JP3568133B2 - 防水防塵通気材 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は機器や収納ケース等に設けられた通気孔に設置し、機器、ケース等の内部と外部を連通(通気)させるための通気材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電話機、トランシーバー、インターホン、マイクロホン等の通信機器、カメラ、ビデオ、テープレコーダー、ラジオ、カジオカセット、テレビ、ヘッドホン等のAV機器、電気カミソリ、時計、モーター等については、通常、適当な個所に通気孔を設けている。これら機器において通気孔を設ける目的は、該通気孔を介し、機器の内部と外部を連通させることにより、機器の作動による温度上昇に起因する内部圧力の上昇を回避して機器の作動状態を正常に維持することにある。また、バッテリーケースでは通気孔を設けることにより電池作動時に発生するガスを排出させることを目的としている。
【0003】
ところで、上記の各種機器やケースにおいて通気孔を設けた場合、その通気孔から不用意に水、塵等が侵入するのを防止するため、該通気孔に多孔質合成樹脂フィルムから成る防水防塵通気材を設置することがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように通気材を設置することにより通気孔からの水、塵等の侵入を防止できる。しかし、日常生活のなかで使用される洗剤、シャンプー等の油分が通気材に付着したり、接触したりすると通気材の耐水性が大幅に低下してしまうという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、例えば、通気性基材にパーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソールとテトラフルオロエチレンのコポリマーを含有させて用いることが提案されている(特開平5−320255号公報)。
【0006】
通気性基材への上記コポリマーの含有により油分の付着や接触に起因する不都合を回避することは可能であるが、該コポリマーは高価であるばかりでなく、これを溶解できる溶剤も高価であることから、得られる通気材も当然高価なものとなってしまうという新たな問題を生じている。
【0007】
従って、本発明は油分が付着したり接触したりしても耐水性を喪失しない防水防塵通気材を安価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は従来技術の有する上記問題を解決するため鋭意研究の結果、特定の含フッ素ポリマーを用いることにより所期の目的を達成できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
本発明の防水防塵通気材は、通気性基材表面に撥水撥油層が形成された防水防塵通気材であって、前記撥水撥油層が、パーフルオロアルキルメタクリレートのホモポリマー溶液を前記通気性基材表面に塗布し、ついで、前記溶液中の溶媒を除去することにより形成されたものである。
【0010】
本発明に係る通気材における通気性基材は何ら格別である必要はなく、従来の防水防塵通気材において基材として用いられていたものをそのまま使用できる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)等のフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等の撥水性合成樹脂から成り、且つ、多孔質化されたフィルム、シート、板状体、棒状体等をその具体例として挙げることができる。この通気性基材は多孔質化されたものであり、その孔径や気孔率は適宜設定することができるが、通常、孔径は約0.01〜15μm、気孔率は約20〜98%である。なお、広範囲な温度環境に対する適応性や耐薬品性等を考慮すると、該基材としてはPTFE製のものが特に好ましい。
【0011】
本発明においては通気性基材の強度向上、補強あるいは表面保護のため、網目状体、紙、織布、不織布等の通気性を有する材料を上記通気性基材に積層させることができる。勿論、この積層に際しては該基材の通気度の大幅な低下を招来しないような手段(例えば、点状、網目状、筋状等に部分的に接着や融着させる方法)を採用する。
【0012】
そして、本発明においては上記通気性基材に含フッ素ポリマーが含有させられる。この含フッ素ポリマーとしてはアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレート0〜50モル%と、パーフルオロアルキルアクリレートおよび/またはパーフルオロアルキルメタクリレート50〜100モル%から成るポリマーが用いられる。これら含フッポリマーは合成が容易であるばかりでなく、市販品も安価に入手できる。
【0013】
含フッ素ポリマーは上記のホモポリマーあるいはコポリマーであればいずれであってもよいが、パーフルオロアルキルアクリレート重合体、パーフルオロアルキルメタクリレート重合体、アルキルアクリレート−パーフルオロアルキルアクリレート共重合体、アルキルアクリレート−パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体、アルキルメタクリレート−パーフルオロアルキルアクリレート共重合体、アルキルメタクリレート−パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体、パーフルオロアルキルアクリレート−パーフルオロアルキルメタクリレート共重合体等が好ましい。
【0014】
なお、上記コポリマーにおける撥水性、撥油性はアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートの含有量の増加に伴い低下傾向を示し、特に、アルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートが含有量が50モル%を超えるようになると得られる防水防塵通気材の防水性、撥油性の低下が大きくなる。従って、本発明においてはコポリマーとしてアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートの含有量が50モル%以下(好ましくは0〜40モル%)のものを用いるものとする。コポリマーとしてアルキルアクリレートおよび/またはアルキルメタクリレートの含有量が50モル%以下のものを用いると防水防塵通気材を容易に製造できる利点もある。即ち、このコポリマーは芳香族炭化水素、エステル系、ケトン系、アルコール系等の汎用溶剤に対する溶解性に優れており、該ポリマーをこれら溶剤に溶解させた溶液を通気性基材に含浸(浸漬法、塗布法、スプレー法等によることができる)させ、次いで、加熱して溶剤を除去することにより、本発明に係る防水防塵通気材を容易に製造できる。
【0015】
本発明に係る防水防塵通気材は従来品と同様に各種機器やケースの通気孔に設置して用いる。設置の方法は接着剤や両面接着テープにより接着させる方法、熱融着法、機械的なかしめによる固定法等を採用できる。
【0016】
なお、この防水防塵通気材を設置できる機器としては上記したもの以外に、例えば、ヘッドランプ、フォグランプ、ストップランプ、ワイパーモーター、パワーウィンド等の自動車電装品、スピーカー、ブザー等の通信機器、水銀灯、ハロゲン灯、制御盤、ガスメーター、電力計等の屋外機器、電動ハブラシ、電卓、液体芳香剤容器、ガソリンタンク、プリンターのインクタンク等を挙げることができる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0018】
実施例1
アルキルメタクリレート40モル%とパーフルオロアルキルメタクリレート60モル%から成る共重合体を溶剤に溶解する。なお、溶剤としてはトルエン100重量部に対しn−ヘプタン39重量部および酢酸エチル3.5重量部を均一に混合した混合溶剤を用いた。また、溶液中のポリマーの濃度は5重量%になるようにした。
【0019】
上記のポリマー溶液を厚さ25μm、気孔率80%、平均孔径0.45μmの多孔質PTFEフィルムに塗布し、次いで130℃で1分間加熱して溶剤を蒸発除去することにより、ポリマーが含浸されたフィルム状の防水防塵通気材を得た。なお、通気材におけるポリマーの含有量は2.5g/m2 であった。
【0020】
実施例2
パーフルオロアルキルメタクリレートをパーフルオロ直鎖ハイドロカーボン(沸点−35℃〜55℃)にその濃度が1重量%になるように溶解する。
【0021】
一方、これとは別に厚さ85μm、気孔率85%、平均孔径1μmの多孔質PTFEフィルムの片面にポリエステル不織布(厚さ300μm、市販品)を重ね合わせ点状に熱融着させる。
【0022】
次に、不織布を積層した多孔質PTFEフィルムに上記溶液を塗布し、その後150℃で1分間加熱して溶剤を蒸発除去することにより、ポリマーが含浸されたフィルム状の防水防塵通気材を得た。なお、通気材におけるポリマー含有量は2g/m2 であった。
【0023】
比較例1
実施例1で用いたのと同じ多孔質PTFEフィルムをそのまま防水防塵通気材とした。
【0024】
比較例2
実施例2で用いたのと同じ多孔質PTFEフィルムをそのまま防水防塵通気材とした。
【0025】
上記実施例および比較例で得た防水防塵通気材について下記要領で試験を行った。この結果を表1に示す。
【0026】
A.ガーレー数
JIS P 8117により測定した。
【0027】
B.耐水圧
通気材についてJIS L 1092に規定される方法により耐水圧(kg/cm2 )を測定した。なお、表1の「耐水圧」の欄における「前」はエンジンオイル付着前の値であり、「後」は通気材の片面にエンジンオイルを一旦付着させ、次いで、このオイルを拭き取った後の耐水圧の値である。
【0028】
C.液浸透性
各通気材の片面に市販の中性洗剤(a)、エタノール(b)およびエンジンオイル(c)を滴下し、15分後にこれら液体が通気材に浸透したかどうかを目視により観察した。表1中の「○」は浸透していないことを、「×」は浸透したことを示している。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】
本発明の防水防塵通気材は、通気性の低下が抑制され、広範囲の温度環境下において油分が付着したり接触したりしても液浸透阻止性を維持でき、しかも安価な利点がある。
Claims (2)
- 通気性基材表面に撥水撥油層が形成された防水防塵通気材であって、前記撥水撥油層が、パーフルオロアルキルメタクリレートのホモポリマー溶液を前記通気性基材表面に塗布し、ついで、前記溶液中の溶媒を除去することにより形成されたものである防水防塵通気材。
- 前記通気性基材が多孔質ポリテトラフルオロエチレンからなる請求項1に記載の防水防塵通気材。
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