JP6179837B2 - 組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体、有機トランジスタ、多環縮合芳香族化合物 - Google Patents

組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体、有機トランジスタ、多環縮合芳香族化合物 Download PDF

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Description

本発明は、組成物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜、有機トランジスタ、多環縮合芳香族化合物に関する。より詳しくは、本発明は、有機トランジスタの半導体活性層に用いた場合に、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が少ない組成物、ならびに、この組成物を用いた非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜および有機トランジスタに関する。さらに、新規な多環縮合芳香族化合物にも関する。
有機半導体材料を用いたデバイスは、従来のシリコンなどの無機半導体材料を用いたデバイスと比較して、様々な優位性が見込まれているため、高い関心を集めている。有機半導体材料を用いた非発光性有機半導体デバイス(本明細書中、「非発光性」とは、室温、大気下0.1mW/cmの電流密度でデバイスに電流を流した場合に、1lm/W以下の発光効率のことを言う。換言すると、有機電界発光素子などの発光性有機半導体デバイスを除く有機半導体デバイスを意味する)の例としては、有機半導体材料を光電変換材料として用いた有機太陽電池や固体撮像素子などの光電変換素子や、非発光性の有機トランジスタが挙げられる。有機半導体材料を用いたデバイスは、無機半導体材料を用いたデバイスと比べて低温、低コストで大面積の素子を作製できる可能性がある。さらに分子構造を変化させることで容易に材料特性を変化させることが可能であるため材料のバリエーションが豊富であり、無機半導体材料ではなし得なかったような機能や素子を実現することができる。
有機トランジスタ(好ましくは、いわゆる有機薄膜トランジスタ)は大気下塗布系のような簡便な装置で有機膜である半導体活性層が形成できることから将来の半導体技術として期待されている。一方で、有機トランジスタ素子の製造工程では電極を製造した後の加熱アニール工程などをはじめとして100〜200℃程度の熱がかかることが多く、有機膜である半導体活性層の半導体特性(キャリア移動度)が熱によって劣化してしまう問題が知られている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、半導体活性層の有機半導体材料として、多環縮合芳香族部位を分子内に2つ以上有する多環縮合芳香族化合物を用いることで、トランジスタとしての特性が良好であり、さらに経時劣化が抑えられた有機半導体材料、それを用いた有機半導体膜、有機半導体デバイス及び有機トランジスタを提供できることが記載されている。
特許文献2には、2つの6員環が2つの5員環を介して縮合した構造であって多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する有機半導体材料に対し、高分子材料を添加することによって、耐熱性等に優れた、電界効果トランジスタ用の材料、および製造法を提供することが記載されている。特に特許文献2の[0042]〜[0044]には高分子材料としてπ電子骨格を有する導電性高分子化合物や半導体性高分子化合物が記載されているが、多環縮合芳香族部位を分子内に2つ以上有する多環縮合芳香族化合物については記載がない。また、特許文献2の実施例では[0084]のインク4として、半導体性高分子材料として多環縮合芳香族部位を有さないポリ(3−ヘキシル−チオフェン)を用い、多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する有機半導体材料である2,7−デシル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェンに添加した例が開示されている。
特許文献3には、低分子有機半導体化合物を用いて形成した膜に、少なくとも1つの処理を施すことで、低分子有機半導体化合物分子の少なくとも2分子が互いに結合して形成した重合体を膜の一部に含有する有機半導体膜が得られ、高移動度、かつ、耐熱性に優れた有機トランジスタを提供できることが記載されている。特に特許文献3では、低分子有機半導体化合物として多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する多環縮合芳香族化合物を用いることも記載されており、この化合物の2分子が互いに結合した重合体、すなわち多環縮合芳香族部位を分子内に2つのみ有する多環縮合芳香族化合物を膜の一部に含有する有機半導体膜が記載されている(例えば[0047]、[0048])。なお、特許文献3では、多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する多環縮合芳香族化合物の3分子以上が互いに結合した重合体、すなわち多環縮合芳香族部位を分子内に3つ以上有する多環縮合芳香族化合物を用いることについては、記載がない。
特開2007−019376号公報 特開2014−013920号公報 特開2009−124064号公報
このような状況のもと、本発明者らが特許文献1〜3に記載されている化合物を半導体活性層に用いた有機トランジスタを検討したところ、加熱アニール後のキャリア移動度低下が認められ、耐熱性のさらなる改善が求められることがわかった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために検討を進めた。本発明が解決しようとする課題は、有機トランジスタの半導体活性層に用いた場合に、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が少ない組成物を提供することである。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の置換基を有する多環縮合芳香族部位を分子内に複数有する多環縮合芳香族化合物と多環縮合芳香族部位を有する化合物(有機半導体)の両方を半導体活性層に使用することで、有機トランジスタ素子を加熱後(例えば100〜200℃)の移動度低下を抑制することができることを見出した。換言すれば、上記の2種の化合物を組み合わせて用いることで、有機トランジスタの半導体活性層に用いた場合に、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が少ない組成物を提供できることを見出し、本発明に至った。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明は、以下の構成を有する。
[1] 溶媒、下記一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、下記一般式3で表される化合物を含む組成物;
一般式1
Figure 0006179837
一般式1中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
mは2〜6の整数である;
一般式3
Figure 0006179837
一般式3中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n3は1〜5の整数であり;
n31は1〜3の整数であり;
n32は0〜3の整数である。
[2] [1]に記載の組成物は、一般式1中、連結基LがC中の炭素原子と連結することが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の組成物は、一般式1中、A、BおよびCのうち少なくとも1つがチオフェン環を含むことが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一つに記載の組成物は、一般式1中、Bが少なくとも1つのチオフェン環を含むことが好ましい。
[5] [1]に記載の組成物は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物が、下記一般式2で表される多環縮合芳香族化合物であることが好ましい;
一般式2
Figure 0006179837
一般式2中、
およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B2AおよびB2Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、複数のA、B2A、B2CおよびCは同一であっても異なってもよく;
21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm価の連結基を表し、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n21は1または2であり;
n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
mは2〜6の整数である。
[6] [5]に記載の組成物は、一般式2中、A、B2A、B2CおよびCのうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含むことが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一つに記載の組成物は、mが3以上であることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一つに記載の組成物は、連結基Lが以下の連結基群L−1から選択される連結基であることが好ましい;
連結基群L−1
Figure 0006179837
連結基群L−1中、Lはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、*は結合部位を表す。
[9] [1]〜[8]のいずれか一つに記載の組成物は、一般式3で表される化合物が、下記一般式4で表される化合物であることが好ましい;
一般式4
Figure 0006179837
一般式4中、
およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B4AおよびB4Cはそれぞれ独立にベンゼン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり;
41はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n41が2の場合は複数のR41は同一であっても異なってもよく;
41と、R41が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n41は1または2であり;
n42およびn43はそれぞれ独立に0または1である。
[10] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の組成物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
[11] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の組成物を含有する有機トランジスタ用材料。
[12] [1]〜[9]のいずれか一つに記載の組成物を含有する非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
[13] [12]に記載の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、さらにポリマーバインダーを含有することが好ましい。
[14] 下記一般式1−1で表される多環縮合芳香族化合物と、下記一般式3で表される化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜;
一般式1−1
Figure 0006179837
一般式1−1中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
m1は3〜6の整数である;
一般式3
Figure 0006179837
一般式3中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n3は1〜5の整数であり;
n31は1〜3の整数であり;
n32は0〜3の整数である。
[15] 基板上に絶縁体層を有し、
絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、
絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、
ソース電極、ドレイン電極および絶縁体層に接した半導体活性層を有し、
基板、ゲート電極、絶縁体層および半導体活性層が積層した構造の有機トランジスタであり、
半導体活性層が、[14]に記載の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜である、有機トランジスタ。
[16] 下記一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物;
一般式1−2
Figure 0006179837
一般式1−2中、
12、B12およびC12はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、A12、B12およびC12のうち少なくとも1つがチオフェン環を含み、複数のA12、B12およびC12は同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、A12およびB12のいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA12、または、R11とB12は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A12、B12およびC12のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
m1は3〜6の整数である。
[17] [16]に記載の多環縮合芳香族化合物は、一般式1−2中、連結基LがC12中の炭素原子と連結することが好ましい。
[18] [16]または[17]に記載の多環縮合芳香族化合物は、一般式1−2中、B12が少なくとも1つのチオフェン環を含むことが好ましい。
[19] [16]に記載の多環縮合芳香族化合物は、一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物が、下記一般式2−2で表される多環縮合芳香族化合物であることが好ましい;
一般式2−2
Figure 0006179837
一般式2−2中、
22およびC22はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B22AおよびB22Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、A22、B22A、B22CおよびC22のうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含み、複数のA22、B22A、B22CおよびC22は同一であっても異なってもよく;
21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A22、B22A、R21が結合するベンゼン環、B22CおよびC22のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n21は1または2であり;
n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
m1は3〜6の整数である。
[20] [16]〜[19]のいずれか一つに記載の多環縮合芳香族化合物は、連結基Lが以下の連結基群L−1から選択される連結基であることが好ましい;
連結基群L−1
Figure 0006179837
連結基群L−1中、Lはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、*は結合部位を表す。
[21] [16]〜[20]のいずれか一つに記載の多環縮合芳香族化合物を含有する組成物。
[22] [16]〜[20]のいずれか一つに記載の多環縮合芳香族化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
[23] [16]〜[20]のいずれか一つに記載の化合物を含有する有機トランジスタ用材料。
[24] [16]〜[20]のいずれか一つに記載の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
[25] [24]に記載の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、さらにポリマーバインダーを含有することが好ましい。
[26] [16]〜[20]のいずれか一つに記載の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜。
[27] [26]に記載の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。
本発明によれば、有機トランジスタの半導体活性層に用いた場合に、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が少ない組成物を提供することができる。
図1は、本発明の有機トランジスタの一例の構造の断面を示す概略図である。 図2は、本発明の実施例でFET特性測定用基板として製造した有機トランジスタの構造の断面を示す概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において、各一般式の説明において特に区別されずに用いられている場合における水素原子は同位体(重水素原子等)も含んでいることを表す。さらに、置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
本発明において、「芳香族部位」とは、有機化合物における芳香族性をもつ部位のことを言う。分子が芳香族性をもつためには、環状(4n+2)π電子系(Huckel則)であり、かつ、平面構造をもつという二つの条件を満たすことが必要となる。
[組成物]
本発明の組成物は、溶媒、下記一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、下記一般式3で表される化合物を含む。
一般式1
Figure 0006179837
一般式1中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
mは2〜6の整数である;
一般式3
Figure 0006179837
一般式3中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n3は1〜5の整数であり;
n31は1〜3の整数であり;
n32は0〜3の整数である。
このような構成により、本発明の組成物は、有機トランジスタの半導体活性層に用いた場合に、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が少ない。いかなる理論に拘泥するものでもないが、本発明の組成物では、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物を含み、一般式1で表されるように多環縮合芳香族部位(一般式1ではm個)を2以上とすることで、キャリアの導電パスを分子内に複数存在させ、有機半導体膜の膜質が加熱アニールによって変質しても、移動度低下を起こしにくくするというメカニズムにより、素子の耐熱性を向上させている。
また、本発明の組成物は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物がR11で表される置換基として特定の置換基を選択することで、キャリアの導電パスである多環縮合芳香族部位の高密度配列が可能になり、加熱アニールによる有機半導体膜の膜質変化(結晶粒界発生)を抑制できるというメカニズムにより、素子の耐熱性を向上させている。
さらに本発明の組成物は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、多環縮合芳香族部位を分子中に1つのみ有する一般式3で表される化合物を併用することで、有機半導体膜中の主たるキャリア輸送パスは多環縮合芳香族部位を分子中に1つのみ有する一般式3で表される化合物、有機半導体膜の膜質変化(結晶粒界発生)によって生じた欠陥部分のキャリア輸送パスは、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物で移動させるという機能分担をする事で、膜質変化が起こっても移動度低下が抑制されるというメカニズムにより、素子の耐熱性を向上させている。
特開2007−019376号公報では多環縮合芳香族部位を分子内に2つ以上有する多環縮合芳香族化合物を単独で用いているのに対し、本発明の組成物では多環縮合芳香族部位を分子内に2つ以上有する多環縮合芳香族化合物と多環縮合芳香族部位を分子中に一つのみ有する一般式3で表される化合物と組み合わせる事で、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が顕著に少なくなる。このような顕著な効果が得られる理由やメカニズムは特開2007−019376号公報を読んでも容易に想到できず、当業者は本発明の組成物の構成および効果を容易に想到できない。
特開2009−124064号公報では2つの6員環が2つの5員環を介して縮合した構造であって多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する有機半導体材料に対し、多環縮合芳香族部位を分子内に有さない高分子材料を添加した例しか開示していないのに対し、本発明の組成物では多環縮合芳香族部位を分子内に2つ以上有する多環縮合芳香族化合物と多環縮合芳香族部位を分子中に一つのみ有する一般式3で表される化合物と組み合わせる事で、有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下が顕著に少なくなる。このような顕著な効果が得られる理由やメカニズムは特開2009−124064号公報を読んでも容易に想到できず、当業者は本発明の組成物の構成および効果を容易に想到できない。
特開2009−124064号公報では低分子有機半導体化合物を用いて形成した膜に、少なくとも1つの処理を施すことで、低分子有機半導体化合物分子の少なくとも2分子が互いに結合して形成した重合体を膜の一部に含有する有機半導体膜を得ているが、処理前の組成物の時点では低分子有機半導体化合物のみしか含まれていない。
以下、本発明の組成物の好ましい態様を説明する。
<一般式1で表される多環縮合芳香族化合物>
まず、本発明の組成物に用いられる、下記一般式1で表される多環縮合芳香族化合物について説明する。
一般式1
Figure 0006179837
一般式1中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
mは2〜6の整数である。
一般式1中、A、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよい。A、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、フラン環またはチオフェン環であることが好ましく、ベンゼン環またはチオフェン環であることがより好ましい。一般式1中、A、BおよびCのうち少なくとも1つがチオフェン環を含むことが、加熱アニール前のキャリア移動度を高め、かつ、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする観点から特に好ましい。チオフェン環を含む多環縮合芳香族部位を2つ以上有すると、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする効果が高い。一般式1中、Bが少なくとも1つのチオフェン環を含むことが、加熱アニール後のキャリア移動度低下をより少なくする観点から、より特に好ましい。
前述の一般式1で表される多環縮合芳香族化合物のA、BおよびCは、後述の一般式2におけるA、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCで表されることも、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする観点から好ましい。
一般式1中、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく、m個のAおよびCは同一であることが好ましい。m×n1個のBは同一であっても異なっていてもよいが、m個の「A、BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の組み合わせ」は同一であることが好ましく、各「A、BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の組み合わせ」中におけるn1個のBは同一であっても異なっていてもよい。
一般式1中、R11の他に、A、BおよびCはさらなる任意の置換基を有していてもよく、この任意の置換基としてはハロゲン原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。一般式1中、A、BおよびCはR11の他にさらなる任意の置換基を有さないことが好ましい。
一般式1で表される多環縮合芳香族化合物のA、BおよびCにより形成される多環縮合芳香族部位の好ましい例を以下に示す。一般式1で表される多環縮合芳香族化合物のA、BおよびCにより形成される多環縮合芳香族部位は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。また、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物のA、BおよびCにより形成される多環縮合芳香族部位は、各芳香環または各芳香族ヘテロ環が一般式1におけるR11やその他の任意の置換基を有していてもよく、R11の他のさらなる任意の置換基としてはハロゲン原子などを挙げることができる。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
一般式1中、R11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよい。
11はアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
11が表すアルキル基は、炭素数1〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数5〜14であることが特に好ましい。また、R11が表すアルキル基は直鎖であっても、分枝であっても、環状であってもよいが、直鎖または分枝であることが好ましく、直鎖であることがより好ましい。
11が表すアルケニル基は、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数5〜14であることが特に好ましい。
11が表すアルキニル基は、炭素数2〜30であることが好ましく、炭素数3〜18であることがより好ましく、炭素数5〜14であることが特に好ましい。R11が表すアルキニル基はさらに置換基を有していることも好ましく、この置換基としてはトリアルキルシリル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で3置換されたシリル基)、置換または無置換のフェニル基を挙げることができ、トリアルキルシリル基が好ましい。
11が表すアリール基は、炭素数6〜30であることが好ましく、炭素数6〜14であることがより好ましく、フェニル基であることが特に好ましい。
11が表すヘテロアリール基は、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4であることが特に好ましく、チエニル基であることがより特に好ましい。
11は、AおよびBのいずれかと連結し、R11がAのみに連結するか、R11がBのみに連結することが好ましい。
n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよいが、同一であることが好ましい。
一般式1中、R11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基である。すなわち、R11とAの結合様式、または、R11とBの結合様式は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせである。R11とAの結合様式、または、R11とBの結合様式は、単結合、酸素原子またはカルボニル基であることが好ましく、単結合であることがより好ましい。
が表す置換基としては、後述の「置換基群A」として挙げた置換基が好ましい。
一般式1中、Lはm価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結する。
Lはm価の連結基を表す。m価の連結基としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、りん原子から選択される1種以上の原子から構成される連結基が好ましい。
Lとして例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、スルホ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基、シリルオキシ基、ホスホリル基からなる群から、m価の連結基となるように(m−1)個の水素原子を取り除いた連結基が挙げられる。これらの連結基は可能であればさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、以下に置換基群Aとして挙げた置換基が適用できる。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、パラ−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
連結基Lとして好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、ヘテロ環基からなる群から、m価の連結基となるように(m−1)個の水素原子を取り除いた連結基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ヘテロ環基からなる群から、m価の連結基となるように(m−1)個の水素原子を取り除いた連結基であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基からなる群から、m価の連結基となるように(m−1)個の水素原子を取り除いた連結基であり、特に好ましくはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基からなる群から、m価の連結基となるように(m−1)個の水素原子を取り除いた連結基である。
連結基Lは、以下の連結基群L−1から選択される連結基であることが、自由度が高く、有機半導体膜中で、等方的にキャリア輸送パスを形成する事が出来るため、より特に好ましい。
連結基群L−1
Figure 0006179837
連結基群L−1中、Lはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、*は結合部位を表す。
連結基群L−1中、Lは炭素数1〜8のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1のアルキレン基であることが特に好ましい。
連結基群L−1中、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、置換基であることが好ましい。Rが表す置換基としては、「置換基群A」として挙げた置換基を挙げることができ、アルキル基、アリール基が好ましく、アルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましく、メチル基がより特に好ましい。
連結基Lは、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し、連結基LはCを構成する炭素原子と連結することが有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下を少なくする効果が高い観点から、好ましい。一方、一般式11で表される多環縮合芳香族化合物が、後述の一般式2で表される多環縮合芳香族化合物である場合は、連結基LはBを構成する炭素原子と連結することが有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下を少なくする効果が高い観点から、好ましい。
下記に連結基Lの具体例を示すが、本発明はこれに限定されることはない。
Figure 0006179837
一般式1中、n1は1〜5の整数であり、1〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。
一般式1中、n11は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
一般式1中、mは2〜6の整数を表す。mは有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下を少なくする観点からmが3以上であることが好ましい。すなわち、mは好ましくは3〜6であり、より好ましくは3〜4である。
一般式1で表される多環縮合芳香族化合物は、mが3〜6である場合、以下の一般式1−1で表される多環縮合芳香族化合物に相当する。
一般式1−1
Figure 0006179837
一般式1−1中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
m1は3〜6の整数である。
一般式1−1におけるA、B、C、R11、L、n1およびn11は、それぞれ一般式1におけるA、B、C、R11、L、n1、n11と同義であり、好ましい範囲も同様である。その中でも特に、一般式1−1中、連結基LがC中の炭素原子と連結することが好ましい。また、一般式1−1中、A、BおよびCのうち少なくとも1つがチオフェン環を含むことが好ましい。また、一般式1−1中、Bが少なくとも1つのチオフェン環を含むことが好ましい。また、一般式1−1中、連結基Lが前述の連結基群L−1から選択される連結基であることが好ましい。
一般式1−1中、m1は3〜6の整数であり、好ましくは3〜4である。
一般式1−1で表される多環縮合芳香族化合物は、後述の一般式2−1で表される多環縮合芳香族化合物であることが好ましい。
一般式1で表される多環縮合芳香族化合物は、A、BおよびCのうち少なくとも1つがチオフェン環を含み、かつ、mが3〜6である場合、以下の一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物に相当する。
一般式1−2
Figure 0006179837
一般式1−2中、
12、B12およびC12はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、A12、B12およびC12のうち少なくとも1つがチオフェン環を含み、複数のA12、B12およびC12は同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、A12およびB12のいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA12、または、R11とB12は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A12、B12およびC12のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
m1は3〜6の整数である。
一般式1−2におけるA11、B11およびC11の好ましい範囲は、一般式1におけるA、BおよびCの好ましい範囲と同様である。
一般式1−2におけるR11、L、n1およびn11は、一般式1におけるR11、L、n1およびn11と同義であり、好ましい範囲も同様である。その中でも特に、一般式1−2中、連結基LがC12中の炭素原子と連結することが好ましい。また、一般式1−2中、B12が少なくとも1つのチオフェン環を含むことが好ましい。また、一般式1−1中、連結基Lが前述の連結基群L−1から選択される連結基であることが好ましい。
一般式1−2におけるm1は、一般式1−1におけるm1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物は、後述の一般式2−2で表される多環縮合芳香族化合物であることが好ましい。
一般式1で表される多環縮合芳香族化合物は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物が、下記一般式2で表される多環縮合芳香族化合物であることが好ましい;
一般式2
Figure 0006179837
一般式2中、
およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B2AおよびB2Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、複数のA、B2A、B2CおよびCは同一であっても異なってもよく;
21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm価の連結基を表し、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n21は1または2であり;
n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
mは2〜6の整数である。
一般式2におけるAおよびCの好ましい範囲は、一般式1におけるAおよびCの好ましい範囲と同様である。
一般式2中、B2AおよびB2Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環である。B2AおよびB2Cが表す炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環は、アゾール環、フラン環もしくはチオフェン環のみからなる単環であってもよく、アゾール環、フラン環およびチオフェン環のいずれか2つが縮合した環であってもよい。B2AおよびB2Cはそれぞれ独立にベンゼン環、またはフラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であるベンゼン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
一般式2中、A、B2A、B2CおよびCのうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含むことが加熱アニール前のキャリア移動度を高め、かつ、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする観点から特に好ましい。チオフェン環を含む多環縮合芳香族部位を2つ以上有すると、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする効果が高い。
一般式2中、複数のA、B2A、B2CおよびCは同一であっても異なってもよく、m個のAおよびCは同一であることが好ましい。m×n22個のB2Aは同一であっても異なっていてもよく、m×n23個のB2Bは同一であっても異なっていてもよいが、m個の「A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の組み合わせ」は同一であることが好ましく、各「A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の組み合わせ」中におけるn22個のB2Aは同一であっても異なっていてもよく、各「A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の組み合わせ」中におけるn23個のB2Bは同一であっても異なっていてもよい。
一般式2中、R21の他に、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCはさらなる任意の置換基を有していてもよく、この任意の置換基としてはハロゲン原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。一般式2中、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCはR21の他にさらなる任意の置換基を有さないことが好ましい。
一般式2で表される多環縮合芳香族化合物のA、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の好ましい例を以下に示す。一般式2で表される多環縮合芳香族化合物のA、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
一般式2中、R21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよい。一般式2におけるR21の好ましい範囲は、一般式1におけるR11の好ましい範囲と同様である。
一般式2中、R21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基である。R21と、R21が結合するベンゼン環の結合様式の好ましい範囲は、一般式1におけるR11とAの結合様式、または、R11とBの結合様式の好ましい範囲と同様である。
一般式2中、Lはm価の連結基を表し、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結する。一般式2におけるLの好ましい範囲は、一般式1におけるLの好ましい範囲と同様である。
LはA、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し、R21が結合するベンゼン環を構成する炭素原子と連結することが有機トランジスタの加熱アニール後の移動度低下を少なくする効果が高い観点から、好ましい。
一般式2におけるn21は、1または2であり、1であることが好ましい。
一般式2中、n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり、1であることが好ましい。
一般式2におけるmは、一般式1におけるmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式2で表される多環縮合芳香族化合物は、mが3〜6である場合、以下の一般式2−1で表される多環縮合芳香族化合物に相当する。
一般式2−1
Figure 0006179837
一般式2−1中、
およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B2AおよびB2Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、複数のA、B2A、B2CおよびCは同一であっても異なってもよく;
21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n21は1または2であり;
n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
m1は3〜6の整数である。
一般式2−1におけるA、B2A、B2C、C、R21、L、n22、n23およびn21は、それぞれ一般式2におけるA、B2A、B2C、C、R21、L、n22、n23およびn21と同義であり、好ましい範囲も同様である。その中でも特に、一般式2−1中、A、B2A、B2CおよびCのうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含むことが好ましい。また、一般式2−1中、連結基Lが上述の連結基群L−1から選択される連結基であることが好ましい。
一般式2−1中、m1は3〜6の整数であり、好ましくは3〜4である。
一般式2で表される多環縮合芳香族化合物は、A22、B22A、B22CおよびC22のうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含み、かつ、mが3〜6である場合、以下の一般式2−2で表される多環縮合芳香族化合物に相当する。
一般式2−2
Figure 0006179837
一般式2−2中、
22およびC22はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B22AおよびB22Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、A22、B22A、B22CおよびC22のうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含み、複数のA22、B22A、B22CおよびC22は同一であっても異なってもよく;
21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A22、B22A、R21が結合するベンゼン環、B22CおよびC22のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n21は1または2であり;
n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
m1は3〜6の整数である。
一般式2−2におけるA22、B22A、B22CおよびC22の好ましい範囲は、一般式2におけるA、B2A、B2C、Cの好ましい範囲と同様である。
一般式2−2におけるR21、L、n22、n23およびn21は、一般式2におけるR21、L、n22、n23およびn21と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式2−2におけるm1は、一般式2−1におけるm1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
(一般式1で表される多環縮合芳香族化合物の具体的化合物例)
本発明における一般式1で表される多環縮合芳香族化合物の具体的化合物例を以下に一般式(X)、一般式(Y)、一般式(Z)、一般式(V)、一般式(W)を用いて示す。
一般式(X)
Figure 0006179837
一般式(X)中、RX1、Aは下記表中に示す構造である。
下記表中「*」は結合位置を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
一般式(Y)
Figure 0006179837
一般式(Y)中、L、ArY1,ArY2,ArY3は下記表中に示す構造である。
下記表中「*」は結合位置を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006179837
一般式(Z)
Figure 0006179837
一般式(Z)中、L、ArZ1,ArZ2,ArZ3,ArZ4は下記表中に示す構造である。
下記表中「*」は結合位置を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
一般式(V)
Figure 0006179837
一般式(W)
Figure 0006179837
上記一般式1で表される多環縮合芳香族化合物は、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができるため好ましい。
一方で、膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。
一般式1で表される多環縮合芳香族化合物は、後述のスキームAや、Journal of American Chemical Society, 2006,128,p.12604〜12605や、文献A(K.Muellen,Chem.Commun.2008,1548−1550.)、文献B(K.Takimiya,Org.Lett.2007,9,4499−4502.)を参考に合成することができる。
一般式1で表される多環縮合芳香族化合物の合成において、いかなる反応条件を用いてもよい。反応溶媒としては、いかなる溶媒を用いてもよい。また、環形成反応促進のために、酸または塩基を用いることが好ましく、特に塩基を用いることが好ましい。最適な反応条件は、目的とする化合物の構造により異なるが、上記の文献に記載された具体的な反応条件を参考に設定することができる。
<一般式3で表される化合物>
次に、本発明の組成物に用いられる、一般式3で表される化合物について説明する。
一般式3で表される化合物としては特に制限は無い。
本発明に用いることができる一般式3で表される化合物は、チオフェン環を縮環中に含む化合物であることが、キャリア移動度を改善する観点から、より好ましい。
本発明に用いることができる一般式3で表される化合物におけるA、BおよびCならびにn1で表される多環縮合芳香族部位は、後述の一般式4におけるAおよびBで表される多環縮合芳香族部位であることが特に好ましい。
本発明における一般式3で表される化合物の多環縮合芳香族部位の好ましい例を以下に示す。本発明で用いることができる縮環芳香族部位は、これらの具体例により限定的に解釈されるべきものではない。また、多環縮合芳香族化合物の多環縮合芳香族部位は、各芳香環または各芳香族ヘテロ環が任意の置換基を有していてもよく、この置換基としてはハロゲン原子などを挙げることができる。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
下記一般式3で表される化合物について、好ましい構造を説明する。
一般式3
Figure 0006179837
一般式3中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n3は1〜5の整数であり;
n31は1〜3の整数であり;
n32は0〜3の整数である。
一般式3におけるA、BおよびCの好ましい範囲は、一般式1におけるA、BおよびCの好ましい範囲と同様である。
一般式3中、R31の他に、A、BおよびCはさらなる任意の置換基を有していてもよく、この任意の置換基としてはハロゲン原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。一般式3中、A、BおよびCはR31の他にさらなる任意の置換基を有さないことが好ましい。
一般式3中、R31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよい。一般式3におけるR31の好ましい範囲は、一般式1におけるR11の好ましい範囲と同様である。
31は、AおよびBのいずれかと連結し、R31がAのみに連結するか、R31がBのみに連結することが好ましい。
n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよいが、同一であることが好ましい。
一般式3中、R32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよい。一般式3におけるR32の好ましい範囲は、一般式1におけるR11の好ましい範囲と同様である。
n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよいが、同一であることが好ましい。
31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基である。R31とAの結合様式、R31とBの結合様式、または、R32とCの結合様式の好ましい範囲は、一般式1におけるR11とAの結合様式、または、R11とBの結合様式の好ましい範囲と同様である。
一般式3中、n3は1〜5の整数であり、1〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。
一般式3中、n31は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
一般式3中、n32は0〜3の整数であり、0〜2であることが好ましく、0または1であることがより好ましい。
上述の一般式3で表される化合物が、下記一般式4で表される化合物であることが好ましい;
一般式4
Figure 0006179837
一般式4中、
およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B4AおよびB4Cはそれぞれ独立にベンゼン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり;
41はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n41が2の場合は複数のR41は同一であっても異なってもよく;
41と、R41が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n41は1または2であり;
n42およびn43はそれぞれ独立に0または1である。
一般式4におけるAおよびCの好ましい範囲は、一般式3におけるAおよびCの好ましい範囲と同様である。
一般式4中、B4AおよびB4Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環である。B4AおよびB4Cが表す炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環は、アゾール環、フラン環もしくはチオフェン環のみからなる単環であってもよく、アゾール環、フラン環およびチオフェン環のいずれか2つが縮合した環であってもよい。B4AおよびB4Cはそれぞれ独立にベンゼン環、またはフラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であるベンゼン環であることが好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。
一般式4中、A、B4A、B4CおよびCのうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含むことが加熱アニール前のキャリア移動度を高め、かつ、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする観点から特に好ましい。チオフェン環を含む多環縮合芳香族部位を2つ以上有すると、加熱アニール後のキャリア移動度低下を少なくする効果が高い。
一般式4中、R41の他に、A、B4A、R41が結合するベンゼン環、B4CおよびCはさらなる任意の置換基を有していてもよく、この任意の置換基としてはハロゲン原子を挙げることができ、フッ素原子が好ましい。一般式4中、A、B4A、R41が結合するベンゼン環、B4CおよびCはR41の他にさらなる任意の置換基を有さないことが好ましい。
一般式4で表される化合物のA、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の好ましい範囲は、一般式2で表される多環縮合芳香族化合物のA、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2BおよびCで形成される多環縮合芳香族部位の好ましい範囲と同様である。
一般式4中、R41はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n41が2の場合は複数のR41は同一であっても異なってもよい。一般式4におけるR41の好ましい範囲は、一般式3におけるR31の好ましい範囲と同様である。
一般式4中、R41と、R41が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基である。R41と、R41が結合するベンゼン環の結合様式の好ましい範囲は、一般式1におけるR11とAの結合様式、または、R11とBの結合様式の好ましい範囲と同様である。
一般式4におけるn41は、1または2であり、2であることが好ましい。
一般式4中、n42およびn43はそれぞれ独立に0または1であり、1であることが好ましい。
(一般式3で表される化合物の具体的化合物例)
本発明における一般式3で表される化合物の具体的化合物例を以下に示す。
Figure 0006179837
さらに、一般式3で表される化合物の具体的化合物例を以下に一般式(XX)を用いて示す。
一般式(XX)
Figure 0006179837
一般式(XX)中、RX1、RX2、Aは下記表中に示す構造である。
Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
上記一般式3で表される化合物は、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることがさらに好ましく、850以下であることが特に好ましい。分子量を上記上限値以下とすることにより、溶媒への溶解性を高めることができるため好ましい。
一方で、膜の膜質安定性の観点からは、分子量は400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、500以上であることがさらに好ましい。
一般式3で表される化合物は、後述のスキーム1や、文献A(K.Muellen,Chem.Commun.2008,1548−1550.)、文献B(K.Takimiya,Org.Lett.2007,9,4499−4502.)を参考に合成することができる。
一般式3で表される化合物の合成において、いかなる反応条件を用いてもよい。反応溶媒としては、いかなる溶媒を用いてもよい。また、環形成反応促進のために、酸または塩基を用いることが好ましく、特に塩基を用いることが好ましい。最適な反応条件は、目的とする化合物の構造により異なるが、上記の文献に記載された具体的な反応条件を参考に設定することができる。
<組成比>
本発明の組成物中、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物と、一般式3で表される化合物との組成比(質量比)は、1/99〜99/1であることが好ましく、1/99〜50/50であることがより好ましく、3/97〜30/70であることが特に好ましく、5/95〜20/80であることがより特に好ましい。
<溶媒>
本発明の組成物は、溶媒を含む。
本発明の組成物は、溶液状態であっても、分散液状態であってもよい。
本発明の組成物に用いられる溶媒としては有機溶媒または水を挙げることができる。本発明の組成物は溶媒として、有機溶媒を含むことが好ましい。
本発明の組成物を用いて溶液プロセスを用いて成膜する場合、層を形成する材料を適当な有機溶媒(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、デカリン、1−メチルナフタレンなどの炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン、1−メチルー2−イミダゾリジノン等のアミド・イミド系溶媒、ジメチルスルフォキサイドなどのスルホキシド系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒)および/または水に溶解、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により膜を形成することができる。溶媒は単独で用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒またはエーテル系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジクロロベンゼンまたはアニソールがより好ましく、トルエン、キシレン、テトラリン、アニソールが特に好ましい。本発明の組成物中、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物および一般式3で表される化合物などの有機半導体の濃度は、好ましくは、0.1〜80質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%であり、これらの範囲であれば、任意の厚さの膜を形成できる。
<その他の成分>
本発明の組成物は、溶媒、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物と、一般式3で表される化合物以外のその他の成分を含んでいてもよい。
(ポリマーバインダー)
本発明の組成物は、さらにポリマーバインダーを含むことが好ましい。
非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、一般式3で表される化合物を含み、ポリマーバインダーを含有しない態様も好ましい。
また、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、一般式3で表される化合物に加え、さらにポリマーバインダーを含有してもよい。この場合、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、一般式3で表される化合物などの層を形成する材料とポリマーバインダーとを前述の適当な溶媒に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により膜を形成することができる。
ポリマーバインダーとしては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの絶縁性ポリマー、およびこれらの共重合体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどの光伝導性ポリマー、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレンビニレンなどの導電性ポリマー、半導体ポリマーを挙げることができる。
ポリマーバインダーは、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
また、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物および一般式3で表される化合物などの有機半導体と、ポリマーバインダーとは均一に混合していてもよく、一部または全部が相分離していてもよいが、電荷移動度の観点では、膜中で膜厚方向に有機半導体とバインダーが相分離した構造が、バインダーが有機半導体の電荷移動を妨げず最も好ましい。
膜の機械的強度を考慮するとガラス転移温度の高いポリマーバインダーが好ましく、電荷移動度を考慮すると極性基を含まない構造のポリマーバインダーや光伝導性ポリマー、導電性ポリマーが好ましい。
ポリマーバインダーの使用量は、特に制限はないが、本発明の組成物中、好ましくは0〜95質量%の範囲内で用いられ、より好ましくは10〜90質量%の範囲内で用いられ、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲内で用いられ、特に好ましくは30〜70質量%の範囲内で用いられる。
[非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料は、本発明の組成物を含有する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料を、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができる。
[有機トランジスタ用材料]
本発明の有機トランジスタ用材料は、本発明の組成物を含有する。
本発明の有機トランジスタ用材料を、有機トランジスタの製造に用いることができる。
[非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、本発明の組成物を含有する。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液を、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができ、非発光性有機半導体デバイスの中でも有機トランジスタの製造に好ましく用いることができる。
[非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜]
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、下記一般式1−1で表される多環縮合芳香族化合物と、下記一般式3で表される化合物を含有する。
一般式1−1
Figure 0006179837
一般式1−1中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
m1は3〜6の整数である;
一般式3
Figure 0006179837
一般式3中、
、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
n3は1〜5の整数であり;
n31は1〜3の整数であり;
n32は0〜3の整数である。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を、非発光性有機半導体デバイスの製造に用いることができ、非発光性有機半導体デバイスの中でも有機トランジスタの製造に好ましく用いることができる。
なお、「非発光性」有機半導体デバイスから除かれる「発光性」有機半導体デバイスとして、有機Electro Luminescence(EL)素子が知られている。有機EL素子材料として有用なものが、ただちに有機トランジスタ用半導体材料として有用であると言うことはできない。これは、有機EL素子と有機トランジスタでは、有機化合物に求められる特性が異なるためである。有機EL素子では通常膜の膜厚方向(通常数nm〜数100nm)に電荷を輸送する必要があるのに対し、有機トランジスタでは膜面方向の電極間(通常数μm〜数100μm)の長距離を電荷(キャリア)輸送する必要がある。このため、求められるキャリア移動度が格段に高い。そのため、有機トランジスタ用半導体材料としては、分子の配列秩序が高い、結晶性が高い有機化合物が求められている。また、高いキャリア移動度発現のため、π共役平面は基板に対して直立していることが好ましい。一方、有機EL素子では、発光効率を高めるため、発光効率が高く、面内での発光が均一な素子が求められている。通常、結晶性の高い有機化合物は、面内の電界強度不均一、発光不均一、発光クエンチ等、発光欠陥を生じさせる原因となるため、有機EL素子用材料は結晶性を低くし、アモルファス性の高い材料が望まれる。このため、有機EL素子材料を構成する有機化合物を有機半導体材料にそのまま転用しても、ただちに良好なトランジスタ特性を得ることができる訳ではない。
また、同様に有機光電変換素子として有用なものも、ただちには、求められるキャリア移動度が格段に高い有機トランジスタ用半導体材料として有用であると言うことはできない。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、m1が3〜6であるため、特開2009−124064号公報に記載の低分子有機半導体化合物として多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する多環縮合芳香族化合物を用い、この化合物の2分子が互いに結合した重合体、すなわち多環縮合芳香族部位を分子内に2つのみ有する多環縮合芳香族化合物を膜の一部に含有する有機半導体膜に対して、新規性を有する。なお、特開2009−124064号公報には、多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する多環縮合芳香族化合物の3分子以上が互いに結合した重合体、すなわち多環縮合芳香族部位を分子内に3つ以上有する多環縮合芳香族化合物を用いることについては、記載がない。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜の好ましい範囲の内、一般式1−1で表される多環縮合芳香族化合物の好ましい範囲は、本発明の組成物の説明の中に記載したとおりである。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。
[有機トランジスタ]
本発明の有機トランジスタは、基板上に絶縁体層を有し、絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、ソース電極、ドレイン電極および絶縁体層に接した半導体活性層を有し、基板、ゲート電極、絶縁体層および半導体活性層が積層した構造の有機トランジスタであり、半導体活性層が、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜である。
<有機半導体材料>
本発明の有機トランジスタは、後述の半導体活性層が本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を含む。
本明細書において、「有機半導体材料」とは、半導体の特性を示す有機材料のことである。無機材料からなる半導体と同様に、正孔をキャリアとして伝導するp型(ホール輸送性)有機半導体材料と、電子をキャリアとして伝導するn型(電子輸送性)有機半導体材料がある。
前述の一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、前述の一般式3で表される化合物およびこれらを含む組成物はp型有機半導体材料、n型の有機半導体材料のどちらとして用いてもよいが、p型として用いることがより好ましい。有機半導体中のキャリアの流れやすさはキャリア移動度μで表される。キャリア移動度μは高い方がよく、1×10−4cm/Vs以上であることが好ましく、1×10−2cm/Vs以上であることがより好ましく、5×10−2cm/Vs以上であることが特に好ましく、1×10−1cm/Vs以上であることがより特に好ましく、2×10−1cm/Vs以上であることがよりさらに特に好ましい。キャリア移動度μは電界効果トランジスタ(FET)素子を作製したときの特性や飛行時間計測(TOF)法により求めることができる。
<有機トランジスタの構造>
本発明の有機トランジスタの構造は、基板上に絶縁体層を有し、絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、ソース電極、ドレイン電極および絶縁体層に接した半導体活性層を有し、基板、ゲート電極、絶縁体層および半導体活性層は積層した構造の有機トランジスタである。
本発明の有機トランジスタは、有機電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor、FET)として用いられることが好ましく、ゲート−チャンネル間が絶縁されている絶縁ゲート型FETとして用いられることがより好ましい。
以下、本発明の有機トランジスタの好ましい構造の態様について、図面を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
(積層構造)
有機電界効果トランジスタの積層構造としては特に制限はなく、公知の様々な構造のものとすることができる。
本発明の有機トランジスタの構造の一例としては、最下層の基板の上面に、電極、絶縁体層、半導体活性層、2つの電極を順に配置した構造(ボトムゲート・トップコンタクト型)を挙げることができる。この構造では、最下層の基板の上面の電極は基板の一部に設けられ、絶縁体層は、電極以外の部分で基板と接するように配置される。また、半導体活性層の上面に設けられる2つの電極は、互いに隔離して配置される。
ボトムゲート・トップコンタクト型素子の構成を図1に示す。図1は、本発明の有機トランジスタの一例の構造の断面を示す概略図である。図1の有機トランジスタは、最下層に基板11を配置し、その上面の一部に電極12を設け、さらにこの電極12を覆い、かつ電極12以外の部分で基板11と接するように絶縁体層13を設けている。さらに絶縁体層13の上面に半導体活性層14を設け、その上面の一部に2つの電極15aと15bとを隔離して配置している。
図1に示した有機トランジスタは、電極12がゲートであり、電極15aと電極15bはそれぞれドレインまたはソースである。また、図1に示した有機トランジスタは、ドレイン−ソース間の電流通路であるチャンネルと、ゲートとの間が絶縁されている絶縁ゲート型FETである。
本発明の有機トランジスタの構造の一例としては、ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子を挙げることができる。
ボトムゲート・ボトムコンタクト型素子の構成を図2に示す。図2は本発明の実施例でFET特性測定用基板として製造した有機トランジスタの構造の断面を示す概略図である。図2の有機トランジスタは、最下層に基板31を配置し、その上面の一部に電極32を設け、さらにこの電極32を覆い、かつ電極32以外の部分で基板31と接するように絶縁体層33を設けている。さらに絶縁体層33の上面に半導体活性層35を設け、電極34aと34bが半導体活性層35の下部にある。
図2に示した有機トランジスタは、電極32がゲートであり、電極34aと電極34bはそれぞれドレインまたはソースである。また、図2に示した有機トランジスタは、ドレイン−ソース間の電流通路であるチャンネルと、ゲートとの間が絶縁されている絶縁ゲート型FETである。
本発明の有機トランジスタの構造としては、その他、絶縁体、ゲート電極が半導体活性層の上部にあるトップゲート・トップコンタクト型素子や、トップゲート・ボトムコンタクト型素子も好ましく用いることができる。
(厚さ)
本発明の有機トランジスタは、より薄いトランジスタとする必要がある場合には、例えばトランジスタ全体の厚さを0.1〜0.5μmとすることが好ましい。
(封止)
有機トランジスタ素子を大気や水分から遮断し、有機トランジスタ素子の保存性を高めるために、有機トランジスタ素子全体を金属の封止缶やガラス、窒化ケイ素などの無機材料、パリレンなどの高分子材料や、低分子材料などで封止してもよい。
以下、本発明の有機トランジスタの各層の好ましい態様について説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。
<基板>
(材料)
本発明の有機トランジスタは、基板を含む。
基板の材料としては特に制限はなく、公知の材料を用いることができ、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリイミドフィルム、およびこれらポリマーフィルムを極薄ガラスに貼り合わせたもの、セラミック、シリコン、石英、ガラス、などを挙げることができ、シリコンが好ましい。
<電極>
(材料)
本発明の有機トランジスタは、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極などの電極を含む。
電極の構成材料としては、例えば、Cr、Al、Ta、Mo、Nb、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、In、NiあるいはNdなどの金属材料やこれらの合金材料、あるいはカーボン材料、導電性高分子などの既知の導電性材料であれば特に制限することなく使用できる。
(厚さ)
電極の厚さは特に制限はないが、10〜50nmとすることが好ましい。
ゲート幅(またはチャンネル幅)Wとゲート長(またはチャンネル長)Lに特に制限はないが、これらの比W/Lが10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。
<絶縁体層>
(材料)
絶縁体層を構成する材料は必要な絶縁効果が得られれば特に制限はないが、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、PTFE、CYTOP等のフッ素ポリマー系絶縁材料、ポリエステル絶縁材料、ポリカーボネート絶縁材料、アクリルポリマー系絶縁材料、エポキシ樹脂系絶縁材料、ポリイミド絶縁材料、ポリビニルフェノール樹脂系絶縁材料、ポリパラキシリレン樹脂系絶縁材料などが挙げられる。
絶縁体層の上面は表面処理がなされていてもよく、例えば、二酸化ケイ素表面をヘキサメチルジシラザン(HMDS)やオクタデシルトリクロロシラン(OTS)の塗布により表面処理した絶縁体層を好ましく用いることができる。
(厚さ)
絶縁体層の厚さに特に制限はないが、薄膜化が求められる場合は厚さを10〜400nmとすることが好ましく、20〜200nmとすることがより好ましく、50〜200nmとすることが特に好ましい。
<半導体活性層>
(材料)
本発明の有機トランジスタは、半導体活性層が本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜である。
半導体活性層は、前述のポリマーバインダーがさらに含まれた層であってもよい。また、成膜時の残留溶媒が含まれていてもよい。
半導体活性層中におけるポリマーバインダーの含有量は、特に制限はないが、好ましくは0〜95質量%の範囲内で用いられ、より好ましくは10〜90質量%の範囲内で用いられ、さらに好ましくは20〜80質量%の範囲内で用いられ、特に好ましくは30〜70質量%の範囲内で用いられる。
(厚さ)
半導体活性層の厚さに特に制限はないが、薄膜化が求められる場合は厚さを10〜400nmとすることが好ましく、10〜200nmとすることがより好ましく、10〜100nmとすることが特に好ましい。
さらに、多環縮合芳香族化合物が上述した構造をとることにより、膜質の良い有機半導体膜を得ることができる。具体的には、多環縮合芳香族化合物は、結晶性が良いため、十分な膜厚を得ることができ、得られた非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は良質なものとなる。
(成膜方法)
多環縮合芳香族化合物を基板上に成膜する方法はいかなる方法でもよい。
成膜の際、基板を加熱または冷却してもよく、基板の温度を変化させることで膜質や膜中での分子のパッキングを制御することが可能である。基板の温度としては特に制限はないが、0℃から200℃の間であることが好ましく、15℃〜100℃の間であることがより好ましく、20℃〜95℃の間であることが特に好ましい。
多環縮合芳香族化合物を基板上に成膜するとき、真空プロセスあるいは溶液プロセスにより成膜することが可能であり、いずれも好ましい。
真空プロセスによる成膜の具体的な例としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、分子ビームエピタキシー(MBE)法などの物理気相成長法あるいはプラズマ重合などの化学気相蒸着(CVD)法が挙げられ、真空蒸着法を用いることが特に好ましい。
溶液プロセスによる成膜とは、ここでは有機化合物を溶解させることができる溶媒中に溶解させ、その溶液を用いて成膜する方法をさす。具体的には、キャスト法、ディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法などの塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソグラフィー印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの各種印刷法、Langmuir−Blodgett(LB)法などの通常の方法を用いることができ、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、グラビア印刷法、フレキソグラフィー印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法を用いることが特に好ましい。
本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、溶液塗布法により作製されたことが好ましい。また、本発明の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜がポリマーバインダーを含有する場合、層を形成する材料とポリマーバインダーとを適当な溶媒に溶解させ、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により形成されることが好ましい。
以下、溶液プロセスによる成膜に用いることができる、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液について説明する。
溶液プロセスで成膜するためには、上記で挙げた溶媒などに材料が溶解することが必要であるが、単に溶解するだけでは不十分である。通常、真空プロセスで成膜する材料でも、溶媒にある程度溶解させることができる。しかし、溶液プロセスでは、材料を溶媒に溶解させて塗布した後で、溶媒が蒸発して膜が形成する過程があり、溶液プロセス成膜に適さない材料は結晶性が高いものが多いため、この過程で不適切に結晶化(凝集)してしまい良好な膜を形成させることが困難である。多環縮合芳香族化合物は、このような結晶化(凝集)が起こりにくい点でも優れている。
[多環縮合芳香族化合物]
本発明は、下記一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物にも関する。
一般式1−2
Figure 0006179837
一般式1−2中、
12、B12およびC12はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、A12、B12およびC12のうち少なくとも1つがチオフェン環を含み、複数のA12、B12およびC12は同一であっても異なってもよく;
11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、A12およびB12のいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
11とA12、または、R11とB12は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
Lはm1価の連結基を表し、A12、B12およびC12のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
n1は1〜5の整数であり;
n11は1〜3の整数であり;
m1は3〜6の整数である。
一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物は、新規化合物である。
一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物は、m1が3〜6であるため、特開2009−124064号公報に記載の低分子有機半導体化合物として多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する多環縮合芳香族化合物を用い、この化合物の2分子が互いに結合した重合体、すなわち多環縮合芳香族部位を分子内に2つのみ有する多環縮合芳香族化合物に対して、新規性を有する。特開2009−124064号公報には、多環縮合芳香族部位を分子内に1つのみ有する多環縮合芳香族化合物の3分子以上が互いに結合した重合体、すなわち多環縮合芳香族部位を分子内に3つ以上有する多環縮合芳香族化合物については、記載がない。
一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物は、m1が3〜6であり、A12、B12およびC12のうち少なくとも1つがチオフェン環を含み、かつ、R11を有するため、特開2007−019376号公報に記載の多環縮合芳香族部位を分子内に2つ以上有する多環縮合芳香族化合物に対し、新規性を有する。特開2007−019376号公報には、これらの条件を満たす多環縮合芳香族化合物については、記載がない。
一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物の好ましい範囲は、本発明の組成物の説明の中に記載したとおりである。
<新規な多環縮合芳香族化合物の応用>
本発明は新規化合物である一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物を含有するために新規である組成物にも関する。
本発明は新規化合物である一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物を含有するために新規である非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料にも関する。
本発明は新規化合物である一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物を含有するために新規である非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液にも関する。この非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液は、さらにポリマーバインダーを含むことが好ましい。
本発明は新規化合物である一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物を含有するために新規である非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜にも関する。さらに、このような新規である非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を、非発光性有機半導体デバイスや有機トランジスタに用いることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
各実施例および比較例で用いた化合物1〜19、化合物A、B、C、D、E、F、GおよびHの構造を以下に示す。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
Figure 0006179837
[合成例1]
前述の化合物1を、以下のScheme Aにしたがって合成した。
Figure 0006179837
(化合物1aの合成)
化合物1aは、Journal of American Chemical Society, 2006,128,p.12604〜12605に記載の方法に従い、合成を行った。
(化合物1bの合成)
窒素雰囲気下、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの0.5mol/L THF溶液40.8mlに1−ヘプチン 1.96gを加え、6時間室温で攪拌した。6時間攪拌後、反応溶液に化合物1a 10g、Pd(dppf)Cl・CHCl 832mg、テトラヒドロフラン 72ml、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液20.4mlを加え、40℃にて12時間撹拌した。反応液を1mol/L塩酸水/クロロホルムに注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより、化合物1b 1.92グラムを得た。
(化合物1cの合成)
化合物1b 1.8gにヨウ化銅 76mg、水酸化セシウム 1.80g、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジエン 369mg、ジメチルスルホキシド 6ml、水 6mlを加え、窒素雰囲気下130℃で24時間攪拌した。反応液を1mol/L塩酸水/クロロホルムに注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより、化合物1c 1.02gを得た。
(化合物1の合成)
化合物1c 800mgのDMF溶液(15ml)に、ヨウ化ナトリウム 141mg、炭酸カリウム 650mg、ペンタエリトリチルテトラブロミド 152mgを加え、窒素雰囲気下130℃にて12時間攪拌した。反応液を1mol/L塩酸水/クロロホルムに注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより、化合物1(483mg)を得た。
なお、得られた化合物の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。
[合成例2〜18]
前述の化合物2〜18を、化合物1の合成を参考にして合成した。
[合成例A]
上述の化合物1aを原料に用い、化合物1の合成を参考にして、以下の方法で下記化合物Aを合成した。
窒素雰囲気下、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの0.5mol/L THF溶液10.2mlに1−ヘプチン 490mgを加え、6時間室温で攪拌した。6時間攪拌後、反応溶液に化合物1a 1.0g、Pd(dppf)Cl・CHCl83.2mg、テトラヒドロフラン 7.2ml、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液5.1mlを加え、70℃にて12時間撹拌した。反応液を1mol/L塩酸水/クロロホルムに注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより、化合物A 706mgを得た。
Figure 0006179837
[合成例B]
下記化合物2aを原料に用い、化合物1の合成を参考にして、以下の方法で下記化合物Bを合成した。
窒素雰囲気下、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの0.5mol/L THF溶液10.2mlに1−ブチン 276mgを加え、6時間室温で攪拌した。6時間攪拌後、反応溶液に化合物2a 911mg、Pd(dppf)Cl・CHCl 83.2mg、テトラヒドロフラン 7.2ml、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液5.1mlを加え、70℃にて12時間撹拌した。反応液を1mol/L塩酸水/クロロホルムに注加し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧にて濃縮した。濃縮残さをシリカゲルカラムクロマト精製することにより、化合物B 597mgを得た。
Figure 0006179837
[合成例C]
Organic Letters, 2005年, 7巻, 5301頁を参考に合成した下記原料3a 3gに塩化メチレン100mlを加え、BFエーテル錯体溶液を加え、室温で14時間攪拌し、反応液を水洗、濃縮することで固体物を得た。これを、メタノールで洗浄し、真空乾燥後、ALSテクノロジー製昇華精製装置ALS−160Hで精製し、対応する脱メチル体を得た。この脱メチル体2gに塩化メチレン100mlを加え氷水で冷却した。これに過剰量の無水トリフルオロメタンスルホン酸とピリジンを加え、14時間攪拌し、反応液を水洗、濃縮することで固体物を得た。これを、塩化メチレンに溶解し、エタノールを加えることで結晶を析出させ、濾別、洗浄、乾燥することで対応するトリフラート体を得た。得られたトリフラート体にと同様に1−オクチンの9−BBN付加体と反応させることで、化合物Cを得た。
Figure 0006179837
[合成例D]
WO2012/090462号の記載を参考に下記原料4aを合成した。
これを原料に用い、化合物Cの合成においてメトキシ基をヘキシル基に官能基変換を行う代わりに、メトキシ基をヘプチル基に官能基変換を行った以外は化合物Cの合成と同様にして、対応する下記化合物Dを得た。
Figure 0006179837
[合成例E、F]
以下のScheme 1にしたがって、下記化合物aを出発原料として公知文献(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1987,60,4187、J.Am.Chem.Soc.2011,133,5024、Chem.Eur.J.2013,19,3721)を参考に下記化合物EおよびFを合成した。
Figure 0006179837
Figure 0006179837
[合成例G]
Journal OF THE American Chemical Society, 2005年、127巻、4986ページを参考に下記化合物Gを得た。
Figure 0006179837
[合成例H]
Organic Letters, 2002年、4巻、15頁を参考に下記化合物Hを得た。
Figure 0006179837
[実施例1−1]
<有機トランジスタの作製>
(化合物1と化合物Aをともに用いて半導体活性層として用いる有機半導体膜を形成)
化合物1(各0.1mg)と化合物A(0.9mg)とトルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液とした。この塗布溶液を窒素雰囲気下、90℃に加熱したFET特性測定用基板上にキャストすることで、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成し、FET特性測定用の実施例1−1の有機トランジスタ(有機トランジスタ素子)を得た。
FET特性測定用基板としては、ソースおよびドレイン電極としてくし型に配置されたクロム/金、絶縁体層としてSiO(膜厚180nm)を備えたボトムゲート・ボトムコンタクト構造のシリコン基板(図2に構造の概略図を示した)を用いた。各基板にはゲート幅W=100μm、200μm、400μm、ゲート長L=100μm、75μm、50μmの3x3の組み合わせからなる9素子のセットを二組用意し、1基板で18素子を持つものである。
[実施例1−2〜1−30、比較例1−1〜1−8]
また、比較例1−1〜1−8、実施例1−2〜1−30の有機トランジスタ素子は、有機半導体膜を形成するときに用いる有機半導体デバイス用塗布溶液の組合せを下記表の通りに変更した以外は実施例1−1と同じ方法で作製した。
[評価]
比較例1−1〜1−8、実施例1−1〜1−30の各実施例の有機トランジスタ素子のFET特性は、セミオートプローバー(ベクターセミコン製、AX−2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧・窒素雰囲気下で、下記の各特性について測定を行った。
(a)アニール前のキャリア移動度
各有機トランジスタ素子(FET素子)のソース電極−ドレイン電極間に−70Vの電圧を印加し、ゲート電圧を20V〜−100Vの範囲で変化させ、ドレイン電流Iを表わす下記式を用いてアニール前のキャリア移動度μを算出した。
=(w/2L)μC(V−Vth
式中、Lはゲート長、Wはゲート幅、Cは絶縁体層の単位面積当たりの容量、Vはゲート電圧、Vthは閾値電圧を表す。基板上すべての有機トランジスタ素子の値の平均値を平均キャリア移動度とした。
(b)130℃5minアニール後移動度変化、170℃5minアニール後移動度変化
各有機トランジスタ素子(FET素子)を、130℃、または170℃で5分間加熱し、アニールした。その後、アニール前のキャリア移動度の測定と同様に130℃5分アニール後のキャリア移動度の平均値μ130℃、または130℃5分アニール後のキャリア移動度の平均値μ170℃を測定し、それぞれアニール前のキャリア移動度との比率μ130℃/μ、またはμ170℃/μ求めた。これらの値は大きいほど、有機トランジスタ素子の耐熱性が高いため、好ましい。
μ130℃/μ、μ170℃/μ評価基準は、下記のとおりとした。
AA:1.0倍以上(移動度良化)
A:0.9倍以上、1.0倍未満
B:0.75倍以上、0.9倍未満
C:0.5倍以上、0.75倍未満
D:0.2倍以上、0.5倍未満
E:0.2倍未満
得られた結果を下記表に示す。
Figure 0006179837
上記表より、本発明の組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた各実施例の有機トランジスタは、各実施例で用いた本発明の組成物中に含まれる一般式3で表される化合物に対応する一般式3で表される化合物を含み、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物を含まない組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた比較例の有機トランジスタに対し、加熱アニール後の移動度低下が少なく、耐熱性が向上したことが分かる。
[実施例2−1]
<化合物1と化合物Aをバインダーとともに用いて半導体活性層として用いる有機半導体膜を形成>
化合物1(各0.1mg)と化合物A(0.9mg)とPαMS(ポリ(α−メチルスチレン、Mw=300,000)、Aldrich製)1mg、トルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを有機半導体デバイス用塗布溶液として用いる以外は実施例1−1と同様にして、FET特性測定用の有機トランジスタ素子を作製し、実施例2−1の有機トランジスタ素子とした。
得られた実施例2−1の有機トランジスタ素子について、実施例1−1と同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[実施例2−2〜30、比較例2−1〜2−8]
実施例2−2〜2−30、比較例2−1〜2−8の有機トランジスタ素子は、有機半導体膜を形成するときに用いる有機半導体デバイス用塗布溶液の組合せを下記表の通りに変更した以外は実施例2−1と同じ方法で作製し、同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[比較例2−9]
比較例2−9の有機トランジスタ素子は、特開2014−013920の[0084]に記載のインク4を参考として調製した2,7−デシル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン(C10BTBT)1.0%、ポリ(3−ヘキシル−チオフェン)(P3HT)濃度が0.3%塗布溶液を用いる以外は実施例1−1と同様にして、FET特性測定用の有機トランジスタ素子を作製し、比較例2−9の有機トランジスタ素子とした。得られた結果を下記表に示す。
Figure 0006179837
上記表より、半導体活性層として用いる有機半導体膜を形成するための組成物にバインダーとして高分子材料を共存させた場合も、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物および一般式3で表される化合物を含む本発明の組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた各実施例の有機トランジスタ素子は、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物を含まない組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた各比較例の有機トランジスタ素子に対し、加熱アニール後の移動度低下が少なく、耐熱性が向上したことが分かる。
[実施例3−1]
<トップコンタクト素子での半導体活性層形成>
ゲート絶縁膜としてSiO(膜厚370nm)を備えたシリコンウエハーを用い、オクチルトリクロロシランで表面処理をおこなった。
化合物1(0.1mg)および化合物A(0.9mg)とトルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液とした。この塗布溶液を窒素雰囲気下、90℃に加熱したオクチルシラン表面処理シリコンウエハー上にキャストすることで、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成した。
更にこの膜表面にマスクを用いて金を蒸着することで、ソースおよびドレイン電極を作製し、ゲート幅W=5mm、ゲート長L=80μmのボトムゲート・トップコンタクト構造の有機トランジスタ素子を得た(図1に構造の概略図を示した)。
実施例3−1の有機トランジスタ素子のFET特性は、セミオートプローバー(ベクターセミコン製、AX−2000)を接続した半導体パラメーターアナライザー(Agilent製、4156C)を用いて常圧・窒素雰囲気下でキャリア移動度を測定し、実施例1−1と同様の評価を行った。
[実施例3−2〜3−18、比較例3−1〜3−8]
実施例3−2〜3−18、比較例3−1〜3−8の有機トランジスタは、有機半導体デバイス用塗布溶液の組合せを表の通りに変更した以外は実施例3−1と同じ方法で作製し、同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
Figure 0006179837
上記表より、本発明の組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた各実施例の有機トランジスタは、一般式3で表される化合物を含み、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物を含まない組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた比較例の有機トランジスタに対し、加熱アニール後の移動度低下が少なく、耐熱性が向上したことが分かる。
[実施例4−1]
<化合物1と化合物Aをバインダーとともに用いて半導体活性層として用いる有機半導体膜を形成したトップコンタクト素子>
化合物1(0.1mg)と化合物A(0.9mg)とPαMS(ポリ(α−メチルスチレン、Mw=300,000)、Aldrich製)1mg、トルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを有機半導体デバイス用塗布溶液として用いる以外は実施例3−1と同様にして、FET特性測定用の有機トランジスタ素子を作製し、実施例4−1の有機トランジスタ素子とした。
得られた実施例4−1の有機トランジスタ素子について、実施例1−1と同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[実施例4−2〜28、比較例4−1〜2−8]
実施例4−2〜4−28、比較例4−1〜4−8の有機トランジスタ素子は、有機半導体膜を形成するときに用いる有機半導体デバイス用塗布溶液の組合せを下記表の通りに変更した以外は実施例4−1と同じ方法で作製し、同様の評価を行った。得られた結果を下記表に示す。
[比較例4−9]
比較例4−9の有機トランジスタ素子は、特開2014−013920の[0084]に記載のインク4を参考として調製した2,7−デシル[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン(C10BTBT)1.0%、ポリ(3−ヘキシル−チオフェン)(P3HT)濃度が0.3%塗布溶液を用いる以外は実施例4−1と同様にして、FET特性測定用の有機トランジスタ素子を作製し、比較例4−9の有機トランジスタ素子とした。得られた結果を下記表に示す。
Figure 0006179837
上記表より、本発明の組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた各実施例の有機トランジスタは、一般式3で表される化合物を含み、一般式1で表される多環縮合芳香族化合物を含まない組成物を用いて形成した有機半導体膜を半導体活性層として用いた比較例の有機トランジスタに対し、加熱アニール後の移動度低下が少なく、耐熱性が向上したことが分かる。
(参考例1)
<化合物単体で、半導体活性層を形成>
化合物1(各1mg)とトルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを、非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液とした。この塗布溶液を窒素雰囲気下、90℃に加熱したFET特性測定用基板上にキャストすることで、半導体活性層として用いる非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成した。
(参考例2〜19)
化合物1を化合物2〜19に変えた以外は参考例1と同様にして半導体活性層として用いる非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成した。化合物2〜19を用いた非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、各々参考例2〜19の半導体活性層として用いる非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜に対応する。
(参考例20)
<化合物をバインダーとともに用いて半導体活性層を形成>
本発明の化合物1(1mg)、PαMS(ポリ(α−メチルスチレン、Mw=300,000)、Aldrich製)1mg、トルエン(1mL)を混合し、100℃に加熱したものを塗布溶液として用いる以外は参考例1と同様にして半導体活性層として用いる非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成した。
(参考例21〜38)
化合物1を化合物2〜19に変えた以外は参考例20と同様にして半導体活性層として用いる非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜を形成した。化合物2〜19を用いた非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜は、各々参考例21〜38の半導体活性層として用いる非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜に対応する。
11 基板
12 ゲート電極
13 絶縁体層
14 半導体活性層
15a、15b ソース電極およびドレイン電極
31 基板
32 ゲート電極
33 絶縁体層
34a、34b ソース電極およびドレイン電極
35 半導体活性層

Claims (27)

  1. 溶媒、下記一般式1で表される多環縮合芳香族化合物、および、下記一般式3で表される化合物を含む組成物;
    一般式1
    Figure 0006179837
    一般式1中、
    、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
    11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
    11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    Lはm価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
    n1は1〜5の整数であり;
    n11は1〜3の整数であり;
    mは2〜6の整数である;
    一般式3
    Figure 0006179837
    一般式3中、
    、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
    31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
    32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
    31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    n3は1〜5の整数であり;
    n31は1〜3の整数であり;
    n32は0〜3の整数である。
  2. 前記一般式1中、連結基LがC中の炭素原子と連結する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記一般式1中、A、BおよびCのうち少なくとも1つがチオフェン環を含む請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記一般式1中、Bが少なくとも1つのチオフェン環を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記一般式1で表される多環縮合芳香族化合物が、下記一般式2で表される多環縮合芳香族化合物である請求項1に記載の組成物;
    一般式2
    Figure 0006179837
    一般式2中、
    およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B2AおよびB2Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、複数のA、B2A、B2CおよびCは同一であっても異なってもよく;
    21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
    21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    Lはm価の連結基を表し、A、B2A、R21が結合するベンゼン環、B2CおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
    n21は1または2であり;
    n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
    mは2〜6の整数である。
  6. 前記一般式2中、A、B2A、B2CおよびCのうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含む請求項5に記載の組成物。
  7. 前記mが3以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記連結基Lが以下の連結基群L−1から選択される連結基である請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物;
    連結基群L−1
    Figure 0006179837
    連結基群L−1中、Lはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、*は結合部位を表す。
  9. 前記一般式3で表される化合物が、下記一般式4で表される化合物である請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物;
    一般式4
    Figure 0006179837
    一般式4中、
    およびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B4AおよびB4Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり;
    41はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n41が2の場合は複数のR41は同一であっても異なってもよく;
    41と、R41が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    n41は1または2であり;
    n42およびn43はそれぞれ独立に0または1である。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を含有する有機トランジスタ用材料。
  12. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物を含有する非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  13. さらにポリマーバインダーを含有する請求項12に記載の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  14. 下記一般式1−1で表される多環縮合芳香族化合物と、下記一般式3で表される化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜;
    一般式1−1
    Figure 0006179837
    一般式1−1中、
    、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のA、BおよびCは同一であっても異なってもよく;
    11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
    11とA、または、R11とBは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    Lはm1価の連結基を表し、A、BおよびCのいずれかを構成する炭素原子と連結し;
    n1は1〜5の整数であり;
    n11は1〜3の整数であり;
    m1は3〜6の整数である;
    一般式3
    Figure 0006179837
    一般式3中、
    、BおよびCはそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、複数のBは同一であっても異なってもよく;
    31はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、AおよびBのいずれかと連結し、n31が2以上の場合は複数のR31は同一であっても異なってもよく;
    32はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n32が2以上の場合は複数のR32は同一であっても異なってもよく;
    31とA、R31とB、または、R32とCは、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    n3は1〜5の整数であり;
    n31は1〜3の整数であり;
    n32は0〜3の整数である。
  15. 基板上に絶縁体層を有し、
    前記絶縁体層の片側にお互いに離間したソース電極およびドレイン電極を有し、
    前記絶縁体層のもう片側にゲート電極を有し、
    前記ソース電極、前記ドレイン電極および前記絶縁体層に接した半導体活性層を有し、
    前記基板、前記ゲート電極、前記絶縁体層および前記半導体活性層が積層した構造の有機トランジスタであり、
    前記半導体活性層が、請求項14に記載の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜である、有機トランジスタ。
  16. 下記一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物;
    一般式1−2
    Figure 0006179837
    一般式1−2中、
    12、B12およびC12はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、A12、B12およびC12のうち少なくとも1つがチオフェン環を含み、複数のA12、B12およびC12は同一であっても異なってもよく;
    11はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、A12およびB12のいずれかと連結し、n11が2以上の場合は複数のR11は同一であっても異なってもよく;
    11とA12、または、R11とB12は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせのいずれかを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    Lはm1価の連結基を表し、A12、B12およびC12のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
    n1は1〜5の整数であり;
    n11は1〜3の整数であり;
    m1は3〜6の整数である。
  17. 前記一般式1−2中、連結基LがC12中の炭素原子と連結する請求項16に記載の多環縮合芳香族化合物。
  18. 前記一般式1−2中、B12が少なくとも1つのチオフェン環を含む請求項16または17に記載の多環縮合芳香族化合物。
  19. 前記一般式1−2で表される多環縮合芳香族化合物が、下記一般式2−2で表される多環縮合芳香族化合物である請求項16に記載の多環縮合芳香族化合物;
    一般式2−2
    Figure 0006179837
    一般式2−2中、
    22およびC22はそれぞれ独立にベンゼン環、アゾール環、フラン環またはチオフェン環であり、B22AおよびB22Cはそれぞれ独立にベンゼン環、ナフタレン環、またはアゾール環、フラン環もしくはチオフェン環からなる炭素数4〜8の芳香族ヘテロ環であり、A22、B22A、B22CおよびC22のうち少なくとも1つが、少なくとも1つのチオフェン環を含み、複数のA22、B22A、B22CおよびC22は同一であっても異なってもよく;
    21はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基であり、n21が2の場合は複数のR21は同一であっても異なってもよく;
    21と、R21が結合するベンゼン環は、酸素原子、硫黄原子、−N(R)−、カルボニル基、スルホキシド基、スルホニル基およびこれらの組み合わせを介して結合してもよく、Rは置換基であり;
    Lはm1価の連結基を表し、A22、B22A、R21が結合するベンゼン環、B22CおよびC22のいずれかを構成する炭素原子と連結し;
    n21は1または2であり;
    n22およびn23はそれぞれ独立に0または1であり;
    m1は3〜6の整数である。
  20. 前記連結基Lが以下の連結基群L−1から選択される連結基である請求項16〜19のいずれか一項に記載の多環縮合芳香族化合物;
    連結基群L−1
    Figure 0006179837
    連結基群L−1中、Lはそれぞれ独立にアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、*は結合部位を表す。
  21. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の多環縮合芳香族化合物を含有する組成物。
  22. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の多環縮合芳香族化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料。
  23. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の化合物を含有する有機トランジスタ用材料。
  24. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  25. さらにポリマーバインダーを含有する請求項24に記載の非発光性有機半導体デバイス用塗布溶液。
  26. 請求項16〜20のいずれか一項に記載の化合物を含有する非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜。
  27. 溶液塗布法により作製された請求項26に記載の非発光性有機半導体デバイス用有機半導体膜。
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