JP2016019180A - スピーカ用振動板およびスピーカ装置 - Google Patents

スピーカ用振動板およびスピーカ装置 Download PDF

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Toshiyuki Matsumura
俊之 松村
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Abstract

【課題】サスペンションに孔を設けることで支持力の非線形性と振動体の支持力を低減したスピーカ用振動板において、振動板背面からの逆位相音の振動板前面側への回り込みを防ぐ。
【解決手段】本願のスピーカ用振動板は、振動体1と、振動体1の外周部を支持するサスペンション2から構成され、サスペンション2は表面部材3と裏面部材4が積層され、表面部材3および裏面部材4の両方にそれぞれ複数の孔を有し、複数の孔はそれぞれ積層方向に重なり合わないよう配置されたスピーカ用振動板で構成される。複数の孔は積層方向に重なり合わないように配置されるため、振動板背面からの逆位相音の振動板前面側への回り込みを防ぐことが可能となる。これにより、複数の孔の開閉動作によって、振動体の支持力および支持力の非線形性を低減しながら、逆位相音の回り込みを防ぐことができるため、高音質かつ低音再生なスピーカ用振動板を提供可能となる。
【選択図】図1(A)

Description

本発明はスピーカ用振動板および当該振動板を備えたスピーカ、当該スピーカを備えた映像音響機器、および当該スピーカを備えた携帯型情報処理装置に関し、より特定的には、広帯域再生が可能な小型のスピーカ、当該スピーカを備えた映像音響機器、および当該スピーカを備えた携帯型情報処理端末、および移動手段、インナーホンに関する。
近年、映像音響装置、いわゆるAV機器の小型化・高機能化が急速に進行している。特に携帯電話やスマートフォン、タブレットPC(パーソナルコンピュータ)端末などの機器に搭載されるスピーカには性能を維持・向上すると同時に小型・薄型化が求められている。このため、スピーカの小型化で特に高音圧および低音再生性能が課題となっていた。
一般的にスピーカの振動板は、振動体と振動体の外周部を支えるサスペンションから構成される。動電型ならボイスコイル、圧電なら圧電素子に電気信号を加えて振動体を振動させることで、空気に疎密波を発生させ、音を再生する。サスペンションには、振動体がスムーズに振動可能なように支持する「支持」と、振動板背面で発生する逆位相の音が振動板前面に回り込んで再生音を打ち消すことを防止する「逆位相音の封止」の2つの役割がある。
小型スピーカでも大きな音圧を再生するためには、多くの空気を動かすために振動体の面積をできるだけ大きく確保する必要があるが、そのためには振動体の外周部に位置するサスペンションの幅を狭くする必要がある。一方、サスペンションの幅を狭くすると、振動体の支持力の剛性が上昇して低音再生が困難になり、さらには振動体の支持力の線形性(リニアリティ)が悪化するため再生音の高調波歪が増大する。したがって、小型スピーカのサスペンションには、幅が小さくても振動体の支持剛性が低く、振動体の振幅に対する振動体の支持力のリニアリティがよいことが求められる。
そこで従来技術として、振動体を支持するサスペンションにスリット状の孔を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。図15は、前記特許文献1に記載された従来のスピーカを示すものである。
図15において、101は振動体、102は振動体101を支持するサスペンション、103はサスペンション102上に設けられた複数のスリット状の孔である。振動体101が振動すると、サスペンション102の円周方向に伸縮力がはたらくため、サスペンション102に設けたスリット孔103が拡がったり、狭まったりする開閉動作により、サスペンション102の周方向への伸縮がスムーズになるため、振動体101の振動方向への支持力が低減され、振動体101を支持する力のリニアリティが向上する。この結果、小型でも低歪で低音再生性能に優れたスピーカを実現することができる。
特開平7−23497号公報
しかしながら、前記従来の構成では、前記振動体101を用いたスピーカの再生時、振動体101背面からの音が、スリット状の孔103を通り振動板前面側に回り込み、スピーカ前面からの音と打ち消し合い、音圧が低下するという課題を有していた。特に波長の長い低音の音は、音の打ち消しが生じやすく、このためスピーカの低音再生が困難となる。さらに、スリット状の孔103を通る空気の擦れ音によって、かえって歪音が増加することもある。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、振動板がスムーズに振動でき、かつ振動板背面から、振動板表側に音が回り込まないサスペンションを有するスピーカ用振動板および前記振動板を用いたスピーカ装置および、前記スピーカ装置を搭載したAV機器、タブレット端末やインナーイヤーホンなどのモバイル機器、車や鉄道、飛行機などの移動手段を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のスピーカ用振動板は、振動体と、前記振動体が振動可能なように、前記振動体の外周部を支持するサスペンションから構成され、前記サスペンションは、少なくとも表面部材と、裏面部材が積層され、前記表面部材と前記裏面部材の間には空間が設けられ、前記表面部材および前記裏面部材の両方に複数の孔を有し、前記複数の孔はそれぞれ積層方向に重なり合わないよう配置されたことを特徴とする。本構成によって、振動体が振動する際に、前記表面部材および前記裏面部材に設けられた前記複数の孔が開閉することで、サスペンションを構成する前記表面部材および前記裏面部材が周方向にスムーズに伸縮することができる。この結果、サスペンションの振動体支持力のリニアリティが向上する。また、同じく前記複数の孔の開閉によりサスペンションがスムーズに動作するため、振動板の振幅方向に対するサスペンションの支持力を低減することができ、同じサイズでも低音再生が可能なスピーカ用振動板を実現することができる。
このとき、前記複数の孔は、前記表面部材と前記裏面部材の積層方向に重なり合わないように配置されるため、振動板の裏面側の空気は裏面部材に設けられた孔から、前記空間を通り、表面部材に設けられた孔から、振動板前面に通じる。従来例に比べ、表面部材と裏面部材の間の狭い空間を通ることで、前記複数の孔を通る空気の制動抵抗は大きくなる。スピーカ駆動時に振動板裏面から発生する逆位相の音が、前記複数の孔を通って、振動板前面に回り込みにくくなり、課題であった振動板背面音による再生音の打ち消しを効果的に低減できる。本構成によって、前記複数の孔の開閉によって振動板のリニアリティの向上および振動板支持力の低減と、従来課題であった振動板背面音による再生音の打ち消し低減を両立することができる。
本発明のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置は、複数の孔をそれぞれ有する表面部材と裏面部材から構成されたサスペンションにより、振動体支持力の線形性および剛性低減を実現でき、同時に振動板背面で発生する逆位相音の回り込みによる再生音の打ち消しを防止することができるため、より歪が少なく、低音再生特性に優れたスピーカが実現可能となる。
本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板の上面図 本発明の実施の形態1におけるサスペンションの一部の分解斜視図 本発明の実施の形態1におけるサスペンションの一部の斜視図 本発明の実施の形態1におけるサスペンションの一部の断面図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板を用いたスピーカユニットの周波数−音圧特性の例 本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板の断面図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板の断面図 本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板の断面図 本発明の実施の形態2におけるスピーカ用振動板の上面図 本発明の実施の形態3におけるスピーカ用振動板の上面図 本発明の実施の形態3における孔の形状例 本発明の実施の形態3における孔の形状例 本発明の実施の形態3における孔の形状例 本発明の実施の形態3における孔の形状例 本発明の実施の形態3における孔の形状例 本発明の実施の形態3における孔の形状例 本発明の実施の形態3における他のスピーカ用振動板の上面図 本発明の実施の形態3における他のスピーカ用振動板の上面図 本発明の実施の形態3における他のスピーカ用振動板の上面図 本発明の各実施の形態におけるサスペンションの工法例 本発明の各実施の形態におけるサスペンションの工法例 本発明の各実施の形態におけるサスペンションの工法例 本発明の各実施の形態におけるサスペンションの工法例 本発明の実施の形態4におけるスピーカユニットの断面図 本発明の実施の形態4におけるスピーカユニットの一部の断面図 本発明の実施の形態5におけるタブレット端末 本発明の実施の形態6における画像表示装置 本発明の実施の形態7における車載スピーカの搭載図 本発明の実施の形態8におけるインナーイヤーホンの断面図 従来のスピーカ用振動板の上面図
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。本開示の独立請求項に記載されていない構成要素については、本開示の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。また、以下に記載する全ての実施の形態は、各々に記載の事項を組み合わせて構成することも可能である。
本発明の第1の態様のスピーカ用振動板は、振動体と、前記振動体が振動可能なように、前記振動体の外周部を支持するサスペンションから構成され、前記サスペンションは、少なくとも表面部材と、裏面部材が積層され、前記表面部材と前記裏面部材の間には空間が設けられ、前記表面部材および前記裏面部材の両方に複数の孔を有し、前記複数の孔はそれぞれ積層方向に重なり合わないよう配置されたことを特徴とする。本構成によって、振動体が振動する際に、前記表面部材および前記裏面部材に設けられた前記複数の孔が開閉することで、サスペンションを構成する前記表面部材および前記裏面部材が周方向にスムーズに伸縮することができる。この結果、サスペンションの振動体支持力のリニアリティが向上する。また、同じく前記複数の孔の開閉によりサスペンションがスムーズに動作するため、振動板の振幅方向に対するサスペンションの支持力を低減することができ、同じサイズでも低音再生が可能なスピーカ用振動板を実現することができる。
このとき、前記複数の孔は、前記表面部材と前記裏面部材の積層方向に重なり合わないように配置されるため、振動板の裏面側の空気は裏面部材に設けられた孔から、前記空間を通り、表面部材に設けられた孔から、振動板前面に通じる。従来例に比べ、表面部材と裏面部材の間の狭い空間を通ることで、前記複数の孔を通る空気の制動抵抗は大きくなる。スピーカ駆動時に振動板裏面から発生する逆位相の音が、前記複数の孔を通って、振動板前面に回り込みにくくなり、課題であった振動板背面音による再生音の打ち消しを効果的に低減できる。本構成によって、前記複数の孔の開閉によって振動板のリニアリティの向上および振動板支持力の低減と、従来課題であった振動板背面音による再生音の打ち消し低減を両立することができる。
本発明の第2の態様のスピーカ用振動板は、前記表面部材に設けられた孔から前記空間を通って、前記裏面部材に設けられた孔が、音響ハイカットフィルタを構成し、前記音響ハイカットフィルタの動作周波数が、スピーカの動作周波数以下に設定されたことを特徴とする。スピーカの動作周波数では実質的にサスペンション部を透過しないため、振動板背面音による再生音の打ち消しを防止できる。
本発明の第3の態様のスピーカ用振動板は、前記空間に、液体、ゲル状体、粘着材料、超弾性ゴムのいずれかまたは、それらの組み合わせから構成される中間部材を配置したことを特徴とする。前記複数の孔の開閉動作を阻害せず、前記空間を通じる振動板背面音を完全に遮断することが可能である。
本発明の第4の態様のスピーカ用振動板は、前記表面材および前記裏面材は、樹脂フィルム、ソリッドゴム、発泡ゴム、ウレタン、樹脂材料またはゴムが含浸された布材、粘着材料のいずれか、またはそれらの組み合わせから構成されていることを特徴とする。振動板の支持力の線形性と柔軟性、サスペンションの軽量化、サスペンション材料の損失向上の観点から選択され、スピーカの再生能率、再生音の歪低減、あるいは低音の音量向上に貢献する。
本発明の第5の態様のスピーカ用振動板は、前記表面部材、前記裏面部材のどちらか、あるいは両方の表面に減衰材料、例えばエラストマ、ゴム系材料、油脂系材料などを備えたことを特徴とする。振動体が振動した場合のサスペンションの不要振動を減衰させることで、スピーカ再生音の歪や周波数特性の平坦性向上に効果が得られる。また、ボイスコイル等がサスペンションに接触した場合でも、接触音の発生を抑制、低減する効果も得られる。
本発明の第6の態様のスピーカ用振動板は、サスペンションの断面形状が略円弧状あるいは楕円弧状、複数の半径を持つ円弧の組み合わせ形状である、いわゆるロール形状、あるいは凸形状と凹形状を形成した蛇腹(ベローズ)形状であることを特徴とする。サスペンションが平面で構成された場合に比べ、振動体の振幅方向に対するサスペンションの支持力が、振動体の振幅に対し、より線形になる。したがって、前記複数の孔によるサスペンションのリニアリティ向上の効果をより効果的に得ることができる。
本発明の第7の態様のスピーカ用振動板は、前記複数の孔はそれぞれ前記振動体の外周部から前記サスペンションの外周方向に向かって、スリット状に設けられていることを特徴とする。スリット状とすることで、サスペンションの周方向への伸縮がより容易になり、前記サスペンションの振動板支持力のリニアリティが向上するとともに、支持力を低減することができる。
本発明の第8の態様のスピーカ用振動板は、前記複数の孔はそれぞれ前記振動体の外周曲線の法線方向に対し、一定の角度傾けたスリット状に設けられていることを特徴とする。スリット状の孔に角度をつけることで、スリットの長さを大きくとることができ、より、サスペンションのリニアリティおよび柔軟性を向上することができる。
本発明の第9の態様のスピーカ用振動板は、前記振動板の外周部は円、楕円、多角形、あるいは2本以上の直線と曲線の組み合わせで構成される形状であることを特徴とする。
本発明の第10の態様では、前記振動体の外周部は少なくとも2本の直線と、少なくとも2箇所以上の曲線部から構成されることを特徴とする。例えば、2本の直線と2本の半円状の曲線から構成される、いわゆる陸上トラックの形状や、長方形の4つの角にそれぞれ曲線部を設けた形状などがある。
本発明の第11の態様のスピーカ用振動板は、前記曲線部のみに前記複数の孔が設けられていることを特徴とする。本発明の第10の態様で定義された振動板形状の場合、サスペンションの振動板支持力のうち、前記曲線部における支持力の影響が大きい。このため、曲線部に前記複数の孔を設けることで、効果的に、振動板の線形性向上、振動板の支持力低減を実現することが可能である。
本発明の第12の態様のスピーカ用振動板は、少なくとも前記曲線部に設けられた、前記複数の孔のそれぞれの間隔が不均一であることを特徴とする。サスペンションの周方向の応力が大きいところに、集中的に孔を配置することで、効果的に振動板の支持力の線形性向上、支持力低減の効果が得られる。
本発明の第15の態様のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置あるいはAV機器、モバイル情報機器、家電、自動車の工法は、少なくともロール状あるいは蛇腹状に成型された前記表面材および前記裏面材に対し、それぞれレーザー光あるいは機械刃を用いて孔を形成し、その後積層して前記サスペンションを形成する。成型後に孔を形成することで、孔の位置精度、形状精度が得られる。
本発明の第16の態様のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置あるいはAV機器、モバイル情報機器、家電、自動車の工法は、略平面状の複数の材料に前記孔を設け、それぞれの材料を積層後に所定の形状に成型することによって前記サスペンションを形成する。立体形状への孔あけ加工より、平面状の状態での孔あけ加工の方が加工機の構造が簡便であり、低コストである。また、位置決めや材料の固定を容易に行うことができる。
本発明の第17の態様のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置あるいはAV機器、モバイル情報機器、家電、自動車の工法は、加工面から少なくとも1つ以上の層を切断し、加工面から反対側に位置する面の層は切断しない、いわゆるハーフカット工法を用いて前記孔を形成する。ハーフカット工法を用いることで、積層後の加工が可能である。積層前に孔あけ加工する工法に比べ、積層時の表面部材と裏面部材の位置ずれを防止することができるため、より高い形状精度のサスペンションを構成することが可能である。
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の実施の形態1におけるスピーカ用振動板の上面図である。
図1(A)において、1は振動体、2は振動体1の外周部に設けられたサスペンションであり、サスペンション2は表面部材3および裏面部材4が積層されている。5は表面部材3に設けられた孔、6は裏面部材4に設けられた孔である。表面部材3に設けられた孔5と裏面部材4に設けられた孔6は、サスペンション2の積層方向に重ならないよう配置されている。図1(B)はサスペンションの一部(図1(A)の点線部B)の構造を説明するための斜視図である。表面部材3はサスペンション2の内周部から外周部に向かってスリット状の孔が4つ設けられている。一方、裏面部材4には同じくサスペンション2の内周部から外周部に向かってスリット状の孔が3つ設けられている。これらを積層すると、図1(C)のようになる。図1(C)に示すように、表面部材3に設けられた孔5と裏面部材4に設けられた孔6は、サスペンション2の積層方向に重ならないよう配置されている。図1(D)はサスペンション2の断面(図1(A)のD−D’)である。断面形状はロール状に形成されている。サスペンション2の外周部は接着剤7によって表面部材3と裏面部材4が接着されている。同じくサスペンション2の内周部も接着剤8で表面部材3と裏面部材4が接着されている。
本実施の形態1に記載のスピーカ用振動板が搭載されたスピーカ装置は、振動体1が図1(A)の奥側および手前側に振動することで音を再生する。このとき、振動体1が振動できるように外周部を支持するのがサスペンション2であり、サスペンション2の外周部は固定される。図1(B)において、振動体1が下側に変位した際、サスペンション2の曲線部(図1(A)の点線部B)では、サスペンション2の内周側では圧縮方向、外周側では伸長方向に応力が発生する。逆に、サスペンション2の内周部が上側に変位した際、サスペンション2の内周側では伸長方向、外周側では圧縮方向に応力が発生する。このとき、サスペンション2に設けられたスリット状の孔5、6があるため、孔によって上記応力が緩和されるため、サスペンション2の周方向における伸長、圧縮が容易となる。このため、振動体1が振動しやすくなる。したがって、振動体1の振幅に対するサスペンション2の支持力のリニアリティが向上し、スピーカ再生音の高調波歪が低減でき、音質が向上する。また、サスペンション2の支持力を低減することが可能であり、より低音を再生可能なスピーカ装置が実現可能となる。図1(D)において、サスペンション2の表面部材3と裏面部材4は接着剤7、8でのみ接着されているため、積層してもそれぞれの孔の開閉は阻害されない。スムーズに孔5、6が開閉することで、リニアリティのよい、振動体1の支持剛性の低いサスペンション2を実現できる。
図1(A)におけるE−E’の断面の一部は、図2(A)のようになっている。表面部材3に設けられたスリット孔5と裏面部材4に設けられたスリット孔6が、サスペンション2の積層方向に重なっていないため、振動板の背面から前面に抜ける空気の通り道は、F−F’で示される。表面部材3と裏面部材4の層間は狭いため、振動板の背面で発生する逆位相音が振動板の前面に回り込みにくくなる。より具体的には、振動体背面側の空間と空気の経路F−F’とに基づいて下記の式1で求められるカット周波数を有するハイパスフィルタが構成される。表面部材3と裏面部材4の空気の経路を細く、長く形成することで、このハイパスフィルタのカット周波数fcを、スピーカの動作周波数以下に設定すれば、実質的に振動板前後の音が遮断される。
以上により、振動板の背面で発生する逆位相音の回り込み防止しながら、リニアリティのよい、高コンプライアンスの振動板を実現した。なお、スリット状の孔5,6は振動体1が振幅する際にそれぞれ開閉動作をするが、振動体1の最大振幅時にスリット状の孔の一部において、スリットが狭まる方向に変位した場合、スリット孔の幅が十分ないとスリットの辺同士が接触し、振動を阻害してしまう。したがって、振動体1の最大振幅時にスリットの辺同士がぶつからないよう、スリットは一定以上の幅を有することが望ましい。
図1(E)に本願のスピーカ用振動板を用いて試作したスピーカユニット(9×16mm)の周波数−音圧特性を示す。表面部材3および裏面部材4は厚み12μmのPEEK(ポリエーテル・エーテルケトン)を使用、スリット孔5、6の幅はそれぞれ約0.15mmである。図1(A)に示すように、表面部材3に設けられているスリット孔5は16個、裏面部材4に設けられているスリット孔6は12個である。図1(E)スリット孔5、6がない従来振動板(積層していないPEEK25μm、同形状のサスペンション)を用いたスピーカユニット特性と比べると、foが大幅に低減されていることがわかる。インピーダンスのピークから求めた最低共振周波数の結果から算出したサスペンション2のスティフネスは324N/mで、スリット孔のないときのスティフネス1176N/mに比べて大幅に低減されていることがわかる。
なお、図1(D)に示すように、サスペンション2のリニアリティを調整するために、サスペンション断面において内周側の曲率半径と外周側の曲率半径が異なり、外周側の曲率半径の方が小さくしている。しかし、このような効果が不要な場合は、一定の曲率半径で構成してもよい。また、サスペンション2の断面形状はロール状であるが、凹凸が連続する蛇腹状でもよい。
また、表面部材3と裏面部材4の間は、図2(A)では空間となっているが、図2(B)、図2(C)で示すように中間部材9を配置してもよい。図2(B)では表面部材3と裏面部材4の積層部分のみに中間部材9が配置されている。一方、図2(C)ではサスペンション2の全体にわたって中間部材9が配置されている。中間部材9の材料は孔の変形をできる限り阻害しない、機械的に柔軟な材料である必要がある。中間部材9の例としては、きわめて揮発しにくい液体(例えば石油系オイルやシリコーン系オイルなど)、変形容易なエラストマ材料(ゴムなど)、ゲル状体、粘着材料などがある。
表面部材3および裏面部材4の材料としては、例えばPI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテル・エーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEN(ポリエーテルニトリル)、PET(ポリエチレンテレフタラート)などの樹脂フィルム材料、ソリッドゴム、発泡ゴム、ウレタン、樹脂材料またはゴムが含浸された布材や紙、粘着材料のいずれか、またはそれらの組み合わせから構成されてもよい。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2のスピーカ用振動板の上面図である。図3において、各部材および振動体1の動作は実施の形態1と共通であるので、説明を省略する。
図3において、表面部材3はサスペンション2の4隅に4箇所に分かれて配置されている。これにより、より軽量な振動板を実現でき、スピーカ装置の電気−音響変換の効率が向上する。
また、孔5、6の間隔は均一ではなく、サスペンション2の曲線部の中央で密になっている。振動体1の振動時によりサスペンション2の伸長、圧縮が必要な部分に、集中的に孔を配置することで、サスペンション2の剛性低減およびサスペンション2のリニアリティ向上に効果が得られる。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3のスピーカ用振動板の上面図である。図4において、1は円形状の外周を持つ振動体である。各部材および振動体1の動作は実施の形態1と共通であるので、説明を省略する。振動体1の形状は、円形状のほか、楕円、多角形、あるいは2本以上の直線と曲線の組み合わせで構成される形状であっても構わない。
また、孔5、6の形状はサスペンション2の内周部から外周部に向かって、広がるように形成されているが、図5(A)のように平行線で形成されていても構わない。さらには、孔5、6の形状はそれぞれ、図5(B)、(C)、(D)、(E)、(F)に示すような形状・配置であっても構わない。図5(A)は2辺が平行なスリット状の孔、図5(B)は2本の曲線によって構成された孔、図5(C)は楕円形状の孔である。さらに図5(D)は図1(D)に示したようなロール形状の幅よりも孔の形状が小さい例、図5(E)は同じくロール形状の幅よりも孔の形状が大きい例を示す。ロール形状の立ち上がり部で孔を形成することは工法的に難しい場合、孔とロール形状の幅の関係はどちらであっても構わない。特に図1(D)に示したように、ロール形状の外側のみに接着剤7、接着剤8を塗布することによって、いずれの場合でも動作に問題が生じることはない。さらに図5(F)に示すように、サスペンション2の幅に対し、孔5(または6)の位置がずれていても構わない。この場合、サスペンション2の振動体1の支持力の線形性を孔の位置および形状で調整することが可能であり、より線形性のよい振動板が実現可能である。
さらに、孔5、6は、図6に示すようにスリット状の孔で形成され、サスペンション2の内周曲線の法線に対し、ある一定の角度θでスリットを設けてもよい。スリットがサスペンション2のロール幅より長く形成されることで、応力を回転方向の力として緩和することができ、振動体1はよりスムーズな振動が可能である。
孔5,6は、図7(A)、(B)に示すような配置でもよい。図7(A)は楕円状のスリット孔を設けた構成、図7(B)は小さい孔をサスペンション2の内周から外周にかけて複数設けた例である。
(サスペンションの製造法)
図8(A)には、サスペンション2の製造法の一例を示す。表面部材3と裏面部材4を積層した後に孔5を形成する場合、機械刃10でサスペンション2全体ではなく、表面部材3のみを切断する、いわゆるハーフカット工法と呼ばれる工法を用いてもよい。この際、加工機の精度によっては、裏面部材4を一部切断しても構わない。また、機械刃10の形状によっては、断面がサスペンション2の表面に対して図2(A)、(B)、(C)に示したような垂直な断面にはならないが、特に性能に大きな影響はない。
図8(B)は、サスペンション2に中間部材9がある場合の製造法の一例を示す。図8(A)と同様に、ハーフカット工法を用いてもよい。ハーフカットのため、厚み方向に刃の位置を精度よく設定し、刃を動かすことで、孔5を形成する。加工機の精度によっては、中間部材9を一部切断しても構わない。また、レーザー光を用いて孔5を形成する方法もある。このとき、中間部材9にレーザー光を反射、もしくは吸収する材料を用いれば、表面部材3を切断したあと、レーザー光は中間部材9にて反射、もしくは吸収され、裏面部材4はカットされない。
図8(C)には、積層前の表面部材3に孔5を設ける機械刃10の例を示す。一定幅の孔を設けるために、上側の刃の断面形状は2箇所でカットするような形状となっている。一方、表面部材3の下に受け刃を用いることで、より高い精度で孔をあけることが可能である。
しかし、口径が小さいスピーカでは、サスペンション2のサイズも小さく、スリットの幅をより狭く設計しなければいけない場合がある。その場合、図8(C)の上側の刃のように2つの刃を狭い範囲に並べることは技術的に難しい。また、刃の高さが十分取れないため、刃の寿命が短くなり、量産性も悪い。表面部材3が平面状の状態で、立体成型前に図8(D)に示したような、単一の刃で孔をあけておく。その後、ロール形状に成型すると、成型時の応力によって、孔が開く。このため、振動板の変位時に孔が狭まる方向に変位しても、孔の辺同士が接触しない、十分な幅の孔を形成することができる。
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4のスピーカユニットの断面図である。20はスピーカユニット、1は振動体、2はサスペンションを示し、実施の形態1〜3に示したスピーカ用振動板のいずれかが選択される。21はプレート、22はマグネット、23はヨークで磁気回路を構成し、形成された磁気ギャップにボイスコイル14が配置されている。ボイスコイル14は振動体1に固着され、ボイスコイル14に電気信号を印加すると、振動板が振動し、音が再生される。24は磁性流体、25はフレームである。サスペンションの剛性が下がると振動板は通常の振動方向以外の振動、いわゆるローリング振動をしやすくなる。このローリング振動を抑えるため、磁気回路中には磁性流体24が配置され、ローリング振動を防止する。もし、このような効果を期待しない場合は、磁性流体24を省略しても構わない。
実施の形態1〜3に記載のように、従来に比べて振動体支持力のリニアリティがよく、振動体の支持力を低減可能なため、低歪で低音再生が可能なスピーカユニットが実現可能である。
なお、スピーカユニット20は図10のような構成としてもよい。図10において、3は振動体の一部を兼ねた表面部材、4はボイスコイル支持体を兼ねた裏面部材である。11は表面材、12は中空材、13は裏面材であり、11、12、13でハニカム構造体を構成し、表面部材3の上に固着することで振動体が構成される。図9では、振動体1に直接ボイスコイル14を固着していたため、磁気ギャップにおけるボイスコイル14の位置はある程度固定されてしまっていたが、図10の構成ではボイスコイルボビンを別途設けなくても、裏面部材4によってボイスコイル14が磁気回路中のもっとも磁束の大きい位置に配置できるため、質量の増加を抑えながら駆動力を最大化でき、より能率の高いスピーカユニットを実現可能である。さらに振動体1は、2枚の板で挟まれたハニカム構造であり、高さが制約される小型スピーカでも、高い剛性の振動体が得られるため、軽量で高域特性のよいスピーカユニットが実現できる。なお、このような効果を期待しない場合、振動体はドーム形状であっても、コーン形状であっても構わない。
また、図10では動電型のスピーカユニットを示したが、圧電型、静電型など他駆動方式のスピーカユニットに、実施の形態1〜3のスピーカ用振動板を適用してもよい。
また、図10ではサスペンション2のロールの向きを上に凸にしたが、逆に下に凸となっているロール形状であってもよい。
(実施の形態5)
図11は本発明の実施の形態5のタブレット端末である。201はタブレット端末、202はディスプレイ、20は実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を搭載したスピーカユニットである。近年、タブレット端末等のモバイル端末では筐体の小型・薄型化とともに、ディスプレイの大型化によって、スピーカの搭載位置が端末の端になり、より小型化が求められている。一方で、画面の高精細化にともない、音の音質向上が求められている。実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカユニット20を用いれば、小型でも低音かつ低歪な音が提供可能なタブレット端末201を実現可能である。
(実施の形態6)
図12は本発明の実施の形態6の画像表示装置である。より具体的には、例えばPC用のディスプレイやテレビなどである。図12において、203は画像表示装置、202はディスプレイ、20はスピーカユニットである。ディスプレイの大型・高精細化と並行して高音質再生が求められる一方、画面周囲の縁が狭い「狭額縁」デザインの要求に対し、スリム形状のスピーカが求められている。そこで、小型スピーカユニット20を複数狭額縁に配置した。従来のスピーカは、サスペンションの幅が十分確保できないスリム形状では低音再生が不十分であったが、実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカユニット20では小型でも低音かつ低歪な音が再生可能である。したがって、「狭額縁」デザインでも、高音質な再生音を提供可能である。
(実施の形態7)
図13は本発明の実施の形態7の車載スピーカである。図13において、204は車のドア、20は実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカユニットである。従来、車載スピーカは低音再生能力を重視するため、サイズが大きくなり、車内の限られた場所にしか配置できなかったが、実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカユニット20であれば、小型でも低音・低歪再生が可能となるため、従来実装できなかった、窓枠に配置することができている。なお、図13では窓の枠にスピーカユニット20を配置したが、車の天井やダッシュボード、フロントパネル、ピラー、ヘッドレスト、ハンドルなどに設置しても構わない。
(実施の形態8)
図14は本発明の実施の形態8のインナーイヤーホンである。図14において、205はインナーイヤーホン、206はリード線、207はイヤープラグ、20は実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカユニットである。インナーイヤーホンは耳穴に挿入した際の装着感を改善するため、小型で軽量かつ高出力であることが求められる。さらに、イヤープラグ207と耳穴との接触面から空気が漏れるとインナーイヤーホン205の低音再生性能が低下するため、スピーカユニット20にはより低音再生が求められる。実施の形態1〜3に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカユニット20は、小型でも低音・低歪再生が可能となるため、小型で装着感のよい高音質インナーイヤーホンを提供可能である。なお、図14はインナーイヤーホンを示したが、耳載せ型のヘッドホン、または耳を覆う形のヘッドホンにスピーカユニット20を搭載してもよい。
本発明にかかるスピーカ用振動板は、高リニアリティと高コンプライアンスを有し、スピーカ、特に小型で低音を再生するスピーカとして有用である。またスピーカを搭載したモバイル機器、AV機器、車や鉄道などの移動手段等の用途にも応用できる。
1 振動体
2 サスペンション
3 表面部材
4 裏面部材
5 表面部材に設けられた孔
6 裏面部材に設けられた孔
7 接着剤
8 接着剤
9 中間部材
10 孔加工用の機械刃
14 ボイスコイル
20 スピーカユニット
24 磁性流体
101 振動体
102 サスペンション
103 孔

Claims (17)

  1. 振動体と、
    前記振動体の外周部に固着され、前記振動体を振動可能に支持するサスペンションとを備え、
    前記サスペンションの少なくとも一部は、少なくとも前記サスペンションの表面部を構成する表面部材と、少なくとも前記サスペンションの裏面部を構成する裏面部材が積層され、
    前記表面部材と前記裏面部材の間には空間が設けられ、
    前記表面部材および前記裏面部材の両方にそれぞれ複数の孔を有し、
    前記複数の孔はそれぞれ積層方向に重なり合わないよう配置されたことを特徴とする、
    スピーカ用振動板。
  2. 前記表面部材に設けられた孔から前記空間を通って、前記裏面部材に設けられた孔が、
    音響ハイカットフィルタを構成し、前記音響ハイカットフィルタの動作周波数が、スピーカの動作周波数以下に設定されたことを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  3. 前記空間に、液体、ゲル状体、粘着材料、エラストマ材料のいずれかまたは、それらの組み合わせから構成される中間部材を配置したことを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  4. 前記表面材および前記裏面材は、樹脂フィルム、ソリッドゴム、発泡ゴム、ウレタン、樹脂材料またはゴムが含浸された布材や紙、粘着材料のいずれか、またはそれらの組み合わせから構成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  5. 前記表面部材と前記裏面部材のどちらか、あるいは両方の表面に減衰材料をさらに備えたことを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  6. 前記サスペンションが、ロール形状、あるいは蛇腹形状の断面を有することを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  7. 前記複数の孔はそれぞれ前記振動体の外周部から前記サスペンションの外周方向に向かって、スリット状に設けられていることを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  8. 前記複数の孔はそれぞれ前記振動体の外周曲線の法線方向に対し、一程の角度傾けたスリット状に設けられていることを特徴とする、
    請求項7に記載のスピーカ用振動板。
  9. 前記振動体の外周部は円、楕円、多角形、あるいは2本以上の直線と曲線の組み合わせで構成される形状であることを特徴とする、
    請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  10. 前記振動体の外周部は少なくとも2本の直線と、
    少なくとも2箇所以上の曲線部から構成されることを特徴とする、
    請求項9に記載のスピーカ用振動板。
  11. 前記、曲線部のみに前記複数の孔が設けられていることを特徴とする、
    請求項10に記載のスピーカ用振動板。
  12. 少なくとも前記曲線部に設けられた、前記複数の孔のそれぞれの間隔が不均一であることを特徴とする、
    請求項10に記載のスピーカ用振動板。
  13. 前記請求項1から12に記載のスピーカ用振動板を用いたスピーカ装置。
  14. 前記請求項13に記載されたスピーカ装置を有する、
    映像表示装置、オーディオ機器などのAV機器、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、操作端末等のモバイル情報機器、家電、自動車。
  15. 少なくともロール状あるいは蛇腹状に成型された前記表面材および前記裏面材に対し、
    それぞれレーザー光あるいは機械刃を用いて孔を形成し、その後積層して前記サスペンションを形成する、
    請求項1から14に記載のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置あるいはAV機器、モバイル情報機器、家電、自動車の工法。
  16. 略平面状の複数の材料に前記孔を設け、それぞれの材料を積層後に所定の形状に成型することによって前記サスペンションを形成する、
    請求項1から14に記載のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置あるいはAV機器、モバイル情報機器、家電、自動車の工法。
  17. 加工面から少なくとも1つ以上の層を切断し、加工面から反対側に位置する面の層は切断しない、いわゆるハーフカット工法を用いて前記孔を形成する、
    請求項1から14に記載のスピーカ用振動板あるいはスピーカ装置あるいはAV機器、モバイル情報機器、家電、自動車の工法。
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