JP2012033105A - Ict機器用空調機器およびict機器用空調システム並びにこれらを限って備えたict機器室 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このICT機器用空調システムは、ICT機器室のラック列同士が対向するラック列間に区画されたホットアイル上方に配置される複数の空調機器10と、必要風量管理手段とを備え、各空調機器10は、ホットアイルの上方に対向して設けたファン15と、このファン15によって対向するラック列間から吸気する吸い込み口12と、吸気を冷却して排気するための冷却ユニット14と、ラック列の天井部前方からラック列の前方にコールドアイルを形成するように排気する吹き出し口13とを有し、必要風量管理手段は、温度センサ21,22によって測定した所定位置の複数の温度情報に基づいて、各空調機器10のファン15の風量を制御する。
【選択図】図1
Description
しかし、この種のアンビエント空調システムは、通常、空調機(CRAC)をICT機器室内の端に設置する。そのため、給気・排気間の距離が遠くなり、搬送動力が大きいものとなる。したがって、運用前に空調機のレイアウトなどの適切な設計計画を実施していない場合には、運用後の空調機のレイアウトを自由に変更できないなどの理由から空調システムの見直しが困難である。
また、特許文献2に記載の技術では、ラック列の左右方向の端部側にパネルを設けるとともに両ラック列の前縁上部にパーティションを設けて、ICT機器室内にホットゾーンを区画している。そして、このホットゾーン内の天井に排気口を形成するとともに、ラック列の前面から背面に空調空気を通してホットゾーンに導入するとともに排気口から排気し、ホットゾーンの温度が設定温度になるように空調機ファンを制御する。
特に、ホットアイルで形成される高温空気を適切に排気できなければ、ICT機器に対して様々な負担を与え、ICT機器や空調機ともに効率を向上させることができない。具体的には、図15(a)に示すように、空調風量の不足によりホットアイルで形勢された高温空気がコールドアイルへ廻り込めば、ICT機器の高温障害による故障の原因につながる。また、図15(b)に示すように、空調風量の過多によるコールドアイルの低温空気がホットアイルへ流入すれば、無駄なエネルギーを消費し、ホットアイルの高温空気を高温な状態で空調機に還り温度として戻すことが不可能になる。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ICT機器室内の温度上昇を可及的に抑制し、ICT機器の風量と空調機器の風量とのエアバランスを制御することができる、ICT機器用空調機器およびICT機器用空調システム並びにこれらを限って備えたICT機器室を提供することを目的としている。
第一の発明に係るICT機器用空調システムによれば、ホットアイル上部に空調機器を設置しており、必要風量管理手段が空調機器の風量制御を行うので、コールドアイル化されたICT機器室周囲の低温空気をICT機器へ循環させることができる。そのため、ICT機器の劣化や不具合が起こりにくい。
つまり、第一の発明に係るICT機器用空調システムにおいて、前記空調機器をラック列に対応させて複数有する場合に、各空調機器それぞれにより、ICT機器から排気される高温空気を、ICT機器の近傍で捕集・処理可能な点が個別制御の利点である。
しかし、実際は各ラック2によって負荷が異なるため、必ずしも各空調機器10が高効率で稼動しているとは限らない。そこで、アイル単位で各空調機が高効率運転となるよう風量を制御することで、個別制御時に比べて大幅な省エネ効果を向上させる上で好適である。
また、このような構成であれば、本発明に係る空調機器が、高顕熱冷却設計のため定常状態ではドレンレスとなる。そのため、ICT機器への漏水のリスクが低減可能である。
図1は、本発明に係るICT機器用空調システムを備えるICT機器室の例であり、同図では、サーバ室1内のラック2に、本発明に係るICT機器用空調システムを構成する空調機器10を設置した例である。この空調機器10は、各ラック2それぞれに対応して設けられている。ここで、このサーバ室1の空調設備としては、この空調機器10を用いた空調システムを限り備えている例である。なお、この例では、空調機器10が二台(冷却コイル2台、ファン2台の組)によって空調ユニット1台を構成する例である。
図2に示すように、この空調機器10は、略立方体形状をなす中空箱型の筐体11を有する。この筐体11の下面には、吸い込み口12が開口している。そして、この吸い込み口12に対向する筐体11内には、ファン15が内蔵されている。このファン15は、吸い込み口12から空気を吸い込み、ホットアイルの排気を吸い込み方向Aに移動させ、これにより、ラック2同士の背面6空間に形成されるホットアイルから機器の排気を筐体11内部に導入するようになっている。
そして、筐体11内には、この吹き出し口13が設けられた側の面に向けて冷却ユニット14が斜め(約45°)に配置されている。この冷却ユニット14は、冷媒を用いた冷却システムを採用している。そして、その冷媒配管18は、筐体11の上部に引き出されており、隣接する他の空調機器10の冷媒配管18に接続されるようになっている(同図(c)参照)。これにより、吸い込み口12から吸い込み方向Aに取り込まれた排気は、冷却ユニット14を通過することで熱交換がなされて、冷却された空気が吹き出し口13から吹き出し方向Nに吹き出される。なお、各空調機器10には、稼働状態を確認するための表示装置25が付設されている。
なお、この冷却ユニット14の下部には、図2に示すように、傾斜配置されたドレンパン16が設けられ、ドレンパン16の傾斜の低い側にドレン管17が接続されているが、この冷却ユニット14は、高顕熱冷却設計のため定常状態ではドレンレスとなる。そのため、ICT機器3への漏水のリスクが低減されている。
この制御部20は、図4に示すように、所定の制御プログラムに基づいて演算およびシステム全体を制御するCPU39と、所定領域にあらかじめCPU39の制御プログラム等を格納している記憶装置35およびROM36と、この記憶装置35およびROM36等から読み出したデータやCPU39の演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM37と、上記集中制御装置40や、空調機器10の上記冷却ユニット14およびファン15等を含む付帯する装置に対して稼働状態の監視に必要なデータの入出力を媒介するインターフェース30とを備えて構成されており、これらは、データを転送するための信号線であるバス32で相互にかつデータ授受可能に接続されている。そして、CPU39は、上記記憶装置35やROM36の所定領域に格納されている所定のプログラムを起動させ、そのプログラムに従って、本空調システムに係る集中制御装置40とともに、後述する必要風量管理処理を実行するようになっている。なお、集中制御装置40についても、そのハードウエアの基本構成は制御部20と同様であるので、その説明は省略する。
この必要風量管理処理の第一の例は、ラック全体の消費電力が測定可能な場合の風量制御(キャッピング方式なし)の例であって、空調機器10の制御部20が、ラック2全体の消費電力、および、各アイル温度の検出値に基づいて、ラック2(=ICT機器3)の必要風量と空調機器10の風量が同等となるように、不図示のインバータを用いてファン15の回転数を制御するものである。
つまり、ステップS4では、個々の空調機器10が、仮想空調風量Qiとラック風量Qrとの比較判定を行なって、Qi≒Qrの場合には、ステップS5に移行する。ステップS5では、条件を満たす風量とすべく、自身のファン15の回転数を、予め設定されている基準回転数になるように個々の空調機器10が自身のファン15を個別に制御する。
また、上記ステップS4において、個々の空調機器10が、上記ステップS4での仮想空調風量Qiとラック風量Qrとの比較判定を行なった場合に、Qi<Qrのときは、ステップS9に移行する。なお、このときは、Qi>Qr時の現象:ΔT(現時点)>ΔT(初期)となる。
今、この空調システムをサーバ室1に用いるに際し、ラック列の構成は特に限定されないものの、効果的にシステムを構築する上で好ましい構成として、対面配置型があるため、これを図6に示す。以下、このようにラック列を構成した例を代表例として説明する。なお、上述したように、このサーバ室1の空調設備としては、空調機器10を用いた空調システムを限り備えている。
このように、この空調システムによれば、ホットアイルの上方に配置されるモジュール型の空調機器10を備えているので、空調対象領域近傍での空調システムを構成している。そのため、従来の搬送動力に比べて大幅な搬送動力の低減が可能である。
特に、このサーバ室1の空調設備としては、上記空調機器10を用いた空調システムを限り備えているので、タスク空調、アンビエント空調のどちらにでも対応可能である。そのため、ICT機器室の空調設備コストを低減可能であり、また、低エネルギーに貢献することができる。なお、従来同様に、ICT機器室用の空調機を設備した上で、更に上記空調機器10を用いた空調システムを備える構成としてもよいが、ICT機器室の空調設備コストを低減し、低エネルギーに貢献する上では、本実施形態の構成を採用することが好ましい。
なお、本発明に係るICT機器用空調機器およびICT機器用空調システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、必要風量管理処理の第一の例について説明したが、これに限定されず、ICT機器3の風量と空調機器10の風量とのエアバランスを制御可能な構成であれば、種々の変形が可能である。以下、他の必要風量管理処理の例(第二〜第四の例)について順に説明する。
この第二の例では、コールドアイル空間、およびホットアイル空間に温度センサー21,22をそれぞれ設置しており、集中制御装置40によって集中制御しつつ、温度センサー21,22の検出値を用いて各空調機器10において下記の制御フローに基づいて、各空調機器10の適正な風量を算出するためにフィードバック制御を行っている。
必要風量管理処理をこのような構成としても、空調機器10の制御部20が、各アイル温度の検出値に基づいて、ラック2の必要風量と空調機器10の風量が同等になるように、ファン15の回転数を制御可能なので、ICT機器室内の温度上昇を可及的に抑制し、ICT機器の風量と空調機器の風量とのエアバランスを制御することができる。
図9に示すように、この第三の例の空調機器10は、エアバランス検出手段29を有する点が上記実施例とは異なっている。
続くステップS32では、パネル26の位置情報を取得した各空調機器10の制御部20は、自身に対応するパネル26の開閉位置を判定する。つまり、パネル26の開閉位置が”+”の場合(ホットアイルが加圧状態)には、ステップS33に移行し、ファン15の回転数を一定値ずつ上げ、続くステップS34では、各空調機器10においてパネル26の開閉位置の判定をし、パネル26の開閉位置が未だ”+”の場合(ホットアイルが加圧状態)には、ステップS33に処理を戻す。また、パネル26の開閉位置が”0”付近の場合(エアバランスが崩れていない)にはステップS31に処理を戻す。
必要風量管理処理をこのような構成としても、空調機器10の制御部20が、圧力差によって開閉するパネル26の位置情報に基づいて、キャッピング内外のエアバランス(圧力差)を確認し、ラック2の必要風量と空調機器10の風量が同等となるように、ファンの回転数を制御可能なので、空調機器の故障時においてもICT機器室内の温度上昇を抑制し、ICT機器の風量と空調機器の風量とのエアバランスを制御することができる。
この例では、省エネ効果が高くなるように、空調機器10を個別制御から統合制御(群制御)に適宜に変更する。詳しくは、二つのラックの各コールドアイルの両端に上記温度センサ21を計4つ(T1、T2、T3、T4)設置し、下記の制御フローのように空調稼動時の個別制御運転後に、複数の空調機器10を、集中制御装置40によって風量制御するアイル単位での必要風量管理処理である(これを「統合制御(群制御)」とも呼ぶ)。ここで、温度センサ21の設置位置としては、空間上部(ラック上部)が好ましい。温度センサを3点設置する場合には、計測した3点中の最大値を代表値とすることが好ましい。なお、この例においては、ホットアイルの両端では、温度測定を行なわない。
温度に基づく制御を選択メニューに従い選択すると、集中制御装置40において、続くステップS41に移行して、各空調機器10(空調ユニット)のファンの回転数(周波数)を集計する。続くステップS42では、現時点での各空調機器10のファンの平均回転数(周波数)を算出する。そして、続くステップS43では、集中制御装置40は、各空調機器10を算出平均回転数で運転する。
続くステップS46では、(Tc1orTc2−設定温度)の判定をする。つまり、(Tc1orTc2−設定温度)≦0℃のときにはステップS47に移行し、(Tc1orTc2−設定温度)>0℃のときにはステップS48に移行する。ステップS47では、各空調機器10のファンの回転数(周波数)を一定値ずつ下げて処理をステップS41に戻す。また、ステップS48では、各空調機器10のファンの回転数(周波数)を一定値ずつ上げて処理をステップS41に戻す。
ここで、上記第一〜第三の例に示した個別制御による共通の作用効果としては、特に、対面するラック2台の必要風量と同等の空調風量を適切に供給でき、ICT機器から排気される高温空気を、ICT機器の近傍で捕集・処理可能な点が個別制御の利点である。
しかし、上記第一〜第三の例に示した個別制御は、「ICT機器風量≒空調風量」として制御しており、実際は各ラック2によって負荷が異なるため、必ずしも各空調機器10が高効率で稼動しているとは限らない。
なお、空調機器10とラック2の対応関係は、空調機器1台と対面するラック2台で1制御単位とし、アイルには片側5台以上、計10台以上のラック2が配置されていれば好適であり、これにより、上記第一〜第三の例は各空調機器10の個別制御に比べて、更なる省エネ化を一層効果的に行なうことができる。
2 ラック
3 ICT機器
4 上面
5 前面
6 背面
7 配線領域
10 空調機器
11 筐体
12 吸い込み口
13 吹き出し口
14 冷却ユニット
15 ファン
16 ドレンパン
17 ドレン管
18 冷媒配管
19 連結金具
20 制御部(必要風量管理手段)
21 温度センサ(温度測定手段)
22 温度センサ(温度測定手段)
23 ダンパー
24 バルブ
25 表示装置
26 パネル
27 リミットスイッチ
28 ヒンジ
29 圧力バランス検出手段
40 集中制御装置
50 天井面
Claims (7)
- 通信機器や電算機等のICT機器を搭載したラックが整列してラック列をなすICT機器に用いられる空調システムであって、
前記ラック列によるホットアイルの上方に配置される空調機器と、該空調機器によって循環させる空調空気を管理する必要風量管理手段と、前記ラック列の前面側および背面側の温度を測定する温度測定手段とを備え、
前記必要風量管理手段は、前記温度測定手段によって測定した所定位置の複数の温度情報に基づいて、前記ホットアイルおよびラック列のコールドアイル相互の管理温度差が所定以下となるように、前記空調機器のファンの風量を制御することを特徴とするICT機器用空調システム。 - 前記必要風量管理手段は、前記ラックが消費する電力を測定する消費電力測定手段を更に備え、該消費電力測定手段により測定したラック全体の消費電力、および前記温度測定手段により測定した前記ラック列の前面側および背面側の温度に基づいて、前記管理温度差が所定以下となるように、前記空調機器のファンの風量を制御することを特徴とする請求項1に記載のICT機器用空調システム。
- 前記空調機器をラック列に対応させて複数有し、該複数の空調機器は、前記ラック列によるホットアイルの上方にモジュール型の筐体がそれぞれ配置されており、各空調機器は、前記ホットアイルの上方に対向して前記筐体内に設けられるファンと、該ファンによって前記ホットアイルから吸気するように前記筐体に形成された吸い込み口と、その吸気を冷却するように前記筐体内に設けられてなる冷媒を用いた冷却ユニットと、該冷却ユニットで冷却された空気を前記ラック列の天井部前方からラック列の前方にコールドアイルを形成するように前記筐体に形成された吹き出し口と、前記ファンの風量を制御する制御部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載のICT機器用空調システム。
- 前記必要風量管理手段は、前記空調機器のファンの風量を、前記制御部を介して制御することを特徴とする請求項3に記載のICT機器用空調システム。
- 前記必要風量管理手段は、前記ラック列によるアイルを単位とし、該単位毎に複数の空調機器のファンの風量を制御することを特徴とする請求項4に記載のICT機器用空調システム。
- 通信機器や電算機等のICT機器を搭載したラックが整列してラック列をなすICT機器に用いられる空調機器であって、
前記ラック列によるホットアイルの上方に配置されるモジュール型の筐体と、前記ホットアイルの上方に対向して前記筐体内に設けられるファンと、該ファンによって前記ホットアイルから吸気するように前記筐体に形成された吸い込み口と、その吸気を冷却するように前記筐体内に設けられてなる冷媒を用いた冷却ユニットと、該冷却ユニットで冷却された空気を前記ラック列の天井部前方からラック列の前方にコールドアイルを形成するように前記筐体に形成された吹き出し口と、前記ファンの風量を制御する制御部と、前記ラック列の前面側および背面側の温度を測定する温度測定手段とを備え、
前記制御部は、前記温度測定手段によって測定した所定位置の複数の温度情報に基づいて、前記ホットアイルおよびラック列のコールドアイル相互の管理温度差が所定以下となるように、前記ファンの風量を制御することを特徴とするICT機器用空調機器。 - 通信機器や電算機等のICT機器を搭載したラックが整列したラック列が収容されるICT機器室であって、
ICT機器室の空調設備として、請求項1〜5のいずれか一項に記載のICT機器用空調システムを限り、または請求項6に記載のICT機器用空調機器を限りICT機器室に備えていることを特徴とするICT機器室。
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