JP2016022605A - 貼合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】貼付部材と被貼付部材との間に空気が巻き込まれないようにして、部材同士を高品質に貼り合せることができる貼合装置を提供する。【解決手段】貼合ローラー4が保持シート3を介して貼付部材1を押圧することにより貼付部材1を被貼付部材2に対し端から順に貼り合わせていくに際して、貼合ローラー4の押圧力を管理する機構が貼付部材1側に設けられると共に、貼付部材1と被貼付部材2がなす貼合角度を管理する機構を被貼付部材2側に設けることにより、押圧力と貼合角度を独立に管理することを容易にする。【選択図】図1

Description

本発明は、部材同士をローラーにより大気圧下で貼り合わせる貼合装置に関するものである。
液晶ディスプレイを製造する際、ガラス基板に偏光フィルムを貼ったり、あるいは保護ガラスに粘着シートを貼るなど、多種多様な貼り合わせが行われる。これら貼り合わせ工程では、貼り合わせ時に空気が巻き込まれることを低減することによって、良好な視覚性を確保すると共に、部材間の剥がれを防止する必要がある。
従来の貼合装置として、液晶パネルを固定し、水平方向に移動可能なパネル固定手段と、パネル固定手段の上方に配置され、液晶パネルに貼付される偏光板を保持する偏光板保持手段と、偏光板を液晶パネルに押圧可能な貼付ローラーとを設け、貼付ローラーによって偏光板を液晶パネルに押圧する装置があった。このような貼合装置では、ローラーを用いることで部材同士を大気圧下で端から順に貼り合わせるものである(特許文献1)。
又被貼付部材が載置されるワークステージと、貼付部材が保持される保持シートと、保持シートを押圧した状態のまま保持シートの一端と他端との間を移動する押圧機構とを備え、押圧機構により貼付部材の貼始端を被貼付部材に押し付けるとともに、貼付部材の貼終端を貼始端よりも上方に位置させた状態で、押圧機構を保持シートの一端側から他端側に移動させることにより、被貼付部材に貼付部材を貼り付ける装置もあった。この貼合装置では、保持シートで保持した貼付部材(例えば、偏光フィルム)を保持シート裏面からローラーで押圧して被貼付部材(例えば、ガラス基板)へと貼り合わせるものである(特許文献2)。
特開平11−249123号公報 特開2013−95006号公報
上記特許文献1による貼合装置にあっては、貼付部材を保持している吸着プレートが、弾性を有する貼付部材を引っ張りながら被貼付部材へと貼り合わせることになるので、貼付部材の形状が崩れやすくなるという問題点があった。一方上記特許文献2に示される貼合装置においては、貼付部材全体を保持シートにより吸着固定した状態で被貼付部材へと貼り合わせるので、貼付部材が柔らかいものであっても形状が崩れにくい。しかしこの装置では、貼付部材と被貼付部材がなす貼合角度にかかわらず保持シートの張力を一定とする機構となっている。
そのため保持シートの張力のローラー押圧方向の分力が貼合角度によって変化するという特徴を有する。貼付部材に働く押圧力はローラーの押圧力から保持シートの張力のローラー押圧方向の分力を引いた値となる。よって貼合角度が変化すると、ローラーの押圧力が一定であっても部材に働く押圧力が変化することになる。したがって特許文献2に示される貼合装置では、ローラーの押圧力と貼合角度を独立で管理することができないという問題点があった。貼り合わせ時の空気の巻き込みを低減したり、あるいは部材の形状を安定させるように、貼付部材と被貼付部材を品質よく貼り合せるためには、ローラーの押圧力と貼合角度は、部材の種類に応じて適切に設定される。したがって押圧力と貼合角度の値を独立して管理できないと、貼付部材と被貼付部材を高品質に貼り合わせすることが困難となる。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、保持シートを用いることで部材の形状崩れを抑えながら、ローラーの押圧力と貼合角度を独立で管理することを容易に行うことにより、貼付部材と被貼付部材との間に空気が巻き込まれないようにして、部材同士を高品質に貼り合せることができる貼合装置を提供することを目的とする。
この発明に係る貼合装置は、貼付部材を被貼付部材に貼り合わせるものであって、貼付部材を貼合面の裏面から保持する保持シートと、保持シートを介して貼付部材を押圧することにより貼付部材を被貼付部材に対し端から順に貼り合わせていく貼合ローラーと、貼合ローラーを貼合方向と押圧方向に駆動させるローラー駆動機構と、貼付部材及び被貼付部材に作用する押圧力を測定する押圧力センサと、被貼付部材を貼合面の裏面から保持する保持プレートと、保持プレートを保持シートに対して傾斜させるためのプレート回転機構を備え、貼合ローラーが貼付部材及び被貼付部材に対して作用する押圧力を、押圧力センサとローラー駆動機構により制御するとともに、保持プレートと保持シートとの間の貼合角度をプレート回転機構により制御するものである。
又この発明に係る別の貼合装置は、貼付部材を被貼付部材に貼り合わせるものであって、貼付部材を貼合面の裏面から保持する保持シートと、保持シートを介して貼付部材を押圧することにより貼付部材を被貼付部材に対し端から順に貼り合わせていく貼合ローラーと、貼合ローラーを貼合方向と押圧方向に駆動させるローラー駆動機構と、貼付部材及び被貼付部材に作用する押圧力を測定する押圧力センサと、被貼付部材を貼合面の裏面から保持するとともに保持シートに対して特定の角度だけ傾斜が設けられた弾性体を備え、貼合ローラーが貼付部材及び被貼付部材に対して作用する押圧力を、押圧力センサとローラー駆動機構により制御するものである。
上記のように構成された貼合装置によれば、貼合ローラーの押圧力を管理する機構が貼付部材側に設けられると共に、貼付部材と被貼付部材がなす貼合角度を管理する機構が被貼付部材側に設けられているため、押圧力と貼合角度を独立に管理することが容易となる。従って貼り合わせ時の空気の巻き込みを低減し、更に部材の形状を安定させるために、部材の種類に応じて設定される押圧力と貼合角度を独立に管理できるので、従来装置に比べて部材同士をより高品質に貼り合せることができるようになる。
実施の形態1による貼合装置を示す正面図である。 実施の形態1による貼合装置を示す正面図である。 実施の形態1による貼合装置を示す正面図である。 実施の形態1による貼合装置を示す正面図である。 部材同士を貼り合わせている様子を示す部分正面図である。 実施の形態1による貼合装置を示す正面図である。 実施の形態1による貼合装置を示す正面図である。 実施の形態2による貼合装置を示す正面図である。
実施の形態1.
図1〜図4、図6、図7は実施の形態1による貼合装置を示す正面図、図5は部材同士を貼り合わせている様子を示す部分正面図である。このような貼合装置の一例として、ガラス基板に偏光フィルムを貼り合わせる液晶パネル製造装置がある。部材1と部材2は、貼り合わせの対象となるワークである。部材1は、例えば偏光フィルムなどの貼り合わせ時にわずかにしならせてもよい貼付部材である。一方部材2は例えば液晶パネルなどの貼り合わせ時にしならせるのが好ましくない被貼付部材である。
部材1側の装置は、保持シート3、貼合ローラー4、ローラー駆動機構5、押圧力センサ6、ローラーステージ7、ステージ駆動機構8により構成される。保持シート3は部材1を貼合面の裏面から保持する機構である。ここで保持シート3は部材1がわずかにしなった場合であっても保持し続けることのできる特徴を有するものである。例えばメッシュシート(ローラーステージ7内を真空にして部材1を真空吸着する)、繰り返しの使用が可能な粘着シート、更には粘着性を有するゴムシートなどを使用するのが望ましい。貼合ローラー4は保持シート3を介して部材1を押圧し、部材1を部材2へ端から順に貼り合わせていくための機構である。例えば弾性を有するゴムローラーを使用することが望ましい。
ローラー駆動機構5は、貼合ローラー4を図1のX軸方向(貼合方向)とZ軸方向(押圧方向)に駆動させる機能を有するものとする。本機構はサーボモータを用いた電動シリンダで駆動させる。押圧力センサ6は、部材にかかる押圧力F(図5参照)を測定するためのロードセルなどの荷重センサである。ローラーステージ7は、保持シート3と貼合ローラー4の架台である。ステージ駆動機構8はローラーステージ7をZ軸方向に駆動させる機能を有するものとし、サーボモータを用いた電動シリンダで構成する。
部材2側の装置は、保持プレート9、プレート回転機構10、プレートステージ11により構成される。保持プレート9は、部材2を貼合面の裏面から保持する機構であり、例えば真空吸着穴を有するプレートや静電チャックなどが適している。プレート回転機構10は、サーボモータにより保持プレート9を保持シート3に対して傾斜させることができる機構である。保持プレート9の傾斜角度、すなわち部材1と部材2のなす貼合角度θ(図3)は、貼合角度θと同等であるプレート回転機構10のサーボモータの回転角度を制御することで管理する。プレートステージ11は、保持プレート9、プレート回転機構10の架台である。
以下に大気圧下で行われる部材同士の貼り合わせ手順について説明する。先ず図2に示すように、部材1と部材2を保持シート3と保持プレート9にそれぞれセットする(ワークセット)。この際、保持プレート9と保持シート3は所定量離れて互いに平行な状態となっている。次に図3に示すように、プレート回転機構10を駆動させ、保持プレート9を保持シート3に対して傾斜させる。この傾斜角度は部材1と部材2の貼合角度θそのものであり、値としては1°〜2°程度が好ましい。
次にステージ駆動機構8がZ軸方向に上昇し、部材1と部材2のZ軸方向の距離を互いが触れない程度に近付ける。そして図4に示すように、ローラー駆動機構5により貼合ローラー4がZ軸方向に移動し、保持シート3を介して部材1を押圧して部材2に貼り合わせる(初期貼り合わせ)。なお初期貼り合わせが完了したかどうかは、押圧力センサ6で測定した値が所定値に到達したか否かで判断する。
次に図5に示すように、ローラー駆動機構5により貼合ローラー4がX軸方向に移動し、部材1と部材2を端から順に貼り合わせる。この際、押圧力センサ6で測定される押圧力の値を制御量としてローラー駆動機構5により貼合ローラー4のZ軸方向の駆動を制御すれば、部材にかかる押圧力Fを一定としたまま部材同士を貼り合わせることが可能である。
なお、保持シート3に対して傾斜していた保持プレート9は、図6に示すように、貼り合わせが進むに従って保持シート3と平行となるように、プレート回転機構10により回転される。その際、保持プレート9の傾斜が緩やかになるにつれて部材2は部材1からZ軸方向に逃げていくので、ステージ駆動機構8で保持シート3をZ軸方向へその分だけ移動させながら部材1と部材2の貼り合わせを行う。
また貼付している間貼合角度θを常に一定にしたい場合には、図7に示すように、保持プレート9を傾斜させたまま、部材1と部材2の貼り合わせを行う。この場合貼り合わせが進むにつれて部材2は部材1からZ軸方向に逃げていくので、ステージ駆動機構8で保持シート3をZ軸方向へその分だけ移動させながら部材1と部材2の貼り合わせを行うのが望ましい。この際貼り合わせが終わった箇所に保持シート3が食い込む形となるが、貼合角度が1°〜2°と小さく、かつ保持シート3がしなることができるので、問題なく貼り合わせることができる(図7参照)。
最後に図6、図7に示された貼合完了品12を取り出す。貼合完了品12を取り出すことができる状態にする手順としては、例えば以下の手順がある。即ち貼合完了後、保持プレート9による吸着を解除する。そしてステージ駆動機構8でローラーステージ7をZ軸の負の方向(下方向)に移動させる。最後に保持シート3に搭載された貼合完了品12を取り出す。
このような貼合装置であれば、貼合ローラー4の押圧力を管理する機構が部材1側に設けられると共に、部材1と部材2がなす貼合角度θを管理する機構が部材2側に設けられているため、押圧力と貼合角度を独立に管理することが容易となる。従って貼り合わせ時の空気の巻き込みを低減し、更に部材の形状を安定させるために、部材の種類に応じて設定される押圧力と貼合角度を独立に管理することができるので、従来装置に比べて部材同士をより高品質に貼り合せることができるようになる。尚上記説明においては、貼付部材1を下側に位置させると共に、被貼付部材2を上側に位置させて貼合させる場合について説明したが、貼付部材を上側に位置させると共に、被貼付部材を下側に位置させるようにしてもよい。又図1に示すような制御装置20(中央演算処理装置等)を使用して、貼合ローラー4が貼付部材1及び被貼付部材2に対して作用する押圧力を、押圧力センサ6とローラー駆動機構5により制御するとともに、保持プレート9と保持シート3との間の貼合角度をプレート回転機構10により制御し、制御装置20がこれらを一括して管理している。尚図2〜図4、図6、図7においては制御装置20の図示を省略している。
実施の形態2.
図8は実施の形態2による貼合装置を示す正面図である。図において、部材2側の保持プレート9として、あらかじめ保持シート3に対して特定の貼付角度分だけ傾斜がつけられた弾性体13としたものである。この弾性体13としては、例えば真空吸着穴が設けられたゴムが適している。この構成によれば、装置の機構を大幅に簡素化できる。また部材2の保持面が剛体である保持プレートではなく、弾性を有する弾性体13であるので、局所的に押圧力がかかる原因となる保持面の微小な凹凸(平面度)が存在しても、貼り合わせに対して及ぼす影響を軽減することができる。
弾性を有する貼合ローラー4と弾性体13で部材1と部材2を挟みこんで貼り合わせることにより、押圧力センサ6で測定した押圧力Fを貼付ローラー4の接触箇所に対して均一に分散させることができる。貼付ローラー4の接触箇所において押圧力Fがより均一にかかるので、図8に示された貼合装置においては、部材同士をより高品質に貼り合せることができる。尚押圧力センサ6で測定される押圧力の値を制御量としてローラー駆動機構5により貼合ローラー4のZ軸方向の駆動を制御することにより、部材にかかる押圧力Fを一定としたまま部材同士を貼り合わせることに関しては、実施の形態1と同様である。又弾性体13に設けられた傾斜が1°〜2°程度が好ましいことも実施の形態1と同様である。
実施の形態3.
保持シート3のZ軸方向の力のつりあいを考えると、実際に部材1に働く押圧力F1は押圧力センサ6で測定した値Fから部材1の反り量の分だけ働く保持シート3の張力Tの分力T1を引いたものである。即ちF1=F−T1の関係が成立する。そこで貼合ローラー4の押圧力をさらに厳密に管理する方法として、保持シート3とローラーステージ7の間に図示しない張力測定機構を設置してもよい。
この構成によれば押圧力センサ6で測定した値Fから張力測定機構で測定した値T1を引いた値が実際に部材1に働く押圧力F1となり、このF1をローラー駆動機構5(Z軸方向)の制御量として、部材同士の貼り合わせを実施できる。したがって貼合ローラー4の押圧力に対する保持シート3の張力による影響を除くことが出来るので、部材に働く押圧力をさらに厳密に管理できるようになり、部材同士をより高品質に貼り合せることができる。尚上記実施の形態3で示した構造は実施の形態1、2で示した両貼合装置に対して適用することができる。
又本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 貼付部材、2 被貼付部材、3 保持シート、4 貼合ローラー、
5 ローラー駆動機構、6 押圧力センサ、9 保持プレート、
10 プレート回転機構、13 弾性体。

Claims (3)

  1. 貼付部材を被貼付部材に貼り合わせる貼合装置であって、
    上記貼付部材を貼合面の裏面から保持する保持シートと、上記保持シートを介して上記貼付部材を押圧することにより上記貼付部材を上記被貼付部材に対し端から順に貼り合わせていく貼合ローラーと、上記貼合ローラーを貼合方向と押圧方向に駆動させるローラー駆動機構と、上記貼付部材及び上記被貼付部材に作用する押圧力を測定する押圧力センサと、上記被貼付部材を貼合面の裏面から保持する保持プレートと、上記保持プレートを上記保持シートに対して傾斜させるためのプレート回転機構を備え、
    上記貼合ローラーが上記貼付部材及び上記被貼付部材に対して作用する押圧力を、上記押圧力センサと上記ローラー駆動機構により制御するとともに、
    上記保持プレートと上記保持シートとの間の貼合角度を上記プレート回転機構により制御することを特徴とする貼合装置。
  2. 貼付部材を被貼付部材に貼り合わせる貼合装置であって、
    上記貼付部材を貼合面の裏面から保持する保持シートと、上記保持シートを介して上記貼付部材を押圧することにより上記貼付部材を上記被貼付部材に対し端から順に貼り合わせていく貼合ローラーと、上記貼合ローラーを貼合方向と押圧方向に駆動させるローラー駆動機構と、上記貼付部材及び上記被貼付部材に作用する押圧力を測定する押圧力センサと、上記被貼付部材を貼合面の裏面から保持するとともに上記保持シートに対して特定の角度だけ傾斜が設けられた弾性体を備え、
    上記貼合ローラーが上記貼付部材及び上記被貼付部材に対して作用する押圧力を、上記押圧力センサと上記ローラー駆動機構により制御することを特徴とする貼合装置。
  3. 上記保持シートに作用する張力を測定する張力測定機構を設置し、上記張力測定機構により測定された張力を考慮して上記押圧力を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼合装置。
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