JP2019178880A - 調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法および腐食・防食評価用浸透水 - Google Patents
調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法および腐食・防食評価用浸透水 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】埋設鋼構造物の腐食・防食評価をより効率よく行える調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法を提供すること。【解決手段】地表面Aに設けられる電極2と、土壌S内に埋設され絶縁被覆リード線が接続された電極1である調査対象鋼構造物Pを設け、電極1、2の間に接続される電圧計3を設け、電極1、2の間の電位差を測定する場合に、地表面Aにイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、電極1、2の間の電位差を測定する。【選択図】図1
Description
本発明は、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法および、それに用いられる腐食・防食評価用浸透水に関する。
埋設鋼構造物の代表である埋設パイプラインの外表面には腐食を防止するため、通常絶縁性のライニングが施されるが、他の道路工事等により一部損傷する場合がある。このような塗覆装損傷部では自然腐食による影響を被るほか、土中を流れる電流(たとえば電気鉄道からの地中漏洩電流など)が流出入する可能性があり、流出する電流量が多いほど非常に激しい腐食を生じる。このようなパイプライン等の埋設の調査対象鋼構造物の腐食を早期に検出し、維持管理するために、その調査対象鋼構造物の近傍における電位差を測定し、その調査対象鋼構造物の腐食および防食状態を評価することが行われている。
このような場合、用いられる調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法としては、地表面に設けられる飽和硫酸銅電極等の照合電極(電極)と、土壌内に埋設された調査対象鋼構造物を電極とし、そこに絶縁被覆リード線(ターミナル線)を接続し、電極どうしの間に接続される電圧計を設け、電極どうしの間の電位差を測定してその調査対象鋼構造物の腐食および防食状況を評価する、いわゆるP/S法と、一対の照合電極(電極)間に接続される電圧計を設けるとともに、一対の照合電極を調査対象鋼構造物の埋設された区画の直上地表面に配置して、一対の照合電極間の電位差を測定してその調査対象鋼構造物の腐食および防食状況を評価する、いわゆるS/S法が知られている(非特許文献1参照)。
これらの調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法では、地表面に照合電極を設ける必要があることから、照合電極と地表面との接触を図るために、少なくとも一方の照合電極を、地表面に圧接、または、埋め込み、電極間の電位差を測定する。
P/S法でパイプラインの腐食および防食状況を評価する場合、数百mに1ヶ所程度設けられているパイプラインからの絶縁被覆リード線と照合電極との間に電圧計を設ける。この照合電極を埋設されているパイプラインの概ね直上の地表面に設置して、絶縁被覆リード線を介しパイプラインと照合電極間の電位差を測定する。詳細な腐食・防食状況を調査する際には照合電極を管直上に沿って数メートルおきに移動し測定を行う。これらの測定の結果得られる電位差の大きさから、埋設されるパイプラインの腐食位置や腐食程度および防食程度を推定することができる。すなわち、調査対象鋼構造物に腐食が発生している場合、照合電極を設置した地点が調査対象鋼構造物の腐食位置に近いほど、さらには、腐食程度が大きいほど近傍測定箇所と大きな電位差が発生することから、照合電極の設置位置とその位置での近傍測定箇所との電位差との関係からより大きな電位差の測定された照合電極位置付近で調査対象鋼構造物に腐食が発生しているものと判断でき、また、その腐食発生位置での電位差から腐食程度を概ね推定できる。
S/S法でパイプラインの腐食を評価する場合、一対の照合電極間に接続される電圧計を設け、その照合電極を所定間隔に維持しつつ、パイプラインに沿って位置を変えながら、もしくは一方の照合電極の位置を固定し他方の照合電極を一定間隔でパイプラインに沿って位置を変えながら照合電極間の電位差の分布を調べる。これらの調査結果から横軸を調査延長、縦軸を得られた電位差としてグラフで表すと、これらの電位差を結ぶ線は地中を流れる電流によって生じる電位勾配を示すことから、その勾配の極性が変化する変曲点近傍がパイプライン上における電流の流出点もしくは流入点を表すことになる。このような調査を行うことにより、管路に流出入する電流の傾向を把握でき、パイプラインの腐食位置が特定できる。また、その腐食発生位置と周囲の調査測定点との電位差の変化状況から腐食程度を概ね推定できる。
上記のように地表面に照合電極を設置する場合、アスファルト等、硬質で電気抵抗の大きな地表面上に照合電極を設置せざるを得ない場合も多い。このような場合照合電極は、地表面に埋め込むことはできないので、単に圧接する形態で設置する形態となる。すると、地表面と地表面に設置する照合電極との接触抵抗が大きくなり、そのままでは電位差を測定することが困難な場合がある。このような場合、地表面と照合電極との接触抵抗を下げるため、照合電極の設置箇所に水を適量散布することが行われている。この散布水はアスファルトの導電性を確保する役割も果たしている。
経済産業省委託事業 保安専門技術者指導等事業 LPガス保安技術者向けWebサイト、[online]、埋設管保安高度化技術、第3章 防食方法の対策/第4章 腐食の測定調査、[2018年3月14日検索]、インターネット<URL:http://www.lpgpro.go.jp/guest/text2/pdf/3_1_3.pdf>、 P62〜67
地表面に水を散布した場合、地表面と照合電極との接触抵抗は、速やかに低下するものではなく、地表面への水の浸透にしたがって、徐々に低下する。また地表面自体の導電性も、水の浸透に従って徐々に改善する。しかし、車両の多い道路等、土壌(路盤)までの舗装厚さが厚い地表面では、地表面への水の浸透に時間を要する。さらに、地表面がアスファルトである場合、地表面が油分を多く含み撥水性であるため、水が地表面に十分浸透しない場合もある。すると、地表面と照合電極との接触抵抗が十分低下せず、地表面自体の導電性が十分確保できないために、高入力インピーダンス(例えば1011〜1012Ωなど)を有する電圧計を用いたとしても導電性が十分な電位差の測定が困難である場合が多い。
すると、照合電極の設置後、電位差の測定が可能になるまで、さらに水を散布したり、水を散布した後、長時間待機せざるを得ない。このような状況に陥ると、腐食発生位置を特定するためには、多数の測定地点で電位差を測定しなければならないことから、非常に効率の悪い作業となっていた。
したがって、本発明は上記実状に鑑み、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価をより効率よく行える調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法の特徴構成は、
地表面に設けられる電極と、土壌内に埋設され絶縁被覆リード線が設けられた電極である調査対象鋼構造物に対し、前記電極どうしの間に接続される電圧計を設け、前記電極どうしの間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法であって、
前記地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、前記電極どうしの間の電位差を測定する点にある。
また、別の形態として、
一対の電極間に接続される電圧計を設けるとともに、前記一対の電極を調査対象鋼構造物の埋設された区画の地表面に配置して、前記一対の電極間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法であって、
前記地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、前記地表面に設けられる一対の電極間の電位差を測定する点にある。
地表面に設けられる電極と、土壌内に埋設され絶縁被覆リード線が設けられた電極である調査対象鋼構造物に対し、前記電極どうしの間に接続される電圧計を設け、前記電極どうしの間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法であって、
前記地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、前記電極どうしの間の電位差を測定する点にある。
また、別の形態として、
一対の電極間に接続される電圧計を設けるとともに、前記一対の電極を調査対象鋼構造物の埋設された区画の地表面に配置して、前記一対の電極間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法であって、
前記地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、前記地表面に設けられる一対の電極間の電位差を測定する点にある。
上記構成によると、従来地表面に水を散布していたのに代えて、イオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布する。腐食・防食評価用浸透水はイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液であるから、油分による撥水性の高い地表面に対しても速やかに浸透する。これにより、地表面と照合電極との接触抵抗が速やかに低下し、地表面自体の導電性が十分向上する。したがって、電極間の電位差が速やかに安定することになることから、測定に要する時間自体も大きく短縮することができ、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価を速やかに行える。
したがって、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価をより効率的におこなえるようになった。
尚、このような調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法は、地表面がアスファルト路面である場合に、アスファルトが油分を有する撥水性であるために特に有効に働く。また、腐食・防食評価用浸透水として用いるイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤から選ばれる少なくとも一種以上の界面活性剤を0.01〜2%含有するものは、界面活性作用を有するとともに、腐食・防食評価用浸透水のイオン伝導性が100〜500μS/cmとなって、特に透水性の低いアスファルトなどの地表面に対しても浸透性が高く、生分解性を有する界面活性剤を選択することにより環境への悪影響も少なくなるため好ましい。尚、アスファルトの透水性が透水係数10-6〜10-3cm/秒である場合、特に従来の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法に比べた作業効率の改善が著しい。また、前記腐食・防食評価用浸透水は地表面100〜200cm2あたり100mL程度の割合の散布が好ましく、この程度の散布で腐食・防食評価用浸透水が地表面に行きわたり、地表面の導電性を大きく改善できるとともに、その腐食・防食評価用浸透水が土壌(路盤)にまで達するので、調査対象鋼構造物の腐食環境における電位差が速やかに測定値として反映されるようになるので好ましい。
したがって、本発明の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法によると、速やかに電位差の測定が行えるとともに、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価が迅速に行えるようになった。
以下に、本発明の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
〔調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法〕
本発明の実施形態にかかる調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法は、地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、電極間の電位差を測定する。電位差の測定には、下記電位差測定装置が用いられ、地表面として主にアスファルト路面における電位差の測定が好適に行われる。また、腐食・防食評価用浸透水としては、たとえば高級アルコール系界面活性剤等の界面活性剤を含有するもの、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を0.01〜2%含有するものが好適に用いられる。
本発明の実施形態にかかる調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法は、地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、電極間の電位差を測定する。電位差の測定には、下記電位差測定装置が用いられ、地表面として主にアスファルト路面における電位差の測定が好適に行われる。また、腐食・防食評価用浸透水としては、たとえば高級アルコール系界面活性剤等の界面活性剤を含有するもの、具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩を0.01〜2%含有するものが好適に用いられる。
〔P/S法用の電位差測定装置〕
図1に示すようにP/S法用の電位差測定装置は、地表面Aに設けられる照合電極(電極)1と、土壌S内に埋設され絶縁被覆リード線が接続された調査対象鋼構造物Pである電極2とを設け、照合電極1および電極2に接続される電圧計3を設け、電極1および電極2の間の電位差を測定する測定部としてある。
図1に示すようにP/S法用の電位差測定装置は、地表面Aに設けられる照合電極(電極)1と、土壌S内に埋設され絶縁被覆リード線が接続された調査対象鋼構造物Pである電極2とを設け、照合電極1および電極2に接続される電圧計3を設け、電極1および電極2の間の電位差を測定する測定部としてある。
〔S/S法用の電位差測定装置〕
図2および図3に示すようにS/S法用の電位差測定装置は、一対の照合電極(電極)1,2間に接続される電圧計3を設けるとともに、一対の照合電極1,2を調査対象鋼構造物Pの埋設された区画の地表面Aに配置して、一対の照合電極1、2間の電位差を測定する測定部としてある。
図2および図3に示すようにS/S法用の電位差測定装置は、一対の照合電極(電極)1,2間に接続される電圧計3を設けるとともに、一対の照合電極1,2を調査対象鋼構造物Pの埋設された区画の地表面Aに配置して、一対の照合電極1、2間の電位差を測定する測定部としてある。
〔実験例〕
調査対象鋼構造物Pを、地下0.8mの土壌S中に埋設される鋼管とし、鋼管埋設位置の地表面Aに透水性が平均透水係数10-5cm/秒のアスファルトが敷設された地点から図2の電位差測定装置を用いて、調査対象鋼構造物Pの腐食・防食評価方法を行った。
調査対象鋼構造物Pを、地下0.8mの土壌S中に埋設される鋼管とし、鋼管埋設位置の地表面Aに透水性が平均透水係数10-5cm/秒のアスファルトが敷設された地点から図2の電位差測定装置を用いて、調査対象鋼構造物Pの腐食・防食評価方法を行った。
まず、鋼管の埋設された位置直上の区画およびそこから約150cm離れた管路直上の区画各々の地表面約100cm2の範囲に、高級アルコール系界面活性剤として、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを約0.75%含有する腐食・防食評価用浸透水を約100mL散布した。この腐食・防食評価用浸透水のイオン伝導性は約230μS/cmであった。散布した腐食・防食評価用浸透水は、速やかにアスファルト路面に浸透し、アスファルト路面が濡れ、かつ、アスファルト路面に水の浮いていない状態となった。
腐食・防食評価用浸透水散布約2分後、濡れたアスファルト路面に一対の照合電極を設置した。各照合電極としては、30mmφの飽和硫酸銅電極を用い、各電極を地表面に150cm離間させて、それぞれの照合電極の端面がアスファルト路面に接触するように接触させて配置した。測定部としてデジタルボルトメータを用い、両照合電極間の電位差を直接測定した。
その結果、測定電位差は、図4に示すように、測定開始後1分程度で電位差の測定値は図中破線で示すように所定の値に安定し、複数地点にわたる電位差の分布を速やかに求めることができるものとなった。
〔従来例〕
上記腐食・防食評価用浸透水を界面活性作用のない水道水に代え、実施例と同様に従来の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法を再現した。水道水のイオン伝導性は約110μS/cmであった。散布した腐食・防食評価用浸透水は、緩やかにアスファルト路面に浸透したが、散布約6分経過後もアスファルト路面に水の浮いている状態であった。腐食・防食評価用浸透水散布2分後、濡れたアスファルト路面に一対の照合電極を設置し、実施例と同様に両照合電極間の電位差を直接測定したところ、測定電位差は図5のようになった。
上記腐食・防食評価用浸透水を界面活性作用のない水道水に代え、実施例と同様に従来の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法を再現した。水道水のイオン伝導性は約110μS/cmであった。散布した腐食・防食評価用浸透水は、緩やかにアスファルト路面に浸透したが、散布約6分経過後もアスファルト路面に水の浮いている状態であった。腐食・防食評価用浸透水散布2分後、濡れたアスファルト路面に一対の照合電極を設置し、実施例と同様に両照合電極間の電位差を直接測定したところ、測定電位差は図5のようになった。
図5より、水道水のアスファルト路面への浸透がその油分の影響により非常に緩慢なため、測定電位差は、測定開始後4分たっても図中破線で示すように出力の増加が継続して安定せず、鋼管の腐食電位を求めることができなかった。
これらの結果より、アスファルト路面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布すると、アスファルト路面断面の導電性が速やかに向上するとともに電極との接触抵抗が大きく低下するため、調査対象鋼構造物の設けられるアスファルト路面上での電位差を速やかに測定することができ、複数地点にわたる電位差の分布を速やかに求めることができるため、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価に有利であるといえる。
〔別実施形態〕
上記実施形態では、調査対象鋼構造物としてライニング被覆鋼管を例示したが、このほか瀝青質被覆鋼管、亜鉛めっき鋼管、黒管、鋳鉄管等に対する腐食・防食評価を行うこともできる。
上記実施形態では、調査対象鋼構造物としてライニング被覆鋼管を例示したが、このほか瀝青質被覆鋼管、亜鉛めっき鋼管、黒管、鋳鉄管等に対する腐食・防食評価を行うこともできる。
また、地表面としては、アスファルトが例示されるが、他にコンクリート路面、レンガ舗装面、タイル等の目地等であってもよい。このような地表面の透水性は、透水係数10-7〜10-3cm/秒であれば、好適に適用でき、好ましくは、10-6〜10-3cm/秒である。
また、腐食・防食評価用浸透水としては、高級アルコール系界面活性剤を含有するイオン伝導性水溶液を用いたが、界面活性剤としては、他に脂肪酸系、直鎖アルキルベンゼン系、アルファオレフィン系、ノルマルパラフィン系、アルキルフェノール系、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系、第四級アンモニウム塩系等を用いることもでき、具体的には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル、アルファオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる少なくとも一種以上を含有して用いることができる。さらに、界面活性剤を含有する場合、0.01〜2%含有していれば、好適な浸透性を発揮することが経験的に明らかになっている。
腐食・防食評価用浸透水の散布量は、100〜200cm2あたり100ml程度が好ましく、特に透水性が透水係数10-6〜10-3cm/秒のアスファルトに対して100〜200cm2あたり100ml程度とすることがとくに好ましい。
本発明の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法によると、調査対象鋼構造物の腐食・防食評価が迅速に行え、埋設鋼構造物の保守等に有効に利用できる。
1 :電極
2 :電極
3 :電圧計
P :調査対象鋼構造物
S :土壌
A :地表面
2 :電極
3 :電圧計
P :調査対象鋼構造物
S :土壌
A :地表面
Claims (6)
- 地表面に設けられる電極と、土壌内に埋設され絶縁被覆リード線が設けられた電極である調査対象鋼構造物に対し、前記電極どうしの間に接続される電圧計を設け、前記電極どうしの間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法であって、
前記地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、前記電極どうしの間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法。 - 一対の電極間に接続される電圧計を設けるとともに、前記一対の電極を調査対象鋼構造物の埋設された区画の地表面に配置して、前記一対の電極間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法であって、
前記地表面にイオン伝導性および界面活性作用を有する水溶液からなる腐食・防食評価用浸透水を散布した状態で、前記地表面に設けられる一対の電極間の電位差を測定する調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法。 - 前記地表面がアスファルト路面である請求項1または2に記載の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法。
- 前記腐食・防食評価用浸透水が界面活性剤を含有する水溶液である請求項1〜3のいずれか一項に記載の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の調査対象鋼構造物の腐食・防食評価方法に用いる腐食・防食評価用浸透水であって、
界面活性剤を含有する水溶液である腐食・防食評価用浸透水。 - 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルファスルホ脂肪酸エステル、アルファオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルから選ばれる少なくとも一種以上の界面活性剤を0.01〜2%含有する請求項5に記載の腐食・防食評価用浸透水。
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