JP2016020841A - 騒音及び/又は振動の監視方法と監視システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】施工エリアで発生する工事騒音を3つの騒音測定手段で測定し(S110)、これらの測定結果から、騒音発生中心位置と、騒音発生中心位置における騒音源レベルとを算出する(S130、S140)。騒音発生中心位置とは、複数の騒音源の重心とも考えられる位置である。更に、これらの算出結果から、任意の監視位置における予測到達騒音レベルを算出して(S150)、騒音の監視を行うものである。更に、振動についても、騒音の監視方法同様に監視を行う。これにより、監視位置が複数個所であっても、監視位置毎に測定手段を設置する必要がないため、工事に起因する騒音及び/又は振動を、コストを抑制しながら効率よく監視することができる。
【選択図】図4
Description
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の騒音の監視方法は、算出した騒音発生中心位置と騒音発生中心位置における騒音源レベルとから、騒音発生中心位置を中心とした騒音レベルのコンターマップを作成して表示するものである。すなわち、騒音発生中心位置からの距離毎に、騒音発生中心位置から伝搬する騒音レベルを算出し、例えば算出した騒音レベルに応じて色分けして、騒音発生中心位置を中心とした全方位について表示する。この際、建物等による回折減衰の補正、空気の音響吸収による補正、地表面及び水面の影響による補正等を考慮する。このようにして、騒音レベルのコンターマップを表示することにより、騒音発生中心位置を中心とした、施工エリア周辺への騒音の伝搬状況が直感的に把握されるため、より効率よく騒音を監視するものとなる。
本項に記載の騒音の監視方法は、任意の監視位置における予測到達騒音レベルと、所定の騒音監視基準レベルとを比較し、この比較結果に応じて、注意喚起表示及び発報を行うものである。騒音監視基準レベルは、騒音規制法や監視位置の環境等を考慮して予め設定するものであり、監視位置毎に異なるレベルを設定してもよい。更に、例えば、騒音監視基準レベルを2段階設定して、予測到達騒音レベルが1段階目の騒音監視基準レベルを超えた場合に、注意喚起表示を行い、予測到達騒音レベルが2段階目の騒音監視基準レベルを超えた場合に、発報を行うこととしてもよい。これにより、注意喚起表示を行った段階で、施工機械のオペレータ等に対して、騒音がそれ以上大きくならないよう注意を促すものとなり、又、発報を行った段階で、施工を一時中断する等の、騒音低減処理を実行するものとなる。
本項に記載の振動の監視方法は、算出した振動発生中心位置と振動発生中心位置から所定距離の位置における振動レベルとから、振動発生中心位置を中心とした振動レベルのコンターマップを作成して表示するものである。すなわち、振動発生中心位置からの距離毎に、振動発生中心位置から伝搬する振動レベルを算出し、例えば算出した振動レベルに応じて色分けして、振動発生中心位置を中心とした全方位について表示する。この際、施工エリアやその周辺の地盤の種類に応じた内部減衰係数、地中構造物減衰による補正等を考慮する。このようにして、振動レベルのコンターマップを表示することにより、振動発生中心位置を中心とした、施工エリア周辺への振動の伝搬状況が直感的に把握されるため、より効率よく振動を監視するものとなる。
本項に記載の振動の監視方法は、任意の監視位置における予測到達振動レベルと、所定の振動監視基準レベルとを比較し、この比較結果に応じて、注意喚起表示及び発報を行うものである。振動監視基準レベルは、振動規制法や監視位置の環境等を考慮して予め設定するものであり、監視位置毎に異なるレベルを設定してもよい。更に、例えば、振動監視基準レベルを2段階設定して、予測到達振動レベルが1段階目の振動監視基準レベルを超えた場合に、注意喚起表示を行い、予測到達振動レベルが2段階目の振動監視基準レベルを超えた場合に、発報を行うこととしてもよい。これにより、注意喚起表示を行った段階で、施工機械のオペレータ等に対して、振動がそれ以上大きくならないよう注意を促すものとなり、又、発報を行った段階で、施工を一時中断する等の、振動低減処理を実行するものとなる。
本項に記載の騒音及び振動の監視方法は、上記(1)から(3)項に記載した騒音の監視方法と、上記(4)から(6)項に記載した振動の監視方法とを用いて、騒音及び振動の双方を監視するものである。騒音の監視と振動の監視とは、並行して行うものとする。この際、騒音を測定する少なくとも3箇所の測定位置と、振動を測定する少なくとも3箇所の測定位置とは、互いに近接していてもよく、或いは、互いに離れていてもよい。又、騒音を監視する任意の監視位置と、振動を監視する任意の監視位置とは、同じ位置を設定してもよく、或いは、別々の位置を設定してもよい。これにより、任意の監視位置に到達する騒音レベル及び/又は振動レベルを、コストを抑制しながら効率よく監視するものである。
(9)上記(8)項において、前記騒音系統制御部は、前記騒音発生中心位置と該騒音発生中心位置における騒音源レベルとから、前記騒音発生中心位置を中心とした騒音レベルのコンターマップを作成して、前記騒音系統表示部に表示する騒音の監視システム(請求項9)。
(8)から(10)項に記載の騒音の監視システムは、各々、上記(1)から(3)項に記載の騒音の監視方法に用いられることで、上記(1)から(3)項の騒音の監視方法に対応する同等の作用を奏するものである。
(12)上記(11)項において、前記振動系統制御部は、前記振動発生中心位置と、該振動発生中心位置から所定距離の位置における振動レベルとから、前記振動発生中心位置を中心とした振動レベルのコンターマップを作成して、前記振動系統表示部に表示する振動の監視システム(請求項12)。
前記振動系統制御部は、任意の監視位置における前記予測到達振動レベルと、所定の振動監視基準レベルとの比較結果に応じて、前記注意喚起手段による注意喚起表示及び前記発報手段による発報を行う振動の監視システム(請求項13)。
(11)から(13)項に記載の振動の監視システムは、各々、上記(4)から(6)項に記載の振動の監視方法に用いられることで、上記(4)から(6)項の振動の監視方法に対応する同等の作用を奏するものである。
本項に記載の騒音及び振動の監視システムは、上記(7)項に記載の騒音及び振動の監視方法に用いられることで、上記(7)項の騒音及び振動の監視方法に対応する同等の作用を奏するものである。なお、本システムにおいて、騒音の監視システムの各構成部位と、振動の監視システムの各構成部位とで、統合や共用できる部位がある場合は、そのようにしてもよい。例えば、騒音の監視システムに含まれる騒音系統制御部と、振動の監視システムに含まれる振動系統制御部とは、1つの制御部として統合されていてもよく、又、騒音の監視システムに含まれる騒音系統表示部と、振動の監視システムに含まれる振動系統表示部とは、1つの表示部を共用して、騒音系統の表示と振動系統の表示とを切り替えて行うものであってもよい。
図1は、本発明の実施の形態に係る騒音及び振動の監視システム10の構成を示している。図示のように、騒音及び振動の監視システム10は、大略的には、騒音の監視システム30と、振動の監視システム40とで構成されている。騒音の監視システム30は、3つの騒音測定手段12(12a、12b、12c)、騒音系統制御部16a、騒音系統表示部18a、注意喚起手段20、及び、発報手段22を含んでいる。又、振動の監視システム40は、3つの振動測定手段14(14a、14b、14c)、振動系統制御部16b、振動系統表示部18b、注意喚起手段20、及び、発報手段22を含んでいる。そして、図1の例では、騒音系統制御部16aと振動系統制御部16bとが、制御部16に統合されており、騒音系統表示部18aと振動系統表示部18bとが、表示部18に統合されている。又、注意喚起手段20と発報手段22とは、騒音の監視システム30と振動の監視システム40とによって、共用される構成になっている。
S50(監視位置設定):到達する騒音レベルや振動レベルを監視したい任意の監視位置の位置情報を入力する。監視位置には、広範囲にわたる、任意の位置、任意の数が設定可能である。図2の例の場合には、監視位置P1、P2の座標を入力する。
S70(地図情報入力):後述する監視画面に表示するための地図情報を入力する。例えば、施工エリア周辺の地図データを制御部16に読み込ませればよい。
S90(内部減衰係数と地中構造物減衰による補正量との設定):監視対象として振動を含む場合に、施工エリアAとその周辺エリアとの地盤の種類に応じて、後述する振動系統の計算で用いるための内部減衰係数を選択する。これらの係数は、地盤の種類毎に、予め制御部16へ設定しておく。更に、後述する振動発生中心位置と上記S50で設定した監視位置P1、P2との間に、地中構造物がある場合は、地中構造物による減衰を考慮する必要があるため、この減衰量を事前に計算し、補正量として設定する。
S110(瞬時騒音レベル測定):上記S20で設置した3つ(又は1つ)の騒音測定手段12により、騒音測定手段12の設置位置における瞬時騒音レベルを測定し、記録する。例えば、各騒音測定手段12により、時間重み特性F(時定数125ms)でのA特性音圧レベル(単位:dB)を、0.1秒毎に測定する。なお、騒音及び振動の監視システム10では、騒音測定手段12による騒音レベルの測定周期を、最小で20μsまで設定できるが、必要に応じて適切な周期で測定すればよい。
一方、騒音の発生源が1箇所かつ固定であるため、上記S20において騒音測定手段12を1つのみ設置し、上記S30において騒音の発生源の座標を入力した場合には、騒音の発生源の位置が騒音発生中心位置Snとなる。このため、騒音の発生源の座標と、上記S40で入力した騒音測定手段12の座標とから、騒音発生中心位置Snから騒音測定手段12までの距離を算出し、更に、算出した距離と、騒音測定手段12による所定時間毎の騒音レベルとから、騒音発生中心位置Snにおける騒音源レベルを算出する。
なお、騒音の発生源が1箇所かつ固定である場合には、上記S130に記載したように、上記S30で入力した騒音の発生源の座標が、騒音発生中心位置Snとなる。
なお、上記S130〜S160における計算の詳細な説明は控えるが、工事騒音の伝搬式や補正式等を利用して計算を行えばよい。
S180(二次監視基準レベル判定):上記S150で算出した各監視位置P1、P2における予測到達騒音レベルが、上記S60で設定した騒音の二次監視基準レベルを超えているか否かを判定する。そして、予測到達騒音レベルが二次監視基準レベルを超えている場合(YES)は、S200へ移行し、予測到達騒音レベルが二次監視基準レベルを超えていない場合(NO)は、S190へ移行する。
S210(騒音低減処理実施):騒音を低減する必要があるため、作業の中断や作業速度の低減等といった対策処理を実行して、騒音を低減させる。このような処理は、発報を確認したオペレータが手動で行ってもよく、発報を受けた施工機械が自動で行ってもよい。
続いて、再度図3を参照し、振動監視工程S300の説明をする。
S310(瞬時振動レベル測定):上記S20で設置した3つ(又は1つ)の振動測定手段14により、振動測定手段14の設置位置における瞬時振動レベルを測定し、記録する。例えば、各振動測定手段14により、0.1秒毎に振動レベル(単位:dB)を測定する。なお、騒音及び振動の監視システム10では、振動測定手段14による振動レベルの測定周期を、最小で1msまで設定できるが、必要に応じて適切な周期で測定すればよい。
更に、振動測定手段14cの位置から距離rcj(rcj=rci−1、rci−0.99、rci−0.98、・・・rci−0.01、rci、rci+0.01、rci+0.02、・・・rci+0.99)mに振動発生中心位置Svがあると仮定した場合の、振動発生中心位置Svから5m離れた位置における振動レベルLcjを算出する。そして、振動レベルLcjと、振動発生中心位置Svから5m離れた位置における振動レベルとの差が最小になるような、距離rcjを特定し、特定したrcjを、振動発生中心位置Svから振動測定手段14cまでの距離として算出する。
なお、振動の発生源が1箇所かつ固定である場合には、上記S330に記載したように、上記S30で入力した振動の発生源の座標が、振動発生中心位置Svとなる。
なお、上記S330〜S360における計算の詳細な説明は控えるが、地盤振動の伝搬式等を利用して計算を行えばよい。
S380(二次監視基準レベル判定):上記S350で算出した各監視位置P1、P2における予測到達振動レベルが、上記S60で設定した振動の二次監視基準レベルを超えているか否かを判定する。そして、予測到達振動レベルが二次監視基準レベルを超えている場合(YES)は、S400へ移行し、予測到達振動レベルが二次監視基準レベルを超えていない場合(NO)は、S390へ移行する。
S410(振動低減処理実施):振動を低減する必要があるため、作業の中断や作業速度の低減等といった対策処理を実行して、振動を低減させる。このような処理は、発報を確認したオペレータが手動で行ってもよく、発報を受けた施工機械が自動で行ってもよい。
なお、上記S10において、監視対象として騒音及び振動を選択した場合は、上記S100(S110〜S220)の騒音監視工程と、上記S300(S310〜S420)の振動監視工程とを、並行して同時に行うものとする。
続いて、再度図3を参照し、データ出力工程S500の説明をする。
ここまでの工程により、本発明の実施の形態に係る騒音及び振動の監視方法が終了となる。
Claims (14)
- 工事作業に伴って発生する騒音の監視方法であって、
施工エリアで発生する騒音レベルを少なくとも3箇所で測定し、この騒音測定結果に基づいて、騒音が1箇所から発生していると仮定した場合の騒音発生中心位置と、該騒音発生中心位置における騒音源レベルとを算出し、更にこれらの算出結果から、任意の監視位置における予測到達騒音レベルを算出することを特徴とする騒音の監視方法。 - 前記騒音発生中心位置と該騒音発生中心位置における騒音源レベルとから、前記騒音発生中心位置を中心とした騒音レベルのコンターマップを作成して表示することを特徴とする請求項1記載の騒音の監視方法。
- 任意の監視位置における前記予測到達騒音レベルと、所定の騒音監視基準レベルとの比較結果に応じて、注意喚起表示及び発報を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の騒音の監視方法。
- 工事作業に伴って発生する振動の監視方法であって、
施工エリアで発生する振動レベルを少なくとも3箇所で測定し、この振動測定結果に基づいて、振動が1箇所から発生していると仮定した場合の振動発生中心位置と、該振動発生中心位置から所定距離の位置における振動レベルとを算出し、更にこれらの算出結果から、任意の監視位置における予測到達振動レベルを算出することを特徴とする振動の監視方法。 - 前記振動発生中心位置と、該振動発生中心位置から所定距離の位置における振動レベルとから、前記振動発生中心位置を中心とした振動レベルのコンターマップを作成して表示することを特徴とする請求項4記載の振動の監視方法。
- 任意の監視位置における前記予測到達振動レベルと、所定の振動監視基準レベルとの比較結果に応じて、注意喚起表示及び発報を行うことを特徴とする請求項4又は5記載の振動の監視方法。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の騒音の監視方法により騒音を監視し、請求項4から6のいずれか1項記載の振動の監視方法により振動を監視することを特徴とする騒音及び振動の監視方法。
- 工事作業に伴って発生する騒音の監視システムであって、
施工エリアで発生する騒音レベルを測定する少なくとも3つの騒音測定手段と、騒音系統制御部と、騒音系統表示部とを含み、
前記騒音系統制御部は、前記少なくとも3つの騒音測定手段の騒音測定結果に基づいて、騒音が1箇所から発生していると仮定した場合の騒音発生中心位置と、該騒音発生中心位置における騒音源レベルとを算出し、更にこれらの算出結果から、任意の監視位置における予測到達騒音レベルを算出して、前記騒音系統表示部に表示することを特徴とする騒音の監視システム。 - 前記騒音系統制御部は、前記騒音発生中心位置と該騒音発生中心位置における騒音源レベルとから、前記騒音発生中心位置を中心とした騒音レベルのコンターマップを作成して、前記騒音系統表示部に表示することを特徴とする請求項8記載の騒音の監視システム。
- 注意喚起手段と発報手段とを含み、
前記騒音系統制御部は、任意の監視位置における前記予測到達騒音レベルと、所定の騒音監視基準レベルとの比較結果に応じて、前記注意喚起手段による注意喚起表示及び前記発報手段による発報を行うことを特徴とする請求項8又は9記載の騒音の監視システム。 - 工事作業に伴って発生する振動の監視システムであって、
施工エリアで発生する振動レベルを測定する少なくとも3つの振動測定手段と、振動系統制御部と、振動系統表示部とを含み、
前記振動系統制御部は、前記少なくとも3つの振動測定手段の振動測定結果に基づいて、振動が1箇所から発生していると仮定した場合の振動発生中心位置と、該振動発生中心位置から所定距離の位置における振動レベルとを算出し、更にこれらの算出結果から、任意の監視位置における予測到達振動レベルを算出して、前記振動系統表示部に表示することを特徴とする振動の監視システム。 - 前記振動系統制御部は、前記振動発生中心位置と、該振動発生中心位置から所定距離の位置における振動レベルとから、前記振動発生中心位置を中心とした振動レベルのコンターマップを作成して、前記振動系統表示部に表示することを特徴とする請求項11記載の振動の監視システム。
- 注意喚起手段と発報手段とを含み、
前記振動系統制御部は、任意の監視位置における前記予測到達振動レベルと、所定の振動監視基準レベルとの比較結果に応じて、前記注意喚起手段による注意喚起表示及び前記発報手段による発報を行うことを特徴とする請求項11又は12記載の振動の監視システム。 - 請求項8から10のいずれか1項記載の騒音の監視システムと、請求項11から13のいずれか1項記載の振動の監視システムとを含むことを特徴とする騒音及び振動の監視システム。
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