JP2016014470A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動機の出力変動を抑制することができる車両用駆動装置を提供する。【解決手段】電動機にオイルを供給するオイルポンプと、油路に設けられたオイルクーラと、オイルクーラをバイパスするバイパス油路と、オイルがオイルクーラを流れることを規制する第一状態と、オイルをオイルクーラに流す第二状態とに切り替わる制御弁とを備え、制御部は、循環させているオイルの温度が所定値未満である間は制御弁を第一状態とし、かつ循環させているオイルの温度が所定値以上となると制御弁を第二状態とし、制御弁を第二状態としてから所定期間PE1の経過後に、電動機の電圧指令値vを要求出力Pdに応じた電圧指令値vdよりも小さくする。【選択図】図5

Description

本発明は、車両用駆動装置に関する。
従来、オイルクーラと、オイルクーラを迂回するバイパス油路を備えた車両がある。例えば、特許文献1には、ウォーマ機能付ATFクーラとATFクーラとを結ぶ油路に、ATFクーラを迂回するバイパス油路を設けると共に、油路とバイパス油路との分岐部に、制御部から出力される制御信号に基づいて油路の選択切り換えを行う切換制御弁を設ける車両の油温制御装置が開示されている。
特許文献1の制御部は、ウォーマ機能付ATFクーラから排出されたオートマチックフルードの油温が予め設定された設定温度に達したか否かを判断し、油温が予め設定された設定温度に達した場合には、ウォーマ機能付ATFクーラとATFクーラとを連通させる制御信号を出力し、また、油温が予め設定された設定温度に達していない場合には、ウォーマ機能付ATFクーラとバイパス油路とを連通させる制御信号を出力する。
特開2006−207606号公報
ここで、循環しているオイルは適温となっていても、オイルクーラ内に滞留していたオイルは低温のままである。このため、オイルがオイルクーラを経由して循環し始める時に、オイルクーラ内に滞留していた低温のオイルが流出する。電動機を有する車両用駆動装置において、オイルクーラ内に滞留していた低温のオイルが供給されて電動機の温度が急に変化すると、電動機の出力が変動し、ドライバビリティの低下を招く可能性がある。
本発明の目的は、電動機の出力変動を抑制することができる車両用駆動装置を提供することである。
本発明の車両用駆動装置は、油路を介して電動機およびデファレンシャルギヤに対してオイルを供給するオイルポンプと、前記油路に設けられ、前記オイルを冷却するオイルクーラと、前記オイルクーラをバイパスするバイパス油路と、前記オイルが前記オイルクーラを流れることを規制する第一状態と、前記オイルを前記オイルクーラに流す第二状態とに切り替わる制御弁と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記オイルポンプが循環させている前記オイルの温度が所定値未満である間は前記制御弁を前記第一状態とし、かつ前記制御弁が前記第一状態である場合に前記オイルポンプが循環させている前記オイルの温度が前記所定値以上となると前記制御弁を前記第二状態とし、前記制御部は、前記制御弁を前記第二状態としてから所定期間の経過後に、前記電動機の電圧指令値を前記電動機に対する要求出力に応じた電圧指令値よりも小さくすることを特徴とする。
上記車両用駆動装置において、前記所定期間は、前記油路と前記バイパス油路との下流側の接続部から前記電動機までの前記油路の長さに基づいて予め定められた期間であることが好ましい。
上記車両用駆動装置において、更に、前記油路から前記電動機に供給される前記オイルの温度を検出する油温センサを備え、前記所定期間は、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記油温センサによって検出される前記オイルの温度が第二の所定値以下となるまでの期間であることが好ましい。
上記車両用駆動装置において、更に、前記油路から前記電動機に供給される前記オイルの温度を検出する油温センサを備え、前記所定期間は、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記油温センサによって検出される前記オイルの温度の低下量が第三の所定値よりも大となるまでの期間、あるいは、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記油温センサによって検出される前記オイルの温度の低下率が第四の所定値よりも大となるまでの期間であることが好ましい。
上記車両用駆動装置において、更に、前記電動機の温度を検出する温度センサを備え、前記所定期間は、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記温度センサによって検出される前記電動機の温度が第五の所定値以下となるまでの期間であることが好ましい。
上記車両用駆動装置において、前記制御部は、前記所定期間の経過後に第二の所定期間が経過すると、前記電圧指令値を前記第二の所定期間における電圧値よりも大きな電圧値に変化させることが好ましい。
本発明に係る車両用駆動装置の制御部は、制御弁を第二状態としてから所定期間の経過後に、電動機の電圧指令値を電動機に対する要求出力に応じた電圧指令値よりも小さくする。これにより、オイルクーラに滞留していた低温のオイルが供給されることに起因する要求出力に対する電動機の実際の出力の乖離が抑制される。本発明に係る車両用駆動装置によれば、電動機の出力変動を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、第1実施形態に係る車両用駆動装置の動作を示すフローチャートである。 図2は、第1実施形態に係る車両用駆動装置の概略構成図である。 図3は、第1実施形態に係る車両用駆動装置において制御弁が開弁された状態を示す図である。 図4は、電動機の出力変動を示す図である。 図5は、第1実施形態の車両用駆動装置の動作に係るタイムチャートである。 図6は、第2実施形態に係る車両用駆動装置の動作を示すフローチャートである。 図7は、第3実施形態に係る車両用駆動装置の動作を示すフローチャートである。 図8は、第3実施形態に係る車両用駆動装置の概略構成図である。 図9は、各実施形態の第2変形例に係る車両用駆動装置の概略構成図である。
以下に、本発明の実施形態に係る車両用駆動装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1実施形態]
図1から図5を参照して、第1実施形態について説明する。本実施形態は、車両用駆動装置に関する。図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用駆動装置の動作を示すフローチャート、図2は、第1実施形態に係る車両用駆動装置の概略構成図、図3は、第1実施形態に係る車両用駆動装置において制御弁が開弁された状態を示す図、図4は、電動機の出力変動を示す図、図5は、第1実施形態の車両用駆動装置の動作に係るタイムチャートである。
図2に示す車両用駆動装置1は、ハイブリッド車両用の駆動装置である。車両100は、動力源として、電動機MGに加えて、エンジン20を有する。エンジン20および電動機MGから出力されるトルクは、デファレンシャルギヤ6を介して車両100の駆動輪に出力される。
第1実施形態の車両用駆動装置1は、オイルポンプ2と、オイルクーラ3と、バイパス油路4と、制御弁5と、ECU50とを含んで構成されている。電動機MGおよびデファレンシャルギヤ6は、ケース7内に配置されている。ケース7は、トランスアクスルのケースである。ケース7内には、更に、入力軸、遊星歯車機構、減速機構等が配置されている。入力軸には、エンジン20のトルクが入力される。遊星歯車機構は、例えば、エンジン20のトルクを分割する動力分割機構として機能する。減速機構は、例えば、電動機MGの回転を減速してデファレンシャルギヤ6に伝達する。
ケース7内の下部にはオイルパン7aが設けられている。オイル8は、オイルパン7aに貯留される。デファレンシャルギヤ6は、ケース7内の下部に配置されている。デファレンシャルギヤ6の少なくとも一部は、オイルパン7aに貯留するオイル8に接触していることが好ましい。オイルパン7aには、ストレーナ9が配置されている。ストレーナ9には、油路10が接続されている。油路10は、第一油路11および第二油路12を含んで構成されている。第一油路11は、ストレーナ9とオイルクーラ3とを接続している。第二油路12は、オイルクーラ3と電動機MGとを接続している。
オイルポンプ2は、油路10を介して電動機MGおよびデファレンシャルギヤ6を含むギヤ群に対してオイル8を供給する。オイルポンプ2は、第一油路11に配置されている。オイルポンプ2は、ストレーナ9を介してオイルパン7aのオイル8を吸い込み、電動機MGおよびギヤ群へ向けてオイル8を吐出する。オイルポンプ2は、例えば、エンジン20の回転によって駆動される。オイルポンプ2は、電動式のオイルポンプであってもよい。
オイルクーラ3は、油路10に設けられ、オイル8を冷却する冷却装置である。本実施形態のオイルクーラ3は、入口油路31と、熱交換部32と、出口油路33を含んで構成されている。入口油路31は、第一油路11と熱交換部32とを接続する。出口油路33は、熱交換部32と第二油路12とを接続する。熱交換部32は、オイル8と冷却水との熱交換を行う。熱交換部32に供給される冷却水は、例えば、ハイブリッドシステムの冷却水である。車両100は、ウォーターポンプ13、ラジエータ14および循環水路15を有する。循環水路15は、ウォーターポンプ13、ラジエータ14、インバータ16および熱交換部32を経由して冷却水を循環させる水路である。ウォーターポンプ13は、冷却水を循環水路15内に循環させる。ラジエータ14は、冷却水を冷却する。インバータ16は、電動機MGとバッテリとの電力の授受を制御する。具体的には、インバータ16は、バッテリからの直流電流を、電動機MGを駆動するための交流電流に変換する。また、インバータ16は、電動機MGで発電された交流電流をバッテリに充電するための直流電流に変換する。インバータ16は、循環水路15を介して供給される冷却水によって冷却される。
熱交換部32は、循環水路15を介して供給される冷却水と、オイル8との熱交換を行う。熱交換部32の内部には、入口油路31と出口油路33とを接続する熱交換用油路が設けられている。また、熱交換部32の内部には、循環水路15を介して供給される冷却水が流れる熱交換用水路が設けられている。熱交換用油路を流れるオイル8と熱交換用水路を流れる冷却水との熱交換がなされる。オイル8の油温が冷却水の水温よりも高温である場合、熱交換部32における熱交換によってオイル8が冷却される。
バイパス油路4は、オイルクーラ3をバイパスする。バイパス油路4の一端は第一油路11に接続されており、他端は第二油路12に接続されている。言い換えると、バイパス油路4は、油路10におけるオイルクーラ3よりもオイル8の流れ方向の上流側と、油路10におけるオイルクーラ3よりもオイル8の流れ方向の下流側とを接続している。つまり、バイパス油路4は、第一油路11と第二油路12とを連通する油路であり、オイルクーラ3を迂回して第一油路11から第二油路12にオイル8を導く。第一油路11とバイパス油路4との接続部11aは、油路10とバイパス油路4との上流側の接続部である。また、第二油路12とバイパス油路4との接続部12aは、油路10とバイパス油路4との下流側の接続部である。
制御弁5は、オイル8がオイルクーラ3を流れることを規制する第一状態と、オイル8をオイルクーラ3に流す第二状態とに切り替わる。本実施形態の制御弁5は、入口油路31に配置されている。制御弁5は、開閉弁であり、全閉状態と全開状態とに切り替わる。全閉状態の制御弁5は、入口油路31を閉塞し、第一油路11と熱交換部32とを遮断する。言い換えると、全閉状態の制御弁5は、入口油路31におけるオイル8の流通を禁止する。制御弁5の全閉状態は、オイル8がオイルクーラ3を流れることを規制する第一状態である。一方、全開状態の制御弁5は、入口油路31を開放し、第一油路11と熱交換部32とを連通する。全開状態の制御弁5は、入口油路31におけるオイル8の流通を許容し、第一油路11から入口油路31に流入するオイル8が熱交換部32に流入することを許容する。制御弁5の全開状態は、オイル8をオイルクーラ3に流す第二状態である。
ECU50は、制御部として機能する。本実施形態のECU50は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU50は、車両100の走行制御を行う機能を有する。ECU50は、アクセル開度および車速に基づいて、車両用駆動装置1に出力させる出力の要求値として、要求パワー、要求加速度、要求トルク等を算出する。本実施形態では、ECU50が車両100で発生させるべき要求パワーに基づいて電動機MGやエンジン20に対する要求出力を決定する。ECU50は、エンジン20に発生させるエンジン要求パワーおよび電動機MGに発生させるモータ要求パワーを決定する。エンジン要求パワーおよびモータ要求パワーを合計したものが車両100の要求パワーである。
ECU50は、モータ要求パワーに基づいて、モータ指示パワーPを決定する。モータ指示パワーPは、モータ要求パワーを実現するための電動機MGに関する指令値である。ECU50は、モータ指示パワーPに基づいて、電圧指令値vを決定する。電圧指令値vは、電動機MGに印加する電圧の指令値である。インバータ16は、電動機MGの回路に印加する電圧値を電圧指令値vとするように、スイッチング素子を制御する。インバータ16は、例えば、PWM制御により、電動機MGに印加する電圧の実効値が電圧指令値vとなるように、スイッチング素子のON/OFF制御を行う。
ECU50は、エンジン要求パワーに基づいて、エンジン20を制御する。ECU50は、エンジン要求パワーを実現するように、エンジン20のスロットル開度、燃料噴射量、点火タイミング等の指令値をエンジン20に出力する。
ECU50は、制御弁5を制御する。制御弁5は、弁体を駆動して全開状態および全閉状態に切り替えるアクチュエータを有する。アクチュエータは、例えば、電磁力によって制御弁5の全閉状態と全開状態を切り替える。また、制御弁5は、ECU50から閉弁指令がなされると、アクチュエータによって全閉状態に切り替わる。制御弁5は、ECU50から開弁指令がなされると、アクチュエータによって全開状態に切り替わる。
ECU50は、オイル8の油温に基づいて、制御弁5を制御する。本実施形態のECU50は、オイル8の温度が所定値未満である間はオイル8がオイルクーラ3を流れることを規制するように制御弁5を制御する。車両用駆動装置1は、油路10から電動機MGに供給されるオイル8の温度を検出する油温センサ17を有する。本実施形態の油温センサ17は、第二油路12の流出口に設けられている。第二油路12の流出口は、電動機MGの上部、例えばステータのケースの上部に接続されている。第二油路12の流出口から流出するオイル8は、電動機MGのステータおよびロータを冷却した後に流れ落ち、オイルパン7aに貯留される。油温センサ17は、第二油路12から電動機MGに供給されるオイル8の温度を検出する。
ECU50は、オイルポンプ2が油路10を経由して循環させているオイル8の温度が所定値未満である間は制御弁5を第一状態(本実施形態では全閉状態)とし、かつ制御弁5が第一状態である場合において、オイルポンプ2が油路10を経由して循環させているオイル8の温度が所定値以上となると制御弁5を第二状態(本実施形態では全開状態)とする。本実施形態のECU50は、油温センサ17によって検出される油温に基づいて制御弁5の第一状態と第二状態とを切り替える。ECU50は、例えば、ハイブリッドシステムの始動時に油温センサ17によって検出されるオイル8の油温が所定値未満である場合、制御弁5を全閉状態とし、油温が所定値以上とならない間は、制御弁5を全閉状態に維持する。従って、冷間始動時に油温センサ17によって検出されるオイル8の油温が所定値未満である間は、制御弁5が全閉状態とされ、オイル8がオイルクーラ3を流れることが規制される。ECU50は、油温センサ17によって検出される油温が所定値以上となるとオイル8がオイルクーラ3を流れるように制御弁5を全開状態に切り替える。所定値は、例えば、温度上昇による電動機MGの効率低下を抑制する観点やオイル8の劣化を抑制する観点等から定められる。
ECU50は、油温が所定値以上となると、制御弁5を全閉状態から全開状態に切り替える。これにより、オイル8が第一油路11からオイルクーラ3を経由して第二油路12に流れるようになり、高温となったオイル8が冷却される。ECU50は、油温センサ17によって検出される油温が閉弁温度以下となると、制御弁5を全開状態から全閉状態に切り替える。閉弁温度は、所定値よりも低い温度である。閉弁温度は、例えば、油温低下に起因するデファレンシャルギヤ6の攪拌損失等の損失増加を抑制する観点から定められる。
オイルクーラ3は、制御弁5が閉弁されている場合、オイル8を貯留する貯留部として機能する。制御弁5が閉弁している場合、オイル8は、第一油路11からバイパス油路4を経由して第二油路12に流れる。オイルクーラ3内のオイル8は、油路10等を循環せずにオイルクーラ3にとどまっている。これにより、車両用駆動装置1を循環するオイル8の実質的な熱容量が小さくなり、オイル8の温度上昇が促進される。オイル8の温度上昇が促進され、デファレンシャルギヤ6の攪拌損失が早期に低減することなどにより、燃費が向上する。
オイル8の温度が上昇して制御弁5が開弁されると、車両用駆動装置1を循環するオイル8に、オイルクーラ3内に滞留されていたオイル8が加わる。これにより、車両用駆動装置1を循環するオイル8の量が増加し、オイル8の実質的な熱容量が大きくなる。よって、オイル8の温度上昇が抑制される。
図2には、制御弁5が全閉状態である場合のオイル8の流れが示されている。制御弁5が全閉状態である場合、図2に示すように、オイルポンプ2によって送り出されるオイル8は、第一油路11からバイパス油路4を介して第二油路12に流れる。制御弁5が閉弁していることで、入口油路31が閉塞されている。従って、オイル8がオイルクーラ3を流れることが規制される。バイパス油路4から第二油路12に流入したオイル8は、電動機MGの上部に供給され、電動機MGを冷却する。電動機MGを冷却したオイル8は、ケース7のオイルパン7aに貯留され、ストレーナ9を介してオイルポンプ2に吸い込まれる。また、オイルパン7aに貯留されたオイル8は、デファレンシャルギヤ6を潤滑する。なお、制御弁5が全閉状態である場合、熱交換部32に滞留しているオイル8は未昇温の状態であり、油路10を循環しているオイル8と比べて低温となる。
図3には、制御弁5が全開状態である場合のオイル8の流れが示されている。制御弁5が全開状態である場合、図3に示すように、オイルポンプ2によって送り出されるオイル8は、第一油路11から入口油路31に流入することが許容される。入口油路31に流入したオイル8は、熱交換部32に流入して冷却水との熱交換により冷却される。冷却後のオイル8は、熱交換部32から出口油路33を介して第二油路12に流入する。なお、制御弁5が全開状態である場合に、オイル8がバイパス油路4を流れることも許容される。すなわち、オイルポンプ2によって送り出されるオイル8の一部は第一油路11からオイルクーラ3を経由して第二油路12に流れ、オイル8の残りの一部が第一油路11からバイパス油路4を経由して第二油路12に流れてもよい。
ここで、オイルポンプ2が循環させているオイル8の温度上昇に応じて制御弁5が開弁されると、オイルクーラ3内に滞留していた低温のオイル8が第二油路12から電動機MGに供給される。これにより、以下に図4を参照して説明するように、電動機MGの出力変動が生じてしまうという問題がある。図4には、(a)制御弁5の開閉状態、(b)油温T、(c)モータ温T’、(d)モータ指示パワーPおよび(e)モータ実効パワーP’が示されている。油温Tは、第二油路12から電動機MGに供給されるオイル8の温度である。モータ温T’は、電動機MGの温度であり、例えばステータの温度である。モータ実効パワーP’は、電動機MGが実際に出力するパワーの値である。
図4において、モータ指示パワーPは、電動機MGに対する要求出力Pd(モータ要求パワー)と同じ値(P=Pd)とされている。
図4では、オイルポンプ2が循環させているオイル8の温度に基づいて、時刻0に制御弁5が開弁される。すると、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が第二油路12へ流出し、電動機MGへ向けて流れ始める。時刻t01にオイルクーラ3から流れ出したオイル8が電動機MGへ到達し、電動機MGに供給され始める。これにより、時刻t01に油温Tが急激に低下する。油温Tの低下に応じて、モータ温T’も低下する。モータ温T’が低下すると、電動機MGの銅線部の抵抗値が下がる。その結果、モータ指示パワーPが同じ値P(電動機MGの電圧指令値vが同じ電圧値v1)であっても、実際に電動機MGに流れる電流値が増加してしまう。言い換えると、同じ電圧指令値vであっても、実際に電動機MGの回路に流れる電流値が増加してしまい、目標値を上回る電流が電動機MGに流れてしまう。その結果、時刻t01以降のモータ実効パワーP’の値P’と電動機MGに対する要求出力Pdとに乖離が生じてしまう。時刻t01にモータ実効パワーP’が増加してしまい、トルク変動により車両100にショックが発生してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る車両用駆動装置1のECU50は、以下に図5を参照して説明するように、制御弁5を第二状態としてから所定期間PE1の経過後に、電動機MGの電圧指令値vを電動機MGに対する要求出力Pdに応じた電圧指令値(vd)よりも低トルク側の小さな電圧指令値(v2)に補正する。また、本実施形態の補正後の電圧指令値(v2)は、当該補正が行われない場合の電圧指令値(vd)よりも、オイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに供給されることによる要求出力(Pd)と電動機MGの実際の出力(P’)との乖離を抑制する電圧値である。ECU50は、例えば、モータ指示パワーPと電圧指令値vdとの対応関係を示すマップを記憶しており、このマップに基づいてモータ指示パワーPから電圧指令値vdを決定する。このマップに従うと、例えば、モータ指示パワーPの増加に応じて電圧指令値vdが増加し、モータ指示パワーPの減少に応じて電圧指令値vdが減少する。所定期間PE1が経過するまでは、このマップに基づく電圧指令値vdが電動機MGに対して出力される。所定期間PE1の経過後は、このマップに基づく電圧指令値vdに代えて、補正後の電圧指令値v2が電動機MGに対して出力される。
所定期間PE1は、例えば、制御弁5が開弁されてから、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が電動機MGに到達するまでの所要時間である。本実施形態の車両用駆動装置1によれば、オイルクーラ3内に滞留していた低温のオイル8が電動機MGに到達するときに、電圧指令値vが要求出力Pdに対応する電圧指令値vdよりも小さな電圧値に補正される。補正後の電圧指令値(v2)は上記のマップに基づく電圧指令値vdよりも低電圧である。これにより、トルク変動が抑制され、ドライバビリティが向上する。
図5には、モータ要求パワー(要求出力Pd)が一定の値で推移した場合のモータ指示パワーPや電圧指令値v、モータ実効パワーP’が示されている。本実施形態の所定期間PE1は、制御弁5が開弁される時刻0から、電動機MGに接触しているオイル8の油温Tが低下する時刻t1までの期間である。所定期間PE1は、例えば、油路10とバイパス油路4との下流側の接続部12aから電動機MGまでの油路10の長さL(図2参照)に基づいて予め定められた期間である。長さLに基づいて、オイルクーラ3から流出するオイル8が接続部12aから第二油路12を流れて電動機MGに到達するまでの所要時間が算出可能である。所定期間PE1は、例えば、この所要時間とされる。
ECU50は、所定期間PE1が経過した時刻t1にモータ指示パワーPをそれまでの指示パワーPから、指示パワーPに補正する。補正後の指示パワーPは、補正前の指示パワーPよりも低トルク側の値、言い換えると要求出力Pdよりも低トルク側の値である。また、ECU50は、モータ指示パワーPの補正に応じて電圧指令値vを補正する。補正後の電圧指令値v2は、補正前の電圧指令値v1、言い換えると要求出力Pdに応じた電圧指令値vdよりも低トルク側の値である。補正後の電圧指令値v2の大きさは、要求出力Pdに応じた電圧指令値vdの大きさよりも小さい。電圧指令値vが低トルク側の電圧値に補正されることで、要求出力Pdとモータ実効パワーP’との乖離が抑制される。本実施形態では、オイルクーラ3から流出した低温のオイル8が電動機MGに供給されることによる要求出力Pdとモータ実効パワーP’との乖離を抑制するように電圧指令値vが補正される。電圧指令値vの補正量は、モータ実効パワーP’を要求出力Pdから乖離させない値であることが好ましい。例えば、補正後の電圧指令値v2は、モータ実効パワーP’を要求出力Pdに一致させる値であることが好ましい。
図1を参照して、第1実施形態の車両用駆動装置1の動作について説明する。図1に示す制御フローは、例えば、オイルポンプ2がオイル8を循環させているときに実行されるものである。
ステップS10では、ECU50により、油温Tが取得される。ECU50は、例えば、油温センサ17からオイル8の油温を取得する。ステップS10が実行されると、ステップS20に進む。
ステップS20では、ECU50により、油温Tが所定値α以上であるか否かが判定される。所定値αは、制御弁5の第一状態と第二状態を切り替える閾値の油温である。ステップS20の判定の結果、油温Tが所定値α以上であると判定された場合(ステップS20−Y)にはステップS30に進み、そうでない場合(ステップS20−N)にはステップS10に移行する。
ステップS30では、ECU50により、バルブ開指令がなされる。ECU50は、制御弁5に対して開弁指令を出力する。制御弁5は、開弁指令に応じて開弁し、第一油路11と熱交換部32とを連通する第二状態となる。ステップS30が実行されると、ステップS40に進む。
ステップS40では、ECU50により、タイマー値tに0がセットされる。タイマー値tは、制御弁5が開弁して第二状態に切り替わってからの経過時間をカウントする値である。ステップS40が実行されると、ステップS50に進む。
ステップS50では、ECU50により、タイマー値tが第一タイマー値t1以上であるか否かが判定される。第一タイマー値t1は、所定期間PE1の経過を判断する閾値である。タイマー値tが第一タイマー値t1以上である場合、所定期間PE1が経過したと判断される。第一タイマー値t1は、例えば、第二油路12の容量と、オイルポンプ2の吐出能力に基づいて予め定められてもよい。ステップS50の判定の結果、タイマー値tが第一タイマー値t1以上であると判定された場合(ステップS50−Y)にはステップS70に進み、そうでない場合(ステップS50−N)にはステップS60に進む。
ステップS60では、ECU50により、タイマー値tがカウントアップされる。ECU50は、タイマー値tをインクリメントし、タイマー値tを1増加させる。ステップS60が実行されると、ステップS50に移行する。
ステップS70では、ECU50により、タイマー値tが第二タイマー値t2以下であるか否かが判定される。第二タイマー値t2は、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が第二油路12から電動機MGに向けて全て流出したか否かを判定する閾値である。タイマー値tが第二タイマー値t2以下である場合、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が電動機MGに供給され続けていると判断される。第二タイマー値t2は、例えば、オイルクーラ3に滞留されるオイル8の容量と、オイルポンプ2の吐出能力に基づいて定められる。
本明細書では、所定期間PE1が経過してから、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が第二油路12から全て流出するまでの期間を「第二の所定期間PE2」と称する。図5では、時刻t1から時刻t2までの間が第二の所定期間PE2である。ステップS70では、第二の所定期間PE2が経過したか否かが判定される。タイマー値tが第二タイマー値t2よりも大である場合、第二の所定期間PE2が経過したと判定される。ステップS70の判定の結果、タイマー値tが第二タイマー値t2以下であると判定された場合(ステップS70−Y)にはステップS80に進み、そうでない場合(ステップS70−N)にはステップS100に進む。
ステップS80では、ECU50により、モータ指示パワーPおよび電圧指令値vが補正される。ECU50は、モータ指示パワーPの値を要求出力Pdに応じた指示パワーPから補正後の指示パワーPに補正する。また、ECU50は、モータ指示パワーPの補正に応じて電圧指令値vを補正する。補正後の電圧指令値v2は、例えば、要求出力Pdに応じた電圧指令値vdに対して所定量や所定割合だけ低トルク側の電圧値とされる。電圧指令値vの補正量Δvは、例えば、電動機MGの温度特性に基づいて決定される。一例として、補正量Δvは、電動機MGにおける油温Tの低下量とモータ実効パワーP’の増加量(または増加割合)との対応関係に基づいて定められる。図5では、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が電動機MGに到達する時刻t1において、油温TがTからTに低下する。この油温の低下に対して、同じ電圧指令値vの値に対するモータ実効パワーP’の増加量がΔP1であるとする。この場合、増加量ΔP1に対応する電圧値の分だけ電圧指令値vを低トルク側の電圧値に補正すれば、電動機MGの出力変動が好適に抑制される。また、油温の低下により、同じ電圧指令値vの値に対してモータ実効パワーP’の増加割合がΔP2であるとする。この場合、増加割合ΔP2に対応する電圧値の分だけ電圧指令値vを低トルク側の電圧値に補正すれば、電動機MGの出力変動が好適に抑制される。
なお、補正後の指示パワーPは、要求出力Pdと補正量Δvに応じて算出されることに代えて、補正量Δvを算出することなく、要求出力Pdからマップ等に基づいて算出されてもよい。例えば、要求出力Pdと補正後の指示パワーPとの対応関係を示すマップを記憶しておき、このマップを参照して補正後の指示パワーPを決定するようにしてもよい。電圧指令値vについても同様である。補正後の電圧指令値v2は、補正量Δvを算出することなく、要求出力Pdに応じた電圧指令値vdと補正後の電圧指令値v2との対応関係を示すマップに基づいて決定されてもよい。
あるいは、補正後の指示パワーPは、要求出力Pdにかかわらず決定されてもよい。すなわち、要求出力Pdがどの値であっても補正後の指示パワーPが同じ値とされるようにしてもよい。例えば、軽負荷の走行領域では、常に補正後の指示パワーPとして同じ値が用いられるようにしてもよい。電圧指令値vについても同様である。なお、モータ指示パワーPおよび電圧指令値vの補正は、少なくとも当該補正により、当該補正がなされない場合よりも要求出力Pdとモータ実効パワーP’との乖離を抑制するものであることが望ましい。なお、ECU50は、モータ指示パワーPを補正することなく、電圧指令値vのみを補正するようにしてもよい。ステップS80でモータ指示パワーPの補正および電圧指令値vの補正がなされると、ステップS90に進む。
ステップS90では、ECU50により、タイマー値tがカウントアップされる。ECU50は、タイマー値tをインクリメントし、タイマー値tを1増加させる。ステップS90が実行されると、ステップS70に移行する。
ステップS100では、ECU50により、モータ指示パワーPの補正がなされる。時刻t2となって、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が全て第二油路12から電動機MGに流出してしまった後は、油温Tが上昇する。上昇後の油温Tは、制御弁5が開弁される前の油温Tよりは低い。これは、オイルクーラ3によるオイル8の冷却がなされているためである。また、油温Tは、第二の所定期間PE2の油温T、すなわちオイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに供給されている間の油温よりは高い。ECU50は、第二の所定期間PE2が経過した後の油温Tに応じて、モータ指示パワーPおよび電圧指令値vを補正する。第二の所定期間PE2経過後のモータ指示パワーPの値Pは、要求出力Pdよりは低トルク側の値であり、かつ第二の所定期間PE2の指示パワーPよりは高トルク側の値である。
また、第二の所定期間PE2経過後の電圧指令値vの値v3は、要求出力Pdに応じた電圧指令値vdよりは低トルク側の電圧値であり、かつ第二の所定期間PE2の電圧指令値v2よりは高トルク側の電圧値である。つまり、ECU50は、所定期間PE1の経過後に第二の所定期間PE2が経過すると、電圧指令値vを第二の所定期間PE2における電圧指令値v2よりも高トルク側の電圧値に変化させる。このときの電圧指令値v3は、要求出力Pdに応じた電圧指令値vdおよび第二の所定期間PE2の電圧指令値v2の何れよりも、要求出力Pdとモータ実効パワーP’との乖離が小さくなる電圧値である。好ましくは、電圧指令値v3は、要求出力Pdとモータ実効パワーP’との乖離が生じない電圧値である。ステップS100が実行されると、本制御フローは終了する。
以上説明したように、本実施形態のECU50は、オイルクーラ3に滞留されていたオイル8が電動機MGに到達するタイミングで電圧指令値vを電動機MGに対する要求出力Pdに応じた電圧値(電圧指令値vd)よりも低トルク側の電圧値(電圧指令値v2)に補正する。要求出力Pdに応じた電圧値(電圧指令値vd)は、例えば、制御弁5が開弁されるときの油温Tにおいて好適に要求出力Pdを実現する電圧値である。一方、補正後の電圧指令値v2は、例えば、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が電動機MGに供給されている間の油温Tにおいて要求出力Pdを好適に実現する電圧値である。電圧指令値vの補正量Δvは、オイルクーラ3に滞留していたオイル8の温度に応じて可変とされてもよい。例えば、オイルクーラ3に滞留していたオイル8の温度が低い場合には、オイルクーラ3に滞留していたオイル8の温度が高い場合よりも、電圧指令値vの補正量Δvの大きさを増加させ、補正後の電圧指令値v2をより低トルク側の電圧値とするようにしてもよい。なお、オイルクーラ3に滞留していたオイル8の温度は、例えば、熱交換部32に供給される冷却水の温度から算出可能である。
補正後の電圧指令値v2は、補正が行われていない場合の電圧指令値vdよりも、オイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに供給されることによる要求出力Pdと電動機MGの実際の出力(モータ実効パワーP’)との乖離の発生を抑制する電圧値である。よって、本実施形態の車両用駆動装置1によれば、オイルクーラ3に滞留していた低温のオイル8が電動機MGに到達したときの電動機MGの出力変動を抑制することができる。
本実施形態では、タイマー値tに基づいて所定期間PE1の経過が判断される。この場合、油温Tの変化と同期してフィードフォワード的に電圧指令値vを補正することが可能である。適合実験の結果等に基づいて、トルク変動を生じさせないような電圧指令値vの最適な補正開始タイミングを予め設定しておくことが可能である。
[第2実施形態]
図6を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態については、上記第1実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図6は、第2実施形態に係る車両用駆動装置の動作を示すフローチャートである。第2実施形態において、上記第1実施形態と異なる点は、油温センサ17によって検出される油温Tに基づいて所定期間PE1の経過が判定される点である。
図6に示す制御フローは、例えば、オイルポンプ2がオイル8を循環させているときに実行されるものである。ステップS110では、ECU50により、油温Tが取得され、ステップS120では取得した油温Tが所定値α以上であるか否かが判定される。その判定の結果、油温Tが所定値α以上である場合にはステップS130に進み、そうでない場合にはステップS110に移行する。
ステップS130では、ECU50により、バルブ開指令がなされる。ECU50は、制御弁5に対して開弁指令を出力する。制御弁5は、開弁指令に応じて開弁し、第一油路11と熱交換部32とを連通する。ステップS130が実行されると、ステップS140に進む。
ステップS140では、ECU50により、油温低下量ΔTが第三の所定値Xよりも大であるか否かが判定される。ステップS140では、所定期間PE1が経過したか否かが判定される。第三の所定値Xは、所定期間PE1が経過したこと、および第二の所定期間PE2が継続中であることを判定する閾値である。本実施形態の所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、油温センサ17によって検出されるオイル8の温度の低下量が第三の所定値Xよりも大となるまでの期間である。油温低下量ΔTは、下記式(1)により算出される。ここで、油温Tは、制御弁5が開弁されるときの油温Tであり、例えば、制御弁5が開弁される直前の油温Tである。また、下記式(1)の右辺の油温Tは、油温センサ17によって検出された油温Tであり、例えば、ステップS140が実行されるごとに新たに取得される。
ΔT=T−T…(1)
また、油温低下量ΔTが第三の所定値Xよりも大である(ステップS140−Y)間は、第二の所定期間PE2が継続中であると判定される。つまり、第二の所定期間PE2は、油温低下量ΔTが第三の所定値Xよりも大となってから、油温低下量ΔTが第三の所定値X以下となるまでの期間である。ステップS140の判定の結果、油温低下量ΔTが第三の所定値Xよりも大であると判定された場合(ステップS140−Y)にはステップS150に進み、そうでない場合(ステップS140−N)にはステップS160に進む。
ステップS150では、ECU50により、モータ指示パワーPが要求出力Pdに応じた指示パワーPから補正後の指示パワーPに補正される。ECU50は、例えば、上記第1実施形態のステップS80と同様にしてモータ指示パワーPおよび電圧指令値vを補正する。ステップS150が実行されると、ステップS140に移行する。
ステップS160では、ECU50により、油温低下量ΔTが所定値Yよりも大であるか否かが判定される。ステップS160では、ECU50により、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が全て第二油路12から流出し、かつ第一油路11からオイルクーラ3を経由して流れてきたオイル8が電動機MGに供給されている状態であるかが判定される。図5では、時刻t2に、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が全て第二油路12から流出する。これにより、油温Tが上昇する。上昇後の油温Tは、第一油路11からオイルクーラ3を経由して電動機MGに供給されるオイル8の油温Tの値であり、制御弁5が開弁される前の油温Tよりも低い。油温Tの値がTであると、油温低下量ΔTは、下記式(2)を成立させる。なお、ステップS160の所定値Yは、ステップS140の第三の所定値Xよりも小さな値である。第三の所定値Xおよび所定値Yはそれぞれ正の値である。
Y<ΔT≦X…(2)
つまり、ステップS160では、第二の所定期間PE2が経過し、オイルクーラ3を経由した冷却後のオイル8が電動機MGに供給されているか否かが判定される。制御弁5が閉弁された場合など、油温が上昇して油温低下量ΔTが所定値Y以下となった場合、言い換えると油温Tに基づくモータ指示パワーPや電圧指令値vの補正が不要となった場合には、ステップS160で否定判定がなされる。ステップS160の判定の結果、油温低下量ΔTが所定値Yよりも大であると判定された場合(ステップS160−Y)にはステップS170に進み、そうでない場合(ステップS160−N)には本制御フローは終了する。
ステップS170では、ECU50により、モータ指示パワーPが第二の所定期間PE2経過後のモータ指示パワーPの値Pに補正される。ECU50は、例えば、上記第1実施形態のステップS100と同様にしてモータ指示パワーPおよび電圧指令値vを補正する。ステップS170が実行されると、ステップS160に移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、検出された油温Tに基づいて所定期間PE1の経過および第二の所定期間PE2の経過が判定される。図6に示す制御フローでは、所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、油温センサ17によって検出されるオイル8の温度の低下量(油温低下量ΔT)が第三の所定値Xよりも大となるまでの期間である。電動機MGに供給されるオイル8の実際の温度に基づいて所定期間PE1や第二の所定期間PE2の経過が判定されることで、油温Tが低下するタイミングと、電圧指令値vの補正を開始するタイミングとのずれが抑制される。
なお、所定期間PE1の経過を判断する際に、油温低下量ΔTに代えて、油温Tの値そのものに基づく判断がなされてもよい。例えば、油温センサ17によって検出されるオイル8の温度が第二の所定値以下となると所定期間PE1が経過したと判定されるようにしてもよい。この場合、所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、油温センサ17によって検出されるオイル8の温度が第二の所定値以下となるまでの期間となる。第二の所定値は、制御弁5が第二状態とされる直前の油温Tよりも低く、かつオイルクーラ3に滞留していたオイル8の温度よりも高いことが好ましい。第二の所定値は、電動機MGに対する要求出力Pdとモータ実効パワーP’との乖離を好適に抑制できる値とされる。第二の所定値は、オイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに到達したことをできるだけ早いタイミングで、かつ精度よく判定できるように、適合実験等に基づいて定められることが好ましい。
所定期間PE1の経過を判断する際に、油温低下量ΔTに代えて、油温Tの低下率に基づく判断がなされてもよい。油温Tの低下率は、例えば、単位時間あたりの油温低下量ΔTである。この判断方法では、例えば、油温センサ17によって検出されるオイル8の温度の低下率が第四の所定値X1よりも大となると所定期間PE1が経過したと判定される。この場合、所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、油温センサ17によって検出されるオイル8の温度の低下率が第四の所定値X1よりも大となるまでの期間である。オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が電動機MGに到達すると、油温Tが急に低下する。オイル8の温度の低下率によって、油温Tの立下がりのタイミング(図5の時刻t1)を検出することができる。第四の所定値X1は、例えば、制御弁5が第一状態とされている場合に発生可能な油温Tの低下率よりも大きな低下率の値とされる。第四の所定値X1は、オイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに到達したことをできるだけ早いタイミングで、かつ精度よく判定できるように、適合実験等に基づいて定められることが好ましい。なお、油温Tの低下率に基づく判定の第四の所定値X1は、油温低下量ΔTに基づく判定の第三の所定値Xとは異なる値であることが好ましい。
また、油温Tの上昇率に基づいて、第二の所定期間PE2の経過が判定されてもよい。所定期間PE1の経過後に、油温Tの上昇率が所定上昇率よりも大となると、第二の所定期間PE2が経過したと判定される。この場合、第二の所定期間PE2は、所定期間PE1が経過してから、油温Tの上昇率が所定上昇率よりも大となるまでの期間である。
[第3実施形態]
図7および図8を参照して、第3実施形態について説明する。第3実施形態については、上記第1実施形態および第2実施形態で説明したものと同様の機能を有する構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図7は、第3実施形態に係る車両用駆動装置の動作を示すフローチャート、図8は、第3実施形態に係る車両用駆動装置の概略構成図である。第3実施形態について、上記第1実施形態および第2実施形態と異なる点は、モータ温T’に基づいて所定期間PE1および第二の所定期間PE2の経過を判断する点である。
図8に示すように、第3実施形態に係る車両用駆動装置40は、温度センサ18を含んで構成されている。温度センサ18は、電動機MGの温度を検出する。温度センサ18は、例えば、電動機MGのステータの温度を検出する。温度センサ18の検出結果を示す信号は、ECU50に出力される。
図7に示す制御フローは、例えば、オイルポンプ2がオイル8を循環させているときに実行されるものである。ステップS210では、ECU50により、油温Tが取得され、ステップS220では取得した油温Tが所定値α以上であるか否かが判定される。その判定の結果、油温Tが所定値α以上である場合にはステップS230に進み、そうでない場合にはステップS210に移行する。
ステップS230では、ECU50により、バルブ開指令がなされる。ECU50は、制御弁5に対して開弁指令を出力する。制御弁5は、開弁指令に応じて開弁し、第一油路11と熱交換部32とを連通する。ステップS230が実行されると、ステップS240に進む。
ステップS240では、ECU50により、モータ温低下量ΔT’が所定値X’よりも大であるか否かが判定される。ステップS240では、所定期間PE1が経過したか否かが判定される。所定値X’は、所定期間PE1が経過したこと、および第二の所定期間PE2が継続中であることを判定する閾値である。第二の所定期間PE2は、モータ温低下量ΔT’が所定値X’よりも大となってから、モータ温低下量ΔT’が所定値X’以下となるまでの期間である。モータ温低下量ΔT’は、下記式(3)により算出される。ここで、モータ温T’は、制御弁5が開弁されるときの電動機MGの温度であり、例えば、制御弁5が開弁される直前に温度センサ18によって検出された温度である。また、下記式(3)の右辺のモータ温T’は、温度センサ18によって検出されたモータ温T’であり、例えば、ステップS240が実行されるごとに新たに取得される。
ΔT’=T’−T’…(3)
所定値X’は、オイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに到達したことをできるだけ早いタイミングで、かつ精度よく判定できるように、適合実験等に基づいて定められることが好ましい。ステップS240の判定の結果、モータ温低下量ΔT’が所定値X’よりも大であると判定された場合(ステップS240−Y)にはステップS250に進み、そうでない場合(ステップS240−N)にはステップS260に進む。
ステップS250では、ECU50により、モータ指示パワーPが要求出力Pdに応じた指示パワーPから補正後の指示パワーPに補正される。ECU50は、例えば、上記第1実施形態のステップS80と同様にしてモータ指示パワーPおよび電圧指令値vを低トルク側の小さな値に補正する。ステップS250が実行されると、ステップS240に移行する。
ステップS260では、ECU50により、モータ温低下量ΔT’が所定値Y’よりも大であるか否かが判定される。ステップS260では、ECU50により、オイルクーラ3内に滞留していたオイル8が全て第二油路12から流出し、かつ第一油路11からオイルクーラ3を経由して流れてきたオイル8が電動機MGに供給されている状態であるかが判定される。本実施形態では、モータ温T’に基づいて、第二の所定期間PE2が経過したか否かが判断される。所定値Y’および所定値X’はそれぞれ正の値である。ステップS260の所定値Y’は、ステップS240の所定値X’よりも小さな値である。第二の所定期間PE2が経過すると、油温Tが上昇し、モータ温低下量ΔT’が減少する。モータ温低下量ΔT’が所定値X’よりも小さく、かつ所定値Y’よりも大であると、第一油路11からオイルクーラ3を経由して流れてきたオイル8が電動機MGに供給されている状態であると判定できる。制御弁5が閉弁された場合など、油温が上昇してモータ温低下量ΔT’が所定値Y’以下となった場合、言い換えるとモータ温T’に基づくモータ指示パワーPや電圧指令値vの補正が不要となった場合には、ステップS260で否定判定がなされる。ステップS260の判定の結果、モータ温低下量ΔT’が所定値Y’よりも大であると判定された場合(ステップS260−Y)にはステップS270に進み、そうでない場合(ステップS260−N)には本制御フローは終了する。
ステップS270では、ECU50により、モータ指示パワーPが補正される。ECU50は、例えば、上記第1実施形態のステップS100と同様にしてモータ指示パワーPおよび電圧指令値vを補正する。ステップS270が実行されると、ステップS260に移行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、検出されたモータ温T’に基づいて所定期間PE1の経過および第二の所定期間PE2の経過が判定される。図7に示す制御フローでは、所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、温度センサ18によって検出される電動機MGの温度の低下量(モータ温低下量ΔT’)が所定値X’よりも大となるまでの期間である。電動機MGの実際の温度に基づいて所定期間PE1や第二の所定期間PE2の経過が判定されることで、電動機MGの銅線部の抵抗値が低下するタイミングと、電圧指令値vの補正を開始するタイミングとのずれが抑制される。
なお、所定期間PE1の経過を判断する際に、モータ温低下量ΔT’に代えて、モータ温T’の値そのものに基づく判断がなされてもよい。例えば、温度センサ18によって検出される電動機MGの温度が第五の所定値以下となると所定期間PE1が経過したと判定されるようにしてもよい。この場合、所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、温度センサ18によって検出される電動機MGの温度が第五の所定値以下となるまでの期間となる。第五の所定値は、オイルクーラ3に滞留していたオイル8が電動機MGに到達したときのモータ温T’の変化をできるだけ早期にかつ精度よく判定できるように、適合実験等に基づいて定められることが好ましい。
所定期間PE1の経過を判断する際に、モータ温低下量ΔT’に代えて、モータ温T’の低下率に基づく判断がなされてもよい。モータ温T’の低下率は、例えば、単位時間あたりのモータ温低下量ΔT’である。この判断方法では、例えば、温度センサ18によって検出される電動機MGの温度の低下率が第五の所定値よりも大となると所定期間PE1が経過したと判定される。この場合、所定期間PE1は、制御弁5が第二状態とされてから、温度センサ18によって検出される電動機MGの温度の低下率が第五の所定値よりも大となるまでの期間である。
また、モータ温T’の上昇率に基づいて、第二の所定期間の経過が判定されてもよい。所定期間PE1の経過後に、モータ温T’の上昇率が所定上昇率よりも大となると、第二の所定期間PE2が経過したと判定される。この場合、第二の所定期間は、所定期間PE1が経過してから、モータ温T’の上昇率が所定上昇率よりも大となるまでの期間である。
[上記各実施形態の第1変形例]
上記第1実施形態乃至第3実施形態の第1変形例について説明する。制御弁5は、全開状態と全閉状態に切り替わる開閉弁に代えて、デューティ制御等によって任意の開度に制御可能な流量制御弁であってもよい。ECU50は、制御弁5を開弁してオイル8がオイルクーラ3を流れる状態とする場合、全閉状態と全開状態との間の中間の開度とするようにしてもよい。このようにすれば、電動機MGに供給されるオイル8の温度の変動が緩和される。ただし、制御弁5の開度が制御されたとしても、制御弁5の開弁後にはオイルクーラ3に滞留していた低温のオイル8が電動機MGに供給され、モータ実効パワーP’が要求出力Pdから乖離する場合がある。この場合に、電圧指令値vを低トルク側の電圧値に補正することで、電動機MGの出力変動が抑制される。
制御弁5は、ECU50からの指令に応じて開閉することに代えて、サーモスタットのごとく接触しているオイル8の温度に応じて開閉するものであってもよい。この場合、制御弁5は、オイルポンプ2が循環させているオイル8と接触するように配置されることが好ましい。例えば、制御弁5は、入口油路31における第一油路11側の端部に配置されることが好ましい。
[上記各実施形態の第2変形例]
図9を参照して、上記第1実施形態乃至第3実施形態の第2変形例について説明する。図9は、各実施形態の第2変形例に係る車両用駆動装置の概略構成図である。制御弁は、上記各実施形態で例示した制御弁5には限定されない。制御弁は、図9に示すようにバイパス油路4と油路10との接続部に設けられてもよい。第2変形例に係る車両用駆動装置101では、バイパス油路4と第二油路12との接続部に制御弁19が配置されている。制御弁19は、三方弁であり、バイパス油路4、出口油路33および第二油路12とそれぞれ接続されている。制御弁19は、第一状態および第二状態に選択的に切り替え可能である。制御弁19の第一状態は、バイパス油路4と第二油路12とを連通し、かつ出口油路33と第二油路12とを遮断する状態である。制御弁19の第二状態は、出口油路33と第二油路12とを連通し、かつバイパス油路4と第二油路12とを遮断する状態である。制御弁19は、第一状態と第二状態とを切り替えるアクチュエータを有する。アクチュエータは、例えば、電磁力によって第一状態と第二状態とを切り替える。
制御弁19は、ECU50によって制御される。ECU50は、オイルポンプ2が循環させているオイル8の温度が所定値未満である間は、制御弁19を第一状態とし、オイル8がオイルクーラ3を流れることを規制する。ECU50は、制御弁19が第一状態である場合にオイルポンプ2が循環させているオイル8の温度が所定値以上となると制御弁19を第二状態に切り替え、オイル8をオイルクーラ3に流す。
また、ECU50は、制御弁19を制御して第一状態から第二状態としてから所定期間PE1の経過後に、電動機MGの電圧指令値vを電動機MGに対する要求出力Pdに応じた電圧指令値vdよりも低トルク側の電圧値に補正する。
なお、制御弁19は、バイパス油路4と第二油路12との接続部に代えて、バイパス油路4と第一油路11との接続部に配置されてもよい。この場合の第一状態は、バイパス油路4と第一油路11とを連通し、かつ入口油路31と第一油路11とを遮断する状態である。また、第二状態は、入口油路31と第一油路11とを連通し、かつバイパス油路4と第一油路11とを遮断する状態である。
[上記各実施形態の第3変形例]
上記各実施形態において、オイルポンプ2は、第一油路11に代えて第二油路12に配置されてもよい。電動機MGの台数は、1台には限定されない。車両用駆動装置1,40,101は、複数の電動機MGを有していてもよい。
上記の各実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1,40,101 車両用駆動装置
2 オイルポンプ
3 オイルクーラ
4 バイパス油路
5,19 制御弁
6 デファレンシャルギヤ
7 ケース
8 オイル
10 油路
11 第一油路
12 第二油路
17 油温センサ
18 温度センサ
31 入口油路
32 熱交換部
33 出口油路
50 ECU(制御部)
100 車両
101 車両用駆動装置
v 電圧指令値
MG 電動機
T 油温
P モータ指示パワー
Pd 要求出力
PE1 所定期間

Claims (6)

  1. 油路を介して電動機およびデファレンシャルギヤに対してオイルを供給するオイルポンプと、
    前記油路に設けられ、前記オイルを冷却するオイルクーラと、
    前記オイルクーラをバイパスするバイパス油路と、
    前記オイルが前記オイルクーラを流れることを規制する第一状態と、前記オイルを前記オイルクーラに流す第二状態とに切り替わる制御弁と、
    制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記オイルポンプが循環させている前記オイルの温度が所定値未満である間は前記制御弁を前記第一状態とし、かつ前記制御弁が前記第一状態である場合に前記オイルポンプが循環させている前記オイルの温度が前記所定値以上となると前記制御弁を前記第二状態とし、
    前記制御部は、前記制御弁を前記第二状態としてから所定期間の経過後に、前記電動機の電圧指令値を前記電動機に対する要求出力に応じた電圧指令値よりも小さくする
    ことを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記所定期間は、前記油路と前記バイパス油路との下流側の接続部から前記電動機までの前記油路の長さに基づいて予め定められた期間である
    請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 更に、前記油路から前記電動機に供給される前記オイルの温度を検出する油温センサを備え、
    前記所定期間は、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記油温センサによって検出される前記オイルの温度が第二の所定値以下となるまでの期間である
    請求項1に記載の車両用駆動装置。
  4. 更に、前記油路から前記電動機に供給される前記オイルの温度を検出する油温センサを備え、
    前記所定期間は、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記油温センサによって検出される前記オイルの温度の低下量が第三の所定値よりも大となるまでの期間、あるいは、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記油温センサによって検出される前記オイルの温度の低下率が第四の所定値よりも大となるまでの期間である
    請求項1に記載の車両用駆動装置。
  5. 更に、前記電動機の温度を検出する温度センサを備え、
    前記所定期間は、前記制御弁が前記第二状態とされてから、前記温度センサによって検出される前記電動機の温度が第五の所定値以下となるまでの期間である
    請求項1に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記制御部は、前記所定期間の経過後に第二の所定期間が経過すると、前記電圧指令値を前記第二の所定期間における電圧値よりも大きな電圧値に変化させる
    請求項1から5のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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