JP2016024099A - 非破壊検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検査対象ではない交差鉄筋から生ずる磁束密度を減殺することで、検査対象鉄筋の破断部の有無を高精度で検出できる非破壊検査方法を提供する。
【解決手段】 検査対象鉄筋と同鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の表面上において、磁石を検査対象鉄筋の長手方向に沿って配置して、検査対象鉄筋と交差鉄筋とを磁化させる主たる着磁工程と、主たる着磁工程において磁石を配置した位置から検査対象鉄筋の幅方向に所定距離離隔した位置おいて、磁石を検査対象鉄筋の長手方向沿って配置し、前記両鉄筋を再度磁化させる従たる着磁工程と、その後、磁気センサによってコンクリート体の表面における検査対象鉄筋に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、測定された磁束密度に基づいて、検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含む非破壊検査方法である。
【選択図】 図4

Description

本願発明は、橋、ビルまたはコンクリートポールなどの、鉄筋コンクリート構造物の体内に設けられている鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法に関する。
従来から、コンクリート体内に設けられた鉄筋の破断部を検出する非破壊検査方法が知られている。
例えば、特許第3734822号公報(特許文献1)に記載された非破壊検査方法は、永久磁石を、コンクリートに埋設された検査対象の鉄筋の長手方向に沿って、コンクリートの表面上を移動させることにより鉄筋を磁化させ、その後、コンクリートの表面から漏れる磁束密度を測定し、更に得られた測定値の微分値を算出して鉄筋の破断の有無を検出するものである。
しかしながら、一般的に、コンクリート体内には、位置や配置方向の異なる多数の鉄筋が埋設されている。そのため、コンクリート体の外側において検査対象鉄筋の磁気を磁気センサにより検出すると、検査対象鉄筋以外の鉄筋からの磁気も同時に検出される場合が多い。しかし、特許文献1に記載の非破壊検査方法にあっては、このような検査対象鉄筋以外から発せられる磁気の影響を除去する手段が設けられていないため、破断部の検出に正確性を欠くおそれがある。
また、特開2013−130452号公報(特許文献2)には、磁石を、コンクリートに埋設された検査対象鉄筋の長手方向に沿って、コンクリートの表面上を移動させることにより検査対象鉄筋を磁化させ、次に、その検査対象鉄筋を磁化させた位置から一定距離離れた位置で、磁石を、検査対象鉄筋の長手方向に沿って移動させることにより検査対象鉄筋を再度磁化させ、その後、コンクリートの表面から漏れる磁束密度を測定することで検査対象鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査方法が記載されている。
かかる検査方法によれば、検査対象鉄筋に対するコンクリートの被りが浅い場合など、着磁の際に磁石と検査対象鉄筋との距離が近づき過ぎることにより検査対象鉄筋から生じてしまう、正確な破断部検出の障害となる磁気を減少させることができる。しかし、検査対象鉄筋以外から発せられる磁気の影響を除去できる旨は記載されていない。
特許第3734822号公報 特開2013−130452号公報
上述のとおり、従来の非破壊検査の方法では、検査対象鉄筋以外の鉄筋から発せられる磁気の影響を除去できないといった問題があり、破断部の検出精度の面で課題を有していた。
そこで本願発明は、検査対象鉄筋以外の鉄筋の中でも、一般に設置数量が多く、検査対象鉄筋と略直交して設けられる交差鉄筋の磁気の影響を低減すると共に、検査対象鉄筋が破断部を有する場合に特徴的に現れる磁束密度の変化の性質を利用することで、破断部の有無を極めて正確に検出することができる非破壊検査方法を提供することを目的としている。
本願の第1の発明は、検査対象鉄筋と該検査対象鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の外側から磁石によって前記両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによって前記コンクリート体の外側の磁束密度を測定することで、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記磁石の磁化面を、該磁石の両磁極が前記検査対象鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、次いで該磁石を前記検査対象鉄筋の長手方向に沿って移動させることにより前記両鉄筋に着磁した後、該磁石を撤去する主たる着磁工程と、
主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に後記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置において、前記磁石の磁化面を、該磁石の両磁極の相対位置が前記主たる着磁工程と同じになるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、次いで該磁石を前記検査対象鉄筋の長手方向に沿って移動させることにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する従たる着磁工程と、
前記磁気センサを前記コンクリート体の表面に近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
磁束密度測定工程で測定された磁束密度に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする非破壊検査方法である。
なお、前記「距離Dの決定方法」は次のとおりである。
前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線におけるS極側方向をX方向とし、前記磁石の磁化面を下側に向けた場合に該磁化面と平行であり、かつX方向に向かって左側に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交し、かつ前記磁石の磁化面側方向をZ方向とする。
かかる場合に、前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の中央位置からZ方向に向かって、該磁石の磁化面から100mm離隔した位置をP1とし、位置P1からY方向に離隔して、かつ磁束密度のX方向成分が、位置P1における磁束密度のX方向成分の約1/4の値を示す位置をP2とし、位置P1と位置P2との離隔距離を「距離D」として決定する。
この第1の発明の主たる着磁工程および従たる着磁工程において鉄筋を磁化させる際に、磁石の磁化面をコンクリート体の表面に近づけて配置するには、磁石の磁化面をコンクリート体の表面付近の所定位置に一時的に近づければよく、必ずしも磁石の磁化面を直接コンクリート体の表面に当接させる必要はなく、静止させる必要もない。
ここで、磁石の磁化面とは、鉄筋に着磁する際にコンクリート体に最も近づける磁石の一面を指す。かかる磁化面は、磁石の両磁極を検査対象鉄筋の長手方向に沿わせることができれば良く、その形状は単一の平面に限るものではない。
また、主たる着磁工程において磁石を配置する位置と、従たる着磁工程で磁石を配置する位置とは、「距離D」以上離隔させる必要があるが、かかる「距離D」の値は、磁石の形状や大きさなどによって相違する磁石毎に定まる固有値である。したがって、「距離D」の値は、磁石毎に前記「距離Dの決定方法」によって求める必要がある。
なお、主たる着磁工程と従たる着磁工程とでは、磁石を「距離D」以上離隔した位置において略平行の軌道によって移動させるが、その作業を容易かつ正確に行うために、例えばコンクリート体の表面上にガイドレールを設けたり、マーキングを行ったりしても良い。
次に、磁束密度測定工程において、磁気センサをコンクリート体の表面に近づけて配置するには、前記の磁石の場合と同様に、磁気センサをコンクリート体の表面付近の所定位置に一時的に近づければよく、直接コンクリート体の表面に当接させる必要はなく、静止させる必要もない。
但し、検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を求めるには、検査対象鉄筋の破断部の検査範囲と必要に応じてその周辺範囲まで磁束密度を測定する必要がある。
そのためには、1個または複数個の磁気センサを適宜に移動させつつ磁束密度を測定すればよく、例えば、磁気センサを、検査対象鉄筋の長手方向に沿ってコンクリート体の表面付近を移動させながら磁束密度を測定することができる。あるいは、コンクリート体の表面に配置された磁気センサを、コンクリート体表面に近接させたまま、検査対象鉄筋の長手方向と直交する方向に往復移動させつつ、少しずつ検査対象鉄筋の長手方向にずらすことによって、検査対象鉄筋の磁束密度を測定し、この測定結果から検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を算出することもできる。
また、例えば、多数個の磁気センサを直線状に連設した長尺状の磁気センサユニットを用いる場合には、この磁気センサユニットを、検査対象鉄筋の長手方向に沿うようにコンクリート体の表面に近づけて配置するだけで、その後移動させることなく、検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定することができる。
さらに、本願の第2の発明は、前記第1の発明にかかる非破壊検査方法において、従たる着磁工程を、主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離D」離隔した位置と、該位置から同方向にさらに400mm離隔した位置との間の所定位置において行うことを特長としている。
次に、本願の第3の発明は、検査対象鉄筋と該検査対象鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の外側から磁石によって前記両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによって前記コンクリート体の外側の磁束密度を測定することで、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の長さが、前記検査対象鉄筋の検査対象部分の長さと略同等以上の場合に、該磁石の磁化面を、該磁石の両磁極が前記検査対象鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置することにより前記両鉄筋に着磁した後、該磁石を撤去する主たる着磁工程と、
主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置において、前記磁石の磁化面を、該磁石の両磁極の相対位置が前記主たる着磁工程と同じになるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置することにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する従たる着磁工程と、
前記磁気センサを前記コンクリート体の表面に近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
磁束密度測定工程で測定された磁束密度に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする非破壊検査方法である。
この第3の発明は、主たる着磁工程および従たる着磁工程で長尺状の磁石を用いる点において前記第1の発明と相違している。
すなわち、前記第3の発明は、磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線(以下「両磁極中心線」ともいう。)の長さが、検査対象鉄筋の検査対象部分の長さと略同等以上の長尺状磁石を用い、その両磁極が検査対象鉄筋の長手方向に沿うようにコンクリート体の表面に近づけて配置し、その後磁石を移動させることなく着磁を行う主たる着磁工程と、従たる着磁工程とを有している。
さらに、本願の第4の発明は、前記第3の発明にかかる非破壊検査方法において、従たる着磁工程を、主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離D」離隔した位置と、該位置から同方向にさらに400mm離隔した位置との間の所定位置において行うことを特長としている。
次に、本願の第5の発明は、検査対象鉄筋と該検査対象鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の外側から磁石によって前記両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによって前記コンクリート体の外側の磁束密度を測定することで、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の長さが、前記検査対象鉄筋の検査対象部分の長さと略同等以上の場合に、該磁石の磁化面を、該磁石の両磁極が前記検査対象鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置することにより前記両鉄筋に着磁する主たる着磁工程と、
主たる着磁工程において配置された前記磁石を、その配置位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置まで、該磁石の磁化面を前記コンクリート体の表面に近づけた状態のまま略平行移動させることにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する従たる着磁工程と、
前記磁気センサを前記コンクリート体の表面に近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
磁束密度測定工程で測定された磁束密度に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする非破壊検査方法である。
この第5の発明は、主たる着磁工程から従たる着磁工程への一連の動作において、長尺状磁石を略平行移動させる点で前記第3の発明と相違している。
すなわち、前記第5の発明は、前記第3の発明と同様に、磁石の両磁極中心線の長さが、検査対象鉄筋の検査対象部分の長さと略同等以上の長尺状磁石を用い、その両磁極が検査対象鉄筋の長手方向に沿うようにコンクリート体の表面に近づけて配置する主たる着磁工程を有するが、さらに、前記第3の発明とは異なり、主たる着磁工程において配置された長尺状磁石を、「距離D」以上離隔した所定位置まで、略平行移動させる従たる着磁工程を有している。
また、本願の第6の発明は、前記第5の発明にかかる非破壊検査方法において、本願発明のうち特許請求の範囲の請求項6に記載する発明は、主たる着磁工程において配置された前記磁石を、その配置位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離D」離隔した位置と、該位置から同方向にさらに400mm離隔した位置との間の所定位置まで、該磁石の磁化面を前記コンクリート体の表面に近づけた状態のまま平行移動させることにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する方法によって従たる着磁工程を行うことを特長としている。
次に、本願の第7の発明は、前記の第1から第6のいずれかの発明にかかる非破壊検査方法において、磁束密度測定工程で前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定し、
磁束密度測定工程で測定された磁束密度の垂直成分に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長としている。
ここで、磁束密度の垂直成分とは、磁束密度のうちコンクリート体の表面に対して垂直方向の成分である。
次に、本願の第8の発明は、前記の第1から第7のいずれかの発明にかかる非破壊検査方法において、破断部検出工程で前記磁束密度の微分値または微分近似値を算出し、これらの微分値または微分近似値と予め設けられた閾値とを比較し、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出することを特長としている。
本願の第1の発明にかかる非破壊検査方法によれば、主たる着磁工程によって検査対象鉄筋と検査対象物ではない交差鉄筋とを磁化させた後、従たる着磁工程を行うことで、主たる着磁工程によって磁化された検査対象鉄筋と交差鉄筋からそれぞれ生ずる磁束による磁束密度のうち、交差鉄筋からの磁束密度を顕著に小さくすることができる。したがって、検査対象鉄筋から生ずる磁束の磁束密度の変化状態を正確に判別することが可能になり、破断部の有無の検出を高い精度で行うことができる。
また、本願の第2の発明にかかる非破壊検査方法によれば、主たる着磁工程によって磁化された検査対象鉄筋と交差鉄筋から生ずる磁束による磁束密度のうち、交差鉄筋からの磁束密度を顕著に小さくすることで、検査対象鉄筋からの磁束密度の変化状態をより正確に判別することができるという前記第1の発明による効果を、より確実に発揮させることができる。
本願の第3の発明にかかる非破壊検査方法によれば、前記第1の発明にかかる非破壊検査方法と同様の効果を奏し、さらに、主たる着磁工程および従たる着磁工程において、磁石を、その磁化面をコンクリート体の表面に近づけて配置した後に検査対象鉄筋の長手方向に沿って移動させる必要がないため、両着磁工程を効率的に短時間で実施することができる。
また、本願の第4の発明にかかる非破壊検査方法によれば、主たる着磁工程によって磁化された検査対象鉄筋と交差鉄筋からそれぞれ生ずる磁束による磁束密度のうち、交差鉄筋からの磁束密度を顕著に小さくすることで、検査対象鉄筋からの磁束密度をより正確に判別することができるという前記第1および第3の発明に共通する効果を、より確実に発揮させることができる。
本願の第5の発明にかかる非破壊検査方法によれば、前記第3の発明にかかる非破壊検査方法と同様の効果を奏し、さらに、主たる着磁工程から従たる着磁工程への一連の動作が、磁石を、その磁化面をコンクリート体の表面に近づけた状態のまま検査対象鉄筋の幅方向に略平行移動させるだけで完了するため、両着磁工程を極めて簡単に短時間で実施することができる。
また、本願の第6の発明にかかる非破壊検査方法によれば、主たる着磁工程によって磁化された検査対象鉄筋と交差鉄筋からそれぞれ生ずる磁束による磁束密度のうち、交差鉄筋からの磁束密度を顕著に小さくすることで、検査対象鉄筋からの磁束密度をより正確に判別することができるという、前記第1、第3および第5の発明に共通する効果を、より確実に発揮させることができる。
本願の第7の発明にかかる非破壊検査方法によれば、磁束密度測定工程において磁束密度を測定する際に、その垂直成分を測定することによって、交差鉄筋からの磁束密度をより明瞭に捉えることができ、検査対象鉄筋についての破断部の有無の検出精度を向上させることができる。
また、本願の第8の発明にかかる非破壊検査方法によれば、破断部検出工程おいて算出された磁束密度の微分値または微分近似値を得ることで、例えば、これらをグラフに表した場合には、検査対象鉄筋に破断部が存在することに起因する磁束密度の変化部分が強調されてピーク値が現われるため、このピーク値と予め設けられた閾値とを比較することで、破断部の有無をより正確に検出することが可能となる。
特に、前記第7の発明のように磁束密度の「垂直成分」を測定し、その垂直成分の微分値または微分近似値を算出してグラフに表した場合、鉄筋の破断部に起因するピーク値が1つだけ大きく現れるため、このピーク値と閾値との比較においては誤認識が生じ難いことから、破断部の検出精度をさらに高めることができる。
さらに、前記磁束密度の微分値または微分近似値を算出することは、近接する2箇所における両磁束密度の和または平均値の差分を求めることに他ならないので、前記磁束密度測定工程によって測定された磁束密度に含まれている、地磁気等の環境磁場に起因する磁束密度が、差し引かれて除去されることに意義がある。
したがって、前記微分値または微分近似値を算出することにより、これらと比較するための閾値を設ける際に、環境磁場の磁束密度を考慮する必要がないため、非常に便宜であり、また破断部の検出精度の向上に資することができる。
破断部を含まない主鉄筋(検査対象鉄筋)と3本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上に磁石を配置した場合のX方向断面を示す説明図である。 破断部を含まない主鉄筋と3本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、主鉄筋の略真上位置に配置した磁石をX方向に移動させた場合のX方向断面を示す説明図である。 主鉄筋と交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、主鉄筋の略真上位置に配置した磁石をX方向(手前に向かう方向)に移動させた場合のY方向断面を示す説明図である。 主鉄筋と交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、主鉄筋の略真上位置からY方向に250mm離隔した位置に配置した磁石を、X方向に移動させた場合のY方向断面を示す説明図である。 主鉄筋と交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、主鉄筋の略真上位置からY方向に500mm離隔した位置に配置した磁石を、X方向に移動させた場合のY方向断面を示す説明図である。 主鉄筋と交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、主鉄筋の略真上位置からY方向に750mm離隔した位置に配置した磁石を、X方向に移動させた場合のY方向断面を示す説明図である。 破断部を含まない主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 破断部を含まない主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の垂直成分の微分値を示すグラフである。 破断部を含まない主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の水平成分の測定結果を示すグラフである。 破断部を含まない主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の水平成分の微分値を示すグラフである。 破断部を含む主鉄筋と3本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、主鉄筋の略真上位置に配置した磁石をX方向に移動させた場合のX方向断面を示す説明図である。 破断部を含む主鉄筋が磁化された際の、磁力線およびコンクリート体表面上における磁束の状態を示す説明図である。 破断部を含む主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 破断部を含む主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の垂直成分の微分値を示すグラフである。 破断部を含む主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の水平成分の測定結果を示すグラフである。 破断部を含む主鉄筋と7本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上における磁束密度の水平成分の微分値を示すグラフである。 本願発明の非破壊検査方法の工程を示すフロー図である。 従たる着磁工程の一例を示すY方向断面説明図である。 従たる着磁工程の他の例を示すY方向断面説明図である。 主たる着磁後のコンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚100mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に100mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚100mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に200mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚100mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に400mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚100mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に600mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚100mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に200mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚75mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に400mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚75mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 主たる着磁後にY方向に600mm離隔した位置で従たる着磁を行った場合における、コンクリート体内の交差鉄筋(かぶり厚75mm)の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分の測定結果を示すグラフである。 直方体状の磁石の一例を示す側面図である。 前記直方体状の磁石の平面図である。 磁石と位置P1の相対的な位置関係を示す説明図である。 磁石、位置P1および位置P2の相対的な位置関係を示す説明図である。 磁石の磁化面からZ方向に100mm離隔したX方向直線に沿った磁束密度と、該X方向直線からY方向に所定距離ずつ離隔した平行線に沿った磁束密度を示すグラフである。 コ字形状の磁石の一例を示す斜視図である。 破断部を含む主鉄筋と3本の交差鉄筋が埋設されたコンクリート体の表面上において、長尺状磁石を主鉄筋の略真上位置に配置した場合のX方向断面を示す説明図である。 非破壊検査装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本願発明にかかる非破壊検査方法および非破壊検査装置の実施形態を説明する。
A:非破壊検査方法の原理
A−a:主鉄筋および交差鉄筋
本願発明に係る非破壊検査方法の原理を説明する。
図1および図2は、破断部を含まない主鉄筋(検査対象鉄筋)2が埋設されたコンクリート体1のX方向断面を示す図であり、また、図11および図12は、破断部Hのある主鉄筋2(2N、2P)が埋設されたコンクリート体1のX方向断面を示す図であり、これらの図において、コンクリート体1内には検査対象である主鉄筋2と、この主鉄筋2に対して略直交して配置された検査対象でない交差鉄筋3が埋設されている。
ここで、鉄筋とは、一般的な鉄筋コンクリート構造物に多用される断面形状が円形の丸鋼や表面に突起を設けた異形棒鋼に限らず、断面形状が矩形、その他の多角形の鋼材、H形鋼であってもよい。また、通水や通気等に使用する内部が空洞の鋼管であってもよく、さらに、プレストレスト・コンクリート工法に使用するPC鋼棒、PC鋼線またはPC鋼撚線といったPC鋼材、あるいはこれらを内部に通して使用するシース管やシース管内のPC鋼材であってもよい。
A−b:主鉄筋に破断部がない場合
A−b−1:磁石による鉄筋の磁化
主鉄筋2に破断部がない場合について説明する。
図1に示すように、磁石5を、その両磁極を主鉄筋2の長手方向に沿わせ、N極が図左側にS極が図右側になるように、コンクリート体1の表面1Aに磁石5の磁化面5Aを近接させて配置すると、磁石5からの磁力線51の影響で、主鉄筋2はその図左側がS極に、図右側がN極に磁化されるため、主鉄筋2の内部にはX方向を向いた磁束2Aが生ずる。また、図左側の交差鉄筋3Lの磁石5に近い部分は、磁力線51の影響でS極に磁化されるため、コンクリート体表面1A上にはZ方向を向いた磁束3LAが生じ、図右側の交差鉄筋3Rの磁石5に近い部分はN極に磁化されるため、コンクリート体1A上には−Z方向を向いた磁束3RAが生ずる。
ここで、磁石5を配置する位置は、検査対象である主鉄筋2を十分に磁化させるために、磁石5の磁化面5Aと主鉄筋2との離隔距離が最短となる位置が好ましく、図1のような例であれば、磁石5を、コンクリート体1の表面1Aにおける主鉄筋2の真上位置(すなわち、磁石5のY方向における位置と主鉄筋2のY方向における位置とが同じ場合)に配置することが好ましい。
但し、磁石5と主鉄筋2との距離が近過ぎると、検査の障害となる余分な磁気が生ずる場合があるため、そのような恐れがあれば、磁石5をコンクリート体表面1Aから少し上方に離した位置に配置すればよい。
また、配置する磁石5の両磁極の向きは、本実施形態とは逆にS極を図左側としN極を図右側としてもよい。
本実施形態における磁石5は、Nd系のような希土類金属からなる直方体形状(長さ100mm、幅100mm、高さ60mm)の永久磁石であるが、これに限られず、例えば永久磁石ではなく電磁石であってもよく、形状は直方体に限られず、コ字形またはU字形などであってもよい。また、磁石5は、そのまま剥き出しの状態でもよいが、コンクリート体の表面に近づけたまま移動させ易くするための機能を有するケース等に収容し、または複数の磁石を組み合わせるなど、ユニット化したものであってもよい。
A−b−2:主たる着磁
次に、図2および図3に示すように、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の略真上に配置した磁石5を、主鉄筋2の長手方向(X方向)に移動させることにより「主たる着磁」を行う。
図2および図3は、いずれも「主たる着磁」の実施状態を表しており、図2は、コンクリート体1の、主鉄筋2の長手方向であるX方向断面を示している。また図3は、コンクリート体1の、主鉄筋2の幅方向であるY方向断面であって、磁石5を、そのS極を図の手前側にN極を図の奥側にして、X方向(図3の奥側から手前側に向かう方向)に向けて移動させた状態を表している。
このとき、主鉄筋2は磁化されてX方向の磁束2Aが生ずる。また、交差鉄筋3のうち、磁石5が移動した軌道の真下に位置する部分は、その近傍を最後に通過した磁石5のN極の影響を受けてS極に磁化される。したがって、かかる交差鉄筋3のS極に磁化された部分(交差鉄筋3のうち主鉄筋2の真上に位置する部分)の上方のコンクリート体表面1A上には、磁束密度が比較的大きなZ方向の磁束3A(3A1)が生ずる。
なお、図2および図3では本願発明を理解し易くするために、磁束3A(3A1)と交差鉄筋3とが重なり合うように表してあるが、正確には磁束3A(3A1)は、例えば図1に示す磁束3LAのように、コンクリート体表面1A上に生ずるZ方向の磁束である。
同様に、図4〜図6、図11、図18および図24においても、交差鉄筋3と重なり合うように表された磁束3Aおよび磁束3A1〜磁束3A4は、正確には交差鉄筋3の上方のコンクリート体表面1A上に生ずる磁束である。
なお、各磁束を表す矢印の向きは、各磁束の向きを示している。
ここで、磁石5を移動させる軌道は、必ずしも主鉄筋2の直上である必要はない。また、「鉄筋の長手方向に沿う」との記載も同様に、必ずしも鉄筋の真上に沿うべきことを意味するものではない。しかし、検査対象の主鉄筋2を十分に磁化させるためには、磁石5と主鉄筋2との離隔距離が最短となる移動軌道であることが望ましく、図2および図3の例であれば、磁石5の磁化面5Aをコンクリート体表面1Aに近接させて、主鉄筋2の真上をその長手方向に沿って移動させることが望ましい。
図7のグラフに示す曲線B0は、破断部を含まない主鉄筋2と7本の交差鉄筋3とが埋設されたコンクリート体1において、図2および図3の例と同じ方法で「主たる着磁」を行って主鉄筋2および交差鉄筋3を磁化させた後に、磁気センサ(図示せず)を用いてコンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分(Z方向または−Z方向の成分)を測定した結果を示している。
すなわち、この曲線B0は、主たる着磁後における主鉄筋2の真上の長手方向に沿ったコンクリート体表面1A上における磁束密度の垂直成分の、X方向位置に応じた変化を表している。
ここで、図7のグラフの横軸は、コンクリート体表面1AのX方向の位置(単位:mm)を表しており、縦軸は、当該位置における磁束密度の垂直成分(単位:μT)を表している。
前記図7のグラフ横軸の−750mm、−500mm、−250mm、0mm、250mm、500mm、750mmの各位置には、1本ずつ計7本の交差鉄筋3が埋設されており、その各位置において、曲線B0では下向きの凸形状部が現われている。
なお、図7の例では、主鉄筋2は直径16mmの鉄筋(異形棒鋼)であり、コンクリートのかぶり厚は150mmである。また、交差鉄筋3は、主鉄筋2と略直交するように埋設された直径13mmの鉄筋(異形棒鋼)であり、コンクリートのかぶり厚は112mmである。また、コンクリートのかぶり厚とは、コンクリート体の表面から埋設された鉄筋の表面までの最短距離である。
A−b−3:従たる着磁
次に、図4に示すように、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上位置から、主鉄筋2の幅方向であるY方向に250mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図2および図3の例と同じにして配置し、次いで主鉄筋2の長手方向であるX方向に移動させることにより「従たる着磁」を行う。
そうすると、前記主たる着磁の場合と同じように、交差鉄筋3のうち、磁石5が移動した軌道の真下に位置する部分は、その近傍を最後に通過した磁石5のN極の影響を受けてS極に磁化されるため、かかる交差鉄筋3のS極に磁化された部分の上方のコンクリート体表面1A上には、磁束密度が比較的大きなZ方向の磁束3A2が生ずる。また同時に、前記主たる着磁によって交差鉄筋3における主鉄筋2の真上に位置する部分から生じた磁束3A1の磁束密度は顕著に小さくなる。
ここで、磁束3A1の磁束密度が小さくなる理由は次のとおりである。
一般に長尺状の鉄筋では、その一部分がS極に磁化されると、鉄筋に磁石としての性質が現れ、その鉄筋におけるS極に磁化された部分の周辺部分は、逆のN極に磁化しようとする作用が生ずる。したがって、前記従たる着磁を行うことで、磁石5の移動軌道の真下に位置する交差鉄筋3の部分がS極に磁化し、磁束密度が比較的大きな磁束3A2が生じた場合、そこから−Y方向に250mm離隔した、交差鉄筋3の前記主たる着磁により既にS極に磁化している部分(交差鉄筋3における主鉄筋2の真上に位置する部分)では、逆のN極への磁化作用が生ずることでS極の磁気が減殺されるため、かかる部分から生ずる磁束3A1の磁束密度が小さくなったと考えられる。
この図4の例において、磁気センサ(図示せず)を用いてコンクリート体表面1Aにおける主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定すると、図7のグラフに示す曲線B25が得られる。この曲線B25は、曲線B0に比べて下向きの凸形状部の高低差が小さくなり、全体的に緩やかな右上がりの形状を示している。
図5の例は、図2および図3の例と同じ方法で「主たる着磁」を行い、さらに図4の例と同じ方法で「従たる着磁」を行って主鉄筋2および交差鉄筋3を磁化させた後に、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上位置からY方向に500mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図4の例と同じにして、主鉄筋2の長手方向であるX方向に移動させることにより「2回目の従たる着磁」を行った場合である。
かかる場合に、交差鉄筋3における主鉄筋2の真上に位置する部分から発せられる磁束3A1は、前記の「主たる着磁」後に同じ部分から発せられていた磁束3A1(図3参照)よりも、その磁束密度の大きさが顕著に小さくなり、磁束の向きが逆方向の−Z方向となる。
これは、2回目の従たる着磁を行うことで、磁石5の移動軌道の真下に位置する交差鉄筋3の部分がS極に磁化し、磁束密度が比較的大きな磁束3A3が生じるため、そこから−Y方向に500mm離隔した、交差鉄筋3における主鉄筋2の真上に位置する部分では、逆のN極への磁化作用を受けるからである。この交差鉄筋3の部分には、前記従たる着磁(1回目)の後には磁束密度が小さなS極の磁気が残存していたが、かかる2回目の従たる着磁によるN極への磁化作用を受けることで、S極の磁気が消滅し逆にN極の磁気を帯びたと考えられる。
なお、本願発明において、磁束密度の大きさを比較する場合には、特に断らない限り、その磁束の正負方向を考慮しないものとする。つまり、磁束密度の大小の判断は、原則としてその絶対値をもって行うものとする。
かかる図5の例において、磁気センサを用いてコンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定すると、図7のグラフに示す曲線B50が得られる。この曲線B50は、曲線B0およびB25とは、凸形状部の現れる向きが上下逆になっており、例えば、図7のグラフ横軸の−750mm、−500mm、−250mm、0mm、250mm、500mmの交差鉄筋3の埋設位置において、上向きの凸形状部が現われている。
図6の例は、図2および図3の例と同じ方法で「主たる着磁」を行い、さらに図4および図5の例と同じ方法で「従たる着磁」および「2回目の従たる着磁」を行って、主鉄筋2および交差鉄筋3を磁化させた後に、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上位置からY方向に750mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図4の例と同じにして、主鉄筋2の長手方向であるX方向に移動させることにより「3回目の従たる着磁」を行った場合である。
かかる場合に、交差鉄筋3における主鉄筋2の真上に位置する部分から発せられる磁束3A1は、前記の「主たる着磁」後に同じ部分から発せられていた磁束3A1(図3参照)よりも、その磁束密度の大きさが顕著に小さくなり、磁束の向きが逆方向の−Z方向となる。
これは、3回目の従たる着磁を行うことで、磁石5の移動軌道の真下に位置する交差鉄筋3の部分がS極に磁化し、磁束密度が比較的大きなZ方向の磁束3A4が生じるため、そこから−Y方向に750mm離隔した、交差鉄筋3のうち主鉄筋2の真上に位置する部分では、逆のN極への磁化作用を受けるからである。
さらに、この交差鉄筋3における主鉄筋2の真上部分には、前記2回目の従たる着磁の後には磁束密度が小さなN極の磁気が残存していたが(図5参照)、かかる3回目の従たる着磁の後には、その磁束密度はさらに小さくなる。これは、3回目の従たる着磁は前記2回目の従たる着磁よりもY方向にさらに250mm離隔した位置で行われるため、交差鉄筋3における主鉄筋2の真上部分に対するN極への磁化作用力が減衰したことによると考えられる。
この図6の例において、磁気センサを用いてコンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定すると、図7のグラフに示す曲線B75が得られる。この曲線B75は、曲線B50と凸形状部の現れる向きが同じであるが、その高低差がより小さくなり、全体的に緩やかな右上がりの形状を示している。
A−c:主鉄筋に破断部がある場合
A−c−1:主たる着磁
次に、主鉄筋2に破断部がある場合について説明する。
図11は、主鉄筋2に破断部Hがある場合のコンクリート体1のX方向断面を示している。
まず、図11のように、主鉄筋2(2Nおよび2P)の長手方向に沿ったコンクリート体表面1A上において、N極を図左側にS極を図右側にした磁石5を、主鉄筋2Nの略真上位置に配置した後、X方向に移動させて「主たる着磁」を行い、主鉄筋2Nおよび2Pと、交差鉄筋3を磁化させる。すると、主鉄筋2の破断部H以外の箇所は磁化されるが、破断部Hは磁化されず、破断部Hを原点位置として、X方向負側に位置する主鉄筋2Nの内部には、X方向の磁束2ANが発生し、X方向正側に位置する主鉄筋2Pの内部には、同じくX方向の磁束2APが発生する。
また、交差鉄筋3のうち、磁石5が移動した軌道の真下に位置する部分は、その近傍を最後に通過した磁石5のN極の影響を受けてS極に磁化される。したがって、かかる交差鉄筋3のS極に磁化された部分(交差鉄筋3のうち主鉄筋2の真上に位置する部分)の上方のコンクリート体表面1A上には、Z方向の磁束3Aが生ずる。
なお、図11では本願発明を理解し易くするために、磁束3Aと交差鉄筋3とが重なり合うように表してあるが、正確には磁束3Aはコンクリート体表面1A上に生ずるZ方向の磁束である。
図12は、主たる着磁後の、主鉄筋2Nおよび2Pから生じる磁力線の状態を示している。磁力線61は主鉄筋2Nから生じたものであり、磁力線62は主鉄筋2Pから生じたものである。この場合、主鉄筋2Nの左端上方のコンクリート体表面1A上には、Z方向の磁束6N1が生じる一方、主鉄筋2Nの右端上方では、6N1とは逆向きの磁束6N2が生じる。また、主鉄筋2Pの左端上方では、Z方向の磁束6P1が生じる一方、主鉄筋2Pの右端上方では、6P1とは逆向きの磁束6P2が生じる。
そのため、主鉄筋2N上方におけるコンクリート体表面1A上での磁束密度の垂直成分には、破断部Hから離れた、磁石5の移動範囲の端部付近では6N1のようなZ方向の磁束の影響が強く現れ、破断部Hに近い位置では6N2のような−Z方向の磁束の影響が強く現れる。同様に、主鉄筋2P上方におけるコンクリート体表面1A上での磁束密度の垂直成分は、破断部Hから離れた、磁石5の移動範囲の端部付近では6P2のような−Z方向の磁束の影響が強く現れ、破断部Hに近い位置では6P1のようなZ方向の磁束の影響が強く現れる。
したがって、主鉄筋2Nおよび2Pに沿ったコンクリート体表面1A上での磁束密度の垂直成分を測定すると、図13のグラフに示すように、破断部Hの位置(グラフ横軸の0mm位置)の左右において、磁束密度の変化による大きな起伏を有する曲線が得られる。
このように、主鉄筋2に破断部Hがあると、コンクリート体表面1A上での磁束密度の垂直成分が急激に変化するため、この特徴的な急激変化を検出することにより、破断部Hの有無を判断することができる。
この図13の例は、グラフ横軸の0mm位置において主鉄筋2に破断部Hがあること以外は図7の例と同条件である。すなわち、主鉄筋2は直径16mmの鉄筋(異形棒鋼)で、そのコンクリートのかぶり厚は150mmであり、交差鉄筋3は直径13mmの鉄筋(異形棒鋼)で、そのコンクリートのかぶり厚は112mmである。また交差鉄筋3は、グラフ横軸の−750mm、−500mm、−250mm、0mm、250mm、500mm、750mmの各位置に、1本ずつ計7本が主鉄筋2と略直交するように埋設されている。
図13のグラフにおいて曲線G0は、図11の例ように、主鉄筋2Nおよび2Pの略真上のコンクリート体表面1A上において、N極を図左にS極を図右にした磁石5をX方向に移動させて「主たる着磁」を行い、主鉄筋2Nおよび2Pと交差鉄筋3を磁化させた場合の、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を示している。
この曲線G0では、交差鉄筋3から発せられる磁束の影響で、多数の下向きの凸形状部が現われ磁束密度が数か所で急激変化しているため、主鉄筋2の破断部Hを原因とする磁束密度の急激変化を正確に判別することが難しい。
A−c−2:従たる着磁
次に、図4に示すように、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上位置から、交差鉄筋3の長手方向であるY方向に250mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図4および図11の例と同じにして、主鉄筋2Nおよび2Pの長手方向であるX方向に移動させることにより「従たる着磁」を行う。
そうすると、前記主たる着磁の場合と同じように、交差鉄筋3のうち、磁石5が移動した軌道の真下に位置する部分は、磁石5の最後に通過したN極の影響を受けてS極に磁化されるため、かかる交差鉄筋3のS極に磁化された部分の上方のコンクリート体表面1A上には、磁束密度が比較的大きなZ方向の磁束3A2が生ずる。また同時に、前記主たる着磁によって交差鉄筋3における主鉄筋2Nおよび2Pの真上部分から生じた磁束3A1の磁束密度は顕著に小さくなる。
次いで、磁気センサを用いてコンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定すると、図13のグラフに示す曲線G25が得られる。
この曲線G25は、グラフ横軸の−150〜−100mm付近に現われている大きな上向きの凸形状部と、100〜150mm付近に現われている大きな下向きの凸形状部を除いて、曲線G0に比べて各凸形状部の高低差が小さくなっている。それは、従たる着磁によって、交差鉄筋3における主鉄筋2Nおよび2Pの真上部分から生じる磁束の磁束密度が小さくなるからである。
したがって、「従たる着磁」を行うことによって、主鉄筋2の破断部Hを原因とする、曲線G25のグラフ横軸の−150〜−100mm付近に現われている大きな上向きの凸形状部と、100〜150mm付近に現われている大きな下向きの凸形状部との間における磁束密度の急激変化を、より確実に見出すことができるようになり、破断部Hの有無の検出精度を高めることができる。
また、図13のグラフの曲線G50は、前記「主たる着磁」および前記「従たる着磁」を行って主鉄筋2Nおよび2Pと交差鉄筋3を磁化させた後に、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上位置からY方向に500mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図4の例と同じにしてX方向に移動させることによって「2回目の従たる着磁」を行った場合の、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を示している。
同様に、図13の曲線G75は、前記の「主たる着磁」、「従たる着磁(1回目)」および「2回目の従たる着磁」を行った後に、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上位置からY方向に750mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図4の例と同じにしてX方向に移動させることによって「3回目の従たる着磁」を行った場合の、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を示している。
さらに、図13のグラフの曲線G100は、前記の「主たる着磁」、「従たる着磁(1回目)」、「2回目の従たる着磁」および「3回目の従たる着磁」を行った後に、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上位置からY方向に1000mm離隔した位置において、磁石5を、その両磁極の向きを図4の例と同じにしてX方向に移動させることによって「4回目の従たる着磁」を行った場合の、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を示している。
これらの曲線G50、G75およびG100は、いずれも前記の曲線G25と同様に、グラフ横軸の−150〜−100mm付近に現われている大きな上向きの凸形状部と、100〜150mm付近に現われている大きな下向きの凸形状部を除いて、曲線G0に比べて各凸形状部の高低差が小さくなっている。
さらに、これらの曲線の各凸形状部の高低差は、曲線G0、G25、G50、G75およびG100の順に小さくなっている。すなわち、「従たる着磁(1回目)」、「2回目の従たる着磁」、「3回目の従たる着磁」さらに「4回目の従たる着磁」と複数回の従たる着磁を、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上位置から、同鉄筋の幅方向(Y方向)に順次距離を離しつつ行うことにより、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2Nおよび2Pの真上の長手方向に沿った磁束密度から、交差鉄筋3からの磁束密度の影響を漸次に減らしていくことができる。
したがって、主鉄筋2の破断部Hを原因とする磁束密度の急激変化を、より確実に見出すことができるため、破断部Hの有無の検出精度を高めることができる。
B:非破壊検査方法
B−a:第1の実施形態
本願発明にかかる非破壊検査方法は、図17に示すとおり、主たる着磁工程101、従たる着磁工程102、磁束密度測定工程103および破断部検出工程104を含む検査方法である。
B−a―1:主たる着磁工程101
まず、主たる着磁工程101は、図2および図11に示すように、検査対象の鉄筋である主鉄筋2と、主鉄筋2と交差する検査対象ではない交差鉄筋3とが埋設されたコンクリート体1の外側において、磁石5の磁化面5Aを、磁石5の両磁極が主鉄筋2の長手方向(X方向)に沿うようにコンクリート体1の表面1Aに近づけて配置し、次いで磁石5を主鉄筋2の長手方向に沿って移動させることにより主鉄筋2および交差鉄筋3に着磁した後、磁石5を撤去する工程である。なお、磁石5の両磁極の相対位置は、図2および図11においてS極は右側でN極は左側である。
かかる主たる着磁工程101によって、主鉄筋2は磁化されてX方向の磁束2Aが生ずる。また、交差鉄筋3のうち、磁石5が移動した軌道の真下に位置する部分は、磁石5の最後に通過したN極の影響を受けてS極に磁化される。したがって、かかる交差鉄筋3のS極に磁化された部分(交差鉄筋3のうち主鉄筋2の真上に位置する部分)の上方のコンクリート体表面1A上には、磁束密度が比較的大きなZ方向の磁束3A(3A1)が生ずる(図3参照)。
B−a―2:従たる着磁工程102
次に、従たる着磁工程102は、図18に示すように、主たる着磁工程101において磁石5を配置した位置から主鉄筋2の幅方向(Y方向)に後記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置において、磁石5の磁化面5Aを、磁石5の両磁極の相対位置が主たる着磁工程101と同じになるようにコンクリート体表面1Aに近づけて配置し、次いで磁石5を主鉄筋2の長手方向(X方向)に沿って移動させることにより主鉄筋2および交差鉄筋3に再度着磁した後、磁石5を撤去する工程である。
かかる従たる着磁工程102によって、主たる着磁工程101の場合と同じように、交差鉄筋3のうち、磁石5が移動した軌道の真下に位置する部分は、その近傍を最後に通過した磁石5のN極の影響を受けてS極に磁化されるため、かかる交差鉄筋3のS極に磁化された部分の上方のコンクリート体表面1A上には、磁束密度が比較的大きなZ方向の磁束3A2が生ずる。また同時に、主たる着磁工程101によって交差鉄筋3における主鉄筋2の真上部分から生じた磁束3A1の磁束密度を、顕著に小さくすることができる。(図4参照)。
このように、従たる着磁工程102を適切に行うことにより、交差鉄筋3における主鉄筋2の真上部分から生ずる磁束3A1の磁束密度を顕著に小さくできるため、主鉄筋2から生ずる磁束の磁束密度をより正確に判別することが可能になる。したがって、主鉄筋2の破断部Hを原因とする磁束密度の急激変化をより確実に見出すことができるようになり、破断部Hの有無の検出精度を高めることができる。
なお、主たる着磁工程101および従たる着磁工程102では、主鉄筋2を十分に磁化させるため、或いは交差鉄筋3からの磁束の磁束密度を十分に減殺するために、磁石5を主鉄筋2の長手方向に沿わせて、X方向および−X方向に複数回往復移動させてもよい。但し、各着磁工程において、磁石5を最後に移動させる方向が交差鉄筋3の磁束3Aの方向を決定付けるため、例えば、主たる着磁工程101における磁石5の最後の移動方向をX方向とするならば、従たる着磁工程102における磁石5の最後の移動方向もX方向とする必要がある。
B−a―3:従たる着磁工程102による磁束密度の減殺
上述のとおり、従たる着磁工程102を適切に行うことで、交差鉄筋3における主鉄筋2の真上部分から生ずる磁束3A1の磁束密度を小さくして、破断部Hの有無の検出精度を高めることができるのであるが、その従たる着磁工程の際に、どのような位置に磁石5を配置すべきかかが重要である。
この点について、本願発明者は、主たる着磁工程101の結果生じた交差鉄筋3からの磁束3A1(図3参照)の磁束密度を、その約1/2以下の大きさに減殺することができれば、主鉄筋2から生ずる磁束の磁束密度をほぼ正確に判別することが可能となり、主鉄筋2の破断部Hを原因とする磁束密度の急激変化をほぼ確実に見出すことができるという知見を経験的に取得した。
ここで、従たる着磁工程102によって、主たる着磁工程101の結果生じた交差鉄筋3からの磁束の磁束密度が減殺される例を、図20〜図27のグラフに基づいて説明する。
まず、図20のグラフに示す曲線は、Y方向に延びる交差鉄筋3のみが埋設され、主鉄筋2が埋設されていないコンクリート体1の表面1A上において、磁石5を、そのS極をX方向側にN極を−X方向側に向けて、磁化面5Aをコンクリート体表面1Aに近づけて配置した後、磁石5をX方向に移動させて交差鉄筋3の真上を略直角に横切って通過させることにより「主たる着磁」を行い、次に磁気センサによって、コンクリート体表面1A上における交差鉄筋3の真上の長手方向(Y方向)に沿った磁束密度の垂直成分を測定した結果を示している。
ここで、主たる着磁を行った位置(磁石5が交差鉄筋3の真上を横切った位置)は、グラフ横軸の0mm位置であり、かかる位置における磁束密度の垂直成分は、約−200μTとなっている。
なお、図20の例において、交差鉄筋3は直径13mmの異形棒鋼であり、コンクリートのかぶり厚は100mmである。また、着磁に使用する磁石5は、前記の直方体形状(長さ100mm、幅100mm、高さ60mm)の永久磁石である。
次に、図21のグラフに示す曲線は、図20の例と同じ条件および方法によって「主たる着磁」を行い、次いで、主たる着磁の際に磁石5を配置した位置からY方向に100mm離隔した位置において、磁石5を前記主たる着磁の場合と同じように配置した後X方向に移動させることにより「従たる着磁」を行い、次に磁気センサによって、コンクリート体表面1A上における交差鉄筋3の真上の長手方向(Y方向)に沿った磁束密度の垂直成分を測定した結果を示している。
この図21の例において、主たる着磁を行った位置(グラフ横軸の0mm位置)における磁束密度の垂直成分は約−160μTとなっており、この値は、同位置における前記主たる着磁後の値(約−200μT)の1/2の約−100μTよりも大きな値(絶対値)である。つまり、従たる着磁による磁束密度の減殺効果が十分ではないと言える。
次に、図22のグラフに示す曲線は、図20の例と同じ条件および方法によって「主たる着磁」を行い、次いで、主たる着磁の際に磁石5を配置した位置からY方向に200mm離隔した位置において、その他は図21の例と同じ条件および方法によって「従たる着磁」を行い、同じく交差鉄筋3の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定した結果を示している。
この図22の例において、主たる着磁を行った位置(グラフ横軸の0mm位置)における磁束密度の垂直成分は約−100μTとなっており、この値は、同位置における前記主たる着磁後の値(約−200μT)の1/2の約−100μTと同じである。つまり、従たる着磁による磁束密度の減殺効果が発揮されていると言える。
さらに、図23および図24の各グラフに示す曲線は、それぞれ図20の例と同じ条件および方法によって「主たる着磁」を行い、次いで、主たる着磁の際に磁石5を配置した位置からY方向に、それぞれ400mmおよび600mm離隔した位置において、その他は図21の例と同じ条件および方法によって「従たる着磁」を行い、同じく交差鉄筋3の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定した結果を示している。
この図23および図24の各例において、主たる着磁を行った位置(グラフ横軸の0mm位置)における磁束密度の垂直成分は、それぞれ約10μTおよび約−10μTとなっており、これらの値は、同位置における前記主たる着磁後の値(約−200μT)の1/2の約−100μTよりも小さな値(絶対値)である。つまり、従たる着磁による磁束密度の減殺効果が十分に発揮されていると言える。
次に、図25、図26および図27の各グラフに示す曲線は、交差鉄筋3に対するコンクリートのかぶり厚が75mmである点を除いて、図25の例は前記図22の例と、図26の例は前記図23の例と、図27の例は前記図24の例と、それぞれ同じ条件および方法によって「主たる着磁」および「従たる着磁」を行い、さらに同じく交差鉄筋3の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定した結果を示している。
また、交差鉄筋3に対するコンクリートのかぶり厚が75mmである点を除いて、前記図20の例と同じ条件および方法によって「主たる着磁」を行い、同じく交差鉄筋3の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定したところ、主たる着磁を行った位置(磁石5が交差鉄筋3の真上を横切った位置)における磁束密度の垂直成分は、約−340μTであった(図示せず)。
前記図25、図26および図27の各例において、主たる着磁を行った位置(グラフ横軸の0mm位置)における磁束密度の垂直成分は、それぞれ約150μT、約20μTおよび約10μTとなっており、これらの値は、同位置における前記主たる着磁後の値(約−340μT)の1/2の約−170μTよりも小さな値(絶対値)である。つまり、従たる着磁による磁束密度の減殺効果が十分に発揮されていると言える。
以上の図20〜図27の例により、本実施形態における前記磁石5を用いて主たる着磁工程101および従たる着磁工程102を行う場合、主たる着磁を行った位置から交差鉄筋3の長手方向(Y方向)に200mm以上離隔した位置で従たる着磁を行うことにより、交差鉄筋3に対するコンクリートのかぶり厚が100mmであるか75mmであるかに関わらず、磁束密度を1/2以下に減殺できることが明らかである。
また、かかる従たる着磁を効果的に行うことができる、交差鉄筋3の長手方向への最も離隔した位置は必ずしも明らかではないが、図24および図27の例から、少なくとも、主たる着磁を行った位置から600mm離隔した位置において従たる着磁を行う場合には、従たる着磁による磁束密度の減殺効果が十分に発揮されることが明らかである。
B−a―4:距離Dとその決定方法
従たる着磁工程102において磁石5を配置する位置は、主たる着磁工程101において磁石を配置した位置から、主鉄筋2の幅方向(Y方向)に「距離D」以上離隔している必要がある。
かかる距離Dは、上述のとおり、主たる着磁工程101によって交差鉄筋3における主鉄筋2の真上部分から生ずる磁束3A1(図3参照)の磁束密度を、その約1/2以下の大きさに減殺することができる距離であることが望ましい。
上述のとおり、従たる着磁工程102によって、交差鉄筋3における磁石5の移動軌道の真下部分がS極またはN極に磁化された場合、磁石5の移動軌道の真下位置から外れた周辺部分には、真下位置とは逆のN極またはS極への磁化作用が生ずる。
したがって、かかる従たる着磁工程102による磁化作用により、主たる着磁工程101によって既にS極またはN極に磁化されていた交差鉄筋3おける主鉄筋2の真上に位置する部分では、磁束密度が減殺されて小さくなるものと考えられる。
このような、従たる着磁工程102による磁化作用の結果の現れ方は、主たる着磁工程101における磁石5の配置位置と、従たる着磁工程102における磁石の配置位置との離隔距離によって相違するが、従たる着磁工程102による磁束密度の減殺効果を発揮させるために必要なその離隔距離(距離D)は、着磁に使用する磁石5の大きさおよび形状などによって相違する。例えば、幅の広い磁石5を使用する場合には、交差鉄筋3における磁石5の移動軌道の真下に位置するS極またはN極に磁化される部分も、また幅広となるからである。
次に、「距離Dの決定方法」について説明する。
まず、図28および図29に示すとおり、磁石5の両磁極の各中心部を結ぶ直線(両磁極中心線C)におけるS極側方向をX方向とし、磁石5の磁化面5Aを下側に向けた場合にその磁化面5Aと平行であり、かつX方向に向かって左側に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交し、かつ磁石5の磁化面5A側の方向をZ方向とする。
かかる場合に、図30および図31に示すとおり、磁石5の両磁極中心線Cの中央位置からZ方向に向かって、磁石5の磁化面5Aから100mm離隔した位置をP1とし、位置P1からY方向に離隔して、かつ磁束密度のX方向成分が、位置P1における磁束密度のX方向成分の約1/4の値を示す位置をP2とし、位置P1と位置P2との離隔距離を「距離D」として決定する。
なお、磁石5が直方体状以外の他の形状の場合、例えばコ字形状である場合の両磁極中心線Cは、図33に示すとおりである。
磁石5を使用して主鉄筋2および交差鉄筋3を磁化させる際に、これら両鉄筋対して作用する最も強い磁束は、磁石5の磁化面5Aの真下に生ずる両磁極中心線Cの方向(X方向)を向いた磁束である。したがって、前記「距離Dの決定方法」においては、磁石5の磁化面5の真下(Z方向)100mmにある位置P1における磁束密度のX方向成分を、基準値とすることにした。
また、磁石5の磁化面5Aの真下部分からY方向に離れるにつれて、磁石5の磁力の影響は減少し、磁束密度のX方向成分も小さくなるが、その大きさが位置P1の値の約1/4まで小さくなる位置P2では、例えば、かかる位置P2に交差鉄筋3が存在するとした場合に、磁石5からの交差鉄筋3に対する直接の磁化作用は比較的に弱いものである。しかし、他方で、交差鉄筋3における磁石5の真下位置から外れた周辺部分に、磁石5の真下位置とは逆の極への磁化作用が顕著に現れる。したがって、主たる着磁工程101によって交差鉄筋3から生じた磁束3A1(図3参照)の磁束密度を減殺できるという、従たる着磁工程102による効果を発揮させることができるのである。
ここで、図32のグラフに示す曲線M0は、磁石5から生ずる磁束の磁束密度のX方向成分を、位置P1を通るX方向直線上において測定した結果を表している。また、同図に示す曲線M100、M200およびM400は、磁石5から生ずる磁束の磁束密度のX方向成分を、それぞれ位置P1からY方向に100mm、200mmおよび400mm離隔した位置を通るX方向直線上において測定した結果を表している。
なお、曲線M0におけるグラフ横軸の0mm位置は、位置P1に該当する。
これらの曲線が示すグラフ横軸の0mm位置における磁束密度のX方向成分は、曲線M0では約22mT(位置P1における基準値)、曲線M100では約13mT、曲線M200では約5mT、曲線M400では約1mTである。
したがって、曲線M200の示す値(約5mT)は、曲線M0の示す基準値(約22mT)の約1/4であることから、曲線M200におけるグラフ横軸0mm位置に該当する位置(位置P1からY方向に200mm離隔した位置)が位置P2である。
この場合に、位置P1と位置P2との離隔距離は200mmなので、本実施形態における磁石5についての「距離D」は「200mm」として決定される。
かかる本実施形態において「距離D」は「200mm」であるという結論は、上述の図20〜図27の例による、本実施形態における磁石5を用いて主たる着磁工程101および従たる着磁工程102を行う場合、主たる着磁を行った位置から交差鉄筋3の長手方向(Y方向)に「200mm」以上離隔した位置で従たる着磁を行うことにより、磁束密度を1/2以下に減殺できるという結論と整合している。
また、上述のとおり、従たる着磁を効果的に行うことができる、交差鉄筋3の長手方向への最も離隔した位置は必ずしも明らかでないが、図24および図27の例から、少なくとも、主たる着磁を行った位置から600mm離隔した位置において従たる着磁を行う場合には、磁束密度の減殺効果が十分に発揮されるところ、本実施形態では「距離D」は「200mm」であることから、少なくとも、主たる着磁を行った位置から「距離D+400mm」
離隔した位置において従たる着磁を行う場合には、磁束密度の減殺効果が十分に発揮されるものと考えられる。
なお、前記の「距離Dの決定方法」は、本実施形態の磁石5以外の着磁用磁石についても一般的に適用できるものであり、例えば、永久磁石のみならず電磁石に対しても適用でき、また、複数の磁石を組み合わせた磁石ユニットに対しても適用できる。
B−a―5:磁束密度測定工程103
磁束密度測定工程103は、従たる着磁工程102の次に、磁気センサを前記コンクリート体表面1Aに近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を測定する工程である。
この場合、主鉄筋2以外に交差鉄筋3から生ずる磁束の磁束密度も同時に測定される。
主鉄筋2に破断部が含まれていない場合、コンクリート体表面1Aでの磁束密度の垂直成分として、図7の曲線B25、B50およびB75が得られる。また、主鉄筋2に破断部Hが含まれる場合、コンクリート体表面1Aでの磁束密度の垂直成分として、図13の曲線G25、G50、G75およびG100が得られる。
本工程において主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を求めるには、主鉄筋2の破断部Hの検査範囲と必要に応じてその周辺範囲まで磁束密度を測定する必要がある。
そのためには、1個または複数個の磁気センサを適宜に移動させつつ磁束密度を測定すればよく、例えば、磁気センサを、主鉄筋2の長手方向に沿ってコンクリート体表面1Aの付近を移動させながら磁束密度を測定することができる。
また、コンクリート体表面1Aに配置された磁気センサを、コンクリート体表面1Aに近接させたまま、主鉄筋2の長手方向と直交する方向に往復移動させつつ、少しずつ主鉄筋2の長手方向にずらすことによって、主鉄筋2の磁束密度を測定し、その結果から主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を算出することもできる。
また、例えば、多数個の磁気センサを直線状に連設した長尺状の磁気センサユニット(図示せず)を用いる場合には、この磁気センサユニットを、主鉄筋2の長手方向に沿うようにコンクリート体の表面に近づけて配置するだけで、その後移動させることなく、主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を測定することができる。
B−a―6:破断部検出工程104
破断部検出工程104は、磁束密度測定工程103により得られた磁束密度に基づいて、主鉄筋2に破断部Hが含まれるか否かを検出する工程である。
ここで、破断部Hの検出精度を高めるためには、磁束密度測定工程103により得られた磁束密度の測定値から、交差鉄筋3から生じた磁束3Aの磁束密度の影響をなるべく排除する必要があり、そのためには、磁束密度の微分値または微分近似値を算出することが好ましく、これにより、破断部Hによる磁束密度の急激変化をより強調させることができる。
主鉄筋2に破断部Hがない場合の、図7の曲線B25、B50およびB75で表される磁束密度の垂直成分について、それらの微分値を、図8の曲線B25d、B50dおよびB75d(以下、「曲線B25d等」ともいう。)に示す。
また、主鉄筋2に破断部Hがある場合の、図13の曲線G25、G50、G75およびG100で表される磁束密度の垂直成分について、それらの微分値を、図14の曲線G25d、G50d、G75dおよびG100d(以下、「曲線G25d等」ともいう。)に示す。
ここで、主鉄筋2に破断部Hがない場合の曲線B25d等(図8)では、特に大きな凸形状部は現れていないのに対し、主鉄筋2に破断部Hがある曲線G25d等(図14)では、グラフ横軸の0mm位置において、下向きに特に大きな凸形状部が現れている。したがって、凸形状部が破断部Hに起因するものであるか否かを判定するための閾値を設けておき、この閾値と凸形状部のピーク値とを比較することにより、容易かつ高精度に破断部Hの有無を検出することができる。
また、前記の破断部検出工程104において、磁束密度の変化率である微分値を求める代わりに、微分近似値を求めてもよい。微分近似値を得るための方法として、例えば、近接する所定距離はなれた2つの磁気センサを、主鉄筋2の長手方向に沿って配置し、各々から得られた磁束密度の差を、前記2つの磁気センサ間の距離で除する方法等が考えられる。
また、本実施形態では、磁束密度の微分処理は1回(階)としているが、必要に応じて2回(階)以上微分処理してもよい。微分近似値についても同様である。
前記の非破壊検査方法の実施形態では、コンクリート体表面1A上における磁束密度の測定を、その垂直成分を測定することにより行っているが、他の任意の方向成分を測定することによっても行うことができる。その一例として、次にコンクリート体表面1A上における磁束密度の水平成分を測定する実施形態を説明する。
ここで、磁束密度の水平成分とは、磁束密度のうち、コンクリート体表面1Aに対して水平方向の成分であり、本実施形態では、X方向または−X方向の成分である。
コンクリート体表面1Aにおける磁束密度の水平成分を測定する実施形態が、前記の垂直成分を測定する実施形態と相違する点は、磁束密度測定工程103において、測定する磁束密度の方向成分が水平方向である点である。
図9は、破断部Hがない主鉄筋2と、7本の交差鉄筋3とが埋設されたコンクリート体1において、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の水平成分を測定した結果を示すグラフである。
ここで、グラフの横軸は、コンクリート体表面1AのX方向の位置を表しており、縦軸は、当該位置における磁束密度の水平成分の値を表している。なお、7本の交差鉄筋3は、図7の例と同様、グラフ横軸の−750mm、−500mm、−250mm、0mm、250mm、500mm、750mmの各位置に埋設されている。また、主鉄筋2および交差鉄筋3の直径やコンクリートのかぶり厚についても図4の例と同様である。
図9の曲線E0は、図2に示すように、磁石5をX方向に移動させて「主たる着磁」をした後の、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の水平成分を測定した結果である。
この曲線E0では、交差鉄筋3の各位置の左右において、上向きの凸形状部と下向きの凸形状部とが対になって現れている。例えば、グラフ横軸の250mm位置に埋設される交差鉄筋3の左右では、約200mm位置に上向きの凸形状部が現れていると共に、約300mm位置に下向きの凸形状部が現れている。
これに対し図15は、破断部Hがある主鉄筋2と、7本の交差鉄筋3とが埋設されたコンクリート体1において、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の水平成分を測定した結果を示すグラフである。
また、図15の曲線R0は、図2に示すように、磁石5をX方向に移動させて「主たる着磁」をした後の、コンクリート体表面1A上における主鉄筋2の真上の長手方向に沿った磁束密度の水平成分を測定した結果である。ここで、破断部Hの位置は、グラフ横軸の0mm位置である。
この曲線R0は、前記の図9の曲線E0と同様に、上向きの凸形状部と下向きの凸形状部とが交互に現われているが、「従たる着磁」を行った後の磁束密度の水平成分を示す曲線R25、R50、R75およびR100では、これらの交互に現われる凸形状部の高低差が小さくなり、破断部Hのある横軸0mm位置における上向き凸形状のピーク値がより明瞭に現れている。したがって、このピーク値が現れるか否かによって、主鉄筋2における破断部Hの有無を検出することが可能である。
主鉄筋2に破断部Hがない場合の、図9の曲線E25、E50およびE75で表される磁束密度の水平成分について、それらの微分値を、図10の曲線E25d、E50dおよびE75d(以下、「曲線E25d等」ともいう。)に示す。
また、主鉄筋2に破断部Hがある場合の、図15の曲線R25、R50、R75およびR100で表される磁束密度の水平成分について、それらの微分値を、図16の曲線R25d、R50d、R75dおよびR100d(以下、「曲線R25d等」ともいう。)に示す。
図10の曲線E25d等には、上向きの凸形状部と下向きの凸形状部とが交互に現われているが、これらの凸形状部の高低差は、曲線E0dよりも小さく、曲線E25d等の全体としては、比較的なだらかな曲線となっている。
それに対し、図16の曲線R25d等には、破断部Hの位置(グラフ横軸の0mm位置)の左右において大きな上向きの凸形状部と下向きの凸形状部とが対になって現れている。したがって、このような一対の大きな凸形状部が現れるか否かによって、主鉄筋2における破断部Hの有無を検出することが可能である。
以上のように、本願発明の非破壊検査方法では、磁束密度測定工程103における磁束密度の測定において、磁束密度の垂直成分のみならず、任意の方向の成分を測定することによっても破断部Hを検出することが可能である。
しかし、磁束密度の垂直成分を測定する場合には、主鉄筋2の破断部Hの検出精度をより高めることができるので好ましい。つまり、磁束密度測定工程103により測定された磁束密度の垂直成分に基づく微分値を算出してグラフに表すと、主鉄筋2に破断部Hが存在する場合には、図14の曲線G25d等のように、破断部Hの位置(グラフ横軸の0mm位置)において、大きな下向きの凸形状部のピーク値が1つだけ現れる。そのため、このピーク値と閾値との比較においては、特に誤認識が生じ難いことから、破断部Hの検出精度をより高めることが可能である。
B−b:第2の実施形態
本願発明の第2の実施形態は、主たる着磁工程101および従たる着磁工程102で「長尺状の磁石」を用いる点において前記第1の実施形態と相違している。
すなわち、本願発明の第2の実施形態は、主鉄筋2および交差鉄筋3が埋設されたコンクリート体1の外側から長尺状磁石5によって両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによってコンクリート体1の外側の磁束密度を測定することで、主鉄筋2の破断部Hの有無を検出する非破壊検査方法である。
まず、主たる着磁工程101では、両磁極中心線Cの長さが主鉄筋2の検査対象部分の長さと略同等以上の長尺状磁石5を使用し、その長尺状磁石5の磁化面5Aを、長尺状磁石5の両磁極が主鉄筋2の長手方向に沿うようにコンクリート体表面1Aに近づけて配置することにより前記両鉄筋に着磁した後、長尺状磁石5を撤去する。
ここで図34は、長尺状磁石5を使用して主たる着磁工程101を行う例を示している。
同図のように、主鉄筋2(2Nおよび2P)の長手方向に沿ったコンクリート体表面1A上において、N極を図左側にS極を図右側にした長尺状磁石5を、主鉄筋2の検査対象部分の略真上位置に配置して「主たる着磁」を行い、主鉄筋2と交差鉄筋3を磁化させる。すると、主鉄筋2の破断部H以外の箇所は磁化されるが、破断部Hは磁化されず、破断部Hを原点位置として、X方向負側に位置する主鉄筋2Nには、X方向の磁束2ANが発生し、X方向正側に位置する主鉄筋2Pには、同じくX方向の磁束2APが発生する。
また、図左側の交差鉄筋3において長尺状磁石5の真下に位置する部分は、長尺状磁石5のN極の影響を受けてS極に磁化され、かかる部分の上方のコンクリート体表面1A上には、Z方向の磁束3Aが生ずる。他方、図右側の交差鉄筋3において長尺状磁石5の真下に位置する部分は、長尺状磁石5のS極の影響を受けてN極に磁化され、かかる部分の上方のコンクリート体表面1A上には、−Z方向の磁束3Aが生ずる。
なお、図34では本願発明を理解し易くするために、磁束3Aと交差鉄筋3とが重なり合うように表してあるが、正確には磁束3Aはコンクリート体表面1A上に生ずる磁束である。
次に、従たる着磁工程102では、主たる着磁工程101において長尺状磁石5を配置した位置から主鉄筋2の幅方向(Y方向)に上述の「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置において、長尺状磁石5の磁化面5Aを、長尺状磁石5の両磁極の相対位置が前記主たる着磁工程と同じになるようにコンクリート体表面1Aに近づけて配置することにより前記両鉄筋に再度着磁した後、長尺状磁石5を撤去する。
かかる本願発明の第2の実施形態では、主たる着磁工程101および従たる着磁工程102において、両磁極中心線Cの長さが主鉄筋2の検査対象部分の長さと略同等以上の長尺状磁石5を使用するため、かかる長尺状磁石5を、その磁化面5Aをコンクリート体表面1Aに近づけて配置するだけで着磁作業を終わらせることができる。したがって、磁石5を主鉄筋2の長手方向に移動させる必要がないので、両着磁工程を効率的に短時間で実施することができる。
次に、磁束密度測定工程103では、磁気センサをコンクリート体表面1Aに近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を測定する。また、破断部検出工程104では、磁束密度測定工程103で測定された磁束密度に基づいて、主鉄筋2の破断部Hの有無を検出するが、これらの工程は、いずれも上述の本願発明の第1の実施形態と同じである。
B−c:第3の実施形態
本願発明の第3の実施形態は、主たる着磁工程101から従たる着磁工程102への一連の動作において、長尺状磁石5を略平行移動させる点で前記第2の実施形態と相違している。
すなわち、かかる第3の実施形態では、前記第2の実施形態の場合と同様に、両磁極中心線Cの長さが主鉄筋2の検査対象部分の長さと略同等以上の長尺状磁石5を用い、その両磁極が主鉄筋2の長手方向に沿うようにコンクリート体の表面に近づけて配置する主たる着磁工程101を有し、さらに、主たる着磁工程101において配置された長尺状磁石5を、「距離D」以上離隔した所定位置まで、略平行移動させる従たる着磁工程102を有している。
例えば、前記第2の実施形態では、図18における矢印4Aに示すように、長尺状磁石5を、主たる着磁の後に一旦コンクリート体表面1A上から上方に撤去し、従たる着磁の際に再度コンクリート体表面1Aに近づけて配置する方法によるのであるが、かかる第3の実施形態では、図19における矢印4B示すように、主たる着磁後に長尺状磁石5を撤去せず、コンクリート体表面1A上に近接させたままで、「距離D」以上離隔した所定位置まで略平行移動させる方法による。
かかる第3の実施形態によれば、主たる着磁工程101から従たる着磁工程102への一連の動作が、長尺状磁石5を、その磁化面5Aをコンクリート体表面1Aに近づけた状態のまま主鉄筋2の幅方向(Y方向)に略平行移動させるだけで完了するため、両着磁工程を極めて簡単に短時間で実施することができる。
次に、磁束密度測定工程103では、磁気センサをコンクリート体表面1Aに近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を測定する。また、破断部検出工程104では、磁束密度測定工程103で測定された磁束密度に基づいて、主鉄筋2の破断部Hの有無を検出するが、これらの工程は、いずれも上述の本願発明の第1および第2の実施形態と同じである。
C:非破壊検査装置
図35は、本願発明の非破壊検査方法の実施に用いることができる非破壊検査装置20の一例を示す概略構成図である。
非破壊検査装置20は、コンクリート体表面1Aに近づけて配置することで主鉄筋2および交差鉄筋3を磁化させる磁石5(図1等参照)に加えて、磁気検出部210、演算部220、破断判定部230、表示部240等を含む。また、非破壊検査装置20は、破断部検出の際に用いられる各種データの保持、あるいは読み書きが行われるメモリ250を備えることが好ましい。
以下、非破壊検査装置20の各々の構成要素について説明する。
磁石5は、コンクリート1内に埋設された主鉄筋2および交差鉄筋3を磁化するものであり、前述のとおり、主たる着磁工程101と従たる着磁工程102の二度の着磁工程において使用する。
磁気検出部210は、磁石5の撤去後にコンクリート体表面1A上に近づけて配置し、主鉄筋2および交差鉄筋3等からの磁束密度に基づく検出信号を検出するものであり、かかる磁気検出部210は、例えば、高感度のMIセンサ、フラックスゲート型センサ、ホール素子または超伝導量子干渉素子などからなる磁気センサ211を備えている。
また、磁気検出部210に距離センサ212を組み込むことで、磁気検出部210の移動距離を測定することができるため、磁気検出部210の位置と、その位置における磁束密度を算出することができる。なお、本願発明に係る非破壊検査装置20が、高精度の位置決め機構を有する場合には、距離センサ212を備えなくても、磁気検出部210の位置およびその位置における磁束密度を検出することができる。
次に、演算部220は、磁気センサ211から送られる検出信号から、コンクリート体表面1Aにおける主鉄筋2の長手方向に沿った磁束密度を演算して求めるとともに、この求めた磁束密度のグラフを生成する。
また、演算部220は、磁束密度の微分値を算出してグラフを生成する機能を有することが好ましい。
次に、破断判定部230は、演算部220にて算出された磁束密度やその微分値に関する情報に基づいて、主鉄筋2に破断部Hが含まれるか否かを判定すると共に、主鉄筋2における破断部Hの位置を特定する。
また、表示部240は、演算部220によって生成された磁束密度のグラフや、磁束密度の微分値のグラフを表示するものである。
本願発明の非破壊検査方法は、橋、ビルまたはコンクリートポールなどの、コンクリート体内に設けられている鉄筋の破断の有無を検出する非破壊検査に利用できるものである。
1 コンクリート体
1A コンクリート体表面
2 主鉄筋
2A 磁化された主鉄筋の内部に生じる磁束
3 交差鉄筋
3A 磁化された交差鉄筋から生じる磁束
4A,4B 磁石の移動軌道
5 磁石
5A 磁化面
101 主たる着磁工程
102 従たる着磁工程
103 磁束密度測定工程
104 破断部検出工程
20 非破壊検査装置
210 磁気検出部
211 磁気センサ
220 演算部
230 破断判定部
240 表示部
250 メモリ
C 両磁極中心線
H 破断部

Claims (8)

  1. 検査対象鉄筋と該検査対象鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の外側から磁石によって前記両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによって前記コンクリート体の外側の磁束密度を測定することで、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
    前記磁石の磁化面を、該磁石の両磁極が前記検査対象鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、次いで該磁石を前記検査対象鉄筋の長手方向に沿って移動させることにより前記両鉄筋に着磁した後、該磁石を撤去する主たる着磁工程と、
    主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に後記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置において、前記磁石の磁化面を、該磁石の両磁極の相対位置が前記主たる着磁工程と同じになるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置し、次いで該磁石を前記検査対象鉄筋の長手方向に沿って移動させることにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する従たる着磁工程と、
    前記磁気センサを前記コンクリート体の表面に近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
    磁束密度測定工程で測定された磁束密度に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする非破壊検査方法。
    [距離Dの決定方法]
    前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線におけるS極側方向をX方向とし、前記磁石の磁化面を下側に向けた場合に該磁化面と平行であり、かつX方向に向かって左側に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交し、かつ前記磁石の磁化面側方向をZ方向とする。
    かかる場合に、前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の中央位置からZ方向に向かって、該磁石の磁化面から100mm離隔した位置をP1とし、位置P1からY方向に離隔して、かつ磁束密度のX方向成分が、位置P1における磁束密度のX方向成分の約1/4の値を示す位置をP2とし、位置P1と位置P2との離隔距離を「距離D」として決定する。
  2. 従たる着磁工程を、主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離D」離隔した位置と、該位置から同方向にさらに400mm離隔した位置との間の所定位置において行うことを特長とする請求項1に記載の非破壊検査方法。
  3. 検査対象鉄筋と該検査対象鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の外側から磁石によって前記両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによって前記コンクリート体の外側の磁束密度を測定することで、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
    前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の長さが、前記検査対象鉄筋の検査対象部分の長さと略同等以上の場合に、該磁石の磁化面を、該磁石の両磁極が前記検査対象鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置することにより前記両鉄筋に着磁した後、該磁石を撤去する主たる着磁工程と、
    主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に後記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置において、前記磁石の磁化面を、該磁石の両磁極の相対位置が前記主たる着磁工程と同じになるように前記コンクリート体の表面に近づけて配置することにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する従たる着磁工程と、
    前記磁気センサを前記コンクリート体の表面に近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
    磁束密度測定工程で測定された磁束密度に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする非破壊検査方法。
    [距離Dの決定方法]
    前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線におけるS極側方向をX方向とし、前記磁石の磁化面を下側に向けた場合に該磁化面と平行であり、かつX方向に向かって左側に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交し、かつ前記磁石の磁化面側方向をZ方向とする。
    かかる場合に、前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の中央位置からZ方向に向かって、該磁石の磁化面から100mm離隔した位置をP1とし、位置P1からY方向に離隔して、かつ磁束密度のX方向成分が、位置P1における磁束密度のX方向成分の約1/4の値を示す位置をP2とし、位置P1と位置P2との離隔距離を「距離D」として決定する。
  4. 従たる着磁工程を、主たる着磁工程において前記磁石を配置した位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離D」離隔した位置と、該位置から同方向にさらに400mm離隔した位置との間の所定位置において行うことを特長とする請求項3に記載の非破壊検査方法。
  5. 検査対象鉄筋と該検査対象鉄筋と交差する交差鉄筋とが埋設されたコンクリート体の外側から磁石によって前記両鉄筋を磁化させ、その後磁気センサによって前記コンクリート体の外側の磁束密度を測定することで、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する非破壊検査方法であって、
    前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の長さが、前記検査対象鉄筋の検査対象部分の長さと略同等以上の場合に、該磁石の磁化面を、該磁石の両磁極が前記検査対象鉄筋の長手方向に沿うように前記コンクリート体の表面に近づけて配置することにより前記両鉄筋に着磁する主たる着磁工程と、
    主たる着磁工程において配置された前記磁石を、その配置位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に後記「距離Dの決定方法」により求めた「距離D」以上離隔した所定位置まで、該磁石の磁化面を前記コンクリート体の表面に近づけた状態のまま略平行移動させることにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する従たる着磁工程と、
    前記磁気センサを前記コンクリート体の表面に近づけて配置した後、適宜移動させることにより、または移動させることなく前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度を測定する磁束密度測定工程と、
    磁束密度測定工程で測定された磁束密度に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする非破壊検査方法。
    [距離Dの決定方法]
    前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線におけるS極側方向をX方向とし、前記磁石の磁化面を下側に向けた場合に該磁化面と平行であり、かつX方向に向かって左側に直交する方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交し、かつ前記磁石の磁化面側方向をZ方向とする。
    かかる場合に、前記磁石の両磁極の各中心部を結ぶ直線の中央位置からZ方向に向かって、該磁石の磁化面から100mm離隔した位置をP1とし、位置P1からY方向に離隔して、かつ磁束密度のX方向成分が、位置P1における磁束密度のX方向成分の約1/4の値を示す位置をP2とし、位置P1と位置P2との離隔距離を「距離D」として決定する。
  6. 主たる着磁工程において配置された前記磁石を、その配置位置から前記検査対象鉄筋の幅方向に前記「距離D」離隔した位置と、該位置から同方向にさらに400mm離隔した位置との間の所定位置まで、該磁石の磁化面を前記コンクリート体の表面に近づけた状態のまま平行移動させることにより前記両鉄筋に再度着磁した後、該磁石を撤去する方法によって従たる着磁工程を行うことを特長とする請求項5に記載の非破壊検査方法。
  7. 磁束密度測定工程において、前記検査対象鉄筋の長手方向に沿った磁束密度の垂直成分を測定し、
    磁束密度測定工程で測定された磁束密度の垂直成分に基づいて、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出する破断部検出工程を含むことを特長とする請求項1から6のいずれか1項に記載の非破壊検査方法。
  8. 破断部検出工程において、前記磁束密度の微分値または微分近似値を算出し、これらの微分値または微分近似値と予め設けられた閾値とを比較し、前記検査対象鉄筋の破断部の有無を検出することを特長とする請求項1から7のいずれか1項に記載の非破壊検査方法。
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