JP2016018691A - 表示又は照明装置 - Google Patents

表示又は照明装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016018691A
JP2016018691A JP2014141211A JP2014141211A JP2016018691A JP 2016018691 A JP2016018691 A JP 2016018691A JP 2014141211 A JP2014141211 A JP 2014141211A JP 2014141211 A JP2014141211 A JP 2014141211A JP 2016018691 A JP2016018691 A JP 2016018691A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substrate
electrode
insulating layer
lower layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014141211A
Other languages
English (en)
Inventor
宏充 勝井
Hiromitsu Katsui
宏充 勝井
毅明 宮迫
Takeaki Miyasako
毅明 宮迫
工藤 和生
Kazuo Kudo
和生 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2014141211A priority Critical patent/JP2016018691A/ja
Publication of JP2016018691A publication Critical patent/JP2016018691A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、輝度均一性等の素子の特性、素子の寿命および歩留りの点で優れた表示装置又は照明装置、特に有機EL装置を提供することを課題とする。【解決手段】基板と、基板上に設けられた第1電極と、第1電極を部分的に露出させるように基板および第1電極上に形成された絶縁層と、第1電極に対向して設けられた第2電極とを有する表示又は照明装置であり、絶縁層が、基板および第1電極上に形成された下層部と、下層部上に形成された上層部とを有しており、下層部は、n−テトラデカンに対する接触角が40?以下であり、絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する下層部の勾配が5?以上50?未満であり、最大膜厚が0.2〜4μmであり、上層部は、n−テトラデカンに対する接触角が40?を超え、絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する上層部の勾配が50?〜85?であり、最大膜厚が0.8〜5μmであり、下層部の最大膜厚1と上層部の最大膜厚2とが、最大膜厚2≧最大膜厚1を満たすことを特徴とする表示または照明装置。【選択図】図3

Description

本発明は、表示又は照明装置に関する。
フラットパネルディスプレイとして、非発光型である液晶ディスプレイが普及している。また、近年では自発光型ディスプレイである電界発光ディスプレイが知られている。特に有機化合物による電界発光を利用した有機エレクトロルミネセンス(EL)素子は、ディスプレイに設けられる発光素子の他、次世代の照明装置に設けられる発光素子としても期待されている。
例えば有機EL表示又は照明装置は、平坦化層、画素(発光素子)を区画する隔壁等の絶縁層を有している。このような絶縁層は、一般的に感放射線性樹脂組成物を用いて形成されている(例えば、特許文献1および2参照)。ここで、良好な発光特性を得ることを目的として、各々特定の膜厚およびテーパー角度を有する下層部と上層部とからなる2段構造の隔壁を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、素子の特性、寿命および歩留まりの点で、さらなる改良が望まれる。
特開2011−107476号公報 特開2010−237310号公報 特開2008−210653号公報
本発明の課題は、輝度均一性等の素子の特性、素子の寿命および歩留りの点で優れた表示装置又は照明装置、特に有機EL装置を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、以下の構成を採用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、例えば以下の[1]〜[7]に関する。
[1]基板と、基板上に設けられた第1電極と、第1電極を部分的に露出させるように基板および第1電極上に形成された絶縁層と、第1電極に対向して設けられた第2電極とを有する表示又は照明装置であり、絶縁層が、基板および第1電極上に形成された下層部と、下層部上に形成された上層部とを有しており、下層部は、n−テトラデカンに対する接触角が40°以下であり、絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する下層部の勾配が5°以上50°未満であり、最大膜厚が0.2〜4μmであり、上層部は、n−テトラデカンに対する接触角が40°を超え、絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する上層部の勾配が50°〜85°であり、最大膜厚が0.8〜5μmであり、下層部の最大膜厚1と上層部の最大膜厚2とが、最大膜厚2≧最大膜厚1を満たすことを特徴とする表示または照明装置。
[2]基板がTFT基板であり、第1電極がTFTと接続されており、TFTを構成する半導体層が、In、Ga、Sn、Ti、Nb、SbおよびZnから選択される1種以上の元素を含む酸化物半導体を含有し、絶縁層の、上層部および下層部を有する部分における全光線透過率が、波長300〜400nmにおいて0〜15%の範囲にある、前記[1]の表示又は照明装置。
[3]前記絶縁層が、感放射線性樹脂組成物から形成された層である前記[1]または[2]の表示又は照明装置。
[4]前記組成物が、(A)式(A1)で表される構造単位を有するポリイミド(A1)、前記ポリイミドの前駆体(A2)およびアクリル樹脂(A3)から選択される少なくとも1種の重合体と、(B)感放射線性酸発生剤とを含有するポジ型組成物である前記[3]の表示又は照明装置。
[式(A1)中、R1は水酸基を有する2価の基であり、Xは4価の有機基である。]
[5]前記酸発生剤(B)が、キノンジアジド化合物である前記[4]の表示又は照明装置。
[6]前記組成物が、(C)ノボラック樹脂をさらに含有する前記[4]または[5]の表示又は照明装置。
[7]基板がTFT基板であり、前記TFT基板上に設けられ且つ前記TFTと接続された第1電極と、前記TFT基板の面上を複数の領域に区画する隔壁と前記隔壁により区画された領域において且つ第1電極上に形成された有機発光層と、有機発光層上に設けられた第2電極とを含む有機EL素子を有し、前記隔壁が、下層部と上層部とを有する前記絶縁層からなる前記[1]〜[6]のいずれか1項の表示又は照明装置。
本発明によれば、輝度均一性等の素子の特性、素子の寿命および歩留りの点で優れた表示装置又は照明装置、特に有機EL装置を提供することができる。
図1は、絶縁層の形状を説明する断面図である 図2は、絶縁層の形状の例を示す上視図である。 図3は、有機EL装置の主要部の構造の概略を示す断面図である。
本発明の表示又は照明装置は、基板と、基板上に設けられた第1電極と、第1電極を部分的に露出させるように基板および第1電極上に形成された絶縁層と、第1電極に対向して設けられた第2電極とを有する。以下、表示又は照明装置を総称して単に「装置」ともいう。
本発明の表示装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、電界発光ディスプレイ、特に有機ELディスプレイが挙げられる。本発明の照明装置としては、例えば、有機EL照明が挙げられる。
<基板および電極>
本発明の装置において、基板は、例えばTFT基板である。TFT基板は、支持基板と、第1電極に対応して、支持基板上に設けられたTFTと、TFTを被覆する平坦化層とを有する。支持基板、TFT、第1電極、第2電極としては、例えば、後述する〔有機EL表示装置および有機EL照明装置〕の欄に記載した具体例(支持基板、TFT、陽極、陰極)を各々例示することができる。
本発明の装置は、TFT基板上に設けられ且つTFTと接続された第1電極と、前記TFT基板の面上を複数の領域に区画する絶縁層からなる隔壁と、前記隔壁により区画された領域において且つ第1電極上に形成された有機発光層と、有機発光層上に設けられた第2電極とを含む有機EL素子を有する、有機EL装置であることが好ましい。
第1電極は、例えば、平坦化層上に形成されており、平坦化層を貫通するスルーホールを介して、TFTと接続される。絶縁層からなる隔壁は、第1電極を部分的に露出させるように、平坦化層および第1電極上に形成されることが好ましい。
<絶縁層>
本発明の装置において、絶縁層は、基板および第1電極上に形成された下層部と、下層部上に形成された上層部とを有する。以下の特性を有する例えば2段構造の絶縁層を設けることで、例えば有機EL素子における有機発光層の平坦性、有機発光層の輝度均一性、素子の寿命および歩留りを向上させることができる。
下層部のn−テトラデカンに対する接触角は、40°以下であり、好ましくは35°〜5°、より好ましくは30°〜5°である。また、上層部のn−テトラデカンに対する接触角は、40°を超え、好ましくは50°〜120°、より好ましくは55°〜120°である。
下層部と上層部とを有する絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する下層部の勾配(以下「下層バンク角度」ともいう)は5°以上50°未満であり、基板平面に対する上層部の勾配(以下「上層バンク角度」ともいう)は50°〜85°である。下層バンク角度は、好ましくは5〜30°、さらに好ましくは5〜25°である。上層バンク角度は、好ましくは60°〜85°である。このように、断面形状で見た場合に、下層部および上層部はそれぞれテーパー形状を有することが好ましい。
下層部の最大膜厚は、0.2〜4μmであり、好ましくは0.3〜2μm、より好ましくは0.5〜1.5μmである。上層部の最大膜厚は、0.8〜5μmであり、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1.5〜2.5μmである。また、下層部の最大膜厚1と上層部の最大膜厚2とは、最大膜厚2≧最大膜厚1を満たす。このような膜厚を有する上層部および下層部を設けることで、パネル内輝度均一性の向上、EL素子寿命の向上、素子歩留まりの向上、およびTFT信頼性の向上を得ることができる。
なお、下層部の膜厚は、第1電極表面と下層部上面との距離である。
例えば有機EL素子では、第1電極および第2電極の間に、有機発光層を含む有機化合物層が形成される。有機化合物層は、有機発光層を含み、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層から選ばれる1以上の層を含む。
下層部の接触角が上記範囲を超えると、例えばインクジェット法により有機発光層を形成する場合、下層部に対するインク材料の接触角が大きいことから、有機発光層の中央部の膜厚が大きく、周縁部の膜厚が小さくなることがある。この場合、膜厚が大きい箇所では発光効率が低下することがあり、膜厚が小さい箇所では電流集中による寿命低下が起こり、第1電極/第2電極間でリークが発生することがある。下層部の接触角が上記範囲にあっても、下層バンク角度が上記範囲を超えると、電極の断線が起こることがある。
下層部の接触角と、下層部および上層部のバンク角度とを上記範囲とすることで、例えば有機EL素子において有機発光層をインクジェット法や印刷法等で形成する場合に、インク材料が下層部上にも拡がり、第1電極上の有機発光層の膜厚が均質化され、平坦な層を得ることができる。よって輝度が均一であり、エッジ部での絶縁破壊やリーク電流の発生が防止され、素子寿命が良好な素子を得ることができる。
さらに、上層部の接触角を上記範囲とすることで、装置の歩留まりも改善することができ、また、インクジェット法や印刷法等を採用する場合に、インク材料が絶縁層(隔壁)を超えて他の画素部分に混入することを防止することができる。
膜厚およびバンク角度は、走査型電子顕微鏡(SEM)により測定することができる。
図1の断面図では、下層部下面の端点αおよび下層部上面の端点βを結ぶ直線により、下層部の斜面120A-1が規定され、上層部下面の端点γおよび上層部上面の端点δを結ぶ直線により、上層部の斜面120B-1が規定される。下層バンク角度は、基板平面に対する下層部の勾配、具体的には下層部120Aにおいて第1電極110を露出させる境界部分の斜面120A-1と第1電極の平面110-1とがなす角度θ1であり、上層バンク角度は、基板平面に対する上層部の勾配、具体的には上層部120Bにおける斜面120B-1を含む面と第1電極の平面110-1とがなす角度θ2である。また、下層部の最大膜厚は図1中ではT1であり、上層部の最大膜厚は図1中ではT2である。
絶縁層の、上層部および下層部を有する部分における全光線透過率は、波長300〜400nmにおいて、好ましくは0〜15%であり、より好ましくは0〜10%、特に好ましくは0〜8%である。すなわち、波長300〜400nmでの全光線透過率の最大値は、好ましくは15%以下であり、好ましくは10%以下であり、特に好ましくは8%以下である。全光線透過率は、例えば分光光度計(日立製作所(株)製の「150−20型ダブルビーム」)を用いて測定することができる。
このような遮光性を有する絶縁層を設けることで、例えばIn、Ga、Znからなる酸化物(IGZO)等の光劣化の大きい物質からなる半導体層を含む薄膜トランジスタを駆動用素子として有する装置であっても、前記絶縁層が遮光膜として働き、当該装置の使用等に伴う前記半導体層の光劣化を抑制することができる。半導体層としては、後述する〔有機EL表示装置および有機EL照明装置〕の欄に記載した具体例が挙げられる。
本発明の装置において、絶縁層は、第1電極の少なくとも一部を覆い、第1電極を部分的に露出させるように形成される。絶縁層は、特に第1電極のエッジ部を覆うように形成されることが好ましい。
絶縁層の上視図の例を図2に示す。TFT基板100上にストライプ状に形成された第1電極110が形成されており、絶縁層120が、第1電極110を部分的に露出させるようにTFT基板100上および第1電極110上に形成されており、この第1電極110の露出部を「開口部111」ともいう。ここで、絶縁層120は第1電極110のエッジ部112を覆うように形成されている。開口部111は、例えば有機EL装置では、1つの発光領域、すなわち画素に対応させることができる。
絶縁層は、例えば、隣り合う第1電極をまたがるよう形成される。このため、絶縁層には良好な電気絶縁性が要求される。絶縁層の体積抵抗率は、好ましくは1010μΩ・cm以上、より好ましくは1012μΩ・cm以上である。
絶縁層は、例えば、TFT基板の面上を複数の領域に区画する隔壁である。前記絶縁層(隔壁)は、TFTに含まれる半導体層に対する遮光性の観点から、前記半導体層の上方に少なくとも配置されるように、TFT基板(平坦化層)上に形成されていることが好ましい。ここで「上方」とは、第1電極から第2電極へ向かう方向である。一例として、TFT基板の上方から投影的に見た場合に、半導体層の面積の50%以上が隔壁と重複している態様が挙げられ、特に半導体層の面積の80%以上、さらに90%以上、特に100%が隔壁と重複している態様が挙げられる。
〔感放射線性樹脂組成物〕
下層部および上層部を有する絶縁層は、感放射線性樹脂組成物を用いて形成することができる。前記組成物には、露光することで現像液に対する溶解性が増大し、露光部分が除去されるポジ型と、露光することで硬化し、非露光部分が除去されるネガ型がある。
前記組成物から形成された塗膜を露光した場合には、通常、塗膜の表面部分で光が強く吸収され、塗膜の内部に向かうに従って吸収量は少なくなる傾向にある。このため、ポジ型では塗膜の表面部分の溶解性の方が内部の溶解性よりも大きくなり、ネガ型ではその反対の傾向にある。本発明では、ポジ型組成物を用いてパターン形成することが好ましい。
ポジ型感放射線性樹脂組成物(以下「ポジ型組成物」ともいう)は、本発明の表示又は照明装置における上記絶縁層の形成に好適に用いることができる。ポジ型組成物としては、以下に説明する重合体(A)と感放射線性酸発生剤(B)とを含有する組成物が好ましい。前記組成物は、ノボラック樹脂(C)をさらに含有することが好ましく、また、架橋剤(D)および溶剤(E)から選ばれる少なくとも1種をさらに含有してもよい。
上記組成物は、放射線感度が高く、前記組成物を用いることでパターン形状に優れた絶縁層を形成することができ、パターンの狭ピッチ化に要望に対応することができる。また、上記組成物中のフッ素原子量を適宜調整することで、接触角が上記範囲にある下層部および上層部をそれぞれ形成することができる。
[重合体(A)]
重合体(A)としては、式(A1)で表される構造単位を有するポリイミド(A1)、前記ポリイミドの前駆体(A2)、およびアクリル樹脂(A3)から選択される少なくとも1種が挙げられる。以下、前記ポリイミドを「ポリイミド(A1)」ともいい、前記前駆体を「ポリイミド前駆体(A2)」ともいう。
下層部を形成する材料としては、ポリイミド(A1)、その前駆体(A2)、およびフッ素原子を含まないアクリル樹脂(A3)から選ばれる少なくとも1種を含有する組成物が好ましい。また、上層部を形成する材料としては、フッ素原子を含むアクリル樹脂(A3)を含有する組成物が好ましい。このような組成物を用いることで、所定の接触角を有する絶縁層を形成することができる。
重合体(A)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値において、2,000〜500,000が好ましく、3,000〜100,000がより好ましく、4,000〜50,000がさらに好ましい。Mwが前記範囲の下限値以上であると、充分な機械的特性を有する絶縁層が得られる傾向にある。Mwが前記範囲の上限値以下であると、溶剤や現像液に対する重合体(A)の溶解性が優れる傾向にある。
重合体(A)の含有量は、ポジ型組成物中の全固形分100質量%に対して、10〜80質量%が好ましく、20〜70質量%がより好ましく、30〜60質量%がさらに好ましい。
《ポリイミド(A1)》
ポリイミド(A1)は、式(A1)で表される構造単位を有する。
式(A1)中、R1は水酸基を有する2価の基であり、Xは4価の有機基である。
1としては、例えば、式(a1)で表される2価の基が挙げられる。
式(a1)中、R2は、単結合、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、メチレン基、ジメチルメチレン基またはビス(トリフルオロメチル)メチレン基であり;R3は、それぞれ独立に水素原子、ホルミル基、アシル基またはアルキル基である。ただし、R3の少なくとも1つは水素原子である。n1およびn2は、それぞれ独立に0〜2の整数である。ただし、n1およびn2の少なくとも一方は1または2である。n1とn2との合計が2以上の場合、複数のR3は同一でも異なっていてもよい。
3において、アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基等の炭素数2〜20の基が挙げられ;アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基等の炭素数1〜20の基が挙げられる。
式(a1)で表される2価の基としては、1つ〜4つの水酸基を有する2価の基が好ましく、2つの水酸基を有する2価の基がさらに好ましい。式(a1)で表される、1つ〜4つの水酸基を有する2価の基としては、例えば、下記式で表される2価の基が挙げられる。なお、下記式において、芳香環より伸びる2本の「−」は、結合手を示す。
Xで表される4価の有機基としては、例えば、4価の脂肪族炭化水素基、4価の芳香族炭化水素基、下記式(1)で表される基が挙げられる。Xは、テトラカルボン酸二無水物に由来する4価の有機基であることが好ましい。これらの中でも下記式(1)で表される基が好ましい。
上記式(1)中、Arはそれぞれ独立に3価の芳香族炭化水素基であり、Aは直接結合または2価の基である。前記2価の基としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、カルボニル基、メチレン基、ジメチルメチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基が挙げられる。
4価の脂肪族炭化水素基の炭素数は、通常4〜30であり、好ましくは8〜24である。4価の芳香族炭化水素基および上記式(1)中の3価の芳香族炭化水素基の炭素数は、通常6〜30であり、好ましくは6〜24である。
4価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、分子構造中の少なくとも一部に芳香族環を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
4価の鎖状炭化水素基としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン等の鎖状炭化水素に由来する4価の基が挙げられる。
4価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロオクタン等の単環式炭化水素;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン等の二環式炭化水素;トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−エン、アダマンタン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等の三環式以上の炭化水素などに由来する4価の基が挙げられる。
分子構造中の少なくとも一部に芳香族環を含む脂肪族炭化水素基としては、例えば、前記基中に含まれるベンゼン核の数が、3以下であるものが好ましく、1つのものが特に好ましい。より具体的には、1−エチル−6−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等に由来する4価の基が挙げられる。
上記説明において、上述の炭化水素に由来する4価の基は、上述の炭化水素から4つの水素原子を除いて形成された4価の基である。4つの水素原子の除外箇所は、当該4つの水素原子を4つのカルボキシル基に置換した場合に、テトラカルボン酸二無水物構造を形成することができる箇所である。
4価の脂肪族炭化水素基としては、下記式で表される4価の基が好ましい。なお、下記式において、鎖状炭化水素基および脂環より伸びる4本の「−」は、結合手を示す。
4価の芳香族炭化水素基および上記式(1)で表される基としては、例えば、下記式で表される4価の基が挙げられる。なお、下記式において、芳香環より伸びる4本の「−」は、結合手を示す。
ポリイミド(A1)は、以下に説明するポリイミド前駆体(A2)のイミド化によって得ることができる。ここでのイミド化は完全に進めてもよく、部分的に進めてもよい。すなわちイミド化率は100%でなくともよい。このため、ポリイミド(A1)は、以下に説明する、式(A2−1)で表される構造単位および式(A2−2)で表される構造単位から選択される少なくとも1種をさらに有してもよい。
ポリイミド(A1)において、イミド化率は、好ましくは5%以上、より好ましくは7.5%以上、さらに好ましくは10%以上である。イミド化率の上限値は、好ましくは50%、より好ましくは30%である。イミド化率が前記範囲にあると、耐熱性および露光部分の現像液に対する溶解性の点で好ましい。イミド化率は、実施例記載の条件により測定することができる。
ポリイミド(A1)において、式(A1)、式(A2−1)、式(A2−2)で表される構造単位の合計含有量は、通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
《ポリイミド前駆体(A2)》
ポリイミド前駆体(A2)は、脱水・環化(イミド化)によって、式(A1)で表される構造単位を有するポリイミド(A1)を生成することができる化合物である。ポリイミド前駆体(A2)としては、例えば、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体が挙げられる。
(ポリアミック酸)
ポリアミック酸は、式(A2−1)で表される構造単位を有する。
式(A2−1)中、R1は水酸基を有する2価の基であり、Xは4価の有機基である。R1で表される水酸基を有する2価の基およびXで表される4価の有機基としては、各々式(A1)中のR1およびXとして例示した基と同様なものが挙げられる。
ポリアミック酸において、式(A2−1)で表される構造単位の含有量は、通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
(ポリアミック酸誘導体)
ポリアミック酸誘導体は、ポリアミック酸のエステル化等により合成される誘導体である。ポリアミック酸誘導体としては、例えば、ポリアミック酸が有する式(A2−1)で表される構造単位中のカルボキシル基の水素原子を他の基に置換した重合体が挙げられ、ポリアミック酸エステルが好ましい。
ポリアミック酸エステルは、ポリアミック酸が有するカルボキシル基の少なくとも一部がエステル化された重合体である。ポリアミック酸エステルとしては、式(A1)で表される構造単位を有するポリイミド(A1)を生成することができる、式(A2−2)で表される構造単位を有する重合体が挙げられる。
式(A2−2)中、R1は水酸基を有する2価の基であり、Xは4価の有機基であり、R4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基である。R1で表される水酸基を有する2価の基およびXで表される4価の有機基としては、各々式(A1)中のR1およびXとして例示した基と同様なものが挙げられる。R4で表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。
ポリアミック酸エステルにおいて、式(A2−2)で表される構造単位の含有量は、通常50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
《ポリイミド(A1)およびポリイミド前駆体(A2)の合成方法》
ポリイミド前駆体(A2)であるポリアミック酸は、例えば、テトラカルボン酸二無水物と、水酸基を有するジアミン及び必要に応じて他のジアミンを含むジアミンとを重合させることにより、得ることができる。これらの使用割合は、例えば前記テトラカルボン酸二無水物1モルに対して前記の全ジアミンを0.3〜4モル、好ましくは略等モルである。前記重合において、前記テトラカルボン酸二無水物および前記の全ジアミンの混合溶液を50℃〜200℃、1時間〜24時間加熱することが好ましい。
以下、前記テトラカルボン酸二無水物および前記水酸基を有するジアミンを、それぞれ「酸二無水物(A1−1)および「ジアミン(A1−2)」ともいい、前記他のジアミンを「ジアミン(A1−2’)」ともいう。
ポリアミック酸の合成は、ジアミン(A1−2)を重合溶剤に溶解させた後、ジアミン(A1−2)と酸二無水物(A1−1)とを反応させることで行ってもよく、酸二無水物(A1−1)を重合溶剤に溶解させた後、酸二無水物(A1−1)とジアミン(A1−2)とを反応させることで行ってもよい。
ポリイミド前駆体(A2)であるポリアミック酸誘導体は、上記ポリアミック酸のカルボキシル基をエステル化するなどして合成することができる。エステル化の方法としては、特に限定はなく、公知の方法を適用することができる。
ポリイミド(A1)は、例えば、上記方法でポリアミック酸を合成した後、このポリアミック酸を脱水・環化(イミド化)することで合成することができ;また、上記方法でポリアミック酸誘導体を合成した後、このポリアミック酸誘導体をイミド化することで合成することもできる。
ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体のイミド化反応としては、加熱イミド化反応や化学イミド化反応等の公知の方法の適用が可能である。加熱イミド化反応の場合、ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸誘導体を含む溶液を120℃〜210℃、1時間〜16時間加熱することが好ましい。イミド化反応は、必要に応じて、トルエン、キシレン、メシチレン等の共沸溶剤を使用して系内の水を除去しながら行ってもよい。
また、テトラカルボン酸二無水物に対してジアミンを過剰に用いた場合は、ポリイミド、ポリアミック酸およびポリアミック酸誘導体の末端基を封止する末端封止剤として、例えば、無水マレイン酸等のジカルボン酸無水物を用いてもよい。
酸二無水物(A1−1)は、式(a2)で表される酸二無水物である。
式(a2)中、Xは4価の有機基である。Xで表される4価の有機基としては、式(A1)中のXとして例示した基と同様なものが挙げられる。
ジアミン(A1−2)は、式(a3)で表されるジアミンである。
式(a3)中、R1は水酸基を有する2価の基である。R1で表される水酸基を有する2価の基としては、式(A1)中のR1として例示した基と同様なものが挙げられる。
ジアミン(A1−2)とともに、当該(A1−2)以外の他のジアミン(A1−2’)を用いてもよい。他のジアミン(A1−2’)としては、例えば、水酸基を有さない、芳香族ジアミンおよび脂肪族ジアミンから選択される少なくとも1種のジアミンが挙げられる。
ポリイミド(A1)は、式(A1)、(A2−1)および(A2−2)中のR1を、前記他のジアミン(A1−2’)の残基にかえた構造単位をさらに有していてもよい。同様に、ポリイミド前駆体(A2)は、式(A2−1)および(A2−2)中のR1を、前記他のジアミン(A1−2’)の残基にかえた構造単位をさらに有していてもよい。
ポリイミド(A1)およびポリイミド前駆体(A2)の合成に用いる重合溶剤としては、これらの合成用の原料や、前記(A1)および(A2)を溶解させることができ、低吸水性の溶剤が好ましい。重合溶剤としては、後述する溶剤(E)として例示した溶剤と同様の溶剤を使用することができる。
重合溶剤として溶剤(E)と同様の溶剤を使用することで、ポリイミド(A1)またはポリイミド前駆体(A2)を合成した後にこれらの重合体を単離する工程、単離後に別の溶剤に再溶解させる工程を不要とすることができる。これにより、本発明の装置の生産性を向上させることができる。
ポリイミド(A1)およびポリイミド前駆体(A2)は、水酸基を有する上記特定構造により、後述する溶剤(E)への優れた溶解性を有する。このため、これらの重合体は、N−メチルピロリドン(NMP)以外の低吸水性の溶剤、例えば後述する溶剤(E)にも溶解する。その結果、例えば、重合体(A)を得るための重合溶剤としてNMP以外の溶剤を使用することで、ポジ型組成物から形成される絶縁層をより低吸水化することができる。
《アクリル樹脂(A3)》
アクリル樹脂(A3)を構成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸の脂環式基含有エステル、(メタ)アクリル酸のアリール基含有エステル、およびこれらエステルのフッ化物から選ばれる少なくとも1種のモノマーAが挙げられる。
また、上記(A3)を構成するモノマーとしては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、および不飽和ジカルボン酸無水物から選ばれる少なくとも1種の酸基含有モノマーBも挙げられる。
また、上記(A3)を構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸のエポキシ基含有エステル、および(メタ)アクリル酸のオキセタニル基含有エステルから選ばれる少なくとも1種の官能基含有モノマーCも挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートが挙げられ;(メタ)アクリル酸の脂環式基含有エステルとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の単環式炭化水素基含有エステル、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等の多環式基含有エステルが挙げられ;(メタ)アクリル酸のアリール基含有エステルとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記エステルのフッ化物としては、トリフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、2−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロヘキサデシルエチル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸フッ化アルキルエステル;ヘキサフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のフッ化脂環式基含有エステル;ヘキサフルオロベンジル(メタ)アクリレート、オクチルフルオロナフチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のフッ化アリール基含有エステルが挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸が挙げられ;不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸が挙げられ;不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸が挙げられる。
(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げられ;(メタ)アクリル酸のエポキシ基含有エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−3,4−エポキシブチル、(メタ)アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが挙げられ;(メタ)アクリル酸のオキセタニル基含有エステルとしては、例えば、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキセタンが挙げられる。
アクリル樹脂(A3)において、上記モノマーAに由来する構造単位の含有量は、通常5質量%以上、好ましくは10〜85質量%、更に好ましくは15〜75質量%であり、上記酸基含有モノマーBに由来する構造単位の含有量は、通常5〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%であり、上記官能基含有モノマーCに由来する構造単位の含有量は、通常90質量%以下、好ましくは5〜80質量%、更に好ましくは10〜70質量%である。
アクリル樹脂(A3)を上層部を形成するポジ型組成物の含有成分として用いる場合、上記エステルのフッ化物に由来する構造単位の含有量が通常10〜50質量%、好ましくは15〜40質量%にあるアクリル樹脂1を少なくとも用いることが好ましく、このアクリル樹脂1と、上記エステルのフッ化物に由来する構造単位の含有量が通常10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは3質量%未満のアクリル樹脂2とを併用することもできる。例えば、質量比(アクリル樹脂2/アクリル樹脂1)が、通常0〜1、好ましくは0〜0.8、より好ましくは0〜0.7となる割合である。
アクリル樹脂(A3)を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;その他に芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類が挙げられる。
アクリル樹脂(A3)は、例えば上記モノマーのラジカル重合で合成することができる。ラジカル重合における重合触媒としては通常のラジカル重合開始剤が使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物、および過酸化水素が挙げられる。過酸化物をラジカル重合開始剤に使用する場合、過酸化物と還元剤とを組み合せてレドックス型の開始剤としてもよい。
[感放射線性酸発生剤(B)]
感放射線性酸発生剤(B)は、放射線の照射を含む処理によって酸を発生する化合物である。放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線が挙げられる。ポジ型組成物は、感放射線性酸発生剤(B)を含有することで、ポジ型の感放射線特性を発揮することができ、かつ良好な放射線感度を有することができる。
ポジ型組成物における感放射線性酸発生剤(B)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常5〜100質量部であり、好ましくは10〜60質量部、より好ましくは15〜50質量部である。感放射線性酸発生剤(B)の含有量を前記範囲とすることで、現像液となるアルカリ水溶液等に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差を大きくし、パターニング性能を向上させることができる。
感放射線性酸発生剤(B)としては、例えば、キノンジアジド化合物、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物が挙げられる。
感放射線性酸発生剤(B)としては、キノンジアジド化合物、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル化合物が好ましく、キノンジアジド化合物、オキシムスルホネート化合物がより好ましく、キノンジアジド化合物が特に好ましい。
感放射線性酸発生剤(B)は、単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
《キノンジアジド化合物》
キノンジアジド化合物は、放射線の照射およびアルカリ水溶液を用いた現像を含む処理によってカルボン酸を発生する。キノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下「母核」ともいう)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物が挙げられる。
母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ポリ(ヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核が挙げられる。
トリヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
テトラヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノンが挙げられる。
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノンが挙げられる。
ポリ(ヒドロキシフェニル)アルカンとしては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバンが挙げられる。
その他の母核としては、例えば、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−[1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル]−3−〔1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼンが挙げられる。
これらの母核のうち、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドが挙げられ、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドが好ましい。
フェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30〜85モル%、より好ましくは50〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
キノンジアジド化合物としては、例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば、2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
《その他の例》
オキシムスルホネート化合物の具体例としては、例えば、特開2011−227106、特開2012−234148、特開2013−054125等の公報に記載された化合物が挙げられる。オニウム塩の具体例としては、例えば、特許第5208573号、特許第5397152号、特許第5413124号、特開2004−2110525号、特開2008−129423号、特開2010−215616号および特開2013−228526号等の公報に記載された化合物が挙げられる。
その他の酸発生剤の具体例としては、例えば、特許49242256号、特開2011−064770号、特開2011−232648号、特開2012−185430号、特開2013−242540号等の公報に記載された化合物が挙げられる。
[ノボラック樹脂(C)]
ノボラック樹脂(C)としては、例えば、フェノール性水酸基を有するベンゼン環、およびフェノール性水酸基を有する縮合多環式芳香族基、から選択される少なくとも1種を有する構造単位を含むノボラック樹脂が挙げられる。これらの中でも、遮光性や耐熱性の付与およびアルカリ現像性の観点から、フェノール性水酸基を有する縮合多環式芳香族基を有する構造単位を含むノボラック樹脂が好ましい。
フェノール性水酸基を有する縮合多環式芳香族基は、例えば、縮合多環式芳香族炭化水素基に含まれる、芳香環炭素に結合した水素原子の一部または全部を、水酸基に置換した基である。縮合多環式芳香族炭化水素基としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が挙げられる。
ノボラック樹脂(C)は、熱を加えることにより発色する物質である。後述する絶縁層の形成方法において、露光前はノボラック樹脂(C)を含むポジ型組成物から形成された塗膜自体は波長300〜400nmにおいて遮光性を有さないが、露光および現像後の加熱によりノボラック樹脂(C)がケト化して、得られた絶縁層は前記波長において遮光性を有するものと推定される。このようなノボラック樹脂(C)を用いることで、遮光性付与と、アルカリ現像性とを両立することができる。
例えば、プレベーク時の加熱温度である60〜130℃程度では上記遮光性を付与せず、ポストベーク時の加熱温度である130℃を超えて300℃以下程度で上記遮光性を付与することができる、ノボラック樹脂が好ましい。
ノボラック樹脂(C)としては、例えば、式(C1)で表される構造単位、式(C2−1)で表される構造単位、式(C2−2)で表される構造単位、および式(C3)で表される構造単位から選択される少なくとも1種を有する樹脂が挙げられる。
式(C1)〜式(C3)中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜20のアルコキシ基であり;R2は、メチレン基、炭素数2〜30のアルキレン基、炭素数4〜30の2価の脂環式炭化水素基,炭素数7〜30のアラルキレン基または−R3−Ar−R3−で表される基(Arは2価の芳香族基であり、R3はそれぞれ独立にメチレン基または炭素数2〜20のアルキレン基である)であり;n1は1〜4の整数であり、n2は0〜3の整数であり、n1+n2≦4であり、a〜c、e、gおよびhは、それぞれ独立に0〜3の整数であり、dおよびfは、それぞれ独立に0〜2の整数であり、但し、aおよびbが共に0である場合はなく、c〜eの全てが0である場合はなく、f〜hの全てが0である場合はない。a+b、c+d+e、f+g+hは、各々、好ましくは1〜3の整数である。
式(C1)〜式(C3)において、−OH、−R1および−R2−の結合位置は特に限定されない。また上記繰返し構造を構成するR2は、異なるベンゼン核に結合していてもよく(例えば下記(1))、同一のベンゼン核に結合していてもよい(例えば下記(2))。式中、*は結合手である。下記(1),(2)式は式(C2−1)についての具体例であるが、式(C2−2)および式(C3)においても同様である。
2において炭素数2〜30のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、テトラデシレン基、ヘキサデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基、イコシレン基、ヘンイコシレン基、ドコシレン基、トリコシレン基、テトラコシレン基、ペンタコシレン基、ヘキサコシレン基、ヘプタコシレン基、オクタコシレン基、ノナコシレン基、トリアコンチレン基が挙げられる。
2において炭素数4〜30の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基が挙げられる。
2において炭素数7〜30のアラルキレン基としては、例えば、ベンジレン基、フェネチレン基、ベンジルプロピレン基、ナフチレンメチレン基が挙げられる。
2において−R3−Ar−R3−で表される基としては、例えば、−CH2−Ph−CH2−で表される基(Phはフェニレン基である)が挙げられる。
上記例示のノボラック樹脂(C)は、良好なアルカリ可溶性を有することから好ましい。ポジ型組成物にアルカリ可溶性のノボラック樹脂(C)を含有させることで、解像性が良好な組成物を得ることができる。
ノボラック樹脂(C)は、例えばフェノール類またはフェノール性水酸基を有する縮合多環式芳香族化合物類と、アルデヒド類とを、酸触媒の存在下で縮合させ、必要により未反応の成分を留去することにより得ることができる。例えば、特公昭47−15111号公報、特開昭63−238129号公報等に記載の方法を参考にすることができる。
フェノール類としては、例えば、フェノール、オルトクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、2,3−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール,2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、4−t−ブチルカテコール、2−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−プロピルフェノール、3−プロピルフェノール、4−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、2−メトキシ−5−メチルフェノール、2−t−ブチル−5−メチルフェノール、チモール、イソチモールが挙げられる。
フェノール性水酸基を有する縮合多環式芳香族化合物類としては、例えば水酸基数が1〜6であり、好ましくは1〜3であり、かつ環数が2〜3の化合物が挙げられ、具体的には1−ナフトール、2−ナフトール等のモノヒドロキシナフタレン;1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン;1−ヒドロキシアントラセン、2−ヒドロキシアントラセン、9−ヒドロキシアントラセン等のモノヒドロキシアントラセン;1,4−ジヒドロキシアントラセン、9,10−ジヒドロキシアントラセン等のジヒドロキシアントラセン;1,2,10−トリヒドロキシアントラセン、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン、1,2,7−トリヒドロキシアントラセン等のトリヒドロキシアントラセン;1−ヒドロキシフェナントレン等のヒドロキシフェナントレンが挙げられる。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドが挙げられる。
ノボラック樹脂(C)の合成において、フェノール類またはフェノール性水酸基を有する縮合多環式芳香族化合物類の使用量は、アルデヒド類1モルに対して、通常0.5モル以上であり、好ましくは0.8〜3.0モルである。酸触媒としては、例えば、塩酸、パラトルエンスルホン酸、トリフロロメタンスルホン酸が挙げられる。
ノボラック樹脂(C)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常500〜50000であり、好ましくは700〜5000、より好ましくは800〜3000である。Mwが前記範囲にあるノボラック樹脂(C)は、遮光性の点で好ましい。
ポジ型組成物において、ノボラック樹脂(C)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常2〜200質量部であり、好ましくは3〜160質量部、より好ましくは4〜140質量部であり、特に好ましくは10〜100質量部である。ノボラック樹脂(C)の含有量が前記範囲の下限値以上であると、ノボラック樹脂(C)に基づく遮光性および現像性付与の効果が発揮されやすい。ノボラック樹脂(C)の含有量が前記範囲の上限値以下であると、絶縁層の低吸水性の悪化および耐熱性の低下が起こるおそれが小さい。
[架橋剤(D)]
架橋剤(D)は、架橋性官能基を有する化合物であり、例えば、カチオン重合性基を有する化合物である。架橋剤(D)としては、1分子中に2個以上の架橋性官能基を有する化合物、例えば、1分子中に2個以上のオキセタニル基を有する化合物が挙げられる。なお、アクリル樹脂(A3)および架橋剤(D)のいずれにも該当する化合物は、アクリル樹脂(A3)に分類する。
架橋性官能基としては、例えば、オキセタニル基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、グリシジルアミノ基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、アセトキシメチル基、ベンゾイロキシメチル基、ホルミル基、アセチル基、ビニル基、イソプロペニル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、ジメチロールアミノメチル基、ジエチロールアミノメチル基、モルホリノメチル基が挙げられる。
上記オキセタニル基を有する化合物としては、例えば、4,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]ビフェニル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサノナン、3,3’−〔1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン)〕ビス(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕ベンゼン、1,2−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕エタン、1,3−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル〕プロパン、エチレングリコールビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ジシクロペンテニルビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、トリエチレングリコールビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、テトラエチレングリコールビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、トリメチロールプロパントリス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ブタン、1,6−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ポリエチレングリコールビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルが挙げられる。
上記オキセタニル基を有する化合物としては、さらに、ジペンタエリスリトールヘキサキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジペンタエリスリトールペンタキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとカプロラクトンとの反応生成物、ジトリメチロールプロパンテトラキス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテル、ビスフェノールAビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールAビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物、水添ビスフェノールAビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとプロピレンオキサイドとの反応生成物、ビスフェノールFビス〔(3−エチル−3−オキセタニル)メチル〕エーテルとエチレンオキサイドとの反応生成物が挙げられる。
架橋剤(D)としては、例えば、ビスフェノールA系エポキシ化合物、ビスフェノールF系エポキシ化合物、ビスフェノールS系エポキシ化合物、ノボラック樹脂系エポキシ化合物、レゾール樹脂系エポキシ化合物、ポリ(ヒドロキシスチレン)系エポキシ化合物、メトキシメチル基含有フェノール化合物、メチロール基含有メラミン化合物、メチロール基含有ベンゾグアナミン化合物、メチロール基含有尿素化合物、メチロール基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有メラミン化合物、アルコキシアルキル基含有ベンゾグアナミン化合物、アルコキシアルキル基含有尿素化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、カルボキシメチル基含有メラミン樹脂、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン樹脂、カルボキシメチル基含有尿素樹脂、カルボキシメチル基含有フェノール樹脂、カルボキシメチル基含有メラミン化合物、カルボキシメチル基含有ベンゾグアナミン化合物、カルボキシメチル基含有尿素化合物、カルボキシメチル基含有フェノール化合物を挙げることもできる。
ポジ型組成物において、架橋剤(D)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、通常1〜200質量部であり、好ましくは4〜160質量部、より好ましくは5〜70質量部である。架橋剤(D)の含有量が前記範囲の下限値以上であると、絶縁層の低吸水性が向上する傾向にある。架橋剤(D)の含有量が前記範囲の上限値以下であると、絶縁層の耐熱性が向上する傾向にある。
[溶剤(E)]
溶剤(E)は、ポジ型組成物を液状とするために使用することができる。
溶剤(E)としては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、トリエチレングリコールジアルキルエーテルが好ましい。
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
ジエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルが挙げられる。
エチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルが挙げられる。
エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネートが挙げられる。
トリエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
溶剤(E)としては、さらに、アミド系溶剤、例えばN,N,2−トリメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ヘキシルオキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、イソプロポキシ−N−イソプロピル−プロピオンアミド、n−ブトキシ−N−イソプロピル−プロピオンアミド等も挙げられる。
溶剤(E)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMEA」ともいう)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下「PGME」ともいう)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(以下「EDM」ともいう)から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
また、一実施態様では、溶剤(E)としては、γ−ブチロラクトン(以下「BL」ともいう)を用いることが好ましく、BLを含む混合溶剤が好ましい。BLの含有量としては、溶剤(E)の合計量100質量%において、70質量%以下が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。BLは、PGMEA、PGMEおよびEDMから選択される少なくとも1種と併用することが好ましい。BLの含有量を前記範囲とすることで、ポジ型組成物における重合体(A)の溶解状態を好適に維持できる傾向にある。
溶剤(E)としては、上記例示した溶剤以外に、必要に応じて、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶剤などを併用することもできる。
溶剤(E)として上記例示した溶剤は、NMPに比べて低吸水性である。したがって、ポジ型組成物は、吸水性の高いNMPを用いることなく、低吸水性の溶剤を用いた調製が可能となる。その結果、ポジ型組成物は、低吸水性を示すことができる。また、溶剤(E)として上記例示した溶剤は、安全性が高いため、ポジ型組成物の安全性を高めることができる。
溶剤(E)として上記例示した溶剤を使用する場合、ポジ型組成物から形成される絶縁層を低吸水性とすることができる。そのため、このポジ型組成物は、有機EL素子が有する絶縁層の形成に好適に使用することができる。
溶剤(E)は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
ポジ型組成物において、溶剤(E)の含有量は、組成物の固形分濃度が通常5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜40質量%となる量である。ここで固形分とは、溶剤(E)以外の全成分をいう。溶剤(E)の含有量を前記範囲とすることで、現像性を損なうことなく、ポジ型組成物から形成される絶縁層の低吸水性が向上する傾向にある。
[その他の任意成分]
ポジ型組成物は、上記必須成分および好適成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて密着助剤(F)、界面活性剤(G)等のその他の任意成分を含有してもよい。その他の任意成分は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
<密着助剤(F)>
密着助剤(F)は、基板等の膜形成対象物と絶縁層との接着性を向上させる成分である。密着助剤(F)は、特に無機物の基板と絶縁層との接着性を向上させるために有用である。無機物としては、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物;金、銅、アルミニウム等の金属が挙げられる。
密着助剤(F)としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。官能性シランカップリング剤としては、例えば、カルボキシ基、ハロゲン原子、ビニル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、チオール基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。
官能性シランカップリング剤としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。これらの中でも、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
ポジ型組成物における密着助剤(F)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは20質量部以下である。密着助剤(F)の含有量を前記範囲とすることで、形成される絶縁層と基板との密着性がより改善される。
<界面活性剤(G)>
界面活性剤(G)は、ポジ型組成物の塗膜形成性を高める成分である。ポジ型組成物は、界面活性剤(G)を含有することで、塗膜の表面平滑性を向上でき、その結果、硬化膜の膜厚均一性をより向上できる。界面活性剤(G)としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が挙げられる。また、フッ素系界面活性剤を配合することで、絶縁層のn−テトラデカンに対する接触角を調整することもできる。
界面活性剤(G)としては、例えば、特開2003−015278号公報、および特開2013−231869号公報に記載された具体例を挙げることができる。
ポジ型組成物における界面活性剤(G)の含有量は、重合体(A)100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45〜1質量部、さらに好ましくは40〜1質量部である。界面活性剤(G)の含有量を前記範囲とすることで、形成される塗膜の膜厚均一性をより向上することができる。また、フッ素系界面活性剤の含有量は、TFT信頼性の観点から、好ましくは25質量部以下、より好ましくは1〜20質量部、さらに好ましくは1〜15質量部である。
[ポジ型組成物の調製方法]
ポジ型組成物は、例えば溶剤(E)に、重合体(A)および感放射線性酸発生剤(B)、必要に応じてノボラック樹脂(C)等の好適成分、その他の任意成分を混合することによって、溶解又は分散させた状態に調製することができる。また、ゴミを取り除くために、各成分を均一に混合した後、得られた混合物をフィルター等で濾過してもよい。
[ポジ型組成物を用いた絶縁層の形成方法]
本発明の表示又は照明装置が有する絶縁層の形成方法は、上述したポジ型組成物を用いて基板上に塗膜を形成する工程1、前記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程2、前記放射線が照射された塗膜を現像する工程3、および前記現像された塗膜を加熱する工程4を有する。
下層部および上層部を有する絶縁層を形成するには、上記工程1〜4を再度行えばよい。具体的には、上記工程1〜4により基板上に下層部を形成した後に、上述したポジ型組成物を用いて基板および下層部上に塗膜を形成し、前記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射し、前記放射線が照射された塗膜を現像し、前記現像された塗膜を加熱することで、下層部上に上層部を形成することができる。
上記絶縁層の形成方法によれば、所定のバンク角度および接触角を有する絶縁層を、基板上に形成することができる。また、上述のポジ型組成物は感放射線性に優れることから、当該特性を利用した露光、現像、加熱によりパターンを形成することによって、容易に微細かつ精巧なパターンを有する絶縁層を形成することができる。
《工程1》
工程1では、ポジ型組成物を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶剤(E)を除去することで、塗膜を形成する。前記塗膜の膜厚としては、プレベーク後の値として、下層部を形成する場合には、通常0.2〜4μm、好ましくは0.3〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μmであり、上層部を形成する場合には、下層部上における塗膜の膜厚が、通常0.8〜5μm、好ましくは1〜4.5μm、さらに好ましくは1.5〜4μmである。
基板としては、例えば、樹脂基板、ガラス基板、シリコン基板が挙げられる。基板としてはさらに、製造途中の有機EL素子において、例えば、TFT基板が挙げられる。本発明の装置を製造する場合、特にTFT基板上に上記塗膜を形成する。
ポジ型組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、スピンコート法、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法が挙げられる。これらの塗布方法の中でも、スピンコート法およびスリットダイ塗布法が好ましい。
プレベークの条件としては、ポジ型組成物の組成等によっても異なるが、例えば、加熱温度が60〜130℃、加熱時間が30秒間〜15分間程度とされる。ノボラック樹脂(C)を用いる場合、プレベークは、ノボラック樹脂(C)に基づく遮光性が塗膜に付与されない温度で行うことが好ましい。
《工程2》
工程2では、工程1で形成された塗膜に、所定のパターンを有するマスクを介して、放射線を照射する。下層部上に上層部を形成する場合には、下層部に対応するパターンを有するマスクを使用する。
このときに用いられる放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線が挙げられる。可視光線としては、例えば、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)が挙げられる。紫外線としては、例えば、i線(波長365nm)が挙げられる。遠紫外線としては、例えば、KrFエキシマレーザによるレーザ光が挙げられる。X線としては、例えば、シンクロトロン放射線が挙げられる。荷電粒子線としては、例えば、電子線が挙げられる。
これらの放射線の中でも、可視光線および紫外線が好ましく、可視光線および紫外線の中でもg線及び/又はi線を含む放射線が特に好ましい。例えばi線を含む放射線を使用する場合における露光量としては、6000mJ/cm2以下が好ましく、20〜2000mJ/cm2が好ましい。この露光量は、放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI Optical Associates社の「OAI model356」)により測定した値である。
《工程3》
工程3では、工程2で放射線を照射した塗膜の現像を行う。これにより、放射線の照射部分を除去し、所望のパターンを形成することができる。下層部および上層部のバンク角度は、露光時における照射条件、現像時における現像温度・時間、ポストベーク温度・時間等の条件を変更することにより、所望の値に設定することができる。
現像処理に用いられる現像液としては、アルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液に含まれるアルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナンが挙げられる。アルカリ水溶液におけるアルカリ性化合物の濃度としては、適当な現像性を得る観点から、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
現像液としては、アルカリ水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液、またはアルカリ水溶液にポジ型組成物を溶解する各種有機溶剤を少量添加した水溶液を使用することもできる。後者の水溶液における有機溶剤としては、重合体(A)やポジ型組成物を得るための溶剤(E)と同様の溶剤を使用することができる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法が挙げられる。現像条件は、ポジ型組成物の組成によって異なるが、例えば、20〜30℃で、10秒〜200秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば流水洗浄を30秒〜90秒間行った後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを形成できる。
《工程4》
工程4では、工程3の後に、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用いて、塗膜に対する加熱処理(ポストベーク処理)により塗膜の硬化処理を行うことで絶縁層を得る。この加熱処理における加熱温度は、例えば、130℃を超えて300℃以下であり、加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えば、ホットプレート上で加熱処理を行う場合には5分間〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には30分間〜90分間である。この際に、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。
工程4において、塗膜の加熱前に、パターニングされた塗膜に対してリンス処理や分解処理を行ってもよい。リンス処理では、溶剤(E)として挙げた低吸水性の溶剤を用い、塗膜を洗浄することが好ましい。分解処理では、高圧水銀灯等による放射線を全面に照射(後露光)することで、塗膜中に残存するキノンジアジド化合物等の感放射線性酸発生剤(B)を分解することができる。この後露光における露光量は、好ましくは1000〜5000mJ/cm2程度である。
〔有機EL表示装置および有機EL照明装置〕
以下、本発明の表示又は照明装置として、有機EL表示又は照明装置を具体例にとって、図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明に係る有機EL表示又は照明装置(以下、単に「有機EL装置」ともいう)の、一実施態様における主要部の構造を模式的に示す断面図である。
図3の有機EL装置1は、マトリクス状に形成される複数の画素を有するアクティブマトリクス型の有機EL装置である。この有機EL装置1は、トップエミッション型、ボトムエミッション型のいずれでもよい。各部材を構成する材料の性質、例えば透明性は、トップエミッション型、ボトムエミッション型に応じて適宜選択される。
有機EL装置1は、支持基板2、薄膜トランジスタ(以下「TFT」ともいう)3、第1の絶縁層4、第1電極としての陽極5、スルーホール6、第2の絶縁層7(下層部7a、上層部7b)、有機発光層8、第2電極としての陰極9、パッシベーション膜10および封止基板11を備える。
支持基板2は、絶縁材料より形成されている。有機EL装置1がボトムエミッション型である場合、支持基板2には高い透明性が求められる。そのため、絶縁材料としては、例えば、透明性の高いポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド等の透明樹脂、無アルカリガラス等のガラス材料が好ましい。一方、有機EL装置1がトップエミッション型の場合、絶縁材料としては、任意の絶縁体を用いることができ、前述の透明樹脂、ガラス材料を用いることが可能である。
TFT3は、各画素部分のアクティブ素子であり、支持基板2上に形成されている。このTFT3は、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極およびドレイン電極を備えている。本発明では、ゲート電極上にゲート絶縁膜および半導体層を順に備えるボトムゲート型に限らず、半導体層上にゲート絶縁膜およびゲート電極を順に備えるトップゲート型であってもよい。
半導体層は、In、Ga、Sn、Ti、Nb、SbおよびZnから選択される1種以上の元素を含む酸化物半導体を用いて形成することができる。この場合の酸化物としては、例えば、単結晶酸化物、多結晶酸化物、アモルファス酸化物、これらの混合物が挙げられる。
In、Ga、Sn、Ti、Nb、SbおよびZnから選択される1種以上の元素を含む酸化物半導体としては、例えば、In−Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体等の4元系金属酸化物;In−Ga−Zn−O系酸化物半導体、In−Sn−Zn−O系酸化物半導体、In−Al−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Al−Ga−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Al−Zn−O系酸化物半導体等の3元系金属酸化物;In−Zn−O系酸化物半導体、Sn−Zn−O系酸化物半導体、Al−Zn−O系酸化物半導体、Zn−Mg−O系酸化物半導体、Sn−Mg−O系酸化物半導体、In−Mg−O系酸化物半導体や、In−Ga−O系の材料等の2元系金属酸化物;In−O系酸化物半導体、Sn−O系酸化物半導体、Zn−O系酸化物半導体等の1元系金属酸化物が挙げられる。
絶縁層に遮光性を持たせている場合は、TFTを構成する半導体層が、上記酸化物半導体層である場合、特にIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体(IGZO半導体)からなる酸化物半導体層である場合にも、その光劣化を防止することができる。
第1の絶縁層4は、TFT3の表面凹凸を平坦化する役割を果たす平坦化層である。第1の絶縁層4は、TFT3の全体を被覆するように形成されている。第1の絶縁層4の膜厚は、通常0.1〜10μmである。第1の絶縁層4は、上述した感放射線性樹脂組成物を用いて形成してもよく、従来公知の感放射線性樹脂組成物を用いて形成してもよい。第1の絶縁層4は、上述した[ポジ型組成物を用いた絶縁層の形成方法]等により形成することができる。
陽極5は、画素電極をなす。陽極5は、導電性材料によって第1の絶縁層4上に形成されている。有機EL装置1がボトムエミッション型の場合、陽極5には透明であることが求められる。そのため、陽極5の材料としては、透明性の高いITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、酸化スズが好ましい。有機EL装置1がトップエミッション型の場合、陽極5には光反射性が求められる。そのため、陽極5の材料としては、光反射性が高いAPC合金(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)が好ましい。陽極5の膜厚としては、20〜500nmが好ましい。
スルーホール6は、陽極5とTFT3のドレイン電極とを接続するために形成される。
第2の絶縁層7は、下層部7aと上層部7bとからなり、陽極5の周縁部に沿って形成され、有機発光層8の配置領域を規定する凹部70を有する隔壁(バンク)としての役割を果たす。第2の絶縁層7は、陽極5の一部を覆う一方で陽極5の一部を露出させるように形成されている。このような第2の絶縁層7は、上述した[ポジ型組成物を用いた絶縁層の形成方法]等により形成することができる。
有機発光層8は、電界を印加されて発光する。有機発光層8は、電界発光する有機発光材料を含む層である。有機発光層8は、第2の絶縁層7によって規定される領域、すなわち凹部70に形成されている。このように、凹部70に有機発光層8を形成することで有機発光層8の周囲が第2の絶縁層7によって包囲され、隣接する複数画素同士を区画することができる。
有機発光層8は、第2の絶縁層7の凹部70に有機発光材料を充填することで形成される。凹部70に有機発光材料からなる有機発光層8を形成する方法としては、例えば、インクジェット法、蒸着法が挙げられる。
上記有機発光材料としては、低分子有機発光材料であっても、高分子有機発光材料であってもよく、例えば、Alq3、BeBq3等の基材母体にキナクリドンやクマリンをドープした材料が挙げられる。インクジェット法による有機発光材料の充填を行う場合、高分子有機発光材料が好ましい。高分子有機発光材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリアセチレン及びその誘導体、ポリフェニレン及びその誘導体、ポリパラフェニレンエチレン及びその誘導体、ポリ3−ヘキシルチオフェン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。
有機発光層8は、第2の絶縁層7の凹部70で陽極5上に形成されている。有機発光層8の膜厚としては、20〜500nmが好ましい。ここで有機発光層8の膜厚とは、陽極5上の有機発光層8の下面から、陽極5上の有機発光層8の上面までの距離を意味する。
さらに、陽極5と有機発光層8との間に正孔注入層及び/又は正孔輸送層が配置されていてもよく、有機発光層8と陰極9との間に電子輸送層及び/又は電子注入層が配置されていてもよい。
陰極9は、複数の画素を共通に覆って形成され、有機EL装置1の共通電極をなす。陰極9は、導電性部材からなる。有機EL装置1がトップエミッション型の場合には、陰極9は可視光透過性の電極であることが好ましく、ITO電極やIZO電極が挙げられる。有機EL装置1がボトムエミッション型の場合には、陰極10は可視光透過性の電極である必要はない。その場合、陰極9の構成材料は、例えば、バリウム(Ba)、酸化バリウム(BaO)、アルミニウム(Al)およびAlを含む合金が挙げられる。陰極9の膜厚としては、20〜500nmが好ましい。
パッシベーション膜10は、有機EL素子内への水分や酸素の浸入を抑制する。パッシベーション膜10は、陰極9上に設けられている。
封止基板11は、有機発光層8が配置された主面(TFT基板において支持基板2とは反対側の面)を封止する。封止基板11としては、無アルカリガラス基板等のガラス基板が挙げられる。有機発光層8が配置された主面は、TFT基板の外周端部付近に塗布されたシール剤を用い、封止層12を介して、封止基板11により封止することが好ましい。封止層12は、例えば、乾燥された窒素ガス等の不活性ガスからなる層、または接着剤等の充填材料からなる層である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り、「部」は「質量部」を示す。
[GPC分析]
重合体(A)および樹脂(C)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー(株)製、商品名:HLC−8020)法を用いて、テトラヒドロフラン(THF)溶媒の条件下、ポリスチレン換算で測定した。
・測定方法:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法
・標準物質:ポリスチレン換算
・装置 :東ソー(株)製、商品名:HLC−8020
・カラム :東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL 2本、TSK gel G2000HXLを順次連結したもの
・溶媒 :テトラヒドロフラン
・サンプル濃度:0.7質量%
・注入量 :70μL
・流速 :1mL/min
[ポリイミドのイミド化率]
まず、ポリイミドの赤外吸収スペクトル(装置名:サーモエレクトロン社製NICOLET6700FT−IR)を測定し、ポリイミドに起因するイミド構造の吸収ピーク(1780cm-1付近、1377cm-1付近)の存在を確認した。次に、そのポリイミドについて、350℃で1時間熱処理した後、再度、赤外吸収スペクトルを測定し、熱処理前と熱処理後の1377cm-1付近のピーク強度を比較した。熱処理後のポリイミドのイミド化率を100%として、熱処理前のポリイミドのイミド化率={熱処理前の1377cm-1付近のピーク強度/熱処理後の1377cm-1付近のピーク強度}×100(%)、を求めた。
<重合体(A)の合成>
[合成例A1]重合体(A−1)の合成
3口フラスコに重合溶剤としてのγ−ブチロラクトン390gを加えた後、ジアミン化合物としての2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン120gを重合溶剤中に加えた。ジアミン化合物を重合溶剤に溶解させた後、酸二無水物としての4,4’−オキシジフタル酸二無水物71gを加えた。その後、60℃で1時間反応させた後、末端封止剤としての無水マレイン酸19gを加え、60℃で更に1時間反応させた後、昇温して180℃で4時間反応させた。重合体(A−1)を含む固形分濃度が約35質量%のポリイミド溶液を約600g得た。得られた重合体(A−1)のMwは8000であった。得られた重合体(A−1)のイミド化率は10%であった。
[合成例A2]重合体(A−2)の合成
攪拌器付3口フラスコに、ベンジルメタクリレート40部、ヘキサフルオロプロピルメタクリレート20部、メタクリル酸10部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート30部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート150部、重合開始剤としてジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)3部、および連鎖移動剤としてチオグリコール酸1部を仕込み、65℃で6時間加熱し、100℃で1時間加熱させて重合を終結させた。その後、反応生成溶液を多量のメタノールに滴下し反応物を凝固させた。この凝固物を水洗後、テトラヒドロフラン200gに再溶解し、多量のメタノールで再度、凝固させた。
この再溶解/凝固操作を計3回行った後、得られた凝固物を60℃で48時間真空乾燥し、目的とする重合体を得た。その後固形分濃度が約35質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いて共重合体溶液とした。得られた重合体(A−2)の重量平均分子量(Mw)は10000であった。
[合成例A3]重合体(A−3)の合成
合成例A3では、モノマーとして、ベンジルメタクリレート60部、メタクリル酸10部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート30部を用いたこと以外は合成例A2と同様に行った。得られた重合体(A−3)の重量平均分子量(Mw)は15000であった。
<ノボラック樹脂(C)の合成>
[合成例C1]ノボラック樹脂(C−1)の合成
温度計、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、1−ナフトール144.2g(1.0モル)、メチルイソブチルケトン400g、水96gおよび92質量%パラホルムアルデヒド32.6g(ホルムアルデヒド換算で1.0モル)を仕込んだ。続いて攪拌しながら、30質量%濃度のパラトルエンスルホン酸のメタノール溶液3.4gを加えた。その後、100℃で8時間反応させた。反応終了後に純水200gを加え、系内の溶液を分液ロートに移して水層を有機層から分離除去した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒を加熱減圧下に除去し、下記式で表される構造単位からなるノボラック樹脂(C−1)を140g得た。得られたノボラック樹脂(C−1)の重量平均分子量(Mw)は2000であった。
フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)による測定チャートから、原料と比較してメチレン結合による伸縮由来の吸収(2800〜3000cm-1)が確認でき、更に、芳香族エーテル由来の吸収(1000〜1200cm-1)は発見できなかった。これらの結果により、本合成例では水酸基同士の脱水エーテル化反応(水酸基が消失)は生じず、メチレン結合を有するノボラック樹脂が得られたと同定した。
<ポジ型組成物の調製>
ポジ型組成物の調製に用いた重合体(A)は合成例A1〜A3の重合体(A−1)〜(A−3)であり、ノボラック樹脂(C)は合成例C1の樹脂(C−1)であり、感放射線性酸発生剤(B)、架橋剤(D)、溶剤(E)、密着助剤(F)および界面活性剤(G)は、下記の通りである。
感放射線性酸発生剤(B)として、B−1:4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物(東洋合成工業社)を用いた。
架橋剤(D)として、D−1:4,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]ビフェニル(宇部興産社の「OXBP」)を用いた。
溶剤(E)として、E−1:γ−ブチロラクトン(BL)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の質量比で30:20:50の混合溶剤を用いた。
密着助剤(F)として、F−1:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学社の「KBM−573」)を用いた。界面活性剤(G)として、G−1:フッ素系界面活性剤(株式会社ネオス製の「FTX−218」)を用いた。
[調製例A1]
合成例A2で得られた重合体(A−2)を含む重合体溶液(重合体(A−2)30部(固形分)に相当する量)、および合成例A3で得られた重合体(A−3)を含む重合体溶液(重合体(A−3)5部(固形分)に相当する量)に、上記(B−1)10部、上記(C−1)30部、上記(D−1)20部、上記(F−1)4部、上記(G−1)1部、および上記(E−1)を混合し、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、固形分濃度が25質量%のポジ型組成物A1を調製した。
[調製例A2〜A6、B1〜B5]
調製例A2〜A6、B1〜B5では、表1に示す種類および配合量の各成分を用いたこと以外は調製例1と同様にして、ポジ型組成物A2〜A6、B1〜B5を調製した。
[実施例および比較例]
調製例A1〜A6、B1〜B5のポジ型組成物を用いて、以下に説明する方法により絶縁層および有機EL素子を作製した。これらの絶縁層および有機EL素子について、以下の評価を行った。
[絶縁層の評価]
絶縁層の接触角、バンク角度、膜厚および透過率を、有機EL素子におけるバンク開口部内の平坦性、パネル内輝度均一性、EL素子寿命、素子歩留まりおよびTFT信頼性を、それぞれ評価した。
《接触角》
スピンナーを用いて、シリコン基板(信越化学工業社製)上に上記調製例で得られたポジ型組成物を塗布した後、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベークして、塗膜を形成した。次いで、この塗膜に対して、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて液盛り法で25℃にて80秒間処理し、超純水で1分間流水洗浄し、乾燥させて、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークして、表1に記載の膜厚を有する塗膜を形成した。形成された塗膜において、接触角計(協和界面科学社製CA−X)を用い、n−テトラデカンに対する接触角を測定した。
《透過率》
スピンナーを用いて、ガラス基板(コーニング社の「コーニング7059」)上に上記調製例で得られたポジ型組成物を塗布した後、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベーク後、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークして、表2に記載の膜厚を有する下層部を形成した。
さらに、スピンナーを用いて、下層部が形成されたガラス基板上に上記で得られたポジ型組成物を塗布した後、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベーク後、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークして、表2に記載の膜厚を有する上層部を形成した。
下層部および上層部の形成に用いたポジ型組成物の組合せは、表2に記載したとおりである。下層部と上層部とからなる絶縁層を有するガラス基板について、分光光度計(日立製作所(株)製の「150−20型ダブルビーム」)を用いて全光線透過率を300〜780nmの波長範囲で測定し、波長300〜400nmでの全光線透過率の最大値を求めた。
<評価用有機EL素子の作製>
所定の形状にITO透明電極が形成されたガラスアレイ基板上に、感光性レジスト(「NN700」、JSR(株)製)をスピンコート法で膜厚5μmとなるように塗布した後、ホットプレート上で80℃にて3分間プリベークして、塗膜を形成した。次いで、この塗膜を所定のパターンマスクを介して露光した。露光後、現像し、クリーンオーブン中で200℃にて5分間ポストベーク。このようにして、ITO透明電極の一部のみが露出したコンタクトホールを有する平坦化層を、ガラスアレイ基板上に形成した。ポストベーク後の平坦化層の膜厚は3μmであった。平坦化層が形成されたガラスアレイ基板を複数用意し、以下の工程で用いた。
Alターゲットを用いてDCスパッタ法により、平坦化層を形成したガラスアレイ基板上に膜厚100nmのAl膜を形成した。続いて感光性レジスト(「NN700」、JSR(株)製)をスピンコート法で塗布して乾燥し、所定のパターンマスクを介して露光した。露光後、現像し、加熱硬化して、所定のレジストパターンを形成した。続いて混酸のエッチング液を用いてAl膜をエッチングして、所定のAl膜のパターンを形成した後、レジストパターンを剥離液で除去した。その後、ガラスアレイ基板をスパッタ装置に移送して、ITOターゲットを用いてDCマグネトロンリアクティブスパッタリング法により、Alパターン上に膜厚20nmのITO膜を形成した。続いて感光性レジスト(「NN700」、JSR(株)製)をスピンコート法で塗布して乾燥し、所定のパターンマスクを介して露光した。露光後、現像し、加熱硬化して、所定のレジストパターンを形成した。続いてエッチング液を用いてITO膜をエッチングして、Al膜上にAl膜と同様のITO膜のパターンを形成した後、レジストパターンを剥離液で除去した。このようにしてAl膜とITO膜とからなる第1電極を形成した。
第1電極が形成されたガラスアレイ基板上に、表2に記載の組成物を用いて最終的な下層部の最大膜厚が表2に記載の値となるようにスピンコート法で塗布し、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベークして、塗膜を形成した。この塗膜に対して、露光機(キヤノン社の「MPA−6000」)を用いて、所定のパターンマスクを介して、基板毎に異なるバンク角度となるように、露光時は基板毎にデフォーカスの条件を採用し、波長365nmにおける露光量100mJ/cm2で露光した。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて液盛り法で25℃にて所定の時間現像し、超純水で1分間流水洗浄した。次いで、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークした。
このようにして、下層部が形成されたガラスアレイ基板を得た。下層部は、表2に記載のバンク角度および最大膜厚を有していた。なお、現像時間は、下層部のバンク角度が20°の場合は30秒間、30°の場合は40秒間、40°の場合は60秒間、95°の場合は160秒間とした。
下層部が形成されたガラスアレイ基板上に、表2に記載の組成物を用いて最終的な上層部の最大膜厚が表2に記載の値となるようにスピンコート法で塗布し、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベークして、塗膜を形成した。この塗膜に対して、露光機(キヤノン社の「MPA−6000」)を用いて、所定のパターンマスク(下層部形成時に使用したパターンと同様のパターン)を介して、波長365nmにおける露光量150mJ/cm2で露光した。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて液盛り法で25℃にて所定の時間現像し、超純水で1分間流水洗浄した。次いで、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークした。
このようにして、下層部上に上層部が形成されたガラスアレイ基板を得た。上層部は、表2に記載のバンク角度および最大膜厚を有していた。なお、現像時間は、上層部のバンク角度が50°の場合は60秒間、60°の場合は80秒間、70°の場合は150秒間、80°の場合は180秒間、85°の場合は200秒間、100°の場合は240秒間とした。
以上のようにして、ガラスアレイ基板上に、下層部と上層部とからなる2段構造を有する絶縁層を、第1電極の一部を覆い一部を露出させるように形成した。なお、下層部および上層部の形成に用いたポジ型組成物の組合せは、表2に記載したとおりである。また、バンク角度および膜厚は、バンクの垂直断面形状を、SEM(日立ハイテクノロジー社の「SU3500」)で観察することで測定した。
次いで、得られた絶縁層形成基板のメガソニック洗浄を行い、続いて絶縁層形成基板をN2雰囲気中に移送し、200℃で3時間乾燥を行った。さらに、絶縁層形成基板を酸素プラズマ処理装置へ移し、真空排気し、基板付近に設けたリング状電極に50WのRF電力を投入し、酸素プラズマ洗浄処理を行った。酸素圧力は0.6Pa、処理時間は40秒であった。
絶縁層形成基板上の第1電極上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリアニオンポリ(スチレンスルホン酸塩)を、前者をPEDOT、後者をPSSと記載すると、PEDOT:PSS=1:6の組成比(質量比)で混合した溶液を、インクジェット法により塗布し、150℃で10分間焼成することにより、膜厚が30nmとなる正孔注入層を形成した。
正孔注入層上に、TFB:ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(4−sec−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した溶液を、インクジェット法により塗布してTFB膜を形成し、これを200℃で10分間焼成することにより、膜厚が12nmとなる正孔輸送層を得た。
青色の有機発光層の発光材料としてポリフルオレン系青色発光材料(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウムIII(FIrPic)を含む)を使用し、溶媒として芳香族系の混合溶媒(トルエン、キシレン)を使用し、青色の発光層溶液を作成した。青色の発光層溶液の粘度は15mPa・sとし、表面張力を略40mN/mに調整した。インクジェット法を用いて青色の発光層溶液を、バンク開口部内に形成された正孔輸送層上に充填及び塗布した。その後、青色の発光層溶液が塗布された絶縁層形成基板を、1Pa以下の真空下、200℃にて60分間乾燥させて、青色の発光層溶液中の溶媒成分を乾燥除去することにより、正孔輸送層上に青色の有機発光層を形成した。青色の有機発光層の膜厚は50nmとした。
有機発光層形成後の基板を続いて真空成膜室へ移動し、成膜室を、1E-4Paまで排気した後、有機発光層上に、フッ化リチウムを抵抗加熱蒸着法により成膜速度0.004〜0.005nm/secの条件で成膜し、膜厚0.8nmの電子注入層を形成した。
別の成膜室(スパッタ室)に上記基板を移送し、電子注入層上にITOターゲットを用いてDCマグネトロンリアクティブスパッタリング法により、膜厚130nmの第2電極を形成した。
グローブボックスに上記基板を移送し、N2リークして、吸湿材を素子面側に貼り付けておいた封止ガラスを、UV硬化系のアクリル系の接着剤を用いて、上記基板に接着し、封止した。
以上のようにして、評価用有機EL素子を得た。
<素子の評価>
評価用有機EL素子において、第1電極を陽極、第2電極を陰極として直流電圧を印加し、素子の発光特性を調べた。膜厚不均一に起因するパネル内輝度均一性、EL素子寿命、歩留まりを測定した。
《バンク開口部内での有機化合物層の平坦性》
上記のようにバンク開口部内に正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層および電子注入層からなる有機化合物層を形成した後、垂直断面形状をSEM(日立ハイテクノロジー社の「SU3500」)で観察し、有機化合物層の平坦性を測定した。平坦性は下式より求めた。有機化合物層の平坦性が1%以下のとき「優良」、有機化合物層の平坦性が1%を超えて2%以下のとき「良好」、2%を超えるとき「不良」と判断した。
平坦性(%)=(最厚部膜厚−最薄部膜厚)/(最厚部膜厚+最薄部膜厚)×100
《パネル内輝度均一性》
評価用有機EL素子の第1電極/第2電極間に20mA/cm2の電流密度で定電流を流し、その際の発光輝度を分光放射計SR−3(トプコン製)にて測定し、発光部の輝度均一性を算出した。輝度均一性は下式より求めた。輝度均一性が5%以下のとき「優良」、5%を超えて10%以下のとき「良好」、10%を超えるとき「不良」と判断した。
輝度均一性(%)=(最大輝度−最低輝度)/(最大輝度+最低輝度)×100
《EL素子寿命》
評価用有機EL素子の第1電極/第2電極間に20mA/cm2の電流密度で定電流を流し、中央部の発光輝度を分光放射計SR-3(トプコン製)にて測定した。500時間連続点灯を行った前後での発光輝度の変化を測定し、有機発光層のEL素子寿命を下式の様に定義し評価した。EL素子寿命が85%以上のとき「優良」、80%以上85%未満のとき「良好」、80%未満のとき「不良」と判断した。
EL素子寿命(%)=(500時間連続点灯後輝度)/(初期点灯輝度)×100
《素子歩留まり》
第1電極上の絶縁層(バンク)により10行×10列=100マスに区切られた有機EL素子を用いて、有機EL素子の歩留まりを下式の様に定義し評価した。なお、素子歩留まりについては、同時に作製した同条件のサンプル群の平均値を算出し、値として採用した。素子歩留りが90%以上のとき「優良」、80%以上90%未満のとき「良好」、80%未満のとき「不良」と判断した。
素子歩留まり(%)=初期点灯時の正常点灯マス数/100×100
《TFT信頼性》
ガラス基板(コーニング社の「コーニング7059」)を用い、このガラス基板上にTFTを形成したTFT基板を作製した後に、このTFT基板上に絶縁層を形成して評価用素子を作製した。この評価用素子について、素子特性の評価を行った。
TFT基板は、以下の手順で形成した。まず、ガラス基板上にスパッタリングによりモリブデン膜を形成し、レジストを用いたフォトリソグラフィおよびエッチングによりゲート電極を形成した。次いで、ガラス基板全面およびゲート電極の上層に、スパッタリングにより酸化ケイ素膜を形成してゲート絶縁膜とした。このゲート絶縁膜上にスパッタリングによりInGaZnO系アモルファス酸化物膜(InGaZnO4)を形成し、レジストを用いたフォトリソグラフィおよびエッチングにより半導体層を形成した。半導体層の上層にスパッタリングによりモリブデン膜を形成し、レジストを用いたフォトリソグラフィおよびエッチングによりソース電極およびドレイン電極を形成した。最後に、基板全面、ソース電極およびドレイン電極の上層に、スパッタリングにより酸化ケイ素膜を形成してパッシベーション膜とし、TFT基板を得た。
スピンナーまたはスリットダイコーターを用いて、TFT基板上に上記調製例で得られたポジ型組成物を塗布した後、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベーク後、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークして、表2に記載の膜厚を有する下層部を形成した。次いで、スピンナーまたはスリットダイコーターを用いて、上記調製例で得られたポジ型組成物を下層部上に塗布した後、ホットプレート上で120℃にて2分間プレベーク後、クリーンオーブン中で250℃にて45分間ポストベークして、表2に記載の膜厚を有する上層部を形成した。下層部および上層部の形成に用いたポジ型組成物の組合せは、表2に記載したとおりである。
以上のようにして、TFT信頼性評価用素子を得た。
TFT信頼性は、ゲート電極−ソース電極間に電気的なストレスを印可した際のId−Vg特性の変化(閾値電圧Vthの変化量)を、評価用素子に対する光照射時と光非照射時とで比較することによって評価した。
(Id−Vg特性および閾値電圧Vthの測定)
電気的なストレスの印可は、評価用素子のソース電極の電位を0V、ドレイン電極の電位を+10Vに保ち、ソース電極−ドレイン電極間に電圧を印可した状態で、ゲート電極の電位Vgを−20Vから+20Vまで変化させることで行った。このようにゲート電極の電位Vgを変化させた際、ドレイン電極−ソース電極間に流れる電流Idをプロットすることで、Id−Vg特性を得た。このId−Vg特性においては、電流値がONとなる電圧を閾値電圧Vthに設定した。
(閾値電圧Vthの変化量の測定)
電気的なストレスは、ゲート電極−ソース電極間に、+20Vの正電圧及び−20Vの負電圧をそれぞれ12時間ずつ印加することで与えた。このような電気的なストレスは、評価用素子の半導体膜に対して上方から光を照射した条件下、および半導体膜に対して光を照射しない条件下のそれぞれについて行った。閾値電圧Vthの変化量は、光照射条件および光非照射条件のそれぞれについて、Id−Vg特性から算出した。そして、光照射時の閾値電圧Vthの変化量が、光非照射時の閾値電圧Vthの変化量の1.5倍未満に抑えられている場合にTFT信頼性が「優良」であるとし、1.5倍〜2倍に抑えられている場合にTFT信頼性が「良好」であるとし、2倍を超えている場合にTFT信頼性が「不良」であるとした。
1…有機EL装置、2…支持基板、3…TFT、4…第1の絶縁層(平坦化層)、5…陽極、6…スルーホール、7…第2の絶縁層(隔壁)、7a…下層部、7b…上層部、70…凹部、8…有機発光層、9…陰極、10…パッシベーション膜、11…封止基板、12…封止層、100…TFT基板、110…第1電極、110−1…第1電極の平面、111…絶縁層の開口部、112…第1電極のエッジ部、120…絶縁層、120A…下層部、120A−1…下層部の斜面、120B…上層部、120B−1…上層部の斜面

Claims (7)

  1. 基板と、
    基板上に設けられた第1電極と、
    第1電極を部分的に露出させるように基板および第1電極上に形成された絶縁層と、
    第1電極に対向して設けられた第2電極と
    を有する表示又は照明装置であり、
    絶縁層が、
    基板および第1電極上に形成された下層部と、
    下層部上に形成された上層部と
    を有しており、
    下層部は、n−テトラデカンに対する接触角が40°以下であり、絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する下層部の勾配が5°以上50°未満であり、最大膜厚が0.2〜4μmであり、
    上層部は、n−テトラデカンに対する接触角が40°を超え、絶縁層を断面形状で見た場合に、基板平面に対する上層部の勾配が50°〜85°であり、最大膜厚が0.8〜5μmであり、
    下層部の最大膜厚1と上層部の最大膜厚2とが、最大膜厚2≧最大膜厚1を満たす
    ことを特徴とする表示または照明装置。
  2. 基板がTFT基板であり、第1電極がTFTと接続されており、TFTを構成する半導体層が、In、Ga、Sn、Ti、Nb、SbおよびZnから選択される1種以上の元素を含む酸化物半導体を含有し、
    絶縁層の、上層部および下層部を有する部分における全光線透過率が、波長300〜400nmにおいて0〜15%の範囲にある、
    請求項1の表示又は照明装置。
  3. 前記絶縁層が、感放射線性樹脂組成物から形成された層である請求項1または2の表示又は照明装置。
  4. 前記組成物が、
    (A)式(A1)で表される構造単位を有するポリイミド(A1)、前記ポリイミドの前駆体(A2)およびアクリル樹脂(A3)から選択される少なくとも1種の重合体と、
    (B)感放射線性酸発生剤と
    を含有するポジ型組成物である請求項3の表示又は照明装置。
    [式(A1)中、R1は水酸基を有する2価の基であり、Xは4価の有機基である。]
  5. 前記酸発生剤(B)が、キノンジアジド化合物である請求項4の表示又は照明装置。
  6. 前記組成物が、
    (C)ノボラック樹脂
    をさらに含有する請求項4または5の表示又は照明装置。
  7. 基板がTFT基板であり、
    前記TFT基板上に設けられ且つ前記TFTと接続された第1電極と、
    前記TFT基板の面上を複数の領域に区画する隔壁と
    前記隔壁により区画された領域において且つ第1電極上に形成された有機発光層と、
    有機発光層上に設けられた第2電極と
    を含む有機EL素子を有し、
    前記隔壁が、下層部と上層部とを有する前記絶縁層からなる
    請求項1〜6のいずれか1項の表示又は照明装置。
JP2014141211A 2014-07-09 2014-07-09 表示又は照明装置 Pending JP2016018691A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014141211A JP2016018691A (ja) 2014-07-09 2014-07-09 表示又は照明装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014141211A JP2016018691A (ja) 2014-07-09 2014-07-09 表示又は照明装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016018691A true JP2016018691A (ja) 2016-02-01

Family

ID=55233774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014141211A Pending JP2016018691A (ja) 2014-07-09 2014-07-09 表示又は照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016018691A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016040577A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 東京応化工業株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物及び硬化膜
WO2017163374A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 パイオニア株式会社 発光装置の製造方法及び発光装置
WO2018008610A1 (ja) * 2016-07-08 2018-01-11 旭硝子株式会社 感光性組成物、重合体の製造方法、感光性組成物の製造方法、積層体の製造方法
JP2018028661A (ja) * 2016-08-10 2018-02-22 三星ディスプレイ株式會社Samsung Display Co.,Ltd. フォトレジスト組成物、及びそれを利用した金属パターンの形成方法
JP2020520042A (ja) * 2017-05-12 2020-07-02 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司Boe Technology Group Co.,Ltd. 有機発光ダイオード表示パネル及び装置、その駆動方法と製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071432A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体およびその製造方法
JP2005174907A (ja) * 2003-11-11 2005-06-30 Seiko Epson Corp 電気光学装置および電子機器
JP2006004743A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 表示装置及びその製造方法
WO2008018599A1 (fr) * 2006-08-11 2008-02-14 Asahi Glass Company, Limited Composés fluorés polymérisables et matériau de base traité ayant des régions hydrophiles et des régions hydrofuges
JP2014032951A (ja) * 2012-07-12 2014-02-20 Jsr Corp 有機el素子、感放射線性樹脂組成物および硬化膜

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004071432A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体およびその製造方法
JP2005174907A (ja) * 2003-11-11 2005-06-30 Seiko Epson Corp 電気光学装置および電子機器
JP2006004743A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd 表示装置及びその製造方法
WO2008018599A1 (fr) * 2006-08-11 2008-02-14 Asahi Glass Company, Limited Composés fluorés polymérisables et matériau de base traité ayant des régions hydrophiles et des régions hydrofuges
JP2014032951A (ja) * 2012-07-12 2014-02-20 Jsr Corp 有機el素子、感放射線性樹脂組成物および硬化膜

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016040577A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 東京応化工業株式会社 ポジ型感光性樹脂組成物及び硬化膜
WO2017163374A1 (ja) * 2016-03-24 2017-09-28 パイオニア株式会社 発光装置の製造方法及び発光装置
WO2018008610A1 (ja) * 2016-07-08 2018-01-11 旭硝子株式会社 感光性組成物、重合体の製造方法、感光性組成物の製造方法、積層体の製造方法
CN109415467A (zh) * 2016-07-08 2019-03-01 Agc株式会社 感光性组合物、聚合物的制造方法、感光性组合物的制造方法、层叠体的制造方法
JPWO2018008610A1 (ja) * 2016-07-08 2019-06-13 Agc株式会社 感光性組成物、重合体の製造方法、感光性組成物の製造方法、積層体の製造方法
JP2018028661A (ja) * 2016-08-10 2018-02-22 三星ディスプレイ株式會社Samsung Display Co.,Ltd. フォトレジスト組成物、及びそれを利用した金属パターンの形成方法
JP2020520042A (ja) * 2017-05-12 2020-07-02 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司Boe Technology Group Co.,Ltd. 有機発光ダイオード表示パネル及び装置、その駆動方法と製造方法
US11374070B2 (en) 2017-05-12 2022-06-28 Boe Technology Group Co., Ltd. Organic light emitting diode display panel and apparatus having a connecting electrode in an electrode connecting region
JP7131757B2 (ja) 2017-05-12 2022-09-06 京東方科技集團股▲ふん▼有限公司 有機発光ダイオード表示パネル及び装置、その駆動方法と製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5613851B1 (ja) 表示又は照明装置
JP6155823B2 (ja) 有機el素子、感放射線性樹脂組成物および硬化膜
TWI746650B (zh) 樹脂組成物、硬化膜、半導體裝置及其等之製造方法
TWI595320B (zh) 正型感光性樹脂組成物、硬化膜的製造方法、硬化膜、有機el顯示裝置及液晶顯示裝置
KR102341494B1 (ko) 수지 조성물, 수지 시트, 경화막, 유기 el 표시 장치, 반도체 전자 부품, 반도체 장치 및 유기 el 표시 장치의 제조 방법
JP6447242B2 (ja) 感放射線性樹脂組成物、絶縁膜及びその製造方法、並びに有機el素子
KR101746606B1 (ko) 포지티브형 감광성 수지 조성물, 경화막의 제조 방법, 경화막, 유기 el 표시 장치 및 액정 표시 장치
KR101729599B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 이것을 사용한 패턴의 제조 방법
WO2016024425A1 (ja) 素子、絶縁膜及びその製造方法、並びに感放射線性樹脂組成物
JP2016018691A (ja) 表示又は照明装置
TW201339748A (zh) 感光性樹脂組成物、硬化膜的形成方法、硬化膜、有機電致發光顯示裝置及液晶顯示裝置
JP2016167447A (ja) 発光装置および感放射線性材料
TW201335714A (zh) 感光性樹脂組成物、硬化膜的製造方法、硬化膜、有機el顯示裝置以及液晶顯示裝置
WO2016098758A1 (ja) 発光装置およびその製造方法、隔壁の製造方法、ならびに感放射線性材料
JP2015215397A (ja) 感放射線性樹脂組成物、絶縁膜及びその製造方法、並びに有機el素子
CN117858921A (zh) 树脂组合物、固化物、有机el显示装置及固化物的制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180605