JP2016022701A - 機能性フィルムの製造方法、機能性フィルム、偏光板の製造方法及び透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

機能性フィルムの製造方法、機能性フィルム、偏光板の製造方法及び透明導電性フィルムの製造方法 Download PDF

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征一 磯嶋
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Mayu Tanaka
麻友 田中
慶介 橋本
Keisuke Hashimoto
慶介 橋本
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Abstract

【課題】層間密着性が良好で、干渉縞を防止でき、かつ生産効率に優れる機能性フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成する機能性フィルムの製造方法であって、該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすように全ての機能層を形成する、機能性フィルムの製造方法。
0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
【選択図】なし

Description

本発明は、機能性フィルムの製造方法、機能性フィルム、偏光板の製造方法及び透明導電性フィルムの製造方法に関する。
現在、透明基材上に多層の機能層を積層した機能性フィルムは数多く提案されている。
このような多層の機能性フィルムとしては、液晶ディスプレイやタッチパネル等に用いられる光機能性フィルムが多く提案されている。例えば、透明基材上に、光学膜厚の高屈折率層及び低屈折率層をこの順に積層し、光学干渉機能により反射を防止する、反射防止フィルム等が挙げられる。
このような多層の光機能性フィルムは、主に、一つの光機能層を塗布、乾燥、硬化するごとに巻取りを行う方式(以下、「逐次方式」)により製造されている。
しかし、逐次方式は、巻き取り回数が多いため、巻取りごとに巻き芯側に欠陥が生じ、また、一旦巻き取ったフィルムを送り出す際に発生する静電気によりフィルムに埃が付着して、該埃を原因としても欠陥が生じてしまう。
また、機能層が十分に硬化されておらずタック感を有する状態で巻取りを行うと、巻き取りロールがブロッキングしてしまう。このため、逐次方式では一つの機能層を形成する際に、該機能層を十分に硬化させなければならない。しかし、十分に硬化された機能層上に次の機能層塗液を塗布すると、該塗布液にはじきが生じ易くなり、次の機能層にはじきに起因した欠陥が生じてしまう。
以上の欠陥によって逐次方式では歩留まりが悪いという問題があった。
上記逐次方式の問題を解消するものとして、電離放射線硬化型樹脂を含有する2つの組成物を同時重層塗布する手段が開示されている(特許文献1)。
特開2008−250267号公報
特許文献1の方式は、逐次方式のような巻取り回数の問題がなく、各機能層の密着性にも優れている。しかし、特許文献1のように2つの組成物を同時重層塗布する場合、製造条件が適切でない場合、各組成物が混ざり過ぎてしまうという問題がある。また、適切な製造条件は組成物の種類により異なるため、特許文献1の手段では、多層の機能性フィルムを安定して製造することは困難であった。
本発明は、このような状況下になされたものであり、インラインで連続的に機能層を形成するため、生産効率及び歩留まりが良好であり、製造条件を容易に制御できるとともに、密着性も良好にできる機能性フィルムの製造方法、機能性フィルム、偏光板の製造方法及び透明導電性フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の機能性フィルムの製造方法、機能性フィルム、偏光板の製造方法及び透明導電性フィルムの製造方法は、以下の[1]〜[13]である。
[1]透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成する機能性フィルムの製造方法であって、
該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすように全ての機能層を形成する、機能性フィルムの製造方法。
0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
[2]各機能層を形成する際の電離放射線の照射量に関して、透明基材側からn番目の機能層の電離放射線の照射量をXn、透明基材側からn+1番目の機能層の電離放射線の照射量をXn+1とした際に、Xn≦Xn+1の関係を常に満たす、上記[1]に記載の機能性フィルムの製造方法。
[3]透明基材の同一面上に形成する最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射が完了した段階で、透明基材の同一面上に形成する全ての機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物が完全硬化するのに必要な電離放射線の100%以上の照射を完了している、上記[1]又は[1]に記載の機能性フィルムの製造方法。
[4]前記機能層を三以上形成する上記[1]〜[3]の何れかに記載の機能性フィルムの製造方法。
[5]前記二以上の機能層が、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層から選ばれる二以上の層である、上記[1]〜[3]の何れかに記載の機能性フィルムの製造方法。
[6]前記二以上の機能層が、互いに接する層の屈折率が異なる複数の透明層を含み、該複数の透明層どうしで光学干渉機能を生じる、上記[1]〜[4]の何れかに記載の機能性フィルムの製造方法。
[7]前記複数の透明層が、屈折率1.50〜2.00、厚み200nm以下の高屈折率層、及び屈折率1.25〜1.55、厚み200nm以下の低屈折率層を前記透明基材側から順に有する、上記[6]に記載の機能性フィルムの製造方法。
[8]前記二以上の機能層が、さらにハードコート層を含み、該ハードコート層が前記複数の透明層より前記透明基材側に位置する、上記[6]又は[7]に記載の機能性フィルムの製造方法。
[9]前記二以上の機能層のうちの何れかの機能層中に、最表面に位置する機能層の表面に凹凸を形成する粒子を含有してなる、上記[1]〜[8]の何れかに記載の機能性フィルムの製造方法。
[10]透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成し、
さらに、該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすようにして全ての機能層を形成した後に、
前記透明基材の前記機能層とは反対側の面をケン化処理し、該ケン化処理側の面と、偏光子とを貼り合わせる、偏光板の製造方法。
0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
[11]上記[1]〜[9]の何れかに記載の製造方法で得られた機能性フィルムの最表面に、物理的又は化学的蒸着法により透明導電膜を形成してなる、透明導電性フィルムの製造方法。
[12]前記透明導電膜をエッチング液を用いたフォトリソグラフィ法によりパターニング化し、アルカリ洗浄でエッチング液を除去する、上記[11]に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
[13]上記[1]〜[9]の何れかに記載の製造方法で得られた機能性フィルム。
本発明の機能性フィルムの製造方法は、生産効率及び歩留まりが良好で、製造条件を容易に制御できるとともに、密着性も良好にすることができる。
本発明の機能性フィルムの製造方法に用いる塗工装置の概略図
[機能性フィルムの製造方法]
本発明の機能性フィルムの製造方法は、透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成する機能性フィルムの製造方法であって、該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすように全ての機能層を形成するものである。
0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
図1は、本発明の機能性フィルムの製造方法に用いる塗工装置の概略図である。以下、適宜図1を引用しつつ、本発明の実施形態を説明する。
本発明の機能性フィルムの製造方法は、透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成する際に、二以上の機能層のうちの互いに接する機能層をインラインで連続的に形成する。インラインで連続的に機能層を形成することにより、巻き取り回数を最小限に抑えることができ、巻き芯側に生じる欠陥や、埃を原因とする欠陥を減らし、ひいては歩留まりを向上させることができる。
互いに接する機能層をインラインで連続的に形成するには、透明基材を送り出すアンワインダーと、機能性シートを巻き取るワインダーとの間に、塗膜形成手段と硬化手段とを一つの機能層形成ユニットとする複数の機能層形成ユニットを有する塗工装置を用いればよい。例えば、図1の塗工装置1は、アンワインダー11とワインダー12との間に、3つの機能層形成ユニット(13、14、15)を有している。図1の塗工装置1は、アンワインダー11から送り出した透明基材を塗工ライン中で張力を付与しながら搬送し、透明基材上に、各ユニットを用いて、機能層をインラインで連続的に3層形成可能に構成されている。
また、機能層塗布液が溶剤を含む場合には、上記ユニットがさらに乾燥手段(13b、14b、15b)を含むことが好ましい。なお、各ユニットにおいて、乾燥手段(13b、14b、15b)は、図1のように硬化手段(13c、14c、15c)の前に位置することが好ましい。
塗膜形成手段としては、ディップコート、ロールコート、バーコート、ダイコート、グラビアコート、ブレードコート、エアナイフコート等の公知のコーティング手段が挙げられる。機能層ごとの塗膜形成手段は同一であっても良いし、異なっていてもよい。
硬化手段としては、高圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等が挙げられる。
乾燥手段としては、ドライヤー、ランプヒーター等が挙げられる。
本発明の「連続的」とは、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される機能層(以下、「電離放射線硬化型機能層」と称する場合がある。)であって、同一面上に形成され、かつ互いに接するように形成される機能層を連続的に形成することをいう。
例えば、透明基材の一方の面に複数の機能層を連続的に形成して一旦巻き取り、その後、逆側の面に複数の機能層を連続的に形成するものも、本発明の範囲に含まれるものとする。
また、機能性フィルムが電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される以外の層を有する場合、該層を連続的に形成しない場合も本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、透明基材の一方の面に複数の機能層を連続的に形成して一旦巻き取り、その後、同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される以外の層(例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂から形成される層)を形成する場合は本発明の範囲に含まれるものとする。なお、同一面上に形成する層は、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される以外の層であってもインラインで連続的に製造することが好ましい。
また、「最後の機能層」とは、一つのインライン工程において最後に形成した機能層のことである。
機能層は透明基材の一方の同一面上に二以上有していればよいが、機能層を三以上有している場合には、本発明の効果がより顕著になる点で好適である。
また、本発明では、透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成する際に、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすように全ての機能層を形成する。
0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
Xα/Xが0.55未満の場合、最後の機能層を形成する段階で多くの電離放射線が照射されていることになる。このため、最後の機能層の以前に形成される機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化が進んで官能基の残存割合が少なくなり、次に形成する機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物の塗れ性を向上させることができず、機能層相互の密着性を良好にできなくなる。
また、Xα/Xが0.95を超える場合、最後の機能層の以前に形成される機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物の硬化が進んでいないため、該組成物が次の機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物の溶媒に溶け、機能層相互が混合し、各層が単独で生じる機能ないしは各層の相互機能(例えば、パターン化された透明導電層の不可視化)を発現できなくなることがある。
すなわち、本発明は、組成物の種類に関係することなく、電離放射線の照射量が式(1)の条件を満たすようにすることにより、機能層相互の混合による機能の低下や、機能層相互の密着性の低下を防止することができる。
Xα/Xは、0.60以上0.90以下であることが好ましく、0.65以上0.85以下であることがより好ましい。
本発明では、各機能層を形成する際の電離放射線の照射量に関して、透明基材側からn番目の機能層の電離放射線の照射量をXn、透明基材側からn+1番目の機能層の電離放射線の照射量をXn+1とした際に、Xn≦Xn+1の関係を常に満たすことが好ましい。Xn≦Xn+1の関係を常に満たすことにより、上述した効果をより発揮しやすくできる。
また、上述した効果をさらに発揮しやすくする観点から、Xn<Xn+1の関係を常に満たすことがより好ましい。
なお、本発明の密着性は、アルカリ処理後の密着性、高温高湿環境放置後の密着性、及び前記二条件を組み合わせた密着性をいう。密着性の評価は、実施例記載の方法により評価することができる。
(1)アルカリ処理後の密着性
偏光板は、偏光子と保護フィルムとを水系の接着剤を介して貼り合わせることにより製造される。そして、保護フィルムと水系の接着剤との密着性を向上させるため、保護フィルムの透明基材にはアルカリ溶液を用いた鹸化処理が行われる。また、透明電極がパターニングされた透明導電性フィルムは、透明導電膜形成用基材に透明導電膜を形成し、該透明導電膜をエッチングしてパターニングする一連の工程の間に、アルカリ溶液での処理工程が存在する。
本発明により製造された機能性フィルムは、上記のようなアルカリ処理がなされた後の密着性に優れる。このため、本発明により製造された機能性フィルムは、偏光板用保護フィルムや、透明導電性フィルム製造用の透明導電膜形成用基材として好適に用いることができる。
(2)高温高湿環境での放置後の密着性
機能性フィルム(液晶ディスプレイ等に機能性フィルムが組み込まれた場合も含む)は実使用環境上、高温、高湿熱環境に晒される場合がある。また機能性フィルムをコンテナで輸送する場合には、高温、高湿熱環境に長期置かれる場合がある。また、透明導電性フィルムは、透明導電膜形成用基材に透明導電膜を形成した後、透明導電膜を構成する無機物を結晶化するために高温での熱処理が行われる。
本発明により製造された機能性フィルムは、高温、高湿環境での放置後においても密着性に優れるものである。このため、本発明により製造された機能性フィルムは、高温高湿環境に晒される用途、特に、偏光板用保護フィルム、透明導電性フィルム製造用の透明導電膜形成用基材等として好適に用いることができる。
(3)上記(1)及び(2)の組み合わせ後の密着性
本発明により製造された機能性フィルムは、アルカリ処理後、かつ高温高湿環境での放置後においても密着性に優れるものである。
また、透明基材の同一面上に形成する最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射が完了した段階で、透明基材の同一面上に形成する全ての機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物が完全硬化するのに必要な電離放射線の100%以上の照射を完了していることが好ましい。かかる条件を満たすことにより、機能層の硬化不足による機能の低下や、巻き取り時のブロッキングを防止しやすくできる。また、最後の電離放射線の照射で100%の照射を完了させればよいため、複数有する硬化手段のうち、最後の硬化手段の照射強度を強くすれば足り、高圧水銀灯等の硬化手段の設置効率の点でも効果的である。
電離放射線の照射量は、照射強度と照射時間により調整することができる。また、完全硬化とは、それ以上電離放射線を照射しても実質的に硬化が進行することがなくなった状態をいう。なお、硬化の程度は、赤外分光法やラマン分光法により、(メタ)アクリロイル基由来の二重結合の量を測定することにより確認できる。
透明基材としては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような透明基材としては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。透明基材は、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。なお、プラスチックフィルムの中でも、1/4波長位相差のプラスチックフィルムは、偏光サングラスを通して液晶ディスプレイの画像を観察した場合に、表示画面に色の異なるムラが観察されることを防止できる点で好適である。
これらプラスチックフィルムの中でも、光学異方性が少ないという観点からはTAC及びCOPが好ましい。また、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)は、機械的強度や寸法安定性に優れる点で好ましい。
なお、本発明において、透明基材、並びに後述する透明層、透明導電膜、及び透明導電性フィルムにおける「透明」とは、可視光を透過する領域を面内に持っていることを意味し、実質的に半透明であってもよい。また、「透明」とは、たとえば波長550nmでの光透過率が概ね50%以上であることをいう。
透明基材の厚さは、5〜300μmであることが好ましく、20〜200μmであることがより好ましい。
透明基材の表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される機能層は、(i)及び(ii)のように、透明基材の同一面上に有しているものでもよいし、(iii)及び(iv)のように両面に有しているものでもよい。
(i)透明基材/機能層a/機能層b
(ii)透明基材/機能層a/機能層b/機能層c
(iii)機能層b’/機能層a’/透明基材/機能層a/機能層b
(iv)機能層c’/機能層b’/機能層a’/透明基材/機能層a/機能層b/機能層c
なお、本発明において、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される以外の層を形成することは差し支えない。例えば、透明基材と、最も透明基材側に位置する機能層との間にプライマー層を形成することや、最表面の機能層上に帯電防止層を形成してもよい。
電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される機能層としては、ハードコート層、反射防止層、ニュートンリング防止層等が挙げられる。
本発明においては、該機能層として、互いに接する層の屈折率が異なる複数の透明層であって、該複数の透明層同士で光学干渉を生じる透明層(以下、「複数の透明層」という場合がある)を含むことが好ましい。
複数の透明層には、光学干渉により、反射防止機能や、機能性フィルムに透明導電膜からなる配線パターンを形成した際に該パターンを見えにくくする機能(不可視化機能)を備えさせることができる。
また、二以上の機能層は、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層から選ばれる二以上の層であることが好ましい。
複数の透明層の厚みは、透明層の屈折率、透明層の積層数等により異なるため一概には言えないが、それぞれの層の厚みが10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましく、15〜80nmであることがさらに好ましい。
また、複数の透明層の合計厚みは、透明層の積層数等により異なるため一概には言えないが、400nm未満であることが好ましく、30〜300nmであることがより好ましい。
複数の透明層は、光学干渉機能を発揮するために、互いに接する層の屈折率が異なるように構成する。また、複数の透明層は、透明基材側に最も屈折率の高い透明層を配置し、透明基材から遠ざかるにつれて屈折率が低い透明層を配置することが好ましい。
複数の透明層としては、高屈折率層及び低屈折率層の2層構造、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層の3層構造、あるいは4層以上の多層構造が挙げられる。この中でも、製造効率の観点から、高屈折率層及び低屈折率層の2層構造が好適である。
高屈折率層は、例えば、電離放射線硬化型樹脂組成物及び高屈折率粒子を含む機能層塗布液から形成することができる。
高屈折率粒子としては、酸化亜鉛(1.90)、酸化チタン(2.3〜2.7)、酸化セリウム(1.95)、酸化アンチモン(1.79)、スズドープ酸化インジウム(1.95〜2.00)、アンチモンドープ酸化スズ(1.75〜1.85)、酸化イットリウム(1.87)及び酸化ジルコニウム(2.10)等が挙げられ、これらの中でも、適度に高い屈折率を有し、耐光性等の耐久安定性が高いという観点から、酸化ジルコニウムが好適である。なお、上記かっこ内は、各粒子の材料の屈折率を示す。
高屈折粒子の形状は、球形、不定形、中空、多孔質及び中実等の何れであってもよい。
また、高屈折率粒子は塗膜中で分散体、つまり一次粒子の形態で存在することが好ましい。高屈折粒子の平均一次粒子径は、通常、100nm以下であり、5〜60nmであることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂組成物としては、アクリレート系又はメタクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物を挙げることができる。
1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等を挙げることができる。
2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物、及び、これらの多官能化合物と(メタ)アクリレートとの反応生成物(例えば、多価アルコールの(メタ)アクリレートエステルオリゴマー)、これらの多官能化合物とイソシアネート系化合物との反応物(ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー)等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
また、これらの化合物は、芳香族環、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄、窒素、リン原子等を導入して、屈折率を高く調整したものであってもよい。
さらに、上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も電離放射線硬化型樹脂組成物として使用することができる。
電離放射線硬化型樹脂組成物を紫外線照射によって硬化させる場合には、該組成物中に光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−アシルオキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合障害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステルなどが挙げられる。
高屈折率層の屈折率は、複数の透明層を高屈折率層及び低屈折率層の2層構成とする場合、1.50〜2.00であることが好ましく、1.55〜1.75であることがより好ましい。
高屈折率層の厚みは、複数の透明層を高屈折率層及び低屈折率層の2層構成とする場合、200nm以下であることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。
高屈折率層中の高屈折率粒子の含有量は、目的とする屈折率に合わせて適宜調整すればよい。
なお、高屈折率層、低屈折率層、及びハードコート層等の機能層の膜厚は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査透過型電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。測定する膜厚がμmオーダーの場合、SEMを用いることが好ましく、nmオーダーの場合、TEM又はSTEMを用いることが好ましい。SEMの場合、加速電圧は1〜10kV、倍率は1000〜7000倍とすることが好ましく、TEM又はSTEMの場合、加速電圧は10〜30kV、倍率は5万〜30万倍とすることが好ましい。
また、高屈折率層、低屈折率層、及びハードコート層等の機能層の屈折率は、例えば、反射光度計により測定した反射スペクトルと、フレネル係数を用いた多層薄膜の光学モデルから算出した反射スペクトルとのフィッティングにより算出することができる。
低屈折率層は、例えば、電離放射線硬化型樹脂組成物及び低屈折率粒子を含む機能層塗布液から形成することができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物としては、高屈折率層で例示したものを用いることができる。
また、硬度及び透明導電膜の密着性という観点からは、電離放射線硬化性化合物として、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジアクリル化イソシアヌレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレート等の、OH基を1個以上有する多官能(メタ)アクリレートを構成要素として含むものを用いることが好適である。なお、構成要素として含むとは、該多官能(メタ)アクリレートが、他の材料(例えばイソシアネート系化合物)と反応するなどして、OH基を少なくとも1個以上残存させた形で存在するものを含むことを意味する。
低屈折率粒子は、シリカ、フッ化マグネシウム等が挙げられる。中でも耐熱安定性の観点からシリカが好適である。また、シリカは、分散安定性の観点から、コロイダルシリカを有機溶媒に分散させたコロイド溶液が好ましく使用される。また、シリカ表面に反応性官能基を有する反応性シリカ粒子を使用することができ、該反応性シリカ粒子は、バインダー樹脂との間で架橋構造を構成することが可能となり、低屈折率層の硬度を極めて優れたものとすることができる。
低屈折粒子の形状は、球形、不定形、中空、多孔質及び中実等の何れであってもよい。
また、低屈折率粒子は塗膜中で分散体である一次粒子の形態で存在することが好ましい。
低屈折粒子の平均一次粒子径は、通常、100nm以下であり、5〜60nmであることが好ましい。
低屈折率層の屈折率は、複数の透明層を高屈折率層及び低屈折率層の2層構成とする場合、1.25〜1.55であることが好ましく、1.30〜1.50であることがより好ましい。
低屈折率層の厚みは、複数の透明層を高屈折率層及び低屈折率層の2層構成とする場合、200nm以下であることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。
低屈折率層中の低屈折率粒子の含有量は、目的とする屈折率に合わせて適宜調整すればよい。
また、透明基材と複数の透明層との間には、耐擦傷性を向上する観点から、ハードコート層を有することが好ましい。複数の透明層は薄膜であることから、電離放射線硬化型樹脂組成物により該層を形成しても耐擦傷性の向上には限界があるが、厚さの制限がないハードコート層を設けることにより、耐擦傷性をより十分にすることができる。ハードコート層は、上述した電離放射線硬化型樹脂組成物及び必要に応じて含有する微粒子から形成されてなることが好ましい。
ハードコート層の表面のJIS K5600−5−4(1999)の鉛筆硬度はB以上であることが好ましい。鉛筆硬度をB以上とすることにより、ハードコート層の硬さを複数の透明層の表面に十分に反映させることができ、耐久性を向上させることができる。なお、ハードコート層上に形成する層との密着性やカールの防止の観点から、ハードコート層の表面の鉛筆硬度の上限は5H程度とすることが好ましい。
ハードコート層の厚みは、0.5〜20μmであることが好ましく、1.0〜10μmであることがより好ましい。厚みを0.5μm以上とすることにより、ハードコート層表面を十分硬くすることができ、厚みを20μm以下とすることにより、カールの発生やハードコート層の曲げによる割れを防止することができる。
ハードコート層の屈折率は、干渉縞防止の観点から、透明基材、又は透明基材上に必要に応じて形成するプライマー層等との屈折率差を0.15以内とすることが好ましく、0.10以内とすることがより好ましく、0.08以内とすることがさらに好ましい。ただし、ハードコート層の屈折率が前記条件を満たさなくても、透明基材とハードコート層との界面を凹凸にしたり、透明基材やプライマー層にハードコート層の成分を浸透したりすることにより、干渉縞を低減することができる。
また、機能層塗布液には、必要に応じて、熱可塑性樹脂組成物や熱硬化型樹脂組成物を含有してもよい。
本発明では、巻き取り時のブロッキング防止の観点から、二以上の機能層のうちの何れかの機能層中に、最表面に位置する機能層の表面に凹凸を形成する粒子を含有させることが好ましい。なお、最表面に位置する層に粒子を含有させた場合、粒子により形成される表面凹凸が急峻になりやすく、白化を生じる場合があることから、最表面に位置する機能層以外の機能層中に粒子を含有させることが好適である。なお、粒子とは、凝集粒子であっても、非凝集粒子である一次粒子であってもよい。
最表面に位置する機能層の表面に凹凸を形成する粒子は、例えば、最初に形成する機能層中に含有させることができる。以下、最初に形成する機能層中に含有させる粒子を、粒子aと称する場合がある。
粒子aは、機能性フィルムが、透明基材上にハードコート層及び複数の透明層を有する構成の場合、ハードコート層中に含有することが好ましい。また、粒子aは、ブロッキング防止性及び透明導電膜の成膜性のバランスの観点から、以下の条件aを満たすことが好ましい。
条件a:[粒子aの平均粒子径/粒子aを含む層の膜厚+該層の透明基材とは反対側に形成する層の膜厚]= 0.5〜5.0
条件aは、0.8〜3.0であることがより好ましく、1.0〜2.0であることがさらに好ましい。
また、本発明においては、最表面に位置する機能層の表面に凹凸を形成する粒子は、最初に形成する機能層中に含有させないことも可能である。以下、最初に形成する機能層以外の層に含有させる粒子を、粒子bと称する場合がある。
一つの機能層を形成するごとに巻き取る製造方法(逐次方式)の場合、最初に形成する機能層に、機能層表面に凹凸を形成するような大きな粒子を含有させて、後に形成する機能層の巻き取り時を含めた一連のブロッキングを防止する。このため、逐次方式では、粒子の選定が粒子径が大きいものに限定されてしまう。一方、本発明は、連続的に機能層を形成するため、ブロッキングは最後の機能層を形成した後の巻き取りのことだけを考慮すれば足り、ブロッキングを防止するための粒子を必ずしも最初に形成する機能層中に含有させないことも可能となり、粒子の選定が容易となる。また、機能層表面に凹凸を形成する粒子は、機能性フィルムの表面に透明導電膜を成膜する際には悪影響を与える場合があるが、粒子選定の幅が広がるため、該悪影響を与えない粒子の選定も容易となる。
また、完全に硬化していない状態が一定時間継続する最初の機能層に大きな粒子を含有する場合、機能性フィルムが完成するまでの間に粒子が動いて外観欠陥を生じることがあるが、本発明では最初の機能層に大きな粒子を含有させる必要がないため、該不具合を生じづらくさせることができる。
粒子bは、透明基材上に、ハードコート層及び複数の透明層を有する構成の場合、複数の透明層中に含有することが好ましく、複数の透明層の中でも最も透明基材側に位置する透明層(例えば、複数の透明層が、透明基材側から高屈折率層及び低屈折率層を有する場合、高屈折率層)中に含有することが好ましい。
粒子bは、ブロッキング防止性及び透明導電膜の成膜性のバランスの観点から、以下の条件bを満たすことが好ましい。なお、条件bの値は、1.0〜4.0であることがより好ましい。
条件b:[粒子bの平均粒子径/粒子bを含む透明層の膜厚+該層の透明基材とは反対側に形成する透明層の膜厚]= 0.5〜5.0
例えば、透明基材上に、ハードコート層、高屈折率層、低屈折率層をこの順に有し、高屈折率層中に凝集粒子を含有する場合、[凝集粒子の平均粒子径/高屈折率層の膜厚+低屈折率層の膜厚]の比が0.5〜5.0であることが好ましい。
また、粒子a及びbは凝集粒子を用いることができる。通常、ブロッキングを防止するための粒子は滑り性を付与するために略球形の形状を有しており、該粒子が一次粒子の形態でブロッキングを防止する場合、該一次粒子に基づく表面凹凸は急峻になりやすい。一方、凝集粒子の形態でブロッキングを防止する場合、該凝集粒子に基づく表面凹凸は滑らかになりやすい。凝集粒子から形成される表面凹凸が滑らかになる理由は、次の(1)、(2)が考えられる。(1)凝集粒子は、自身を構成する微粒子の間に隙間を有するが、塗膜を形成する際の塗膜の収縮により該隙間が破壊され、凝集粒子は厚み方向に潰される。(2)凝集粒子の形状は不定形であり、かつ塗膜内において凝集粒子の長径方向が塗膜面に略水平になるような向きで安定する。
複数の透明層の表面が滑らかであると、機能性フィルムで問題になる白化を抑制することができる点や、透明導電性フィルムのITO等からなる透明導電膜の結晶化が良好にできるため表面抵抗率を安定させることができる点で好ましい。
透明層中の粒子を凝集粒子とする手段としては、塗工液中では一次粒子の形態で存在する微粒子を塗布、乾燥する際に、塗膜の乾燥時間を長く確保して、乾燥中に微粒子の凝集を進行させる手段が挙げられるが、凝集粒子の制御の容易の観点から、塗工液の時点で凝集粒子となっているものを用いることが好ましい。
上述した粒子又は凝集粒子の元となる粒子は、光透過性を有する微粒子が好適に使用される。このような微粒子としては、有機微粒子及び無機微粒子の何れも用いることができる。光透過性を有する微粒子の形状は、球形、不定形、中空、多孔質及び中実等の何れであってもよい。
光透過性を有する有機微粒子としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル−スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒド共重合体、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂及びポリエステル系樹脂等からなる微粒子が挙げられる。
また、光透過性を有する無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる微粒子が挙げられる。
上記微粒子の中でも、硬度及び耐久安定性の観点から無機微粒子が好適である。また、無機微粒子の中でも、凝集粒子の制御しやすさや、耐薬品性、自身の屈折率が1.45〜1.46とハードコートの屈折率1.51〜1.54よりも屈折率が小さく、かつ屈折率差が小さいため高透明膜にできる観点からシリカが好適である。
粒子として非凝集粒子である一次粒子を用いる場合、一次粒子は複数の透明層ではなく、ハードコート層中に含有させることが好ましい。ハードコート層中に含まれる一次粒子は、耐ブロッキング性及び白化防止の観点から、平均粒子径が0.1〜3μmであることが好ましく、含有割合は0.01〜5質量%であることが好ましい。
凝集粒子の平均粒子径や含有量等は、凝集粒子が含まれる機能層の位置、及び機能層の厚みにより異なるため一概には言えない。
(凝集粒子が複数の透明層中に含有される場合)
この場合、凝集粒子は、耐ブロッキング性及び白化の抑制の観点から、平均粒子径が100〜400nmであることが好ましく、含有量が0.1〜5質量%であることが好ましい。また、凝集粒子を構成する微粒子の平均一次粒子径は、微粒子の分散性の観点から、10〜70nmであることが好ましい。
(凝集粒子がハードコート層中に含有される場合)
この場合、凝集粒子は、耐ブロッキング性及び白化の抑制の観点から、平均粒子径が0.1〜3μmであることが好ましく、含有割合が0.05〜5質量%であることが好ましい。また、凝集粒子を構成する微粒子の平均一次粒子径は、微粒子の分散性の観点から、0.05〜1.0μmであることが好ましい。
本発明において粒子の平均粒子径は、粒子が凝集粒子の形態をとる場合、該凝集粒子の長径及び短径の平均から個々の凝集粒子の粒子径を算出し、これを平均することにより算出できる。具体的には、SEM、TEM又はSTEMによる機能性フィルムの表面像又は断面像から任意の2個の凝集粒子を抽出し(表面像の場合、無作為に2個選択できるが、断面の場合、粒子のどこで切られているか不明であるため、可能な限り大きい粒子を2個選択する)、個々の凝集粒子の長径及び短径を測定して、個々の凝集粒子の粒子径を算出し、同じサンプルの別画面の撮像において同様の作業を9回行って、合計20個分の凝集粒子の粒子径の数平均から得られる値を凝集粒子の平均粒子径とした。なお、長径は、凝集粒子の画面上において最も長い径とする。また、短径は、長径を構成する線分の中点に直交する線分を引き、該直交する線分が凝集粒子と交わる2点間の距離をいうものとする。
また、本発明において粒子が凝集粒子の形態をとっていない一次粒子である場合、該粒子の平均一次粒子径は、以下の(1)〜(3)の作業により算出できる。なお、高屈折率微粒子や低屈折率微粒子の一次粒子径も同様の手法で算出できる。
(1)粒子そのもの、または粒子の分散液を透明基材上に塗布乾燥させたものを、SEM、TEMまたはSTEMの表面像を撮像する。
(2)表面像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の長径及び短径を測定し、長径及び短径の平均から個々の粒子の粒子径を算出する。
(3)同じサンプルの別画面の撮像において同様の作業を5回行って、合計50個分の1次粒子の粒子径の数平均から得られる値を平均一次粒子径とした。
粒子の平均粒子径を算出する際において、算出する平均粒子径がμmオーダーの場合、SEMを用いることが好ましく、nmオーダーの場合、TEM又はSTEMを用いることが好ましい。SEMの場合、加速電圧は1〜10kV、倍率は1000〜7000倍とすることが好ましく、TEM又はSTEMの場合、加速電圧は10〜30kV、倍率は5万〜30万倍とすることが好ましい。
本発明の機能性フィルムの全体の層構成としては、以下の(i)〜(iv)の構成が例示できる。
(i)低屈折率層/高屈折率層/ハードコート層/透明基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
(ii)ハードコート層/透明基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
(iii)透明基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層
(vi)透明基材/ハードコート層/低屈折率層
また、上記(i)〜(iii)の構成において、透明基材と高屈折率層との間に位置するハードコート層が存在しない構成も挙げられる。該構成の場合、高屈折率層又は低屈折率層にハードコート性を付与することが好ましい。また、高屈折率層や低屈折率層を複数層で形成することも可能である。
なお、本発明において、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液から形成される以外の層を形成することは差し支えない。例えば、透明基材と、ハードコート層との間に熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂から形成されるプライマー層を形成することや、低屈折率層上に帯電防止層を形成してもよい。
[偏光板の製造方法]
本発明の偏光板の製造方法は、透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成し、さらに、該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすようにして全ての機能層を形成した後に、 前記透明基材の反対側の面をケン化処理し、該ケン化処理側の面と、偏光子とを貼り合わせるものである。
0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
ケン化処理前までの工程は、上述した本発明の機能性フィルムの製造方法と同様である。
ケン化処理は、水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液が用いられる。
偏光子としては、特定の振動方向をもつ光のみを透過する機能を有する偏光子であれば如何なるものでもよく、例えばPVA系フィルムなどを延伸し、ヨウ素や二色性染料などで染色したPVA系偏光子が挙げられる。
本発明では、機能層の表面にマスキングをすることなくアルカリ溶液を用いたケン化処理を行っても、機能層の密着性が良好である偏光板を得ることができる。また、通常はケン化処理の際に、機能層の機能維持のために機能層の表面にマスキングを行うが、本発明ではマスキングなしでケン化処理を行っても、機能層の密着性を維持することができる。
[透明導電性フィルムの製造方法]
本発明の透明導電性フィルムの製造方法は、上述した本発明の機能性フィルムの製造方法で得られた機能性フィルムの最表面に、物理的又は化学的蒸着法により透明導電膜を形成してなるものである。
透明導電膜を形成する材料としては、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、金、銀、パラジウム等が挙げられ、透明導電膜の形成後は、高温処理して結晶化させることが好ましい。結晶化の温度条件は材料により異なるが、通常140〜160℃で5〜120分程度である。
物理蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学蒸着法としては、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。
本発明では、透明導電膜の成膜時やその後の結晶化工程で高熱がかかっても、機能層の密着性が良好である透明導電性フィルムを得ることができる。
また、透明導電膜を形成した後は、透明導電膜をエッチング液を用いたフォトリソグラフィ法によりパターニング化し、アルカリ溶液でフォトレジストを剥膜する工程を行ってもよい。
透明導電膜がエッチング等でパターン化された場合、透明導電膜を有する箇所と、透明導電膜を有さない箇所との反射率の違いからパターンが可視化するが、機能層として複数の透明層を設けた場合、該複数の透明層の光学干渉作用により、透明導電膜を有する箇所と、透明導電膜を有さない箇所との反射率曲線を近似させることにより、透明導電膜のパターンを見えづらくすることができる。
エッチング液は、燐酸、硝酸、酢酸等から選ばれる酸成分、及び水を含む酸性エッチング液等を用いることができる。フォトレジストを剥膜するためのアルカリ溶液(フォトレジスト剥離液)は、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム水溶液(通常0.5〜3規定)を用いることができる。
本発明では、このようなアルカリ溶液によりフォトレジストを剥膜する工程を行っても、機能層の密着性が良好である透明導電性フィルムを得ることができる。
このようにして得られた透明導電性フィルムは各種電極に使用することができる。特に、静電容量式や抵抗膜式等のタッチパネル用の電極は、繰り返し押圧されるため高度な密着性が要求されることから、本発明の製造方法によって得られた透明導電性フィルムが好適に使用される。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
<密着性(アルカリ処理)>
機能性フィルムを、25℃の1規定の水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬した。次いで、ニチバン製セロテープNo.405を用いて碁盤目剥離試験を行い、100マスのうち残っているマス目の数を測定した。結果を表1に示す。
<密着性(耐熱+耐湿)>
機能性フィルムを、60℃、90%RHの環境下に250時間放置した。次いで、ニチバン製セロテープNo.405を用いて碁盤目剥離試験を行い、100マスのうち残っているマス目の数を測定した。結果を表1に示す。
<密着性(アルカリ処理+耐熱+耐湿)>
機能性フィルムを、25℃の1規定の水酸化ナトリウム水溶液に30分間浸漬した。さらに機能性フィルムを、60℃、90%RHの環境下に250時間放置した。次いで、ニチバン製セロテープNo.405を用いて碁盤目剥離試験を行い、100マスのうち残っているマス目の数を測定した。結果を表1に示す。
<ITOパターンの視認性(不可視化)>
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した機能性フィルムの低屈折率層上に、スパッタ装置を用いてスズドープ酸化インジウム(ITO)からなる透明導電層を成膜(厚み:25nm)し、温度150℃のオーブン中で30分間、熱処理することにより、透明導電層を結晶化させた。さらに、透明導電層上に、ストライプ状パターンのフォトレジストを形成し、塩酸に浸漬してエッチング処理を施し、ストライプ状にパターニングされた透明導電層を形成し、ITOパターンの視認性を目視で評価した。
パターンが目立たないものを◎、パターンがわずかに見えるものを○、パターンがはっきり見えるものを×とした。
<塗工装置>
図1に示すように、3つの機能層形成ユニット(13,14,15)、アンワインダー11及びワインダー12を有する塗工装置を用いた。
なお、塗工装置は、物性検査装置Aからデータベースに検査結果を送信可能に構成されている。また、データベースと塗膜形成条件制御手段とは関連付けられており、データベースでの制御指示により、塗膜形成条件制御手段での制御が可能なように構成されている。また、各塗工装置の後には、図示しないドライヤーと、紫外線照射装置が設置されている。
<塗膜形成手段、乾燥手段、硬化手段>
塗膜形成手段(13a,14a,15a)として、グラビアコート法を用いた。
乾燥手段(13b,14b,15b)として、ドライヤーを用いた。
硬化手段(13c,14c,15c)として、紫外線照射装置〔フュージョンUVシステムジャパン社製:Hバルブ(商品名)〕を用いた。
また、実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
・バインダー成分(1):日本化薬社製の多官能アクリレート、商品名KAYARAD−PET−30(PETA(ペンタエリスリトールトリアクリレート:3官能)
・高屈折率微粒子分散液(1):平均粒径10〜15nmのジルコニア粒子をメチルエチルケトンに分散させ、固形分30%としたもの。
・低屈折率微粒子分散液(1):平均粒径10〜15nmのシリカ粒子をメチルイソブチルケトンに分散させ、固形分30%としたもの。
・ブロッキング防止剤含有液(1)(平均粒径100〜200nmのシリカ凝集粒子をメチルイソブチルケトンに分散させ、固形分30%としたもの。)
・ブロッキング防止剤含有液(2)(平均粒径1.5μmのシリカ粒子をメチルイソブチルケトンに分散させ、固形分15%としたもの。
固形分15質量%)
・光重合開始剤(1):BASF社製の商品名イルガキュア184
・光重合開始剤(2):BASF社製の商品名イルガキュア127
・溶剤(1):メチルイソブチルケトン(略語:MIBK)
(ハードコート層用塗布液、高屈折率層塗布液、及び低屈折率層塗布液の調製)
下記に示す組成の成分を配合してハードコート層塗布液、高屈折率層塗布液、及び低屈折率層用組成物をそれぞれ調製した。
<ハードコート層塗布液a>
バインダー成分(1) 30質量部
溶剤(1) 70.0質量部
光重合開始剤(1) 1.2質量部
<高屈折率層塗布液b>
高屈折率微粒子分散液(1) 11.0質量部
バインダー成分(1) 1.6質量部
ブロッキング防止剤含有液(1) 0.05質量部
溶剤(1) 87.3質量部
光重合開始剤(2) 0.1質量部
<低屈折率層塗布液c>
低屈折率微粒子分散液(1) 2.0質量部
バインダー成分(1) 0.6質量部
溶剤(1) 97.3質量部
光重合開始剤(2) 0.1質量部
[実施例1]
上記塗工装置を用い、厚み125μmの透明ポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名TA010)上に、乾燥後の厚みが2.5μmとなるようにハードコート層塗布液aを塗布、乾燥、紫外線照射してハードコート層を形成した。次いで、ハードコート層の形成後に巻き取ることなく連続的に、乾燥後の厚みが50nmとなるように高屈折率層塗布液bを塗布、乾燥、紫外線照射して高屈折率層を形成し、さらに連続して、乾燥後の厚みが30nmとなるように低屈折率層塗布液cを塗布、乾燥、紫外線照射して低屈折率層を形成し、機能性フィルムを製造した。
各層の形成工程で照射した紫外線の照射量を表1に示す。
[実施例2]
各層の形成工程の紫外線の照射量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[実施例3]
各層の形成工程の紫外線の照射量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[実施例4]
各層の形成工程の紫外線の照射量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[実施例5]
各層の形成工程の紫外線の照射量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[実施例6]
実施例1の高屈折率層を形成せず、照射量を表1に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[比較例1]
各層の形成工程の紫外線の照射量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[比較例2]
各層の形成工程の紫外線の照射量を表1に記載の通りに変更した以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
[比較例3]
比較例3の塗工装置として、機能層形成ユニットが一つ(塗膜形成手段、乾燥手段、硬化手段が各一つずつ)のものを用いた。該塗工装置を用い、厚み125μmの透明ポリエステルフィルム(東洋紡社製、商品名TA010)上に、乾燥後の厚みが2.5μmとなるようにハードコート層塗布液e(ハードコート層塗布液aに、ブロッキング防止剤含有液(2)を1部添加したもの)を塗布、乾燥、紫外線照射してハードコート層を形成した後、一旦巻き取った。次いで、乾燥後の厚みが50nmとなるように高屈折率層塗布液f(高屈折率層塗布液bからブロッキング防止剤含有液(1)を除いたもの)を塗布、乾燥、紫外線照射して高屈折率層を形成し、一旦巻き取った。次いで、乾燥後の厚みが30nmとなるように低屈折率層塗布液cを塗布、乾燥、紫外線照射して低屈折率層を形成し、機能性フィルムを製造した。
[比較例4]
実施例1の高屈折率層を形成せず、照射量を表1に記載の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、機能性フィルムを製造した。
各層の形成工程で照射した紫外線の照射量を表1に示す。
実施例1〜6の機能性フィルムの製造方法は、機能性フィルムの歩留まりが良好で、製造条件の制御も容易であった。また、実施例1〜6で製造された機能性フィルムは、各層の界面の密着性が良好なものであった。
一方、比較例1及び4の機能性フィルムの製造方法は、各層の界面の密着性が十分なものではなかった。また、比較例2の機能性フィルムの製造方法は、各層が混ざり合ってしまい、不可視化の機能を発現できないものであった。また、比較例3の機能性フィルムの製造方法は、巻き取り回数が多いことから歩留まりが悪く、各層の界面の密着性も十分なものではなかった。
1:塗工装置
11:アンワインダー
12:ワインダー
13、14、15:機能層形成ユニット
13a、14a、15a:塗膜形成手段
13b、14b、15b:乾燥手段
13c、14c、15c:硬化手段

Claims (13)

  1. 透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成する機能性フィルムの製造方法であって、
    該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすように全ての機能層を形成する、機能性フィルムの製造方法。
    0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
  2. 各機能層を形成する際の電離放射線の照射量に関して、透明基材側からn番目の機能層の電離放射線の照射量をXn、透明基材側からn+1番目の機能層の電離放射線の照射量をXn+1とした際に、Xn≦Xn+1の関係を常に満たす、請求項1に記載の機能性フィルムの製造方法。
  3. 透明基材の同一面上に形成する最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射が完了した段階で、透明基材の同一面上に形成する全ての機能層の電離放射線硬化型樹脂組成物が完全硬化するのに必要な電離放射線の100%以上の照射を完了している、請求項1又は2に記載の機能性フィルムの製造方法。
  4. 前記機能層を三以上形成する請求項1〜3の何れか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  5. 前記二以上の機能層が、ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層から選ばれる二以上の層である、請求項1〜3の何れか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  6. 前記二以上の機能層が、互いに接する層の屈折率が異なる複数の透明層を含み、該複数の透明層どうしで光学干渉機能を生じる、請求項1〜4の何れか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  7. 前記複数の透明層が、屈折率1.50〜2.00、厚み200nm以下の高屈折率層、及び屈折率1.25〜1.55、厚み200nm以下の低屈折率層を前記透明基材側から順に有する、請求項6に記載の機能性フィルムの製造方法。
  8. 前記二以上の機能層が、さらにハードコート層を含み、該ハードコート層が前記複数の透明層より前記透明基材側に位置する、請求項6又は7に記載の機能性フィルムの製造方法。
  9. 前記二以上の機能層のうちの何れかの機能層中に、最表面に位置する機能層の表面に凹凸を形成する粒子を含有してなる、請求項1〜8の何れか1項に記載の機能性フィルムの製造方法。
  10. 透明基材の少なくとも一方の同一面上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を含む機能層塗布液を塗布、硬化することにより形成される二以上の機能層を形成し、
    さらに、該二以上の機能層のうちの互いに接する機能層を、インラインで連続的に形成するとともに、各機能層を形成するごとに電離放射線を照射し、該電離放射線放射線の照射量の総和をXとした際に、該Xと、最後の機能層を形成する際の電離放射線の照射量Xαとが、下記式(1)の関係を満たすようにして全ての機能層を形成した後に、
    前記透明基材の前記機能層とは反対側の面をケン化処理し、該ケン化処理側の面と、偏光子とを貼り合わせる、偏光板の製造方法。
    0.55 ≦ Xα/X ≦0.95 (1)
  11. 請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法で得られた機能性フィルムの最表面に、物理的又は化学的蒸着法により透明導電膜を形成してなる、透明導電性フィルムの製造方法。
  12. 前記透明導電膜をエッチング液を用いたフォトリソグラフィ法によりパターニング化し、アルカリ洗浄でエッチング液を除去する、請求項11に記載の透明導電性フィルムの製造方法。
  13. 請求項1〜9の何れか1項に記載の製造方法で得られた機能性フィルム。
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