JP2016017765A - 振動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な設備を必要とせず、地震による振動を高精度に再現でき、省スペース化、省エネルギー化にも寄与できる振動装置を提供する。【解決手段】被試験負荷を載置する振動板を振動させ、地震によって生じた振動を3次元で再現する振動装置であって、該振動装置は、台座と該台座に配設され、その上端部及び下端部がそれぞれ前記振動板及び前記台座に接続された、3本のアクチュエータを備え、該3本のアクチュエータの配設位置が、前記台座上において三角形の頂点を構成し、前記3本のアクチュエータの延在方向が、前記被試験負荷及び前記振動板を合成した重心で交差し、前記各アクチュエータが別個に伸縮運動をすることで振動板を振動させることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、地震によって生じた振動を再現するための振動装置、特に、複雑な設備を必要とせず、地震による振動を高精度に再現できる振動装置に関する。
近年、阪神淡路大震災や東北地方太平洋沖地震等の大規模な地震による負傷原因の30%〜50%は家具の転倒・落下が原因と言われている。また、家具の扉が開いて収納した食器やガラス製品が飛び出し、割れた食器やガラスで怪我をする危険ももたらす。そのため、家具の耐震対策は非常に重要になっている。
このため、家具等や家具の扉の止め具等の製品化に当たっては、耐震性の評価を十分に行い製品設計にフィードバックすることが重要になってきており、正確な耐震性の評価方法の必要性が増してきている。
ここで、上述の耐震性の評価方法としては、振動装置を用いて、地震の振動状態を再現することによって行われることが一般的である。
例えば特許文献1には、振動テーブルにX方向、Y方向、及びZ方向の振動を与えるためのX方向加振器、Y方向加振器、及びZ方向加振器を備えた3軸方向振動試験装置において、前記X方向加振器、前記Y方向加振器、前記Z方向加振器の駆動部のそれぞれを、一軸方向への運動を可能とする第1の直線運動用軸受手段と前記一軸方向に直角な方向への運動を可能とする第2の直線運動用軸受手段とを2段重ねに組合せて被駆動体を直交する2軸方向に可動とする2軸直交直線運動用軸受を介して前記振動テーブルに接続したことを特徴とする3軸方向振動試験装置、が開示されている。
また、特許文献2には、振動台と、下端部が床面上に取り付けられ上端部が前記振動台を支持する少なくとも6本のアクチュエータとを具備し、前記アクチュエータをほぼ垂直なΛ状に配置すると共に、前記各アクチュエータの両端部をそれぞれ前記床面及び前記振動台に回転自在に継手で接続したことを特徴とする振動台装置、が開示されている。
特開2001−108570号公報 特開2000−19052号公報
しかしながら、従来の振動装置については、後述する理由から、高精度に地震の振動を再現することが困難であった。また、従来の振動装置は大型であり、複雑な装置構成を有することから、省スペース化、省エネルギー化、メンテナンス等の点について、さらなる改善が望まれていた。
特許文献1の技術では、前記振動テーブルに対して、X方向、Y方向、及びZ方向の振動を、それぞれの加振器によって与えることで、三次元の振動を再現するものであることから、搭載負荷と振動テーブルとを合成した重心に対し大きなモーメントが発生し、再現する振動に加え余分な振動が生じる結果、地震を高精度に再現できないという問題があった。また、X方向加振器とY方向加振器が振動テーブルの横にあるため、装置の幅が大きくなり、装置の設置のために広いスペースが必要であった。また、前記加振器が接続されている振動テーブルは、X方向及びY方向の振動テーブル1枚と、Z方向の中間テーブル1枚の2合計2枚となり、2枚の質量の大きい振動テーブルを振動させる必要があるため、大きな電力が必要であった。さらに、実際の地震観測データから、X方向とY方向とZ方向に分けた入力信号を作成し、各々の方向の加振器を駆動させる必要があるため、メンテナンスが煩雑となっていた。
また、特許文献2の技術については、アクチュエータが、ほぼ垂直なΛ状に配置され、X方向やY方向は向いていないものの、ほぼZ方向を向いているため、搭載負荷と振動台とを合成した重心に対して発生するモーメントが依然として大きかった。そのため、再現された地震の振動に加えて余分な振動が生じることとなり、地震を正確に再現できなかった。また、Z方向にアクチュエータを垂直に配置するため、Z方向に十分なスペースが必要であった。さらに、少なくとも6本のアクチュエータを駆動させなければならないため、大きな電力が必要であった。
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、複雑な設備を必要とせず、地震による振動を高精度に再現でき、省スペース化、省エネルギー化にも寄与できる振動装置を提供することにある。
本発明者らは、地震によって生じた振動を3次元で再現する振動装置において、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、振動板を振動させるための3本のアクチュエータの延在方向が、被試験負荷及び前記振動板を合成した重心で交差するように配設することによって、余計な振動の原因となる重心に対する力のモーメントの発生を抑え、地震による振動を高精度に再現できることを見出した。また、アクチュエータが振動板の下方に配設され、部材も少ないことから、従来の大型の振動装置に比べ、省スペース及び省エネルギー化にも寄与できることも見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような知見に基づきされたもので、その要旨は以下の通りである。
(1)被試験負荷を載置する振動板を振動させ、地震によって生じた振動を3次元で再現する振動装置であって、該振動装置は、台座と該台座に配設され、その上端部及び下端部がそれぞれ前記振動板及び前記台座に接続された、3本のアクチュエータを備え、該3本のアクチュエータの配設位置が、前記台座上において三角形の頂点を構成し、前記3本のアクチュエータの延在方向が、前記被試験負荷及び前記振動板を合成した重心で交差し、前記各アクチュエータが別個に伸縮運動をすることで振動板を振動させることを特徴とする振動装置。
(2)前記振動装置は、前記振動板の鉛直方向の動きを抑制し、前記振動板の動きを、水平面内で直交するX軸方向及びY軸方向のみに許容する水平方向案内手段と、前記振動板の動きを、水平に維持した状態で鉛直方向(Z軸方向)に許容する鉛直方向案内手段とを、さらに備えることを特徴とする上記(1)に記載の振動装置。
(3)前記水平方向案内手段は、前記X軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受けと前記Y軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受けを直交させてなり、いずれか一方の前記直動案内軸受けが前記振動板に接続していることを特徴とする上記(2)に記載の振動装置。
(4)前記鉛直方向案内手段は、一端が支点として前記台座に接続され、他端が直接又は間接に前記振動板に回動可能に接続された少なくとも2つのヒンジであり、該少なくとも2つのヒンジを前記支点を中心に回動することで、前記振動板の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することを特徴とする上記(2)に記載の振動装置。
(5)前記鉛直方向案内手段は、一端が支点として前記台座に接続され、他端が一方の前記直動案内軸受けに回動可能に接続された少なくとも2つのヒンジであり、該少なくとも2つの該ヒンジを前記支点を中心に回動することで、前記振動板の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することを特徴とする上記(3)に記載の振動装置。
(6)前記振動装置は、実際の地震のデータを取り込み、該データを3次元方向の加速度に分解し、該分解された加速度に基づいて、前記アクチュエータを伸縮運動することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の振動装置。
(7)前記振動装置は、前記アクチュエータの伸縮できる範囲の振幅と前記実際の地震の振幅との差異に基づいて、アクチュエータの伸縮運動の補正を行う補正手段を、さらに備えることを特徴とする上記(6)に記載の振動装置。
(8)前記振動装置は、前記台座の下に位置し、前記振動板の振動が前記振動装置の下に伝わることを防ぐための定盤をさらに備えることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の振動装置。
本発明によれば、複雑な設備を必要とせず、地震による振動を高精度に再現でき、省スペース化、省エネルギー化にも寄与できる振動装置を提供することが可能となる。
その結果、スペースの少ない場所に振動装置を設置することが可能となり、大きな電力を必要とすることなく、家具や電化製品等の耐震性評価について、今まで以上に高精度に行うことができる。
本発明に従う振動装置の一実施形態について示した斜視図である。 本発明に従う振動装置の一実施形態について示した側面図である。 本発明に従うアクチュエータについて、アクチュエータの延在方向が重心で交差することを説明するための図である。 従来技術のアクチュエータについて、アクチュエータの延在方向と重心の関係に基づいて発生する力のモーメントを説明するための図である。 台座におけるアクチュエータの設置位置を説明するための図である。 被試験負荷が人間の場合における本発明に従う一実施形態について示した斜視図である。 従来技術の振動装置の一実施形態について示した斜視図である。 従来技術の振動装置の一実施形態について示した平面図と側面図である。 本発明に従う水平方向案内手段及び鉛直方向案内手段の動きの方向を説明するための図である。 本発明に従う直動案内軸受け及びヒンジの一実施形態を示した斜視図である。 直動案内軸受けの構造の一実施形態を示した斜視図である。 ヒンジの働きを説明するための図である。 本発明に従うアクチュエータ及び直動案内軸受け及びヒンジの一実施形態を示した斜視図である。 取り込んだ実際の地震のデータから、アクチュエータの変位を算出し、振動板の伸縮運動に変える動きの一例を説明するためのフロー図である。 実際の地震のデータに基づいて伸縮するアクチュエータの変位を説明するための図である。 アクチュエータの伸縮運動の補正の方法を説明するためのフロー図である。 実際の地震のデータを取り込んだ本発明に従う振動装置の振動板の加速度及び入力された地震の加速度について時間との関係を示した図である。 作製した振動装置のアクチュエータ及びヒンジ及び振動板の部分の写真である。
本発明に従う地震によって生じた振動を3次元で再現するための振動装置について、必要に応じて図面を用いて説明する。
本発明による地震によって生じた振動を3次元で再現するための振動装置は、図1及び図2に示すように、被試験負荷2を載置する振動板3を振動させ、地震によって生じた振動を3次元で再現する振動装置1であって、
台座5と該台座5に配設され、その上端部及び下端部がそれぞれ前記振動板3及び前記台座5に接続された、3本のアクチュエータ4を備え、該3本のアクチュエータ4の配設位置が、図5に示すように、前記台座5上において三角形の頂点を構成し、前記3本のアクチュエータ4の延在方向が、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した重心で交差し、前記各アクチュエータ4が別個に伸縮運動をすることで振動板3を振動させることを特徴とする。
ここで、「地震によって生じた振動を再現する」とは、地震の振動があった時の状態を再現することを言う。また、「3次元で再現する」とは、地震の水平2方向及び上下方向の3次元の振動の状態を再現することをいう。
(振動板)
本発明の振動装置は、図1及び図2に示すように、振動板3を備える。該振動板3は、被試験負荷2を該振動板3の上に載置して、該被試験負荷2を振動させる。前記振動板3は、該被試験負荷2を載置でき、振動に対する耐久性があれば特に限定されないが、例えば、金属製の上面が長方形の板を用いることができる。前記振動板3は、前記アクチュエータ4の上端部が接続され、前記アクチュエータ4の伸縮運動によって振動する。
なお、図1及び図2に示すように、前記振動板3は1枚であるが、例えば、特許文献1の従来技術では、加振器すなわちアクチュエータが接続されている振動テーブルは、X方向及びY方向の振動テーブル1枚と、Z方向の中間テーブル1枚の2合計2枚となる。例えば、振動板1枚の質量は200kgと重いため、2枚の振動テーブルを振動させるためには、大きな電力が必要であった。そのため、前記振動装置1は、特許文献1の従来技術に比べ、省エネルギーであり、部材が少ないため、省スペースでメンテナンスが容易である。
また、被試験負荷2とは、本発明による振動装置の試験の対象のことである。該被試験負荷2は、振動板3に載置できるものであれば、特に限定されず、物体でも良いし、人間を含む動物でも構わないが、地震の振動に対する評価の必要性が高いという点からは、家具、電化製品等の各種工業製品であることが好ましい。
また、前記被試験負荷2は、前記振動装置の使用者の要求を受け、前記振動装置の仕様として決められる。
なお、本発明による振動装置は、地震の体験装置としても利用ができる。その場合は、被試験負荷は人間となる。例えば、図6に示すように、振動板には、4つの手すり9a〜d及び柵17を、さらに設けることが好ましい。振動試験の際に、人間が該手すり9a〜dにつかまることで、転倒することを防ぎ、柵17によって人間が振動装置から落下することを防ぐことが出来るからである。人間が実際の地震によって生じた振動を体験することで、家具等の転倒・落下に対する耐震対策を検討する上で役立つ。
(アクチュエータ)
本発明の振動装置1は、図1及び図2に示すように、前記3本のアクチュエータ4を備える。該3本のアクチュエータは、前記台座5に配設され、その上端部及び下端部がそれぞれ前記振動板3及び前記台座5に接続され、前記アクチュエータ4の配設位置が、前記台座5上において三角形の頂点を構成し、前記3本のアクチュエータの延在方向が、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した重心で交差し、前記各アクチュエータが別個に伸縮運動をすることで振動板3を振動させ、地震によって生じた振動を3次元で再現する。
ここで、前記アクチュエータとは、入力されたエネルギーを物理的な運動へと変換する機構のことを言い、特に、電気、油圧又は空圧のエネルギーを回転運動又は直進運動の機械的動きに変換する機構を言う。
また、前記アクチュエータ4の配設位置は、図5に示すように、前記台座5上において三角形の頂点を構成する。三角形の頂点を構成することで、前記各アクチュエータ4の別個の伸縮運動によって、前記振動板3の水平面で直交するX軸方向及びY軸方向及び鉛直方向(Z軸方向)に力が加わり、前記振動板3を振動させることができる。
さらに、前記3本のアクチュエータ4の延在方向は、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した前記重心で交差する。前記重心で交差することで、アクチュエータの伸縮運動による前記重心に対する力のモーメントを生じないため、前記重心に対する力のモーメントによる余計な振動が生じない。
ここで、力のモーメントとは、物体のある点又は軸のまわりに回転させようとする力の働きを表わす量のことである。力のモーメントの大きさは、力の大きさと、その点から力までの距離の積で表わされる。例えば、図4に示すように、アクチュエータが振動板3を側面であるX方向から水平に力F1で押す場合、重心10のまわりに回転させようとする力13が働く。
また、重心とは、物体の各部分に働く重力を合わせた力が作用する点のことである。質量の中心と一致する。
上述したように、前記3本のアクチュエータの延在方向は、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した重心で交差する。例えば、振動板3の質量が前記被試験負荷2に比べて重ければ、別の質量の異なる被試験負荷を試験する場合も、前記3本のアクチュエータの延在方向が交差する点が、該別の質量の異なる被試験負荷及び前記振動板3を合成した重心からずれる長さは小さい。そのため、該合成した重心に対し発生する力のモーメントも小さく、余計な振動もほとんど生じない。
質量の異なる被試験負荷を試験する場合において、重心の位置の変化の例として、一次元の任意の2物体について説明する。2物体の各々の位置と質量をX1、M1とX2、M2とすると、重心の位置はXG=(M11+M22)/(M1+M2)となる。このため、M1がM2に比べて十分重ければ、重心の位置XGは、X2に比べX1で決まる割合が大きくなる。このため、質量M2の物体を異なる質量M3に代えても、M1がM3に比べて十分重ければ、重心の位置XGの変化は小さい。
ここで、前記振動板の質量は、前記試験験負荷の質量に比べ、1.5倍から3倍が好ましい。なお、振動板の質量が大きくなり過ぎると、アクチュエータが振動板を振動させるために必要な電力が大きくなるため、省エネルギーとならない。
なお、被試験負荷が人間の場合は、人の重心の位置が、足底から約55%の高さにあると考えられるので、例えば、体重65kg及び身長170cmの4人の人間が1人づつ、図6に示すように、前記手すり9a〜dの中間部分につかまる場合を想定して、前記被試験負荷である人間及び前記振動板を合成した重心を算出することが出来る。
アクチュエータの伸縮運動の力による前記重心に対する力のモーメントについて、例として、2本のアクチュエータの場合について説明する。図3では、2本のアクチュエータの延在方向41及び42が、前記被試験負荷及び前記振動板を合成した重心Mで交差している状態を模式的に示している。図3において、アクチュエータが伸縮運動をすることで、重心Mに対し押す力412、422又は引く力411、421が加わっても、該押す力又は該引く力は重心Mに対して力のモーメントを生じないことがわかる。2本のアクチュエータの延在方向が、重心Mで交差しているため、重心Mから該延在方向までの距離がゼロだからである。
また、前記3本のアクチュエータ4の延在方向が、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した重心で交差する場合も、重心に対してモーメントを生じない。該重心から前記3本のアクチュエータ4の延在方向までの距離がゼロだからである。
そのため、再現する地震の振動に加え、重心に対する力のモーメントによる余計な振動が生じることがなく、地震によって生じた振動を正確に再現できることがわかる。
一方、例えば、特許文献1の技術の場合、図4に示すように、アクチュエータが振動板を側面であるX方向から水平に力F1で押す。この場合は、アクチュエータの延在方向が被試験負荷及び振動板3を合成した重心10を通らないため、重心10からアクチュエータの延在方向までの距離がl1となり、ゼロとはならない。そのため、重心10に対する力のモーメントが生じ、振動板3を重心10のまわりに回転させようとする力13が加わる。その結果、振動板3と前記振動板3の継ぎ手である軸受け14、15に対しF2の力が加わり余計な振動の原因となる。ここで、モーメントのつり合いから、2xF2xl2=F1xl1の関係がある。
ここで、アクチュエータの伸縮運動の一例について説明する。例えば、図12において、アクチュエータ401aが伸びの運動をする場合を考える。前記直動案内軸受け61a〜61dの接続された中間枠600は、Z軸方向に上方に移動すると同時に、前記X軸及び前記Y軸の正方向へも移動する。このため、振動板を任意のX軸方向及びY軸方向及びZ軸方向に移動させるためには、3つのアクチュエータの伸びを組み合わせることが必要となる。
例えば、3本のアクチュエータ401a〜cが同時に伸び又は縮みの運動をすると、中間枠600は、Z軸方向に上下する。また、アクチュエータ401cが縮み、アクチュエータ401a及びアクチュエータ401bが伸びの運動をすると、中間枠600はX軸の正方向へ移動する。さらに、アクチュエータ401aが伸び、アクチュエータ401bが縮みの運動をすると、中間枠600はY軸の正方向へ移動する。
また、前記3本のアクチュエータ4は、図1及び図2に示すように、前記3本のアクチュエータ4は振動板3の下方に配置されることが好ましい。従来技術に比べ、振動装置1の設置に必要なスペースが少なくて済むからである。従来技術では、例えば、図7A及び図7Bに示すように、アクチュエータ40a〜40dが振動板の側面に配置されるので、本願に係る装置に比べて大きなスペースが必要になる。また、本発明の振動装置1は、3本のアクチュエータを備え、従来技術の振動装置が、例えば、図7A及び図7Bに示すように、5本のアクチュエータ40a〜40eを備えることに比べ、必要な電力が少なくて済み、部材の数も少ないので、メンテナンスも容易となる。
さらに、例えば、特許文献2の従来技術では、アクチュエータは振動板の下方に配置され省スペースであるが、少なくとも6本のアクチュエータを駆動させなければならない。それに比べ、前記振動装置1は、3本のアクチュエータを伸縮運動させるため、必要な電力が少なくて済み、省エネルギーであり、アクチュエータの本数が少ないため、メンテナンスも容易となる。
ここで、アクチュエータの動力源の種類は、油圧、空気圧及び電動に大別される。油圧アクチュエータは、流体エネルギーを機械的運動に変換する装置であり、油圧ポンプが必要である。空気圧アクチュエータは、油圧が空気圧に置き換わったと考えることができる。電動アクチュエータは、電気エネルギーを動力源として動作するものであり、例えば、モータを用いて機械的運動をするものである。また、動作による種類は、直線運動と回転運動に大別される。
なお、前記アクチュエータ4は、油圧アクチュエータであることが好ましい。高速動作に適し、サイズ当たりの推力が大きく比較的シンプルな構造だからである。
前記振動装置1は、3本のアクチュエータを備えるが、アクチュエータの数は、前記各アクチュエータが別個に伸縮運動をすることで振動板を振動させることが出来れば、特に3本に限定されず、4本以上であってもよい。
(水平方向案内手段及及び鉛直方向案内手段)
本発明の振動装置1は、水平方向案内手段及び/又は鉛直方向案内手段を、さらに備えることが好ましい。
ここで、前記水平方向案内手段は、前記振動板3の鉛直方向の動きを抑制し、前記振動板3の動きを、水平面内で直交するX軸方向及びY軸方向のみに許容する。また、鉛直方向案内手段は、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で鉛直方向(Z軸方向)に許容する。
水平方向案内手段及び鉛直方向案内手段をさらに備えることで、33段落で上述したように、別の質量の異なる被試験負荷を試験する場合において、小さな余計な振動の発生をも抑えることができ、発生し得る小さな力のモーメントにより、振動板3が水平から傾くこと及び水平面内で回転することを防ぐことができる。また、前記振動板3の振動によって、前記3本のアクチュエータ4の延在方向が交差する点が、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した前記重心から外れるため、発生し得る小さな力のモーメントによる余計な振動も抑えることもできる。
なお、前記水平方向案内手段とは、前記アクチュエータ4の伸縮運動によって前記振動板3が水平面内で振動する際に、前記振動板3の水平面内のみの動きを許容するため、該振動板3の鉛直方向の動きを抑制し、例えば、図8(a)に示すように、前記振動板3の動きを水平面内で直交する前記X軸方向及び前記Y軸方向のみに許容する手段である。
また、前記鉛直方向案内手段とは、前記アクチュエータ4の伸縮運動によって前記振動板3が鉛直方向に振動する際に、前記振動板3を水平に維持した状態に保ち、例えば、図8(b)に示すように、前記振動板の動きを鉛直方向(Z軸方向)に許容する手段である。
ここで、前記水平方向案内手段は、前記振動板3の鉛直方向の動きを抑制し、前記振動板3の動きを、水平面内で直交するX軸方向及びY軸方向のみに許容するものであれば、特に限定されないが、急加速及び急減速に耐えられ、長時間の振動に対する耐久性が優れていると言う点からは、図9に示すように、直動案内軸受けで構成されることが好ましい。
また、前記水平方向案内手段は、図9に示すように、前記X軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受け62a〜62dと前記Y軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受け61a〜61dを直交させてなり、いずれか一方の前記直動案内軸受けが前記振動板3に接続していることが好ましい。
ここで、前記直動案内軸受けとは、例えば、図10に示すように、レール601とボール602とスライダー603からなり、接続した物体の荷重を受け、直線方向に案内する軸受けでのことである。
2つの前記直動案内軸受けを直交させることで、前記直動案内軸受けの働きにより、複雑な機構を用いずに、前記振動板3の鉛直方向の動きを抑制し、前記振動板3の動きを、水平面内で直交するX軸方向及びY軸方向のみに許容することができ、しかも、前記直動案内軸受けの性能のため、振動板3の急加速及び急減速の振動及び長時間の振動に耐えられるからである。
なお、前記直動案内軸受けは、特に限定されないが、製造メーカーごとに商品名が異なり、一例として、日本精工(株)製の「リニアガイド」、THK(株)製の「LMガイド」又は日本トムソン(株)製の「リニアウェイ」がある。
また、従来のすべり案内に代わり転がり案内が多く使われている。前記直動案内軸受けにより、例えば、直線方向である前記X軸方向のみの動きを許容することができる。
なお、振動板3の急加速及び急減速の振動及び長時間の振動に耐えるため、例えば、耐久性のあるスチール製のボール602を使用することが好ましい。
また、前記鉛直方向案内手段は、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で鉛直方向(Z軸方向)に許容するものであれば、特に限定されないが、構造が複雑で無いため耐久性に優れていると言う点からは、ヒンジで構成されることが好ましい。
そのため、前記鉛直方向案内手段は、例えば、図1及び図2に示すように、一端が支点として前記台座5に接続され、他端が直接又は間接に前記振動板3に回動可能に接続された少なくとも2つのヒンジ7であり、該少なくとも2つのヒンジ7を前記支点を中心に回動することで、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することが好ましい。
ヒンジを使うことで、複雑な機構を設けることなく、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することができるからである。
ここで、ヒンジとは、蝶番のことで、例えば、図11に示すように、支点70は不動で回転71が自由な支持構造をもつ部品のことである。
なお、ヒンジ7は前記振動板3に回動可能に接続されることで、ヒンジ7を前記支点を中心に回動させる場合でも、前記振動板3が傾くことなく水平に維持した状態で振動することができる。
さらに、前記鉛直方向案内手段は、一端が支点として前記台座に接続され、他端が一方の前記直動案内軸受けに回動可能に接続された少なくとも2つのヒンジであり、該少なくとも2つの該ヒンジを前記支点を中心に回動することで、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することが好ましい。
他端が一方の前記直動案内軸受けに接続されることで、ヒンジと前記直動案内軸受けが一体となるため、前記振動装置1全体がコンパクトになり省スペースに貢献するからである。
ここで、前記ヒンジ7の他端は、例えば、図9に示すように、前記Y軸方向のみの動きを許容する前記直動案内軸受け61a、61b、61c及び61dに接続され、間接に前記振動板3に接続されている。
なお、図9は、前記鉛直方向案内手段が、4つのヒンジ7a、7b、7c及び7dである場合を示している。
なお、前記直動案内軸受け62a〜62dは、図9に示すように、前記ヒンジ7a〜7dが前記支点を中心に回動することで、前記Z軸方向に動くと同時に、水平面内でも動く。そのため、前記直動案内軸受け62a〜62dに接続される前記振動板3も、前記ヒンジ7a〜7dが前記支点を中心に回動することによって、水平に維持された状態で、水平面内でも動いてしまう。
そこで、例えば、前記ヒンジ7a〜7dの前記支点を中心とした回動に合わせ、前記アクチュエータを伸縮運動させ、前記振動板3の上述した水平面内での動きを補正し、前記ヒンジの回動に合わせて、前記振動板3が前記水平面内で動かないようにすることが好ましい。
(地震のデータ)
前記振動装置1は、実際の地震のデータを取り込み、該データを3次元方向の加速度に分解し、該分解された加速度に基づいて、前記アクチュエータを伸縮運動することが好ましい。
実際の地震のデータを取り込み、該データの分解された加速度に基づいて、前アクチュエータを伸縮運動させることで、実際に起きた地震の振動をより良く再現することが可能になるからである。
ここで、実際の地震のデータを取り込むための方法は特に限定されないが、例えば、独立行政法人の防災科学技術研究所のホームページ、又は気象庁のホームページから、振動を再現しようとする過去の地震の観測データをダウンロードして、前記振動装置に入力する方法がある。
また、取り込んだ前記地震のデータは、3次元方向の加速度に分解する。例えば、防災科学技術研究所のホームページ等からダウンロードされた地震の観測データを、地震の南北方向、東西方向及び上下方向の地震の振動の加速度データに分解する。前記データを3次元方向の加速度に分解することで、アクチュエータの変位を算出することが容易になるからである。
さらに、前記分解された加速度に基づいて、前記アクチュエータは伸縮運動する。例えば、図13に示すように、前記地震の振動の加速度データを2回積分することで、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の変位のデータ(x、y、z)を算出した後、該変位のデータに基づいて3本のアクチュエータの変位(C1、C2、C3)を導き出し、該導き出されたアクチュエータの変位に基づいて、前記アクチュエータを伸縮運動することで、地震によって生じた振動を3次元で再現することができるからである。
ここで、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の該変位のデータに基づいて前記アクチュエータの変位を導き出す方法について説明する。3本のアクチュエータのうち、例として、任意の1本のアクチュエータに着目して説明する。例えば、図14に示すように、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した重心の位置11(x2、y2、z2)が、前記振動板3の振動によって位置12(x3、y3、z3)へ移動する場合を検討する。この重心の移動が、実際の地震の振動によるX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の前記変位のデータ(x、y、z)に等しくなるので、次の関係式が成り立つ。
x=x3−x2、 y=y3−y2、 z=z3−z2
これより、地震により前記変位(x、y、z)が生じると、前記重心の移動後の位置12の座標(x3、y3、z3)は、次の式で求められることがわかる。
3=x2+x、 y3=y2+y、 z3=z2+z
ここで、例として、着目しているアクチュエータについて、該アクチュエータと台座との接点16と位置11を結ぶ直線及び、接点16と位置12を結ぶ直線のなす角θが十分小さければ、位置11と位置12の距離Δlは、次の式で近似できることがわかる。
Δl=l4−l3
ここで、該アクチュエータの台座5との接点16と位置11の間の距離をl3とし、接点16と位置12の間の距離をl4とした。
θが十分小さければ、l4−l3は、該アクチュエータの変位に相当するから、Δlを求めれば、必要な該アクチュエータの変位が求められることがわかる。
これから、次の計算によって、該アクチュエータの変位が算出できる。
3=((x2−x12+(y2−y12+(z2−z121/2
4=((x3−x12+(y3−y12+(z3−z121/2
Δl=l4−l3
他の2本のアクチュエータの変位についても、地震の振動のX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の前記変位のデータに基づいて導き出すことができる。
このように、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の変位のデータ(x、y、z)を算出した後、該変位のデータに基づいて、3本のアクチュエータの変位(C1、C2、C3)を導き出すことができる。これから、該導き出されたアクチュエータの変位に基づいて、前記アクチュエータを振動運動することで、地震によって生じた振動を3次元で再現することができる
さらにまた、前記振動装置1は、前記アクチュエータ4の伸縮できる範囲の振幅と前記実際の地震の振幅との差異に基づいて、アクチュエータ4の伸縮運動の補正を行う補正手段を、さらに備えることが好ましい。
地震によって生じた振動を再現する際に、該振動の振幅が大き過ぎ、アクチュエータ4の伸縮できる範囲を超えてしまう場合であっても、前記アクチュエータ4の伸縮できる範囲の振幅と前記実際の地震の振幅との差異に基づいて、アクチュエータ4の伸縮運動の時間軸を短縮する補正を行うことで、前記振動装置1において、実際の地震によって生じた振動の加速度と同様の加速度を実現できるため、実際の地震の振動状態を高精度に再現できる。
なお、時間軸を短縮するとは、アクチュエータが伸縮できる範囲内で、アクチュエータを、時間軸を短くして、地震のデータによる速さよりも早い速さで伸縮することで、実際の地震のデータの加速度を再現することである。
ここで、前記補正手段によるシミュレーション及び補正の流れの一例を、図15に示す。
例えば、地震のデータを入力しコンピュータを用いて、地震によって生じた振動のシミュレーションを行い、振動装置1のアクチュエータ4の伸縮できる範囲内において、地震によって生じた振動の再現が可能か検討する。もし、アクチュエータ4の伸縮できる範囲内において出来ない場合は、伸縮できる範囲内で前記振動の再現ができるように、アクチュエータ4の伸縮運動の時間軸を短縮する補正を行った後に、振動装置1による振動の再現試験を行う。
(定盤)
また、前記振動装置1は、図1及び図2に示すように、前記台座5の下に位置し、前記振動板3の振動が前記振動装置1の下に伝わることを防ぐための定盤8をさらに備えることが好ましい。
前記振動板3の振動が前記振動装置1の下に伝わるために、前記振動装置1を設置している建物に振動が伝わり、振動装置1が設置された周辺に悪影響を与えることを防ぐことができるからである。
ここで、定盤8とは、表面が水平の台のことであり、鉄等の金属及び石から作られる台部分8aとゴム等の弾性材8bからなる。
台部分8aの質量が十分大きければ、力=質量x加速度の法則であるため、前記振動板3の振動による同じ力に対し、加速度は小さくなるため、該振動は定盤8の下に伝わり難くすることができる。また、ゴム等の弾性材8bの働きで、定盤8の下に伝わる振動はさらに小さくできる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)
図1及び図2に示すように、被試験負荷2を載置する振動板3を振動させ、地震によって生じた振動を3次元で再現する振動装置1であって、該振動装置1は、台座5と該台座5に配設され、その上端部及び下端部がそれぞれ前記振動板3及び前記台座5に接続された、3本のアクチュエータ4を備え、該3本のアクチュエータ4の配設位置が、前記台座5上において三角形の頂点を構成し、前記3本のアクチュエータ4の延在方向が、前記被試験負荷2及び前記振動板3を合成した重心で交差し、前記各アクチュエータ4が別個に伸縮運動をすることで振動板3を振動させ、さらに、前記振動板3の鉛直方向の動きを抑制し、前記振動板3の動きを、水平面内で直交するX軸方向及びY軸方向のみに許容する水平方向案内手段と、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で鉛直方向(Z軸方向)に許容する鉛直方向案内手段とを備え、さらにまた、前記水平方向案内手段は、前記X軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受けと前記Y軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受けを直交させてなり、いずれか一方の前記直動案内軸受けが前記振動板3に接続し、さらに、前記鉛直方向案内手段は、一端が支点として前記台座に接続され、他端が一方の前記直動案内軸受けに回動可能に接続された4つのヒンジであり、該4つのヒンジを前記支点を中心に回動することで、前記振動板3の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容する振動装置を作製した。作製した振動装置の一部分(アクチュエータ、ヒンジ及び振動板の部分)についての写真を図17に示す。
地震のデータとしては、防災科学技術研究所のホームページから、「平成5年釧路沖地震」の観測データをダウンロードし、地震の南北方向、東西方向及び上下方向の地震の振動の加速度データに分解し、該分解された加速度に基づいて、前記アクチュエータを伸縮運動させた。なお、被試験負荷としては、市販のタンスを用いた。
(評価)
被試験負荷であるタンスを載置する振動板を振動させ、振動板のY方向の加速度の時間変化を加速度計で測定し、「平成5年釧路沖地震」の東西方向の加速度の時間変化と比較した。なお、「平成5年釧路沖地震」の東西方向に該当する方向をタンスのY方向に定めた。
その結果、図16に示すように、振動板のY方向の加速度の時間変化と、「平成5年釧路沖地震」の東西方向の加速度の時間変化は、大きな差異は無く、本振動装置によって、「平成5年釧路沖地震」による振動を高精度に再現できていることがわかった。
なお、振動試験の際にも、余分な振動の発生は観測されなかった。
また、作製した振動装置は、アクチュエータが振動板の下方にあるため、振動装置の設置スペースも少なく、省スペースであることがわかった。
本発明によれば、複雑な設備を必要とせず、地震による振動を高精度に再現でき、省スペース化、省エネルギー化にも寄与できる振動装置を提供することが可能となる。その結果、スペースの少ない場所に振動装置を設置することが可能となり、大きな電力を必要とすることなく、家具や電化製品等の耐震性評価について、今まで以上に高精度に行うことが可能となり、産業上有用である。
1、100 振動装置
2、20 被試験負荷
3、30、300 振動板
4、40a、40b、40c、40d、40e、アクチュエータ
400、401a、401b、401c アクチュエータ
5、50 台座
6 直動案内軸受け
7、7a、7b、7c、7d ヒンジ
8、80 定盤
8a 台部分
8b 弾性材
9a、9b、9c、9d 手すり
10、11、12 重心
13 重心のまわりに回転させようとする力
14、15 軸受け
16 アクチュエータの台座との接点
17 柵
41、42 アクチュエータの延在方向
43、44、45 アクチュエータが台座に接続された箇所
61a、61b、61c、61d 直動案内軸受け(Y軸方向)
62a、62b、62c、62d 直動案内軸受け(X軸方向)
70 支点
71 回転
411、421 アクチュエータが重心Mに対し引く力
412、422 アクチュエータが重心Mに対し押す力
600 中間枠
601 レール
602 ボール
603 スライダー

Claims (8)

  1. 被試験負荷を載置する振動板を振動させ、地震によって生じた振動を3次元で再現する振動装置であって、
    該振動装置は、台座と該台座に配設され、その上端部及び下端部がそれぞれ前記振動板及び前記台座に接続された、3本のアクチュエータを備え、該3本のアクチュエータの配設位置が、前記台座上において三角形の頂点を構成し、前記3本のアクチュエータの延在方向が、前記被試験負荷及び前記振動板を合成した重心で交差し、前記各アクチュエータが別個に伸縮運動をすることで振動板を振動させることを特徴とする振動装置。
  2. 前記振動装置は、前記振動板の鉛直方向の動きを抑制し、前記振動板の動きを、水平面内で直交するX軸方向及びY軸方向のみに許容する水平方向案内手段と、前記振動板の動きを、水平に維持した状態で鉛直方向(Z軸方向)に許容する鉛直方向案内手段とを、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の振動装置。
  3. 前記水平方向案内手段は、前記X軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受けと前記Y軸方向のみの動きを許容する直動案内軸受けを直交させてなり、いずれか一方の前記直動案内軸受けが前記振動板に接続していることを特徴とする請求項2に記載の振動装置。
  4. 前記鉛直方向案内手段は、一端が支点として前記台座に接続され、他端が直接又は間接に前記振動板に回動可能に接続された少なくとも2つのヒンジであり、該少なくとも2つのヒンジを前記支点を中心に回動することで、前記振動板の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することを特徴とする請求項2に記載の振動装置。
  5. 前記鉛直方向案内手段は、一端が支点として前記台座に接続され、他端が一方の前記直動案内軸受けに回動可能に接続された少なくとも2つのヒンジであり、該少なくとも2つの該ヒンジを前記支点を中心に回動することで、前記振動板の動きを、水平に維持した状態で前記Z軸方向に許容することを特徴とする請求項3に記載の振動装置。
  6. 前記振動装置は、実際の地震のデータを取り込み、該データを3次元方向の加速度に分解し、該分解された加速度に基づいて、前記アクチュエータを伸縮運動することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の振動装置。
  7. 前記振動装置は、前記アクチュエータの伸縮できる範囲の振幅と前記実際の地震の振幅との差異に基づいて、アクチュエータの伸縮運動の補正を行う補正手段を、さらに備えることを特徴とする請求項6に記載の振動装置。
  8. 前記振動装置は、前記台座の下に位置し、前記振動板の振動が前記振動装置の下に伝わることを防ぐための定盤をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の振動装置。
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