一例として示す情報処理機器室用空調システム10を設置したデータセンター11の空調室12および機械室27の側面図である図1等の添付の図面を参照し、本発明にかかる情報処理機器室用空調システムの詳細を説明すると、以下のとおりである。
なお、図2は、情報処理機器室用空調システム10を設置した空調室12の正面図であり、図3は、情報処理機器室用空調システム10を設置した空調室12および機械室27の上面図である。図4は、一例として示す第1〜第3吹出ユニット20a〜20cの側面図であり、図5は、一例として示す導風機構48aの正面図である。図6は、図5の導風機構48aの側面図であり、図7は、他の一例として示す導風機構48bの正面図である。図8は、図7の導風機構48bの側面図であり、図9は、他の一例として示す導風機構48cの正面図である。図10は、図9の導風機構48cの側面図である。図2では、第1導風機構36の図示を省略している。
情報処理機器室空調システム10は、データセンター11に設置され、データセンター11の空調室12(情報処理機器室)に据え付けられたサーバラック13(情報処理機器収納専用ラック)に収容された複数台のサーバ(図示せず)の冷却に利用される。なお、空調システム10は、データセンター11の空調室12のみならず、複数台のサーバ(その他のネットワーク機器を含む)が設置され、それらサーバを冷却する必要がある各種の室に利用することができる。
空調システム10は、空調室12に据え付けられた複数のサーバラック13と、コールドアイル14およびホットアイル15と、第1〜第3空調機16a〜16c(空調機)と、複数の第1温度センサ17a〜17fと、複数の第2温度センサ18a〜18fと、第3温度センサ19と、第1〜第3吹出ユニット20a〜20cと、コントローラ21(制御装置)とから構成されている。
なお、図3では、3台の第1〜第3空調機16a〜16cおよび3台の第1〜第3吹出ユニット20a〜20cを図示しているが、空調機や吹出ユニットの台数に特に制限はなく、空調室12の容積やそこに据え付けられるサーバラック13の数によって4台以上の空調機や吹出ユニットが設置されてもよく、1台の空調機や吹出ユニットが設置されてもよい。
サーバラック13は、複数のそれらが前後方向(一方向)へ連続して並ぶとともに、横方向(一方向と交差する交差方向)へ等間隔離間して並び、横方向へ互いに並行するように空調室12に据え付けられている。サーバラック13には、図示はしていないが、複数台のサーバ(その他のネットワーク機器を含む)が設置・固定されている。それらサーバは、電源装置に接続され、その稼働時に運転熱によって自己発熱し、その温度が上昇する。
コールドアイル14は、隣接するサーバラック13の間に位置して前後方向へ延びている。コールドアイル14は、第1〜第3吹出ユニット20a〜20cから前方へ離間する前端部22と、吹出ユニット20a〜20cの直前の後端部24と、前端部22および後端部24の間の中央部23とを有する。前端部22は、吹出ユニット20a〜20cから離れた遠距離に位置し、中央部23は、吹出ユニット20a〜20cから中距離に位置する。後端部24は、吹出ユニット20a〜20cから近い近距離に位置する。
コールドアイル14は、天井55(天井パネル)や床56(床パネル)、側壁と、隣接するサーバラック13と、それらサーバラック13の頂部25と天井55との間に位置して上下方向へ延びるたれ壁26(図2参照)とに囲繞されている。コールドアイル14は、通行可能な所定の容積を有し、冷風(冷却空気)が通流する。コールドアイル14の床56には、図示はしていないが、前後方向へ延びる冷風吹出開口パネルが施設されている。
ホットアイル15は、隣接するサーバラック13の間であってサーバラック13を挟んでコールドアイル14の反対側に位置し、コールドアイル14と並行して前後方向へ延びている。ホットアイル15は、天井55(天井パネル)や床56(床パネル)、側壁と、隣接するサーバラック13と、たれ壁26とに囲繞されている。ホットアイル15は、通行可能な所定の容積を有し、温風(加熱空気)が通流する。ホットアイル15の天井55には、図示はしていないが、前後方向へ延びる温風吸込開口が施設されている。コールドアイル14とホットアイル15とは、サーバラック13およびたれ壁26によって仕切られている。
第1〜第3空調機16a〜16cは、床置き型であり、側壁を隔てて空調室12に隣接する機械室27の床に設置されている。それら空調機16a〜16cは、空調室12から還流した温風と外気との混合気を冷却して空調された所定温度の冷風を作り、その冷風を空調室12のコールドアイル14に給気する。空調機16a〜16cには、空冷/インバータ型が使用されているが、空冷式や水冷式の空調機を使用することもできる。
それら空調機16a〜16cには、空調室12からの還流空気と外気との混合気の吸気口28が設置され、その内部に冷却コイル29と送風ファン30とフィルタ(図示せず)と加湿器(図示せず)とが設置されている。送風ファン30は、インバータ制御によってその出力(送風能力)が調節される。なお、送風ファン30の台数に特に制限はなく、吹出ユニット20a〜20cと床下空間34とに対する給気分担や冗長性設計のために1台または複数台の送風ファン30が空調機16a〜16cに設置される。それら空調機16a〜16cの頂部には、第1給気ダクト31が接続され、それら空調機16a〜16cの底部には、第2給気ダクト32が接続されている。
第1給気ダクト31は、空調機16a〜16cの頂部から上方へ向かって延出し、その先端部に吹出ユニット20a〜20cが接続されている。第1給気ダクト31には、第1モータダンパ33(第1ダンパ)(MD)が設置されている。第1給気ダクト31では、第1モータダンパ33の開度(モータダンパ33の旋回羽根の旋回角度)によってそこを通る冷風の風量が調節される。
第1空調機16aには、第1給気ダクト31を介して第1吹出ユニット20aが接続され、第2空調機16bには、第1給気ダクト31を介して第2吹出ユニット20bが接続されているとともに、第3空調機16cには、第1給気ダクト31を介して第3吹出ユニット20cが接続されている。
第2給気ダクト32は、空調機16a〜16cの底部から前方へ向かって延出し、その先端部が側壁を貫通して空調室12の床下空間34に配置されている。第2給気ダクト32には、第2モータダンパ35(第2ダンパ)(MD)が設置されている。第2給気ダクト32では、第2モータダンパ35の開度(モータダンパ35の旋回羽根の旋回角度)によってそこを通る冷風の風量が調節される。
第1〜第3空調機16a〜16cそれぞれの底部から延びるそれら第2給気ダクト32の先端部が空調室12の床下空間34に位置している。コールドアイル14の中央部23に位置する床下空間34には、第1導風機構36(風向板)が設置されている。第1導風機構36は、床56から床下空間34に向かって垂下している。第1導風機構36は、空間34における冷風の流れをコントロールするとともに、コールドアイル14の風速分布を適正に整える。床下空間34には、図示はしていないが、サーバラック13に収容されたそれらサーバから延びる複数本のケーブルやその他のネットワーク機器から延びる複数本のケーブル、それらケーブルを連結する連結治具等の多数の障害物が収納されている。
第1温度センサ17a〜17fは、コールドアイル14の中央部23と後端部24との間に延びるサーバラック13に配置されている。第1温度センサ17a〜17fのうちの温度センサ17a,17bは、コールドアイル14の側に位置するサーバラック13の頂部25に設置されて前後方向(一方向)へ等間隔離間して並んでいる。温度センサ17a,17bは、サーバラック13の頂部25におけるコールドアイル14の第1温度を計測し、計測した第1温度信号をコントローラ21に送信する。
第1温度センサ17a〜17fのうちの温度センサ17c,17dは、コールドアイル14の側に位置するサーバラック13の中間部37に設置されて前後方向(一方向)へ等間隔離間して並んでいる。温度センサ17c,17dは、サーバラック13の中間部37におけるコールドアイル14の第1温度を計測し、計測した第1温度信号をコントローラ21に送信する。
第1温度センサ17a〜17fのうちの温度センサ17e,17fは、コールドアイル14の側に位置するサーバラック13の底部38に設置されて前後方向(一方向)へ等間隔離間して並んでいる。温度センサ17e,17fは、サーバラック13の底部38におけるコールドアイル14の第1温度を計測し、計測した第1温度信号をコントローラ21に送信する。
それら第1温度センサ17a〜17fでは、温度センサ17aの直下に温度センサ17cが位置し、温度センサ17cの直下に温度センサ17eが位置している。温度センサ17bの直下に温度センサ17dが位置し、温度センサ17dの直下に温度センサ17fが位置している。図1では、前後方向へ2つの第1温度センサ17a〜17fが略等間隔で並んでいるが、空調室12に据え付けられるサーバラック13の数によって3つ以上の第1温度センサ17が略等間隔で設置される場合もある。
第2温度センサ18a〜18fは、コールドアイル14の前端部22と中央部23との間に延びるサーバラック13に配置されている。第2温度センサ18a〜18fのうちの温度センサ18a,18bは、コールドアイル14の側に位置するサーバラック13の頂部25に設置されて前後方向(一方向)へ等間隔離間して並んでいる。温度センサ18a,18bは、サーバラック13の頂部25におけるコールドアイル14の第2温度を計測し、計測した第2温度信号をコントローラ21に送信する。
第2温度センサ18a〜18fのうちの温度センサ18c,18dは、コールドアイル14の側に位置するサーバラック13の中間部37に設置されて前後方向(一方向)へ等間隔離間して並んでいる。温度センサ18c,18dは、サーバラック13の中間部37におけるコールドアイル14の第2温度を計測し、計測した第2温度信号をコントローラ21に送信する。
第2温度センサ18a〜18fのうちの温度センサ18e,18fは、コールドアイル14の側に位置するサーバラック13の底部38に設置されて前後方向(一方向)へ等間隔離間して並んでいる。温度センサ18e,18fは、サーバラック13の底部38におけるコールドアイル14の第2温度を計測し、計測した第2温度信号をコントローラ21に送信する。
それら第2温度センサ18a〜18fでは、温度センサ18aの直下に温度センサ18cが位置し、温度センサ18cの直下に温度センサ18eが位置している。温度センサ18bの直下に温度センサ18dが位置し、温度センサ18dの直下に温度センサ18fが位置している。図1では、前後方向へ2つの第2温度センサ18a〜18fが略等間隔で並んでいるが、空調室12に据え付けられるサーバラック13の数によって3つ以上の第2温度センサ18が略等間隔で設置される場合もある。
第3温度センサ19は、サーバラック13が存在しないコールドアイル14に設置されている。第3温度センサ19は、サーバラック13が非存在のコールドアイル14の第3温度を計測し、計測した第3温度信号をコントローラ21に送信する。サーバラック13が存在するコールドアイル14に第3温度センサ19が設置される場合もあり、この場合は、そのサーバラック13にサーバ(その他のネットワーク機器を含む)が設置されていない必要がある。
第1〜第3吹出ユニット20a〜20cは、コールドアイル14の天井55の下方(直下)とサーバラック13の頂部25の上方との間に位置し、コールドアイル14の後端部24から前端部22に向かって前後方向(一方向)へ冷風を給気する。第1〜第3吹出ユニット20a〜20cは、図4に示すように、第1給気ダクト31の先端部に連結された給気チャンバ39と、給気チャンバ39に連結されてチャンバ39から前方へ延びる第1〜第3分岐ダクト40a〜40cと、第1〜第3分岐ダクト40a〜40cに設置された第1〜第3風速調節ダンパ41a〜41c(第1〜第n風速調節機構)と、それら分岐ダクト40a〜40cに連結された吹出ハウジング42とから形成されている。
第1〜第3分岐ダクト40a〜40cは、上方から下方に向かって第1分岐ダクト40a、第2分岐ダクト40b、第3分岐ダクト40cの順で並んでいる。第1分岐ダクト40aには、第1風速調節ダンパ41aが設置され、第2分岐ダクト40bには、第2風速調節ダンパ41bが設置されているとともに、第3分岐ダクト40cには、第3風速調節ダンパ41cが設置されている。第1〜第3風速調節ダンパ41a〜41cには、風量調節ダンパ(VD)が使用されているが、モータダンパ(MD)を使用することもできる。第1〜第3分岐ダクト40a〜40cでは、第1〜第3風速調節ダンパ41a〜41cの開度(風速調節ダンパ41a〜41cの旋回羽根の旋回角度)を調節することによってそれらダクト40a〜40cを通る冷風の風速(風量)が調節される。
吹出ハウジング42は、前後壁と頂底壁と両側壁とを有し、それら壁に囲繞された内部空間43を有する。吹出ハウジング42は、空調室12と機械室27とを仕切る側壁に固定されている。後壁には、第1〜第3空気流入口44a〜44c(空気流入口)が作られている。それら空気流入口44a〜44cは、上方から下方に向かってコールドアイル14の天井55近傍に位置する第1空気流入口44a、第1空気流入口44aの直下に位置する第2空気流入口44b、第2空気流入口44bの直下に位置する第3空気流入口44cの順で並んでいる。
第1空気流入口44aには、第1分岐ダクト40aが連結され、第2空気流入口44bには、第2分岐ダクト40bが連結されている。第3空気流入口44cには、第3分岐ダクト40cが連結されている。前壁には、第1〜第3空気吹出口45a〜45c(第1〜第n空気吹出口)が作られている。それら空気吹出口45a〜45cは、上方から下方に向かってコールドアイル14の天井55近傍に位置する第1空気吹出口45a、第1空気吹出口45aの直下に位置する第2空気吹出口45b、第2空気吹出口45bの直下に位置する第3空気吹出口45cの順で並んでいる。
吹出ハウジング42の内部空間43には、仕切板46が設置されている。吹出ハウジング42の内部空間43は、それら仕切板46によって第1〜第3空気流路47a〜47c(第1〜第n空気流路)が作られている。それら空気流路47a〜47cは、上方から下方に向かって第1空気流路47a、第2空気流路47b、第3空気流路47cの順で並んでいる。第1空気流路47aは、第1空気流入口44aと第1空気吹出口45aとの間に延びている。第2空気流路47bは、第2空気流入口44bと第2空気吹出口45bとの間に延びている。第3空気流路47cは、第3空気流入口44cと第3空気吹出口45cとの間に延びている。
吹出ユニット20a〜20cでは、第1〜第3風速調節ダンパ41a〜41cの開度を調節することで、第1〜第3空気吹出口45a〜45cから給気される冷風の速度を調節し、それら吹出口45a〜45cから給気される冷風のコールドアイル14における前方への到達距離を変更する。
コールドアイル14の前端部22と中央部23との間に延びる天井55の所定の箇所には、第2導風機構48a〜48cが設置されている。なお、第2導風機構48a〜48cの設置箇所は、任意に決定することができる。また、図1では天井55に3個の第2導風機構48a〜48cが設置されているが、第2導風機構48a〜48cの個数について特に限定はなく、サーバラック13の前後方向への長さによって4個以上の第2導風機構48a〜48cが設置される場合もある。
第2導風機構48aは、コールドアイル14の前端部22の側の天井55に旋回可能に設置され、その使用時に天井55から垂下する。導風機構48aは、上下方向へ延びる風向板49と、上下方向へ延びていて風向板49を摺動可能に支持する支持枠50(支持部材)とから形成されている。導風機構48aでは、風向板49を支持枠50に挿脱可能に挿入する。導風機構48aは、図6に矢印で示すように、吹出ユニット19a〜19cの第1空気吹出口45aから給気された冷風が風向板49に当たることで、冷風を前後方向から下方(サーバラック13の方向)へ誘導する。
第2導風機構48bは、コールドアイル14の前端部22と中央部23との間の天井55に旋回可能に設置され、その使用時に天井55から垂下する。導風機構48bは、風向板49と、風向板49を摺動可能に支持する支持枠50(支持部材)とから形成されている。導風機構48bでは、風向板49が支持枠50の下2/3に位置して支持枠50の下2/3が閉鎖され、支持枠50の上1/3が開放され、上1/3に通気口51が形成されている。導風機構48bは、図8に矢印で示すように、吹出ユニット19a〜19cの第1空気吹出口45aから給気された冷風が支持枠50の上1/3に形成された通気口51を通って前方へ流動し、吹出ユニット19a〜19cの第2および第3空気吹出口45b,45cから給気された冷風が風向板49に当たることで、冷風を前後方向から下方(サーバラック13の方向)へ誘導する。
第2導風機構48cは、コールドアイル14の中央部23の側の天井55に旋回可能に設置され、その使用時に天井55から垂下する。導風機構48cは、風向板49と、風向板49を摺動可能に支持する支持枠50(支持部材)とから形成されている。導風機構48cでは、風向板49が支持枠50の下1/3に位置して支持枠50の下1/3が閉鎖され、支持枠50の上2/3が開放され、上2/3に通気口51が形成されている。導風機構48cでは、図10に矢印で示すように、吹出ユニット19a〜19cの第1および第2空気吹出口45a,45bから給気された冷風が支持枠50の上2/3に形成された通気口51を通って前方へ流動し、吹出ユニット19a〜19cの第3空気吹出口45cから給気された冷風が風向板49に当たることで、冷風を前後方向から下方(サーバラック13の方向)へ誘導する。
なお、風向板49の上下方向の長さを調節することにより、第2導風機構48a〜48cのサーバラック13の頂部25から上方への延出寸法(閉鎖寸法)を調節可能であり、導風機構48a〜48cの通気口51の天井55から下方への延出寸法(開放寸法)を調節可能である。また、風向板49の上下方向の長さを調節することにより、導風機構48a〜48cの天井55から下方への延出寸法(閉鎖寸法)を調節可能であり、導風機構48a〜48cの通気口51のサーバラック13の頂部25から上方への延出寸法(開放寸法)を調節可能である。
それら第2導風機構48a〜48cには、図示はしていないが、自動開閉装置が設置されている。図6,8,10に矢印で示すように、自動開閉装置によって導風機構48a〜48cを天井55に対して上下方向へ自動的に旋回させることができる。導風機構48a〜48cを天井55から下方へ旋回させることで、導風機構48a〜48cが天井55から垂下し、垂下した状態から導風機構48a〜48cを上方へ旋回させることで、導風機構48a〜48cが天井55に収納される。なお、導風機構48a〜48cに自動開閉装置が設置されていない場合は、導風機構48a〜48cを手動で旋回させる。
コントローラ21は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有するコンピュータであり、記憶デバイスが内蔵されている。コントローラ21には、テンキーユニット(図示せず)やディスプレイ(図示せず)等の入出力装置がインターフェイスを介して接続されている。コントローラ21の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリからアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、後記する各空調運転を実施する。
コントローラ21には、送風ファン30の制御部が信号線または無線によって電気的に接続され、第1および第2モータダンパ33,35の制御部が信号線または無線によって電気的に接続されているとともに、第1〜第3温度センサ17a〜17f,18a〜18f,19が信号線または無線によって電気的に接続されている。さらに、第2導風機構48〜48cの自動開閉装置が信号線または無線によって電気的に接続されている。
コントローラ21の記憶デバイスには、後記する通常モードの空調運転や高温解消モードの空調運転における空調パターンテーブル(図11参照)が格納されている。コントローラ21の記憶デバイスには、設定温度が格納されている。設定温度は、入力装置を介して自由に変更することができる。
コントローラ21の記憶デバイスには、通常モードの空調運転や高温解消モードの空調運転において、第1給気ダクト31から給気する冷風の給気割合に対する第1モータダンパ33の開度情報が格納され、第2給気ダクト32から給気する冷風の給気割合に対する第2モータダンパ35の開度情報が格納されている。
なお、図3に示すように、隣接する空調機16a,16bどうしがバイパスダクト52によって連結され、隣接する空調機16b,16cどうしがバイパスダクト52によって連結され、空調システム10が冗長化されている。バイパスダクト52には、バイパスダンパ53が設置されている。通常の空調運転時では、バイパスダンパ53の空気流路が閉鎖(開度が0)されている。空調システム10では、たとえば、空調機16cが何らかの原因で故障した場合、バイパスダンパ53を開放(全開)し、空調機16aや空調機16bから空調機16cの冷風の不足分を補うことができ、システム10の不用意な停止を防ぐことができるとともに、システム10を停止させることなく故障した空調機16cを修理することができる。
図11は、コントローラ21の記憶デバイスに格納された空調パターンテーブルの一例を示す図であり、図12は、空調システム10において実施される各空調運転を説明するフローチャートである。図13は、図12から続くフローチャートであり、図14は、情報処理機器室用空調システム10における通常モードの空調運転を説明する図1と同様の側面図である。図15は、情報処理機器室用空調システム10における通常モードの空調運転を説明する図2と同様の正面図である。図14では、コントローラ21の図示を省略している。図15では、第1および第2導風機構36,48a〜48cの図示を省略している。
サーバラック13が位置するコールドエリア14は、図14に示すように、第1温度センサ17a〜17fのセンシング範囲をコールドエリアAとし、第2温度センサ18a〜18fのセンシング範囲をコールドエリアBとしている。コールドエリアAは、サーバラック13が位置するコールドアイル14の後端部24および中央部23(中央部23の略後半分)とそれら部23,24の間に延びるエリアであり、コールドエリアBは、サーバラック13が位置するコールドアイル14の中央部23(中央部23の略前半分)および前端部22とそれら部22,23の間に延びるエリアである。
図11の空調パターンテーブルのパターン(1)には、コールドエリアAの温度(第1温度)およびコールドエリアBの温度(第2温度)が設定温度の範囲内にある場合、通常モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(2)には、コールドエリアA,Bのサーバラック13に収容されたサーバの温度が上昇し、または、コールドエリアA,Bに熱溜まりが発生し、コールドエリアAの温度(第1温度)およびコールドエリアBの温度(第2温度)が設定温度よりも高くなった場合(AおよびB>設定温度)、高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。
空調パターンテーブルのパターン(3)には、コールドエリアAの温度(第1温度)およびコールドエリアBの温度(第2温度)が設定温度よりも高くなった(AおよびB>設定温度)後、その状態が継続しなくなった(非継続)場合、送風ファン30の風量を減少させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(4)には、コールドエリアAの温度(第1温度)およびコールドエリアBの温度(第2温度)が設定温度よりも高くなり(AおよびB>設定温度)、その状態が継続している場合、送風ファン30の風量を増加させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(5)には、高温解消モードの空調運転において第1および第2温度が設定温度よりも低くなった場合(AおよびB≦設定温度)、送風ファン30の風量を減少させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。
空調パターンテーブルのパターン(6)には、コールドエリアAのサーバラック13に収容されたサーバの温度が上昇し、または、コールドエリアAに熱溜まりが発生し、コールドエリアAの温度(第1温度)が設定温度よりも高くなった場合(A>設定温度)、高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(7)には、コールドエリアAの温度(第1温度)が設定温度よりも高くなった(A>設定温度)後、その状態が継続しなくなった(非継続)場合、送風ファン30の風量を減少させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。
空調パターンテーブルのパターン(8)には、コールドエリアAの温度(第1温度)が設定温度よりも高くなり(A>設定温度)、その状態が継続している場合、送風ファン30の風量を増加させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(9)には、高温解消モードの空調運転において第1温度が設定温度よりも低くなった場合(A≦設定温度)、送風ファン30の風量を減少させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。
空調パターンテーブルのパターン(10)には、コールドエリアBのサーバラック13に収容されたサーバの温度が上昇し、または、コールドエリアBに熱溜まりが発生し、コールドエリアの温度(第2温度)が設定温度よりも高くなった場合(B>設定温度)、高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(11)には、コールドエリアBの温度(第2温度)が設定温度よりも高くなった(B>設定温度)後、その状態が継続しなくなった(非継続)場合、送風ファン30の風量を減少させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。
空調パターンテーブルのパターン(12)には、コールドエリアBの温度(第2温度)が設定温度よりも高くなり(B>設定温度)、その状態が継続している場合、送風ファン30の風量を増加させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。空調パターンテーブルのパターン(13)には、高温解消モードの空調運転において第2温度が設定温度よりも低くなった場合(B≦設定温度)、送風ファン30の風量を減少させて高温解消モードの空調運転を行うことが定義されている。
空調パターンテーブルには、それに定義されたパターン(1)〜(13)の空調運転を実施するための機器設定情報(プリセット運転条件)として、第1モータダンパ31の開度(%)、第2モータダンパ35の開度(%)、送風ファン30の出力(%)、第1導風機構36のON/OFF、第2導風機構48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、第1〜第3吹出ユニット20a〜20cの第1〜第3空気吹出口45a〜45cの風速比が設定されている。
なお、空調パターンテーブルに示すダンパ31,35の開度(%)の数値やファン30の出力(%)の数値、導風機構36,48a〜48cのON/OFF、導風機構48a〜48cの使用位置、吹出口45a〜45cの風速比は、例示であり、それらに限定されず、サーバの設置状況やサーバの稼働状況に応じてそれらを任意に設定することができる。
空調パターンテーブルの第2導風機構使用位置のうち、(1)は第2導風機構48aを示し、(2)は第2導風機構48bを示すとともに、(3)は第2導風機構48cを示す。空調パターンテーブルの吹出ユニット風速比(上・中・下)と「5:3:1」とのうち、(上)は風速比「5」に対応するとともに吹出ユニット19a〜19cの上段の第1空気吹出口45aを示し、(中)は風速比「3」に対応するとともに吹出ユニット19a〜19cの中段の第2空気吹出口45bを示すとともに、(下)は風速比「1」に対応するとともに吹出ユニット19a〜19cの下段の第3空気吹出口45cを示す。
データセンター11では、サーバラック13に収容された複数台のサーバの稼働によってそれらサーバが自己発熱し、それらサーバの温度が上昇する。サーバの温度上昇をそのまま放置すると、サーバが故障する場合があり、データセンター11の運営に支障が生じる。したがって、空調機16a〜16cから冷風を給気してそれらサーバを冷却する必要がある。
コールドアイル14のサーバラック13に収容されたサーバの温度上昇が許容範囲内であり、コールドアイル14に温度上昇や熱溜まりが発生していない状況で情報処理機器室用空調システム10を起動すると、通常モードの空調運転が実施され、それによってサーバが冷却される。通常モードの空調運転では、サーバを必要以上に冷却して温度上昇や熱溜まりを解消する必要はなく、第1モータダンパ33の空気流路が閉鎖され、第2モータダンパ35の空気流路が開放されるとともに、送風ファン30が稼働し、空調機16a〜16cによって所定温度に冷却された冷風(冷却空気)が第2給気ダクト32を通り、空調室12の床下空間34からコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、第1および第2温度センサ17a〜17f,18a〜18fが計測した第1および第2温度と設定温度とを比較しつつ、図11に示す空調パターンテーブルでエリア温度条件が一致するパターン(1)の通常モードの空調運転を実施する(S−10)。コントローラ21は、第1モータダンパ35の開度(0%)、第2モータダンパ33の開度(100%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(OFF)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(−)、吹出ユニット20aの風速比「−」のプリセット運転条件を選択する。
コントローラ21は、選択したパターン(1)のプリセット運転条件により、第1モータダンパ33の開度(0%)の開度指示信号と第2モータダンパ35の開度(100%)の開度指示信号とをそれらモータダンパ33,35の制御部に送信する。第1モータダンパ33の制御部は、コントローラ21からの開度指示信号にしたがって開度を開度指示信号(0%)のそれに一致させ、その開度(全閉)を維持する。第2モータダンパ35の制御部は、コントローラ21からの開度指示信号にしたがって開度を開度指示信号(100%)のそれに一致させ、その開度(全開)を維持する。パターン(1)の通常モードの空調運転では、第1モータダンパ33の開度が0%に設定され、第1および第2モータダンパ33,35の開度が100%に設定される。
コントローラ21は、送風ファン30の制御部に起動信号を出力するとともに、選択したパターン(1)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの起動信号にしたがって送風ファン30を起動させるとともに、コントローラ21からの出力指示信号(70%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力70%を維持する。コントローラ21は、第2導風機構48a〜48cの自動開閉装置に導風機構48a〜48cのOFF信号(閉信号)を送信する。第2導風機構48a〜48cは、天井55に収納された状態が維持される。
通常モードの空調運転(パターン(1))では、第2モータダンパ35の空気流路が開放され、空調機16a〜16cによって所定温度に冷却された冷風(冷却空気)が第2給気ダクト32を通り、空調室12の床下空間34に給気される。冷風は、図14に矢印で示すように、床下空間34を通って冷風吹出開口パネルからコールドアイル14に流入する。コールドアイル14に流入した冷風は、図15に矢印で示すように、サーバラック13の側方からラックに流入し、ラックを通流しつつラックに収容されたサーバを冷却する。サーバを冷却した冷風はサーバの熱を吸収して温風に変わり、その温風がサーバラック13の側方から流出してホットアイル15に流入する。
ホットアイル15に流入した温風は、温風吸込開口を通って空調室12の天井空間54に流入した後、天井空間54を通って空調室12から機械室27に流入し、再び空調機16a〜16cに還流する。なお、温風の一部は外気に放出され、残余の温風と外気との混合気が空調機に流入する。空調機16a〜16cに流入した空気(混合気)は、空調機16a〜16cによって冷却されて冷風となり、再び床下空間34からコールドアイル14に給気される。
通常モードの空調運転においてコントローラ21は、第1および第2温度センサ17a〜17f,18a〜18fや第3温度センサ19が計測した温度と設定温度との比較による温度一定制御を行い、第2モータダンパ35の開度を微調整し、サーバラック13に収容されたサーバを冷却するのに必要な冷風をコールドアイル14に給気する。温度とサーバを冷却するのに必要な冷風の風量との相関情報がコントローラ21の記憶デバイスに格納され、必要な冷風の風量に対応する第2モータダンパ35の開度情報(旋回羽根の旋回角度情報)がコントローラ21の記憶デバイスに格納されている。
コントローラ21は、第1および第2温度センサ17a〜17f,18a〜18fや第3温度センサ19から送信された温度によって、サーバを冷却するのに必要な冷風の風量を割り出し、割り出した風量を維持するための開度変更信号を第2モータダンパ35の制御部に送信する。第2モータダンパ35の制御部は、コントローラ21からの開度変更信号にしたがってモータダンパ35の開度を微調整し、その開度を維持する。
第1および第2温度センサ17a〜17f,18a〜18fが計測した第1および第2温度が設定温度以下の場合、コールドアイル14に温度上昇や熱溜まりが発生しておらず、床下空間34からコールドアイル14に冷風を給気することで、サーバの冷却に十分に対応することができるから、第1〜第3吹出ユニット20a〜20cからの冷風の給気は行われない。
図16は、情報処理機器室用空調システム10における高温解消モードの空調運転を説明する図1と同様の側面図であり、図17は、コールドエリアA,Bに熱溜まり57a,57bが発生した状態を概念的に示す図1と同様の側面図である。図18は、情報処理機器室用空調システム10における高温解消モードの空調運転を説明する図2と同様の正面図である。
図17の情報処理機器室用空調システム10では、図16と同様に、高温解消モードの空調運転が実施されている。図16,17では、コントローラ21の図示を省略している。図18では、第1および第2導風機構36,48a〜48cの図示を省略している。サーバの稼働状況によってサーバの自己発熱の温度は異なるが、稼働率が高いサーバはその温度が高くなる傾向にあり、サーバの温度が許容範囲以上になる場合があるとともに、サーバの熱やサーバラック13からの気流の逆流等の気流の乱れによってその近傍のコールドアイル14に熱溜まりが発生する場合がある。
サーバの温度が許容範囲以上になり、または、図17に示すように、コールドアイル14に熱溜まり57a,57bが発生すると、通常モードの空調運転では、温度が上昇したサーバを十分に冷却することができない場合があり、熱溜まり57a,57b近傍のサーバを十分に冷却することができない場合がある。温度上昇が大きなサーバの温度を下げることや熱溜まり57a,57b近傍のサーバの温度を下げることができず、そのサーバが高温のまま稼働すると、サーバの故障の原因になり、データセンター11の運営に支障が生じる。したがって、温度上昇が大きなサーバの温度を下げる必要があり、コールドアイル14に発生した熱溜まり57a,57bを解消する必要がある。
通常モードの空調運転を継続しつつコントローラ21は、第1および第2温度センサ17a〜17f,18a〜18fが計測した第1および第2温度とあらかじめ設定された設置温度とを比較し、第1および第2温度が設定温度を超過したか(AおよびB>設定温度)を判断し、第1温度が設定温度を超過したか(A>設定温度)を判断するとともに、第2温度が設定温度を超過したか(B>設定温度)を判断する(S−11)。
第1および第2温度が設定温度を超過せず、第1温度が設定温度を超過せず、さらに、第2温度が設定温度を超過しない場合、コントローラ21は、パターン(1)の通常モードの空調運転を継続しつつ(S−12)、空調システム10における通常モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−13)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、通常モードの空調運転を継続し、ステップ11(S−11)において、第1および第2温度が設定温度を超過したか(AおよびB>設定温度)、または、第1温度が設定温度を超過したか(A>設定温度)、あるいは、第2温度が設定温度を超過したか(B>設定温度)を監視する。なお、通常モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は通常モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
コールドエリアA(コールドアイル14の後端部24および中央部23とそれら部23,24の間とのいずれか)およびコールドエリアB(コールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とのいずれか)に位置するサーバラック13に収容されたサーバの温度が上昇し、または、コールドエリアA,Bに熱溜まり57a,57bが発生し、ステップ11(S−11)において、第1および第2温度センサ17a〜17f,18a〜18fが計測した第1および第2温度が設定温度を超過した場合(AおよびB>設定温度)、コントローラ21は、パターン(1)の通常モードの空調運転を中断しつつ、空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(2)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−14)。
第1および第2温度が設定温度を超過した場合(AおよびB>設定温度)の高温解消モードの空調運転の一例として、コントローラ21は、パターン(2)を選択し、第1モータダンパ33の開度(略50%)、第2モータダンパ35の開度(略50%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。
コントローラ21は、選択したパターン(2)のプリセット運転条件により、第2導風機構48a〜48cの自動開閉装置に導風機構48a〜48cのON信号(開信号)を送信する。自動開閉装置は、コントローラ21から送信されたON信号に従って導風機構48a〜48cを天井55から下方へ旋回させる。それによってそれら導風機構48a〜48cが天井55から垂下する。
コントローラ21は、選択したパターン(2)のプリセット運転条件により、第1および第2モータダンパ33,35の開度(略50%)の開度指示信号をモータダンパ33,35の制御部に送信する。第1モータダンパ33の制御部は、コントローラ21からの開度指示信号にしたがって開度を0%から開度指示信号(略50%)のそれに変更し、開度50%を維持する。第2モータダンパ35の制御部は、コントローラ21からの開度指示信号にしたがって開度を100%から開度指示信号(略50%)のそれに変更し、開度50%を維持する。パターン(2)の高温解消モードの空調運転では、第1および第2モータダンパ33,35の開度が略50%に設定される。
コントローラ21は、選択したパターン(2)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(70%)にしたがって出力70%を維持する。パターン(2)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(1)の通常モードの空調運転のときと同様に出力(70%)で運転される。
パターン(2)の高温解消モードの空調運転において、第1〜第3吹出ユニット20a〜20cの第1空気吹出口45aから給気された冷風は、図9および図10の第2導風機構48cの支持枠50の上2/3に形成された通気口51を通過するとともに、図7および図8の第2導風機構48bの支持枠50の上1/3に形成された通気口51を通過し、図5の第2導風機構48aの風向板49に衝突してコールドアイル14の前端部22およびその近傍に誘導される。
第1〜第3吹出ユニット20a〜20cの第2空気吹出口45bから給気された冷風は、図9および図10の第2導風機構48cの支持枠50の上2/3に形成された通気口51を通過し、図7および図8の第2導風機構48bの風向板49に衝突してコールドアイル14の前端部22と中央部23との間に誘導される。第3空気吹出口45cから給気された冷風は、図9および図10の第2導風機構48cの風向板49に衝突してコールドアイル14の中央部23とその近傍に誘導される。
情報処理機器室用空調システム10は、それら第2導風機構48a〜48cを利用して吹出ユニット20a〜20cから給気される冷風をコールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とに向かわせることができるから、空調機16a〜16cから離れた中距離や遠距離に位置するサーバラック13に冷風を給気することができるとともに、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に位置するすべてのサーバラック13に冷風を満遍なく給気することができ、空調機16a〜16cから近い近距離に位置するサーバラック13に収容されたサーバのみならず、空調機16a〜16cから中距離や遠距離に位置するサーバラック13に収容されたサーバを確実に冷却することができる。
高温解消モードの空調運転において、第1〜第3吹出ユニット20a〜20cの第1空気吹出口45aから給気された冷風は、コアンダ効果によってコールドアイル14の天井55とたれ壁26とに沿ってコールドアイル14の遠方にある前端部22(所定の箇所)および前端部22と中央部23との間(所定の箇所)に向かう。コアンダ効果を利用してコールドアイル14の前端部22(所定の箇所)および前端部22と中央部23との間(所定の箇所)に冷風が確実に給気される。
情報処理機器室用空調システム10は、冷風がコアンダ効果によってコールドアイル14の中央部23および遠方にある前端部22とそれら部22,23の間とに届き、コールドアイル14において冷風が四方へ分散することによる中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とへの冷風の未到達を防ぐことができるから、コールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とに冷風を給気することができ、空調機16a〜16cから離れた中距離や遠距離に位置するサーバラック13に収容されたサーバを十分に冷却することができる。
吹出ユニット20a〜20cの第1〜第3空気吹出口45a〜45cから給気された冷風は、コールドアイル14の前端部22および中央部23とそれら部22,23の間とに流入し、第2給気ダクト32から床下空間34に給気された冷風は、床下空間30を通って冷風吹出開口パネルからコールドアイル14の前端部22、中央部23、後端部24、それら部22〜24の間に流入する。
床下空間34に給気された冷風は、第1導風機構36(風向板)に衝突し、第1導風機構36によって冷風の大部分がコールドアイル14の後端部24および中央部23とそれら部23,24の間とに誘導される。コールドアイル14に流入した冷風は、図17に矢印で示すように、サーバラック13の側方からラック13に流入し、ラック13を通流しつつラック13に収容されたサーバを冷却する。サーバを冷却した冷風はサーバの熱を吸収して温風に変わり、その温風がサーバラック13の側方から流出してホットアイル15に流入する。
ホットアイル15に流入した温風は、温風吸込開口を通って空調室12の天井空間45に流入した後、天井空間45を通って空調室12から機械室27に流入し、再び空調機16a〜16cに還流する。なお、温風の一部は外気に放出され、残余の温風と外気との混合気が空調機16a〜16cに流入する。空調機16a〜16cに流入した温風(混合気)は、空調機16a〜16cによって冷却されて冷風となり、吹出ユニット20a〜20cや第2給気ダクト32から再びコールドアイル14に給気される。
吹出ユニット20a〜20cを設置せず、床下空間34のみに冷風を給気し、その冷風によってサーバを冷却する場合、床下空間34に給気された冷風の送風圧力が空調機16a〜16cから離れるにしたがって次第に低下し、空調機16a〜16cから離れた中距離(中央部23)や遠距離(前端部22)に位置するコールドアイル14に給気される冷風の風量が減少するとともに、床下空間34に収納されたケーブルや連結治具等の障害物に冷風が衝突し、冷風の送風圧力がそれら障害物によって一層低下し、空調機16a〜16cから中距離や遠距離に位置するサーバラックに収容されたサーバを十分に冷却することができない場合がある。この状態のサーバを冷却するために空調機16a〜16cの送風出力を増加させるが、搬送エネルギーの増大とともに給気空気の通流の容易な場所を過剰に冷却してしまう場合もある。
しかし、この情報処理機器室用空調システム10は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転(コールドエリアA,Bに存在するサーバの温度が許容範囲以上、または、コールドエリアA,Bに熱溜まり57a,57bが発生)において第1モータダンパ33および第2モータダンパ33の開度を調節し、床下空間34からコールドアイル14に略50%の割合の冷風を給気しつつ、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とに位置するサーバラック13に略50%の割合の冷風を給気するから、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に位置するすべてのサーバラック13に略均一の風量の冷風を満遍なく給気することができ、空調機20a〜20cから近い近距離(後端部24およびその近傍)や空調機20a〜20cから離れた中距離(中央部23およびその近傍)、空調機20a〜20cから離れた遠距離(前端部22およびその近傍)に位置するサーバラック13に収容されたサーバを十分に冷却することができる。
情報処理機器室用空調システム10は、送風ファン30の出力増加を行うパターン(4)よりも、送風ファン30の出力増加を行わないパターン(2)を優先的に選択する。情報処理機器室用空調システム10は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転において、第1モータダンパ31の開度(略50%)と第2モータダンパ33の開度(略50%)とを調節し、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量バランスを調整することで、コールドアイル14に位置するすべてのサーバラック13に収容されたサーバを冷却することができるから、送風ファン30の出力を増加させることなく、送風ファン30の出力を通常モードの空調運転と同様の出力70%に保持することができ、送風ファン30の出力を増加させることによる冷風送風エネルギーの必要以上の消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転において、第1導風機構36によって床下空間34に給気された冷風の多くがコールドアイル14の後端部24および中央部23とそれら部23,24の間とに誘導されるから、床下空間34に給気された冷風を利用してコールドアイル14の後端部24および中央部23とそれら部23,24の間に十分な風量の冷風を給気することができ、後端部24と中央部23との間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを確実に冷却することができる。
コントローラ21は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転を継続しつつ、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が継続しているかを判断する(S−15)。ステップ15(S−15)において、パターン(2)の高温解消モードの空調運転を実施したことによって第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が継続していない(非継続)と判断した場合、コントローラ21は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(3)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−16)。
コントローラ21は、パターン(3)を選択し、第1モータダンパ33の開度(略50%)、第2モータダンパ35の開度(略50%)、送風ファン30の出力(60%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(2)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(3)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(60%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(60%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を70%から60%に変更し、変更した出力60%を維持する。
パターン(3)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(2)の高温解消モードの空調運転よりも10%減少する。したがって、第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が継続していない(非継続)場合、第1および第2温度が設定温度よりも高くなった(AおよびB>設定温度)ときの風量よりも少ない風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、パターン(3)の高温解消モードの空調運転を実施した後、空調システム10における高温解消モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−17)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、パターン(3)の高温解消モードの空調運転を継続し(S−18)、第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が継続しているかを監視する(S−15)。なお、ステップ17(S−17)において、パターン(3)の高温解消モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は、パターン(3)の高温解消モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転において、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量バランスを調整することで、第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が継続しなくなった場合、パターン(3)の高温解消モードの空調運転を実施し、第1および第2モータダンパ31,33の開度を保持しつつ、余剰となった冷風を減少させるため、送風ファン30の出力を70%から60%に変更する。したがって、この情報処理機器室用空調システム10は、第1および第2温度が設定温度を超過した状態が継続していない場合に、サーバラック13に収容されたサーバを必要以上に冷却することはなく、余剰な冷風送風エネルギーの消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
パターン(2)の高温解消モードの空調運転を継続中に、コールドエリアA,Bの温度が低下せず、または、コールドエリアA,Bに発生した熱溜まり57a,57bが解消せず、ステップ15(S−15)において、第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が継続していると判断した場合、コントローラ21は、パターン(2)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(4)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−19)。
コントローラ21は、パターン(4)を選択し、第1モータダンパ33の開度(略50%)、第2モータダンパ35の開度(略50%)、送風ファン30の出力(80〜90%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(2)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(4)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(80〜90%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(80〜90%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を70%から80〜90%に変更し、変更した出力80〜90%を維持する。
パターン(4)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(2)の高温解消モードの空調運転のときよりも10〜20%増加する。したがって、第1および第2温度が設定温度よりも高くなり(AおよびB>設定温度)、その状態が継続している場合、パターン(2)の高温解消モードの空調運転のときの風量よりも多い風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に多くの風量の冷風が給気される。
情報処理機器室用空調システム10は、コールドアイル14の前端部22や中央部23、後端部24、それら部22〜24の間に存在するサーバの温度が低下せず、または、コールドアイル14の前端部22や中央部23、後端部24、それら部22〜24の間に発生した熱溜まり57a,57bが解消せず、AおよびB>設定温度の状態が継続している場合、前端部22や中央部23、後端部24、それら部22〜24の間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを一層冷却する必要があるとともに、発生した熱溜まり57a,57bを解消する必要があるが、その場合、床下空間34や吹出ユニット20a〜20cから給気する冷風の風量を70%から80〜90%に増加させることで、コールドアイル14の前端部22や中央部23、後端部24、それら部22〜24の間に十分な風量の冷風を給気することができるから、前端部22や中央部23、後端部24、それら部22〜24の間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを確実に冷却することができ、発生した熱溜まり57a,57bを冷却することができるとともに、その熱溜まり57a,57bを解消することができる。
コントローラ21は、パターン(4)の高温解消モードの空調運転を実施した後、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第1および第2温度が設定温度以下(AおよびB≦設定温度)になったかを判断する(S−20)。コントローラ21は、ステップ20(S−20)において、第1および第2温度が設定温度以下になっていないと判断すると、パターン(4)の高温解消モードの空調運転を継続し(S−21)、第1および第2温度が設定温度以下になったかを監視する(S−20)。
パターン(4)の高温解消モードの空調運転によってコールドエリアA,Bの温度が低下し、または、コールドエリアA,Bに発生した熱溜まり57a,57bが解消し、ステップ20(S−20)において、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第1および第2温度が設定温度を超過した状態(AおよびB>設定温度)が解消し、第1および第2温度が設定温度以下(AおよびB≦設定温度)になったと判断した場合、コントローラ21は、パターン(4)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(5)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−22)。
コントローラ21は、パターン(5)を選択し、第1モータダンパ33の開度(略50%)、第2モータダンパ35の開度(略50%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(4)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(5)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(70%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を80〜90%から70%に変更し、変更した出力70%を維持する。パターン(5)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(2)の高温解消モードの空調運転のときと同様の出力(70%)で運転される。
パターン(5)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(4)の高温解消モードの空調運転よりも10〜20%減少する。したがって、第1および第2温度が設定温度以下(AおよびB≦設定温度)になった場合、第1および第2温度が設定温度よりも高くなり(AおよびB>設定温度)、その状態が継続しているときの風量よりも少ない風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、パターン(5)の高温解消モードの空調運転を実施した後、空調システム10における高温解消モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−23)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、パターン(5)の高温解消モードの空調運転を継続する(S−24)。なお、ステップ23(S−23)において、パターン(5)の高温解消モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は、パターン(5)の高温解消モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(4)の高温解消モードの空調運転を継続中に、第1および第2温度が設定温度以下になった場合(AおよびB≦設定温度)、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量を第1および第2温度が設定温度よりも高くなり(AおよびB>設定温度)、その状態が継続しているときの風量よりも少なくするパターン(5)の高温解消モードの空調運転を実施するから、第1および第2温度が設定温度よりも低い場合に、サーバラック13に収容されたサーバを必要以上に冷却することはなく、無駄な冷風送風エネルギーの消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
図19は、情報処理機器室用空調システム10における高温解消モードの空調運転の他の一例を説明する図1と同様の側面図である。図19は、コールドエリアAに熱溜まり57aが発生した状態を概念的に示す。図19では、コントローラ21の図示を省略している。
コールドエリアA(コールドアイル14の後端部24および中央部23とそれら部23,24の間とのいずれか)に位置するサーバラック13に収容されたサーバの温度が上昇し、または、図19に示すように、コールドエリアAに熱溜まり57aが発生し、ステップ11(S−11)において、第1温度が設定温度を超過したと判断した場合(A>設定温度)、コントローラ21は、パターン(1)の通常モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(6)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−14)。
第1温度が設定温度を超過した場合(A>設定温度)の高温解消モードの空調運転の一例として、コントローラ21は、パターン(6)を選択し、第1モータダンパ33の開度(40〜49%)、第2モータダンパ35の開度(51〜60%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。
選択したパターン(6)のプリセット運転条件により、導風機構48a〜48cのON信号(開信号)がコントローラ21から第2導風機構48a〜48cの自動開閉装置に送信され、それら導風機構48a〜48cが天井55から垂下する。第1モータダンパ33の開度(40〜49%)の開度指示信号がコントローラ21からモータダンパ33の制御部に送信され、第1モータダンパ33の制御部がダンパ33の開度を0%から開度指示信号(40〜49%)のそれに変更し、開度40〜49%を維持する。
第2モータダンパ35の開度(51〜60%)の開度指示信号がコントローラ21からモータダンパ35の制御部に送信され、第2モータダンパ35の制御部がダンパ35の開度を100%から開度指示信号(51〜60%)のそれに変更し、開度51〜60%を維持する。パターン(6)の高温解消モードの空調運転では、第1モータダンパ33の開度が40〜49%に設定され、第2モータダンパ35の開度が51〜60%に設定される。
選択したパターン(6)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号がコントローラ21から送風ファン30の制御部に送信され、ファン30の制御部がファン30の出力をインバータ制御し、出力70%を維持する。パターン(6)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(1)の通常モードの空調運転のときと同様に出力(70%)で運転される。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(6)の高温解消モードの空調運転(コールドエリアAに存在するサーバの温度が許容範囲以上、または、コールドエリアAに熱溜まり57aが発生)において第1モータダンパ33および第2モータダンパ33の開度を調節し、床下空間34からコールドアイル14に51〜60%の割合の冷風を給気しつつ、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とに位置するサーバラック13に40〜49%の割合の冷風を給気するから、床下空間34からコールドアイル14の後端部24や中央部23、それら部23,24の間のサーバラック13に十分な風量の冷風を給気することができ、空調機20a〜20cから近い近距離(後端部24およびその近傍)や空調機20a〜20cから離れた中距離(中央部23およびその近傍)に位置するサーバラック13に収容されたサーバを十分に冷却することができる。
情報処理機器室用空調システム10は、送風ファン30の出力増加を行うパターン(8)よりも、送風ファン30の出力増加を行わないパターン(6)を優先的に選択する。情報処理機器室用空調システム10は、パターン(6)の高温解消モードの空調運転において、第1モータダンパ31の開度(40〜49%)と第2モータダンパ33の開度(51〜60%)とを調節し、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量バランスを調整することで、コールドアイル14に位置するすべてのサーバラック13に収容されたサーバを冷却することができるから、送風ファン30の出力を増加させることなく、送風ファン30の出力を通常モードの空調運転と同様の出力70%に保持することができ、送風ファン30の出力を増加させることによる冷風送風エネルギーの必要以上の消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
コントローラ21は、パターン(6)の高温解消モードの空調運転を継続しつつ、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が継続しているかを判断する(S−15)。ステップ15(S−15)において、パターン(6)の高温解消モードの空調運転によって第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が継続していない(非継続)と判断した場合、コントローラ21は、パターン(6)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(7)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−16)。
コントローラ21は、パターン(7)を選択し、第1モータダンパ33の開度(40〜49%)、第2モータダンパ35の開度(51〜60%)、送風ファン30の出力(60%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(6)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(7)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(60%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(60%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を70%から60%に変更し、変更した出力60%を維持する。
パターン(7)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(6)の高温解消モードの空調運転よりも10%減少する。したがって、第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が継続していない(非継続)場合、第1温度が設定温度よりも高くなった(A>設定温度)ときの風量よりも少ない風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、パターン(7)の高温解消モードの空調運転を実施した後、空調システム10における高温解消モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−17)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、パターン(7)の高温解消モードの空調運転を継続し(S−18)、第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が継続しているかを監視する(S−15)。なお、ステップ17(S−17)において、パターン(7)の高温解消モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は、パターン(7)の高温解消モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(6)の高温解消モードの空調運転において、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量バランスを調整することで、第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が継続しなくなった場合、パターン(7)の高温解消モードの空調運転を実施し、第1および第2モータダンパ31,33の開度を保持しつつ、余剰となった冷風を減少させるため、送風ファン30の出力を70%から60%に変更する。したがって、この情報処理機器室用空調システム10は、第1温度が設定温度を超過した状態が継続していない場合に、サーバラック13に収容されたサーバを必要以上に冷却することはなく、余剰な冷風送風エネルギーの消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
パターン(6)の高温解消モードの空調運転を継続中に、コールドエリアAの温度が低下せず、または、コールドエリアAに発生した熱溜まり57aが解消せず、ステップ15(S−15)において、第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が継続していると判断した場合、コントローラ21は、パターン(6)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(8)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−19)。
コントローラ21は、パターン(8)を選択し、第1モータダンパ33の開度(40〜49%)、第2モータダンパ35の開度(51〜60%)、送風ファン30の出力(80〜90%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(6)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(8)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(80〜90%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(80〜90%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を70%から80〜90%に変更し、変更した出力80〜90%を維持する。
パターン(8)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(6)の高温解消モードの空調運転のときよりも10〜20%増加する。したがって、第1温度が設定温度よりも高くなり(A>設定温度)、その状態が継続している場合、パターン(6)の高温解消モードの空調運転のときの風量よりも多い風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に多くの風量の冷風が給気される。
情報処理機器室用空調システム10は、コールドアイル14の後端部24や中央部23、それら部23,24の間に存在するサーバの温度が低下せず、または、コールドアイル14の後端部24や中央部23、それら部23,24の間に発生した熱溜まり57aが解消せず、A>設定温度の状態が継続している場合、後端部24や中央部23、それら部23,24の間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを一層冷却する必要があるとともに、発生した熱溜まり57aを解消する必要があるが、その場合、床下空間34から給気する冷風の風量を70%から80〜90%に増加させることで、コールドアイル14の後端部24や中央部23、それら部23,24の間に十分な風量の冷風を給気することができるから、後端部24や中央部23、それら部23,24の間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを確実に冷却することができ、発生した熱溜まり57aを冷却することができるとともに、その熱溜まり57aを解消することができる。
コントローラ21は、パターン(8)の高温解消モードの空調運転を実施した後、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第1温度が設定温度以下(A≦設定温度)になったかを判断する(S−20)。コントローラ21は、ステップ20(S−20)において、第1温度が設定温度以下になっていないと判断すると、パターン(8)の高温解消モードの空調運転を継続し(S−21)、第1温度が設定温度以下になったかを監視する(S−20)。
パターン(8)の高温解消モードの空調運転によってコールドエリアAの温度が低下し、または、コールドエリアAに発生した熱溜まり57aが解消し、ステップ20(S−20)において、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第1温度が設定温度を超過した状態(A>設定温度)が解消し、第1温度が設定温度以下(A≦設定温度)になったと判断した場合、コントローラ21は、パターン(8)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(9)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−22)。
コントローラ21は、パターン(9)を選択し、第1モータダンパ33の開度(40〜49%)、第2モータダンパ35の開度(51〜60%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(8)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(9)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(70%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を80〜90%から70%に変更し、変更した出力70%を維持する。パターン(9)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(6)の高温解消モードの空調運転のときと同様の出力(70%)で運転される。
パターン(9)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(8)の高温解消モードの空調運転よりも10〜20%減少する。したがって、第1温度が設定温度以下(A≦設定温度)になった場合、第1温度が設定温度よりも高くなり(A>設定温度)、その状態が継続しているときの風量よりも少ない風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、パターン(9)の高温解消モードの空調運転を実施した後、空調システム10における高温解消モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−23)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、パターン(9)の高温解消モードの空調運転を継続する(S−24)。なお、ステップ23(S−23)において、パターン(9)の高温解消モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は、パターン(9)の高温解消モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(8)の高温解消モードの空調運転を継続中に、第1温度が設定温度以下になった場合(A≦設定温度)、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量を第1温度が設定温度よりも高くなり(A>設定温度)、その状態が継続しているときの風量よりも少なくするパターン(9)の高温解消モードの空調運転を実施するから、第1温度が設定温度よりも低い場合に、サーバラック13に収容されたサーバを必要以上に冷却することはなく、無駄な冷風送風エネルギーの消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
図20は、情報処理機器室用空調システム10における高温解消モードの空調運転の他の一例を説明する図1と同様の側面図である。図20は、コールドエリアBに熱溜まり57bが発生した状態を概念的に示す。図20では、コントローラ21の図示を省略している。
コールドエリアB(コールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とのいずれか)に位置するサーバラック13に収容されたサーバの温度が上昇し、または、図20に示すように、コールドエリアBに熱溜まり57bが発生し、ステップ11(S−11)において、第2温度が設定温度を超過したと判断した場合(B>設定温度)、コントローラ21は、パターン(1)の通常モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(10)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−14)。
第2温度が設定温度を超過した場合(B>設定温度)の高温解消モードの空調運転の一例として、コントローラ21は、パターン(10)を選択し、第1モータダンパ33の開度(51〜60%)、第2モータダンパ35の開度(40〜49%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。
選択したパターン(10)のプリセット運転条件により、導風機構48a〜48cのON信号(開信号)がコントローラ21から第2導風機構48a〜48cの自動開閉装置に送信され、それら導風機構48a〜48cが天井55から垂下する。第1モータダンパ33の開度(51〜60%)の開度指示信号がコントローラ21からモータダンパ33の制御部に送信され、第1モータダンパ33の制御部がダンパ33の開度を0%から開度指示信号(51〜60%)のそれに変更し、開度51〜60%を維持する。
第2モータダンパ35の開度(40〜49%)の開度指示信号がコントローラ21からモータダンパ35の制御部に送信され、第2モータダンパ35の制御部がダンパ35の開度を100%から開度指示信号(40〜49%)のそれに変更し、開度40〜49%を維持する。パターン(10)の高温解消モードの空調運転では、第1モータダンパ33の開度が51〜60%に設定され、第2モータダンパ35の開度が40〜49%に設定される。
選択したパターン(10)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号がコントローラ21から送風ファン30の制御部に送信され、ファン30の制御部がファン30の出力をインバータ制御し、出力70%を維持する。パターン(10)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(1)の通常モードの空調運転のときと同様に出力(70%)で運転される。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(10)の高温解消モードの空調運転(コールドエリアBに存在するサーバの温度が許容範囲以上、または、コールドエリアBに熱溜まり57bが発生)において第1モータダンパ33および第2モータダンパ33の開度を調節し、床下空間34からコールドアイル14に40〜49%の割合の冷風を給気しつつ、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14の中央部23および前端部22とそれら部22,23の間とに位置するサーバラック13に51〜60%の割合の冷風を給気するから、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14の中央部23や前端部22、それら部22,23の間のサーバラック13に十分な風量の冷風を給気することができ、空調機20a〜20cから離れた中距離(中央部23およびその近傍)や空調機20a〜20cから離れた遠距離(前端部22およびその近傍)に位置するサーバラック13に収容されたサーバを十分に冷却することができる。
情報処理機器室用空調システム10は、送風ファン30の出力増加を行うパターン(12)よりも、送風ファン30の出力増加を行わないパターン(10)を優先的に選択する。情報処理機器室用空調システム10は、パターン(10)の高温解消モードの空調運転において、第1モータダンパ31の開度(51〜60%)と第2モータダンパ31,33の開度(40〜49%)とを調節し、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量バランスを調整することで、コールドアイル14に位置するすべてのサーバラック13に収容されたサーバを冷却することができるから、送風ファン30の出力を増加させることなく、送風ファン30の出力を通常モードの空調運転と同様の出力70%に保持することができ、送風ファン30の出力を増加させることによる冷風送風エネルギーの必要以上の消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
コントローラ21は、パターン(10)の高温解消モードの空調運転を継続しつつ、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が継続しているかを判断する(S−15)。ステップ15(S−15)において、パターン(10)の高温解消モードの空調運転によって第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が継続していない(非継続)と判断した場合、コントローラ21は、パターン(10)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(11)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−16)。
コントローラ21は、パターン(11)を選択し、第1モータダンパ33の開度(51〜60%)、第2モータダンパ35の開度(40〜49%)、送風ファン30の出力(60%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(10)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(11)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(60%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(60%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を70%から60%に変更し、変更した出力60%を維持する。
パターン(11)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(10)の高温解消モードの空調運転よりも10%減少する。したがって、第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が継続していない(非継続)場合、第2温度が設定温度よりも高くなった(B>設定温度)ときの風量よりも少ない風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、パターン(11)の高温解消モードの空調運転を実施した後、空調システム10における高温解消モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−17)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、パターン(11)の高温解消モードの空調運転を継続し(S−18)、第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が継続しているかを監視する(S−15)。なお、ステップ17(S−17)において、パターン(11)の高温解消モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は、パターン(11)の高温解消モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(10)の高温解消モードの空調運転において、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量バランスを調整することで、第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が継続しなくなった場合、パターン(11)の高温解消モードの空調運転を実施し、第1および第2モータダンパ31,33の開度を保持しつつ、余剰となった冷風を減少させるため、送風ファン30の出力を70%から60%に変更する。したがって、この情報処理機器室用空調システム10は、第2温度が設定温度を超過した状態が継続していない場合に、サーバラック13に収容されたサーバを必要以上に冷却することはなく、余剰な冷風送風エネルギーの消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。
パターン(10)の高温解消モードの空調運転を継続中に、コールドエリアBの温度が低下せず、または、コールドエリアBに発生した熱溜まり57bが解消せず、ステップ15(S−15)において、第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が継続していると判断した場合、コントローラ21は、パターン(10)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(12)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−19)。
コントローラ21は、パターン(12)を選択し、第1モータダンパ33の開度(51〜60%)、第2モータダンパ35の開度(40〜49%)、送風ファン30の出力(80〜90%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(10)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(12)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(80〜90%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(80〜90%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を70%から80〜90%に変更し、変更した出力80〜90%を維持する。
パターン(12)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(10)の高温解消モードの空調運転のときよりも10〜20%増加する。したがって、第2温度が設定温度よりも高くなり(B>設定温度)、その状態が継続している場合、パターン(10)の高温解消モードの空調運転のときの風量よりも多い風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に多くの風量の冷風が給気される。
情報処理機器室用空調システム10は、コールドアイル14の中央部23や前端部22、それら部22,23の間に存在するサーバの温度が上昇し、または、コールドアイル14の中央部23や前端部22、それら部22,23の間に存在するサーバの熱による熱溜まり57bが発生し、B>設定温度の状態が継続している場合、中央部23や前端部22、それら部22,23の間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを一層冷却する必要があるとともに、発生した熱溜まり57bを解消する必要があるが、その場合、吹出ユニット20a〜20cから給気する冷風の風量を70%から80〜90%に増加させることで、コールドアイル14の中央部23や前端部22、それら部22,23の間に十分な風量の冷風を給気することができるから、中央部23や前端部22、それら部22,23の間に延びるサーバラック13に収容されたサーバを確実に冷却することができ、発生した熱溜まり57bを冷却することができるとともに、その熱溜まり57bを解消することができる。
コントローラ21は、パターン(12)の高温解消モードの空調運転を実施した後、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第2温度が設定温度以下(B≦設定温度)になったかを判断する(S−20)。コントローラ21は、ステップ20(S−20)において、第2温度が設定温度以下になっていないと判断すると、パターン(12)の高温解消モードの空調運転を継続し(S−21)、第2温度が設定温度以下になったかを監視する(S−20)。
パターン(12)の高温解消モードの空調運転によってコールドエリアBの温度が低下し、または、コールドエリアBに発生した熱溜まり57bが解消し、ステップ20(S−20)において、第1および第2温度と設定温度とを比較し、第2温度が設定温度を超過した状態(B>設定温度)が解消し、第2温度が設定温度以下(B≦設定温度)になったと判断した場合、コントローラ21は、パターン(12)の高温解消モードの空調運転を中断しつつ、図11の空調パターンテーブルを参照し、エリア温度条件が一致するパターン(13)の高温解消モードの空調運転を実施する(S−22)。
コントローラ21は、パターン(13)を選択し、第1モータダンパ33の開度(51〜60%)、第2モータダンパ35の開度(40〜49%)、送風ファン30の出力(70%)、第1導風機構36のON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cのON/OFF(ON)、第2導風機構48a〜48cの使用位置(1),(2),(3)、吹出ユニット20aの風速比「5:3:1」のプリセット運転条件を実施する。なお、第1および第2モータダンパ33,35の開度、第1および第2導風機構36,48a〜48cのON/OFF、第2導風機構48a〜48cの使用位置、吹出ユニット20aの風速比は、パターン(12)のそれらと同一である。
コントローラ21は、選択したパターン(13)のプリセット運転条件により、送風ファン30の出力(70%)の出力指示信号を送風ファン30の制御部に送信する。送風ファン30の制御部は、コントローラ21からの出力指示信号(70%)にしたがって送風ファン30の出力をインバータ制御し、出力を80〜90%から70%に変更し、変更した出力70%を維持する。パターン(13)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(10)の高温解消モードの空調運転のときと同様の出力(70%)で運転される。
パターン(13)の高温解消モードの空調運転では、送風ファン30の出力がパターン(12)の高温解消モードの空調運転よりも10〜20%減少する。したがって、第2温度が設定温度以下(B≦設定温度)になった場合、第2温度が設定温度よりも高くなり(B>設定温度)、その状態が継続しているときの風量よりも少ない風量の冷風が床下空間34からコールドアイル14に給気されるとともに、吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気される。
コントローラ21は、パターン(13)の高温解消モードの空調運転を実施した後、空調システム10における高温解消モードの空調運転の停止が指令されたかを判断する(S−23)。コントローラ21は、停止が指令されない限り、パターン(13)の高温解消モードの空調運転を継続する(S−24)。なお、ステップ23(S−23)において、パターン(13)の高温解消モードの空調運転の停止が指令された場合、コントローラ21は、パターン(13)の高温解消モードの空調運転を停止し、システム10が停止する。
情報処理機器室用空調システム10は、パターン(12)の高温解消モードの空調運転を継続中に、第2温度が設定温度以下になった場合(B≦設定温度)、床下空間34および吹出ユニット20a〜20cからコールドアイル14に給気する冷風の風量を第2温度が設定温度よりも高くなり(B>設定温度)、その状態が継続しているときの風量よりも少なくするパターン(13)の高温解消モードの空調運転を実施するから、第2温度が設定温度よりも低い場合に、サーバラック13に収容されたサーバを必要以上に冷却することはなく、無駄な冷風送風エネルギーの消費を防ぐことができ、システム10における省エネルギー化を図ることができる。