溶液を室温で30分撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物3(663mg、98%)を無色粘張性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ: 1.10-1.20(3H, m), 1.25(9H, s), 1.59-1.85(3H, m), 4.05(1H, br), 4.09-4.22(2H, m), 4.30(1H, br),5.15(2H, s), 5.26(2H, dd, J = 12.4 Hz, 42.0 Hz), 7.26-7.43(10H, m).
(第2工程)
化合物3(2.66g、4.68mmol)をメタノール(50mL)に溶かし、Pd(OH)2(0.27g)、酢酸(0.32mL、5.62mmol)を加えた。溶液を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応液をセライトろ過し、得られた母液を減圧下溶媒留去し、脱保護体1.9gを得た。続いて、脱保護体(0.85g)をTHF(20mL)に溶かした後、氷冷下tert−ブトキシカリウム(562mg、5.85mmol)を分割して加えた。溶液を氷冷下2時間撹拌した後に、CbzCl(0.67mL、4.68mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.82mL、4.68mmol)を加えた。溶液を氷冷下1時間撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物4(435mg、24%)を白色固体として得た。
NMR(CDCl3) δ: 1.06(1H, m), 1.44(10H, s), 2.20(1H, br), 3.92-4.00(2H, m), 5.13(2H, d, J = 6 Hz), 5.28(1H, br), 7.25-7.40(5H, m), 9.05(1H, s).
Figure 2016027001
化合物4の光学活性体については、光学活性な化合物1(99%ee)を用い、同様の手法で合成した。
製造例2:カルノサジンラクタム8および9の合成
Figure 2016027001
上記化合物1(1.33g.5.13mmol)をジクロロメタン(13mL)に溶かし、tert−ブチルジメチルクロロシラン(TBSCl)(0.82g、5.64mmol)およびイミダゾール(0.63g、9.49mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌し水を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物5(1.71g、100%)を白色固体として得た。
NMR(CDCl3) δ:0.20(9H, s), 0.87(6H, s), 1,30(3H, m), 1.36(1H, br), 1.45(9H, s), 1.60(1H, br), 1.70(1H, m), 3.62(1H, t, J = 7.6 Hz),3.87(1H, m), 4.11-4.25(2H, m), 5.20(1H, br).
化合物5(1.70g、4.55mmol)をTHF(30mL)に溶かし、水素化ナトリウム(0.20g、5.03mmol)を加えた。溶液を氷冷下30分撹拌した後、ヨウ化メチル(0.43mL、6.87mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物6(1.49g、84%)を黄色油状物質として得た。
NMR(CDCl3) δ:0.20(9H, s), 0.90(6H, s), 1,27(3H, m), 1.32(1H, m), 1.45(9H, s), 1.68-1.79(2H,m), 2.91(3H, s), 3.55(1H,br),3.91(1H, br), 4.07-4.21(2H, m).
化合物6(1.49g、3.84、mol)をTHF(13、L)に溶かし、1M TBAF/THF溶液(5.8、L、5.8、mol)を加えた。溶液を氷冷下3時間撹拌した後、飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物7(263、g、25%)を無色粘張性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ:1,26(3H, m), 1.38(1H, m), 1.44(9H, s), 1.62(1H, m), 1.92(1H, br), 2.87(3H, s), 3.73(1H, t, J = 10.4 Hz),3.94-4.04(1H, m), 4.20(2H, m).
化合物7から、上記化合物4の合成と同様の手法により、化合物8および化合物9を合成した。
化合物8
NMR(CDCl3) δ: 1.06(1H,s), 1.46(9H, s), 1.56(1H, m), 2.20(1H, br), 3.01(3H, s) 3.85-3.95(2H, m), 5.12(2H, m), 7.26-7.41(5H, m), 9.07(1H, s).
化合物9
NMR(CDCl3) δ: 1.14(1H,s), 1.46(9H, s), 1.54(1H, m), 2.17(1H, br), 3.01(3H, s) 3.90-4.12(2H, m), 4.35(3H, m), 7.30(2H, m), 7.40(2H, m), 7.61(2H, m ), 7.72(2H, m).
実施例1:化合物(A−3)の合成
Figure 2016027001
上記化合物10(320mg、1.01mmol)をピリジン(3mL)に溶かし、化合物11(191mg、1.01mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、1規定塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を1規定塩酸および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去することで、化合物12(431mg、0.91%)を白色固体として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.89(3H,m), 1.29(39H, s), 1.63(2H, m), 2.24(1H, t, J = 8 Hz), 2.35(1H, t, J = 8 Hz), 2.73(1H, dd, J = 5.2 Hz, 17.2 Hz), 2.96(1H, dd, J = 5.2 Hz, 17.2 Hz), 4.81(1H, m), 6.62(1H, d, J = 1.4 Hz).
化合物12(80mg、0.17mmol)をDMF(5mL)に溶かし、化合物13(51mg、0.17mmol)、HBTU(77mg、0.20mol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.059mL、0.34mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物14(88mg、70%)を無色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+): 767.5(M+Na).
化合物14(170mg、0.23mmol)を酢酸エチル(3mL)に溶かし、10%Pd/C(17mg)を加えた。溶液を水素雰囲気下、室温で6時間撹拌した後、溶液をセライトろ過した。母液を減圧下、溶媒留去することで、化合物15(140mg、91%)を得た。
続いて、上記化合物4(83mg、0.21mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶かし、TFA(1mL)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(2mL)に溶かし、化合物15(140mg、0.21mmol)、HBTU(119mg、0.32mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.18mL、1.08mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物16(114mg、57%)を無色アモルファスとして得た。
Mass (ESI+): 947.6(M+Na).
化合物16(114mg、0.12mmol)をメタノール(1mL)に溶かし、Pd(OH)2(11mg)および酢酸(0.01mL、0.18mmol)を加えた。溶液を水素雰囲気下、室温で5時間撹拌した後、セライトろ過をした。母液を減圧下溶媒留去した後、得られた残渣をジクロロメタン(1mL)に溶かし、TFA(1mL)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、ODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(A−3)(60mg、67%mmol)を得た。
元素分析:C34H57N6O8(HCl)1.0(H2O)3.0として
計算値(%):C, 53.15; H, 8.40; N, 10.94; Cl, 4.61.
実測値(%):C, 52.80; H, 8.30; N, 10.83; Cl, 5.26.
同様の手法により、以下の化合物を合成した。
実施例2:化合物(A−1)
Figure 2016027001
Mass (FAB+): 665.0(M+1)
実施例3:化合物(A−2)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):679.4(M+H).
実施例4:化合物(A−4)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):693.7(M+H).
実施例5:化合物(A−5)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):693.7(M+H).
実施例6:化合物(A−8)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):710.5(M+H)
実施例7:化合物(A−10)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):691.3(M+H)
実施例8:化合物(A−14)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):607.4(M+H)
実施例9:化合物(A−17)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):679.5(M+H)
実施例10:化合物(A−18)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):813.5(M+H)
実施例11:化合物(A−11)の合成
Figure 2016027001
化合物18(8.23g、30.9mmol)をTHF(6mL)に溶かし、ZnI2(986mg、3.09mmol)およびTMSCN(3.87mL、30.9mmol)加えた。溶液を室温で4時間撹拌した後、THF(50mL)および2規定塩酸(50mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで抽出した後、抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物19(7.41g、82%)を白色固体として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.89(3H,m), 1.28(24H, s), 1.41(2H, m), 2.12(2H,m), 4.93(1H, br), 5.59-5.64(1H, m), 6.60-6.09(1H, m).
化合物19(7.41g、25.2mmol)をメタノール(25mL)に溶かし、TMSCl(4.43mL、75.6mmol)を加えた。溶液を室温で2.5時間撹拌した後、40℃で一晩撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物20(4.62g、56%)を白色固体として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.88(3H,m), 1.26(24H, s), 1.40(2H, m), 2.05(2H,m), 3.80(3H, s), 4.60(1H, d, J = 6 Hz)), 5.547-5.53(1H, m), 5.85-5.92(1H, m).
化合物20(4.62g、14.1mmol)をTHF(85mL)に溶かし、4規定水酸化リチウム溶液(5.29mL、21.1mmol)を加えた。溶液を室温で一晩した後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、10%クエン酸溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去することで、化合物21(3.55g、81%)を黄色固体として得た。
Mass (ESI-):311.3(M-1)
以下、化合物(A−3)と同様の手法により、化合物(A−11)を合成した。
Mass (ESI+):709.4(M+H)
同様の手法により、以下の化合物を合成した。
実施例12:化合物(A−19)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):695.3(M+H)
実施例13:(A−22)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):665.4(M+H)
実施例14:化合物(A−15)の合成
Figure 2016027001
化合物23を出発原料とし、化合物21と同様の手法により化合物24を合成した。
NMR(CDCl3) δ: 0.89(3H,m), 1.26-1.38(8H, m), 2.10(2H, m),4.82(1H, m), 5.61-5.66(1H, m), 5.76-5.81(1, m), 6.00-6.04(1H, m), 6.42-6.46(1H, m).
化合物25(500mg、1.26mmol)をDMF(10mL)に溶かし、2−トリメチルシリルエタノール(0.43mL、1.89mmol)、HATU(718mg、1.89mmol)およびN−メチルモルホリン(0.21mL、1.89mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物27(294mg、25%)を無色粘張性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.01(6H,m), 0.98-1.01(2H, m), 2.84(1H, d, J = 12Hz), 3.01(1H, d, J = 12Hz ), 4.17-4.25(3H, m), 4.34-4.42(2H, m), 4.67(3H, s), 5.25(1H, d, J = 8 Hz), 5.33(1H, d, J = 17.2 Hz), 7.30(2H, m), 7.40(2H, m), 7.61(2H, m ), 7.77(2H, m).
同様の手法で、化合物26から化合物28を合成した。
NMR(CDCl3) δ: 0.01(6H,m), 0.94-1.00(2H, m), 2.84-2.86(1H, m), 2.92-3.02(3H,), 3.01(1H, d, J = 12Hz ), 3.73(1H, dd, J = 6.8 Hz, 8.4 Hz), 4.09-4.27(4H, m), 4.37-4.40(2H, m), 4.65(1H, m), 4.86(1H, m), 5.21-5.31(2H, m), 5.85(1H, m), 7.30(2H, m), 7.40(2H, m), 7.61(2H, m ), 7.77(2H, m).
化合物27(262mg、0.53mmol)をTHF(5mL)に溶かし、ジエチルアミン(0.55mL、5.29mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(5mL)に溶かし、化合物24(135mg、0.64mmol)、HATU(302mg、0.80mmol)およびN−メチルモルホリン(0.12mL、1.06mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物29(158mg、64%)を褐色粘張性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.01(6H,m), 0.87(3H, m), 0.94(2H, m), 1.23-1.49(8H, m), 2.06(2H, m), 2.80-2.84(1H, m), 3.01-3.02(3H,), 4.10-4.19(3H, m), 4.59-4.66(3H, m), 4.85(1H, m), 4.86(1H, m)5.23-5.33(2H, m), 5.65(1H, m), 5.74(1H, m), 6.35(1H, m), 7.20(1H, m).
化合物28(224mg、0.44mmol)をTHF(4mL)に溶かし、ジエチルアミン(0.46mL、4.40mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、減圧下溶媒を留去し、脱Fmoc体を得た。
一方、化合物29(158mg、0.34mmol)をTHF(4mL)に溶かし、Pd(PP3)4(20mg、0.01mmol)およびモルホリン(0.03mL、0.41mmol)を加えた。溶液を室温で2時間撹拌した後、10%クエン酸溶液を加えクロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、カルボン酸体を得た。
得られた脱Fmoc体およびカルボン酸体をDMF(4mL)に溶かし、HATU(201mg、0.53mmol)およびN−メチルモルホリン(0.09mL、0.88mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物30(118mg、50%)を褐色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):717.9(M+H)
化合物30(74mg、0.11mmol)をTHF(1.5mL)に溶かし、Pd(PPh3)4(12mg、0.01mmol)およびモルホリン(0.01mL、0.14mmol)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌した後、10%クエン酸溶液を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、カルボン酸体を得た。
一方、化合物9(49mg、0.10mmol)をジクロロメタン(0.3mL)に溶かし、TFA(0.1mL)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(1mL)に溶かし、カルボン酸体、HATU(76mg、0.20mmol)およびN−メチルモルホリン(0.04mL、0.40mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物31(53mg、45%)を黄色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):1029.3(M+)
化合物31(49mg、0.05mmol)をTHF(1mL)に溶かし、ジエチルアミン(0.05mL、0.48mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をTHF(0.5mL)に溶かし、1M TBAF(0.1mL、0.1mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、ODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(A−15)(5mg、16%)を得た。
Mass (ESI+):607.3(M+H)
同様の手法により、以下の化合物を合成した
実施例15:化合物(A−21)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):706.4(M+H)
実施例16:化合物(A−12)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):704.2(M+H)
実施例17:化合物(A−13)
化合物24を用い、化合物(A−3)と同様な手法により、以下の化合物を合成した。
Figure 2016027001
Mass (ESI+):607.2(M+H)
実施例18および19:化合物(A−16)および化合物(A−20)の合成
Figure 2016027001
上記化合物33(100mg、0.37mmol)をトルエン(2mL)に溶かし、−40℃でジヨードメタン(0.12mL、1.48mmol)および1M Et2Zn(0.73mL、0.74mmol)を加えた。溶液を−40℃で1時間撹拌した後、室温で1時間撹拌した。溶液に水を加え酢酸エチルで抽出した後、抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物34(87mg、81%)を黄色粘張性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ:0.08(6H, s), 0.30-0.37(2H, m), 0.58(1H, m), 0.82-0.90(10H, m), 1.20-1.26(10H, m), 3.43(2H, s), 3.59(2H, t, J = 6.8 Hz).
化合物34(3.55g、11.6mmol)をジクロロメタン(35mL)に溶かし、デスーマーチン試薬(6.31g、14.9mmol)を加えた。溶液を室温で3.5時間撹拌した後、sat.Na223を加え室温で30分撹拌した。溶液をクロロホルムで抽出した後、抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、アルデヒド体(2.86g、87%)を無色粘張性物質として得た。続いて、水素化ナトリウム(18mg、0.45mmol)およびジエチルホスホノ酢酸エチル(0.08mL、0.45mmol)をTHF(1mL)に溶かし、アルデヒド体(86mg、0.30mmol)をTHF(1mL)に溶かした溶液を、氷冷下加えた。溶液を氷冷下1時間撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物35(92mg、90%)を無色油状性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ:0.08(6H, s), 0.74-0.83 (2H, m), 0.90(9H, m), 1.00(1H, br), 1.24-1.57(23H, m), 3.59(2H, t, J = 6.8 Hz), 3.70(3H, s), 5.83(1H, d, J = 15.2 Hz), 6.46(1H, dd, J = 10.4 Hz, 15.2 Hz).
化合物35(92mg、0.27mmol)をTHF(2mL)に溶かし、1M TBAF(0.40mL、0.40mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物36(63mg、100%)を無色油状物質として得た。
Mass (ESI+):226.6(M+H)
DMSO(1.98mmol、27.8mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶かし、−78℃で(COCl)2(1.41mL、16.7mmol)を加えた。溶液を−78℃で1時間撹拌した後、上記化合物36(2.52g、11.1mmolのジクロロメタン溶液(10mL)を加えた。溶液を−78℃で1時間撹拌した後、トリエチルアミン(7.74mL、55.5mmol)を加えた。溶液を−78℃で30分で撹拌した後、室温で2時間撹拌した。溶液に水を加えた後、クロロホルムで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、アルデヒド体を得た。
続いて、ヘプチルトリフェニルホスホニウムブロミド(6.17g、14.0mmol)をTHF(10mL)に溶かし、1.07Mナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS)(13.1mL、14.0mmol)を氷冷下加えた。溶液を氷冷下1時間撹拌した後、−78℃に冷却した。アルデヒド体のTHF溶液(30mL)を、−78℃で反応液に加えた。溶液を−40℃で2時間撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物37(1.89g、66%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.74-1.00 (7H, m), 1.27-1.56((16H, m), 2.00(4H, m), 3.70(3H, s), 5.36(2H, m), 5.83(1H, d, J = 15.2 Hz), 6.46(1H, dd, J = 10.4 Hz, 15.2 Hz).
化合物37(200mg、0.65mmol)をジクロロメタン(4mL)に溶かし、−78℃で1M水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)(1.98mL、1.96mmol)を加えた。溶液を−78℃で1時間撹拌した後、アセトンおよび水を加え室温で30分撹拌した。溶液をクロロホルムで抽出した後、抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、アルコール体(92mg、55%)を得た。
続いて得られた化合物をジクロロメタン(1mL)に溶かし、二酸化マンガン(72mg、0.83mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、二酸化マンガン(72mg、0.83mmol)を追加した。溶液を一晩撹拌した後、セライトろ過をし、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物38(35mg、39%)を無色油状物質として得た。
NMR(CDCl3) δ: 0.84-0.96 (6H, m), 1.10(1H, m), 1.20-1.40((16H, m), 2.00(4H, m), 5.36(2H, m), 6.15(1H, m), 6.36(1H, m), 9.40(1H, s)..
以下、化合物21と同様の手法により、化合物39を得た。
Mass (ESI-):321.6(M-)
化合物39を用い、化合物(A−15)と同様の手法により、化合物(A−16)および化合物(A−20)を合成した。
化合物(A−16)
Mass (ES+):1139.6(M+)
化合物(A−20)
Mass (ES+):718.5(M+H)
実施例20および21:化合物(A−7)および化合物(A−9)の合成
Figure 2016027001
化合物4(790mg、3.05mmol)をジクロロメタン(15mL)に溶かし、TBDPSCl(0.87mL、3.35mmol)およびイミダゾール(415mg、6.10mmol)を加えた。溶液を室温で4時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物41(1.18g、077%)を無色粘張性物質として得た。
NMR(CDCl3) δ:1.20(9H, s), 1.26(1H, m), 1.45(9H, s), 1.58-1.65(2H, m), 3.73(1H,m),3.95(1H, m), 4.11-4.21(4H, m), 5.10(1H, br). 7.43(3H, m), 7.65(2H, m).
化合物41(200mg、0.40mmol)をジクロロメタン(0.6mL)に溶かし、TFA(0.30mL)を加えた。溶液を室温で2時間撹拌した後、飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、脱保護体(94mg、58%)を無色粘張性物質として得た。続いて、脱保護体(90mg、0.23mmol)をDMF(2mL)に溶かし、化合物42(140mg、0.27mmol)、HATU(105mg、0.27mmol)およびN−メチルモルホリン(0.03mL、0.27mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物43(149mg、91%)を無色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):717.4(M+H)
化合物43(119mg、0.17mmol)をTHF(2mL)に溶かし、−50℃で0.5M KHMDS(0.40mL、0.20mmol)を加えた。溶液を−50℃で1時間撹拌した後、メトキシメチルクロリド(0.04mL、0.51mmol)を加えた。溶液を−50℃から4時間かけて0℃まで昇温した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物44(72mg、53%)を無色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):783(M+Na)
化合物44(180mg、0.24mmol)をメタノール(4mL)に溶かし、Pd(OH)2(18mg)および酢酸(0.02mL、0.35mmol)を加えた。溶液を、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した後、セライトろ過をし、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(3mL)に溶かし、化合物12(144mg、0.31mmol)、HATU(152mg、0.40mmol)およびN−メチルモルホリン(0.06mL、0.60mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物45(72mg、29%l)を無色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):1100.7(M+Na)
化合物45(947mg、0.88mmol)をTHF(20mL)に溶かし、1M TBAF(4.39mL、4.39mmol)および酢酸(0.25mL)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物46(615mg、83%)を無色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):840.6(M+)
化合物46(615mg、0.73mmol)をTHF(6mL)およびMeCN(6mL)に溶かし、化合物2(359mg、1.10mmol)、PPh3(289mg、1.10mmol)およびDIAD(0.215mL、1.10mmol)を窒素雰囲気下で加えた。溶液を室温で1時間撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物47(498mg、59%)を無色粘張性物質として得た。
Mass (ESI+):1172.2(M+Na)
化合物47(498mg、0.43mmol)をメタノール(10mL)に溶かし、水酸化パラジウム(50mg)、酢酸(0.03mL、0.52mmol)を加えた。溶液を水素雰囲気下、室温で30分撹拌し後、反応液をセライトろ過した。得られた母液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をTHF(6mL)に溶かした後、氷冷下tert−ブトキシカリウム(82mg、0.85mmol)を分割して加えた。溶液を氷冷下3時間撹拌した後に、水を加えクロロホルム−メタノール混合溶媒で抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をジクロロメタン(1mL)に溶かし、氷冷下TFA(0.5mL)を加えた。溶液を室温で4時間撹拌した後、水を加えクロロホルム−メタノール混合溶媒で抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(A−7)(91mg、26%)を白色固体として得た。
Mass (ESI+):723.0(M+H)
化合物48(25mg、0.003mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶かし、氷冷下NaI(49mg、0.033mmol)およびTMSCl(0.04mL、0.033mmol)を加えた。溶液を氷冷下2時間撹拌した後、水を加えクロロホルム−メタノール混合溶媒で抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(A−9)(19mg、67%)を白色固体として得た。
Mass (ESI+):709.3(M+H)
同様の手法により、以下の化合物を合成した。
実施例22:化合物(A−6)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):608.7(M+H)
実施例23:化合物(B−3)の合成
Figure 2016027001
化合物4*(219mg、0.56mmol)をジクロロメタン(3mL)に溶かし、TFA(1.5mL)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌した後、飽和重曹水を加えクロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をDMF(4mL)に溶かし、化合物50(1.22g、2.81mmol)および炭酸カリウム(404mg、2.92mmol)を加えた。溶液を60℃で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物51(136mg、41%)を無色油状物質として得た。
Mass (ESI+):594.37(M+H)
化合物51(136mg、0.23mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶かし、化合物10(109mg、0.34mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.06mL、0.34mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加えクロロホルムで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物52(130mg、65%)を無色油状物質として得た。
Mass (ESI+):898.5(M+Na)
上記化合物52(114mg、0.131mmol)をメタノール(2mL)に溶かし、酢酸(0.01mL、0.26mmol)およびPd(OH)2(11mg)を加えた。溶液を水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した後、セライトろ過した。母液を減圧下溶媒留去し、得られた残渣をジクロロメタン(2mL)に溶かし、TFA(1mL)を加えた。溶液を室温で2.5時間撹拌した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(B−3)(50mg、61%)を得た。
Mass (ESI+):550.4(M+H)
同様の手法により、以下の化合物を合成した
実施例24:化合物(B−7)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):607.5(M+H)
実施例25:化合物(B−6)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):696.4(M+H)
実施例26:化合物(B−10)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):621.4(M+H)
実施例27:化合物(B−11)
Figure 2016027001
Mass (FAB+):850.0(M+H)
実施例28:化合物(B−9)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):1137.7(M+H)
実施例29および30:化合物(B−1)および(B−2)の合成
Figure 2016027001
化合物4(94mg、0.24mmol)をジクロロメタン(1.2mL)に溶かし、TFA(0.6mL)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。
得られた残渣をDMF(2mL)に溶かし、化合物54(97mg、0.29mmol)、HATU(137mg、0.36mmol)およびN−メチルモルホリン(0.13mL、1.20mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物55(202mg)を得た。
続いて、上記化合物55(119mg)をメタノール(2mL)に溶かし、酢酸(0.016mL、0.26mmol)およびPd(OH)2(12mg)を加え、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジオキサン(1.2mL)に溶かし、4M HCl/ジオキサン(0.16mL、0.64mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(B−1)(41mg、50%)を得た。
Mass (ESI+):284.1(M+H)
化合物55(202mg、0.24mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶かし、TFA(1mL)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をDMF(3mL)に溶かし、グリシンtert−ブチルエステル(48mg、0.29mmol)、HATU(137mg、0.36mmol)およびN−メチルモルホリン(0.13mL、1.20mmol)を加えた。溶液を室温で一晩撹拌した後、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルクロマトフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物57(115mg)を得た。
続いて、上記化合物57(115mg)をメタノール(2mL)に溶かし、酢酸(0.021mL、0.38mmol)およびPd(OH)2(12mg)を加え、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をジクロロメタン(0.8mL)に溶かし、TFA(0.4mL)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をODSクロマトグラフィー(5mM塩酸/メタノール)で精製し、化合物(B−2)(54mg,100%)を得た。
Mass (ESI+):340.3(M+H)
同様の手法により、以下の化合物を合成した。
実施例31:化合物(B−5)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):621.2(M+H)
実施例32:化合物(B−4)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):428.7(M+H)
実施例33:化合物(B−8)
Figure 2016027001
Mass (ESI+):585.3(M+H)
製造例2:化合物aの調製
Figure 2016027001
化合物aの発酵生産
(発酵工程)
種母培養1段目として、グルコース1.0%、バクトペプトン(ディフコ社製)0.5%、バクト酵母エキス(ディフコ社製)0.3%、塩化マグネシウム6水和物0.3%、リン酸2水素カリウム0.1%、水道水からなる培地60ml(pH7に調製)を含む500ml容三角フラスコに、シュウドモナスSB50806株(SAP311−8)の種菌(2mlバイアル、5%DMSO+5%トレハロース溶液、−80℃保存)を接種し、振幅70mm、毎分180回転で、26℃、24時間振盪培養を行った。種母培養2段目として、グルコース1.0%、バクトペプトン(ディフコ社製)0.5%、バクト酵母エキス(ディフコ社製)0.3%、塩化マグネシウム6水和物0.3%、リン酸2水素カリウム0.1%、水道水からなる培地500ml(pH7に調製)を含む2L容枝付三角フラスコに1段目の培養液10mlを植菌し、振幅70mm、毎分180回転で、26℃、24時間振盪培養を行う。スタロバシン発酵生産培養として、マルトース3.0%、エビオス(アサヒビール社製)1.0%、β―シクロデキストリン1.5%、オリーブ油0.5%、塩化マグネシウム6水和物0.3%、リン酸2水素カリウム0.1%、水道水からなる培地25L(pH7に調製)を含む40L容ジャーファメンターに、2段目の培養液100mlを植菌し、通気量5L/分、溶存酸素40%、26℃、撹拌回転数は溶存酸素からカスケード制御し(160〜250rpm)、スクリュー羽根を用いて1週間培養した。
(分離工程)
培養終了後、ジャーファメンター内で50℃にて30分加熱し殺菌した。殺菌後の培養液25LにHP−20樹脂・再生品(三菱化学)1.7Lを添加し1時間撹拌混合することで化合物aおよびその誘導体のバッチ吸着を行った。次にポリエチレンメッシュシートを用いて樹脂を回収し、水洗した後ブフナー漏斗に積層した。30%メタノール5Lで洗浄した後、20mMのリン酸2水素カリウムを含む80%メタノール8Lで溶出した。化合物aを含む溶出画分(HPLC分析で確認)6Lについて減圧濃縮し、得られた水層200mlを塩酸でpH4に調製することで等電点沈殿を行った。得られた沈殿を水洗後、50mlの水(pH6.5)で溶解し、凍結乾燥を行うことで1772mgの粗粉末を得た。
(精製工程)
上記工程で得られた粗粉末を15mlの水に溶解し、Develosil ODS−UGカラム(15/30・50x500mm、移動層:水・含20mMリン酸2水素カリウム+50mM硫酸ナトリウム・pH7/アセトニトリル、リニアグラジエント:アセトニトリル38〜55%・60分、流速:55ml/分、検出波長:208nm)を用いて分取高速液体クロマトグラフィーを行った。化合物aを主成分とする分取画分を100mlまで減圧濃縮後、カルボキシペプチダーゼY(オリエンタル酵母社製)1mgを添加し、pH5、37℃、24時間撹拌反応した。反応終了後、反応液を塩酸でpH4に調製し等電点沈殿を行い、得られた沈殿を水洗後、15mlの水(pH6.5)で溶解し凍結乾燥を行うことで443mgの粉末を得た。本粉末を15mlの水に溶解し、Develosil ODS−UGカラム(15/30・50x500mm、移動層:水・含20mMリン酸2水素カリウム+50mM硫酸ナトリウム・pH7/アセトニトリル、アイソクラティック:アセトニトリル41%、流速:55ml/分、検出波長:208nm)を用いて分取高速液体クロマトグラフィーを行った。得られた化合物aの分取画分を減圧濃縮後、分子量3500カットの透析膜で透析を行い、凍結乾燥することで純度88.8%の化合物aを178mg得た。
実施例33−2および33−3:化合物(A−23)および(A−24)の合成
Figure 2016027001
化合物a(90mg、67μmol)を1M HCl水溶液(2ml)に溶解し、60℃で10時間撹拌した。アセトニトリル(2ml)を加えた後、逆相カラムクロマトグラフィー (カラム:YMC AM120 ODS 20x50mm、移動相A:0.1% TFA水溶液、移動相B:0.1%TFA アセトニトリル溶液、流速 5.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで、化合物(A−23)(18mg)、化合物(A−24)(3.2mg)を得た。
化合物(A−23) Mass(ESI+):1022.5(M+H)+
化合物(A−24) Mass(ESI+):749.4(M+H)+
実施例34:化合物(C−5)
Figure 2016027001
化合物a(50mg、38μmol)を水(1.5ml)に溶解し、リパーゼB Candida antarctica(10U)、酢酸エチル(5ml)、30%過酸化水素水(50μl)を加え、35℃で5時間攪拌した。水(1.5ml)を加えた後、水層を分離し、さらに有機層に水(3ml×2回)を加え目的物を抽出した。水層の不溶物をろ過により除去した後、逆相カラムクロマトグラフィー(カラム:DEVELOSIL Combi-RP-5 25x150mm、移動相A:0.05% TFA水溶液、移動相B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 10.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで、化合物2(9.7mg、25%)を得た。
LC−MS:
Rt:5.6min、[M+H]+:1021
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:2%−10%(4min)−90%(12min))
化合物2(5mg、4.9μmol)をジメチルホルムアミド(1ml)に溶解し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4.3μL、24μmol)を加えた。そして300μLのジメチルホルムアミドに溶解した化合物3(2.9mg、7.4μmol)を加え、室温で2日間攪拌した。逆相カラムクロマトグラフィー(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 10x250mm、移動相A:0.05% TFA水溶液、移動相B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 6.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで化合物(C−5)(1.2mg、18%)を得た。
LC−MS:
Rt:18.5min、[M+H]+:1301
(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 4.6×250mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:40%−50%(20min))
実施例35:化合物(C−11)
Figure 2016027001
マイクロカプセル化四酸化オスミウム(10%Wt)(77mg、30μmol)にアセトニトリル(2.5ml)、水(3.5ml)を加え、さらにピリジン(6μl、75μmol)、水1mlに溶解した化合物aを加え、1時間室温で攪拌した。その後水0.5mlに溶解した過ヨウ素酸ナトリウム(32mg、151mmol)を加え、さらに室温で7時間攪拌した。マイクロカプセル化四酸化オスミウムをろ過により除去した。ろ液は濃縮、精製せずそのまま次反応に用いた。
アセトニトリルと水の混合溶液(4.5ml)に溶解した化合物5(19μmol)に化合物6(25μL、190μmol)を加え室温で1時間攪拌した。その後水素化ホウ素ナトリウム(1.4mg、38μmol)を加え、更に40分攪拌した。逆相カラムクロマトグラフィー(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 10x250mm、移動相A:0.05% TFA水溶液、移動相B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 6.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで化合物(C−11)(1.1mg、4.5%)を得た。
LC−MS:
Rt:10.2min、[M+H]+:1329
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:15%−35%(10min))
実施例36:化合物(C−8)
Figure 2016027001
化合物a(10mg、7.5μmol)を水(2ml)、メタノール(1ml)に溶解し、5% パラジウムカーボン(2mg)を加え、水素雰囲気下、室温で26時間攪拌した。ろ過により触媒を除去し、減圧濃縮した。逆相カラムクロマトグラフィー(カラム:DEVELOSIL ODS 20x150mm、移動相A:0.05% TFA水溶液、移動相B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 10.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで化合物(C−8)(3.6mg、36%)を得た。
LC−MS:
Rt:7.2min、[M+H]+:1328
(カラム:Symmetry C18 5μm 3.9×50mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:35%−55%(10min))
実施例37:化合物(C−7)
Figure 2016027001
化合物a(10mg、7.5μmol)を100mMリン酸緩衝液 pH7.4(1ml)、アセトニトリル(0.5ml)に溶解し、化合物9(5.7mg、11μmol)を加え、室温で2時間攪拌した。逆相カラムクロマトグラフィー(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 10x250mm、移動相A:0.05% TFA水溶液、移動相B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 6.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで化合物(C−7)(6.5mg、50%)を得た。
LC−MS:
Rt:7.4min、[M+H]+:1720
(カラム:Symmetry C18 5μm 3.9×50mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:35%−55%(10min))
実施例38:化合物(C−3)
Figure 2016027001
化合物a(30mg、23μmol)に水1.15ml、DMF1.15mlに溶解させた第二世代グラブス触媒(1.9mg、2.3μmol)、1−デセン(64mg、0.45mmol)を加え室温で5時間攪拌した.さらに第二世代グラブス触媒(1.9mg、2.3μmol)、1−デセン(64mg、0.45mmol)を追加し室温で3.5時間攪拌した。逆相カラムクロマトグラフィー(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 10x250mm、移動相A:0.05% TFA水溶液、移動相B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 6.0ml/分)で精製し、凍結乾燥することで化合物(C−3)(9.3mg、33%)を得た。
LC−MS:
Rt:9.5min、[M+H]+:1241
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:15%−50%(10min))
実施例39:化合物(C−2)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:5.3min、[M+H]+:1175
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.1% FA水溶液、移動層B:0.1% FA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:20%−45%(10min))
実施例40:化合物(C−1)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:11.4min、[M+H]+:1329
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.1% FA水溶液、移動層B:0.1% FA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:20%−45%(10min))
実施例41:化合物(C−4)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:6.1min、[M+H]+:1245
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:15%−50%(10min))
実施例42:化合物(C−9)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:7.3min、[M+H]+:1330
(カラム:Symmetry C18 5μm 3.9×50mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:35%−55%(10min))
実施例43:化合物(C−10)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:16.2min、[M+H]+:1315
(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 4.6×250mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:40%−50%(20min))
実施例44:化合物(C−6)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:17.8min、[M+H]+:1315
(カラム:Inertsil ODS-3 5μm 4.6×250mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:40%−50%(20min)
実施例45:化合物(C−12)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:7.8min、[M+H]+:1331
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:15%−35%(10min))
実施例46:化合物(C−13)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:11.1min、[M+H]+:1316
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:35%−50%(15min))
実施例47:化合物(C−14)
Figure 2016027001
LC−MS:
Rt:14.5min、[M+H]+:1314
(カラム:DEVELOSIL C30-UG-5 4.6×150mm、移動層A:0.05% TFA水溶液、移動層B:0.05%TFA アセトニトリル溶液、流速 1.0ml/分、グラジエント:35%−50%(15min))
実施例48:化合物(A−23)
Figure 2016027001
化合物3(0.48g、0.84mmol)を塩化メチレン(5mL)に溶かし、トリフルオロ酢酸(5ml)を加えた。溶液を室温で16時間撹拌した後に、反応液を減圧下溶媒留去した。得られた粗反応物を塩化メチレン(10mL)に溶かした後、トリエチルアミン(0.35mg、2.5mmol)および塩化パルミトイルを加えた。溶液を室温で3日間撹拌した後に、反応液を濃縮し、フラッシュシリカゲルクロマトフィー(ヘプタン/酢酸エチル)で精製し、化合物3a(0.27mg、46%)を無色粘稠性物質として得た。
化合物3a(0.38g、0.54mmol)をメタノール(10mL)に溶かし、10%パラジウム炭素(0.58g、0.54mmol)を加えた。室温で水素雰囲気下16時間撹拌し反応させた後に、反応液をセライトろ過し、メタノール(100mL)で洗浄した。得られたろ液を減圧下溶媒留去し、得られた粗反応物をテトラヒドロフラン(10mL)に溶かした後、ナトリウムtert−ブトキシド(52mg、0.54mmol)を加えた。溶液を室温で36時間攪拌した後に、反応液を濃縮して1mol/Lの塩酸(1mL)に溶解し、HPLC(Luna C18(2)(21.2x250mm))で精製した。精製物を1mol/Lの塩酸に溶解して再結晶を行うことにより、化合物(A−23)(17mg、8%)を白色固体として得た。
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6) δ3.92-3.87(m,1H), 3.74(d,J=10.0 Hz,1H), 2.18-2.08(m, 3H), 1.5-1.4(m, 4H), 1.25(m,24H), 0.85(t,J=12.0 Hz,3H); ESI MS m/z 393 [M+H]+
以下に、本発明化合物の生物試験例を記載する。
試験例1:抗菌活性のインビトロ測定
当業者に周知の陽イオン調整ミューラーヒントン液体培地を用いた微量液体希釈法により、本発明化合物のいくつかについて最小発育阻止濃度を測定した。
試験の結果、本発明の化合物はバンコマイシン耐性菌を含む種々の細菌に対して抗菌活性を示した。結果を以下に示す。
Figure 2016027001

ここで、Staphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniae、Klebsiella pneumoniae、Bacillus sp.、Corynebacterium gultamicumは、それぞれ、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、肺炎桿菌、バチルス属桿菌、グルタミン酸生産菌を意味する。また、MRSA、VRS、PRSPは、それぞれ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎球菌を意味する。
試験例2:形態変化の評価
被検菌をCGPY培地(Chmaraら、Microbiology、144巻、1349〜1358頁、(1998年))表面の全面に行き渡るように植菌し、乾燥後に本発明化合物のDMSO溶液をしみこませたペーパーディスクを置き、37℃で培養を行った。24時間後、形成したペーパーディスクおよび阻止円周辺、ならびに寒天培地のプレート辺縁の細菌形態を観察した。
試験の結果、化合物A−4、A−7およびA−11が、Bacillus sp. ATCC21206およびCorynebacterium gultamicum ATCC13058に対して形態変化を発現させた。
試験例3:ヒトアルブミン添加による抗菌活性への影響
4.5%ヒトアルブミン存在下で試験例1記載の試験を行い、本発明化合物のいくつかについて最小発育阻止濃度を測定し、試験例1で得られた結果と比較した。
試験の結果、化合物C−8のS. aureus RN4220に対する最小発育阻止濃度が、ヒトアルブミン存在下において非存在下と比較して8倍の数値を示した。一方、特許第3568978号に記載された抗菌活性を有する化合物であるスタロバシンIは、同様の試験により60倍の数値を示した。
製剤例1
本発明化合物を粉末充填することにより注射剤を調製する。
本発明に係る化合物は、バンコマイシン耐性菌を含む種々の細菌に対して抗菌活性を有するので抗菌薬として有用である。

Claims (14)

  1. 式(I):
    Figure 2016027001
    [式中、
    1は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、
    2は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のシクロアルキル、置換若しくは非置換のシクロアルケニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、
    3は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルまたは−C(NHR31)=NR32であり、
    ここで、R31は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキルオキシカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルオキシカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシカルボニルであり、
    32は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである。]
    で示される化合物(但し、スタロバシンA、B、C、D、E、F、G、HおよびIを除く。)またはその製薬上許容される塩。
  2. 1が水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルである、請求項1記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  3. 2が水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルである、請求項1または2記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  4. 1が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルカルボニルであり、R2が、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  5. 3が−C(NHR31)=NR32である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  6. 1が以下に示される基
    Figure 2016027001
    (ここで、
    11は、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族炭素環式基、置換若しくは非置換の芳香族複素環式基、置換若しくは非置換の非芳香族複素環式基、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニル、置換若しくは非置換のアルキニルカルボニル、置換若しくは非置換の芳香族炭素環カルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族炭素カルボニル、置換若しくは非置換の芳香族複素環カルボニル、置換若しくは非置換の非芳香族複素環カルボニルであり、
    12は、水素原子、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシまたは置換若しくは非置換のアルキニルオキシであり、
    13、R14およびR15は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルである)である、請求項1〜5のいずれか記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  7. 11が置換若しくは非置換のアルキルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルであり、R12が水素原子またはヒドロキシであり、R13が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルであり、R14が水素原子であり、R15がカルボキシメチルである、請求項6記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  8. 2が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルである、請求項6または7記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  9. 2が以下に示される基
    Figure 2016027001
    (ここで、
    2Aは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、
    2B、R2C、R2D、R2E、R2IおよびR2Jは、それぞれ独立して、水素原子または置換若しくは非置換のアルキルであり、
    2Fは、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシまたは−NR2K2L(R2KおよびR2Lは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニルまたは置換若しくは非置換のアルキニル)であり、
    2G、R2H、R2IおよびR2Jは、それぞれ独立して、水素またはヒドロキシである)である、請求項6または7記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  10. 2Aが水素原子またはヘテロ原子基が介在してもよい置換若しくは非置換のアルキルカルボニルであり、R2B、R2C、R2D、R2E、R2IおよびR2Jがいずれも水素原子であり、R2F、R2GおよびR2Hがいずれもヒドロキシである、請求項9記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  11. 1が水素原子または置換若しくは非置換のアルキルカルボニルであり、R2が以下に示される基
    Figure 2016027001
    (ここで、 Yは、単結合またはオキソで置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、若しくはアルキニレンであり、
    2Iは、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、置換若しくは非置換のアルキルカルボニル、置換若しくは非置換のアルケニルカルボニルまたは置換若しくは非置換のアルキニルカルボニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよく、
    およびR22は、水素原子、ヒドロキシ、置換若しくは非置換のアルキルオキシ、置換若しくは非置換のアルケニルオキシ、置換若しくは非置換のアルキニルオキシまたは−NR2324(R23、R24は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニルであり、該アルキル、アルケニルおよびアルキニルはヘテロ原子基が介在してもよい)
    である、請求項1〜5のいずれか記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  12. 2が以下に示されるいずれかの基
    Figure 2016027001
    である、請求項11記載の化合物またはその製薬上許容される塩。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する医薬組成物。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容される塩を含有する抗菌剤。
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