JP2016024038A - コンクリート構造物における鋼材の腐食箇所特定方法および腐食箇所特定のための電位差測定装置 - Google Patents

コンクリート構造物における鋼材の腐食箇所特定方法および腐食箇所特定のための電位差測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】鋼材が埋設されたコンクリート構造物における鋼材の腐食箇所を効率よく特定する方法を提供する。【解決手段】腐食箇所特定方法は、電位差測定装置1を用いて、コンクリート構造物11に埋設された鋼材13の腐食箇所を特定する方法であって、電位差測定装置1が、コンクリート構造物11の表面に接触する基準電極2および照合電極3と、基準電極2が接触する基準表面14および照合電極3が接触する照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位の差を計測する電位差計5とを備え、照合電極3が、コンクリート構造物11の表面と接触する接触面が、コンクリート構造物11に離間して埋設された複数の鋼材13にまたがる大きさになるように形成され、コンクリート構造物11のうち、照合表面15における自然電位が、基準表面14における自然電位よりも低い低電位大領域を特定することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物における鋼材の腐食箇所特定方法および腐食箇所特定のための電位差測定装置に関する。より詳細には、コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食箇所を効率よく特定する方法およびそのための装置に関する。
鉄筋コンクリートなど、鋼材が埋設されたコンクリート構造物においては、経年劣化による鋼材の腐食が問題となっている。コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食状況を調査する方法としては、たとえば特許文献1に、2箇所のコンクリート中の鋼材の自然電位の差を測定することにより鋼材の腐食箇所を検出する方法が開示されている。特許文献1に開示された腐食検出方法では、図8(a)に示されるように、電極を備えた2つの本検出端101a、101bを一定の間隔でコンクリート103表面に接触させ、電位測定装置100により、2箇所のコンクリート103中の鋼材102の自然電位の差が測定される。そして、図8(a)および図8(b)に示されるように、一方の本検出端101bを移動させて順次コンクリート表面に接触させて自然電位の差を測定することで、他方の本検出端101aにおける自然電位に対して相対的に低い自然電位が検出される箇所が探し出され、鋼材の腐食箇所が特定される。
特開平10−221292号公報
しかし、特許文献1に開示された腐食検出方法では、図8(a)および図8(b)に示されるように、埋設されているすべての鋼材102の1本1本に対して、鋼材102の全領域にわたって本検出端101bを移動させて電位差を測定する必要がある。したがって、たとえば橋梁などの巨大構造物に用いられるコンクリート構造物の鋼材の腐食状況を調査する場合には、非常に多くの測定点を測定しなければならず、莫大な労力と時間が費やされるという問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みなされたもので、鋼材が埋設されたコンクリート構造物における鋼材の腐食箇所を効率よく特定する方法およびそのための装置を提供する。
本発明の腐食箇所特定方法は、電位差測定装置を用いて、コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食箇所を特定する腐食箇所特定方法であって、前記電位差測定装置が、前記コンクリート構造物の表面に接触する基準電極と、前記コンクリート構造物の表面に接触する照合電極と、前記基準電極および前記照合電極が接続され、前記基準電極が接触する基準表面および前記照合電極が接触する照合表面における前記コンクリート構造物中の前記鋼材の自然電位の差を計測する電位差計とを備え、前記照合電極が、前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面が、前記コンクリート構造物に離間して埋設された複数の鋼材にまたがる大きさになるように形成され、前記基準電極を基準表面上に配置する工程、前記照合電極を照合表面上に配置する工程、および前記電位差計により、前記照合電極が接触する照合表面における自然電位と、前記基準電極が接触する基準表面における自然電位との間の電位差を計測する工程を備え、前記照合電極を前記コンクリート構造物に沿って移動させ、複数の箇所で照合表面および基準表面の間の自然電位の差を計測し、前記コンクリート構造物のうち、前記照合表面における自然電位が、前記基準表面における自然電位よりも低い低電位大領域を特定することを特徴とする。
また、本発明の腐食箇所特定方法は、前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積が、前記照合電極が前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積よりも小さい小領域照合電極をさらに有し、前記コンクリート構造物のうち前記低電位大領域であることが特定された領域内において、前記小領域照合電極を配置する工程をさらに備え、前記低電位大領域であることが特定された領域内で、前記小領域照合電極を移動させ、複数の箇所で、前記基準表面との間の自然電位の差を計測し、前記低電位大領域のうち、前記小領域照合電極が接触する照合表面における自然電位が、前記基準電極が接触する基準表面における自然電位よりも低い低電位小領域を特定することが好ましい。
また、本発明の腐食箇所特定方法は、前記基準電極および前記照合電極が湿潤パッドを備えることが好ましい。
また、本発明の腐食箇所特定方法は、前記電位差計の一方の端子に前記鋼材を接続して、前記電位差計の他方の端子に前記基準電極または前記照合電極を接続して、前記照合表面における前記コンクリート構造物中の鋼材の自然電位を得る工程をさらに備えることが好ましい。
本発明の電位差測定装置は、コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食箇所を特定するために用いられる電位差測定装置であって、前記電位差測定装置が、前記コンクリート構造物の表面に接触する基準電極と、前記コンクリート構造物の表面に接触する照合電極と、前記基準電極および前記照合電極が接続され、前記基準電極が接触する基準表面および前記照合電極が接触する照合表面における前記コンクリート構造物中の前記鋼材の自然電位の差を計測する電位差計とを備え、前記照合電極が、前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面が、前記コンクリート構造物に離間して埋設された複数の鋼材にまたがる大きさになるように形成され、前記照合電極を前記コンクリート構造物に沿って移動させ、複数の箇所で照合表面および基準表面の間の自然電位の差を計測することにより、前記コンクリート構造物のうち、前記照合表面における自然電位が、前記基準表面における自然電位よりも低い低電位大領域を特定することが可能であることを特徴とする。
また、本発明の電位差測定装置は、前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積が、前記照合電極が前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積よりも小さい小領域照合電極をさらに有し、前記低電位大領域であることが特定された領域内で、前記小領域照合電極を移動させ、複数の箇所で、前記基準表面との間の自然電位の差を計測し、前記低電位大領域のうち、前記小領域照合電極が接触する照合表面における自然電位が、前記基準電極が接触する基準表面における自然電位よりも低い低電位小領域を特定することが可能であることが好ましい。
また、本発明の電位差測定装置は、前記基準電極および前記照合電極が湿潤パッドを備えることが好ましい。
本発明によれば、鋼材が埋設されたコンクリート構造物における鋼材の腐食箇所を効率よく特定する方法およびそのための装置を提供することができる。
本発明の腐食箇所特定方法で用いられる電位差測定装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明の腐食箇所特定方法における、低電位大領域を特定する工程の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明の腐食箇所特定方法における、低電位小領域を特定する工程の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明の腐食箇所特定方法における、コンクリート構造物中の鋼材の自然電位を得る工程の一実施形態を示すフローチャートである。 本発明の腐食箇所特定方法における、低電位大領域を特定する工程の一実施形態を示す模式図であり、(a)は、基準電極が基準表面に接触された状態を示しており、(b)は、基準電極および大領域照合電極が基準表面および照合表面に接触された状態を示しており、(c)は、大領域照合電極の接触する位置が順次変更されている状態を示しており、(d)は、最終的に特定された低電位大領域表面を示している。 本発明の腐食箇所特定方法における、低電位小領域を特定する工程の一実施形態を示す模式図であり、(a)は、基準電極が基準表面に接触され、小領域照合電極が低電位大領域の中の照合表面に接触された状態を示しており、(b)は、小領域照合電極の接触する位置が低電位大領域の中で順次変更されている状態を示しており、(c)は、最終的に特定された低電位小領域表面を示している。 本発明の腐食箇所特定方法における、コンクリート構造物中の鋼材の自然電位を得る工程の一実施形態を示す模式図である。 (a)は、従来の腐食検出方法に用いられる鋼材腐食測定装置を模式的に示す側面図であり、(b)は、従来の腐食検出方法に用いられる鋼材腐食測定装置を模式的に示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の腐食箇所特定方法を説明する。
本発明の腐食箇所特定方法は、電位差測定装置を用いて、コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食箇所を特定する方法である。本発明の腐食箇所特定方法の適用の対象となるコンクリート構造物11は、図1に示されるように、コンクリート12中に鋼材13が埋設された構造物である。適用されるコンクリート構造物としては、鋼材が埋設された構造物であれば、特に限定されないが、たとえば、河川や海上に架け渡される橋の橋梁や、高速道路等の橋脚、ダムなどの巨大な土木構造物、ビルなどの建築物があげられる。また、コンクリート12中に埋設された鋼材13としては、図1に示される本実施形態では、主筋13aおよびあばら筋13bを含む鉄筋13が用いられているが、その配筋方法は構造物に応じて適宜変更が可能であり、本実施形態で示した配筋以外の構造物に本発明の腐食箇所特定方法を適用することができる。また、本発明の腐食箇所特定方法が適用可能な鋼材は、たとえば、鉄や鉄を含む合金製の鋼材があげられるが、後述する電位差測定装置により、電位差を計測することができる材料であれば、いかなる鋼材であってもよい。また、コンクリート中に埋設される鋼材としては、鉄筋13の他、鉄骨や鋼管などであってもよい。以下、本発明の腐食箇所特定方法を、セメントにより結合されたコンクリート12中に鉄筋13が埋設されたコンクリート構造物11に適用した例をもとに説明する。なお、以下に示す実施形態では、水平方向に延びるコンクリート梁を例にあげて説明するが、本発明は、垂直方向に延びるコンクリート構造物等、他の構造にも適用が可能である。
<電位差測定装置>
本発明の腐食箇所特定方法で用いられる電位差測定装置1は、コンクリート構造物11に埋設された鋼材13の腐食箇所を特定するために用いられ、コンクリート構造物11の表面から、コンクリート構造物11に埋設された鋼材13の異なる領域の自然電位の差を測定する装置である。電位差測定装置1は、図1に示されるように、コンクリート構造物11の表面に接触する基準電極2および照合電極3、4と、基準電極2が接触する基準表面14および照合電極3、4が接触する照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位の差を計測する電位差計5とを備えている。この電位差測定装置1によれば、基準表面14におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位と、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位との間の電位差が電位差計5により計測される。ここで、鋼材の自然電位とは、コンクリート構造物中の鋼材の腐食状況を推定するために用いられる自然電位測定方法により測定される電位のことである。基準表面14における自然電位より照合表面15における自然電位が低ければ、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13が腐食している可能性があると判断される。そして、その自然電位の差が大きければ大きいほど、鋼材13が腐食している可能性が高いと判断される。
<電位差計>
電位差計5は、基準電極2と照合電極3または基準電極2と照合電極4との間の電位差を計測する。電位差計5は、図1に示されるように、プラス側およびマイナス側の少なくとも2つの端子を有している。電位差計5の一方の端子は、リード線などの導線6を介して基準電極2に電気的に接続されている。電位差計5の他方の端子は、リード線などの導線6を介して照合電極3、4に電気的に接続されている。ここで用いられる電位差計5は、一方の端子をコンクリート構造物中の鋼材に接続し、他方の端子をコンクリート構造物の表面に接触した電極に接続し、コンクリート構造物中の鋼材の自然電位を測定するのに用いられる電位差計などの、公知の電位差計を用いることができる。
<基準電極>
基準電極2は、図1に示されるように、コンクリート構造物11における鋼材13の異なる領域の自然電位の差を測定する際に、測定の基準となる自然電位(以下、基準電位という)を有する鋼材13の領域にかぶり厚さ方向で隣接した(領域の真上の)、コンクリート構造物11の表面(基準表面14)に接触される電極である。基準電極2は、基準表面14に接触されるとともに、リード線などの導線6を介して電位差計5の一方または他方の端子に電気的に接続される。基準表面14としては、コンクリート構造物11の表面の中から、たとえば鋼材13の腐食していない領域にかぶり厚さ方向で隣接した(領域の真上の)表面が任意に選択される。ただし、基準表面14は、基準となる自然電位を有する鋼材13の領域にかぶり厚さ方向で隣接した、コンクリート構造物11の表面であればよく、鋼材13の多少腐食した領域にかぶり厚さ方向で隣接した、コンクリート構造物11の表面であってもよい。また、基準表面14の大きさは、基準電極2の大きさにより画定される。
また、基準電極2は、図1に示されるように、電極本体2aと基準表面に接触する側に湿潤パッド2bとを備えている。基準電極2の電極本体2aは、銅/硫酸銅電極、銀/塩化銀電極、カロメル電極など公知の電極を採用することができる。また、基準電極2の湿潤パッド2bは、注水・保水機能を有し、基準電極2がコンクリート構造物11の表面に安定して接触保持可能となるように構成されている。湿潤パッド2bは、スポンジなどの保水材を有しており、水道水や水酸化カルシウム溶液などの電解質溶液で湿潤状態にされる。基準電極2が湿潤パッド2bを備えていることにより、自然電位の差を測定する際に、コンクリート構造物11の表面が確実に湿潤状態に保たれるとともに、基準電極2とコンクリート構造物11の基準表面14との電気的な接触が良好になる。また、基準電極2は、本実施形態では、図1に示されるように、後述する照合電極3と同様に、薄板状の電極本体2aに湿潤パッド2bが積層された略直方体形状を有している。しかしながら、基準電極2は、電位差計5で電位差を測定する際の基準とするために、コンクリート構造物11の基準表面14に接触可能であれば、いかなる形状や大きさであってもよい。なお、本実施形態では、基準電極2は、離間して埋設された複数の鋼材13にまたがる大きさに形成されている。これにより、従来のようにコンクリート構造物11に埋設された鋼材13の位置を探し出して、基準電極2を鋼材13の直上に設ける手間が省け、確実に照合電極3、4との間の電位差を計測することができる。
<照合電極>
照合電極3、4は、図1に示されるように、コンクリート構造物11における鋼材13の異なる領域の自然電位の差を測定する際に、基準となる自然電位に対して測定の対象となる自然電位を有する鋼材13の領域にかぶり厚さ方向で隣接する(領域の真上の)、基準表面14以外のコンクリート構造物11の表面(照合表面15)に接触される電極である。照合電極3、4は、照合表面15に接触されるとともに、リード線などの導線6を介して電位差計5の他方または一方の端子に接続される。照合表面15としては、コンクリート構造物11の表面の中から、測定の対象とする鋼材13の領域にかぶり厚さ方向で隣接した(領域の真上の)、基準表面14以外の表面が任意に選択される。照合表面15の大きさは、照合電極3、4の大きさにより画定される。
また、照合電極3、4は、図1に示されるように、電極本体3a、4aと照合表面15に接触する側に湿潤パッド3b、4bとを備えている。照合電極3、4の電極本体3a、4aは、銅/硫酸銅電極、銀/塩化銀電極、カロメル電極など公知の電極を採用することができる。また、照合電極3、4の湿潤パッド3b、4bは、注水・保水機能を有し、照合電極3、4がコンクリート構造物11の表面に安定して接触保持可能となるように構成されている。湿潤パッド3b、4bは、スポンジなどの保水材を有しており、水道水や水酸化カルシウム溶液などの電解質溶液で湿潤状態にされている。照合電極3、4が湿潤パッド3b、4bを備えていることにより、自然電位の差を測定する際に、コンクリート構造物11の表面が確実に湿潤状態に保たれるとともに、照合電極3、4とコンクリート構造物11の照合表面15との電気的な接触が良好になる。本実施形態では、照合電極3、4は、薄板状の電極本体3a、4aに湿潤パッド3b、4bが積層された略直方体形状を有している。しかしながら、後述する機能を有するものであれば、照合電極3、4の形状は特に限定されるものではない。
また、照合電極は、図1に示されるように、コンクリート構造物11の表面と接触する面積が異なる大領域照合電極3および小領域照合電極4を有している。電位差測定装置1は、接触する面積が異なる複数の照合電極3、4を有することにより、異なる面積で鋼材13の自然電位の差を測定することができる。照合電極3、4は、本実施形態では、コンクリート構造物11の表面と接触する面積が異なる2種類の電極を有しているが、電位差測定装置1により測定しようとする面積に応じて、接触する面積の大きい大領域照合電極3だけを有していてもよいし、接触する面積が異なる3種類以上の電極を有していてもよい。
<大領域照合電極>
大領域照合電極3は、図1に示されるように、コンクリート構造物11の表面(照合表面15)と大領域で接触し、鋼材13の所定の領域(大領域)毎に、基準電位との差を計測するための電極である。ここで、所定の領域とは、大領域照合電極3と接触する照合表面15のかぶり厚さ方向(照合表面15の真下)に埋設された鋼材13が複数存在する領域や、同一の鋼材13において、鋼材13を所定の長さ、たとえば、鋼材13の埋設ピッチ以上の長さを覆う領域などをいう。電位差測定装置1は、大領域照合電極3を備えることにより、基準電位と、大領域に含まれる鋼材13の自然電位との差を測定することができる。つまり、電位差測定装置1は、一回の測定で、大領域内に存在する鋼材13と、基準電位を有する鋼材13との間の自然電位の差をまとめて測定することができる。
大領域照合電極3は、図1に示されるように、コンクリート構造物11の表面と接触する接触面の面積が、以下に詳しく述べる小領域照合電極4がコンクリート構造物11の表面と接触する接触面の面積よりも大きくなるように形成されている。したがって、大領域照合電極3は、小領域照合電極4と比べて、より広い照合表面15に接触され、電位差測定装置1は、基準電位と、より広い領域に存在する鋼材13の領域の自然電位との差を測定することができる。大領域照合電極3は、本実施形態では、図1に示されるように、コンクリート構造物11の表面と接触する接触面が、コンクリート構造物11に離間して埋設された複数の鋼材13にまたがる大きさになるように形成されている。より具体的には、大領域照合電極3は、図1に示されるように、離間して埋設された複数の主筋13aにまたがり、また、離間して埋設された複数のあばら筋13bにまたがる大きさに形成されている。このように大領域照合電極3が複数の鋼材13にまたがる大きさに形成されていることにより、電位差測定装置1は、基準電位と、離間して埋設された複数の鋼材13の領域の自然電位との差を、一回の測定でまとめて測定することができる。
<小領域照合電極>
小領域照合電極4は、大領域照合電極3により基準電極2との電位差をまとめて計測した大領域をさらに細分化した、大領域よりも小さな小領域の電位と基準電位との電位差を測定するための電極である。小領域照合電極4の小領域とは、大領域照合電極3の大領域に対する相対的な大きさをいう。小領域照合電極4は、図1に示されるように、コンクリート構造物11の表面と接触する接触面の面積が、大領域照合電極3がコンクリート構造物11の表面と接触する接触面の面積よりも小さくなるように形成されている。小領域照合電極4は、上述のように形成されればその大きさは特に限定されないが、大領域照合電極3の面積の半分以下の面積であることが好ましく、コンクリート構造物11に埋設された複数の鋼材13にまたがらない大きさであることがさらに好ましい。
電位差測定装置1は、小領域照合電極4を備えることにより、基準電位と、鋼材13の小領域の自然電位との間の差を測定することができる。小領域照合電極4は、上述したように、コンクリート構造物11の表面と接触する接触面の面積が、大領域照合電極3がコンクリート構造物11の表面と接触する接触面の面積よりも小さくなるように形成されている。したがって、小領域照合電極4は、大領域照合電極3と比べて、より狭い照合表面15に接触され、電位差測定装置1は、基準電位と、より狭い領域に存在する鋼材13の領域の自然電位との差を測定することができる。小領域照合電極4は、本実施形態では、図1に示されるように、コンクリート構造物11に埋設された鋼材13の幅にほぼ対応する大きさに形成されている。このように、小領域照合電極4が鋼材13の幅にほぼ対応する大きさに形成されることにより、電位差測定装置1は、基準電位と、鋼材13の幅にほぼ対応する大きさの領域の自然電位との差を測定することができる。
<腐食箇所特定方法>
つぎに、これまで説明した電位差測定装置1を用いた本発明の腐食箇所特定方法を、図2〜図4に示されたフローチャートおよび図5〜図7に示された模式図を用いて説明する。
<低電位大領域を特定する工程>
本発明の腐食箇所特定方法は、図2および図5に示されるように、コンクリート構造物11のうち、基準電極2および大領域照合電極3によって低電位大領域16を特定する工程SAを備えている。低電位大領域16は、大領域照合電極3が接触する照合表面15における鋼材13の自然電位が、基準電極2が接触する基準表面14における鋼材13の自然電位よりも低い領域である。工程SAは、本実施形態では、図2に示されるように、工程S1〜工程S4を備えている。
工程SAでは、まず工程S1において、基準電極2をコンクリート構造物11の基準表面14に接触させる(図5(a))。より具体的には、湿潤状態とされた基準電極2の湿潤パッド2bをコンクリート構造物11の表面に当接させ、基準電極2の位置を保持する。基準電極2を接触させる位置は、事前の調査等により定められた、直下の鋼材13の腐食がないまたは少ない箇所であることが好ましい。なお、たとえば、基準電極2を接触させる位置として、直下の鋼材13の腐食が少ない箇所を選択した場合において、後の工程で基準表面14の自然電位よりも高い自然電位の領域が見つかった場合には、その領域を、より腐食が少ないまたは腐食がない箇所として、新たに基準表面14としてもよい。
つぎに、工程S2において、大領域照合電極3をコンクリート構造物11の照合表面15に接触させる(図5(b))。なお、工程S1と工程S2は逆の順番であってもよい。大領域照合電極3は、基準電極2と同様に、湿潤状態とされた湿潤パッド3bをコンクリート構造物11の表面に当接させ、大領域照合電極3の位置を保持する。本実施形態では、図5(b)に示されるように、大領域照合電極3は、基準電極2に隣接する位置において、コンクリート構造物11の表面に接触されている。この状態で、本実施形態では、大領域照合電極3は、図5(b)に示されるように、複数の鋼材13(図5(b)では、3本の主筋13aおよび2本のあばら筋13b)をまたぐように覆っている。
工程S1および工程S2により、基準電極2および大領域照合電極3の設置が完了した後、工程3において、電位差計5を用いて、基準電極2と大領域照合電極3との間の電位差を計測する。これにより、基準表面14における鋼材13の自然電位(基準電位)と、照合表面15における鋼材13の自然電位との差が測定される。このとき、照合表面15における自然電位が基準表面14における自然電位よりも所定のしきい値以上低ければ、その照合表面15にかぶり厚さ方向で隣接する位置(照合表面15の真下)に鋼材13の腐食箇所が存在すると判断し、その照合表面15を低電位大領域16(図5(d)参照)と決定する。一方、照合表面15における自然電位が基準表面14における基準電位とほぼ同じか、またはその差が所定のしきい値の範囲内である場合には、大領域照合電極3が接触している大領域内の鋼材13に腐食箇所が存在しないと判断される。
工程S3の後、工程S4において、他に測定すべき表面が存在するか否かを判断する。他に測定すべき表面が存在すれば、大領域照合電極3をコンクリート構造物11に沿って移動させて、工程2および工程3を繰り返す(図5(c))。すなわち、大領域照合電極3をコンクリート構造物11の鋼材13の延在方向に沿って移動させて、基準電極2と大領域照合電極3により、複数の箇所で照合表面15および基準表面14の間の自然電位の差を計測していく。
他に測定すべき表面が存在しなければ、工程SAを終了し、大領域照合電極3をコンクリート構造物11の表面から取り除く。以上の工程を経て、コンクリート構造物11の表面の中から低電位大領域16が特定される(図5(d))。すなわち、図5(a)〜(d)まで、順次電位差を計測していき、初めて図5(c)の状態で、しきい値以上の電位差が生じた場合には、図5(d)に示される低電位大領域16内のいずれかの鉄筋13に腐食があると判断される。また、たとえば、図5(b)に示される位置においてもしきい値以上の電位差が生じ、図5(d)に示される位置においてもしきい値以上の電位差が生じた場合には、図5(b)の照合表面15と、図5(c)の照合表面15との位置に存在するいずれかの鋼材13に腐食があると判断される。なお、工程S1および工程S2の前に、基準表面14および照合表面15を清掃し、油汚れなどを基準表面14および照合表面15から除去しておくことが好ましい。
本発明の腐食箇所特定方法は、低電位大領域16を特定する工程SAを備えることにより、コンクリート構造物11中の鋼材13を複数含んだ領域で腐食箇所を特定することができる。したがって、従来のように鋼材13の電位差を1本ずつ計測する必要がなく、コンクリート構造物11の鋼材13が腐食しているかどうかの点検にかかる時間が大幅に減少する。すなわち、従来では、鋼材13の電位差を1本ずつ計測し、腐食がなく、異常のない地点も時間をかけて測定していたため、定期点検など、腐食がない場合には、時間の無駄が非常に多かった。一方、本発明では、腐食箇所がない場合には、大領域照合電極3により、たとえば、大領域照合電極3が複数の鋼材13にまたがるようにして測定していくので、腐食箇所がない場所は、次々と複数本の鋼材13をまとめて点検していくことができ、従来よりも飛躍的に速く点検をすることができる。橋梁などの大型構造物の場合には、鋼材13を1つ1つ確認していると、特に時間がかかるため、本発明の腐食箇所特定方法は、大型構造物の場合、特に有利である。また、腐食箇所がある場合には、コンクリート構造物11の全体のうち、腐食箇所を有する大領域(低電位大領域)を大雑把に特定することができ、そして後述する低電位小領域を特定する工程と組み合わせることにより、具体的な腐食箇所を特定することができる。
<低電位小領域を特定する工程>
本発明の腐食箇所特定方法はさらに、図3および図6に示されるように、基準電極2および小領域照合電極4によって、工程SAにより特定された低電位大領域16のうち、低電位小領域17を特定する工程SBを備えている。低電位小領域17は、小領域照合電極4が接触する照合表面15における鋼材13の自然電位が、基準電極2が接触する基準表面14における鋼材13の自然電位よりも低い領域である。工程SBは、本実施形態では、図3に示されるように、工程S5〜工程S8を備えている。
工程SBでは、まず工程S5において、基準電極2をコンクリート構造物11の基準表面14に接触させる(図6(a))。工程S5では、工程S1で用いた基準電極2をそのまま用いることもできるし、大きさの異なる基準電極2、たとえば小領域照合電極4の接触面と同じ大きさの接触面を有する基準電極2を新たに用いることもできる。このとき、工程S1の基準電極2および基準表面14をそのまま用いる場合は、工程S5を省略することができる。つぎに、工程S6において、小領域照合電極4を、工程SBにより特定された低電位大領域16の中から選ばれた照合表面15に接触させる(図6(a))。このとき、照合表面15は、鋼材13との距離がなるべく短くなるように選択することが好ましく、特に真下に鋼材13があるように選択することが好ましい。なお、工程S5と工程S6は逆の順番であってもよい。
工程S5および工程S6の後、工程7において、電位差計5を用いて、基準電極2と小領域照合電極4との間の電位差を計測し、基準表面14における鋼材13の自然電位と、照合表面15における鋼材13の自然電位との差を測定する。このとき、照合表面15における自然電位が基準表面14における自然電位よりも低ければ、その照合表面15にかぶり厚さ方向で隣接する位置(照合表面15の真下)に鋼材13の腐食箇所が存在すると判断し、その照合表面15を低電位小領域17(図6(c)参照)と決定する。
工程S7の後、工程S8において、他に測定すべき表面が存在するか否かを判断する。他に測定すべき表面が存在すれば、小領域照合電極4を移動させて、工程S6および工程S7を繰り返す(図6(b))。つまり、工程SAで低電位大領域16であることが特定された領域内で、小領域照合電極4を移動させて、複数の箇所で、基準表面14と照合表面15との間の自然電位の差を計測する。他に測定すべき表面が存在しなければ、工程SBを終了し、小領域照合電極4をコンクリート構造物11の表面から取り除く。以上の工程を経て、コンクリート構造物11の表面の中から低電位小領域17が特定される(図6(c))。なお、工程S5および工程S6の前に、基準表面14および照合表面15を清掃し、基準表面14および照合表面15から油汚れなどを除去しておくことが好ましい。
本発明の腐食箇所特定方法は、低電位大領域16を特定する工程SAおよび低電位小領域17を特定する工程SBを備えることにより、工程SAで広い領域単位で鋼材13の腐食箇所を探し出して特定した上で、特定された広い領域から、工程SBで狭い領域単位で鋼材13の腐食箇所を探し出して特定することができる。したがって、本発明の腐食箇所特定方法は、従来の方法のように埋設されているすべての鋼材13の1本1本に対して、鋼材13の全領域にわたって1点1点、照合電極3、4を移動させて電位差を測定する必要がなく、コンクリート構造物11中の鋼材13の腐食箇所を効率よく特定することができる。
<鋼材の自然電位を得る工程>
本発明の腐食箇所特定方法はさらに、図4および図7に示されるように、電位差計5の一方の端子に鋼材13を接続して、電位差計5の他方の端子に基準電極2または照合電極3、4を接続して、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位を得る工程SCを備えていてもよい。工程SCは、本実施形態では、図4に示されるように、工程S9および工程10を備えている。工程SCでは、まず工程9において、電位差計5の一方の端子に導線6を介してコンクリート構造物11の鋼材13を電気的に接続し、電位差計5の他方の端子に導線6を介して、基準表面14に接触された基準電極2を電気的に接続して(図7)、基準表面14におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位を測定する。その後、工程10において、基準表面14におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の測定された自然電位と、工程SAおよび工程SBにおいて測定された、基準電極2が接触する基準表面14および照合電極3、4が接触する照合表面15(図5および図6参照)におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位の差とを用いて、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位を算出する。以上の工程を経て、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位が得られる。工程SCは、本実施形態では工程9および工程10を備えているが、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位を得ることができれば他の工程を備えていてもよい。たとえば、工程SCは、電位差計5の一方の端子に導線6を介してコンクリート構造物11中の鋼材13を電気的に接続し、電位差計5の他方の端子に導線6を介して、照合表面15に接触された照合電極3、4を電気的に接続して、照合表面15におけるコンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位を測定する工程を備えていてもよい。
本発明の腐食箇所特定方法によれば、鋼材13の自然電位を得る工程SCを備えることにより、コンクリート構造物11中の鋼材13の自然電位を絶対値として得ることができる。得られた自然電位は、他のコンクリート構造物11における鋼材13の自然電位と直接比較することができ、鋼材13の腐食状況が、他のコンクリート構造物11における鋼材13の腐食状況と直接比較することができる。したがって、コンクリート構造物11中の鋼材13の腐食評価の信頼性が向上する。
1 電位差測定装置
2 基準電極
2a 電極本体
2b 湿潤パッド
3 大領域照合電極
3a 電極本体
3b 湿潤パッド
4 小領域照合電極
4a 電極本体
4b 湿潤パッド
5 電位差計
6 導線
11 コンクリート構造物
12 コンクリート
13 鋼材、鉄筋
13a 主筋
13b あばら筋
14 基準表面
15 照合表面
16 低電位大領域
17 低電位小領域

Claims (7)

  1. 電位差測定装置を用いて、コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食箇所を特定する腐食箇所特定方法であって、
    前記電位差測定装置が、
    前記コンクリート構造物の表面に接触する基準電極と、
    前記コンクリート構造物の表面に接触する照合電極と、
    前記基準電極および前記照合電極が接続され、前記基準電極が接触する基準表面および前記照合電極が接触する照合表面における前記コンクリート構造物中の前記鋼材の自然電位の差を計測する電位差計と
    を備え、
    前記照合電極が、前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面が、前記コンクリート構造物に離間して埋設された複数の鋼材にまたがる大きさになるように形成され、
    前記基準電極を基準表面上に配置する工程、
    前記照合電極を照合表面上に配置する工程、および
    前記電位差計により、前記照合電極が接触する照合表面における自然電位と、前記基準電極が接触する基準表面における自然電位との間の電位差を計測する工程を備え、
    前記照合電極を前記コンクリート構造物に沿って移動させ、複数の箇所で照合表面および基準表面の間の自然電位の差を計測し、前記コンクリート構造物のうち、前記照合表面における自然電位が、前記基準表面における自然電位よりも低い低電位大領域を特定することを特徴とする腐食箇所特定方法。
  2. 前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積が、前記照合電極が前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積よりも小さい小領域照合電極をさらに有し、
    前記コンクリート構造物のうち前記低電位大領域であることが特定された領域内において、前記小領域照合電極を配置する工程をさらに備え、
    前記低電位大領域であることが特定された領域内で、前記小領域照合電極を移動させ、複数の箇所で、前記基準表面との間の自然電位の差を計測し、前記低電位大領域のうち、前記小領域照合電極が接触する照合表面における自然電位が、前記基準電極が接触する基準表面における自然電位よりも低い低電位小領域を特定することを特徴とする請求項1記載の腐食箇所特定方法。
  3. 前記基準電極および前記照合電極が湿潤パッドを備えることを特徴とする請求項1または2記載の腐食箇所特定方法。
  4. 前記電位差計の一方の端子に前記鋼材を接続して、前記電位差計の他方の端子に前記基準電極または前記照合電極を接続して、前記照合表面における前記コンクリート構造物中の鋼材の自然電位を得る工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の腐食箇所特定方法。
  5. コンクリート構造物に埋設された鋼材の腐食箇所を特定するために用いられる電位差測定装置であって、
    前記電位差測定装置が、
    前記コンクリート構造物の表面に接触する基準電極と、
    前記コンクリート構造物の表面に接触する照合電極と、
    前記基準電極および前記照合電極が接続され、前記基準電極が接触する基準表面および前記照合電極が接触する照合表面における前記コンクリート構造物中の前記鋼材の自然電位の差を計測する電位差計と
    を備え、
    前記照合電極が、前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面が、前記コンクリート構造物に離間して埋設された複数の鋼材にまたがる大きさになるように形成され、
    前記照合電極を前記コンクリート構造物に沿って移動させ、複数の箇所で照合表面および基準表面の間の自然電位の差を計測することにより、前記コンクリート構造物のうち、前記照合表面における自然電位が、前記基準表面における自然電位よりも低い低電位大領域を特定することが可能であることを特徴とする電位差測定装置。
  6. 前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積が、前記照合電極が前記コンクリート構造物の表面と接触する接触面の面積よりも小さい小領域照合電極をさらに有し、
    前記低電位大領域であることが特定された領域内で、前記小領域照合電極を移動させ、複数の箇所で、前記基準表面との間の自然電位の差を計測し、前記低電位大領域のうち、前記小領域照合電極が接触する照合表面における自然電位が、前記基準電極が接触する基準表面における自然電位よりも低い低電位小領域を特定することが可能であることを特徴とする請求項5記載の電位差測定装置。
  7. 前記基準電極および前記照合電極が湿潤パッドを備えることを特徴とする請求項5または6記載の電位差測定装置。
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