JP2016022415A - ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなる防水通気膜と接着層とを有する防水通気部材およびその用途 - Google Patents

ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなる防水通気膜と接着層とを有する防水通気部材およびその用途 Download PDF

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学 本居
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Abstract

【課題】防水膜としての性能(特に通気性)に優れ、且つ簡便な構成で高いハンドリング性を有する防水通気部材を提供すること、および、該防水通気部材の用途を提供すること。【解決手段】ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなる防水通気膜と、該防水通気膜の縁全体に設けられた、接着部材からなる接着層とを有する防水通気部材であり、前記不織布層の厚さが40〜300μm、ガーレー数が0.2〜20秒、目付けが15〜150g/m2、平均細孔径が0.3〜5.0μmであることを特徴とする防水通気部材。【選択図】なし

Description

本発明は、防水通気膜と接着層とを有する防水通気部材およびその用途に関する。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、優れた耐薬品性、耐熱性、電気絶縁性を備え、さらに自己潤滑性、非粘着性等の特性を有することから、工業的分野のみならず、日常生活の分野においても広範に使用されている。
例えば、PTFEは、多孔質膜に加工されて用いられ、該PTFE多孔質膜は、例えば透湿防水シートやベントフィルタなどの防水通気部材に用いられる。
ベントフィルタは、例えば、LED照明などの照明器具、携帯電話やカメラなどの電子機器、スピーカーやマイクロホンなどの音響用部材、自動車用ランプや圧力センサーなどの電装部品などに用いられ、成形体内部の通気を確保し、かつ、圧力調整機能を保持しながら防水、防塵機能を該成形体に付与するフィルターである。
ベントフィルタなどの防水通気部材に用いられるPTFEとしては、現在では未延伸PTFEを延伸処理して多孔質化されたPTFE(ePTFE)膜が広く利用されている。
例えば、特開2010−193439号公報(特許文献1)には、第1多孔質層と第2多孔質層とが積層、一体化されたPTFE多孔質膜を含む防水通音膜が記載されている。
また、特開2009−303279号公報(特許文献2)には、特定の接着支持システムによって支持された特定の多孔性メンブランからなる音声伝送性の保護カバーアセンブリが記載されている。
しかし、ePTFE膜は、延伸処理されていることから、厚みが通常10〜30μm程度と薄いため、たわみ易いなどハンドリング性(取扱い性)に劣り、例えば、携帯電話用ベントフィルタなどとして、電子部品を収容する密閉容器や構造体を 防水・防じん仕様にするために組込んで用いようとした場合に、その取り付けが難しく実用性が低いという問題を生じる。
そのような事情もあって、ePTFE膜に支持材を設けてハンドリング性が改善されたものも知られている。
例えば、特開2014−30825号公報(特許文献3)には、PTFE多孔質膜と、前記多孔質膜を支持する通気性支持体とが一体化された特定の構造を有するフィルター濾材が記載されている。
特表2002−502561号公報(特許文献4)には、第一の表面と第二の表面と縁部により確定された周辺部分とを備えた保護膜層と、第一の表面と第二の表面とを備えた多孔性支持層とを具備した音響伝達保護カバー組立品が記載されている。
しかし、ePTFE膜に支持材を設けた場合、ePTFE膜のハンドリング性の問題は改善されるものの、ePTFE膜と支持材との合計厚みが必要以上に大きくなってしまうという問題が生じ、部材のコンパクト化という要求に対応することができない。
また、ePTFE膜は、接着性に特別優れるというものではない。それゆえ、部材のハンドリング性などを向上させるために、複数のePTFE膜を熱融着したり、ePTFE膜/接着層/ePTFE膜/接着層/ePTFE膜…というように、接着層を介してePTFE膜を接着したりすると、層の数が多くなり、また、層の数が多くなるほど、層間剥離しやすくなる。このことは、例えば、ePTFE膜を用いて、ePTFE膜の膜厚(通常10〜30μm)よりも厚い防水通気部材(例えばePTFE膜の合計厚さが40〜300μmのもの)を製造しようとして、所望の厚さに達するまで、複数のePTFE膜を接着層を介して接着、積層しようとする場合などに不利になる。そのうえ、部材の通気性が大幅に低下すると共に、製造工数が増加し製造コストも嵩む。
以上の理由より、複数のePTFE膜を含む防水通音部材は、携帯電話用ベントフィルタなどのような電子部品などの防水通気部材には適さない。
以上を背景として、防水膜としての性能(特に防水性と通気性)に優れ、且つ簡便な構成で高いハンドリング性(取付等の取扱い性)を有する防水通気部材が求められている。
特開2010−193439号公報 特開2009−303279号公報 特開2014−030825号公報 特表2002−502561号公報
本発明の第一の目的は、防水膜としての性能(特に防水性と通気性)に優れ、且つ簡便な構成で高いハンドリング性を有する防水通気部材を提供することにある。
本発明の第二の目的は、上記防水通気部材の用途を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、特定の厚さ、ガーレー数、目付、平均細孔径を有し、PTFEファイバを含む不織布層からなる防水通気膜を含み、必要に応じて防水通気膜の縁全体に接着層が設けられた防水通気部材により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には次の通りである。
本発明に係る防水通気部材では、防水通気膜が、特定の厚さ、ガーレー数、目付、平均細孔径を有する不織布(層)を含むため、優れた防水性を有し、しかも通気性を発揮する。
このような厚さ、ガーレー数、目付、平均細孔径を有する不織布(層)は、例えば、電界紡糸法により製造できる。その一方で、従来のように、PTFEを延伸してe−PTFEを製造する場合には、通気性を向上させようとして強く延伸すると(1枚のシートの)膜厚はより薄くなってしまいハンドリング性は低下し、通常、上記厚さ、ガーレー数、目付、平均細孔径を有する膜は製造できない。
本発明に係る防水通気部材では、防水通気膜に含まれる不織布層のガーレー数、平均細孔径が、該不織布層に優れた通気性が付与されるような範囲に規定されているため、防水通気膜の厚さが大きくなれば防水通気膜の通気性がそれ相応に損なわれるという従来の技術常識に反して、防水通気膜の通気性を大きく損なうことなく不織布層の厚さ、ひいては防水通気膜の厚さを大きくできる。
それ故、例えばPTFEからなる層の合計厚さが40〜300μmの防水通気膜を提供しようとした場合、ePTFE膜と接着層を幾重にも積層させて厚みを稼ぐ必要のある、ePTFE膜からなる防水通気部材とは異なり、本発明に係る防水通気部材は、PTFEファイバを含む不織布層からなる防水通気膜だけで、通気性を損なうことなく40〜300μmの厚さとすることができ、接着層の数を減少させることができるため、製造工程の簡易化および、上述の接着層数の多さに起因した層間剥離の問題が生じることを防止することができる。
さらには、本発明に係る防水通気部材は、通音性にも優れる。
したがって、本発明に係る防水通気部材は、音響部材を含む電子機器用ベントフィルタ、音響部材用ベントフィルタ等の音響部材用防水通気部材の用途にも好適である。
従来の音響部材用ベントフィルタでは、通音性を確保するために、ベントフィルタを構成する膜の厚さを小さくしたり目付量を軽くしたりする必要があり、膜の自立性が失われてハンドリング性が悪くなるという問題が生じていた。さらに、従来の音響部材用ベントフィルタでは、膜厚を厚くすると通音性が損なわれるという問題があった。そのため、従来の音響部材用ベントフィルタでは、ハンドリング性と通音性との両立が困難であった。
これに対して、本発明の防水通気部材は、膜厚を厚くしても通音性が損なわれないことから、ハンドリング性と通音性との両立が可能となり、上述のような音響部材用ベントフィルタにまつわる問題は生じず、音響部材用ベントフィルタ等の音響部材用防水通気部材の用途に好適である。
本発明に係る防水通気部材では、不織布層のガーレー数や平均細孔径などが、防水性や通気性のみならず、通音性においても優れた性能を発揮できる範囲に規定されているため、厚さを大きくしても通音性を損なうことなくハンドリング性を向上できるものと推察される。
また、本発明に係る防水通気部材では、防水通気膜が不織布を含むので(繊維が堆積した構造を有するので)、膜に自重がかかり、膜および膜を構成するファイバが音に対して共振しにくく、本発明に係る防水通気部材を通音部材に用いてもノイズが生じにくいと考えられる。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
本発明に係る防水通気部材は、ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなる防水通気膜と、該防水通気膜の縁全体に設けられた、接着部材からなる接着層とを有する防水通気部材であり、前記不織布層の厚さが40〜300μm、ガーレー数が0.2〜20秒、目付けが15〜150g/m2、平均細孔径が0.3〜5.0μmであることを特徴とする。
本発明に係る防水通気部材では、前記不織布層の厚さが、90〜300μmであることが、ハンドリング性に優れ、且つ、防水性、通気性、通音性に優れる防水通気部材を提供できるなどの観点から好ましい。
本発明に係る防水通気部材では、前記ポリテトラフルオロエチレンファイバが、未変性ポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られるファイバであり、かつ、前記ポリテトラフルオロエチレンファイバの平均繊維径が0.1〜5μmであることが、防水性、通気性、通音性に優れる防水通気部材を提供できるなどの観点から好ましい。
本発明に係る防水通気部材では、前記接着部材が、200℃、10分間での熱収縮率が4%未満である耐熱性接着部材であることが、耐熱性の観点(特に、加熱による接着部材の熱収縮を避けるという観点)などから好ましい。
本発明に係る防水通気部材では、前記不織布層が、有機着色剤および無機着色剤から選択される1種以上の着色剤を含有していることが、着色により防水通気部材(特に不織布層)の外観を調整できるという観点から好ましい。
本発明に係る防水通気部材では、前記ポリテトラフルオロエチレンファイバが、未変性ポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのいずれかと無機着色剤とを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られる繊維であり、かつ、前記ポリテトラフルオロエチレンファイバの平均繊維径が0.1〜5.0μmであることが、防水性、通気性、通音性に優れる防水通気部材を提供できるなどの観点から好ましい。
本発明に係る防水通気部材では、前記不織布層が、有機着色剤および無機着色剤から選択される1種以上の着色剤を含む塗料で塗装されてなることが、着色処理の簡便性などの観点から好ましい。
本発明に係る防水通気部材では、撥油剤を用いて撥油処理されてなることが、油等の有機溶媒の使用される部位に用いても、防水性、通気性、通音性に優れる防水通気部材を提供できるなどの観点から好ましい。
本発明に係る防水通気部材は、電子機器用ベントフィルタ、自動車の電装部品用ベントフィルタ、音響部材用ベントフィルタなどに好適である。
本発明に係る防水通気部材は、特定の厚さ、ガーレー数、目付、平均細孔径を有し、PTFEファイバを含む不織布層からなる防水通気膜を含むので、防水性、通気性、通音性、ハンドリング性などに優れる。
さらに、本発明に係る防水通気部材は、通気性や通音性などを大きく損なうことなく厚さを大きくできる。本発明に係る防水通気部材は、それゆえ、通気性や通音性とハンドリング性との両立が可能である。
また、本発明に係る防水通気部材は、通気性を損なうことなく厚みを稼ぐことができるので、所定厚みの防水通気部材を提供するに当たって、接着層の数を減少させることができ、接着層数の多さに起因した層間剥離の問題などが生じることを防止することができる。
さらには、本発明に係る防水通気部材は、防水性、通気性、通音性、ハンドリング性などに優れ、撥油性を付与することも可能であるので、電子機器用ベントフィルタ、自動車の電装部品用ベントフィルタ、音響部材用ベントフィルタ等の用途に好適である。
図1は、本発明に係る防水通気部材の一例を示す図である。 図2は、本発明に係る防水通気部材において、防水通気膜と接着層とからなる場合の一例を示す図である。図2(イ)は、防水通気部材が防水通気膜とその表裏面外周に設けられた接着層とからなる態様を示し、図2(イ’)は、防水通気部材が防水通気膜とその表面外周にのみ設けられた接着層とからなる態様を示す。図2(ロ)は、防水通気膜の表裏面に設けられた接着層の表面にさらに、保護膜が設けられた態様を示す。図2(ハ)は、防水通気部材が防水通気膜とその表裏面外周および端面(側面)に設けられた接着層とからなる態様を示す。 図3は、本発明に係る防水通気部材を、防水通気膜設置対象物へ設置した態様の一例を示す図である。 図4は、電界紡糸装置の一例と電界紡糸の原理を示す図である。 図5は、たわみ角度を求める際の、たわみ角度、たわみ長さおよび張り出した長さを説明する図である。
以下、本発明に係る防水通気部材、その製造方法および用途の最良の形態について詳述する。
なお、防水通気部材の防水通気膜中の未変性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)や変性PTFEの量および有機着色剤や無機着色剤の量は、防水通気膜の製造に原料として用いた未変性PTFEや変性PTFEの量および有機着色剤や無機着色剤の量に実質的に同じとして扱った。
1.防水通気部材(30)
本発明に係る防水通気部材30では、例えば、図1の平面図に一例を示すように、防水通気膜20の表裏面の少なくとも一方の面に、防水通気膜20の縁全体にリング状の接着層10が設けられている。本発明の一実施例に係る防水通気部材30Dでは、例えば、図2の(イ)の断面図に附番30Dで示すように、防水通気膜20の周縁部20aの表裏面21、22にリング状の接着層10が設けられている。また、他の態様では、図2(イ’)に附番30Cで示すように、リング状の接着層10は、防水通気膜20の周縁部20aの表面21だけに設けられていてもよい(裏面だけに設けられていてもよい(図示せず)。また、図2(ロ)の断面図に附番30Aで示すように、図2(イ)の断面図に示す防水通気部材30の表裏面には、例えば、防水通気部材30の汚染防止、取扱い性等の観点から、リング状の接着層10を介して保護膜15が設けられていてもよい(防水通気部材30の表面または裏面だけにリング状の接着層10が設けられている場合(例えば図2(イ'))も同様である(図示せず))。また、接着層10は、図2(ハ)の断面図に防水通気部材30Bで示すように、気密性、接着強度、等の点から防水通気膜20の端面(側面)23を含む周縁部全面に設けられていてもよい。
この防水通気部材30を構成する防水通気膜20は、ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなり、前記不織布層の厚さが40〜300μm、ガーレー数が0.2〜20秒、目付けが15〜150g/m2、平均細孔径が0.3〜5.0μmであることを特徴とする。
この防水通気膜20は、後述する用途に用いる場合は、目的に応じて、接着層10を設けずに、防水通気部材として用いることもできる。
本発明に係る防水通気部材30は、防水通気部材設置対象物100への取付・設置の容易性などの観点から、ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなる防水通気膜20と、該防水通気膜20の表裏面のうちの少なくとも片面の縁全体に設けられた、平面リング状の接着部材からなる接着層10とを有する防水通気部材30であり、前記不織布層の厚さ40〜300μm、ガーレー数が0.2〜20秒、目付けが15〜150g/m2、平均細孔径が0.3〜5.0μmであることが好ましい。
この防水通気膜20は、通常不織布1枚のみからなることが防水通気部材30の生産性、取扱い性(ハンドリング性)等の点で好ましいが、必要により不織布が複数枚積層されてなっていてもよい。そのように不織布が積層されてなる場合は、防水通気膜20の不織布層の厚み、ガーレー数、目付、平均細孔径の上記数値は、積層された不織布全体としての値である。
本発明に係る防水通気部材30は、さらに必要に応じて接着層10以外の機能層を含んでもよく、キャップ形状や筒形状など任意の形状の筐体と一体化して用いてもよい。
1−1.防水通気膜(20)
防水通気膜20は、PTFEファイバを含む不織布層からなる。
上記不織布層は、例えば、未変性PTFEまたは変性PTFEを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られる不織布からなる層である。
未変性PTFEまたは変性PTFEを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られるファイバを含む不織布は、繊維状部分と結束部分のような太さの異なる繊維構造が混在しているePTFEと比較して、繊維径の均一性が非常に高いため、防水性、通気性、通音性などに優れる。
また、PTFEファイバを含む不織布は、繊維径の均一性が高いことに起因して不織布(多孔質膜)の微細構造の規則性が高いため、後述の着色(塗装)処理や撥油処理において、処理操作の簡便性および処理均一性が高い(例えば塗布のような簡単な塗布方法により塗料が不織布の表面や内部にむらなく行き渡る)と考えられる。
また、そのようなPTFEファイバを含む不織布は、ePTFEと比較して、加熱による収縮が生じにくいため、例えば、電子部品の製造時におけるリフロー工程などの加熱を含む製造過程で用いられてもその特性がほとんど変化しないという利点を有する。
PTFEファイバを含む不織布層は、本発明の目的を損なわない限り、有機着色剤、無機着色剤、未変性PTFEや変性PTFE以外のフッ素系樹脂材料を含んでいてもよい。
但し、PTFE樹脂の性能を極力損なわずに防水通気部材30を得るという観点からは、PTFEファイバを含む不織布層には、後述の熱処理後において、未変性PTFEおよび/または変性PTFEのみであるか、未変性PTFEおよび/または変性PTFEと有機着色剤および/または無機着色剤とのみが後述するような量比で含まれることが好ましい。
<PTFEファイバ>
防水通気膜20に主たる構成部材(成分)として含まれるPTFEファイバは、防水通気部材の防水性、通気性、通音性、ハンドリング性などの観点から、未変性PTFEまたは変性PTFEを少なくとも含むことが好ましく、未変性PTFEまたは変性PTFEを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られる繊維であることがより好ましい。
本明細書において、変性PTFEとは、例えば、テトラフルオロエチレンの単重合体および少量(たとえば0.5モル%以下)の他の単量体を共重合させて得られるものである。
PTFEファイバの平均繊維径は、防水通気膜20に含まれ、通常、それ(不織布層)のみで防水通気膜20を構成する不織布層、ひいては防水通気部材30に優れた通気性、防水性、通音性などを付与するという観点から、100〜5000nmであることが好ましく、300〜2000nmであることがより好ましく、400〜1500nmであることがさらに好ましい。
また、PTFEファイバの平均繊維径が100〜5000nmの範囲にあると、防水通気膜20の不織布層の厚さ、細孔径、ガーレー数を後述する範囲となるように防水通気部材30を設計しやすい。
未変性PTFEまたは変性PTFEは、防水通気部材30に付与されるPTFE樹脂の性能が極力損なわれないようにするという観点から、PTFEファイバを含む不織布100重量部中に80〜100重量部の量で含まれることが好ましい。
<有機着色剤、無機着色材>
本発明に係る防水通気部材30では、防水通気膜20に含まれる不織布層の(美的)外観を調整でき、ひいては、この防水通気部材30が例えば、携帯電話機の(マイクロホン表面などの)保護材として用いられる際などには、防水通気部材30の(美的)外観を調整できる等の観点から、不織布層が、有機着色剤および無機着色剤から選択される1種以上の着色剤を防水通気膜30の外表面のみに、あるいは、不織布層内と不織布外表面を含む全体に、含有していることが好ましい。特に上記外表面のみに着色する場合には、防水通気膜20の上下の表面に防水性、通気性、通音性が損なわれないように留意しながら適宜量で塗装をすればよい。このような着色処理は、有機着色剤および無機着色剤から選択される1種以上の着色剤を含む塗料で塗装されてなることがより好ましい。
有機着色剤としては、公知の有機系顔料や染料を用いることができ、例えばフタロシアニン系化合物、ペリレン系化合物、アンスラキノン系化合物、カルボニウム系化合物、アゾ系化合物、アジン系化合物が挙げられる。
無機着色剤としては、公知の無機系顔料を用いることができ、例えばカーボン、酸化鉄、酸化クロム、コバルトブルー、カドミウム硫化物、および金属錯体化合物が挙げられる。
これら有機着色剤、無機着色材の中でも、無機着色剤が、PTFEファイバの製造工程において分解しにくく、PTFEファイバと一体化してPTFEファイバから脱落しにくく、長期に亘ってPTFEファイバの着色を維持できるという観点から好ましい。また黒色に着色する目的においては、カーボンが、PTFEファイバを効率よく着色できるという観点から特に好ましい。
カーボンは、例えば、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ、フラーレンなどのカーボン粉末に由来する成分である。PTFEファイバ、ひいては、防水通気部材30を効率よく安価に黒色に着色するなどの観点からは、これらカーボンの中でも、カーボンブラックに由来する成分が好ましい。
有機着色剤、無機着色材は、不織布層に、1種単独で配合されてもよいし、2種以上が混合されて配合されてもよい。
有機着色剤、無機着色材は、PTFE樹脂の性能を極力損なわずにPTFEファイバを含む不織布層、ひいては、防水通気部材30を着色するという観点から、PTFE100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、特に、防水通気部材30の諸物性の観点から黒色PTFE多孔質膜中のPTFE100重量部に対して3〜20重量部含まれていることが好ましい。
なお、不織布層に含まれる着色剤は、後述するように、電界紡糸時に紡糸液に配合されてPTFEファイバに添加されたものであってもよいし、着色剤及び必要に応じて溶剤およびバインダーや接着剤などの添加剤を含む塗料を不織布層に塗装することで添加されたものであってもよい。
1−2.不織布層の性状
以下に、本発明に係る防水通気部材30における不織布層の性状について述べるが、各種項目の測定方法、評価方法が、後述の実施例に記載されている場合には、その測定方法、評価方法に準ずればよい。
[厚さ]
本発明に係る防水通気部材30では、不織布層20の厚みは、防水通気部材30の防水性、通気性、通音性、ハンドリング性などの観点から、40〜300μmであることが好ましく、70〜250μmであることがより好ましく、90〜250μmであることがさらに好ましく、100〜200μmであることが特に好ましい。
厚さが40μm以上であると、防水通気部材30に優れたハンドリング性を付与でき、厚さが300μm以下であると、防水通気部材30に優れた通気性を付与できる。
なお、本明細書において、「不織布層の厚み」とは、不織布で構成されている部分を層とみなした時の、実質的な厚さをいう。この厚みは、層の厚み方向に何らの形状変化を生じさせていない場合における値である。
[ガーレー数(通気性の指標)]
本発明に係る防水通気部材30では、不織布層のガーレー数は、JIS P8117に準じて測定したガーレー数で表される。
防水通気部材30に優れた防水性、通気性、通音性などを付与するという観点から、通常、0.2〜20s/100cc、好ましくは0.4〜8.0s/100cc、より好ましくは、1.0〜5.0s/100ccであることがさらに好ましい。
ガーレー数が0.2s/100cc以上であると、防水通気部材30に優れた防水性を付与でき、ガーレー数が20s/100cc以下であると、防水通気部材30に優れた通気性を付与できる。
[目付]
本発明に係る防水通気部材30では、不織布層の目付は、防水通気部材30の防水性、通気性、通音性、ハンドリング性などの観点から、15〜150g/m2であることが好ましく、35〜100g/m2であることがより好ましく、40〜70g/m2であることがさらに好ましい。
不織布層の目付が15g/m2以上であると、防水通気部材30に優れたハンドリング性を付与でき、不織布層の目付が150g/m2以下であると、防水通気部材30に優れた通気性を付与できる。
[平均細孔径]
本発明に係る防水通気部材30では、不織布層の平均細孔径は、防水通気部材30の防水性、通気性、通音性、ハンドリング性などの観点から、0.3〜5.0μmであることが好ましく、0.5〜3.0μmであることがより好ましく、1.0〜2.0μmであることがさらに好ましい。
平均細孔径が0.3μm以上であると、防水通気部材30に優れた通気性を付与でき、平均細孔径が5.0μm以下であると、防水通気部材30に優れた通気性を付与できる。
[ハンドリング性]
本発明に係る防水通気部材30のハンドリング性は、後述の実施例に示すように、特定の方法で評価した不織布層のたわみ角度で評価される。
不織布層に曲げなどの応力を加える前の不織布層のたわみ角度は、防水通気部材30のハンドリング性などの観点から、0〜40°であることが好ましく、0〜25°であることがより好ましい。
不織布層に90°曲げの応力を加えた後の不織布層のたわみ角度は、防水通気部材30のハンドリング性などの観点から、0〜60°であることが好ましく、0〜30°であることが好ましい。
[撥油性]
本発明に係る防水通気部材30の防水通気膜20は、必要に応じて、後述するような撥油剤を用いて撥油処理されていてもよい。
本発明に係る防水通気部材30の防水通気膜20において不織布層が撥油処理される場合、不織布層の表面は、例えばn−デカンまたはメタノールである有機溶媒の直径5mmの液滴の滴下後30秒以内に液滴が表面に浸透しないような撥油性が付与されるように、撥油処理される。
本発明に係る防水通気部材30の不織布層にこのような撥油性が付与されていると、本発明に係る防水通気部材は、自動車の電装部品用ベントフィルタなどのような、低表面張力液体の存在下で使用される防水通気部材により好適に使用できる。
1−2.接着層(10)
本発明に係る防水通気部材30においては、必要に応じて、防水通気膜20の縁全体に接着部材からなる接着層10を設けてもよい。
接着部材からなる接着層10は、防水通気膜20の接着層10で覆われた部分と接着層10で覆われずに露出した部分とが形成されるように設ければよく、防水通気膜20の接着層10で覆われた部分と接着層10で覆われずに露出した部分との面積比は、本発明の目的を損なわない限り特に制限されない。例えば、防水通気膜20の表面に対する防水通気膜20の接着層10で覆われた部分の面積との比が、1:0.9〜1:0.1程度、好ましくは1:0.7〜1:0.2であれば、防水通気部材30の通気性や通音性を損なわず、かつ、防水通気部材設置対象物100に適度の接着性を以って防水通気部材30を設けられるが、通気性、通音性の観点からは防水通気膜の接着層で覆われた部分の面積は少ないほどよい。
防水通気部材30の防水通気膜20の縁全体に接着部材からなる接着層10を設けることで、防水通気部材30を接着対象部材(すなわち、防水通気部材設置対象物100)に接着剤を介して接着した時に、接着層10がシーリング層の役割を果たし、防水通気膜10、接着層10および接着対象部材に囲まれた空間内に水が浸入することを防止できる。
ここで、「防水通気膜20の縁」とは、防水通気膜20の外周から防水通気膜20の中心方向に向けて一定の幅を持たせた領域を意味し(図2では防水通気膜の周縁部20aに該当する)、例えば図1に示すような円形状の防水通気膜20である場合、ドーナツ状の領域が形成されるように、接着層10が設けられる。なお、図1には、防水通気膜20の縁全体の幅が一定のものを示しているが、必ずしも防水通気膜20の縁全体の幅が一定である必要はなく、防水通気膜20の縁には部分的に幅が狭い箇所や広い箇所があってもよい。また、防水通気部材30の通気性を損なわない限り、防水通気膜30の縁全体だけでなく、縁内部に線状、球状、格子状など部分的に接着部材からなる接着層10を設けてもよい。
本発明に係る防水通気部材30において、接着層10は、防水通気膜20の表面および裏面のいずれかの面だけに設けられていてもよいし(図2(イ'))、図2(イ)、(ロ)、(ハ)に示すように、防水通気膜20の表面および裏面の両面に設けられていてもよい。防水通気膜20の表面および裏面に接着層10を設けた場合、本発明に係る防水通気部材30は、例えば2つの防水通気部材設置対象物100の間の接続部分に防水通気部材30を配置する場合などに用いることができる。
[接着部材]
接着部材は、いわゆる接着剤であっても、粘着剤であってもよく、必要に応じて基材を含む接着部材であってもよい。さらには必要に応じて、着色された接着剤を含んでなる接着部材や、着色された基材を含む接着部材であってもよい。防水通気膜20が(例えば黒色などに)着色されてなる場合、接着部材も同系色で(例えば黒色、灰色などに)着色された部材であることが好ましい。
接着層10と防水通気膜20との接着力は、防水通気部材設置対象物100に設置された防水通気部材30において、その防水通気部材30の接着層10が防水通気膜20や防水通気部材設置対象物100から剥離して、防水通気膜20、接着層10および防水通気部材設置対象物100に囲まれた空間内に水、塵などが侵入してしまうことを防止するなどの観点から、接着部材の接着力は、プローブタック試験による接着力評価で、PTFEに対する接着力が、3.0N/5mmφ以上であるものが好ましく、3.5N/5mmφ以上であることがより好ましい。
接着部材としては、特に制限されないが、例えば、シリコーン系接着剤やアクリル系接着剤が挙げられる。市販品としては、3M社製9495MP、積水化学社製5220PSB、日東電工社製57115Bなどが挙げられる。
接着部材は、200℃、10分間での熱収縮率が4%未満である耐熱性接着部材であることが、防水通気部材30の使用時や加工時に加熱処理されて、接着層10および防水通気部材30全体が収縮することを防止して、防水通気部材30の特性や形状を維持できる、接着部材の接着性の低下を防止できるなどの観点から好ましい。耐熱性接着部材としては、接着剤のみからなる(基材を含まない)接着部材や、熱収縮率が前記範囲内である基材(例えば、耐熱性樹脂や金属箔からなる基材)および接着剤からなる接着部材が挙げられる。
また、接着部材がこのような耐熱性接着部材であると、本発明に係る防水通気部材30を、例えば、リフロー工程などの連続加熱処理により好適に製造や加工することができるようになる。
接着部材に用いる接着剤としては、例えば、シリコーン系接着剤やアクリル系接着剤が挙げられる。これらの接着剤は、十分な耐熱性を有するので、熱が加わった場合でも、接着力が保持される。
なお、樹脂膜(接着層10)の収縮率は次のようにして測定することが可能である。まず、幅10mm、長さ10mmの測定サンプルを得る。測定サンプルを熱処理炉内に導入する。熱処理炉の雰囲気温度を200℃に昇温し、10分間保持する。測定サンプルを熱処理炉から取り出して徐冷した後、サンプリング台に載せて寸法変化量を測定し、収縮率を見積もる。
2.防水通気部材30の製造方法
本発明に係る防水通気部材30は、厚さ、ガーレー数、目付け、平均細孔径が上記範囲にある不織布層を含む防水通気膜20と接着層10とから少なくともなるものであればよく(用途によっては、接着層10はなくてもよい)、該不織布層を構成する不織布の製造方法は本発明の目的を損なわない限り特に制限されない。
本発明に係る防水通気部材30は、例えば、未変性PTFEおよび変性PTFEから選択される少なくとも1種、および必要に応じて無機着色剤などを原料として、電界紡糸法によりPTFEファイバを形成(あるいは製造)し、次いで、得られたPTFEファイバを特定の条件下で熱処理することでPTFEファイバを含む不織布(防水通気膜20)を製造し、次いで、不織布の縁全体に接着部材からなる接着層10を設けることで製造できる。
2−1.防水通気膜20の製造
紡糸液には、少なくとも未変性PTFEまたは変性PTFEが含まれていればよいが、以下の説明では、未変性PTFEまたは変性PTFEと、無機着色剤を含む紡糸液を電界紡糸法に供することでPTFEファイバを含む不織布を製造する場合を例に挙げて、順を追って説明する。
なお、例えば、未変性PTFE粒子または変性PTFE粒子および無機着色剤が水および/または有機溶媒に分散されたディスパージョンの状態で添加された形態を、あらかじめ未変性PTFE粒子または変性PTFE粒子と無機着色剤とを一体化(着色)処理して得られた粒子が水および/または有機溶媒に分散されたディスパージョンの状態で添加された形態に変えて応用することもできる。
2−1−1.紡糸液の調整
まず、電界紡糸に供するための紡糸液を調製する。
紡糸液には、未変性PTFEまたは変性PTFEおよび無機着色剤を、水および/または有機溶媒(例:クロロホルム、メタノール、ギ酸、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなど)に添加し、さらに粘度調整ポリマー(C)を必要に応じて添加して、紡糸液を調製する。
粘度調整ポリマー(C)は、未変性PTFEまたは変性PTFEなどのように、溶媒に不溶な材料の電界紡糸において用いるもので、紡糸液の粘度を所望の範囲に調整し、所望のPTFEファイバを成形するために用いられ、その後の加熱処理により除去される。粘度調整ポリマー(C)としては、例えばポリエチレンオキサイド、デキストラン、アルギン酸、キトサン、でんぷん、ポリビニルピリジンコンパウンド、セルロースコンパウンド、セルロースエーテル、加水分解ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリカルボン酸塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸などが挙げられる。
また、溶媒としては、水、クロロホルム、メタノール、ギ酸、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどが挙げられる。これらのうち、未変性PTFEまたは変性PTFEや無機着色剤などを分散させる媒体としては、環境負荷の低減やコスト低減、取扱いの容易性、電界紡糸時の媒体の揮発性などの観点から、水が好ましい。
紡糸液を調製する際、未変性PTFEまたは変性PTFEや無機着色剤は、紡糸液を調製できる限り、どのような形で紡糸液に添加されてもよい。均一に分散し、所望の紡糸を可能にするなどの観点から、水および/または有機溶媒に分散されたディスパージョンの状態で添加されることが好ましい。また未変性PTFEまたは変性PTFE粒子と無機着色剤の付着性制御のため、ディスパージョンの状態で撹拌処理、加熱冷却処理、電荷(pH)調整処理等を行ってもよい。
無機着色剤がカーボン粉末など粒子形状である無機粒子である場合は、ファイバの繊維径を大きく増加させずにPTFEファイバとカーボンを一体化させると共にPTFE樹脂の性能を極力損なわずに、PTFEファイバ、ひいては、PTFEを含む不織布を着色するなどの観点から、粒子の平均2次粒子径が、50〜1000nmであることが好ましく、80〜550nmであることがより好ましく、80〜280nmであることがさらに好ましい。
なお、本明細書において、平均2次粒子径とは、単一の粒子である一次粒子(分割することのできない最小粒子)の凝集体である2次粒子の平均直径を示すものであり、分散液等における実測の粒子径として観測される。また無機粒子の好ましい平均一次粒子径は、PTFEファイバを効率よく着色するなどの観点から、1〜100nmであることが好ましく、5〜80nmであることがより好ましく、8〜20nmであることが更に好ましい。
無機粒子の一次粒子の大きさは、上記観点からPTFE粒子の一次粒子の大きさに対して、1/5〜1/50が好ましく、1/10〜1/20がより好ましい。
上記平均2次粒子径は、レーザー回折法で測定する。
なお、PTFE粒子の平均一次粒子は、1〜500nmであることが好ましく、10〜400nmであることがより好ましく、20〜300nmであることが更に好ましい。
また、分散液中の無機粒子の含量は、紡糸液の粘度やPTFEファイバの繊維径、引っ張り強度などの観点から、30重量部以下であることが好ましく、1〜20重量部であることがさらに好ましい。
また、市販されているカーボン粉末の分散液としては、アクアブラック162(親水性カーボンブラック、東海カーボン株式会社製、平均2次粒子径110nm、カーボンブラック濃度20重量%)、アクアブラック001などが挙げられる。
未変性PTFEや変性PTFEは、従来法に従って製造したものであってもよいし、市販のものでもよい。
また、市販されている未変性PTFEまたは変性PTFEのディスパージョンとしては、D210−C(ダイキン工業株式会社製、PTFE含有量60重量%、平均粒子径230nm)などが挙げられる。
また、紡糸液の粘度は、得られるPTFEファイバの形状や性状(例えば繊維径、引っ張り強度など)に影響を与えるため、500〜300000mPa・sであることが好ましく、500〜50000mPa・sであることがより好ましく、特に、1000〜30000mPa・sであることが好ましい。
紡糸液の粘度は、粘度調整剤を適宜の量で紡糸液に添加することで上記範囲に調整すればよい。紡糸液の粘度が上記範囲より高い場合は、紡糸液に、水および/または有機溶媒を添加するなどして上記範囲に調整すればよい。
なお、不織布中の未変性PTFEまたは変性PTFEに対するカーボン等の無機着色材(防水通気部材における状態)の量は、電界紡糸液中の未変性PTFEまたは変性PTFEに対するカーボン粉末等の無機着色材(原料の状態)の量に実質的に等しい。よって、不織布中の未変性PTFEまたは変性PTFEに対するカーボンの量等の無機着色材の調整は、電界紡糸液中の未変性PTFEまたは変性PTFEに対するカーボン粉末等の無機着色材の量や電界紡糸されたPTFEファイバに対するカーボン粉末等の無機着色材の量を調整することで行えばよい。
2−1−2.電界紡糸(エレクトロスピニング)
上記のように調製された紡糸液は、電界紡糸装置に供されて、次いで、電界紡糸が実施される。
電界紡糸は、例えば、米国特開2010/0193999 A1号公報に記載の方法などにより実施することができる。
ここで、図4を電界紡糸法の一例として取り挙げ、これを参照しながら電界紡糸法の概略を説明する。
電界紡糸装置1には、紡糸液を貯留した容器2と直流電圧電源4に接続されたターゲット電極とが設けられる。容器2の先端(下端)には、紡糸液を放出可能なスピナレット3が設けられている。ここで、スピナレット3とコレクター5との間に高電圧をかけた状態で、スピナレット3から紡糸液を放出させると、紡糸液がスピナレット3を通過する際にPTFE、カーボンなどが静電的に帯電し、紡糸液がスピナレット3から(その下方の)コレクター5に移動する間に、電気力線に沿って繊維(ファイバ6)が形成され、コレクター5上にファイバ6が集積され、ファイバの不織布7が形成される(ファイバの不織布の電子顕微鏡写真8も参照)。
上記コレクター5としては、シート型、ドラム型、移動ベルト型などが挙げられる。コレクター5を構成する材料としては、鉄、アルミニウムや銅などの金属などが挙げられる。コレクター5の型や材料種は、上記電界紡糸が実施できる限り、特に制限されず、目的に応じて適宜選択すればよい。スピナレット3には、必要により、紡糸効率を向上させる等のために、紡糸液加熱機構やエアブロー機構が設けられる。
このような、電界紡糸装置(例えば、ES−2300、株式会社ヒューエンス製)に供して電界紡糸を実施することで、PTFEファイバが紡糸される。紡糸されたPTFEファイバは、通常、予め設置されたコレクター上に集積され、PTFEファイバからなるシート状の堆積物が形成される。
PTFEファイバの平均繊維径は、スピナレットの口径や紡糸液の射出量を調整するなどすれば調整できる。
PTFEファイバを含む不織布層の厚みや目付の調整は、紡糸時間を調整するなどして、堆積させるPTFEファイバの量を調整することで達成される。
PTFEファイバを含む不織布層の平均細孔径は、PTFEファイバを堆積させる際の堆積物の密度などを調整することで達成される。
PTFEファイバを含む不織布層のガーレー数は、ファイバの(平均)繊維径、不織布層の厚み、目付け、平均細孔径を適宜調整することで達成される。
2−1−3.加熱処理
上記のようにして得られたPTFEファイバのシート状の堆積物を以下のように加熱処理すると、防水通気膜20を構成する不織布である、PTFEファイバを含む不織布を得ることができる。
該加熱処理は、通常PTFEファイバのシート状の堆積物を、200〜390℃、30〜300分間の条件で熱処理して行われる。
PTFEファイバのシート状の堆積物は、例えば、DRH453WA(アドバンテック東洋株式会社製)のような電気炉などの中で、昇温速度1〜10℃/分で、室温(通常25℃程度)から200〜390℃程度まで昇温し、該200〜390℃程度に達したら、該温度で30〜300分間維持する。
但し、200〜390℃での加熱時間が全体で300分間以下となるように調整することが好ましい。
この加熱処理により、シート状の堆積物に残留している前記水および/または有機溶媒および前記粘度調整ポリマーが除去される。
このようにして、防水通気膜20を構成する不織布である、PTFEファイバを含む不織布を製造することができる。
なお、この加熱処理によって、得られるPTFEファイバを含む不織布中のPTFEファイバの平均繊維径、PTFEファイバを含む不織布の厚み、目付、平均細孔径、ガーレー数などは、電界紡糸の際に、PTFEファイバのシート状の堆積物の厚み、目付、平均細孔径、ガーレー数などを、上記収縮を見込んだ範囲に調整すれば、前述の範囲に調整することができる。
2−1−4.着色処理
本発明に係る防水通気部材30における不織布層の着色処理方法は、本発明の目的を損なわない限り特に制限されないが、上記電界紡糸時に着色する方法や、PTFEファイバのシート状の堆積物を熱処理して得られた不織布を、着色剤を含む塗料で塗装する方法などが挙げられる。
電界紡糸時に着色する場合は、例えば、着色剤を配合した紡糸液を電界紡糸法に供するが、有機着色剤はPTFEファイバのシート状の堆積物の熱処理時に分解したりする傾向にあるので、無機着色剤を用いることが好ましい。
具体的な着色方法については、前述の電界紡糸法に準じて、不織布層を着色すればよい。
PTFEファイバのシート状の堆積物を熱処理して得られた不織布を、着色剤を含む塗料で塗装する場合は、本発明の目的を損なわない限り、従来法に従って行えばよい。
例えば、そのような着色方法としては、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法などが挙げられる。
このように、本発明に係る防水通気部材30の防水通気膜20は、有機着色剤、無機着色剤、有機無機複合着色剤など、選択できる着色剤の自由度が高く、色の種類、耐久性、着色性、安全性、価格など、様々な要求に合わせて材料を選ぶことができ、材料選択性が広い。
2−1−5.撥油処理
防水通気部材30の不織布層を撥油処理する(不織布層の表面を撥油剤により被覆する)方法としては、撥油剤を溶剤に溶解した溶液に不織布を浸す方法、上記溶液を不織布に塗布し、または噴霧する方法を挙げることができる。
不織布を撥油剤で被覆する際は、不織布の収縮を防ぐために、枠などを用い、不織布の端部を固定しておくことが好ましい。上記溶液における撥油剤の適切な濃度は、被覆材料、被覆方法などによって相違するが、溶液に不織布を浸す方法では0.1〜10重量%程度である。
撥油剤としては、公知の撥油性材料を用いることができるが、例えば炭素数が8以上の直鎖状パーフルオロアルキル基(以下、「直鎖状パーフルオロアルキル基」を「Rf基」と表記することがある)を有するフッ素含有重合体や、Rf基を有するフッ素含有重合体とともに、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有するフッ素樹脂を含む混合物などを挙げることができる。またこれらの撥油剤は、パーフルオロアルキル基やフッ素脂肪族環構造を有さない、他のモノマーや化合物との共重合体や混合物であってもよい。
2−4.接着部材からなる接着層の防水通気膜への取付
防水通気膜20の縁全体に接着部材からなる接着層10を設ける方法は、特に制限されず、従来法に従えばよいが、例えば、両面接着テープなどの接着テープを貼る、接着剤を塗布して接着層10を形成するなどすればよい。
本発明に係る防水通気部材30では、防水通気膜20が不織布であるので、接着部材が不織布内部に含浸したり、食い込んだりして、アンカー効果を発揮することが可能であるため、PTFEファイバを含む不織布−接着層の接着性が優れている。
さらに説明すると、接着部材からなる接着層10が防水通気膜20へ取付けられて得られる本発明に係る防水通気部材30は、例えば、図3に示すように、防水通気部材30の接着層10を防水通気部材設置対象物100に押し付けて、防水通気部材30と防水部材設置対象物100とを貼り合わせることができる。なお、図2の30Aに示すように、防水通気部材30の表裏面に保護膜15が設けられている場合には、それらを剥離しながら、防水通気部材設置対象物100の所定部位に貼り付ければよい。
3.防水通気部材の用途
本発明に係る防水通気部材30は、防水性、通気性、ハンドリング性に優れ、さらには、通音性にも優れるので、電子機器用ベントフィルタ(例えば携帯電話やカメラなど)、自動車の電装部品用ベントフィルタ(自動車用ランプや圧力センサー)、音響部材用ベントフィルタ(例えば、スピーカーや携帯電話のマイク部分)や透湿防水シートなどに好適である。
防水通気部材30が、携帯電話やマイク等の小型電子部品用ベントフィルタである場合、円形状の防水通気膜20およびドーナツ状の領域の接着部材から構成されることが好ましい。このとき、防水通気膜20の外径は、例えば1〜100mmであることが好ましく、2〜40mmであることがより好ましい。接着部材の外径および内径は、防水通気部材30の接着強度、取り扱い性、通気性を損なわなければよく、防水通気膜20の外径と同じでも、少なくとも一部が防水通気膜20の外径より大きくまたは小さくてもよい。防水通気部材30表面における接着部材の面積比率(防水通気部材30表面の面積:接着部材からなる接着層10の面積)は、防水通気部材30の接着強度および通気性の観点から、1:0.9〜0.1であることが好ましく、1:0.8〜0.2であることがより好ましく、1:0.7〜0.3であることがさらに好ましい。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[実施例1]
PTFEディスパージョン(PTFEは未変性)45重量部に、ポリエチレンオキサイド2.3重量部を添加して紡糸液を調製した。得られた紡糸液を電界紡糸装置(ES−2300、株式会社ヒューエンス製)に供して、下記表1に記載された条件で電界紡糸を行い、電界紡糸されたPTFEファイバをコレクター上に集積させて、PTFEファイバの不織布を得た。
原材料の詳細は、以下の通りである。
・PTFEディスパージョン:製品番号D210−C、ダイキン工業株式会社製、PTFE含有量60重量%、平均1次粒子径220nm(カタログ値)。
・ポリエチレンオキサイド(PEO):SIGMA-ALDRICH Co.社製、分子量300000。
Figure 2016022415
次いで、得られたPTFEファイバの堆積物を、電気炉(DRH453WA、アドバンテック東洋株式会社製)に供して、室温から360℃まで昇温速度2℃/minで加熱し、360℃で30分間維持して、PTFEファイバの不織布からなる多孔質膜を製造し、円形に切り抜くことで防水通気膜20(円の直径7mm×厚み130μm)を製造した。得られた防水通気膜(不織布)20について、以下の評価を行い、各種評価結果は表2に示した。
次いで、図2(イ')で示すように、得られた防水通気膜20の表面(片面)の縁全体に、平面リング状(リングの幅1.5mm、リング内径4mm、リング外径7mm)の接着テープ(積水化学工業株式会社製:5220PSB)を設けて、不織布層からなる防水通気膜20と、その片面に設けた、接着部材からなる接着層10とを有する防水通気部材30Cを得た。
(1)PTFEファイバの平均繊維径
株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査型電子顕微鏡(S−3400N)を用い、測定対象となるPTFE多孔膜について、無作為にSEM観察の領域を選択し、この領域をSEM観察(倍率:10,000倍)して無作為に10本のPTFEファイバを選択し、それらファイバの断面を観察し、繊維径の平均値を算出して得られた値を平均繊維径とした。
(2)防水通気膜20の厚み
株式会社ミツトヨ社製高精度デジタル測長機(LITEMATIC VL-50)を用いて、測定力0.01Nの条件で膜厚の測定を実施した。
(3)防水通気膜20のガーレー数
Porous Materials Inc.社製パームポロメーター(CFP−1200−AEL 多孔質材料自動細孔径分布測定システム)でJIS P−8117に準拠した評価測定を行い、ガーレー数(sec/100cc)を測定した。
(4)防水通気膜20の目付
使用した多孔質膜から3cm角の試験片を切り取り、試験片の重量を測定することで、防水通気膜の目付(g/m2)を算出した。
(5)防水通気膜20の平均細孔径
ASTM F316−86に準じて、Porous Materials Inc.社製パームポロメーター(CFP−1200−AEL 多孔質材料自動細孔径分布測定システム)でバブルポイント法により測定を行った。
(6)防水通気膜20のハンドリング性(たわみ角度)
製造された多孔質防水通気膜(不織布からなる防水通気膜20)を幅10mmに切り出し(厚さは130μm)、静電気を除去したのち、テーブル端から張り出した部分ができ、かつ、テーブルから張り出した不織布の末端部から先端部までの長さが10mmとなるように、不織布をテーブル上に設置し、不織布のテーブル端に当たる部分が浮かないように、固定用の重りを載せて不織布をテーブルに固定した。
ここで、「テーブルから張り出した不織布の末端部」とは、不織布の張り出した部分とテーブルに固定されている部分との境界部分をいい、「テーブルから張り出した不織布の先端部」とは、不織布の張り出した部分の、上記境界部分と反対側の端をいう(図5参照)。
この状態での不織布のたわみ角度を以下の方法で測定した。
まず、図5に示すように、テーブルから張り出した不織布の末端部、テーブルから張り出した不織布の先端部、および、張り出した不織布の先端部から基準高さ(テーブルと不織布が接している面の高さ)に対して引いた垂線(図5では「垂線」と表示)と基準高さを表す直線との交点(図5では「交点」と表示)の3箇所を直線で結び、上記3箇所を頂点とする直角三角形を規定する。
この際、テーブルから張り出した不織布の末端部及び先端部においては、該当する部分の不織布の厚みの中点を上記直角三角形の頂点とし、基準高さはテーブルから張り出した不織布の末端部の頂点を通るものとする。
このときの、上記基準高さと上記垂線(張り出した不織布の先端部と基準高さを表す線とを結ぶ線)との交点から張り出した不織布の先端部までの長さをたわみ長さ、基準高さと上記垂線との交点からテーブルから張り出した不織布の末端部までの長さを張り出し長さとして、それぞれ測定した。
次いで、下記式によりたわみ角度を算出した(図5も参照)。
たわみ角度(°)=tan-1(たわみ長さ(mm)/張り出し長さ(mm))
得られたたわみ角度を、不織布層に曲げなどの応力を加える前のたわみ角度とした。
さらに、テーブル上に固定した不織布を、テーブルと不織布の接する面に対して90°になるように膜を曲げた後に、上記と同様の方法でたわみ角度を算出した。得られたたわみ角度を、不織布層に90°曲げの応力を加えた後の不織布層のたわみ角度とした。
各種評価結果は表2に示した。
[実施例2]
電界紡糸の時間を変えた以外は、実施例1と同様に、防水通気膜20を製造し、得られた防水通気膜20(不織布)について評価を行い、次いで、得られた防水通気膜20の縁全体に、接着テープ(積水化学工業株式会社製:5220PSB)を設けて、不織布層からなる防水通気膜と、接着部材からなる接着層10とを有する防水通気部材30を得た。各種評価結果は表2に示した。
[比較例1]
電界紡糸法で得られた防水通気膜20(不織布)の替わりに、延伸多孔質PTFE膜(日本バルカー工業株式会社製、厚さ25μm、平均細孔径0.2μm)を用いた以外は、実施例1と同様に、防水通気膜(延伸多孔質PTFE膜)について評価を行い、次いで、得られた防水通気膜の縁全体に、接着テープ(積水化学工業株式会社製:5220PSB)を設けて、不織布層からなる防水通気膜と、接着部材からなる接着層とを有する防水通気部材を得た。各種評価結果は表2に示した。
Figure 2016022415
本発明に係る防水通気部材30は、防水性、通気性、ハンドリング性に優れ、さらには、通音性にも優れるので、電子機器用ベントフィルタ、自動車の電装部品用ベントフィルタ、音響部材用ベントフィルタや透湿防水シートなどに好適に用いることができる。
1: 電界紡糸装置
2: 紡糸液を貯留した容器
3: スピナレット
4:直流電圧電源
5: コレクター
6:ファイバ
7:ファイバ堆積物
8:ファイバ不織布の電子顕微鏡写真
10:接着層
15:保護膜
20:防水通気膜
20a:防水通気膜の周縁部
21:防水通気膜の周縁部(縁)の表面
22:防水通気膜の周縁部(縁)の裏面
23:防水通気膜の端面(側面)
30、30A、30B、30C、30D:防水通気部材
100:防水通気部材設置対象物

Claims (11)

  1. ポリテトラフルオロエチレンファイバを含む不織布層からなる防水通気膜と、該防水通気膜の縁全体に設けられた、接着部材からなる接着層とを有する防水通気部材であり、
    前記不織布層の厚さが40〜300μm、ガーレー数が0.2〜20秒、目付けが15〜150g/m2、平均細孔径が0.3〜5.0μmであることを特徴とする防水通気部材。
  2. 前記不織布層の厚さが、90〜250μmであることを特徴とする請求項1に記載の防水通気部材。
  3. 前記ポリテトラフルオロエチレンファイバが、未変性ポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られるファイバであり、かつ、前記ポリテトラフルオロエチレンファイバの平均繊維径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の防水通気部材。
  4. 前記接着部材が、200℃、10分間での熱収縮率が4%未満である耐熱性接着部材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水通気部材。
  5. 前記不織布層が、有機着色剤および無機着色剤から選択される1種以上の着色剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の防水通気部材。
  6. 前記ポリテトラフルオロエチレンファイバが、未変性ポリテトラフルオロエチレンまたは変性ポリテトラフルオロエチレンのいずれかと無機着色剤とを少なくとも含む紡糸液を電界紡糸法に供して得られる繊維であり、かつ、前記ポリテトラフルオロエチレンファイバの平均繊維径が0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防水通気部材。
  7. 前記不織布層が、有機着色剤および無機着色剤から選択される1種以上の着色剤を含む塗料で塗装されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防水通気部材。
  8. 前記不織布層が、撥油剤を用いて撥油処理されてなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の防水通気部材。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の防水通気部材を具備する電子機器用ベントフィルタ。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の防水通気部材を具備する自動車の電装部品用ベントフィルタ。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の防水通気部材を具備する音響部材用ベントフィルタ。
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