JP2016025203A - 有機半導体膜形成用の組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機膜トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用インク、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機膜トランジスタおよびオリゴマー - Google Patents

有機半導体膜形成用の組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機膜トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用インク、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機膜トランジスタおよびオリゴマー Download PDF

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Abstract

【課題】有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少ない有機半導体膜形成用の組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機膜トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用インク、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機膜トランジスタ及びオリゴマーの提供。
【解決手段】分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xと;数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーY;の両方を少なくとも含み、オリゴマーYが、主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し、かつ縮合多環骨格を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である繰り返し単位Aを含む、有機半導体膜形成用の組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機半導体膜形成用の組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機膜トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用インク、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機膜トランジスタおよびオリゴマーに関する。より詳しくは、本発明は、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少ない有機半導体膜形成用の組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機膜トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用インク、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機膜トランジスタおよびオリゴマーに関する。
有機半導体材料を用いたデバイスは、従来のシリコンなどの無機半導体材料を用いたデバイスと比較して、様々な優位性が見込まれているため、高い関心を集めている。有機半導体材料を用いたデバイスの例としては、有機半導体材料を光電変換材料として用いた有機膜太陽電池や固体撮像素子などの光電変換素子や、非発光性(本明細書中、「非発光性」とは、室温、大気下0.1mW/cm2の電流密度でデバイスに電流を流した場合に、1lm/W以下の発光効率のことを言う。非発光性有機半導体デバイスと言えば、有機電界発光素子などの発光性有機半導体デバイスを除く有機半導体デバイスを意味する)の有機トランジスタが挙げられる。有機半導体材料を用いたデバイスは、無機半導体材料を用いたデバイスと比べて低温、低コストで大面積の素子を作製できる可能性がある。さらに分子構造を変化させることで容易に材料特性を変化させることが可能であるため材料のバリエーションが豊富であり、無機半導体材料ではなし得なかったような機能や素子を実現することができる。
有機膜トランジスタ(有機薄膜トランジスタとも言われる)は大気下塗布系のような簡便な装置で有機膜である半導体活性層が形成できることから将来の半導体技術として期待されている。
低分子の有機半導体に対し、高分子化合物などのバインダーを組み合わせて、半導体活性層(有機半導体層)を形成することが知られている(特許文献1〜3参照)。
例えば特許文献1には、低分子の有機半導体としてチエノアセン系化合物を用い、有機バインダーとしてポリトリアリールアミンまたはポリ(9−ビニル)カルバゾール(側鎖型)を組み合わせて有機膜トランジスタを製造した例が記載されており、このような組み合わせにより高いキャリア移動度を示し、また優れたフィルム形成特性を示すと記載されている。特許文献1には、有機バインダーの分子量は1,500〜2,000以上と記載がある。
特許文献2には、低分子の有機半導体としてチエノアセン化合物が開示されている。また、この化合物の膜形成性を高め、均一な膜を得て機器の性能を向上させるためにポリマーバインダーを用いることが記載されており、ポリマーバインダーとしてポリカルバゾールなどの記載がある。なお、特許文献2では、ポリマーバインダーを低分子の有機半導体と併用した実施例は開示されていなかった。特許文献2には、ポリマーバインダーの重量平均分子量は10,000〜2,000,000と記載がある。
特許文献3には、低分子化合物とキャリア輸送性を有する高分子化合物を含む有機膜を備えた有機膜トランジスタが記載されており、低分子の有機半導体とキャリア輸送性を有する高分子化合物の溶解度パラメータSP値を制御することで膜性が向上し、移動度が優れることが記載されている。低分子の有機半導体としてアセンまたはヘテロアセン化合物、高分子化合物として共役不飽和構造を有するバインダーが好ましいと記載がある。また、共役不飽和構造を有するバインダーの具体例として主鎖型カルバゾールの記載がある。特許文献3には、キャリア輸送性を有する高分子化合物の重量平均分子量は特に30,000以上が好ましいと記載がある。
特表2010−524983号公報 特開2013−087118号公報 特開2009−267372号公報
一方で、有機膜トランジスタ素子の製造工程では電極を製造した後の加熱アニール工程などをはじめとして100〜200℃程度の熱がかかることが多く、有機膜である半導体活性層の半導体特性(キャリア移動度)が熱によって劣化してしまう。
このような状況のもと、本発明者らが特許文献1〜3に記載されている化合物を半導体活性層に用いた有機膜トランジスタを検討したところ、キャリア移動度が低い上、加熱アニール後のキャリア移動度低下が認められ、耐熱性のさらなる改善が求められることがわかった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために検討を進めた。本発明が解決しようとする課題は、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少ない有機半導体膜形成用の組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の縮合多環芳香族化合物と数平均分子量が特定の範囲であり、窒素原子を含む特定の縮合多環骨格のオリゴマーの両方を半導体活性層に使用することで、キャリア移動度が高くなり、有機膜トランジスタ素子を加熱後(例えば100〜200℃)の移動度低下を抑制することができることを見出した。換言すれば、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少ない有機半導体膜形成用の組成物を提供できることを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下の構成を有する。
[1] 分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xと;
数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーY;
の両方を少なくとも含み、
オリゴマーYが、主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し、かつ縮合多環骨格を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である繰り返し単位Aを含む、有機半導体膜形成用の組成物。
[2] [1]に記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの数平均分子量が1000以上8000未満であることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−1で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−1中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
Ar1は置換基を有してもよい単環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
1を構成する原子、Ar1を構成する原子およびW1を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子であり、
1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
[4] [3]に記載の有機半導体膜形成用の組成物は、一般式Y−1中、Ar1は置換基を有してもよい単環のアリール環またはヘテロアリール環を表すことが好ましい。
[5] [3]または[4]に記載の有機半導体膜形成用の組成物は、一般式Y−1、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表すことが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの繰り返し単位Aに含まれる縮合多環骨格中に、置換基を有してもよいピロール環を少なくとも一つ含むことが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−2で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−2中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
1、R2およびR7はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
[8] [7]に記載の有機半導体膜形成用の組成物は、一般式Y−2中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表すことが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−3で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−3中、R7はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−4で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−4中、Arは単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表し、
Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
nは0〜5の整数を表し、nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[11] [1]〜[10]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYの繰り返し単位Aが、π共役構造であることが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、オリゴマーYが、π共役オリゴマーであることが好ましい。
[13] [1]〜[12]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、縮合多環芳香族化合物Xが、下記一般式X−1で表される化合物であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式X−1中、A1、B1およびC1はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のB1は同一であっても異なってもよく;
11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
11とA1、または、R12とC1は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基であり、
n11およびn12はそれぞれ独立に1〜3の整数であり、
n13は1〜5の整数である。
[14] [1]〜[12]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、縮合多環芳香族化合物Xが、下記一般式X−2で表される化合物であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式X−2中、A2およびB2はそれぞれ独立に炭素数6〜14の芳香族炭化水素環または炭素数4〜12の芳香族ヘテロ環であり、
21およびR22はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
21とベンゼン環、または、R22とベンゼン環は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基である。
[15] [1]〜[14]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物は、縮合多環芳香族化合物Xが、少なくとも1つのチオフェン環を含む縮合多環芳香族化合物であることが好ましい。
[16] [1]〜[15]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
[17] [1]〜[15]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、有機膜トランジスタ用材料。
[18] [1]〜[15]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
[19] [18]に記載の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、さらにポリマーバインダーを含有することが好ましい。
[20] [1]〜[15]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用インク。
[21] [1]〜[15]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜。
[22] 半導体活性層が、[1]〜[15]のいずれか一つに記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、有機膜トランジスタ。
[23] [22]に記載の有機膜トランジスタは、基板上に絶縁体層を有し、
絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、
絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、
ソース電極、ドレイン電極および絶縁体層に接した半導体活性層を有し、
基板、ゲート電極、絶縁体層および半導体活性層が積層した構造の有機膜トランジスタであることが好ましい。
[24] 下記一般式Y−4で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマー;
Figure 2016025203
一般式Y−4中、Arは単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表し、
Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
nは0〜5の整数を表し、nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
[25] [24]に記載のオリゴマーは、数平均分子量が1000以上8000未満であることが好ましい。
本発明によれば、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少ない有機半導体膜形成用の組成物を提供することができる。
図1は、本発明の有機膜トランジスタの一例の構造の断面を示す概略図である。 図2は、本発明の実施例でFET特性測定用基板として製造した有機膜トランジスタの構造の断面を示す概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、各一般式の説明において特に区別されずに用いられている場合における水素原子は同位体(重水素原子等)も含んでいることを表す。さらに、置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
[有機半導体膜形成用の組成物]
本発明の有機半導体膜形成用の組成物(以下、本発明の組成物とも言う)は、分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xと;数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーY;の両方を少なくとも含み、オリゴマーYが、主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し、かつ縮合多環骨格を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である繰り返し単位Aを含む。
このような構成により、本発明の組成物は、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少ない。いかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明の組成物では、特定の縮環構造を有するオリゴマーYをバインダーに用いることで、製膜後の加熱アニール処理時に塗膜に発生するクラックを抑制でき、高い移動度を安定的に発現する素子を作製できる。理由は定かではないが、数平均分子量が1000〜10000のある程度の運動性を持った(高分子量でない)オリゴマーをバインダーに用いることで、加熱アニール時に発生する欠陥をバインダーが埋め、さらにこのバインダーがキャリア輸送性の骨格を持っているために加熱アニール前後において高いキャリア移動度を発現したと推定している。特に本発明の組成物の中でも、バインダーであるオリゴマーYがアモルファスバインダーである態様が好ましく、塗布性(基板濡れ性)が良好となり、電極との接合の改良ができ、粒界をアモルファスバインダーにより埋めることで加熱アニール前後の高いキャリア移動度を発現できる。さらに本発明の組成物の中でも、縮合多環芳香族化合物Xが結晶性化合物である態様が好ましく、この態様の場合、縮合多環芳香族化合物Xの結晶領域では縮合多環芳香族化合物Xの結晶膜とアモルファスバインダーであるオリゴマーYが空間的に分離しているため、縦方向のミクロ相分離が生じ、アモルファス性が高いバインダーはアニールしても結晶化しないため、このような縦方向のミクロ相分離が生じた場合に加熱アニール時に欠陥の発生を抑制できると推定している。さらに上記のメカニズムにより、本発明の組成物は、有機半導体膜を形成した場合に、加熱アニール処理時のクラックの発生を抑制できることが好ましい。
以下、本発明の組成物の好ましい態様を説明する。
<オリゴマーY>
本発明の組成物は、数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーYを含み、前述のオリゴマーYが、主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し、かつ縮合多環骨格を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である繰り返し単位Aを含む。
ここで、「主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し」とは、前述の繰り返し単位Aが少なくとも3環以上の縮合多環骨格を有しており、かつ前述の3環以上の縮合多環骨格の少なくとも3環が前述のオリゴマーYの主鎖を構成していることを意味する。「主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し」を換言すると、「3環以上の縮合多環骨格が第1の環と、第1の環と直接連結していない第2の環を少なくとも有し、主鎖の一方の連結部位を第1の環が有し、主鎖のもう一方の連結部位を第2の環が有する」ことを意味する(ただし、第1の環と第2の環は、少なくとも1つの環を介して縮合環を形成する)。アントラセン環を例にすると、「1位と5位」や「2位と7位」を連結部位とするオリゴマーは「主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し」、一方で「1位と4位」(主鎖に沿って1環)を連結部位とするオリゴマーおよび「1位と10位」(主鎖に沿って2環)を連結部位とするオリゴマーなどは主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有さない。
このようなオリゴマーYはアモルファス性であることが好ましい。なお、アモルファス性を示すことは、偏光顕微鏡観察等で確認できる。
オリゴマーYは、π共役オリゴマーであってもπ共役オリゴマーではなくてもよいが、π共役オリゴマーであることが、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少なくできる観点から好ましい。
オリゴマーYがπ共役オリゴマーであるとは、オリゴマーYを構成するすべての繰り返し単位がπ共役構造(π共役系とも言われる)であることを言う。例えば、オリゴマーYが上記繰り返し単位Aのみを繰り返し単位を有する場合、オリゴマーYの繰り返し単位Aがπ共役構造であれば、オリゴマーYもπ共役オリゴマーとなる。別の例としては、オリゴマーYが上記繰り返し単位Aおよび後述のその他の繰り返し単位Bのみを繰り返し単位として有する場合、オリゴマーYの繰り返し単位Aがπ共役構造であり、かつ、後述のその他の繰り返し単位Bもπ共役構造であれば、オリゴマーYもπ共役オリゴマーとなる。
π共役構造であることは、Huckel則を満たすか否かによって決定することができる。すなわち、ある構造に含まれるπ電子の数が4n+2(nは0以上の整数)であれば、その構造はHuckel則を満たす。本発明において、「芳香族部位」とは、有機化合物における芳香族性をもつ部位のことを言う。分子が芳香族性をもつためには、環状(4n+2)π電子系(Huckel則)であり、かつ、平面構造をもつという二つの条件を満たすことが必要となる。
(繰り返し単位A)
まず、主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し、かつ縮合多環骨格を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である繰り返し単位Aについて、説明する。
オリゴマーYの繰り返し単位Aはπ共役構造であっても、π共役構造ではなくてもよいが、π共役構造であることが、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少なくなる観点から、好ましい。
オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−1で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−1中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
Ar1は置換基を有してもよい単環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
1を構成する原子、Ar1を構成する原子およびW1を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子であり、
1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
一般式Y−1中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表すことが好ましい。Z1およびW1が表すことができる単環もしくは多環縮環の脂環としては、シクロヘキサンなどのシクロアルキル環;シクロペンタジエン環;これらの環の縮合環(例えば、フルオレン環)などを挙げることができる。Z1およびW1が表すことができる単環もしくは多環縮環の非芳香族のヘテロ環としては、1,2−ジヒドロピリジン環;これらの環の縮合環:これらの環と他の脂環、アリール環およびヘテロアリール環の少なくとも1つとの縮合環(例えば、アクリダン環)などを挙げることができる。Z1およびW1が表すことができる単環もしくは多環縮環のアリール環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などを挙げることができる。Z1およびW1が表すことができる単環もしくは多環縮環のヘテロアリール環としては、ピリジン環やピロール環などのアゾール環;フラン環;チオフェン環;これらの環の縮合環:これらの環と他のアリール環との縮合環(例えば、カルバゾール環、ベンゾチオフェン環)などを挙げることができる。これらの中でもZ1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表すことが好ましい。
一般式Y−1中、Ar1は置換基を有してもよい単環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表す。Ar1が表すことができる置換基を有してもよい単環の脂環としては、シクロヘキサンなどのシクロアルキル環;シクロペンタジエン環などを挙げることができる。Ar1が表すことができる置換基を有してもよい単環の非芳香族のヘテロ環としては、1,2−ジヒドロピリジン環などを挙げることができる。Ar1が表すことができる置換基を有してもよい単環のアリール環としては、ベンゼン環などを挙げることができる。Ar1が表すことができる置換基を有してもよい単環のヘテロアリール環としては、ピリジン環やピロール環などのアゾール環;フラン環;チオフェン環などを挙げることができる。これらの中でもAr1は置換基を有してもよい単環のアリール環またはヘテロアリール環を表すことが好ましく、置換基を有してもよい単環のヘテロアリール環を表すことがより好ましく、ピロール環を表すことが特に好ましく、N原子上に置換基を有するピロール環を表すことがより特に好ましい。
Ar1が有していてもよい置換基としては特に制限は無く、以下に置換基群Aとして挙げた置換基が適用できる。Ar1が有していてもよい置換基としては以下の置換基群Aの中でも、後述のR1およびR2の好ましい範囲と同様である。
−置換基群A−
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
一般式Y−1中、Z1を構成する原子、Ar1を構成する原子およびW1を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子であり、少なくともAr1を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子であることが好ましい。Ar1を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である場合、Z1を構成する原子およびW1を構成する原子は、窒素原子を含んでいても含んでいなくてもよいが、窒素原子を含んでいないことが好ましい。
また、オリゴマーYの繰り返し単位Aに含まれる縮合多環骨格中に、置換基を有してもよいピロール環を少なくとも一つ含むことが、有機半導体膜を形成した場合にキャリア移動度が高く、かつ、加熱アニール後の移動度低下が少なくできる観点から好ましい。一般式Y−1中、Z1、Ar1およびW1のうち少なくとも一つが置換基を有してもよいピロール環を少なくとも一つ含むことが好ましく、Ar1が置換基を有してもよいピロール環であることがより好ましい。Ar1が置換基を有してもよいピロール環である場合、Z1およびW1は、置換基を有してもよいピロール環を含んでいても含んでいなくてもよいが、置換基を有してもよいピロール環を含んでいないことが好ましい。
一般式Y−1中、R1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基(直鎖または分枝のアルキル基)、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表す。
1およびR2が表すことができる直鎖または分枝のアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。R1およびR2が表すことができる直鎖または分枝のアルキル基は、分岐のアルキル基であることが好ましい。R1およびR2が表すことができる直鎖または分枝のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、2−デシルドデシル基などが挙げられ、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−デシルドデシル基が好ましく、2−エチルヘキシル基がより好ましい。
1およびR2が表すことができるアルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルケニル基がより好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基が特に好ましい。R1およびR2が表すことができるアルケニル基は、分岐のアルケニル基であることが好ましい。R1およびR2が表すことができるアルケニル基としては、置換基群Aとして挙げたアルケニル基の例と同じものを挙げることができる。
1およびR2が表すことができるアルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルキニル基がより好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基が特に好ましい。R1およびR2が表すことができるアルキニル基は、分岐のアルキニル基であることが好ましい。R1およびR2が表すことができるアルキニル基としては、置換基群Aとして挙げたアルキニル基の例と同じものを挙げることができる。
1およびR2が表すことができるシクロアルキル基としては、炭素数6〜30のシクロアルキル基が好ましく、炭素数6〜20のシクロアルキル基がより好ましく、炭素数6〜10のシクロアルキル基が特に好ましい。R1およびR2が表すことができるシクロアルキル基としては、置換基群Aとして挙げたシクロアルキル基の例と同じものを挙げることができる。
1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましく、フェニル基がより特に好ましい。R1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいアリール基は、置換基を有するアリール基であることが好ましい。R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基としては、後述の一般式Y−4におけるArが有する置換基Rと同様の置換基を挙げることができ、すなわちアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基が好ましく、アルキル基がより好ましく、分枝のアルキル基(その中でも好ましくは炭素数4〜20の分枝のアルキル基であり、より好ましくは2−エチルヘキシル基)が特に好ましい。R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基の個数は、後述の一般式Y−4におけるArが有する置換基Rの個数nの好ましい範囲と同様であり、1〜3個であることが好ましく、R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基が分枝のアルキル基である場合は1個であることが特に好ましく、R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基がメチル基または直鎖のアルキル基である場合は2個以上であることが特に好ましい。
1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいヘテロアリール基としては、炭素数1〜30の置換基を有してもよいヘテロアリール基が好ましく、炭素数1〜20の置換基を有してもよいヘテロアリール基がより好ましく、炭素数1〜10の置換基を有してもよいヘテロアリール基が特に好ましい。R1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいヘテロアリール基としては、置換基群Aとして挙げた芳香族ヘテロ環基の例と同じものを挙げることができる。R1およびR2が表すことができるヘテロアリール基の置換基としては、R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基と同様である。
これらの中でもR1およびR2はそれぞれ独立に直鎖または分枝のアルキル基または置換基を有してもよいアリール基であることが好ましく、置換基を有してもよいアリール基であることがより好ましい。
一般式Y−1中、n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、0〜2であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよく、複数のR1およびR2は同一であることが好ましい。
オリゴマーYの繰り返し単位Aは、上記一般式Y−1で表される繰り返し単位の中でも、下記一般式Y−2で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−2中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
1、R2およびR7はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
一般式Y−2中、Z1、W1、n1およびn2の好ましい範囲は、それぞれ一般式Y−1中のZ1、W1、n1およびn2の好ましい範囲と同様である。
一般式Y−2中、R1、R2およびR7の好ましい範囲は、一般式Y−1中のR1(またはR2)の好ましい範囲と同様である。
オリゴマーYの繰り返し単位Aは、上記一般式Y−2で表される繰り返し単位の中でも、下記一般式Y−3で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−3中、R7はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
一般式Y−3中、R1、R2、R7、n1およびn2の好ましい範囲は、それぞれ一般式Y−2中のR1、R2、R7、n1およびn2の好ましい範囲と同様である。
オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−4で表される繰り返し単位であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式Y−4中、Arは単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表し、
Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
nは0〜5の整数を表し、nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式Y−4中、Arが表すことができる単環もしくは多環縮環のアリール環の好ましい範囲は、一般式Y−1におけるR1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいアリール基の好ましい範囲と同様であり、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましく、フェニル基がより特に好ましい。R1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいアリール基は、置換基を有するアリール基であることが好ましい。
一般式Y−4中、Arが表すことができる単環もしくは多環縮環のヘテロアリール環の好ましい範囲は、一般式Y−1におけるR1およびR2が表すことができる置換基を有してもよいヘテロアリール環の好ましい範囲と同様であり、炭素数1〜30の置換基を有してもよいヘテロアリール基が好ましく、炭素数1〜20の置換基を有してもよいヘテロアリール基がより好ましく、炭素数1〜10の置換基を有してもよいヘテロアリール基が特に好ましい。
一般式Y−4中、Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。
Rが表すことができるアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜10のアルキル基が特に好ましい。Rが表すことができるアルキル基は直鎖または分枝のアルキル基であることが好ましく、分枝のアルキル基であることがより好ましく、その中でも炭素数4〜20の分枝のアルキル基であることが特に好ましく、2−エチルヘキシル基がさらにより特に好ましい。
Rが表すことができるアルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルケニル基がより好ましく、炭素数2〜10のアルケニル基が特に好ましい。Rが表すことができるアルケニル基は、分岐のアルケニル基であることが好ましい。Rが表すことができるアルケニル基としては、置換基群Aとして挙げたアルケニル基の例と同じものを挙げることができる。
Rが表すことができるアルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルキニル基がより好ましく、炭素数2〜10のアルキニル基が特に好ましい。Rが表すことができるアルキニル基は、分岐のアルキニル基であることが好ましい。Rが表すことができるアルキニル基としては、置換基群Aとして挙げたアルキニル基の例と同じものを挙げることができる。
Rが表すことができるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜20のアリール基がより好ましく、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましい。Rが表すことができるアリール基としては、置換基群Aとして挙げたアリール基の例と同じものを挙げることができる。
Rが表すことができるヘテロアリール基としては、炭素数1〜30のヘテロアリール基が好ましく、炭素数1〜20のヘテロアリール基がより好ましく、炭素数1〜12のヘテロアリール基が特に好ましい。Rが表すことができるヘテロアリール基としては、置換基群Aとして挙げた芳香族ヘテロ環基の例と同じものを挙げることができる。
これらの中でもRの好ましい範囲は、一般式Y−1におけるR1およびR2が表すことができるアリール基の置換基の好ましい範囲と同様であり、アルキル基であることがより好ましい。
一般式Y−4中、nは0〜5の整数を表し、1〜3であることが好ましく、R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基が分枝のアルキル基である場合は1であることが特に好ましく、R1およびR2が表すことができるアリール基の置換基がメチル基または直鎖のアルキル基である場合は2以上であることが特に好ましい。
nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよく、複数のRは同一であることが好ましい。
(その他の繰り返し単位B)
上記オリゴマーYは、上記繰り返し単位Aの他に、その他の繰り返し単位Bを繰り返し単位として含んでいてもよい。
その他の繰り返し単位Bとしては特に制限は無く、アリーレン基(炭素数6〜30であることが好ましく、例えば、置換または無置換のフェニレン基)、ヘテロアリーレン基(炭素数4〜30であることが好ましく、例えば、チオフェン環から2つの水素原子を取り除いた基)、脂環の連結基(炭素数6〜30であることが好ましく、例えばフルオレン骨格を有する基)、2価の非芳香族のヘテロ環の連結基(炭素数6〜30であることが好ましい)などを挙げることができ、ヘテロアリーレン基またはアリーレン基であることが好ましい。
(オリゴマーYの具体的化合物例)
本発明におけるオリゴマーYの具体的化合物例を以下に示す。
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
(オリゴマーYの分子量)
オリゴマーYは、数平均分子量が1000〜10000であり、1000以上8000未満であることが好ましく、1000〜7500であることがより好ましく、1500〜7500であることが特に好ましい。
本発明における数平均分子量は、ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、東ソー製高速GPC(HLC−8220GPC)を用いたゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される値とする。本発明における数平均分子量は、ポリスチレンを標準物質とした値である。
(オリゴマーYの合成方法)
オリゴマーYは、後述のスキーム1や、文献A(K.Muellen,Chem.Commun.2008,1548−1550.)、文献B(K.Takimiya,Org.Lett.2007,9,4499−4502.)を参考に合成することができる。
オリゴマーYの合成において、いかなる反応条件を用いてもよい。反応溶媒としては、いかなる溶媒を用いてもよい。また、環形成反応促進のために、酸または塩基を用いることが好ましく、特に塩基を用いることが好ましい。最適な反応条件は、目的とする化合物の構造により異なるが、上記の文献に記載された具体的な反応条件を参考に設定することができる。
<縮合多環芳香族化合物X>
次に、本発明の組成物に用いられる、分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xについて説明する。
分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xとしては特に制限は無く、公知の縮合多環芳香族部位を有する縮合多環芳香族化合物を挙げることができる。このような分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xは結晶性であることが好ましい。なお、結晶性を示すことは、偏光顕微鏡観察等で確認できる。
縮合多環芳香族部位の中でも、ベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環を縮環中に含む縮合多環芳香族部位が好ましい。
本発明に用いることができる縮合多環芳香族化合物Xは、チオフェン環を縮環中に含む化合物であることが、キャリア移動度を改善する観点から、より好ましい。すなわち、縮合多環芳香族化合物Xが、少なくとも1つのチオフェン環を含む縮合多環芳香族化合物(いわゆるチエノアセン誘導体)であることが好ましい。
本発明に用いることができる縮合多環芳香族化合物Xの縮合多環芳香族部位は、後述の一般式X−1におけるA1、B1およびC1ならびにn13で表される縮合多環芳香族部位、あるいは、後述の一般式X−2におけるA2およびB2で表される縮合多環芳香族部位であることが特に好ましい。
本発明における縮合多環芳香族化合物Xの縮合多環芳香族部位の好ましい例を以下に示す。本発明で用いることができる縮合多環芳香族部位は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。また、縮合多環芳香族化合物の縮合多環芳香族部位は、各芳香環または各芳香族ヘテロ環が任意の置換基を有していてもよく、この置換基としてはハロゲン原子などを挙げることができる。
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
(一般式X−1で表される化合物)
本発明の組成物は、縮合多環芳香族化合物Xが、下記一般式X−1で表される化合物であることが好ましい;
Figure 2016025203
一般式X−1中、A1、B1およびC1はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のB1は同一であっても異なってもよく;
11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
11とA1、または、R12とC1は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基であり、
n11およびn12はそれぞれ独立に1〜3の整数であり、
n13は1〜5の整数である。
一般式X−1中、A1、B1およびC1はそれぞれ独立にベンゼン環、フラン環またはチオフェン環であることが好ましく、ベンゼン環またはチオフェン環であることがより好ましい。A1、B1およびC1のうち、少なくとも一つはチオフェン環であることがより好ましい。
一般式X−1中、A1、B1およびC1はさらなる置換基を有していてもよく、この置換基としてはハロゲン原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。一般式X−1中、A1、B1およびC1はさらなる置換基を有さないことが好ましい。
一般式X−1中、R11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
11およびR12が表すアルキル基は、炭素数1〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数5〜14であることが特に好ましい。また、R11およびR12が表すアルキル基は直鎖であっても、分枝であっても、環状であってもよいが、直鎖または分枝であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
11およびR12が表すアルケニル基は、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数5〜14であることが特に好ましい。
11およびR12が表すアルキニル基は、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数5〜14であることが特に好ましい。R11およびR12が表すアルキニル基はさらに置換基を有していることも好ましく、この置換基としてはトリアルキルシリル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で3置換されたシリル基)、置換または無置換のフェニル基を挙げることができ、トリアルキルシリル基が好ましい。
11およびR12が表すアリール基は、炭素数6〜30であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
11およびR12が表すヘテロアリール基は、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4であることが特に好ましく、チエニル基であることがより特に好ましい。
一般式X−1中、R11とA1、または、R12とC1は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基である。すなわち、R11とA1の結合様式、または、R12とC1の結合様式は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせである。R11とA1の結合様式、または、R12とC1の結合様式は、単結合、酸素原子またはカルボニル基であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。RNが表す置換基としては、前述の置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができる。
一般式X−1中、n13は1〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。
一般式X−1中、n11およびn12はそれぞれ独立に1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
(一般式X−2で表される化合物)
本発明の組成物は、上記縮合多環芳香族化合物Xが、下記一般式X−2で表される化合物であることも好ましい;
Figure 2016025203
一般式X−2中、A2およびB2はそれぞれ独立に炭素数6〜14の芳香族炭化水素環または炭素数4〜12の芳香族ヘテロ環であり、
21およびR22はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
21とベンゼン環、または、R22とベンゼン環は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基である。
一般式X−2中、A2およびB2はそれぞれ独立に炭素数6〜14の芳香族炭化水素環、炭素数6〜12の芳香族ヘテロ環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であることが好ましく、炭素数6〜14の芳香族炭化水素環、炭素数6〜12の芳香族ヘテロ環、フラン環もしくはチオフェン環であることがより好ましく、炭素数6〜14の芳香族炭化水素環、炭素数6〜12の芳香族ヘテロ環またはチオフェン環であることが特に好ましく、炭素数6〜14の芳香族炭化水素環または炭素数6〜12の芳香族ヘテロ環であることがより特に好ましく、炭素数6〜14の芳香族炭化水素環であることがさらにより特に好ましい。
2およびB2が表す炭素数6〜14の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフチレン環が特に好ましく、ナフタレン環がより特に好ましい。
2およびB2が表す炭素数4〜12の芳香族ヘテロ環としては、炭素数6〜12の芳香族ヘテロ環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環が好ましく、炭素数6〜12の芳香族ヘテロ環がより好ましく、炭素数8〜12の芳香族ヘテロ環が特に好ましく、チエノベンゼン環、チエノチオフェン環がより特に好ましく、チエノベンゼン環がさらにより特に好ましい。
一般式X−2中、A2およびB2はさらなる置換基を有していてもよく、この置換基としてはハロゲン原子を挙げることができる。一般式X−2中、A2およびB2はさらなる置換基を有さないことが好ましい。
一般式X−2中、R21およびR22はそれぞれ独立にアルキニル基、アルキル基、アルケニル基であることが好ましく、アルキニル基であることがより好ましい。
21およびR22が表すアルキル基は、炭素数1〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数4〜14であることが特に好ましい。また、R21およびR22が表すアルキル基は直鎖であっても、分枝であっても、環状であってもよいが、直鎖または分枝であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
21およびR22が表すアルケニル基は、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数4〜14であることが特に好ましい。
21およびR22が表すアルキニル基は、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数2〜18であることがより好ましく、炭素数2〜14であることが特に好ましい。R21およびR22が表すアルキニル基はさらに置換基を有していることも好ましく、この置換基としてはトリアルキルシリル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で3置換されたシリル基)、トリアルキルアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で3置換されたメチル基)置換または無置換のフェニル基を挙げることができ、トリアルキルシリル基が好ましい。
11およびR12が表すアリール基は、炭素数6〜30であることが好ましく、炭素数6〜18であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
11およびR12が表すヘテロアリール基は、炭素数2〜12であることが好ましく、炭素数3〜8であることがより好ましく、炭素数4であることが特に好ましい。
一般式X−2中、R21とベンゼン環、または、R22とベンゼン環は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、RNは置換基である。すなわち、R21とベンゼン環の結合様式、または、R22とベンゼン環の結合様式は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせである。R21とベンゼン環の結合様式、または、R22とベンゼン環の結合様式は、単結合であることがより好ましい。RNが表す置換基としては、前述の置換基群Aに含まれる置換基を挙げることができる。
(縮合多環芳香族化合物Xの具体的化合物例)
本発明における縮合多環芳香族化合物Xの具体的化合物例を以下に示す。
Figure 2016025203
さらに、縮合多環芳香族化合物Xの具体的化合物例を以下に一般式(XX)を用いて示す。
一般式(XX)
Figure 2016025203
一般式(XX)中、RX1、RX2、Axは下記表中に示す構造である。
Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
上記縮合多環芳香族化合物Xは、分子量が1000未満であり、900以下であることがより好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができるため好ましい。
一方で、膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。
縮合多環芳香族化合物Xは、応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会会誌、2011、22、9−12.、国際公開第2009/148016号パンフレット、後述の化合物C1の合成方法、文献A(K.Muellen,Chem.Commun.2008,1548−1550.)、文献B(K.Takimiya,Org.Lett.2007,9,4499−4502.)を参考に合成することができる。
縮合多環芳香族化合物Xの合成において、いかなる反応条件を用いてもよい。反応溶媒としては、いかなる溶媒を用いてもよい。また、環形成反応促進のために、酸または塩基を用いることが好ましく、特に塩基を用いることが好ましい。最適な反応条件は、目的とする化合物の構造により異なるが、上記の文献に記載された具体的な反応条件を参考に設定することができる。
<組成比>
本発明の組成物中、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xとの組成比(質量比)は、1/99〜99/1であることが好ましく、20/80〜80/20であることがより好ましく、30/70〜30/70であることが特に好ましく、40/60〜60/40であることがより特に好ましい。
<その他の成分>
本発明の組成物は、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物X以外のその他の成分を含んでいてもよい。
(ポリマーバインダー)
本発明の組成物、後述の本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、後述の本発明の非発光性有機半導体デバイス用インクは、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xを含み、その他のポリマーバインダーを含有しない態様も好ましい。
また、本発明の組成物、後述の本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、後述の本発明の非発光性有機半導体デバイス用インクは、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xに加え、その他のさらにポリマーバインダーを含有してもよい。この場合、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xなどの層を形成する材料とポリマーバインダーとを前述の適当な溶媒に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により膜を形成することができる。
本発明の組成物、後述の本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、後述の本発明の非発光性有機半導体デバイス用インクは、オリゴマーYに加えて、さらにその他のポリマーバインダーを含むことが好ましい。
ポリマーバインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの絶縁性ポリマー、およびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどの光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレンなどの導電性ポリマー、半導体ポリマーを挙げることができる。
ポリマーバインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
また、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xなどと、ポリマーバインダーとは均一に混合していてもよく、一部または全部が相分離していてもよいが、電荷移動度の観点では、膜中で膜厚方向に有機半導体とバインダーが相分離した構造が、バインダーが有機半導体の電荷移動を妨げず最も好ましい。
膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高いポリマーバインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造のポリマーバインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
ポリマーバインダーの使用量は、特に制限はないが、本発明の組成物中、好ましくは0〜95質量%の範囲内で用いられ、より好ましくは10〜90質量%の範囲内で用いられ、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲内で用いられ、特に好ましくは30〜70質量%の範囲内で用いられる。
(有機溶媒)
本発明の組成物は、粉状であっても、溶液状態であっても、分散液(インク)状態であってもよいが、本発明の組成物はさらに有機溶媒を含むことが好ましい。
本発明の組成物を用いて溶液プロセスを用いて成膜する場合、層を形成する材料を適当な有機溶媒(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン、1−メチルー2−イミダゾリジノン等のアミド・イミド系溶媒、ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒)および/または水に溶解、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により膜を形成することができる。溶媒は単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒またはエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジクロロベンゼンまたはアニソールがより好ましく、トルエン、キシレン、テトラリン、アニソールが特に好ましい。本発明の組成物中、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xなどの有機半導体の濃度は、好ましくは、0.1〜80質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%であり、これらの範囲であれば、任意の厚さの膜を形成できる。
[非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料は、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料を、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができる。
[有機膜トランジスタ用材料]
本発明の有機膜トランジスタ用材料は、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有する。
本発明の有機膜トランジスタ用材料を、有機膜トランジスタの製造に用いることができる。
[非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液を、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができ、非発光性有機半導体デバイスの中でも有機膜トランジスタの製造に好ましく用いることができる。
[非発光性有機半導体デバイス用インク]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用インクは、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用インクを、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができ、非発光性有機半導体デバイスの中でも有機膜トランジスタの製造に好ましく用いることができる。
[非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができ、非発光性有機半導体デバイスの中でも有機膜トランジスタの製造に好ましく用いることができる。
なお、「発光性」有機半導体デバイスとして、有機Electro Luminescence(EL)素子が知られている。有機EL素子材料として有用なものが、ただちに有機膜トランジスタ用半導体材料として有用であると言うことはできない。これは、有機EL素子と有機膜トランジスタでは、有機化合物に求められる特性が異なるためである。有機EL素子では通常膜の膜厚方向(通常数nm〜数100nm)に電荷を輸送する必要があるのに対し、有機膜トランジスタでは膜面方向の電極間(通常数μm〜数100μm)の長距離を電荷(キャリア)輸送する必要がある。このため、求められるキャリア移動度が格段に高い。そのため、有機膜トランジスタ用半導体材料としては、分子の配列秩序が高い、結晶性が高い有機化合物が求められている。また、高いキャリア移動度発現のため、π共役平面は基板に対して直立していることが好ましい。一方、有機EL素子では、発光効率を高めるため、発光効率が高く、面内での発光が均一な素子が求められている。通常、結晶性の高い有機化合物は、面内の電界強度不均一、発光不均一、発光クエンチ等、発光欠陥を生じさせる原因となるため、有機EL素子用材料は結晶性を低くし、アモルファス性の高い材料が望まれる。このため、有機EL素子材料を構成する有機化合物を有機半導体材料にそのまま転用しても、ただちに良好なトランジスタ特性を得ることができる訳ではない。
また、同様に有機光電変換素子として有用なものも、ただちには、求められるキャリア移動度が格段に高い有機膜トランジスタ用半導体材料として有用であると言うことはできない。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜の好ましい範囲の内、オリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xの好ましい範囲は、本発明の組成物の説明の中に記載したとおりである。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、有機半導体膜の膜中において、縮合多環芳香族化合物XとオリゴマーYが相分離していることが好ましい。相分離していることは、例えば、TOF−SIMSによる深さ方向の濃度プロファイルを解析することで確認することができる。
有機半導体膜形成用の組成物の説明において上述したとおり、本発明の好ましい態様は、オリゴマーYがアモルファス性であり、かつ、縮合多環芳香族化合物Xが結晶性である。この場合、縮合多環芳香族化合物Xの結晶領域では縮合多環芳香族化合物Xの結晶膜とアモルファスバインダーであるオリゴマーYが空間的に分離しているため、縦方向のミクロ相分離が生じる。オリゴマーYがアモルファス性であり、かつ、縮合多環芳香族化合物Xが結晶性であると、本発明の組成物の塗布性(基板濡れ性)が良好となり、電極との接合の改良ができ、粒界をアモルファスバインダーにより埋めることができるため、得られた有機半導体膜の加熱アニール前後の高いキャリア移動度を発現できる。さらに有機半導体膜を形成した場合に、加熱アニール処理時のクラックの発生を抑制できることが好ましい。
[有機膜トランジスタ]
本発明の有機膜トランジスタは、半導体活性層が、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有する。
本発明の有機膜トランジスタは、基板上に絶縁体層を有し、絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、ソース電極、ドレイン電極および絶縁体層に接した半導体活性層を有し、基板、ゲート電極、絶縁体層および半導体活性層が積層した構造の有機膜トランジスタであり、半導体活性層が、本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有すること(または本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜であること)が好ましい。
本発明の有機膜トランジスタは、半導体活性層の膜中において、縮合多環芳香族化合物XとオリゴマーYが相分離していることが好ましい。
<縮合多環芳香族化合物である有機半導体材料>
本発明の有機膜トランジスタは、後述の半導体活性層が本発明の有機半導体膜形成用の組成物(または本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜)を含む。
本明細書において、「有機半導体材料」とは、半導体の特性を示す有機材料のことである。無機材料からなる半導体と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型(ホール輸送性)有機半導体材料と、電子をキャリアとして伝導するn型(電子輸送性)有機半導体材料がある。
前述のオリゴマーYと、縮合多環芳香族化合物Xを含む組成物はp型有機半導体材料、n型の有機半導体材料のどちらとして用いてもよいが、p型として用いることがより好ましい。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。キャリア移動度μは高い方がよく、3×10-1cm2/Vsを超えることが好ましく、4×10-1cm2/Vs以上であることがより好ましく、5×10-1cm2/Vs以上であることが特に好ましく、7×10-1cm2/Vs以上であることがより特に好ましく、8×10-1cm2/Vs以上であることがよりさらに特に好ましく、9×10-1cm2/Vs以上であることが最も好ましい。キャリア移動度μは電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
<有機膜トランジスタの構造>
本発明の有機膜トランジスタの構造は、基板上に絶縁体層を有し、絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、ソース電極、ドレイン電極および絶縁体層に接した半導体活性層を有し、基板、ゲート電極、絶縁体層および半導体活性層は積層した構造の有機膜トランジスタである。
本発明の有機膜トランジスタは、有機電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)として用いられることが好ましく、ゲート−チャンネル間が絶縁されている絶縁ゲート型FETとして用いられることがより好ましい。
以下、本発明の有機膜トランジスタの好ましい構造の態様について、図面を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
(積層構造)
有機電界効果トランジスタの積層構造としては特に制限はなく、公知の様々な構造のものとすることができる。
本発明の有機膜トランジスタの構造の一例としては、最下層の基板の上面に、電極、絶縁体層、半導体活性層(有機半導体層)、2つの電極を順に配置した構造(ボトムゲート・トップコンタクト型)を挙げることができる。この構造では、最下層の基板の上面の電極は基板の一部に設けられ、絶縁体層は、電極以外の部分で基板と接するように配置される。また、半導体活性層の上面に設けられる2つの電極は、互いに隔離して配置される。
ボトムゲート・トップコンタクト型素子の構成を図1に示す。図1は、本発明の有機膜トランジスタの一例の構造の断面を示す概略図である。図1の有機膜トランジスタは、最下層に基板11を配置し、その上面の一部に電極12を設け、さらにこの電極12を覆い、かつ電極12以外の部分で基板11と接するように絶縁体層13を設けている。さらに絶縁体層13の上面に半導体活性層14を設け、その上面の一部に2つの電極15aと15bとを隔離して配置している。
図1に示した有機膜トランジスタは、電極12がゲートであり、電極15aと電極15bはそれぞれドレインまたはソースである。また、図1に示した有機膜トランジスタは、ドレイン−ソース間の電流通路であるチャンネルと、ゲートとの間が絶縁されている絶縁ゲート型FETである。
本発明の有機膜トランジスタの構造の一例としては、ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子を挙げることができる。
ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子の構成を図2に示す。図2は本発明の実施例でFET特性測定用基板として製造した有機膜トランジスタの構造の断面を示す概略図である。図2の有機膜トランジスタは、最下層に基板31を配置し、その上面の一部に電極32を設け、さらにこの電極32を覆い、かつ電極32以外の部分で基板31と接するように絶縁体層33を設けている。さらに絶縁体層33の上面に半導体活性層35を設け、電極34aと34bが半導体活性層35の下部にある。
図2に示した有機膜トランジスタは、電極32がゲートであり、電極34aと電極34bはそれぞれドレインまたはソースである。また、図2に示した有機膜トランジスタは、ドレイン−ソース間の電流通路であるチャンネルと、ゲートとの間が絶縁されている絶縁ゲート型FETである。
本発明の有機膜トランジスタの構造としては、その他、絶縁体、ゲート電極が半導体活性層の上部にあるトップゲート・トップコンタクト型素子や、トップゲート・ボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。
(厚さ)
本発明の有機膜トランジスタは、より薄いトランジスタとする必要がある場合には、例えばトランジスタ全体の厚さを0.1〜0.5μmとすることが好ましい。
(封止)
有機膜トランジスタ素子を大気や水分から遮断し、有機膜トランジスタ素子の保存性を高めるために、有機膜トランジスタ素子全体を金属の封止缶やガラス、窒化ケイ素などの無機材料、パリレンなどの高分子材料や、低分子材料などで封止してもよい。
以下、本発明の有機膜トランジスタの各層の好ましい態様について説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
<基板>
(材料)
本発明の有機膜トランジスタは、基板を含む。
基板の材料としては特に制限はなく、公知の材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリイミドフィルム、およびこれらポリマーフィルムを極薄ガラスに貼り合わせたもの、セラミック、シリコン、石英、ガラス、などを挙げることができ、シリコンが好ましい。
<電極>
(材料)
本発明の有機膜トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極などの電極を含む。
電極の構成材料としては、例えば、Cr、Al、Ta、Mo、Nb、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、In、NiあるいはNdなどの金属材料やこれらの合金材料、あるいはカーボン材料、導電性高分子などの既知の導電性材料であれば特に制限することなく使用できる。
(厚さ)
電極の厚さは特に制限はないが、10〜50nmとすることが好ましい。
ゲート幅(またはチャンネル幅)Wとゲート長(またはチャンネル長)Lに特に制限はないが、これらの比W/Lが10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
<絶縁体層>
(材料)
絶縁体層を構成する材料は必要な絶縁効果が得られれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、PTFE、CYTOP等のフッ素ポリマー系絶縁材料、ポリエステル絶縁材料、ポリカーボネート絶縁材料、アクリルポリマー系絶縁材料、エポキシ樹脂系絶縁材料、ポリイミド絶縁材料、ポリビニルフェノール樹脂系絶縁材料、ポリパラキシリレン樹脂系絶縁材料などが挙げられる。
絶縁体層の上面は表面処理がなされていてもよく、例えば、二酸化ケイ素表面をヘキサメチルジシラザン(HMDS)やオクタデシルトリクロロシラン(OTS)の塗布により表面処理した絶縁体層を好ましく用いることができる。
(厚さ)
絶縁体層の厚さに特に制限はないが、薄膜化が求められる場合は厚さを10〜400nmとすることが好ましく、20〜200nmとすることがより好ましく、50〜200nmとすることが特に好ましい。
<半導体活性層>
(材料)
本発明の有機膜トランジスタは、半導体活性層が本発明の有機半導体膜形成用の組成物を含有し、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜であることが好ましい。
半導体活性層は、前述のポリマーバインダーがさらに含まれた層であってもよい。また、成膜時の残留溶媒が含まれていてもよい。
半導体活性層中におけるポリマーバインダーの含有量は、特に制限はないが、好ましくは0〜95質量%の範囲内で用いられ、より好ましくは10〜90質量%の範囲内で用いられ、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲内で用いられ、特に好ましくは30〜70質量%の範囲内で用いられる。
(厚さ)
半導体活性層の厚さに特に制限はないが、薄膜化が求められる場合は厚さを10〜400nmとすることが好ましく、10〜200nmとすることがより好ましく、10〜100nmとすることが特に好ましい。
さらに、縮合多環芳香族化合物XとオリゴマーYが上述した構造をとることにより、膜質の良い有機半導体膜を得ることができる。具体的には、縮合多環芳香族化合物XとオリゴマーYを含む組成物は、結晶性が良いため、十分な膜厚を得ることができ、得られた非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は良質なものとなる。
(成膜方法)
本発明の有機半導体膜形成用の組成物(または非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜)を基板上に成膜する方法はいかなる方法でもよい。
成膜の際、基板を加熱または冷却してもよく、基板の温度を変化させることで膜質や膜中での分子のパッキングを制御することが可能である。基板の温度としては特に制限はないが、0℃から200℃の間であることが好ましく、15℃〜100℃の間であることがより好ましく、20℃〜95℃の間であることが特に好ましい。
本発明の有機半導体膜形成用の組成物(または非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜)を基板上に成膜するとき、真空プロセスあるいは溶液プロセスにより成膜することが可能であり、いずれも好ましい。
真空プロセスによる成膜の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子ビームエピタキシー(MBE)法などの物理気相成長法あるいはプラズマ重合などの化学気相蒸着(CVD)法が挙げられ、真空蒸着法を用いることが特に好ましい。
溶液プロセスによる成膜とは、ここでは有機化合物を溶解させることができる溶媒中に溶解させ、その溶液を用いて成膜する方法をさす。具体的には、キャスト法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法などの塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソグラフィー印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの各種印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法などの通常の方法を用いることができ、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、グラビア印刷法、フレキソグラフィー印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法を用いることが特に好ましい。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。また、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜がポリマーバインダーを含有する場合、層を形成する材料とポリマーバインダーとを適当な溶媒に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により形成されることが好ましい。
以下、溶液プロセスによる成膜に用いることができる、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液について説明する。
溶液プロセスで成膜するためには、上記で挙げた溶媒などに材料が溶解することが必要であるが、単に溶解するだけでは不十分である。通常、真空プロセスで成膜する材料でも、溶媒にある程度溶解させることができる。しかし、溶液プロセスでは、材料を溶媒に溶解させて塗布した後で、溶媒が蒸発して膜が形成する過程があり、溶液プロセス成膜に適さない材料は結晶性が高いものが多いため、この過程で不適切に結晶化(凝集)してしまい良好な膜を形成させることが困難である。縮合多環芳香族化合物は、このような結晶化(凝集)が起こりにくい点でも優れている。
[オリゴマー]
本発明は、下記一般式Y−4で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーにも関する。
Figure 2016025203
一般式Y−4中、Arは単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表し、
Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
nは0〜5の整数を表し、nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
一般式Y−4で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が1000〜10000(好ましくは1000以上8000未満)であるオリゴマーは、新規化合物である。
一般式Y−4で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーの好ましい範囲は、本発明の組成物の説明の中に記載した一般式Y−4の好ましい範囲と同様である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[合成例]
各実施例に用いた縮合多環芳香族化合物Xを以下に示す。
Figure 2016025203
<合成例1>
化合物A1(TIPS−ペンタセン)、化合物A2(C8−BTBT)および化合物A3(C4−BBBT)は、公知の方法に準じて、合成した。
<合成例2>
上記化合物A−4は、応用物理学会 有機分子・バイオエレクトロニクス分科会会誌、2011、22、9−12.、国際公開第2009/148016号パンフレット等に記載の方法に準じて、合成した。
<合成例3>
上記化合物A−5は、下記化合物C1の下記合成方法に準じて、合成した。
Figure 2016025203
(化合物C1aの合成)
1,5−ジアミノナフタレン(10g)のピリジン溶液(125mL)に、p−トルエンスルホニルクロリド(34g)をゆっくりと添加し、室温で2時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出物を減圧濾過した。得られた粗結晶をメタノールで洗浄し、化合物C1a(29g)を得た。
(化合物C1bの合成)
化合物C1a(10g)の氷酢酸溶液を95℃で加熱撹拌し、そこに氷酢酸10mLで希釈した臭素(2mL)をゆっくりと滴下した。10分間反応させ、放冷後にろ過することで粗結晶を灰色固体として得た。粗結晶をニトロベンゼン中で再結晶することで化合物C1b(6.8g)を得た。
(化合物C1cの合成)
化合物C1b(5g)の濃硫酸溶液を室温で24時間撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、析出している固体をろ過して回収した。その固体を氷水中に再度分散し、アンモニア水で中和し、化合物C1c(0.5g)を得た。
(化合物C1dの合成)
室温下、化合物C1c(2g)のピリジン溶液にペンタノイルクロリド(バレリン酸クロリド)(2.6mL)を滴下して2時間撹拌した。氷水に反応液を注ぎ、固体を減圧濾過した。メタノール中に分散し1時間撹拌した後、固体をろ過することで化合物C1d(1.39g)を得た。
(化合物C1eの合成)
THF(360mL)及びトルエン(72mL)の混合溶液中に化合物C1d(1.2g)とローソン試薬(1.48g)を添加した後、加熱還流しながら3時間撹拌した。エバポレーションでTHFのみ除去してトルエン溶液とした後、60℃で1時間撹拌した。その後、不溶物をろ過することで化合物C1e(0.5g)を得た。
(化合物C1の合成)
化合物C1e(0.4g)と炭酸セシウム(1.33g)をジメチルアセトアミド中、120℃で2時間反応させた。反応液を水に注ぎ析出物をろ過した。ろ過した固体をTHF中で再結晶を繰返し、目的化合物C1(0.12g)を合成した。得られた化合物C1の同定は、1H−NMR及びMassスペクトルにより行った。
<合成例4>
オリゴマーYとして用いる本発明のオリゴマーP−10を、下記スキーム1に従って合成した。
スキーム1
Figure 2016025203
(中間体(M−1)の合成)
カルバゾール8.36g、4−ブロモ−m−キシレン18.5g、第一ヨウ化銅9.52g、ピコリン酸6.16g、リン酸カリウム21.2gをNMP中180℃で24時間反応した。沈殿物をろ別したのち、ろ液にヘキサンと酢酸エチルを加え、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥したのち、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体(M−1)4.2gを得た。
(中間体(M−2)の合成)
中間体(M−1)4.0gを脱水DMFに溶解し、氷浴中でN−ブロモスクシンイミド5.5gを少しずつ添加した。全量を加えたのち室温で3時間反応させ、水、酢酸エチルおよびヘキサンを添加して分液操作を行った。有機層を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥したのち、ヘキサンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体(M−2)4.0gを得た。
(中間体(M−3)の合成)
中間体(M−2)1.8g、ビス(ピナコラト)ジボロン4.8g、酢酸カリウム1.2gを脱水トルエン20mlに溶解し、系を窒素置換したのちに1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体 0.35gを加え、100℃で16時間攪拌したのち、セライトろ過により無機塩を除去した。溶媒を減圧留去したのち、ヘキサン/酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより中間体(M−3)1.1gを得た。
(重合)
中間体(M−2)858mg、中間体(M−3)1046mg、炭酸カリウム900mgをTHF150mlおよび水30mlに溶解し、系を窒素置換したのちに、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム50mgを加え、80℃のオイルバスで72時間攪拌した。放冷後、反応溶液をメタノールに注ぎ込んだ。沈殿物をトルエンに溶解させた後、シリカ/セライトろ過により精製し、メタノールに再沈殿させた。沈殿物をろ別し、乾燥させることで、目的のオリゴマー(P−10)400mgを得た。
得られたオリゴマーを、ポリスチレンを標準物質としたゲルバミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、数平均分子量を測定した結果、2,400であった。
<合成例5>
実施例で用いる他のオリゴマーYに関しても、オリゴマーP−10と同様の方法で合成した。
<合成例6>
比較例で用いるオリゴマーとして、下記オリゴマー(R−1)とオリゴマー(R−2)を準備した。
(R−1) ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4−ジメチルフェニル)アミン]:Ossila社製、数平均分子量4,400、特表2010−524983号公報の[0101]や[0156]に記載のオリゴマー
(R−2) ポリ(N−ビニルカルバゾール):アルドリッチ社製、数平均分子量25,000、特表2010−524983号公報の[0101]に記載のオリゴマー
Figure 2016025203
[実施例1〜73および比較例1〜15]
<ボトムゲート型OTFTの製造>
各実施例および比較例において、下記表13〜15に示す各縮合多環芳香族化合物X2.5mgと、各オリゴマー2.5mgとをトルエン1mLに溶解し、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液とした。なお、各縮合多環芳香族化合物Xも各オリゴマーもトルエンに完全に溶解し、インク(分散物)ではなく、均一な溶液となっていた。この塗布溶液を窒素雰囲気下、90℃に加熱したFET特性測定用基板上にキャストすることで、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成し、FET特性測定用の各実施例および比較例の有機膜トランジスタ素子を得た。FET特性測定用基板としては、ソースおよびドレイン電極としてくし型に配置されたクロム/金、絶縁体層としてSiO2(膜厚180nm)を備えたボトムゲート・ボトムコンタクト構造のシリコン基板(図2に構造の概略図を示した)を用いた。各基板にはゲート幅W=100μm、200μm、400μm、ゲート長L=100μm、75μm、50μmの×3の組み合わせからなる9素子のセットを二組用意し、1基板で18素子を持つものである。
<ボトムゲート型OTFTの評価>
製造した各実施例および比較例の有機膜トランジスタ素子の特性について、下記の評価をした。
(キャリア移動度μの測定)
各実施例および比較例の有機膜トランジスタ素子のFET特性は、セミオートプローバー(ベクターセミコン製、AX−2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧・窒素雰囲気下で、下記の各特性について測定を行った。
得られた結果を下記表13〜15に示す。
(a)キャリア移動度
各有機膜トランジスタ素子(FET素子)のソース電極−ドレイン電極間に−80Vの電圧を印加し、ゲート電圧を20V〜−100Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Idを表わす式Id=(w/2L)μCi(Vg−Vth2
(式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Ciは絶縁体層の単位面積当たりの容量、Vgはゲート電圧、Vthは閾値電圧)を用いてキャリア移動度μを算出した。基板上すべての素子の値の平均値を平均キャリア移動度とした。
(b)耐熱性の評価
作製した有機膜トランジスタ素子を、大気下150度にて1時間加熱した後に、キャリア移動度μを測定し、下記式より加熱後のキャリア移動度維持率を算出した。
加熱後のキャリア移動度維持率(%)=移動度(加熱後)/移動度(初期値)
なお、この条件での加熱後のキャリア移動度維持率は、60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましく、90%以上であることがより特に好ましい。
Figure 2016025203
Figure 2016025203
Figure 2016025203
上記表13〜15に示した結果からわかるように、本発明で規定する構造を満たすオリゴマーYと縮合多環芳香族化合物Xを含む有機半導体膜形成用の組成物を用いた有機膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が高く、加熱アニール後の移動度変化が小さいことがわかる。
比較例1より、縮合環を形成していないオリゴマー(R−1)と縮合多環芳香族化合物Xを含む組成物を用いた有機膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が低く、加熱アニール後の移動度変化も大きいことがわかった。
比較例2より、数平均分子量が本発明で規定する上限値を超えるオリゴマー(R−2)と縮合多環芳香族化合物Xを含む組成物を用いた有機膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が低く、加熱アニール後の移動度変化も大きいことがわかった。
比較例3より、本発明で規定するオリゴマーYを用いず、縮合多環芳香族化合物Xのみを含む組成物を用いた有機膜トランジスタ素子は、キャリア移動度が低く、加熱アニール後の移動度変化も大きいことがわかった。
また、光学顕微鏡の観察より、各比較例の有機膜トランジスタ素子の有機半導体活性層(結晶膜)には加熱後にクラックが発生していたのに対し、本発明で規定する構造を満たすオリゴマーYと縮合多環芳香族化合物Xを含む有機半導体膜形成用の組成物を用いた各実施例の有機膜トランジスタ素子では、加熱後にクラックの発生を低減できていることがわかった。
なお、本発明の有機膜トランジスタは、半導体活性層の膜中において、縮合多環芳香族化合物XとオリゴマーYが相分離していることを、TOF−SIMSによる深さ方向の濃度プロファイルを解析することで確認した。また、本発明に用いた縮合多環芳香族化合物XおよびオリゴマーYについて、それぞれ単独で90℃に加熱したFET特性測定用基板上にキャストして膜を作成し、それぞれ偏光顕微鏡像を確認したところ、縮合多環芳香族化合物Xの単独膜は結晶性の膜が形成される一方で、オリゴマーYの単独膜はアモルファス性の膜が形成されることがわかった。
11 基板
12 ゲート電極
13 絶縁体層
14 半導体活性層(有機物層、有機半導体層)
15a、15b ソース電極およびドレイン電極
31 基板
32 ゲート電極
33 絶縁体層
34a、34b ソース電極およびドレイン電極
35 半導体活性層(有機物層、有機半導体層)

Claims (25)

  1. 分子量が1000未満であり、置換基を有してもよい3〜7環の縮合多環芳香族化合物Xと;
    数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマーY;
    の両方を少なくとも含み、
    前記オリゴマーYが、主鎖に沿って3環以上の縮合多環骨格を有し、かつ前記縮合多環骨格を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子である繰り返し単位Aを含む、有機半導体膜形成用の組成物。
  2. 前記オリゴマーYの数平均分子量が1000以上8000未満である、請求項1に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  3. 前記オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−1で表される繰り返し単位である、請求項1または2に記載の有機半導体膜形成用の組成物;
    Figure 2016025203
    一般式Y−1中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
    Ar1は置換基を有してもよい単環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
    1を構成する原子、Ar1を構成する原子およびW1を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子であり、
    1およびR2はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
    n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
  4. 前記一般式Y−1中、Ar1は置換基を有してもよい単環のアリール環またはヘテロアリール環を表す、請求項3に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  5. 前記一般式Y−1、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表す、請求項3または4に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  6. 前記オリゴマーYの繰り返し単位Aに含まれる縮合多環骨格中に、置換基を有してもよいピロール環を少なくとも一つ含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  7. 前記オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−2で表される繰り返し単位である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物;
    Figure 2016025203
    一般式Y−2中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環の脂環、非芳香族のヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環を表し、
    1、R2およびR7はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
    n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
  8. 前記一般式Y−2中、Z1およびW1はそれぞれ独立に単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表す、請求項7に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  9. 前記オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−3で表される繰り返し単位である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物;
    Figure 2016025203
    一般式Y−3中、R7はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
    1およびR2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基または置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
    n1およびn2はそれぞれ独立に0〜4の整数であり、n1およびn2がそれぞれ独立に2〜4の整数である場合、複数のR1およびR2は同一であっても異なっていてもよい。
  10. 前記オリゴマーYの繰り返し単位Aが、下記一般式Y−4で表される繰り返し単位である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物;
    Figure 2016025203
    一般式Y−4中、Arは単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表し、
    Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
    nは0〜5の整数を表し、nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
  11. 前記オリゴマーYの繰り返し単位Aが、π共役構造である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  12. 前記オリゴマーYが、π共役オリゴマーである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  13. 前記縮合多環芳香族化合物Xが、下記一般式X−1で表される化合物である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物;
    Figure 2016025203
    一般式X−1中、A1、B1およびC1はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のB1は同一であっても異なってもよく;
    11およびR12はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
    11とA1、または、R12とC1は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基であり、
    n11およびn12はそれぞれ独立に1〜3の整数であり、
    n13は1〜5の整数である。
  14. 前記縮合多環芳香族化合物Xが、下記一般式X−2で表される化合物である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物;
    Figure 2016025203
    一般式X−2中、A2およびB2はそれぞれ独立に炭素数6〜14の芳香族炭化水素環または炭素数4〜12の芳香族ヘテロ環であり、
    21およびR22はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、
    21とベンゼン環、または、R22とベンゼン環は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(RN)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、RNは置換基である。
  15. 前記縮合多環芳香族化合物Xが、少なくとも1つのチオフェン環を含む縮合多環芳香族化合物である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
  17. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、有機膜トランジスタ用材料。
  18. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  19. さらにポリマーバインダーを含有する、請求項18に記載の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  20. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用インク。
  21. 請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜。
  22. 半導体活性層が、請求項1〜15のいずれか一項に記載の有機半導体膜形成用の組成物を含有する、有機膜トランジスタ。
  23. 基板上に絶縁体層を有し、
    前記絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、
    前記絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記絶縁体層に接した半導体活性層を有し、
    前記基板、前記ゲート電極、前記絶縁体層および前記半導体活性層が積層した構造の有機膜トランジスタである、請求項22に記載の有機膜トランジスタ。
  24. 下記一般式Y−4で表される繰り返し単位を有し、数平均分子量が1000〜10000であるオリゴマー;
    Figure 2016025203
    一般式Y−4中、Arは単環もしくは多環縮環のアリール環またはヘテロアリール環を表し、
    Rはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、
    nは0〜5の整数を表し、nが2〜5の整数である場合、複数のRは同一であっても異なっていてもよい。
  25. 数平均分子量が1000以上8000未満である、請求項24に記載のオリゴマー。
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