JP2016020311A - チオセミカルバゾン及びセミカルバゾン - Google Patents
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Abstract
【課題】安定性と反応性を併せ持つビニル系化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される化合物。
【選択図】なし
【解決手段】式(1)で表される化合物。
【選択図】なし
Description
本発明は、重合性の官能基を有する新規なチオセミカルバゾン及びセミカルバゾンに関する。
一般に、重合性の官能基を有するアクリル酸誘導体やメタクリル酸誘導体などの化合物は接着剤、架橋剤、ハードコート、建築用材料など様々な分野で利用されている。これらのビニル系化合物の中でもアミノ基やヒドロキシ基などの極性基を有する化合物、例えば、メタクリル酸ジエチルアミノエチルは帯電防止剤、染色助剤、塗料などに、メタクリル酸2-ヒドロキシエチルは塗料、感光性樹脂、コンタクトレンズなどに用いられ、その用途は多岐にわたる(非特許文献1、非特許文献2、特許文献1)。
しかしながら、メタクリル酸ジエチルアミノエチルやメタクリル酸2-ヒドロキシエチルは液体であることから固体と比較して作業性に劣り、保存安定性の点でメチルヒドロキノン(MEHQ)などの重合禁止剤を添加する必要があるなどの課題を有する。これらの重合禁止剤は上記化合物の保存安定性は向上させるものの、反応性を低下させてしまう。
しかしながら、メタクリル酸ジエチルアミノエチルやメタクリル酸2-ヒドロキシエチルは液体であることから固体と比較して作業性に劣り、保存安定性の点でメチルヒドロキノン(MEHQ)などの重合禁止剤を添加する必要があるなどの課題を有する。これらの重合禁止剤は上記化合物の保存安定性は向上させるものの、反応性を低下させてしまう。
[平成26年4月1日検索]、インターネット<URL:http://www.mgc.co.jp/seihin/m/18.html>
[平成26年4月1日検索]、インターネット<URL:http://www.mgc.co.jp/seihin/m/10.html>
以上のことから、重合性の官能基と極性基を併せ持ち、さらに室温で安定であり、取り扱いの容易な化合物が求められており、本発明の課題は、安定性と反応性を併せ持つビニル系化合物を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、重合性の官能基としてビニル基を有する新規なチオセミカルバゾン及びセミカルバゾンの製造に成功し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
1.式(1)で表される化合物。
(式(1)中、R1及びR2は、いずれか一方が水素原子であり、もう一方が炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子から選択される群のうち、いずれか一種であり、Xは硫黄原子又は酸素原子である。)
2.式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物を反応させて得られる、1.に記載の化合物。
(式(2)中、Xは硫黄原子又は酸素原子である。)
(式(3)中、R1及びR2は、いずれか一方が水素原子であり、もう一方が炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子から選択される群のうち、いずれか一種である。)
3.式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物の反応条件が、水溶媒を用いるものである、2.に記載の化合物。
4.式(4)で表される、1.に記載の化合物。
5.式(5)で表される、1.に記載の化合物。
6.式(6)で表される、1.に記載の化合物。
7.式(7)で表される、1.に記載の化合物。
本発明の重合性の官能基を有するビニル系化合物は接着剤や塗料などとして有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の化合物は、式(1)で表される化合物である。
(式(1)中、R1及びR2は、いずれか一方が水素原子であり、もう一方が炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子から選択される群のうち、いずれか一種であり、Xは硫黄原子又は酸素原子である。)
本発明の化合物における式(1)のR1及びR2は、経済性や製造の容易さの観点からいずれか一方が水素原子であることを必要とする。
また、水素原子の他方の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子からいずれか一種が選択される。このうち、水素原子である場合、すなわちR1及びR2がともに水素原子である場合は、ビニル部位の反応性が高くなると同時に、式(1)で表される化合物の結晶性も向上して固体として得られやすいため好ましい。
炭素数1〜5のアルキル基として例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
また、水素原子の他方の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子からいずれか一種が選択される。このうち、水素原子である場合、すなわちR1及びR2がともに水素原子である場合は、ビニル部位の反応性が高くなると同時に、式(1)で表される化合物の結晶性も向上して固体として得られやすいため好ましい。
炭素数1〜5のアルキル基として例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、2−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基が挙げられ、メチル基が好ましい。
本発明の式(1)で表される化合物としては、Xが硫黄原子である場合は、チオセミカルバゾン化合物となり、Xが酸素原子である場合はセミカルバゾン化合物となる。
チオセミカルバゾン系の式(1)で表される化合物として具体的には、式(4)で表されるアリリデンチオセミカルバジド(アクロレインチオセミカルバゾン)、式(5)で表される(2−メチルアリリデン)チオセミカルバジド(メタクロレインチオセミカルバゾン)、(2−エチルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−プロピルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−イソプロピルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−ブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−イソブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−sec−ブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−tert−ブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(2−ペンチルアリリデン)チオセミカルバジド、[2−(1−メチルブチル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(2−メチルブチル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(3−メチルブチル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(1−エチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(2−エチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(1,1−ジメチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(1,2−ジメチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[2−(2,2−ジメチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、(3−メチルアリリデン)チオセミカルバジド(クロトンアルデヒドチオセミカルバゾン)、(3−エチルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−プロピルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−イソプロピルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−ブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−イソブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−sec−ブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−tert−ブチルアリリデン)チオセミカルバジド、(3−ペンチルアリリデン)チオセミカルバジド、[3−(1−メチルブチル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(2−メチルブチル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(3−メチルブチル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(1−エチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(2−エチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(1,1−ジメチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(1,2−ジメチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジド、[3−(2,2−ジメチルプロピル)アリリデン]チオセミカルバジドなどが挙げられる。その中でも好ましい化合物は以下の式で表されるものが挙げられる。
セミカルバゾン系の式(1)で表される化合物として具体的には、式(6)で表されるアリリデンセミカルバジド(アクロレインセミカルバゾン)、(2−メチルアリリデン)セミカルバジド(メタクロレインセミカルバゾン)、(2−エチルアリリデン)セミカルバジド、(2−プロピルアリリデン)セミカルバジド、(2−イソプロピルアリリデン)セミカルバジド、(2−ブチルアリリデン)セミカルバジド、(2−イソブチルアリリデン)セミカルバジド、(2−sec−ブチルアリリデン)セミカルバジド、(2−tert−ブチルアリリデン)セミカルバジド、(2−ペンチルアリリデン)セミカルバジド、[2−(1−メチルブチル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(2−メチルブチル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(3−メチルブチル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(1−エチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(2−エチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(1,1−ジメチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(1,2−ジメチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[2−(2,2−ジメチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、式(7)で表される(2−ブテニリデン)セミカルバジド(クロトンアルデヒドセミカルバゾン)、(3−エチルアリリデン)セミカルバジド、(3−プロピルアリリデン)セミカルバジド、(3−イソプロピルアリリデン)セミカルバジド、(3−ブチルアリリデン)セミカルバジド、(3−イソブチルアリリデン)セミカルバジド、(3−sec−ブチルアリリデン)セミカルバジド、(3−tert−ブチルアリリデン)セミカルバジド、(3−ペンチルアリリデン)セミカルバジド、[3−(1−メチルブチル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(2−メチルブチル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(3−メチルブチル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(1−エチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(2−エチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(1,1−ジメチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(1,2−ジメチルプロピル)アリリデン]セミカルバジド、[3−(2,2−ジメチルプロピル)アリリデン]セミカルバジドなどが挙げられる。その中でも好ましい化合物は以下の式で表されるものが挙げられる。
本発明の式(1)で表される化合物は、公知の方法で得ることができるが、例えば式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物を反応させることにより得ることができる。このような製造方法は、製造コストの点から好ましい。
(式(2)中、Xは硫黄原子又は酸素原子である。)
(式(3)中、R1及びR2は、いずれか一方が水素原子であり、もう一方が炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子から選択される群のうち、いずれか一種である。)
式(2)で表される化合物として具体的には、チオセミカルバジド、セミカルバジド塩酸塩などが挙げられる。これらの化合物は、いずれも公知の化合物であり市販品として入手することができる。
式(3)で表される化合物としては、R1及びR2は、いずれか一方が水素原子であり、もう一方が炭素数1〜5のアルキル基及び水素原子から選択される群のうち、いずれか一種であることが経済的に入手しやすく、水溶媒中で反応させることができる点から好ましい。
具体的には、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、2−ペンテナール、2−ヘキセナール、2−ヘプテナール、2−オクテナールなどが挙げられる。その中でも商業的な入手の容易さの観点からアクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドを用いることが好ましい。
これらのアルデヒド化合物は、いずれも公知の化合物であり市販品として入手することができる。尚、クロトンアルデヒドのようにtrans体とcis体の異性体が存在する化合物もあるが、これらはtrans体とcis体の混合物、あるいはtrans体のみの化合物のうち、いずれを用いてもよい。
具体的には、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、2−ペンテナール、2−ヘキセナール、2−ヘプテナール、2−オクテナールなどが挙げられる。その中でも商業的な入手の容易さの観点からアクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドを用いることが好ましい。
これらのアルデヒド化合物は、いずれも公知の化合物であり市販品として入手することができる。尚、クロトンアルデヒドのようにtrans体とcis体の異性体が存在する化合物もあるが、これらはtrans体とcis体の混合物、あるいはtrans体のみの化合物のうち、いずれを用いてもよい。
式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物の反応条件について詳細に説明する。式(2)で表される化合物と式(3)で表される化合物との反応は、式(2)で表される化合物1モルに対し、式(3)で表される化合物を1モル〜過剰量、及び必要に応じて酸を縮合促進剤として0.001〜1モル使用し、水やアルコールなどの極性溶媒中、常圧で、0〜100℃で10分〜24時間程度撹拌して反応させることにより進行する。反応後、公知の方法により目的物を精製する。例えば氷水等で冷却させ結晶を析出、単離して粗結晶を得る方法が挙げられる。
次に、式(2)で表される化合物と、式(3)で表される化合物との使用割合は、モル比で1:1〜1:100、好ましくは1:1〜1:10とするのが好ましい。反応は室温下で行っても、必要に応じて加温下で行ってもよく、原料であるアルデヒド化合物の沸点を考慮すると、好ましくは0〜100℃、更に好ましくは20〜80℃程度で行うことが好ましい。
反応を行う雰囲気としては、空気雰囲気下でも良いが、窒素、アルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
反応圧力については大気圧下で行うことが経済性の点で好ましいが、加圧あるいは減圧条件下で行うこともできる。
反応系中のpHとしては、中性でも良いが、上記の酸を縮合促進剤に用いると、反応が速やかに進行するため好ましい。
反応を行う雰囲気としては、空気雰囲気下でも良いが、窒素、アルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。
反応圧力については大気圧下で行うことが経済性の点で好ましいが、加圧あるいは減圧条件下で行うこともできる。
反応系中のpHとしては、中性でも良いが、上記の酸を縮合促進剤に用いると、反応が速やかに進行するため好ましい。
上記の極性溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコールなどが好ましく、水が特に好ましい。メタノールやエタノールなどのアルコール溶媒を用いると、重合性の官能基を有するアルデヒド化合物が式(2)で表される化合物と反応する前に単独で重合する可能性が高くなる。
上記の縮合促進剤に用いる酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、硝酸、シュウ酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、スルファミン酸、過塩素酸などが挙げられる。入手の容易さから塩酸、硫酸を用いることが好ましい。
反応終了後、冷却操作などにより結晶が析出した場合は、得られた結晶を濾別し、水やアルコール等で洗浄後、減圧下で乾燥させることで本発明の化合物を得ることができる。
本発明の式(1)で表される化合物の生成は、1H−NMRと元素分析により同定することができる。
本発明の化合物は、室温での安定性を考慮すると、固体であることが好ましい。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)アクロレインチオセミカルバゾン(4)の合成
500mlナス型フラスコに、チオセミカルバジド10.94g(120mmol)、水120ml、12N塩酸1.0mlを加え、室温で10分間磁気撹拌子を用いて撹拌した後、アクロレインを7.28g(130mmol)加え、さらに室温で撹拌を継続した。撹拌中に結晶が析出し、24時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、40℃で24時間真空乾燥して、白色固体を12.12g(93.8mmol)得た。得られた固体を1H−NMRで分析し、アクロレインチオセミカルバゾンであることを確認した(1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=5.6(d;1H)、5.7(d;1H)、6.4(ddd;1H)、7.7(s;1H)、7.7(d;1H)、8.2(s;1H)、11.3(s;1H))。モル収率は78%であった。また、微量融点測定器 BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、142〜143℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダー MT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,37.19;H,5.46;N,32.53に対し、実測値C,36.67;H,5.56;N,32.25であった。図1にDSC(示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製DSC6220、10℃/min))測定結果を示す。
(実施例2)メタクロレインチオセミカルバゾン(5)の合成
500mlナス型フラスコに、チオセミカルバジド10.94g(120mmol)、水120ml、12N塩酸1.0mlを加え、室温で10分間磁気撹拌子を用いて撹拌した後、メタクロレインを9.17g(131mmol)加え、さらに室温で撹拌を継続した。撹拌中に結晶が析出し、24時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200mlを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、40℃で24時間真空乾燥して、白色固体を15.20g(106mmol)得た。得られた固体を1H−NMRで分析し、メタクロレインチオセミカルバゾンであることを確認した(1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=1.9(s;3H)、5.3(s;1H)、5.5(s;1H)、7.6(s;1H)、7.8(s;1H)、8.2(s;1H)、11.3(s;1H))。モル収率は88%であった。また、微量融点測定器 BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、118〜119℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダー MT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,37.19;H,5.46;N,32.53に対し、実測値C,36.67;H,5.56;N,32.25であった。図2にDSC(示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製DSC6220、10℃/min))測定結果を示す。
(実施例3)メタクロレインセミカルバゾン(6)の合成
50mlナス型フラスコに、セミカルバジド塩酸塩1.343g(12.0mmol)、水6ml、12N塩酸0.05mlを加え、室温で10分間磁気撹拌子を用いて撹拌した後、メタクロレインを900mg(12.8mmol)加え、さらに室温で撹拌を継続した。撹拌中に白色結晶が析出し、1時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で22時間真空乾燥して、白色固体を1.39g(10.9mmol)得た。得られた固体を1H−NMRで分析し、メタクロレインセミカルバゾンであることを確認した(1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=1.8(s;3H)、5.2(s;1H)、5.3(m;1H)、6.1−6.3(br)、7.5(s;1H)、10.0(s;1H))。モル収率は91%であった。また、微量融点測定器 BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、194〜195℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダー MT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,47.23;H,7.14;N,33.05に対し、実測値C,47.49;H,7.24;N,32.15であった。図3にDSC(示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製DSC6220、10℃/min))測定結果を示す。
(実施例4)クロトンアルデヒドセミカルバゾン(7)の合成
50mlナス型フラスコに、セミカルバジド塩酸塩1.361g(12.2mmol)、水6ml、12N塩酸0.05mlを加え、室温で10分間磁気撹拌子を用いて撹拌した後、クロトンアルデヒドを900mg(12.8mmol)加え、さらに室温で撹拌を継続した。撹拌開始後、直ちに結晶が析出し、0.5時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを加えた。析出した結晶を濾取、水洗後、50℃で22時間真空乾燥して、薄黄色固体を0.15g(1.2mmol)得た。得られた固体を1H−NMRで分析し、クロトンアルデヒドセミカルバゾンであることを確認した(1H−NMR(DMSO−d6,500MHz,δ;ppm)=1.8(d;3H)、6.0(dq;1H)、6.1−6.2(m;3H)、7.5(d;1H)、9.9(s;1H))。モル収率は10%であった。また、微量融点測定器 BY−1((株)矢沢科学製)を用いて融点を測定したところ、192〜193℃であり、炭素・水素・窒素同時定量装置CHNコーダー MT−6(ヤナコ分析工業(株))を用いて元素分析を行ったところ、計算値C,47.23;H,7.14;N,33.05に対し、実測値C,47.17;H,7.19;N,32.35であった。図4にDSC(示差走査熱量測定装置(セイコーインスツル(株)製DSC6220、10℃/min))測定結果を示す。
Claims (7)
- 式(1)で表される化合物。
- 式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物を反応させて得られる、請求項1に記載の化合物。
- 式(2)で表される化合物及び式(3)で表される化合物の反応条件が、水溶媒を用いるものである、請求項2に記載の化合物。
- 式(4)で表される、請求項1に記載の化合物。
- 式(5)で表される、請求項1に記載の化合物。
- 式(6)で表される、請求項1に記載の化合物。
- 式(7)で表される、請求項1に記載の化合物。
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