JP2016015429A - プラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマcvd装置 Download PDF

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【課題】本発明は、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入可能なプラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマCVD装置を提供することを課題とする。【解決手段】略円板状のプラズマキャビティ用フランジであって、外周側面部がマイクロ波反射形状とされており、基板配置領域を囲むように平面視リング状のガス排出領域が設けられており、前記ガス排出領域内に6以上の平面視円状の孔部が設けられ、前記孔部の直径は6mm以下であり、基板中心点に対して点対称に設けられ、隣接する孔部の中心点間隔が少なくとも5.5mm以上とされているプラズマキャビティ用フランジを用いることにより、前記課題を解決できる。【選択図】図13

Description

本発明は、プラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマCVD装置に関する。
近年、ダイヤモンドは、トランジスタ、深紫外発光・受光素子、電子エミッタなどの各種電子デバイスの材料として注目されている。特に、高電圧で安定であるのでパワー半導体の材料として注目されている。
ダイヤモンドに不純物をドープして、p型又はn型のダイヤモンド半導体を作成することが検討されている。例えば、p型ダイヤモンド半導体(特許文献1〜3)、n型ダイヤモンド半導体(特許文献4〜6)の報告がある。p型及びn型のダイヤモンド半導体を組み合わせることにより、ダイヤモンドのみからなるpnデバイスやpinデバイスを作製できる。
通常、プラズマCVD法を用い、ダイヤモンドを気相成長させる際に、n型又はp型不純物のドープ量を制御して、n型又はp型ダイヤモンドを作製する。
この方法では、ホウ素(B)のようなp型不純物をダイヤモンドにドープすることは容易であるが、リン(P)のようなn型不純物をダイヤモンドにドープすることは困難であった。
ドープできなかった原料ガス中のリン(P)は、装置のチャンバー内部壁面に付着しまい、チャンバー内を汚した。この汚れは、ダイヤモンド半導体の純度を悪化させ、半導体特性を劣化させた。そのため、チャンバー内部壁面の汚れを完全に除去する清掃工程を要し、生産プロセスを悪化させた。
プラズマCVD装置については、低または中電流型の注入装置を用いる高エネルギーの注入方法およびこれに対応する装置が開示されている。プラズマキャビティと固定フランジを備える構成であるが、しかし、この構成でも、上記課題を解決できない(特許文献7)。
特開2013−67541号公報 特開2011−225440号公報 特開2006−173313号公報 特開2013−67541号公報 特開2011−225440号公報 特開2011−176360号公報 特表平8−511658号公報
本発明は、原料ガス中のリン(P)をダイヤモンド膜内に高効率で導入可能なプラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマCVD装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記事情を鑑みて、試行錯誤することにより、プラズマキャビティ内のガスの流れに着目し、基板を配置するフランジであって、プラズマキャビティの下部に配置するものに、フランジ平面視中心の基板配置領域をなるべく密接して取り囲むようにリング状のガス排出領域を形成し、ガス排出領域において複数の平面視円形状の孔部を形成することにより、プラズマキャビティ上部から基板に向けて噴出されたガスが、基板表面にあたってから、孔部から、速やかにプラズマキャビティ外部へ排出され、基板上にダイヤモンドが成膜されるときに、原料ガス内のリン(P)が効率よく膜内に取り込まれること、また、隣接する孔部の中心点間隔が少なくとも5.5mm以上とされているので、フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、膜の均一性を向上させることができことから、原料ガス内のリン(P)を効率よくダイヤモンドにドープすることを可能であり、低抵抗化したn型ダイヤモンド層を形成して、高効率のダイヤモンド半導体電子デバイスを作製できることを見出して、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1) 略円板状のプラズマキャビティ用フランジであって、外周側面部が、2枚の円板部材が空間部を介して対面配置されたマイクロ波反射形状とされており、一の円板部材の平面視中心を基板中心点とする平面視円状領域が基板配置領域とされており、前記基板配置領域を囲むように平面視リング状のガス排出領域が設けられており、前記ガス排出領域内に6以上の平面視円状の孔部が設けられており、前記孔部の直径は6mm以下であり、基板中心点に対して点対称に設けられており、かつ、隣接する孔部の中心点間隔が少なくとも5.5mm以上とされていることを特徴とするプラズマキャビティ用フランジ。
(2) 円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられていることを特徴とする(1)に記載のプラズマキャビティ用フランジ。
(3) 円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のプラズマキャビティ用フランジ。
(4) 円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のプラズマキャビティ用フランジ。
(5) 円筒容器を有するプラズマキャビティであって、前記円筒容器の一端側の開口部が石英窓板でふさがれており、前記開口部の近傍に噴射口が設けられており、前記円筒容器の他端側の開口部に、一の円板部材の一面が前記円筒容器の軸方向と垂直となるように、かつ、前記円筒容器の内壁から外周側面部を離間して、(1)〜(4)のいずれかに記載のプラズマキャビティ用フランジが配置されていることを特徴とするプラズマキャビティ。
(6) 開口部を備えた成膜用チャンバーと、前記開口部を塞ぐ蓋板と、前記蓋板に取り付けたガス導入管と、前記蓋板の一面と円筒容器の軸方向を垂直にし、前記蓋板に石英窓板を嵌合させ、前記蓋板に取り付けた(5)に記載のプラズマキャビティと、前記石英窓板に一端側を接続したマイクロ波導入管と、前記マイクロ波導入管の他端側に接続したマイクロ波発生装置と、前記成膜用チャンバーの開口部の反対側の近傍に取り付けたガス排気管と、を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
本発明のプラズマキャビティ用フランジは、略円板状のプラズマキャビティ用フランジであって、外周側面部が、2枚の円板部材が空間部を介して対面配置されたマイクロ波反射形状とされており、一の円板部材の平面視中心を基板中心点とする平面視円状領域が基板配置領域とされており、前記基板配置領域を囲むように平面視リング状のガス排出領域が設けられており、前記ガス排出領域内に6以上の平面視円状の孔部が設けられており、前記孔部の直径は6mm以下であり、基板中心点に対して点対称に設けられており、かつ、隣接する孔部の中心点間隔が少なくとも5.5mm以上とされている構成なので、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明のプラズマキャビティは、円筒容器を有するプラズマキャビティであって、前記円筒容器の一端側の開口部が石英窓板でふさがれており、前記開口部の近傍に噴射口が設けられており、前記円筒容器の他端側の開口部に、一の円板部材の一面が前記円筒容器の軸方向と垂直となるように、かつ、前記円筒容器の内壁から外周側面部を離間して、先に記載のプラズマキャビティ用フランジが配置されている構成なので、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明のプラズマCVD装置は、開口部を備えた成膜用チャンバーと、前記開口部を塞ぐ蓋板と、蓋板に取り付けたガス導入管と、前記蓋板の一面と前記円筒容器の軸方向を垂直にし、前記蓋板に石英窓板を嵌合させ、前記蓋板に取り付けた先に記載のプラズマキャビティと、前記石英窓板に一端側を接続したマイクロ波導入管と、前記マイクロ波導入管の他端側に接続したマイクロ波発生装置と、前記成膜用チャンバーの開口部の反対側の近傍に取り付けたガス排気管と、を有する構成なので、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマCVD装置の一例を示す概略図であって、全体概略図(a)及び蓋板の内部構造図(b)である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティの一例を示す概略図である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの一例を示す概略図であって、平面図(a)と、側面図(b)である。 プラズマキャビティ内の原料ガスの流れの一例を示す説明図であって、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジを用いた場合(a)と、従来のフランジを用いた場合(b)である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの更に別の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの更に別の一例を示す概略図である。 作製した実施例1のステージ(チョークフランジ)の平面図である。 得られたダイヤモンド薄膜のSIMS測定結果を示すグラフである。 実施例2のステージの平面図である。 得られたダイヤモンド薄膜のSIMS測定結果を示すグラフである。 リンドープダイヤモンド薄膜中のリン濃度と原料ガス中のPH濃度の関係を示すグラフである。 比較例1のステージ(チョークフランジ)の平面図である。 得られたダイヤモンド薄膜のSIMS測定結果を示すグラフである。 貫通孔の列数とリン(P)取り込み効率との関係を示すグラフである。
(プラズマCVD装置)
まず、本発明の実施形態であるプラズマCVD装置について説明する。
図1は、本発明の実施形態であるプラズマCVD装置の一例を示す概略図であって、全体概略図(a)及び蓋板の内部構造図(b)である。
本発明の実施形態であるプラズマCVD装置1は、エンドランチ型マイクロ波プラズマCVD装置である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態であるプラズマCVD装置1は、開口部28aを備えた成膜用チャンバー28と、開口部28aを塞ぐ蓋板18と、蓋板18に取り付けたガス導入管(Gas inlet)17と、蓋板18の一面と円筒容器30の軸方向を垂直にし、蓋板18に石英窓板(Quartz window)36を嵌合させ、蓋板18に取り付けたプラズマキャビティ(Plasma cavity)29と、石英窓板36に一端側を接続したマイクロ波導入管15と、マイクロ波導入管15の他端側に接続したマイクロ波発生装置(Microwave generator)11と、前記成膜用チャンバーの開口部の反対側の近傍に取り付けたガス排気管と、を有する。
成膜用チャンバー28は、開口部28aと連通する空洞部28cを有している。空洞部28c内にプラズマキャビティ29が保持されている。
成膜用チャンバー28の空洞部28cには、ゲートバルブ(Gate valve)25を介して、ロードロックチャンバー19が接続されている。
ゲートバルブ25を閉じた状態で、ガス排気管に接続されたターボ分子ポンプ(図示略)により、内部を排気することにより、内部を到達真空度2×1010Torr程度に減圧可能とされている。ロードロックチャンバー19にも、別の排気管(Exhaust)26を介して、ターボ分子ポンプ(図示略)により、到達真空度2×1010Torr程度に減圧可能とされている。
プラズマキャビティ用フランジ31には基板ホルダー(Sample holder)33が設置され、基板ホルダー33に基板(Substrate)34が配置可能とされている。
ロードロックチャンバー19には、水平方向に移動可能な水平移動棒(Transfer rod)27が取り付けられている。
また、プラズマキャビティ用フランジ31は垂直方向に移動(Liner motion)自在な垂直移動棒32で支えられている。
垂直移動棒32により、プラズマキャビティ用フランジ31を下げた状態で、ゲートバルブ25を開け、水平移動棒27に取り付けた基板を水平方向に移動して、プラズマキャビティ用フランジ31上の基板ホルダー33に設置することができる。その後、水平移動棒27を引き戻し、ゲートバルブを閉め、垂直移動棒32を上げることにより、基板をプラズマキャビティ内の所定の位置に配置できる。
図1(b)に示すように、ガス導入管17は、噴射口37が8つ設けられたリング状の管17cに接続されている。基板方向に向けた原料ガスの噴射口37が8つ等間隔で点対称となるように設けられている。これにより、原料ガスを基板方向に向けて噴射することができる。噴射された原料ガスは、原料ガスはプラズマキャビティ29内を通過し、成膜用チャンバー28の空洞部28cからガス排気管23を介して外部に排気される。
原料ガスがガス導入管17を通ってリング状の管17cへと入る。このリング状の管17cは蓋板18の中に、蓋板18の円周に沿うように完全に内蔵されている。このリング状の管17cから、キャビティ円筒30の内壁に8つの導入ラインがさらに伸びていて、キャビティ内壁に8つの噴射口37を形成している。
マイクロ波導入管15には、TE−TMモード変換器が設けられている。マイクロ波発生装置11で発生させたマイクロ波は、チューナー12で制御されて、マイクロ波導入管15内を移動し、マイクロ波のTEモードをTMモードに変換し、石英窓部36を通過して、プラズマキャビティ29内に導入される。これにより、プラズマキャビティ29内でプラズマ(Plasma)35を発生させることができる。
放射温度計(Radiation thermometer)14では、プリズム(Prism)13及び石英窓部36を介して、プラズマキャビティ29内のプラズマ35の様子を観測できる。
(プラズマキャビティ)
次に、本発明の実施形態であるプラズマキャビティについて説明する。
図2は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティの一例を示す概略図である。
図2に示すように、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ29は、円筒容器30を有するプラズマキャビティであって、円筒容器30の一端側の開口部が石英窓板36でふさがれており、前記開口部の近傍に噴射口37が設けられており、円筒容器30の他端側の開口部に、一の円板部材の一面が前記円筒容器30の軸方向と垂直となるように、かつ、円筒容器30の内壁から外周側面部を離間して、プラズマキャビティ用フランジ31が配置されている。
(プラズマキャビティ用フランジ)
まず、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジについて説明する。
図3は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの一例を示す概略図であって、平面図(a)と、側面図(b)である。
図3(b)に示すように、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジ31は、略円板状のプラズマキャビティ用フランジである。外周側面部41が、2枚の円板部材41a、41bが空間部を介して対面配置されたマイクロ波反射形状とされている。プラズマキャビティ用フランジ31は、垂直移動棒32で支えられており、上下移動自在とされている。
図3(a)に示すように、一の円板部材41aの平面視中心を基板中心点Oとする平面視円状領域が基板配置領域43とされており、基板配置領域43を囲むように平面視リング状のガス排出領域44が設けられている。基板配置領域43に基板ホルダー33が設置される。
ガス排出領域44内に6以上の平面視円状の孔部45が設けられている。
孔部45の直径は6mm以下である。これにより、マイクロ波をプラズマキャビティ内に閉じ込めることができる。6mm超とすると、マイクロ波を閉じ込められない場合が生じる。
孔部45は、基板中心点Oに対して点対称に設けられている。これにより、基板正面にあたり、外部に排出されるガスの流れを等方的にでき、リン(P)を面内で均一にドープできる。点対象としない場合は、Pの面内分布が不均一となる場合が生じる。
また、隣接する孔部45の中心点間隔d45が少なくとも7.5mm以上とされている。これにより、フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、膜の均一性を向上させることができる。
例えば、円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように、22.5°間隔で、16個の孔部45を等間隔で設ける。
以上の構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。また、原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。また、フランジの剛直性を確保して、基板34を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
図4は、プラズマキャビティ内の原料ガスの流れの一例を示す説明図であって、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジを用いた場合(a)と、従来のフランジを用いた場合(b)である。
プラズマキャビティ29の複数の噴射口37から噴出させた原料ガスGはプラズマ35と反応し、基板34上に堆積してダイヤモンド膜を形成する。このとき、反応に関与しなかった原料ガスGは、プラズマキャビティ用フランジ31に設けられた孔部45から効率的に排出される。このように原料ガスGの流れを制御することにより、不純物を効率よく取り込んでダイヤモンド薄膜を形成できる。なお、プラズマキャビティ用フランジ31の外周側面部の隙間からもわずかに原料ガスGは排出されるが、原料ガスGの流れにほとんど影響しない。
比較のために、孔部を形成していない従来のフランジを用いた場合の原料ガスGの流れを説明する。原料ガスGは基板34方向に噴出されるが、プラズマ35と反応した後、原料ガスGは壁面方向に流れ、フランジの外周側面部の隙間からのみ排出される。このため、基板34上に原料ガスGを効率よく流すことができず、基板成長が遅くなるとともに、不純物の取り込み効率も低くなる。
図5は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。
円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている。
基板配置領域53を囲むように平面視リング状のガス排出領域54が設けられ、ガス排出領域54内に6以上の平面視円状の孔部55が設けられる構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。また、原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。
また、隣接する孔部55の中心点間隔d55が少なくとも8.9mm以上とされている。フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
図6は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。
円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている。
基板配置領域63を囲むように平面視リング状のガス排出領域64が設けられ、ガス排出領域64内に6以上の平面視円状の孔部65が設けられる構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。また、原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。
また、隣接する孔部65の中心点間隔d65が少なくとも10.9mm以上とされている。フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
図7は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。
円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられ、かつ、円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている。
基板配置領域73を囲むように平面視リング状のガス排出領域74が設けられ、ガス排出領域74内に6以上の平面視円状の孔部75が設けられる構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。
また、隣接する孔部75の中心点間隔d75が少なくとも5.5mm以上とされている。原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。また、フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
図8は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。
円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられ、かつ、円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている。
基板配置領域83を囲むように平面視リング状のガス排出領域84が設けられ、ガス排出領域84内に6以上の平面視円状の孔部85が設けられる構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。
また、隣接する孔部85の中心点間隔d85が少なくとも7.5mm以上とされている。原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。また、フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
図9は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの別の一例を示す概略図である。
円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられ、かつ、円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている。
基板配置領域93を囲むように平面視リング状のガス排出領域94が設けられ、ガス排出領域94内に6以上の平面視円状の孔部95が設けられる構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。
また、隣接する孔部95の中心点間隔d95が少なくとも7.0mm以上とされている。原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。また、フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
図10は、本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジの更に別の一例を示す概略図である。
円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられ、円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられ、かつ、円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている。
基板配置領域103を囲むように平面視リング状のガス排出領域104が設けられ、ガス排出領域104内に6以上の平面視円状の孔部105が設けられる構成により、マイクロ波を効率よく閉じ込めることができる。
また、隣接する孔部105の中心点間隔d105が少なくとも5.5mm以上とされている。原料ガス内のリン(P)を効率よく膜内に取り込むことができる。また、フランジの剛直性を確保して、基板を安定に保つことができ、ダイヤモンド膜の均一性を向上させることができる。
本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジ31、51、61、71、81、91、101は、略円板状のプラズマキャビティ用フランジであって、外周側面部41が、2枚の円板部材41a、41bが空間部を介して対面配置されたマイクロ波反射形状とされており、一の円板部材41aの平面視中心を基板中心点とする平面視円状領域が基板配置領域43、53、63、73、83、93、103とされており、前記基板配置領域を囲むように平面視リング状のガス排出領域44、54、64、74、84、94、104が設けられており、前記ガス排出領域内に6以上の平面視円状の孔部45、55、65、75、85、95、105が設けられており、前記孔部の直径は6mm以下であり、基板中心点Oに対して点対称に設けられており、かつ、隣接する孔部の中心点間隔d45、d55、d65、d75、d85、d95、d105が少なくとも5.5mm以上とされている構成なので、基板表面を通過するガスの流れを多くするように制御でき、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジ51、71、91、101は、円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている構成なので、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジ31、71、81、101は、円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている構成なので、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジ61、81、91、101は、円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられている構成なので、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマキャビティ29は、円筒容器30を有するプラズマキャビティであって、前記円筒容器の一端側の開口部が石英窓板36でふさがれており、前記開口部の近傍に噴射口37が設けられており、前記円筒容器の他端側の開口部に、一の円板部材41aの一面が前記円筒容器の軸方向と垂直となるように、かつ、前記円筒容器の内壁から外周側面部41を離間して、先に記載のプラズマキャビティ用フランジ31が配置されている構成なので、基板表面を通過するガスの流れを多くするように制御でき、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマCVD装置1は、開口部28aを備えた成膜用チャンバー28と、前記開口部を塞ぐ蓋板18と、蓋板に取り付けたガス導入管17と、前記蓋板の一面と円筒容器30の軸方向を垂直にし、前記蓋板に石英窓板36を嵌合させ、前記蓋板に取り付けたプラズマキャビティ29と、前記石英窓板に一端側を接続したマイクロ波導入管15と、前記マイクロ波導入管の他端側に接続したマイクロ波発生装置11と、前記成膜用チャンバーの開口部の反対側の近傍に取り付けたガス排気管23と、を有する構成なので、基板表面を通過するガスの流れを多くするように制御でき、原料ガス中のリン(P)を高効率でダイヤモンド膜内に導入できる。
本発明の実施形態であるプラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマCVD装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<ステージ(チョークフランジ)作製>
まず、実施例1のステージ(チョークフランジ)を作製した。ステージ(チョークフランジ)の円板平面中心から23mmの同心円上の位置に、中心点で点対象となるように、直径6mmの貫通穴を、貫通穴:間隙面積比=1:1となるように、16個開けて、実施例1のステージ(チョークフランジ)を作製した。間隙面積は、外周側面部と円筒内壁との平面視間隙の面積である。
図11は、作製した実施例1のステージ(チョークフランジ)の平面図である。
<リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の作製>
以下のようにして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の作製を行った。
まず、本発明の実施形態で示した独自のエンドランチ型マイクロ波プラズマCVD装置のチャンバー内部のプラズマキャビティの下部に実施例1のステージを配置した。
次に、ターボ分子ポンプにより、チャンバー内部を排気して、到達真空度2×1010Torr程度に減圧した。
次に、垂直移動棒により、実施例1のステージを下げた。
次に、ゲートバルブを開け、ロードロックチャンバーに入れたIb型ダイヤモンド{111}基板を、水平移動棒により、ステージ(チョークフランジ)の基板配置部にセットした。
次に、実施例1のステージを上げ、プラズマキャビティ内の所定の位置に基板を配置した。
次に、プラズマキャビティ上部に8箇所、等方的に配置された直径2mmのポートから、原料ガスを圧力100Torrで、メタン濃度CH/Hは0.05%、H希釈PH(希釈率PH/H濃度比100ppm)を用い、原料ガス中におけるリン濃度(PH/CH濃度比)は100ppmとして、原料ガスを導入し、下部から排出した。
次に、マイクロ波を出射して、プラズマキャビティ内にプラズマを発生させ、基板温度を915−930oCとなるようにマイクロ波出力を調整して基板表面にリンドープダイヤモンド薄膜の合成を行った。
図12は、得られたダイヤモンド薄膜のSIMS測定結果を示すグラフである。図12から、ダイヤモンドへのリン(P)濃度は、8×1016cm−3となった。
チョークフランジ・キャビティ内壁の間隙だけでなく、貫通孔もガスを排出させたので、原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は0.47%となった。
(実施例2)
<ステージ(チョークフランジ)作製>
次に、実施例2のステージ(チョークフランジ)を作製した。
まず、ステージ(チョークフランジ)の円板平面中心から23mmの同心円上の位置に、基板中心点で点対象となるように、直径6mmの貫通穴を16個開けた。
次に、円板平面中心から19.25mmの同心円上の位置に、基板中心点で点対象となるように、直径4mmの貫通穴を16個開けた。
次に、円板平面中心から23mmの同心円上の位置に、基板中心点で点対象となるように、直径6mmの貫通穴を、16個開けた。
貫通穴の合計面積:間隙面積比=2:1となるようにした。
以上により、実施例2のステージ(チョークフランジ)を作製した。
図13は、実施例2のステージの平面図である。
<リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の作製>
次に、実施例2のステージを用いた他は実施例1と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。
図14は、得られたダイヤモンド薄膜のSIMS測定結果を示すグラフである。図14から、ダイヤモンドへのリン(P)濃度は、8.5×1017cm−3となった。
チョークフランジ・キャビティ内壁の間隙だけでなく、貫通孔もガスを排出させたので、原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は5%となった。
(実施例2−2)
次に、CHガス中のPH濃度を400ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、2.3×1018cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は3.27%であった。
(実施例2−3)
次に、CHガス中のPH濃度を400ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、7.1×1018cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は10.1%であった。
(実施例2−4)
次に、CHガス中のPH濃度を1000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、1.1×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は6.25%であった。
(実施例2−5)
次に、CHガス中のPH濃度を1000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、1.4×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は7.95%であった。
(実施例2−6)
次に、CHガス中のPH濃度を4000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、5.4×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は7.67%であった。
(実施例2−7)
次に、CHガス中のPH濃度を4000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、7.4×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は10.5%であった。
(実施例2−8)
次に、CHガス中のPH濃度を100ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、5.5×1017cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は3.13%であった。
(実施例2−9)
次に、CHガス中のPH濃度を100ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、7×1017cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は3.98%であった。
(実施例2−10)
次に、CHガス中のPH濃度を1000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、5.8×1018cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は3.3%であった。
(実施例2−11)
次に、CHガス中のPH濃度を10000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、9×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は5.11%であった。
(実施例2−12)
次に、CHガス中のPH濃度を10000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、6.5×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は3.69%であった。
(実施例2−13)
次に、CHガス中のPH濃度を100ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、2×1017cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は1.14%であった。
(実施例2−14)
次に、CHガス中のPH濃度を4000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、3.6×1019cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は5.11%であった。
(実施例2−15)
次に、CHガス中のPH濃度を1000ppmとした他は実施例2と同様にして、リンドープn型ダイヤモンドCVD薄膜の合成を行った。SIMS測定から、ダイヤモンド薄膜中のリン(P)濃度は、8.8×1018cm−3となった。原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は5.18%であった。
図15は、(実施例2)および(実施例2−2)から(実施例2−15)をまとめたリンドープダイヤモンド薄膜中のリン濃度と原料ガス中のPH濃度の関係を示すグラフである。貫通穴:間隙面積比=2:1の場合において、ガス中のPH濃度を100ppmから10000ppmへ変化させるのに従い、ダイヤモンド膜中のリン濃度はほぼ比例して増加した。
(比較例1)
図16は、比較例1のステージ(チョークフランジ)の平面図である。
貫通穴なしのステージ(チョークフランジ)(比較例1)を用いた他は実施例1と同様にして、リンドープダイヤモンド薄膜の合成を行った。
図17は、得られたダイヤモンド薄膜のSIMS測定結果を示すグラフである。図17から、ダイヤモンドへのリン(P)濃度は、約8×1015cm−3となった。
チョークフランジ・キャビティ内壁の間隙だけでガスを排出させたので、原料ガス中のリン(P)の取り込み効率は約0.05%であった。
次に、比較例1、実施例1、2−1のSIMS結果に基づいて、貫通孔の列数とリン(P)取り込み効率との関係を棒グラフにまとめた。
図18は、貫通孔の列数とリン(P)取り込み効率との関係を示すグラフである。
3列が高い効率を示した。すなわち、貫通孔:間隙面積比が大きいほど高い効率を示した。
(試験例1)
有限要素法により、チャンバー内のガス流のシミュレーション実験を行った。
シミュレーション実験の結果、チョークフランジに貫通穴が存在する場合、キャビティ上部からプラズマ領域を経て基板表面に達する部分のガス流束が大きくなることが判明した。
プラズマ領域を経て基板表面に達する部分のガス流束が大きくなることにより、貫通穴により上部から下部へのガス流束がスムーズになり、プラズマ熱による対流の影響を抑えながら、PH分子をプラズマ領域への供給できる。これにより、ドーパントを含む気相種の基板表面への到達が促進され、ダイヤモンド膜へのリン原子の取り込み効率が向上したものと推察した。
本発明のプラズマキャビティ用フランジ、プラズマキャビティ及びプラズマCVD装置は、原料ガス中のリン(P)をダイヤモンド膜内に高効率で導入可能であるので、ダイヤモンド半導体製造産業、パワーデバイス製造産業等において利用可能性がある。
1…プラズマCVD装置、11…マイクロ波発生装置、12…チューナー、13…プリズム、14…放射サーモメータ―、15…マイクロ波導入管、17…ガス導入管、17c…リング状の管、18…蓋部、19…ロードロックチャンバー、23…ガス排気管、25…ゲートバルブ、26…ガス排気管、27…水平移動棒、28…成膜用チャンバー、28a…開口部、28c…空洞部、29…プラズマキャビティ、30…円筒容器、31…プラズマキャビティ用フランジ、32垂直移動棒、33…基板ホルダー、34…基板、35…プラズマ、36…石英窓部、37…噴射口、41…外周側面部、41a…円板部材、41b…円板部材、43…基板配置領域、44…ガス排出領域、45…孔部、51…外周側面部、53…基板配置領域、54…ガス排出領域、55…孔部、61…外周側面部、63…基板配置領域、64…ガス排出領域、65…孔部、71…外周側面部、73…基板配置領域、74…ガス排出領域、75…孔部、81…外周側面部、83…基板配置領域、84…ガス排出領域、85…孔部、91…外周側面部、93…基板配置領域、94…ガス排出領域、95…孔部、101…外周側面部、103…基板配置領域、104…ガス排出領域、105…孔部、G…原料ガス。

Claims (6)

  1. 略円板状のプラズマキャビティ用フランジであって、
    外周側面部が、2枚の円板部材が空間部を介して対面配置されたマイクロ波反射形状とされており、
    一の円板部材の平面視中心を基板中心点とする平面視円状領域が基板配置領域とされており、
    前記基板配置領域を囲むように平面視リング状のガス排出領域が設けられており、
    前記ガス排出領域内に6以上の平面視円状の孔部が設けられており、
    前記孔部の直径は6mm以下であり、基板中心点に対して点対称に設けられており、かつ、隣接する孔部の中心点間隔が少なくとも5.5mm以上とされていることを特徴とするプラズマキャビティ用フランジ。
  2. 円板平面中心から22mm以上24mm以下の同心円上に孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマキャビティ用フランジ。
  3. 円板平面中心から19mm以上20mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマキャビティ用フランジ。
  4. 円板平面中心から27mm以上29mm以下の同心円上にも孔部中心が位置するように複数の孔部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマキャビティ用フランジ。
  5. 円筒容器を有するプラズマキャビティであって、
    前記円筒容器の一端側の開口部が石英窓板でふさがれており、
    前記開口部の近傍に噴射口が設けられており、
    前記円筒容器の他端側の開口部に、一の円板部材の一面が前記円筒容器の軸方向と垂直となるように、かつ、前記円筒容器の内壁から外周側面部を離間して、請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマキャビティ用フランジが配置されていることを特徴とするプラズマキャビティ。
  6. 開口部を備えた成膜用チャンバーと、
    前記開口部を塞ぐ蓋板と、
    蓋板に取り付けたガス導入管と、
    前記蓋板の一面と円筒容器の軸方向を垂直にし、前記蓋板に石英窓板を嵌合させ、前記蓋板に取り付けた請求項5に記載のプラズマキャビティと、
    前記石英窓板に一端側を接続したマイクロ波導入管と、
    前記マイクロ波導入管の他端側に接続したマイクロ波発生装置と、
    前記成膜用チャンバーの開口部の反対側の近傍に取り付けたガス排気管と、
    を有することを特徴とするプラズマCVD装置。
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