JP2016023015A - エレベーターの保守方法及びエレベーターシステム - Google Patents

エレベーターの保守方法及びエレベーターシステム Download PDF

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【課題】通常のサービス運転とは異なるエレベーターの運転を実施することなく、階高測定運転の要否を判定することが可能なエレベーターの保守方法及びエレベーターシステムを提供する。【解決手段】定期検査等の際にシーブ摩耗量を実測し、この実測したシーブ摩耗量とエレベーターの制御パラメータに基づき、シーブ摩耗による階と階の間のかご移動距離の偏差を求めて、このかご移動距離の偏差に基づき階高測定運転の要否判断を行う。【選択図】 図5

Description

本発明は、エレベーターの保守方法及びエレベーターシステムに係り、特に、階高測定運転を行うエレベーターの保守方法及びエレベーターシステムに関する。
エレベーターは、通常、据付時に各階の位置データを制御装置に取り込む階高測定運転を実施する。この階高測定運転は、かごを最下階から最上階まで運転させて行う。そして、階高測定運転では、巻上機の電動機に設置されたパルス発生器が出力するパルスをカウントし、かごに設置されたかご位置検出器が各階床に設置されるドア開閉可能ゾーンを示す遮へい板を横切ったときに動作して、このかご位置検出器が動作(遮へい板を検出)した際のパルスのカウント値を各階の位置データとして制御装置に記憶する。ここで記憶した各階の位置データに基づき、エレベーターの制御装置は、かごの位置に応じて、加速・減速といった電動機の速度制御を行なう。
巻上機のシーブは、主ロープと常に接触しており経年的に磨耗する。磨耗が進むと、階高測定運転時に記憶した各階の位置データと実際の運転におけるかご位置の関係がずれる。そのため、階高測定運転は、定期的にある期間毎に実施するのが一般的である。例えば、特開平9−221284号公報(特許文献1)には、時間条件が成立したことによりシーブ摩耗確認運転を行わせ、シーブの摩耗値が所定値以内に収まっているか否かをチェックし、シーブの摩耗値が所定値以上である場合に、階床位置のパルスデータを再設定することが記載されている。また、特許文献1のシーブ摩耗確認運転では、エレベーターはいずれかの終端階に帰着し、パルスデータが初期化され、その後、エレベーターは反対側の終端階へ向かって走行する。そして、着床した後、走行開始時から走行終了時までに実際に変化したパルスデータ値(A)、および記憶装置内に格納されている両終端階位置のパルスデータの差(B)を算出する。そして、記憶装置に、これらのデータA、B及び「A−B」を記憶し、シーブ磨耗度を判断している。
特開平9−221284号公報
しかしながら、特許文献1におけるデータA、Bには、シーブ磨耗量のほかに、主ロープのクリープ量や終端階検出の検出誤差等が含まれて、必ずしも正確にシーブ磨耗量を検出しているとは言えない。また、特許文献1では、シーブ磨耗確認運転を実施してシーブ磨耗量を算出したうえで階高測定運転の要否を判定する必要があり、通常のサービス運転とは異なる特有の運転をさせなければならない。
本発明の目的は、通常のサービス運転とは異なるエレベーターの運転を実施することなく、階高測定運転の要否を判定することが可能なエレベーターの保守方法及びエレベーターシステムを提供することにある。
本発明は、定期検査等の際にシーブ摩耗量を実測し、この実測したシーブ摩耗量とエレベーターの制御パラメータに基づき、シーブ摩耗による階と階の間のかご移動距離の偏差を求めて、このかご移動距離の偏差に基づき階高測定運転の要否判断を行うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、通常のサービス運転とは異なるエレベーターの運転を実施することなく、階高測定運転の要否を判定することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例のエレベーターシステムの概略構成を示す図である。 本発明の実施例における階高測定運転判定を行うためのブロック構成図である。 実測したシーブの摩耗量からかごの移動距離の偏差を算出するための各種パラメータを説明する図である(機械室ありのエレベーターの駆動方式)。 実測したシーブの摩耗量からかごの移動距離の偏差を算出するための各種パラメータを説明する図である(機械室なしのエレベーターの駆動方式) シーブ摩耗した場合の実際のかご速度と運転制御用マイコン上のかご速度の関係を示す図である。 本発明の実施例における階高測定運転の要否判定のフローチャートである。
以下、図面を用いて本発明の一実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例のエレベーターシステムの概略構成を示す図である。図1において、1はかご、2は巻上機の負荷を軽減するための釣合い錘、3はシーブ4に巻掛けられた主ロープであり、主ロープ3の一端にはかご1が、他端には釣合い錘2が結合されている。5はかご1に取り付けられたかご位置検出器であり、各階乗場7とかご1の段差が無い位置関係で各階に設置される遮へい板6に対向するように設けられている。かご位置検出器5は、発信部と受信部からなり、遮へい板6を横切ったときに動作(位置検出)する。8はシーブ4を駆動する電動機、9は電動機8の回転に応じてパルス信号を発するパルス発生器、11はパルス発生器9から出力されるパルス信号やその他各種データを取り込んでエレベーターを制御する制御装置、12は三相交流電源、10は三相交流をエレベーターの動作に適する電力に変換する電力変換装置である。制御装置11から電力変換器10に指令信号を与えることにより、電動機8の回転数を適宜制御する。また、パルス発生器9から出力されるパルス信号を制御装置11に取り込むことで、かご1の動きを制御装置11が適宜監視することが可能である。
図2は、本発明の実施例による階高測定運転判定を行うブロック構成図である。このブロック構成は、図1に示したエレベーターシステムの概略構成図における制御装置11に含まれるものである。
図2において、9は電動機8の回転に応じてパルス信号を発するパルス発生器、13はアナログ−ディジタル(A/D)変換器、14は階高測定運転を始めとする全体的な動作の制御を行う運転制御用マイコンでありマイクロコンピュータ(CPU)と称す。15はCPU14の動作プログラム、制御パラメータおよびかご位置データなどを格納したプログラム格納用メモリ(ROM)、16は処理したデータを一時的に書き込む処理データ書き込み用メモリ(RAM)、17はエレベーターの運転を操作する操作器、18は外部回路との間でデータ入出力を行う入出力インターフェース、19は共通制御バス、20は外部接続された外部操作器、21は階高測定運転要否判定を含むエレベーターの各種情報を外部に発報する外部発報器である。そして、パルス発生器9はA/D変換器13の入力に接続され、A/D変換器13の出力は共通制御バス19に統合される。同様に、ROM15は共通制御バス19に統合され、RAM16も共通制御バス19に統合される。同じく、CPU14の制御端子も共通制御バス19に統合される。また、入出力インターフェース18には外部操作器20と外部発報器21が接続される。操作器17は、例えば、定期検査などのときにエレベーターの運転を操作するために用いられ(階高測定運転指示を含む)、また、エレベーターを制御するための各種パラメータをROM15に記憶させるなどの際にも用いられる。外部操作器20は、操作器17が設けられていない又は操作できない場合に用いられる。また、外部操作器20は、機械室内はもとより操作しやすい場所であれば任意の場所に接続して構わない。また、例えば、機械室を設けていないエレベーターにおいて特に有効に用いられる。外部発報器21は、階高測定運転要否を初めとしたエレベーターの各種情報を外部に発報する機器であり、例えば、ディスプレイなどである。外部発報器21も外部操作器20と同様に機械室内はもとより操作しやすい場所であれば任意の場所に接続して構わない。また、図示を省略するが、階高測定運転要否を初めとしたエレベーターの各種情報は、入出力インターフェース18に接続した回線を介してサービスセンタ(遠隔監視装置)などのエレベーター設置場所から離れた場所に伝送するようにしても良い。
次に、図3A〜図5を用いて本発明の実施例における階高測定運転の要否判定を行う方法について説明する。
エレベーターは、据付時に各階の位置データを制御装置11内のROM15に記憶させる階高測定運転を実施する。この階高測定運転は操作器17または外部操作器20を作業者が操作することにより実施する。階高測定運転は、かご1を最下階から最上階まで運転させ、その際に電動機8に設置されたパルス発生器9が出力するパルスをCPU14がカウントし、かご位置検出器5が各階の遮へい板6を通過して検出する毎にその際のカウント値をROM15が記憶し、各階の位置データとするものである。ここで記憶した各階の位置データに基づき、CPU14は、かご1の位置に応じて、加速・減速といった電動機8の速度制御を行なう。
一方で、エレベーターのシーブ4は、主ロープ3と常に接触しており、経年的に磨耗することは周知である。磨耗が進むと、階高測定運転時にROM15に記憶した各階の位置データと実際の運転におけるかご位置の関係がずれる。これを図4により説明する。
図4は、シーブ摩耗した場合の実際のかご速度と運転制御用マイコン上のかご速度の関係を示す図であり、シーブ4の磨耗が進んだ場合の通常運転における、実際のかご速度とCPU14で演算されるかご速度の比較を示す。シーブ4の磨耗が進むと、CPU14で演算されるかご速度22よりも実際のかご速度23は遅い状態となる。図4に示すように、CPU14で演算されるかご位置は、シーブの摩耗が考慮されていないため、実際のかご位置よりも先を行ってしまう。実際のかご速度23はシーブが摩耗しているため、同じ回転数(同じパルス)でもかご速度が遅くなり、また、CPU14が出発階から目的階の遮へい板位置まで所要パルスをカウントしても実際の遮へい板位置まで到達しないことになる。これは、CPU14上、実際の遮へい板位置よりも前に遮へい板が位置していると見てしまい、着床間際の減速位置が早まることを意味する(制御上の遮へい板位置が実際の遮へい板位置よりも前にある)。したがって、減速位置が早まって着床間際の微速走行時間が長くなってしまう。また、実際のかご位置よりもCPU14で算出した仮想のかご位置が先行しており、仮想のかご位置がこれ以上走行禁止の距離に到達した時点で非常停止となり、停止ショックが発生する可能性がある。すなわち、CPU14が出発階から目的階(段差なし)までの所要パルスを超えてカウントした場合、CPU14上、かご1が目的階よりも行き過ぎてしまったと判断して非常停止するような異常を発生してしまう可能性がある。
このような事情により、階高測定運転は、定期的にある期間毎に実施するのが一般的である。階高測定運転は、シーブが摩耗していない場合は実施する必要がない。本実施例では、階高測定運転の要否判定を、例えば、1年に1回の定期検査において、シーブ4の磨耗量を実際に測定し、その摩耗量をかご位置のずれ量(かご移動距離の偏差)に換算して、階高測定運転の要否を自動的に判定することができるようにしている。
図3A,図3Bは、本発明の実施例において、実測したシーブの摩耗量からかごの移動距離の偏差を算出するための各種パラメータを説明する図である。図3Aは機械室ありのエレベーターを示し、図3Bは機械室なしのエレベーターを図示している。Dはシーブ4の直径(mm)であり、nはシーブ4の回転数(回転/秒)、Vはかご1の昇降速度(m/min)、Kはローピングであり、図3AではローピングKは1(ローピング比1:1)であり、図3BではローピングKは2(ローピング比2:1)である。
図3A,図3Bに示すとおり、シーブ4の直径をD(mm)、ローピングをK、シーブ4の回転数をn(回転/秒)とした場合、かご1の移動距離L(mm)は、(1)式で与えられる。
L=(π×D×n)/K (mm/秒)・・・(1)
そして、シーブ1回転(n=1)あたりのかご1の移動距離L(mm)は、(2)式で与えられる。
=(π×D)/K (mm/回転)・・・(2)
シーブ4の磨耗量をΔD(mm)とした場合、シーブ1回転(n=1)あたりのかご1の移動距離の差分ΔL(mm)は、(3)式で与えられる。
ΔL1=(π×ΔD)/K (mm/回転)・・・(3)
階と階の間の距離をA(m)とした場合、A(m)運転した場合のシーブ4の回転数N(回転)は、(4)式で与えられる。
=(A×1000)/L (回転)・・・(4)
シーブがΔD摩耗した場合の階と階の間のかご1の移動距離の差分(偏差)ΔL(mm)は、(5)式で与えられる。
ΔL=ΔL×N (mm)・・・(5)
着床間際の微速走行速度をB(m/min)、微速走行時間をC(秒)とすると、その間のかご1の移動距離L(mm)は、(6)式で与えられる。
=(B×C)×1000/60 (mm)・・・(6)
(5)式と(6)式の関係は、L>ΔLでなければならない。これは、階と階の間のかご1の移動距離の差分ΔLが大きくなり、L≦ΔLとなった場合、次のような問題が発生するためである。
一つは、上述したように、着床間際の微速走行時間が大きくなり、エレベーターの運転効率が悪くなることである。また、ΔLだけ実際のかご位置よりもCPU14で算出した仮想のかご位置が先行しており、上述したように、仮想のかご位置がこれ以上走行禁止の距離に到達した時点で非常停止となり、停止ショックが発生する可能性があるためである。したがって、Lはエレベーターの着床運転が異常にならない判定値であり、階高測定運転の要否判定値である。
そして、このような異常動作を未然に防止するために、本実施例では、シーブ4の磨耗量を実際に測定して、シーブ摩耗によるかご1の移動量の偏差が、エレベーターが異常動作に至らない範囲であるか否かを判断して、階高測定運転の実施要否の判定を行い、その判定結果を、外部発報器21を用いて表示するものである。
なお、(1)式〜(6)式に記載されているパラメータ、すなわち、シーブ4の直径D(mm)、ローピングK、階と階の間の距離A(m)、着床間際の微速走行速度B(m/min)および微速走行時間C(秒)などは、ROM15、外部操作器20または遠隔監視装置に格納されている制御パラメータである。
作業者は、1年に1回の定期検査時などエレベーターの運転が乗客に提供されない期間で、エレベーターが停止しているタイミングで、シーブ4の直径を実際に測定する。そして、前回の検査時におけるシーブの直径(ROM15に格納されているD)との差分であるシーブ4の磨耗量ΔDが求められる。または、定期検査等でエレベーターが停止している間にシーブ4の磨耗量ΔDを実際に測定する。実際に測定したシーブ4の直径またはシーブ4の摩耗量(シーブの直径は摩耗した状態を反映するものであるので、便宜上、両者を本願明細書ではシーブ摩耗量と称する)は、操作器17または外部操作器20を用いてCPU14に入力する。CPU14では、ROMに格納されたパラメータを用いて、前述の(2)式〜(6)式を自動的に算出し、階高測定運転の要否を外部発報器21に表示して、作業者に知らせるものである。そして、階高測定運転の要の場合に、階高測定運転を実施し、摩耗したシーブに対応した各階の位置データ(かご位置検出器5が各階の遮へい板6を通過して検出する際のカウント値)を更新する。
図5に、以上の階高測定運転の要否判定フローを示す。
定期検査時(S1)にエレベーターのシーブ4の磨耗量を実際に測定し(S2)、CPU14で磨耗量から換算したかご移動量が判定値よりも小さいか否か判断する(S3)。判定値以上の場合、階高測定運転要と判断し(S4)、判定値よりも小さければ階高測定運転不要と判断し(S5)、その判定結果を外部発報器21に表示する。
このようにエレベーターシステムを構成し、保守を行うことにより、階高測定運転の要否を判定するための通常のサービス運転とは異なる特有の運転を実施する必要はない。また、特別な装置を追加することなく、階高測定運転の要否判定を簡易に行うことができる。
また、シーブ磨耗量を直接測定するため、主ロープのクリープ量や終端階検出の検出誤差といった従来技術におけるシーブ磨耗量測定の誤差要因も排除できる。
また、元々エレベーターの運転制御用マイコン、外部操作器または遠隔監視装置に登録されている制御パラメータと実際に測定したシーブ磨耗量から階高測定運転の要否を判定しているので、異なる仕様のエレベーターにおいても汎用的に適用できる。すなわち、ROM15、外部操作器20または遠隔監視装置に各種エレベーターの制御パラメータを記憶させておけば、制御パラメータを切替えることで異なる仕様のエレベーターにおいても汎用的に階高測定運転の要否が判定できる。
なお、本実施例では、現地で測定したシーブ磨耗量を、操作器17または外部操作器20を用いてCPU14にセットし、エレベーターの制御装置11に実装されたROM15に格納した制御パラメータを用いてかご1の移動量の偏差量を算出する処理について説明したが、予め外部操作器20に現地エレベーターのパラメータを格納しておき、現地で測定したシーブ径を外部操作器20のCPUにセットし、外部操作器20側で上記(2)〜(6)式を演算して階高測定運転の要否を判定するようにしても良い。また、制御パラメータを変更することで別のエレベーターに適用するも可能である。
また、制御パラメータを遠隔監視装置側で格納しておき、測定したシーブ径を、外部操作器20を用いて遠隔監視装置のCPUにセットすることで、遠隔監視装置側で上記(2)〜(6)式を演算して階高測定運転要否の判定を行い、判定結果を遠隔装置側で表示するようにしても良い。この場合、遠隔監視装置側で監視対象の全てのエレベーターの状態を把握することが可能となる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
1・・・かご
2・・・釣合い錘
3・・・主ロープ
4・・・シーブ
5・・・かご位置検出器
6・・・遮へい板
7・・・各階乗場
8・・・電動機
9・・・パルス発生器
10・・・電力変換装置
11・・・エレベーターの制御装置
12・・・三相交流電源
13・・・A/D変換器
14・・・制御用マイコン(CPU)
15・・・プログラム格納用メモリ(ROM)
16・・・データ書き込み用メモリ(RAM)
17・・・操作器
18・・・入出力インターフェース
19・・・共通制御バス
20・・・外部操作器
21・・・外部発報器

Claims (9)

  1. エレベーターの階高測定運転の要否判定を行い、エレベーターの階高測定運転を実施するようにしたエレベーターの保守方法において、
    エレベーターの運転が乗客に提供されない期間でエレベーターが停止している状態で巻上機のシーブ摩耗量を実測し、
    前記実測したシーブ摩耗量とエレベーターの制御パラメータに基づき、シーブ摩耗による階と階の間のかご移動距離の偏差を求め、前記かご移動距離の偏差に基づき階高測定運転の要否判定を行うことを特徴とするエレベーターの保守方法。
  2. 請求項1に記載のエレベーターの保守方法において、
    前記かご移動距離の偏差を階高測定運転の要否判定値と比較して、前記かご移動距離の偏差が前記要否判定値以上の場合に階高測定運転が要と判定することを特徴とするエレベーターの保守方法。
  3. 請求項2に記載のエレベーターの保守方法において、
    前記エレベーターの制御パラメータは、前記シーブの直径D、ローピングK、階と階との間の距離A、着床間際の微速走行速度B、及び着床間際の微速走行時間Cを含み、
    前記実測したシーブ摩耗量と、前記シーブの直径D、前記ローピングK、前記階と階との間の距離Aに基づいて前記シーブ摩耗による階と階の間のかご移動距離の偏差を求め、
    前記かご移動距離の偏差を、前記着床間際の微速走行速度B及び微速走行時間Cに基づいて得られる階高測定運転の要否判定値と比較して階高測定運転の要否判定を行うことを特徴とするエレベーターの保守方法。
  4. かごと、釣合い錘と、一端には前記かごが結合され他端には前記釣合い錘が結合される主ロープと、前記主ロープが巻掛けられるシーブと、前記シーブを駆動する電動機と、前記電動機の回転に応じてパルス信号を発するパルス発生器と、前記パルス発生器から出力されるパルス信号を含む各種データを取り込んでエレベーターを制御する制御装置と、前記制御装置からの指令に基づき前記電動機へ電力を供給する電力変換装置と、各階に設置された遮へい板と、前記かごに取り付けられて前記遮へい板を通過することにより動作するかご位置検出器を備えたエレベーターシステムであって、
    前記制御装置は、前記パルス発生器に接続されたアナログ−ディジタル変換器と、運転制御用のマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータの動作プログラムや制御パラメータおよびかご位置データを格納するメモリと、外部回路との間でデータ入出力を行う入出力インターフェースとを備え、
    前記制御装置内のメモリに、エレベーター据付時に、前記制御装置内に設けられたエレベーターの運転を操作する操作器または前記入出力インターフェースに接続されエレベーターの運転を操作する外部操作器を操作して実施した階高測定運転に基づく各階の位置データを記憶するようにしたエレベーターシステムにおいて、
    前記操作器または前記外部操作器は、前記制御装置にエレベーターの検査の際に実測したシーブ摩耗量を入力できるように構成され、
    前記マイクロコンピュータは、前記実測したシーブ摩耗量と前記メモリに格納されている制御パラメータに基づき、シーブの摩耗による階と階の間のかご移動量の偏差を求め、階高測定運転の要否を判定することを特徴とするエレベーターシステム。
  5. 請求項4に記載のエレベーターシステムにおいて、
    前記入出力インターフェースに前記階高測定運転の要否判定を外部に発報する外部発報器が接続可能になっていることを特徴とするエレベーターシステム。
  6. かごと、釣合い錘と、一端には前記かごが結合され他端には前記釣合い錘が結合される主ロープと、前記主ロープが巻掛けられるシーブと、前記シーブを駆動する電動機と、前記電動機の回転に応じてパルス信号を発するパルス発生器と、前記パルス発生器から出力されるパルス信号を含む各種データを取り込んでエレベーターを制御する制御装置と、前記制御装置からの指令に基づき前記電動機へ電力を供給する電力変換装置と、各階に設置された遮へい板と、前記かごに取り付けられて前記遮へい板を通過することにより動作するかご位置検出器を備えたエレベーターシステムであって、
    前記制御装置は、前記パルス発生器に接続されたアナログ−ディジタル変換器と、運転制御用のマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータの動作プログラムや制御パラメータおよびかご位置データを格納するメモリと、外部回路との間でデータ入出力を行う入出力インターフェースとを備え、
    前記制御装置内のメモリに、エレベーター据付時に、前記制御装置内に設けられたエレベーターの運転を操作する操作器または前記入出力インターフェースに接続されエレベーターの運転を操作する外部操作器を操作して実施した階高測定運転に基づく各階の位置データを記憶するようにしたエレベーターシステムにおいて、
    前記外部操作器は、エレベーターの制御パラメータを格納しており、エレベーターの検査の際に実測したシーブの摩耗量と前記格納されている制御パラメータに基づき、シーブの摩耗による階と階の間のかご移動量の偏差を求め、階高測定運転の要否を判定することを特徴とするエレベーターシステム。
  7. 請求項6に記載のエレベーターにおいて、
    前記外部操作器は、複数機種のエレベーターの制御パラメータを格納しており、制御パラメータを切換えることにより複数機種のエレベーターの階高測定運転の要否を判定することができるように構成されていることを特徴とするエレベーターシステム。
  8. かごと、釣合い錘と、一端には前記かごが結合され他端には前記釣合い錘が結合される主ロープと、前記主ロープが巻掛けられるシーブと、前記シーブを駆動する電動機と、前記電動機の回転に応じてパルス信号を発するパルス発生器と、前記パルス発生器から出力されるパルス信号を含む各種データを取り込んでエレベーターを制御する制御装置と、前記制御装置からの指令に基づき前記電動機へ電力を供給する電力変換装置と、各階に設置された遮へい板と、前記かごに取り付けられて前記遮へい板を通過することにより動作するかご位置検出器を備えたエレベーターシステムであって、
    前記制御装置は、前記パルス発生器に接続されたアナログ−ディジタル変換器と、運転制御用のマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータの動作プログラムや制御パラメータおよびかご位置データを格納するメモリと、外部回路との間でデータ入出力を行う入出力インターフェースとを備え、
    前記制御装置内のメモリに、エレベーター据付時に、前記制御装置内に設けられたエレベーターの運転を操作する操作器または前記入出力インターフェースに接続されエレベーターの運転を操作する外部操作器を操作して実施した階高測定運転に基づく各階の位置データを記憶するようにしたエレベーターシステムにおいて、
    前記入出力インターフェースには遠隔監視装置が接続され、
    前記遠隔監視装置は、エレベーターの制御パラメータを格納しており、エレベーターの検査の際に実測したシーブの摩耗量と前記格納されている制御パラメータに基づき、シーブの摩耗による階と階の間のかご移動量の偏差を求め、階高測定運転の要否を判定することを特徴とするエレベーターシステム。
  9. 請求項8に記載のエレベーターにおいて、
    前記遠隔監視装置は、複数機種のエレベーターの制御パラメータを格納しており、制御パラメータを切換えることにより複数機種のエレベーターの階高測定運転の要否を判定することができるように構成されていることを特徴とするエレベーターシステム。
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