JP2016016648A - 液滴吐出ヘッド、インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電素子を構成する下部電極の膜浮きの有無を、製造工程内で容易に精度よく観察、検出可能な液滴吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、ノズル孔に連通する吐出室14、吐出室14の一面を形成する振動板、及び振動板上の吐出室14に対応する位置に設けられ、振動板側から下部電極8、圧電材9、上部電極10の順に積層されてなる複数の圧電素子26を備える液室基板と、圧電素子26を設置保護する空間、及び吐出室14に液滴を供給する共通液室18が形成された保護基板とを備え、圧電素子26は、圧電アクチュエータビット41と、圧電アクチュエータビット41の配列方向端部に配置され、下部電極8が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部40と、を有する液滴吐出ヘッド。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、及び該液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として用いるインクジェット記録装置では、液滴吐出ヘッドが用いられる。
液滴吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドとしては、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する吐出室(加圧液室、圧力室、インク流路等とも称される。)と、吐出室内のインクを加圧する力を発生する圧力発生手段とを備え、該圧力発生手段で発生した圧力で吐出室内インクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させるものが知られている。
このような液滴吐出ヘッドとしては、圧力発生手段として圧電素子などの電気機械変換素子を用い、吐出室の壁面を形成している振動板を変形変位させることでインク滴を吐出させるピエゾ型のものや、吐出内に配設した発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いてインクの膜沸騰でバブルを発生させてインク滴を吐出させるバブル型(サーマル型)のものなどがある。
ピエゾ型のものには、圧電素子が軸方向に伸長、収縮縦振動型や、圧電素子の撓みを利用した横振動(ベンドモード)型などが知られている。その中で近年、ベントモード型では、半導体プロセスやマイクロマシニング技術の進歩によりパターンニング加工技術が確立され、圧電素子がさらに薄膜で形成されたピエゾアクチュエータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
薄膜ピエゾアクチュエータは、基板上に下部電極、下部電極の上に圧電材(PZT)、さらに圧電材上に上部電極が形成された積層構成となっている。
薄膜ピエゾアクチュエータは、圧電素子の圧電特性と結晶性を確保するための材料特性と、外部回路からの駆動信号を伝播する電気的特性とを満足する機能が求められる。そのため、圧電材を挟んで形成される電極層は2層あるいは3層の積層構造で形成されている。
薄膜ピエゾアクチュエータの圧電素子を駆動させるためには、上部電極及び下部電極並びに圧電材を層間絶縁膜で覆い、リード配線との接続部を形成するためコンタクト孔を設け、下部電極及び上部電極に外部からの駆動電圧をリード配線から印加させる。アルミなど安価なリード線材を使用する際には、パッシベーション保護膜を形成することにより信頼性を確保する。
層間絶縁膜の膜厚は、圧電素子を保護するのに十分な厚みが必要であるとともに、振動板の変位を阻害しないように可能な限り薄くする必要がある。一般に層間絶縁膜の膜厚は、数十nm程度であるが、同一のウエハやカセットであってもばらつきがある。
リード配線やリード配線保護の為のパッシベーション膜の開口部パターニングの際には、層間絶縁膜がエッチングされる。同一のウエハ面内であってもエッチング速度やエッチング対象となる層の厚みは均一ではない。エッチング速度は、パターンの粗密やパターン形状にも依存する。このため、ウエハ全面においてエッチングを充分に行なうためにオーバーエッチングが発生し、層間絶縁膜が薄くなることがある。
図11は、振動板上に形成された圧電素子の電子顕微鏡写真であり、下図は上図の部分拡大図である。図11に示すように、リード配線パターニング後に層間絶縁膜(Al膜)の厚さを観察すると、下部電極(TiO膜及びPt膜)のテーパー部において特に薄くなることが確認されている。
リード配線やリード配線保護の為のパッシベーション膜の開口部パターニングにおいてオーバーエッチングが発生した場合、下部電極のテーパー部の層間絶縁膜が部分的になくなってしまうことがある。
下部電極テーパー上の層間絶縁膜がなくなった箇所では、その後の工程において下電極金属の腐食が発生し、下部電極膜の界面に膜浮き(下部電極膜の剥離)が発生する。また、層間絶縁膜にわずかなピンホールが生じた場合も同様に、下電極膜の界面で微小な膜浮き(膜剥がれ)が発生する。
薄膜ピエゾアクチュエータの製造においては、工程管理やコスト低減のため、工程内で非破壊での測定や検査が行われる。例えば、特許文献1の液滴吐出ヘッドは、振動板測定用モニタ部を備え、工程内で容易に振動板幅を観察、測定できることが開示されている。
しかしながら、上述のような下部電極膜の界面での微小な膜浮きを非破壊で検知することは困難である。また下部電極の膜浮きが判明するのは長期の駆動後であることが多く、早期の検知は困難であった。そのため、工程へのフィードバックが遅くなり、歩留まりの低下、コストアップの要因になるという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を鑑み、圧電素子を構成する下部電極の膜浮きの有無を、製造工程内で容易に精度よく観察、検出可能な液滴吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、前記ノズル孔に連通する吐出室、該吐出室の一面を形成する振動板、及び前記振動板上の前記吐出室に対応する位置に設けられ、前記振動板側から下部電極、圧電材、上部電極の順に積層されてなる複数の圧電素子を備える液室基板と、前記圧電素子を設置保護する空間、及び前記吐出室に液滴を供給する共通液室が形成された保護基板と、を備え、前記圧電素子が、配列方向に長い帯状であって、前記下部電極が共通電極を構成する圧電アクチュエータビットと、前記圧電アクチュエータビットの配列方向端部に配置され、前記下部電極が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部と、を有することを特徴とする液滴吐出ヘッドである。
本発明の液滴吐出ヘッドによれば、圧電素子を構成する下部電極の膜浮きの有無を、製造工程内で容易に精度よく観察、検出可能な液滴吐出ヘッドを提供することができる。
本実施形態の液滴吐出ヘッドの一例を示す分解斜視図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの一例を示す断面図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程の一例を示す説明図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程の一例を示す説明図である。 本実施形態の液滴吐出ヘッドの一例を示す平面配置図である。 従来の液滴吐出ヘッドの一例を示す平面配置図である。 本実施形態のインクカートリッジの一実施態様を示す斜視図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の一例の斜視説明図である。 本実施形態のインクジェット記録装置の一例の機構部分の側面説明図である。 本実施形態のマイクロポンプの一例の要部を示す断面図である。 下部電極テーパー部の層間絶縁膜の膜厚の例を示す電子顕微鏡写真である。
以下、本発明に係る液滴吐出ヘッド及びインクジェット記録装置について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
〔液滴吐出ヘッド〕
まず、図1、図2及び図5を参照して、本実施形態にかかる液滴吐出ヘッドの詳細を説明する。
図1は、液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。図2(A)は、図1におけるX1−X2の断面図、図2(B)は図1におけるY1−Y2の断面図である。図5は、図1(B)及び図1(C)の基板を透視状態とした場合の平面配置図である。
図1、図2及び図5に示すように、本実施形態の液滴吐出ヘッドは、複数のノズル孔20が形成されたノズル基板2と、ノズル孔20に連通する吐出室14、吐出室14の一面を形成する振動板25、及び振動板25上の吐出室14に対応する位置に設けられ、振動板25側から下部電極8、圧電材9、上部電極10の順に積層されてなる複数の圧電素子(圧電アクチュエータ)26を備える液室基板1と、圧電素子26を設置保護する空間、及び吐出室14に液滴を供給する共通液室18が形成された保護基板3とを備える。
そして、図5に示すように、圧電素子26は、配列方向に長い帯状であって下部電極8が共通電極を構成する圧電アクチュエータビット41と、圧電アクチュエータビット41の配列方向端部に配置され、下部電極8が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部40と、を有する。
圧電素子26は、上部電極10と個別に導通し駆動信号を入力するリード配線(リード配線層)21と、リード配線層21と下部電極8を絶縁分離する層間絶縁膜11を備え、下部電極モニタ部40において、下部電極8と層間絶縁膜11との境界面の剥離の有無が観察される。
本実施形態の液滴吐出ヘッドでは、下部電極モニタ部40を観察することにより、圧電アクチュエータビット41の下部電極8の膜浮きの有無を容易に精度よく検出することができる。
圧電アクチュエータビット41の端部に、圧電アクチュエータビット41と断面形状において同等または類似形状の下部電極モニタ部40を配置することで、図6に示す従来の圧電アクチュエータ(下部電極8が圧電素子全体の共通電極として形成されている態様)とは異なり、圧電アクチュエータビット41の下部電極8の膜浮きの有無を非破壊でモニタリングすることができる。
圧電アクチュエータビット41端部では、リード配線21やリード配線保護のためのパッシベーション膜12の開口部パターニング・エッチングの際に、層間絶縁膜11の膜厚が薄くなるため、ピンホール等が生じやすくなる。また下部電極8のテーパー部の層間絶縁膜11の厚さは、リード配線21のパターニング後に特に薄くなっていることが観察される(図11参照)。
下部電極モニタ部40では、下部電極8が個別にパターニングされてテーパー部が形成されているため、下部電極8が共通電極を構成する圧電アクチュエータビット41よりも膜浮きしやすいパターンとなっている。そのため、下部電極モニタ部40を観察することにより、下部電極モニタ部40の下部電極8の状態に基づき、圧電アクチュエータビット41における膜浮きの有無を精度良く判定することができる。
図1では、サイドシューター方式の液滴吐出ヘッドを示しているが、これに限定されない。
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出ヘッドは、ノズル孔20を有するノズル基板2と、吐出室14、振動板25及び圧電素子26を形成した液室基板1と、圧電素子26の保護空間を配した保護基板3と、からなる3枚の基板を積層した構造となっている。
図1(B)に示す液室基板1は、シリコン基板6上にパイロ酸化、LPCVD法等により薄膜を形成することにより振動板(振動板層)25が形成され、その上に下部電極8となるTiO膜及びPt膜、圧電材(圧電材層)9、上部電極10となるPt膜の多層構成からなるアクチュエータが、シリコンをエッチングすることにより形成された吐出室14に対向する領域に形成されている。
図1(A)に示すノズル基板2は、ニッケル高速電鋳法を用いて厚さ30ミクロンに形成したニッケル基板であり、液室基板1の吐出室14と連通するようにノズル孔20が形成されている。
図1(C)に示す保護基板3は、圧電素子26の保護及び変位を妨げない為の空間22、及び液室基板1の隔壁4を支える柱23が形成されている。柱23により隔壁4の剛性が高められる。
液滴吐出ヘッドの動作について、図2を参照して説明する。
まず、共通液室18から個別インク供給孔24を経由して各吐出室14内にインクが供給される。吐出室14がインクにより満たされた状態で、圧電素子26の上部電極10及び下部電極8間に電圧を印加すると、圧電素子26が収縮し、圧電素子26と密着している振動板25全体が吐出室14側に凸形状に変形する。
変形により吐出室14の体積が減少し、吐出室14内の圧力が急激に上昇することにより、ノズル孔20よりインク液滴50が記録紙Pに向けて吐出される。すなわち、パルス電圧を連続的に印加することにより、インク液滴50を連続的に吐出することが出来る。
次に、本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造工程について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4では、シリコンからなる基板に振動板の材料及び圧電素子の材料を成膜していくことでアクチュエータを作成する例を示している。
まず、図3の工程Aに示すように、厚み400μmの<100>シリコン基板1aの表面にパイロ(Wet)酸化法によりシリコン酸化膜5を0.6μm成膜し、更にLPCVD法によりポリシリコン膜6を0.6μm成膜する。
次に、図3の工程Bに示すように、LPCVD法によりシリコン窒化膜13を0.3μm成膜し、リソエッチ法を用いて個別インク供給孔24となる部分のポリシリコン膜6及びシリコン窒化膜13を除去する。その後、LPCVD法によりシリコン酸化膜(高温酸化膜、HTO膜)7を0.6μm成膜し、これらの積層膜を振動板(振動板層)25とする。
次に、図3の工程Cに示すように、圧電素子の下部電極8となるTi及びPtを、Ti層が0.02μm、Pt層が0.1μmとなるようにそれぞれスパッタ法により成膜する。その後、圧電材の前駆体をスピンコート法により塗布、焼成し、ソルゲル法により圧電材(圧電材層)9を2μm成膜する。
圧電材9は、焼成時の膜の体積収縮により圧電膜内部に残留応力が発生するとクラックを引き起こす原因となるため、塗布・焼成は0.05μmの膜厚を繰り返し積層することが好ましい。具体的には、ゾルゲル液をスピンコート後、ランプアニールにより700度まで急速昇温させ、ペロブスカイト構造の結晶化を行う。
成膜された圧電材9上に、上部電極10を0.1μm成膜する。
次に、図3の工程Dに示すように、リソエッチ法により上部電極10及び圧電材層9をパターニングする。さらに、リソエッチ法により下部電極8のパターニングを行なう。
従来の実施形態において、下部電極パターンは共通電極でありパターニングされていないが、本実施形態では、圧電アクチュエータビット41の端部に下部電極モニタ部40を設けるために個別パターニングされる。
さらにリソエッチ法により個別インク供給孔24となる部分のシリコン酸化膜5及び7を除去しておく。その後、下部電極8及び上部電極10とリード配線層21を絶縁分離する為の層間絶縁膜11を成膜し、リード配線接続コンタクトホール16(図5参照)をリソエッチにより形成する。
その後、図3の工程Eに示すように、アルミ膜をスパッタ法により3μmの厚みに成膜し、リソエッチ法、ドライエッチングによりリード配線21を形成する。さらにリード配線21を保護する為のパッシベーション膜12を成膜し、リソエッチ法、ドライエッチングによりパターニングする。
層間絶縁膜11は、水分の透過・吸収が少なく電気的絶縁性に優れた材料からなることが好ましい。本実施形態の層間絶縁膜11は、アルミナ(Al)からなる40〜70nm程度の厚みの膜とした。
次に、図4の工程Fに示すように、シリコン基板4aのアクチュエータが形成されたのと反対面にICPドライエッチングにより吐出室14、流体抵抗部15及び個別インク供給孔24となる凹部が形成され、液室基板1が完成する。
続いて、図4の工程Gに示すように、スルファミン酸浴での高速電鋳法により製作したノズル基板2を、液室基板1の吐出室14側に接着する。
最後に、図4の工程Hに示すように、シリコン基板にリソエッチ法で凹部である空間22を形成して製作した保護基板3を基板1の圧電素子面に接着し、上部電極10及び下部電極8の配線部を駆動回路に接続することにより、本実施形態の液滴吐出ヘッドが完成する。
〔インクカートリッジ〕
本実施形態のインクカートリッジは、前記液滴吐出ヘッド、及び前記液滴吐出ヘッドと一体化され、前記液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインクタンクを備える。
本実施形態のインクカートリッジを図7に示す。
図7に示すように、インクカートリッジ95は、ノズル孔20等を有する本実施形態の液滴吐出ヘッドであるインクジェットヘッド61と、このインクジェットヘッド61に対してインクを供給するインクタンク62とを一体化したものである。
インクタンク一体型の液滴吐出ヘッドとすることによるヘッドの低コスト化、信頼性向上は、ただちにインクカートリッジ全体の低コスト化、信頼性向上につながり、製造不良の低減を実現することができる。
〔インクジェット記録装置〕
次に、本発明に係るインクジェットヘッドを搭載したインクジェット記録装置の一例について図8及び図9を参照して説明する。なお、図8は斜視説明図、図7は機構部の側面説明図である。
このインクジェット記録装置は、記録装置本体81の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明を実施したインクジェットヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへインクを供給するインクカートリッジ等で構成される印字機構部82等を収納し、装置本体81の下方部には前方側から多数枚の用紙83を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)84を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙83を手差しで給紙するための手差しトレイ85を開倒することができ、給紙カセット84或いは手差しトレイ85から給送される用紙83を取り込み、印字機構部82によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ86に排紙する。
印字機構部82は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド91と従ガイドロッド92とでキャリッジ93を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ93にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド94を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ93にはヘッド94に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ95を交換可能に装着している。
インクカートリッジ95は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド94を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ93は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド91に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド92に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ93を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ97で回転駆動される駆動プーリ98と従動プーリ99との間にタイミングベルト100を張装し、このタイミングベルト100をキャリッジ93に固定しており、主走査モータ97の正逆回転によりキャリッジ93が往復駆動される。
一方、給紙カセット84にセットした用紙83をヘッド94の下方側に搬送するために、給紙カセット84から用紙83を分離給装する給紙ローラ101及びフリクションパッド102と、用紙83を案内するガイド部材103と、給紙された用紙83を反転させて搬送する搬送ローラ104と、この搬送ローラ104の周面に押し付けられる搬送コロ105及び搬送ローラ104からの用紙83の送り出し角度を規定する先端コロ106とを設けている。搬送ローラ104は副走査モータ107によってギヤ列を介して回転駆動される。
そして、キャリッジ93の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ104から送り出された用紙83を記録ヘッド94の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材109を設けている。この印写受け部材109の用紙搬送方向下流側には、用紙83を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ111、拍車112を設け、さらに用紙83を排紙トレイ86に送り出す排紙ローラ113及び拍車114と、排紙経路を形成するガイド部材115,116とを配設している。
記録時には、キャリッジ93を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド94を駆動することにより、停止している用紙83にインクを吐出して1行分を記録し、用紙83を所定量搬送後次の行の記録を行う。記録終了信号または、用紙83の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙83を排紙する。
また、キャリッジ93の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド94の吐出不良を回復するための回復装置117を配置している。回復装置117はキャップ手段と吸引手段とクリーニング手段を有している。キャリッジ93は印字待機中にはこの回復装置117側に移動されてキャッピング手段でヘッド94をキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド94の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
〔マイクロポンプ〕
本実施形態のマイクロポンプとその動作原理を図10に基づき説明する。
本実施形態のマイクロポンプは、上述の本実施形態の液滴吐出ヘッドを応用したものであり、保護基板3a、液室基板1a、及び蓋部30が積層されてなり、蓋部30と振動板35により構成された液体の流路33を備え、圧電素子36によって流路33の一面を形成する振動板35を変形させて流路33内の液体を輸送するものである。
図10に示すように、本実施形態のマイクロポンプは、圧電素子36が設けられた複数の振動板35を備え、流路33の中を流体が流れる構造となっている。
振動板35は本実施形態の液滴吐出ヘッドにおける振動板25と同様に、複数の絶縁膜による積層構造になっている。
圧電素子36は、図2に示した圧電素子26と同様、振動板35側から下部電極、圧電材、上部電極の順に積層されてなり、配列方向に長い帯状であって、前記下部電極が共通電極を構成する圧電アクチュエータビットと、前記圧電アクチュエータビットの配列方向端部に配置され、前記下部電極が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部と、を有する。
振動板35を図の右側から順次駆動することによって、流路33内の流体は矢印方向への流れが生じ、流体の輸送が可能となる。
なお、振動板35は一つでも良く、また輸送効率を上げるために弁などの補助部材を設けても良い。
本実施形態の液滴吐出ヘッドの応用例としてマイクロポンプを挙げたが、これに限定されず、例えば、光学デバイス、マイクロアクチュエータなどが挙げられる。
上述のように、下部電極が共通電極を構成する圧電アクチュエータビットと、圧電アクチュエータビットの配列方向端部に下部電極が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部とを有する圧電素子を適用することにより、圧電素子における下部電極の膜浮きの有無を、製造工程内で容易に精度よく観察、検出することができる。
1 液室基板
2 ノズル基板
3 保護基板
4 隔壁
8 下部電極
9 圧電材(圧電材層、PZT)
10 上部電極
11 層間絶縁膜
12 パッシベーション膜
14 吐出室
15 流体抵抗
18 共通液室
20 ノズル孔
21 リード配線(リード配線層)
25 振動板(振動板層)
26 圧電素子(圧電アクチュエータ)
33 流路
35 圧電素子
36 振動板
40 下部電極モニタ部
41 圧電アクチュエータビット
62 インクタンク
95 インクカートリッジ
特開2012−196829号公報

Claims (5)

  1. 複数のノズル孔が形成されたノズル基板と、
    前記ノズル孔に連通する吐出室、該吐出室の一面を形成する振動板、及び前記振動板上の前記吐出室に対応する位置に設けられ、前記振動板側から下部電極、圧電材、上部電極の順に積層されてなる複数の圧電素子を備える液室基板と、
    前記圧電素子を設置保護する空間、及び前記吐出室に液滴を供給する共通液室が形成された保護基板と、を備え、
    前記圧電素子は、配列方向に長い帯状であって、前記下部電極が共通電極を構成する圧電アクチュエータビットと、前記圧電アクチュエータビットの配列方向端部に配置され、前記下部電極が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部と、を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記上部電極と個別に導通し駆動信号を入力するリード配線層と、該リード配線層と前記下部電極を絶縁分離する層間絶縁膜を備え、
    前記下部電極モニタ部において、前記下部電極と前記層間絶縁膜との境界面の剥離の有無が観察されることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド、及び前記液滴吐出ヘッドと一体化され、前記液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインクタンクを備えることを特徴とするインクカートリッジ。
  4. 請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドから吐出される液滴により画像を形成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 液体の流路を備え、圧電素子によって前記流路の一面を形成する振動板を変形させて前記流路内の液体を輸送するマイクロポンプにおいて、
    前記圧電素子は、前記振動板側から下部電極、圧電材、上部電極の順に積層されてなり、
    配列方向に長い帯状であって、前記下部電極が共通電極を構成する圧電アクチュエータビットと、前記圧電アクチュエータビットの配列方向端部に配置され、前記下部電極が個別にパターニングされてなる下部電極モニタ部と、を有することを特徴とするマイクロポンプ。
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