JP2016017587A - ケース仮保持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケースの位置決め、回転止め、仮保持の機能を狭いスペースで且つ単純な構造で成立させることが可能なケース仮保持構造を提供する。
【解決手段】外ケース11に、最も幅の大きな大幅部24a、次に幅の大きな中幅部24b、最も幅の小さな小幅部24cを有する手前側係合部21hが少なくとも2つ設けられ、外ケース11に保持される内ケース12に、大幅部24aが挿入される大幅穴部36a、中幅部24bが挿入される中幅穴部36b、小幅部24cが挿入される小幅穴部36cからなる係合穴36が手前側係合部21hと同数設けられ、手前側係合部21hは、その先端部に向かって順に小幅部24c、中幅部24b、大幅部24aが配置され、係合穴36は、大幅穴部36aと中幅穴部36bとの間に小幅穴部36cが設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ケースを固定する前に仮保持が行えるケース仮保持構造に関する。
従来、第1のケースに第2のケースを固定する場合に、一旦第1ケースに第2のケースを仮保持することが可能な仮保持構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
第1のケースには爪部を備え、第2のケースには、第1のケースの爪部に引っ掛けられる切り欠きを備え、爪部に切り欠きを引っ掛けることで第2のケースが仮保持される。
特開2012−51417号公報
特許文献1では、単に爪部に切欠きを引っ掛けるだけなので、爪部に対して切り欠きがずれたり、爪部から切り欠きが外れたりすることがあり、第1のケースに対する第2のケースの位置決めや仮保持が確実ではない。
また、爪部に切り欠きを引っ掛けた状態で、第2のケースの固定のため、ビスをねじ込むときに、第1のケースに対して第2のケースが回転することがあり、回転に対する対処が必要となる。また、第1のケース及び第2のケースの容量はより大きい方が望ましく、仮保持のための構造はより単純でかつ小型として狭いスペースに配置できる構造が良い。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、ケースの位置決め、回転止め、仮保持の機能を狭いスペースで且つ単純な構造で成立させることが可能なケース仮保持構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明は、第1のケースに、最も幅の大きな大幅部、次に幅の大きな中幅部、最も幅の小さな小幅部を有する爪部が少なくとも2つ設けられ、前記第1のケースに保持される第2のケースに、前記大幅部が挿入される大幅穴部、前記中幅部が挿入される中幅穴部、前記小幅部が挿入される小幅穴部からなる穴部が前記爪部と同数設けられ、前記爪部は、その先端部に向かって順に前記小幅部、前記中幅部、前記大幅部が配置され、前記穴部は、前記大幅穴部と前記中幅穴部との間に前記小幅穴部が設けられることを特徴とする。
この構成によれば、大幅穴部と中幅穴部との間に小幅穴部を設けることで、穴部を略H形状とすることができ、穴部の端に設けられた中幅穴部と中幅部とを嵌合させることで、第1のケースに対する第2のケースの移動と回転とを規制することが可能になる。
これにより、第1のケースに第2のケースを固定するために第1のケース及び第2のケースにそれぞれビス挿通穴を設けた場合に、それらのビス挿通穴の位置を合致させることができ、ビス挿通穴にビスを容易に挿通させてねじ込むことができる。また、ビスをねじ込む際に、第1のケースに対する第2のケースの回転を防止することができる。上記した爪部及び穴部は単純な構造であり、また、穴部に爪部を挿入する構造であるために大きなスペースを必要としない。
このように、第1のケースに対する第2のケースの位置決め、回転止め、仮保持の機能を狭いスペースで且つ単純な構造で成立させることが可能となる。
上記構成において、前記穴部は略水平面に形成され、前記爪部は上下方向に延びていても良い。この構成によれば、穴部の中幅穴部に爪部の小幅部が位置する状態で第2のケースを下降させることで、穴部の中幅穴部に爪部の中幅部を容易に嵌合させることができ、第2のケースを簡単に仮保持状態とすることができる。
また、上記構成において、前記爪部の前記中幅部及び前記小幅部の高さは、前記第2のケースの板厚以上であり、前記穴部の前記大幅穴部の長さは、前記第1のケースの板厚の2倍以上であり、前記穴部の前記中幅穴部の長さは、前記第1のケースの板厚以上であるので、穴部への爪部の挿入や、穴部へ爪部が挿入されているときの爪部と穴部との相対移動を容易にすることができる。
また、上記構成において、前記穴部は、前記大幅穴部と前記小幅穴部との間に、前記大幅穴部から前記小幅穴部へ向かうにつれて次第に幅が狭くなるテーパ穴部が設けられていても良い。この構成によれば、大幅穴部と小幅穴部との間にテーパ穴部を設けることで、爪部の大幅穴部から小幅穴部への移動をスムーズに行うことができる。
本発明は、第1のケースに、最も幅の大きな大幅部、次に幅の大きな中幅部、最も幅の小さな小幅部を有する爪部が少なくとも2つ設けられ、第1のケースに保持される第2のケースに、大幅部が挿入される大幅穴部、中幅部が挿入される中幅穴部、小幅部が挿入される小幅穴部からなる穴部が爪部と同数設けられ、爪部は、その先端部に向かって順に小幅部、中幅部、大幅部が配置され、穴部は、大幅穴部と中幅穴部との間に小幅穴部が設けられるので、大幅穴部と中幅穴部との間に小幅穴部を設けることで、穴部を略H形状とすることができ、穴部の端に設けられた中幅穴部と中幅部とを嵌合させることで、第1のケースに対する第2のケースの移動と回転とを規制することが可能になる。
これにより、第1のケースに第2のケースを固定する際の第1のケース及び第2のケースにそれぞれ設けられたビス挿通穴の位置を合致させることができ、ビス挿通穴にビスを容易に挿通させてねじ込むことができる。また、ビスをねじ込む際に、第1のケースに対する第2のケースの回転を防止することができる。上記した爪部及び穴部は単純な構造であり、また、穴部に爪部を挿入する構造であるために大きなスペースを必要としない。
このように、第1のケースに対する第2のケースの位置決め、回転止め、仮保持の機能を狭いスペースで且つ単純な構造で成立させることが可能となる。
本発明の第1実施形態のケースを示す斜視図である。 ケースを示す分解斜視図である。 外ケースの手前側係合固定部を示す斜視図である。 手前側係合部を示す正面図である。 図2のV−V線断面図である。 内ケースの手前側被係合固定部を示す斜視図である。 内ケースの手前側被係合固定部を示す平面図である。 ケースの組立要領を示す作用図である。 第2実施形態の手前側被係合固定部を示す平面図である。 第3実施形態の手前側係合固定部及び手前側被係合固定部を示す斜視図である。 手前側係合部を示す正面図である。 手前側被係合固定部を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態のケース10を示す斜視図である。
ケース10は、プレートがコ字状に折り曲げられて形成された外ケース11に、CD、DVD等を駆動するドライブ機構が搭載される内ケース12を複数のビス13で組み付けたものである。
外ケース11と内ケース12とには、外ケース11に内ケース12を位置決め、回転止め及び仮保持可能とする仮保持構造が設けられている。この仮保持構造について、以下に詳述する。
図2は、ケース10を示す分解斜視図である。
外ケース11は、略平坦な上壁21と、上壁21の左右の縁部21a,21bから下方に延びる平板状の側壁22,23とからなるコ字形状を有する。ここで、側壁22側を外ケース11の左側、側壁23側を外ケース11の右側とする。また、外ケース11の手前側から奥側への方向又は奥側から手前側への方向を外ケース11の前後方向とする。
上壁21は、左右の縁部21a,21bにそれぞれ手前側係合固定部21c,21c及び奥側係合固定部21d,21dが形成されている。手前側係合固定部21c,21c及び奥側係合固定部21d,21dは、外ケース11に対する内ケース12の仮保持と固定の両方を行う部分である。
外ケース11を内ケース12の組付け時に作業台上に置いたときには、上壁21は略水平となる。
ここで、仮保持(係合)とは、外ケース11の一部と内ケース12の一部とが単に係合した状態であって、外ケース11に対する内ケース12の位置決め、回転止めが行われ、更に内ケース12から手を離しても保持された状態で、外ケース11と内ケース12とが固定されていない状態をいう。仮保持の状態では、外ケース11及び内ケース12のそれぞれに設けられたビス挿通穴が合致した状態にあり、それらのビス挿通穴にビスを通してねじ込むことで外ケース11に内ケース12を固定することが可能である。
縁部21a側の手前側係合固定部21cと奥側係合固定部21dとは、上壁21の前後方向に延びる側辺21eに沿って並んでいる。また、縁部21b側の手前側係合固定部21cと奥側係合固定部21dとは、上壁21の前後方向に延びる側辺21fに沿って並んでいる。即ち、側辺21e,21fは平行に形成されている。
手前側係合固定部21cは、ビス13(図1参照)により内ケース12が固定される手前側固定部21gと、手前側固定部21gから延びる手前側係合部21hとから構成されている。
奥側係合固定部21dは、ビス13により内ケース12が固定される奥側固定部21jと、奥側固定部21jの手前側係合固定部21cとは反対側に近接配置された奥側係合部21kとから構成されている。
側壁22,23には、内ケース12以外の内蔵部品が取付けられる。なお、符号22a,23aは内蔵部品を固定するために側壁22,23にそれぞれ形成された部品固定部である。
内ケース12は、上方に開放する箱型容器形状を成し、底壁31と、底壁31の四辺から一体に立ち上げ形成された前壁32、後壁33、左右の側壁34,35とから構成される。前壁32、後壁33、左右の側壁34,35のそれぞれの隣接する部分は、溶接等により接合されている。
左右の側壁34,35の上縁には、それぞれ前後方向に隔てて手前側被係合固定部34a,35aと奥側被係合固定部34b,35bとが側壁34,35から外側方に延びるように曲げ形成されている。
手前側被係合固定部34a,35aは、それぞれ矩形の輪郭を有し、係合穴36及びビス挿通穴37を備える。奥側被係合固定部34b,35bは、それぞれ矩形の輪郭を有し、ビス挿通穴38を備える。
手前側被係合固定部34a,35aは、外ケース11の手前側係合固定部21c,21cに係合又は固定され、奥側被係合固定部34b,35bは、外ケース11の奥側係合固定部21d,21dに係合又は固定される。
内ケース12を外ケース11に組付ける際に作業台上に置いたときには、手前側被係合固定部34a,35a及び奥側被係合固定部34b,35bは、略水平となる。また、内ケース12を外ケース11に組付けたときには、手前側被係合固定部34a,35a及び奥側被係合固定部34b,35bは、外ケース11の上壁21と略平行となる。
上記したように、2つの手前側係合固定部21c,21cは外ケース11の左右に並べられて設けられているが、これに限らず、2つの手前側係合固定部21c,21cを縁部21a又は縁部21bに前後方向に並べて配置しても良い。これに伴って、手前側被係合固定部34a,35aも同じように配置する。更には、2つの手前側係合固定部21c,21cを、縁部21a及び縁部21bに且つ上壁21の対角線上に配置しても良い。
また、手前側係合固定部21c及び手前側被係合固定部34a(又は35a)は、上記した2つに限らず、少なくとも2つ設けられていれば良い。
図3は、外ケース11の手前側係合固定部21cを示す斜視図である。なお、外ケース11の上壁21の縁部21aの一部は切断された状態にある。
手前側係合固定部21cの手前側固定部21gは、縁部21aにおける側辺21eを含む基準面21mに対して略すり鉢状に窪んだ手前側凹部21nと、手前側凹部21nの底部21pに開けられたビス挿通穴21qとを備える。
手前側凹部21nは、基準面21mから徐々に低くなる傾斜部21rと、傾斜部21rの下端部に位置する底部21pとからなる。
手前側係合固定部21cの手前側係合部21hは、手前側固定部21gの底部21pの手前側端面21xから手前側及び下側に延びる爪状の部分である。
手前側係合部21hは、プレス装置により上壁21の縁部21aに切り曲げ加工が施されて形成された部分であり、手前側係合部21hを形成した後には、図2に示した窓部21yが出来ている。手前側係合部21hは、縁部21aに一体に形成されるため、例えば、別部材で縁部21aに設けるのに比べて部品数及び工数を削減することができ、コスト低減及び加工時間短縮を図ることができる。
また、窓部21yは、外ケース11に内ケース12を仮保持させる際に、外ケース11の上方から内ケース12の係合穴36の位置を確認可能な部分である。例えば、手前側係合部21hの加工とは別に窓部21yを加工する場合には加工工数が増え、加工時間が長くなるが、本実施形態では、手前側係合部21hの加工と同一の工程、あるいは同一の段取りで窓部21yを形成することが可能であるため、加工工数を削減し、加工時間を短縮することができ、生産性を向上させることができる。
図4は、手前側係合固定部21cを示す正面図である。
手前側係合固定部21cの手前側係合部21hは、爪の先端部を構成する最も幅の広い大幅部24aと、大幅部24aの上端部に一体に大幅部24aより幅が狭く形成された中幅部24bと、中幅部24bの上端部に一体に中幅部24bより幅が狭く形成された小幅部24cと、小幅部24cの上端部から一体に奥側に延びて底部21pに繋がる上端部24eとからなる。
大幅部24aは、その下端部に下すぼまり形状のテーパ部24dが形成されている。テーパ部24dは、手前側係合部21hを、内ケース12(図2参照)の係合穴36(図2参照)に挿入しやすくする部分である。このように、大幅部24a、中幅部24b及び小幅部24cは一体の平板として上下方向に延びている。
ここで、大幅部24aの幅をW1、中幅部24bの幅をW2、小幅部24cの幅をW3とし、大幅部24aの高さをH1、中幅部24bの高さをH2、小幅部24cの高さ(中幅部24bの上端から底部21pまでの高さ)をH3とする。
図5は、図2のV−V線縦断面図である。
外ケース11の手前側係合固定部21cにおいて、手前側固定部21gの底部21pはほぼ水平であり、底部21pに対して手前側係合部21hの大部分は略直角に下方に屈曲している。手前側固定部21gの手前側凹部21nの深さは、ビス挿通穴21qに挿入されるビス13(図1参照)の頭部の高さより大きいか同じに形成されている。
外ケース11の奥側係合固定部21dにおいて、奥側固定部21jは、すり鉢状に窪んだ奥側凹部21sと、奥側凹部21sの底部21tに開けられたビス挿通穴21uとを備える。奥側凹部21sは、基準面21mから徐々に低くなる傾斜部21vと、傾斜部21vの下端部に位置する底部21tとからなる。奥側凹部21sの深さは、ビス挿通穴21uに挿入されるビス13の頭部の高さより大きいか同じに形成されている。
外ケース11の奥側係合部21kは、プレス成型により切り曲げ加工されて断面L字のフック状に形成された部分である。なお、符号21wは奥側係合部21kを形成したときに縁部21aに開けられた窓部である。
図6は、内ケース12の手前側被係合固定部34aを示す斜視図、図7は、内ケース12の手前側被係合固定部34aを示す平面図である。
図6及び図7に示すように、係合穴36は、ビス挿通穴37側から順に配置された大幅穴部36a、小幅穴部36c、中幅穴部36bからなり、平面視で略H字状に形成されている。
大幅穴部36aは、最も幅の広い部分である。小幅穴部36cは、大幅穴部36aに隣り合うように大幅穴部36aより幅が狭く形成された部分である。中幅穴部36bは、小幅穴部36cに隣り合うように小幅穴部36cより幅が広く且つ大幅穴部36aより幅が狭く形成された部分である。
ここで、大幅穴部36aの幅をA1、中幅穴部36bの幅をA2、小幅穴部36cの幅をA3とする。また、大幅穴部36aの前後方向の長さをL1、中幅穴部36bの前後方向の長さをL2、小幅穴部36cの前後方向の長さをL3とする。
図4及び図7において、大幅部24aの幅W1>中幅部24bの幅W2>小幅部24cの幅W3であり、大幅穴部36aの幅A1>中幅穴部36bの幅A2>小幅穴部36cの幅A3である。
また、大幅部24aの幅W1より大幅穴部36aの幅A1が大きく(W1<A1)、且つ大幅部24aの幅W1は、中幅穴部36bの幅A2及び小幅穴部36cの幅A3より大きい(W1>A2、W1>A3)。また、中幅部24bの幅W2より中幅穴部36bの幅A2が大きく(W2<A2)、且つ中幅部24bの幅W2は、小幅穴部36cの幅A3より大きい(W2>A3)。また、小幅部24cの幅W3より小幅穴部36cの幅A3が大きい(W3<A3)。
更に、中幅部24bの高さH2及び小幅部24cの高さH3は、内ケース12の板厚T2以上である(H2≧T2、H3≧T2)。また、大幅穴部36aの長さL1は、外ケース11の板厚T1の2倍以上であり(L1≧2xT1)、中幅穴部36bの長さL2は、外ケース11の板厚T1以上である(L2≧T1)。
図5に戻って、想像線で示した部分は、外ケース11に対して仮保持状態にある内ケース12の手前側被係合固定部34a及び奥側被係合固定部34bを示している。
手前側被係合固定部34aのビス挿通穴37に合致するように、手前側被係合固定部34aの下面に、バーリング加工によるねじ締結用形状26が設けられている。ねじ締結用形状26には、ビス挿通穴21q,37に通されたビス13(図1参照)がねじ込まれる。尚、ねじ締結用形状26の代わりに、ナットを溶接で取付けるようにしても良い。
奥側被係合固定部34bのビス挿通穴38に合致するように、奥側被係合固定部34bの下面にねじ締結用形状26が設けられている。ねじ締結用形状26には、ビス挿通穴21u,38に通されたビス13がねじ込まれる。
仮保持状態では、内ケース12の奥側係合部21kに奥側被係合固定部34bが載置されて仮保持されているので、内ケース12の奥側が下方に撓む又は変位するのを防止することができる。
以上に述べたケース10の組立要領を次に説明する。
図8は、ケース10の組立要領を示す作用図である。図8(A)〜図8(D)は仮保持までの作用を示す作用図、図8(E)は固定状態を示す作用図である。
図8(A)に示すように、外ケース11の手前側係合部21hの下方に内ケース12の係合穴36の大幅穴部36aを配置する。このとき、係合穴36の位置の調整は、外ケース11の縁部21a,21bに形成された窓部21y,21y(手前側固定部21g,21gの手前に設けられた部分である。)を通して行う。
そして、内ケース12を、矢印Aで示すように、外ケース11に当たるまで上昇させる。これで、図8(B)に示すように、外ケース11の手前側係合部21hが内ケース12の係合穴36の大幅穴部36aに挿入される。この状態から、内ケース12を、矢印Bで示すように、奥側へ移動させる。この結果、手前側係合部21hの小幅部24cが、係合穴36の大幅穴部36aから小幅穴部36cを通過して、図8(C)に示すように、中幅穴部36bに至り、中幅穴部36bの手前側端面36dに当たる。このとき、図5において、内ケース12の奥側被係合固定部34b,35b(符号35bについては図2参照)を奥側係合部21kに載せる。
そして、図8(C)において、内ケース12を、矢印Cで示すように、下降させて、内ケース12を支えていた手を離す。この結果、図8(D)に示すように、内ケース12の手前側被係合固定部34aが、手前側係合部21hの大幅部24a(図8(A)参照)に係止されて下方への移動が規制されるとともに、係合穴36の中幅穴部36bに中幅部24bが係合する。このとき、断面が矩形の中幅部24bが、わずかなクリアランスで矩形の中幅穴部36bに嵌合するため、外ケース11に対して内ケース12は、前後方向及び左右方向の移動が規制されるとともに水平面内での回転も規制され、この状態が保たれる。即ち、外ケース11に対して、内ケース12が位置決め、回転止め及び仮保持される。
この状態で、外ケース11のビス挿通穴21qと内ケース12のビス挿通穴37とに、図8(E)に示すように、ビス13を挿入し、ねじ締結用形状26(図5参照)にねじ込んで締め付ける。これにより、内ケース12が、矢印D(図8(D)参照)に示すように、上昇して外ケース11に固定される。
以上の図2、図3、図4及び図7に示したように、第1のケースとしての外ケース11に、最も幅の大きな大幅部24a、次に幅の大きな中幅部24b、最も幅の小さな小幅部24cを有する爪部としての手前側係合部21hが少なくとも2つ設けられ、外ケース11に保持される内ケース12に、大幅部24aが挿入される大幅穴部36a、中幅部24bが挿入される中幅穴部36b、小幅部24cが挿入される小幅穴部36cからなる穴部としての係合穴36が手前側係合部21hと同数設けられ、手前側係合部21hは、その先端部に向かって順に小幅部24c、中幅部24b、大幅部24aが配置され、係合穴36は、大幅穴部36aと中幅穴部36bとの間に小幅穴部36cが設けられる。
この構成によれば、大幅穴部36aと中幅穴部36bとの間に小幅穴部36cを設けることで、係合穴36を略H形状とすることができ、係合穴36の端に設けられた中幅穴部36bと中幅部24bとを嵌合させることで、外ケース11に対する内ケース12の移動と回転とを規制することが可能になる。
これにより、外ケース11に内ケース12を固定するために外ケース11及び内ケース12にそれぞれビス挿通穴21q,21u,37,38を設けた場合に、それらのビス挿通穴21q,21u,37,38の位置を合致させることができ、ビス挿通穴21q,21u,37,38にビス13(図1参照)を容易に挿通させてねじ込むことができる。また、ビス13をねじ込む際に、外ケース11に対する内ケース12の回転を防止することができる。上記した手前側係合部21h及び係合穴36は単純な構造であり、また、係合穴36に手前側係合部21hを挿入する構造であるために大きなスペースを必要としない。このように、外ケース11に対する内ケース12の位置決め、回転止め、仮保持の機能を狭いスペースで且つ単純な構造で成立させることが可能となる。
また、従来のように、外ケースをひっくり返して内ケースを組付けるような組付方法を採用しなくても良く、ケース10の組立作業性を向上させることができる。
また、図2、図5及び図8に示したように、係合穴36は、略水平面とされた手前側被係合固定部34a,35aに形成され、手前側係合部21hは上下方向に延びているので、係合穴36の中幅穴部36bに手前側係合部21hの小幅部24cが位置する状態で内ケース12を下降させることで、係合穴36の中幅穴部36bに手前側係合部21hの中幅部24bを容易に嵌合させることができ、内ケース12を簡単に仮保持状態とすることができる。これにより、ケース10の組立作業性を向上させることができる。
また、図4及び図7に示したように、手前側係合部21hの中幅部24b及び小幅部24cの高さH2,H3は、内ケース12の板厚T2以上であり、係合穴36の大幅穴部36aの長さL1は、外ケース11の板厚T1の2倍以上であり、係合穴36の中幅穴部36bの長さL2は、外ケース11の板厚T1以上であるので、係合穴36への手前側係合部21hの挿入や、係合穴36へ手前側係合部21hが挿入されているときの手前側係合部21hと係合穴36との相対移動を容易にすることができる。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態の手前側被係合固定部41を示す平面図である。図7に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
内ケースの手前側被係合固定部41は、係合穴42及びビス挿通穴37を備える。
係合穴42は、大幅穴部36aと、大幅穴部36aに隣り合うように且つ大幅穴部36aから離れるにつれて次第に幅が狭くなるように形成されたテーパ穴部42dと、テーパ穴部42dに隣り合うように大幅穴部36aより幅が狭く形成された小幅穴部42cと、小幅穴部42cに隣り合うように小幅穴部42cより幅が広く且つ大幅穴部36aより幅が狭く形成された中幅穴部36bとからなる。
図9に示したように、係合穴42は、大幅穴部36aと小幅穴部42cとの間に、大幅穴部36aから小幅穴部42cへ向かうにつれて次第に幅が狭くなるテーパ穴部42dが設けられているので、大幅穴部36aと小幅穴部42cとの間にテーパ穴部42dを設けることで、手前側係合部21h(図3参照)が、係合穴42を大幅穴部36aから小幅穴部42c、中幅穴部36bへ移動する際に手前側係合部21hをガイドすることができ、手前側係合部21hの移動をスムーズに行うことができる。
<第3実施形態>
図10は、第3実施形態の手前側係合固定部53及び手前側被係合固定部54を示す斜視図である。図3に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
外ケース51の手前側係合固定部53は、ビス13(図1参照)により内ケース52が固定される手前側固定部21gと、手前側固定部21gから延びる手前側係合部56とから構成されている。
内ケース52の手前側被係合固定部54は、係合穴61及びビス挿通穴37を備える。
図11は、手前側係合部56を示す正面図である。
手前側係合部56は、大幅部24aと、大幅部24aから一体に大幅部24aより幅が狭く形成された小幅部56cと、小幅部56cの上端部から一体に奥側に延びて底部21pに繋がる上端部24eとからなる。
ここで、大幅部24aの幅はW1、小幅部24cの幅はW3であり、大幅部24aの高さはH1である。小幅部24cの高さ(大幅部24aの上端から底部21pまでの高さ)をH4とすると、H4=H2(図4参照)+H3(図4参照)となる。
図12は、手前側被係合固定部54を示す平面図である。
係合穴61は、大幅穴部36aと、大幅穴部36aに隣り合うように大幅穴部36aより幅が狭く形成された小幅穴部61cとからなり、平面視でT字状に形成されている。なお、符号61dは小幅穴部61cの手前側端面である。
ここで、大幅穴部36aの幅はA1、小幅穴部61cの幅はA3である。また、大幅穴部36aの前後方向の長さはL1である。小幅穴部61cの前後方向の長さをL4とすると、L4=L2(図7参照)+L3(図7参照)となる。
以上に述べた外ケース51への内ケース52の組付要領を次に説明する。
図10〜図12において、外ケース51の手前側係合部56の下方に内ケース52の係合穴61の大幅穴部36aを配置する。このとき、係合穴61の位置の調整は、外ケース51の縁部21a,21b(図2参照)に形成された窓部21y,21y(図2参照)を通して行う。
そして、内ケース52を、外ケース51に当たるまで上昇させる。これにより、外ケース51の手前側係合部56が内ケース52の係合穴61の大幅穴部36aに挿入される。この状態から、内ケース52を、奥側へ移動させる。この結果、手前側係合部56の小幅部56cが、係合穴61の大幅穴部36aから小幅穴部61cに至り、小幅穴部61cの手前側端面に当たる。このとき、内ケース52の奥側被係合固定部(不図示)を外ケース51の奥側係合部(不図示)に載せる。
そして、内ケース52を、下降させて、内ケース52を支えていた手を離す。この結果、内ケース52の手前側被係合固定部54が、手前側係合部56の大幅部24aに係止されて下方への移動が規制される。この状態が、外ケース11に対して、内ケース12が位置決め、回転止め及び仮保持された状態である。
2つの爪部である手前側被係合固定部54と、2つの穴部である係合穴61とによって、外ケース51に対して内ケース52は回転止めされるから、固定用のビスを締め込む際に内ケース52が回転するのを防止することができる。また、小幅部56cが小幅穴部61cの手前側端面に当って位置決めされているので、固定用に外ケース51及び内ケース52に設けられたビス挿通穴が合致した状態にあるため、ビスを容易にビス挿通穴に通してねじ込むことができる。
外ケース51に内ケース52が仮保持された状態で、外ケース51のビス挿通穴21qと内ケース52のビス挿通穴37とに、ビス13(図1参照)を挿入し、ねじ締結用形状26(図5参照)にねじ込んで締め付ける。これにより、内ケース52が上昇して、外ケース51に固定される。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記した各実施形態では、外ケースに爪部である手前側係止部を設け、内ケースに穴部である係合穴を設けたが、これに限らず、外ケースに穴部を設け、内ケースに爪部を設けても良い。
11 外ケース(第1のケース)
12 内ケース(第2のケース)
21h 手前側係合部(爪部)
24a 大幅部
24b 中幅部
24c 小幅部
36,42 係合穴(穴部)
36a 大幅穴部
36b 中幅穴部
36c,42c 小幅穴部
42d テーパ穴部
H2 中幅部の高さ
H3 小幅部の高さ
L1 大幅穴部の長さ
L2 中幅穴部の長さ
T1 外ケースの板厚(第1のケースの板厚)
T2 内ケースの板厚(第2のケースの板厚)

Claims (4)

  1. 第1のケースに、最も幅の大きな大幅部、次に幅の大きな中幅部、最も幅の小さな小幅部を有する爪部が少なくとも2つ設けられ、
    前記第1のケースに保持される第2のケースに、前記大幅部が挿入される大幅穴部、前記中幅部が挿入される中幅穴部、前記小幅部が挿入される小幅穴部からなる穴部が前記爪部と同数設けられ、
    前記爪部は、その先端部に向かって順に前記小幅部、前記中幅部、前記大幅部が配置され、前記穴部は、前記大幅穴部と前記中幅穴部との間に前記小幅穴部が設けられることを特徴とするケース仮保持構造。
  2. 前記穴部は略水平面に形成され、前記爪部は上下方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載のケース仮保持構造。
  3. 前記爪部の前記中幅部及び前記小幅部の高さは、前記第2のケースの板厚以上であり、前記穴部の前記大幅穴部の長さは、前記第1のケースの板厚の2倍以上であり、前記穴部の前記中幅穴部の長さは、前記第1のケースの板厚以上であることを特徴とする請求項2に記載のケース仮保持構造。
  4. 前記穴部は、前記大幅穴部と前記小幅穴部との間に、前記大幅穴部から前記小幅穴部へ向かうにつれて次第に幅が狭くなるテーパ穴部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のケース仮保持構造。
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