JP2016014128A - 二次電池及びそれに用いる構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な電子を蓄電する二次電池、又はその電池に用いることのできる構造体を提供する。
【解決手段】n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を含み、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子を含む構造体。
【選択図】図2A
【解決手段】n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を含み、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子を含む構造体。
【選択図】図2A
Description
本発明は、電子を蓄電する二次電池及びそれに用いる構造体に関する。
二次電池としてリチウム二次電池のようなカチオンが移動する化学電池が注目されているが、化学電池はイオンが移動する電解質が必要であり、電解質に通常液体が多く用いられている。リチウムのような活性の高いイオンの場合には可燃性であることが多く、液漏れが生じた場合に発火等の危険が懸念される。このような危険を回避するため、固体電解質を用いた全固体リチウム二次電池が開示されている。
一方、特許文献1〜3は、紫外線照射による金属酸化物の光励起構造変化を利用して、バンドギャップ中に新たなエネルギー準位を形成して電子を捕獲する動作原理に基づく、安全性、耐久性に優れた無機固体粒子の二次電池を開示している。
これら特許文献には、蓄電の原理として、光励起構造変化により電子が抜けた部位で原子間距離が変化することに起因して電子の捕獲が可能となること、即ち、バンドギャップ準位内にエネルギー準位が形成された準位で電子が捕獲されることが記されている。
本発明の目的は、新規な電子を蓄電する二次電池、又はその電池に用いることのできる構造体を提供することである。
本発明によれば、以下の構造体及びそれを用いた二次電池等が提供される。
1.n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を含み、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子を含む構造体。
2.実質的にn型酸化物半導体と酸化物絶縁体からなり、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子がドープしている1記載の構造体。
3.前記構造体中の、炭素原子が1×1017〜1×1023原子/cm3である1又は2記載の構造体。
4.前記構造体中の、水素原子が1×1017〜1×1023原子/cm3である1乃至3のいずれか記載の構造体。
5.前記n型酸化物半導体が、In、Ga、Zn、Sn、Ti、W、Ta、Nb、Ba、Ca及びMgから選択される1以上を含む1乃至4のいずれか記載の構造体。
6.前記酸化物絶縁体が、Si、Al、Y、Zr及びHfから選択される1以上を含む1乃至5のいずれか記載の構造体。
7.前記n型酸化物半導体が、平均粒径が1μm以下の粒子である1乃至6のいずれか記載の構造体。
8.前記酸化物絶縁体が、平均粒径が1μm以下の粒子である1乃至7のいずれか記載の構造体。
9.前記n型酸化物半導体及び前記酸化物絶縁体が粒子であり、
前記n型酸化物半導体粒子と酸化物絶縁体粒子が混合して少なくとも一部が接合している1乃至8のいずれか記載の構造体。
10.前記n型酸化物半導体が半導体層を形成し、
前記酸化物絶縁体が絶縁体層を形成し、
前記半導体層と絶縁体層が、積層している1乃至8のいずれか記載の構造体。
11.1V以上50V以下の電圧を1秒以上1時間以下で印加すると、入射光波長400〜700nmの平均可視光透過率が低下して0%以上40%以下となる1乃至10のいずれか記載の構造体。
12.波長400nm以下の光を照射すると、入射光波長400〜700nmの平均可視光透過率が低下して0%以上40%以下となる1乃至11のいずれか記載の構造体。
13.厚さが20nm以上10mm以下である1乃至12のいずれか記載の構造体。
14.正極及び負極と、
前記正極及び負極の間にある蓄電層を備え、
前記蓄電層が1乃至13のいずれか記載の構造体である二次電池。
15.前記正極が、p型半導体層と導電体層が接合した電極である14記載の二次電池。
16.前記負極が、n型半導体層と導電体層が接合した電極である14又は15記載の二次電池。
17.n型酸化物半導体原料と、酸化物絶縁体原料を、プラズマ支援化学蒸気堆積法により、堆積して製造する、1乃至13のいずれか記載の構造体の製造方法。
18.前記プラズマ支援化学蒸気堆積法を、周波数40MHz以上で、実施する17記載の製造方法。
1.n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を含み、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子を含む構造体。
2.実質的にn型酸化物半導体と酸化物絶縁体からなり、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子がドープしている1記載の構造体。
3.前記構造体中の、炭素原子が1×1017〜1×1023原子/cm3である1又は2記載の構造体。
4.前記構造体中の、水素原子が1×1017〜1×1023原子/cm3である1乃至3のいずれか記載の構造体。
5.前記n型酸化物半導体が、In、Ga、Zn、Sn、Ti、W、Ta、Nb、Ba、Ca及びMgから選択される1以上を含む1乃至4のいずれか記載の構造体。
6.前記酸化物絶縁体が、Si、Al、Y、Zr及びHfから選択される1以上を含む1乃至5のいずれか記載の構造体。
7.前記n型酸化物半導体が、平均粒径が1μm以下の粒子である1乃至6のいずれか記載の構造体。
8.前記酸化物絶縁体が、平均粒径が1μm以下の粒子である1乃至7のいずれか記載の構造体。
9.前記n型酸化物半導体及び前記酸化物絶縁体が粒子であり、
前記n型酸化物半導体粒子と酸化物絶縁体粒子が混合して少なくとも一部が接合している1乃至8のいずれか記載の構造体。
10.前記n型酸化物半導体が半導体層を形成し、
前記酸化物絶縁体が絶縁体層を形成し、
前記半導体層と絶縁体層が、積層している1乃至8のいずれか記載の構造体。
11.1V以上50V以下の電圧を1秒以上1時間以下で印加すると、入射光波長400〜700nmの平均可視光透過率が低下して0%以上40%以下となる1乃至10のいずれか記載の構造体。
12.波長400nm以下の光を照射すると、入射光波長400〜700nmの平均可視光透過率が低下して0%以上40%以下となる1乃至11のいずれか記載の構造体。
13.厚さが20nm以上10mm以下である1乃至12のいずれか記載の構造体。
14.正極及び負極と、
前記正極及び負極の間にある蓄電層を備え、
前記蓄電層が1乃至13のいずれか記載の構造体である二次電池。
15.前記正極が、p型半導体層と導電体層が接合した電極である14記載の二次電池。
16.前記負極が、n型半導体層と導電体層が接合した電極である14又は15記載の二次電池。
17.n型酸化物半導体原料と、酸化物絶縁体原料を、プラズマ支援化学蒸気堆積法により、堆積して製造する、1乃至13のいずれか記載の構造体の製造方法。
18.前記プラズマ支援化学蒸気堆積法を、周波数40MHz以上で、実施する17記載の製造方法。
本発明によれば、新規な電子を蓄電する二次電池、又はその電池に用いることのできる構造体を提供できる。
本発明の構造体は、n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を含み、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子を含む。好ましくは、実質的にn型酸化物半導体と酸化物絶縁体からなり、n型酸化物半導体と酸化物絶縁体以外の成分は含まない。具体的には、構造体は、95重量%以上、98重量%以上、99重量%以上又は99.9重量%以上を、n型酸化物半導体と酸化物絶縁体で構成する。
n型酸化物半導体と酸化物絶縁体のモル比は、例えば、10〜90:90〜10、30〜90:70〜10、又は40〜80:60〜20とできる。
炭素原子又は水素原子は、n型酸化物半導体と酸化物絶縁体を構成する元素ではなく、n型酸化物半導体と酸化物絶縁体にドーパントのように混在している。
本発明の構造体は、二次電池の蓄電層として使用できる。
以下、本発明の構造体を、電池の蓄電層として使用した場合において、本発明の構造体と電池を説明する。従って、蓄電層について記載した事項は、そのまま構造体に適用できる。
以下、本発明の構造体を、電池の蓄電層として使用した場合において、本発明の構造体と電池を説明する。従って、蓄電層について記載した事項は、そのまま構造体に適用できる。
本発明の電池は、一対の対向する電極と、これら電極間に挟まれた蓄電層とを備え、蓄電層が本発明の構造体である。
本発明の一実施形態に係る電池の構成を図1に示す。電池1には、基板100上に一対の電極200、300があり2枚の電極の間にn型酸化物半導体と絶縁体を含む蓄電層400がある。尚、本発明の電池は、電極、蓄電層のみから構成されてもよいし、電極、蓄電層の他にも電子注入層、電子ブロッキング層等の層を含むことができる。
本発明の一実施形態に係る電池の構成を図1に示す。電池1には、基板100上に一対の電極200、300があり2枚の電極の間にn型酸化物半導体と絶縁体を含む蓄電層400がある。尚、本発明の電池は、電極、蓄電層のみから構成されてもよいし、電極、蓄電層の他にも電子注入層、電子ブロッキング層等の層を含むことができる。
蓄電層の形態の例を図2A,2Bに示す。
図2Aでは、蓄電層430は、n型酸化物半導体からなる粒子431と、絶縁体からなる粒子433が、混合した集合体である。粒子431と粒子433はたがいに接する。好ましくは交互に接する。さらに好ましくは直線状に交互に並び、直線状に連結した列が混ざっている。
図2Aでは、蓄電層430は、n型酸化物半導体からなる粒子431と、絶縁体からなる粒子433が、混合した集合体である。粒子431と粒子433はたがいに接する。好ましくは交互に接する。さらに好ましくは直線状に交互に並び、直線状に連結した列が混ざっている。
図2Aにおけるn型酸化物半導体粒子の平均粒径は、1μm以下であることが望ましい。粒子径が1μmを超えるとバルク効果が優勢になるのでn型酸化物半導体の格子の歪みが小さくなるためである。下限は限定されないが、通常1nm以上である。平均粒径を、2−500nm、5−300nm、又は20−100nmとしてもよい。
図2Aにおける絶縁体粒子の平均粒径は、1μm以下であることが望ましい。下限は限定されないが、通常0.5nm以上である。平均粒径を、1−500nm、2−300nm、又は20−100nmとしてもよい。
図2Aにおける絶縁体粒子の平均粒径は、1μm以下であることが望ましい。下限は限定されないが、通常0.5nm以上である。平均粒径を、1−500nm、2−300nm、又は20−100nmとしてもよい。
平均粒径は断面を透過型電子顕微鏡(TEM)あるいは粒子が大きい場合は走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察することで測定できる。表面における平均粒径は原子間力顕微鏡(AFM)、SEM等で観察することで測定できる。
測定位置は、蓄電層の表面面積を短軸方向に5サンプルに5等分割し、それぞれの中心部を測定する。中心部から、近い順に20個の粒子の粒子径を測定しその平均値を算出し、5サンプルの平均値を平均粒径とした。粒子径は、JIS R 1670に基づき、結晶粒を円相当径とした。
測定位置は、蓄電層の表面面積を短軸方向に5サンプルに5等分割し、それぞれの中心部を測定する。中心部から、近い順に20個の粒子の粒子径を測定しその平均値を算出し、5サンプルの平均値を平均粒径とした。粒子径は、JIS R 1670に基づき、結晶粒を円相当径とした。
図2Bでは、蓄電層450は、n型酸化物半導体からなる層451と、絶縁体からなる層453が交互に積層した積層体である。各層は粒子の集合から形成される。粒径は図2Aと同じである。
図2Bに示すような積層体の場合、例えば、n型酸化物半導体層の厚みは2〜500nmとすることができる。絶縁体層の厚みは1〜100nmとすることができる。
膜厚は平均粒子径と同様にTEMやSEM、又は段差計で観察することで確認できる。
図2Bに示すような積層体の場合、例えば、n型酸化物半導体層の厚みは2〜500nmとすることができる。絶縁体層の厚みは1〜100nmとすることができる。
膜厚は平均粒子径と同様にTEMやSEM、又は段差計で観察することで確認できる。
蓄電層全体の厚みは通常20nm以上10mm以下である、より好ましくは30nm以上1mm、さらに好ましくは50nm以上0.1mm以下である。
蓄電層全体の厚みは、平均粒子径と同様にTEMやSEM、又は段差計で観察することで確認できる。
蓄電層全体の厚みは、平均粒子径と同様にTEMやSEM、又は段差計で観察することで確認できる。
また、蓄電層は、光照射と電圧印加のいずれか一方、または双方を同時にあるいは交互に行うことにより着色(透過率が低下)する性質を備えている。交互に行う場合は、どちらからはじめてもかまわない。
n型酸化物半導体は、バンドギャップエネルギーより大きいエネルギーの光照射(例えば、254nm)、あるいは、電界印加(例えば、5Vで1分間)よって着色する性質を有している。着色する変化によって、n型半導体は新たに電子を溜めることができる。着色による平均可視光透過率は0%以上40%%以下とすることが好ましい。より好ましくは0%以上30%以下、さらに好ましくは0%以上25%以下である。
平均可視光透過率は、可視紫外分光光度計を用いて入射光波長400〜700nmを1nm以下の間隔で測定した可視光透過率の平均値である。
平均可視光透過率は、可視紫外分光光度計を用いて入射光波長400〜700nmを1nm以下の間隔で測定した可視光透過率の平均値である。
波長400nmを超える光照射でも着色過程は進行するが、進行速度は波長400nm以下の場合に比べて遅くなる。印加電圧は、1V以上50V以下が好ましく、3V以上20Vがさらに好ましい。1V未満では、蓄電速度が遅くなり、50V以上では電圧による結晶破壊の発生率が高くなる。印加電圧する時間は1秒間以上1時間が好ましく、10秒間以上10分間がさらに好ましい。印加電圧時間が1秒間未満では電圧効果が十分に評価できず、1時間を超えると破壊の発生率が高くなる。
可視光透過率は可視紫外分光光度計を用いたJIS R1635に準じて測定することができる。あるいは分光エリプソメトリを用いて測定を行い、その反射率、屈折率、複素誘電率と膜厚から確認することができる。
n型酸化物半導体として、金属酸化物を用いることができ、金属酸化物の金属として、In、Ga,Zn、Sn、Ti、W、Ta、Nb、Ba、Ca及びMgから選択される1以上、好ましくは、In、Ga,Zn、Sn及びTiから選択される1以上、さらに好ましくは、In、Zn、Sn及びTiから選択される1以上が挙げられる。
n型酸化物半導体として、具体的には、例えば、TiO2、SnO2、MgIn2O4、WO3、Ta2O5、Nb2O5、BaTiO3、CaTiO3、MgSnO3、In2O3、Ga2O3、ZnO等が使用できる。絶縁層の成分が混合していてもよい。
n型酸化物半導体の構成元素は膜断面のFIB等を加工したサンプルのTEM−EDXあるいはSEM−EDXにより確認できる。
n型酸化物半導体の構成元素は膜断面のFIB等を加工したサンプルのTEM−EDXあるいはSEM−EDXにより確認できる。
蓄電層のn型酸化物半導体は、非晶質でも結晶質でもよいが、ある程度以上の結晶性を有していることが好ましい。通常XRDで結晶性を評価するが、蓄電層中のn型酸化物半導体粒子が(100nm以下の)ナノ微粒子である場合はXRDハローパターンとなり結晶性が評価できない。この場合は、結晶性は、蓄電層の粒子のTEM観察を行い、TEMの電子回折で測定すると回折パターンであるスポットで評価できる。スポットが見えず、一条のリング状のハローパターンのみの非晶質の場合には、移動位置が不安定となる恐れがある。回折パターンが単結晶と同様なスポットの場合には構造歪みが許容できないためイオンの移動ができない恐れがある。即ち、TEMの電子線回折像として、回折のスポットが確認される程度の結晶性であり、1nmの短距離秩序性を持つが10nm以上には完全な周期性がない構造が好ましい。
酸化物絶縁体は、例えば、Si、Al、Y、Zr、Hf及びMgから選択される1以上を含む物質である。また、酸化物絶縁体は、金属酸化物、金属窒化物、又は金属酸窒化物でよい。具体的には、SiO2、Al2O3、Y2O3、HfO2、MgO等を使用できる。n型酸化物半導体成分が一部含まれていてもよい。酸化物絶縁体は、充電時にはn型酸化物半導体同士の接触を防ぎ、n型酸化物半導体間の電子の移動を妨げ、放電時にはn型酸化物半導体間の電子の移動を妨げないことが好ましい。そのため、n型酸化物半導体の間に介在する酸化物絶縁体の膜厚(又は粒径)が、500nm以下となることが好ましい。通常0.1〜100nm程度である。
酸化物絶縁体の構成元素は膜断面のFIB等を加工したサンプルのTEM−EDXあるいはSEM−EDXによる確認できる。
酸化物絶縁体の構成元素は膜断面のFIB等を加工したサンプルのTEM−EDXあるいはSEM−EDXによる確認できる。
蓄電層は、蓄電層に炭素原子及び水素原子が含まれることで、構造変化を安定化することができる。尚、水素原子は水酸基の形態で含まれることが多い。炭素及び水素量が多い場合は充放電時に劣化原因となる恐れがある。
即ち炭素原子は、1×1017原子/cm3以上であることが好ましい。上限は、通常、1×1023原子/cm3以下である。例えば、5×1017原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下、又は1×1018原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下としてもよい。
水素原子は、1×1017原子/cm3以上であることが好ましい。上限は、通常、1×1022原子/cm3以下である。例えば、5×1017原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下、又は1×1018原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下としてもよい。
即ち炭素原子は、1×1017原子/cm3以上であることが好ましい。上限は、通常、1×1023原子/cm3以下である。例えば、5×1017原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下、又は1×1018原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下としてもよい。
水素原子は、1×1017原子/cm3以上であることが好ましい。上限は、通常、1×1022原子/cm3以下である。例えば、5×1017原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下、又は1×1018原子/cm3以上1×1022原子/cm3以下としてもよい。
二次イオン質量分析(SIMS)により、セシウムイオンをサンプルにスパッタし、蓄電層における深さ方向の炭素及び水素濃度が確認できる。通常は、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)を用いてもよい。
炭素及び水素濃度は蓄電層を堆積させた基板の表面面積を短軸方向に5サンプルに5等分割し、それぞれ中心部分で蓄電層を深さ方向に評価し、その平均値を蓄電層の炭素及び水素濃度とした。
SIMSにおける炭素及び水素濃度の定量化には、炭素及び水素濃度が分かっている標準サンプルを用いた。例えば、酸化亜鉛を含む場合は、標準試料として炭素及び水素濃度が既知の酸化亜鉛膜を用いて蓄電層中の炭素及び水素濃度を定量化する。標準試料に、薄膜に、一定量の炭素や水素のイオン注入によりイオンをドープすることにより炭素や水素濃度標準サンプルが作製できる。
炭素及び水素濃度は蓄電層を堆積させた基板の表面面積を短軸方向に5サンプルに5等分割し、それぞれ中心部分で蓄電層を深さ方向に評価し、その平均値を蓄電層の炭素及び水素濃度とした。
SIMSにおける炭素及び水素濃度の定量化には、炭素及び水素濃度が分かっている標準サンプルを用いた。例えば、酸化亜鉛を含む場合は、標準試料として炭素及び水素濃度が既知の酸化亜鉛膜を用いて蓄電層中の炭素及び水素濃度を定量化する。標準試料に、薄膜に、一定量の炭素や水素のイオン注入によりイオンをドープすることにより炭素や水素濃度標準サンプルが作製できる。
本発明の蓄電層は、n型酸化物半導体に熱、光(レーザー光等)、磁場、電位、マイクロ波等の外部刺激を与えると、n型酸化物半導体の構造が変化し、充電時に電子をより溜めることができるようになる。充電時には電極から電子が半導体に蓄積される。半導体の周囲にある絶縁体は、半導体にある電子の移動を防ぐ。放電時には、半導体にある電子が移動して負極に到達する。
図3A,3Bに、本発明で用いることのできる電極の形態を示す。図3Bにおいては、図面の下方に蓄電層が配置される。
図3Aの電極は、金属等の導電体からなる単一層511である。
図3Bの電極は、導電体からなる層511と、半導体層513の積層体である。半導体として、正極はp型半導体を用い、負極はn型半導体を用いる。
正極と負極は上記構成のうち同じ構成を有してもよいし、異なる構成を有してもよい。
図3Aの電極は、金属等の導電体からなる単一層511である。
図3Bの電極は、導電体からなる層511と、半導体層513の積層体である。半導体として、正極はp型半導体を用い、負極はn型半導体を用いる。
正極と負極は上記構成のうち同じ構成を有してもよいし、異なる構成を有してもよい。
負極に用いることのできる導電体として、Al,Cu,Fe,Cr,Ti等を挙げられる。
正極は、電子が流れないことが好ましい。
正極に用いることのできる導電体として、Al,Cu,Fe,Cr,Ti等を挙げられる。
p型半導体として、SnO,NiO、Cu2O、FeO、CuAl2O4等の金属酸化物又は金属窒化物を使用できる。
正極に用いることのできる導電体として、Al,Cu,Fe,Cr,Ti等を挙げられる。
p型半導体として、SnO,NiO、Cu2O、FeO、CuAl2O4等の金属酸化物又は金属窒化物を使用できる。
本発明の電池においては、蓄電層、正極及び負極の形状及び配置は上記に限定されず、例えば円筒状でもよい。好ましい構造として、導電体層/p型半導体層/蓄電層/n型半導体層/導電体層/基板が挙げられる。
上記の電池は、低いコストでありながら、リチウムイオンを用いる二次電池のような安全上の問題、また、急速充電性のため拡散律速ができないという問題がない。
以下、本発明の電池の製造方法について説明する。
電極はスパッタ等により形成できる。
電極はスパッタ等により形成できる。
蓄電層の製造について、以下、説明する。
特許文献1等で用いているペースト焼成法では蓄電層の厚膜化には制約があり、軽量ではあるが耐熱性の低いポリエチレンテレフタート(PET)等の樹脂基板等は使用できない。酸化物結晶を用いた蓄電デバイスの利便性と応用範囲を広げるためには、基板無加熱の条件で蓄電層を形成しなければならない。
これを解決するために、気相中で蓄電機能を有する粒子を成長させた後に、基板上に薄膜として堆積する製膜法を用いる。
ドライプロセスの製膜法として、スパッタ法、電子ビーム蒸着法、熱蒸着法、イオンプレーティング法、熱化学蒸着法、分子線エピタクシー法等が知られている。これらの製膜過程では、固体、気体の原料は原子、分子に分割された蒸気になり、基板上の空間に供給され、基板の熱エネルギーによる熱拡散過程を経て結晶化が起こる。本発明の膜は、このようなドライプロセスでも製造できるが、気相中での部分結晶化の観点から、後述するプラズマCVD法が好ましい。
原料ガス圧力を高めて、同時に、原料ガスの原子・分子への分割を促進するために、プラズマ支援化学蒸気堆積法(plasma assisted chemical vapor deposition method)(プラズマCVD法)を採用する。高圧力原料ガスのプラズマ解離を促進するために、高周波電力を用いることが好ましい。周波数13.56MHzが広く用いられているが、この周波数では、原料ガスは完全解離にはできないため、本発明では、周波数40MHz以上の高周波を用いることが好ましい。一方、原料ガスの解離の程度は、主として、原料ガス圧力、原料ガスのキャリアガス圧力、酸化反応をおこさせるための添加ガス圧力、プラズマ電力空間密度で決まるため、必ずしも40MHz以上の周波数が必要ではない場合もある。
尚、原料ガス圧力は、好ましくは、1〜500Paである。より好ましくは、1〜200Paである。
原料ガス圧力のキャリアガス圧力は、好ましくは、1〜10000Paである。
添加ガス圧力は、好ましくは、1〜1000Paである。より好ましくは、1〜500Paである。
周波数は、好ましくは、40〜200MHzである。より好ましくは60〜130MHzである。
原料ガス圧力のキャリアガス圧力は、好ましくは、1〜10000Paである。
添加ガス圧力は、好ましくは、1〜1000Paである。より好ましくは、1〜500Paである。
周波数は、好ましくは、40〜200MHzである。より好ましくは60〜130MHzである。
本発明では、原料ガス、添加ガスをプラズマ空間に導入して、プラズマ空間内での気相での部分結晶成長により、目的の基板上に酸化物粒子を堆積させる。気相中での結晶成長過程を律するのは、上述したように、主として、プラズマ空間における原料ガス圧力、原料ガスのキャリアガス圧力、酸化反応をおこさせるための添加ガス圧力、プラズマ電力である。一定のガス流量と一定の排気速度のある真空容器では、最終的な到達圧力Pは全ガス流量Q(Pa・l/s)と排気速度S(l/min)を用いて、P=Q/S(Pa)と表せる。ガス流量、排気速度のいずれか、又は、双方を変えることにより、真空容器内の圧力を変えられる。例えば、原料ガスの真空容器内への導入と、真空容器内の全てのガスの排気を同時に行う。この場合、原料の蒸気圧を利用して、キャリアガスとともに真空容器内に導入しているので、原料ガス分圧の制御は困難である。一方、排気速度は真空ポンプの能力で一義的に決まる。従って、原料ガスの供給量は一定値に保ったまま、差動排気システムを用いて、真空容器内の真空度を制御するのが一般的である。真空容器と真空ポンプの間に、真空コンダクタンスを変動させるための機構を設け、一定のガス流量と、一定の排気速度のポンプを用いた場合でも、真空容器内の真空度を変えることが可能である。原料ガスとしては、実施例にある原料ガスに限らず、n型半導体および絶縁体の原料元素を含む化合物が使用できる。常温で気体である物質や300℃以下での蒸気圧が高い物質であるn型半導体および絶縁体の原料元素を含む有機化合物やハロゲン化合物や水素化合物が好ましい。
原料ガス供給量を一定値に保つことは、目的とする反応生成物、本発明では、酸化物粒子であるが、その気相成長条件を一定に保てるという利点があるだけでなく、目的としない副反応生成物の排気除去効率を制御できるという利点がある。この際、原料ガス流量を一定に保った状態で、酸素ガス流量を制御する場合もある。即ち、プラズマ支援化学蒸気堆積法では、酸化物粒子の他に、CO2,C2H4,H2O等の不純物ガスが生成するが、真空コンダクタンス、場合によっては酸素ガス流量を変えることで不純物ガスの酸化物粒子への混入を制御することができる。この結果、酸化物粒子の結晶状態と電子状態の制御が可能になる。
n型酸化物半導体を用いて蓄電層を形成するために、n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を同時に気相成長させる。n型酸化物半導体は、価電子帯と伝導帯の間に、ミッドギャップと呼ばれる電子準位を形成できないエネルギー帯が存在している。本発明が蓄電材料として用いるn型酸化物半導体物質は、伝導帯の底から低いポテンシャルエネルギーの場所に電子捕獲準位が形成される。例えば、シリコン結晶に燐(P)が活性化された状態でドープされていれば、伝導帯の底から低い準位にかけて電子捕獲準位が新たに形成される。これらの捕獲準位にある電子が熱的に伝導帯に励起されると、少数キャリアーとしてn型酸化物半導体中を伝導する。
本発明の蓄電池が利用するのは、上記捕獲電子に限らない。n型酸化物半導体物質に結晶歪みを導入することで、結晶歪みによる新たな電子準位を生成する。
n型酸化物半導体物質に歪みを導入する方法について述べる。基板上に基板と同じ元素を堆積する場合には、基板結晶方位を引継いで結晶成長する。これをホモエピタクシーと呼ぶが、この場合、堆積する結晶中には、欠陥、転位を除いて結晶歪みは発生しない。基板の結晶と異なる成分の結晶を堆積する場合、界面近傍では、基板と堆積結晶の間では結晶方位は原子レベルで同じである。堆積膜の膜厚が基板結晶と堆積結晶の格子常数の差で決まる臨界膜厚を超えると、堆積結晶本来の格子状数に戻るために堆積結晶内部に転位が発生する。これがヘテロエピタクシーの特徴である。
本発明では、n型酸化物半導体物質に結晶歪みを導入するためにプラズマ支援化学蒸気堆積法を用いてn型酸化物半導体物質のヘテロ成長を行う。結晶歪みを粒子全体に導入するために、ヘテロ基板に相当する絶縁体粒子成長をn型酸化物半導体結晶成長と同時進行させる。即ち、n型酸化物半導体と酸化物絶縁体粒子を同時成長させることで、n型酸化物半導体粒子と酸化物絶縁体粒子が接合されている複合粒子が成長する。n型酸化物半導体の臨界核あるいは成長粒子同士では電気的な反発力によって接合界面が形成されない。このため、電気的な反発力が作用しない酸化物絶縁体粒子を同時に成長させることが、接合界面形成に不可欠である。
複合粒子がプラズマ空間で存在し、且つ、それぞれの原料ガスが供給する限りはプラズマ空間での存在が継続するが、やがて基板上に堆積する。基板上では、熱的な拡散ではなく、複合粒子中のn型酸化物半導体粒子の電気的な相互作用によって、複合粒子が再配列してできた自己組織化構造が形成されることもある。
3次元へテロ界面で発生した歪みの緩和を防ぐためには、複合粒子に含まれるそれぞれの粒子の大きさを、1nm〜10μmに調整することが望ましい。球状粒子上の限られた面積の接合界面からそれぞれの結晶粒子が球状成長するが、粒子サイズを上記の範囲に限定することで、接合面を曲面形状にすることができるので、接合界面で発生する応力を、粒子内に有効に伝達することができる。これにより、結晶歪みが粒子内全体に導入されている複合粒子が形成される。さらに、この大きさの粒子では、表面近傍に低配位原子による新たな捕獲準位が形成される。
以上をまとめると、プラズマ支援化学蒸気堆積法によりヘテロ3次元成長させて作製した複合酸化物粒子及びその集合体においては、n型酸化物半導体粒子に結晶配置上の乱れによる新たな電子捕獲準位が形成される。酸化物絶縁体粒子は、n型酸化物半導体粒子に格子歪みを導入する役目があるが、n型酸化物半導体粒子との接合界面があることが重要である。
n型酸化物半導体粒子の結晶格子歪みは熱的には非平衡状態にあり、臨界温度以上で加熱すると歪みは緩和されて、粒子は熱的に安定な状態に転移する。歪みが消失すると電子捕獲準位も消失して、蓄電特性を失う。歪みが解消する臨界温度は、n型酸化物半導体と酸化物絶縁体の組成、サイズにより異なるが、多くの場合、400〜700Kの温度範囲である。
複合酸化物粒子には炭素、水素原子が含まれていることが、粒成長と格子歪みの安定化には望ましい。成長最表面に存在する微量の炭素原子は、粒成長を促進する効果がある。水素原子は格子歪みが導入されている粒子自体の強度を高める効果があり、これにより、蓄電状態の熱的安定性が増加する。
n型酸化物半導体粒子中の電子捕獲準位に電子を供給する方法として、n型酸化物半導体のバンドギャップエネルギーより大きいエネルギーの光を照射する方法、電極を経由して電流を流す方法がある。いずれの方法でも、電子捕獲準位に電子を供給できる。
実施例1
(1)SnAlO膜の作製
錫(Sn)とアルミニウム(Al)を含む蒸気をプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入してSnAlO薄膜を作製した。原料ガスにはテトラメチル錫(Sn(CH3)4)とトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)を用いた。それぞれの原料からの蒸気とアルゴンガスを混合した後、それぞれ独立した導入口から真空容器内に導入した。排気速度を調整して、原料ガス導入後の真空容器内の圧力を150Paに保持した。この状態で、さらに酸素ガスを専用導入口経由で反応容器内に供給した。酸素ガス導入後の全圧力は300Paであった。真空容器内には1対の金属電極が配置されていて、金属電極の間隔は80mmであった。片方の金属電極は接地されている。残りの金属電極には周波数60MHzの電力を供給した。これにより、向かい合う二つの金属電極で挟まれている空間に原料ガス、アルゴン、酸素の複合電離気体が生成し、接地電極に置かれた基板上に金属ガス成分を含んだ薄膜が堆積した。基板には表面に導電膜が形成されているガラス板を用いた。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は320Kまで上昇した。この方法で、酸化錫SnO2と酸化アルミニウムAl2O3を含む薄膜を作製した。この方法で、膜厚3μmの試料を作製した。試料の錫とアルムニウムの組成比は、およそ0.8:0.7であった。
(1)SnAlO膜の作製
錫(Sn)とアルミニウム(Al)を含む蒸気をプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入してSnAlO薄膜を作製した。原料ガスにはテトラメチル錫(Sn(CH3)4)とトリメチルアルミニウム(Al(CH3)3)を用いた。それぞれの原料からの蒸気とアルゴンガスを混合した後、それぞれ独立した導入口から真空容器内に導入した。排気速度を調整して、原料ガス導入後の真空容器内の圧力を150Paに保持した。この状態で、さらに酸素ガスを専用導入口経由で反応容器内に供給した。酸素ガス導入後の全圧力は300Paであった。真空容器内には1対の金属電極が配置されていて、金属電極の間隔は80mmであった。片方の金属電極は接地されている。残りの金属電極には周波数60MHzの電力を供給した。これにより、向かい合う二つの金属電極で挟まれている空間に原料ガス、アルゴン、酸素の複合電離気体が生成し、接地電極に置かれた基板上に金属ガス成分を含んだ薄膜が堆積した。基板には表面に導電膜が形成されているガラス板を用いた。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は320Kまで上昇した。この方法で、酸化錫SnO2と酸化アルミニウムAl2O3を含む薄膜を作製した。この方法で、膜厚3μmの試料を作製した。試料の錫とアルムニウムの組成比は、およそ0.8:0.7であった。
作製した薄膜の表面形状は原子間力顕微鏡を用いて観察した。その結果、試料の膜は、球状粒子で構成されていた。それぞれの粒子は、図4に示すように、互いに密着していた。平均粒子径はn型酸化物半導体が54nm、酸化物絶縁体が48nmであった。
作製した膜の光透過スペクトルを測定したところ、およそ3.2eVのエネルギーで光学吸収端が現れた。これは、膜中のSnO2によるものである。
作製した膜の光透過スペクトルを測定したところ、およそ3.2eVのエネルギーで光学吸収端が現れた。これは、膜中のSnO2によるものである。
(2)SnAlO膜に及ぼす電圧印加又は紫外線照射の影響
次に、試料に及ぼす電圧印加の影響について調べた。
真空容器から取り出した試料の可視光透過率に及ぼす電圧印加の影響を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上に形成してある導電膜を接地した状態、試料上部導電膜に+15Vの電圧を印加した。電圧印加は大気中、室温で行い、電圧の保持時間は20秒であった。電圧印加後の可視光透過率を入射光波長400〜700nmで測定しその平均値を求め、平均可視光透過率とした。平均可視光透過率は18%に低下した。結晶中に電子が捕獲されると平均可視光透過率は低下する。これにより、プラズマ支援化学蒸気堆積法で合成した錫(Sn)とアルミニウム(Al)の酸化物粒子の集合体は、電圧印加によって平均可視光透過率が変動するエレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
次に、試料に及ぼす電圧印加の影響について調べた。
真空容器から取り出した試料の可視光透過率に及ぼす電圧印加の影響を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上に形成してある導電膜を接地した状態、試料上部導電膜に+15Vの電圧を印加した。電圧印加は大気中、室温で行い、電圧の保持時間は20秒であった。電圧印加後の可視光透過率を入射光波長400〜700nmで測定しその平均値を求め、平均可視光透過率とした。平均可視光透過率は18%に低下した。結晶中に電子が捕獲されると平均可視光透過率は低下する。これにより、プラズマ支援化学蒸気堆積法で合成した錫(Sn)とアルミニウム(Al)の酸化物粒子の集合体は、電圧印加によって平均可視光透過率が変動するエレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
次に、試料に及ぼす紫外線照射の影響を測定した。
真空容器から取り出した試料に波長254nmの紫外線を室温で照射した。紫外線照射量がおよそ1020/cm2を超えたあたりから本試料の平均可視光透過率が減少し始め、およそ1024/cm2付近で飽和した。紫外線照射後の平均可視光透過率は、入射光波長400〜700nmでは16%に低下した。結晶中に電子が捕獲されると平均可視光透過率は低下する。この結果から、本試料は、紫外線照射に平均可視光透過率が変動するフォトクロミズム特性を有していることを確認した。
真空容器から取り出した試料に波長254nmの紫外線を室温で照射した。紫外線照射量がおよそ1020/cm2を超えたあたりから本試料の平均可視光透過率が減少し始め、およそ1024/cm2付近で飽和した。紫外線照射後の平均可視光透過率は、入射光波長400〜700nmでは16%に低下した。結晶中に電子が捕獲されると平均可視光透過率は低下する。この結果から、本試料は、紫外線照射に平均可視光透過率が変動するフォトクロミズム特性を有していることを確認した。
次に、それぞれ上記と同じ条件で、電圧印加の後に紫外線照射を行った。平均可視光透過率は10%に低下した。
本試料の光透過スペクトルには、酸化錫(SnO2)のバンドギャップエネルギーに相当する光子エネルギーで光学吸収端が観測された。このことから、本試料には、酸化錫(SnO2)を主成分とする粒子が形成されていることが分かった。反応容器にはアルミニウム蒸気も酸素プラズマ中に導入しているので、酸化アルミニウム(Al2O3)も生成したが、Al2O3のバンドギャップエネルギーは真空紫外光のエネルギーに相当するので、可視域の光透過率にはAl2O3による光学吸収端は現れなかった。
以上の結果は、電圧印加あるいは紫外線照射によって、SnO2とAl2O3のナノサイズ粒子の集合体に新たな電子が安定的に蓄積されたことを示している。
本試料に対する電圧印加と紫外線照射であるが、どちらか一方、あるいは、両方を行った場合でも、新たな電子蓄積が確認された。
本試料に対する電圧印加と紫外線照射であるが、どちらか一方、あるいは、両方を行った場合でも、新たな電子蓄積が確認された。
さらに、熱的安定性試験を大気雰囲気中で行い、400Kから10K刻みで加熱温度を上昇させた時の可視透過率変化を測定した。各温度の保持時間は300分であった。
実施例1の試料は600Kで製膜直後と同じ透明に戻った。
実施例1の試料は600Kで製膜直後と同じ透明に戻った。
(3)SnAlO膜の構成元素
次に、ナノサイズ粒子の構成元素について述べる。
本試料に含まれる元素を二次イオン質量分析法で計測したところ、錫(Sn),アルミニウム(Al)、酸素(O)とともに、炭素(C),水素(H)が検出された。
次に、ナノサイズ粒子の構成元素について述べる。
本試料に含まれる元素を二次イオン質量分析法で計測したところ、錫(Sn),アルミニウム(Al)、酸素(O)とともに、炭素(C),水素(H)が検出された。
本実施例では、アルゴンと酸素の混合ガスのプラズマ中で化学反応が進行する。本実施例では、2種類の原料蒸気をそれぞれの導入口からプラズマ空間に導入した。原子間力顕微鏡で観察すると、酸化錫(SnO2)と酸化アルミニウム(Al2O3)がそれぞれナノサイズの大きさに粒子成長して、図4のように、これらナノサイズ粒子は密着して、境界面で接合していた。
ナノサイズ粒子に含まれている元素成分を飛行時間型二次イオン質量分析装置で分析したところ、錫(Sn)、アルミニウム(Al)とともに、炭素(C)、水素(H)が検出された。このことは、ナノサイズ粒子内に炭素原子、水素原子が取り込まれていることを示している。電子線マイクロアナライザー測定からは、酸素(O)、錫(Sn)、アルミニウム(Al)、炭素(C)が検出された。これにより、本試料は、水素と炭素を含むSnO2とAl2O3それぞれのナノサイズ粒子により構成されていることが分かった。
試料に含まれる炭素と水素の量をSIMSにより測定した。その結果、炭素濃度3×1019原子/cm3、水素濃度5×1018原子/cm3であった。
実施例2
(1)TiMgO膜の作製
TiMgO薄膜を、チタニウム(Ti)とマグネシウム(Mg)の蒸気をプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入して作製した。原料ガスにはチタニウム(IV)テトライソプロポキシド(Ti[OCH(CH3)2]4)とビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム(Mg(CH3C5H4)2)を用いた。それぞれの原料ガスとアルゴンガスを混合した後、独立している導入口から真空容器内に導入した。排気速度を調整して、ガス導入により真空容器内の圧力を200Paに保持した。この状態で、さらに酸素ガスを専用導入口経由で真空容器内に導入した。酸素ガス導入後の全圧力は350Paであった。真空容器内には、2つの金属電極が70mm離れて向い合わせに置かれている。片方の金属電極は接地されている。残りの金属電極には周波数80MHzの電力を供給した。これにより、金属電極で挟まれている空間に電離気体を生成させた。原料ガスと酸素ガスを電離空間に吹き出すことで、金属ガス成分を含んだ薄膜を接地電極に置かれた基板上に堆積した。ここで基板は雲母板であり、表面には導電性の薄膜が形成されている。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は320Kまで上昇した。試料膜厚は8μmであった。
作製した膜の光透過スペクトルを測定したところ、およそ3.0eVのエネルギーで光学吸収端が現れた。これは、膜中のTiO2粒子によるものである。
(1)TiMgO膜の作製
TiMgO薄膜を、チタニウム(Ti)とマグネシウム(Mg)の蒸気をプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入して作製した。原料ガスにはチタニウム(IV)テトライソプロポキシド(Ti[OCH(CH3)2]4)とビス(メチルシクロペンタジエニル)マグネシウム(Mg(CH3C5H4)2)を用いた。それぞれの原料ガスとアルゴンガスを混合した後、独立している導入口から真空容器内に導入した。排気速度を調整して、ガス導入により真空容器内の圧力を200Paに保持した。この状態で、さらに酸素ガスを専用導入口経由で真空容器内に導入した。酸素ガス導入後の全圧力は350Paであった。真空容器内には、2つの金属電極が70mm離れて向い合わせに置かれている。片方の金属電極は接地されている。残りの金属電極には周波数80MHzの電力を供給した。これにより、金属電極で挟まれている空間に電離気体を生成させた。原料ガスと酸素ガスを電離空間に吹き出すことで、金属ガス成分を含んだ薄膜を接地電極に置かれた基板上に堆積した。ここで基板は雲母板であり、表面には導電性の薄膜が形成されている。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は320Kまで上昇した。試料膜厚は8μmであった。
作製した膜の光透過スペクトルを測定したところ、およそ3.0eVのエネルギーで光学吸収端が現れた。これは、膜中のTiO2粒子によるものである。
作製した薄膜の表面形状は原子間力顕微鏡を用いて観察した。その結果、試料の膜は、球状粒子で構成されていた。それぞれの粒子は、互いに密着していた。球状粒子は真円に近い物から、楕円に近い物まで、さまざまであった。平均粒子径はn型酸化物半導体が78nm、酸化物絶縁体が44nmであった。
(2)TiMgO膜に及ぼす電圧印加又は紫外線照射の影響
次に、本試料に及ぼす電圧印加の影響について述べる。
真空容器から取り出した本試料は可視光に対して透明であった。この試料に電圧印加した場合と、紫外線照射した場合について、その可視光透過率変化を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上の導線を接地した状態に保持したまま、試料上部導電膜に+7Vの電圧を印加した。電圧印加は大気中、室温で行った。電圧印加時間はそれぞれ15秒であった。電圧印加後における可視光透過率を入射光波長400〜700で測定しその平均値を求め、平均可視光透過率とした。平均可視光透過率は20%に低下した。この結果は、プラズマ支援化学蒸気堆積法で合成したチタニウム(Ti)とマグネシウム(Mg)の酸化物のナノサイズ粒子は、電圧印加によって平均可視光透過率が変動するエレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
次に、本試料に及ぼす電圧印加の影響について述べる。
真空容器から取り出した本試料は可視光に対して透明であった。この試料に電圧印加した場合と、紫外線照射した場合について、その可視光透過率変化を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上の導線を接地した状態に保持したまま、試料上部導電膜に+7Vの電圧を印加した。電圧印加は大気中、室温で行った。電圧印加時間はそれぞれ15秒であった。電圧印加後における可視光透過率を入射光波長400〜700で測定しその平均値を求め、平均可視光透過率とした。平均可視光透過率は20%に低下した。この結果は、プラズマ支援化学蒸気堆積法で合成したチタニウム(Ti)とマグネシウム(Mg)の酸化物のナノサイズ粒子は、電圧印加によって平均可視光透過率が変動するエレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
真空容器から取り出した試料に実施例1と同条件で紫外線を室温で照射した場合、平均可視光透過率が低下して15%となることを確認した。これにより、本試料は紫外線照射によりフォトクロミズム転移する性質を有していることが確認された。
次に、それぞれ上記と同じ条件で、電圧印加の後に紫外線照射を行ったところ、平均可視光透過率は10%に低下した。
次に、それぞれ上記と同じ条件で、電圧印加の後に紫外線照射を行ったところ、平均可視光透過率は10%に低下した。
熱的安定性試験を実施例1と同様にして実施した。その結果、600Kで製膜直後と同じ透明に戻った。
(3)TiMgO膜の構成元素
次に、ナノサイズ粒子の成分について述べる。本試料に含まれる元素を飛行時間型二次イオン質量分析法で測定したところ、チタニウム(Ti),マグネシウム(Mg)とともに、炭素(C),水素(H)が検出された。電子線マイクロアナライザー測定からは、酸素、シリコン、炭素が検出された。これにより、本試料は、水素と炭素を含んでいるTiO2半導体粒子とMgO絶縁体粒子で構成されていることが分かった。
次に、ナノサイズ粒子の成分について述べる。本試料に含まれる元素を飛行時間型二次イオン質量分析法で測定したところ、チタニウム(Ti),マグネシウム(Mg)とともに、炭素(C),水素(H)が検出された。電子線マイクロアナライザー測定からは、酸素、シリコン、炭素が検出された。これにより、本試料は、水素と炭素を含んでいるTiO2半導体粒子とMgO絶縁体粒子で構成されていることが分かった。
試料に含まれる炭素と水素の量を実施例1と同様にして測定した。その結果、炭素濃度2×1019原子/cm3、水素濃度6×1018原子/cm3であった。
実施例3
(1)TiSiO膜の作製
原料ガスにはチタニウム(IV)テトライソプロポキシド(Ti[OCH(CH3)2]4)とヘキサメチルジシロキサン((CH3)3SiOSi(CH3)3)を用いた他は、実施例1と同様にして膜を作製した。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
(1)TiSiO膜の作製
原料ガスにはチタニウム(IV)テトライソプロポキシド(Ti[OCH(CH3)2]4)とヘキサメチルジシロキサン((CH3)3SiOSi(CH3)3)を用いた他は、実施例1と同様にして膜を作製した。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
(2)蓄電池の製造
図1に示すような二次電池を製造した。
基板にはPET樹脂を用いた。PET樹脂基板の上部にはITO導電膜が形成されている。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は330Kであった。次に、蓄電層として、(1)と同様に、TiO2−SiO2接合粒子を形成し、その上部にはITO上部電極膜を形成した。
図1に示すような二次電池を製造した。
基板にはPET樹脂を用いた。PET樹脂基板の上部にはITO導電膜が形成されている。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は330Kであった。次に、蓄電層として、(1)と同様に、TiO2−SiO2接合粒子を形成し、その上部にはITO上部電極膜を形成した。
図5は蓄電層の詳細を示している。最初に、TiO2粒子のみを数層積み重ねた。このとき、場所によって積層数が異なっていた。次に、それぞれの大きさの平均値が60nmであるTiO2とSiO2粒子が接合している複合粒子を形成して、すでに堆積しているTiO2粒子の上に堆積させた。平均粒子径はn型酸化物半導体が88nm、酸化物絶縁体が42nmであった。
尚、原料ガスを交互に又は同時に供給することで、図6のような粒子配列を作ることもできる。
図5,6において、蓄電されるのはTiO2−SiO2接合粒子が積層している領域のみであり、TiO2粒子、SiO2粒子のみの領域では蓄電効果はない。
上部電極、下部電極を直流電源と接続して、充放電回路を形成した。
マイナス5Vの電圧を上部電極に印加し、下部電極を接地することで、TiO2−SiO2接合粒子層に電荷充電することができる。電源を取り外し、上部電極と下部電極の間に負荷を挿入すると、蓄えられた電子が回路に供給される。
マイナス5Vの電圧を上部電極に印加し、下部電極を接地することで、TiO2−SiO2接合粒子層に電荷充電することができる。電源を取り外し、上部電極と下部電極の間に負荷を挿入すると、蓄えられた電子が回路に供給される。
図7に、充放電時のバンド構造変化を示す。上部電極にマイナス5Vの電圧を印加し、下部電極を接地することにより、上部電極のエネルギー準位が上昇するので、上部電極からTiO2−SiO2接合粒子層の電子捕獲準位に電子が供給される。電源を取り外すと、TiO2−SiO2接合粒子層の電子エネルギー準位が上部電極中の電子準位より高くなり、電圧が発生する。この段階では、TiO2接合粒子中の電子はSiO2絶縁体粒子によって漏洩が抑制されている。この状態で上部電極と下部電極の間に負荷を挿入すると、電圧差がゼロになるまで電流が回路に流れる。
以上、説明したように、n型TiO2粒子と絶縁体粒子の接合体を蓄電層に用いることで、外部から電圧印加によりn型粒子に電子を蓄電させ、電極に負荷を接続することで、電子を放電するという二次電池としての機能させることができる。電圧印加と負荷接続の繰り返しにより、二次電池として使用できる。
実施例4
(1)ZnSiO膜の作製
亜鉛(Zn)とシリコン(Si)を含む蒸気をプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入してZnO−SiO2粒子集合薄膜を作製した。原料ガスにはジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)とヘキサメチルジシロキサン((CH3)3SiOSi(CH3)3)を用いた。それぞれの原料からの蒸気とアルゴンガスを混合した後、それぞれ独立した導入口から真空容器内に導入した。排気速度を調整して、原料ガス導入後の真空容器内の圧力を100Paに保持した。この状態で、さらに酸素ガスを専用導入口経由で反応容器内に供給した。酸素ガス導入後の全圧力は180Paであった。真空容器内には向い合っている2枚の金属電極が配置されていて、金属電極の間隔は50mmであった。一方の金属電極は接地されていて、残りの金属電極には周波数60MHzの電力を供給した。これにより、向かい合う二つの金属電極で挟まれている空間に原料ガス、アルゴン、酸素の複合電離気体が生成し、接地電極に置かれた基板上に金属ガス成分を含んだ薄膜が堆積した。基板には表面に導電膜が形成されているカプトンフィルムを用いた。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は330Kまで上昇した。この方法で、酸化錫(ZnO)と酸化シリコン(SiO2)粒子を含む薄膜を作製した。試料膜厚は5μmであった。
(1)ZnSiO膜の作製
亜鉛(Zn)とシリコン(Si)を含む蒸気をプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入してZnO−SiO2粒子集合薄膜を作製した。原料ガスにはジエチル亜鉛(Zn(C2H5)2)とヘキサメチルジシロキサン((CH3)3SiOSi(CH3)3)を用いた。それぞれの原料からの蒸気とアルゴンガスを混合した後、それぞれ独立した導入口から真空容器内に導入した。排気速度を調整して、原料ガス導入後の真空容器内の圧力を100Paに保持した。この状態で、さらに酸素ガスを専用導入口経由で反応容器内に供給した。酸素ガス導入後の全圧力は180Paであった。真空容器内には向い合っている2枚の金属電極が配置されていて、金属電極の間隔は50mmであった。一方の金属電極は接地されていて、残りの金属電極には周波数60MHzの電力を供給した。これにより、向かい合う二つの金属電極で挟まれている空間に原料ガス、アルゴン、酸素の複合電離気体が生成し、接地電極に置かれた基板上に金属ガス成分を含んだ薄膜が堆積した。基板には表面に導電膜が形成されているカプトンフィルムを用いた。基板は無加熱であったが、プラズマの輻射熱で製膜後の温度は330Kまで上昇した。この方法で、酸化錫(ZnO)と酸化シリコン(SiO2)粒子を含む薄膜を作製した。試料膜厚は5μmであった。
作製した薄膜の表面形状は原子間力顕微鏡を用いて観察した。その結果、試料の膜は、球状粒子で構成されていた。それぞれの粒子は、図4に示すように、互いに密着していた。球状粒子は真円に近い物から、楕円に近い物まで、さまざまであった。平均粒子径はn型酸化物半導体が49nm、酸化物絶縁体が44nmであった。
(2)ZnSiO膜に及ぼす電圧印加又は紫外線照射の影響
次に、試料に及ぼす電圧印加の影響をについて調べた。
真空容器から取り出した試料の可視光透過率に及ぼす電圧印加の影響を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上に形成してある導電膜を接地した状態、試料上部導電膜に+8Vで順に電圧を印加した。電圧印加は大気中、室温で行い、各電圧の保持時間は20秒であった。電圧印加後の可視光透過率を入射光波長400〜700で測定しその平均値を求め、平均可視光透過率とした。+8Vにおける平均可視光透過率は、22%に低下した。何らかの作用で膜中に電子が捕獲されると平均可視光透過率は低下する。これにより、プラズマ支援化学蒸気堆積法で合成した亜鉛(Zn)とシリコン(Si)の酸化物のナノサイズ粒子の集合体は、電圧印加によって平均可視光透過率が変動するエレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
次に、試料に及ぼす電圧印加の影響をについて調べた。
真空容器から取り出した試料の可視光透過率に及ぼす電圧印加の影響を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上に形成してある導電膜を接地した状態、試料上部導電膜に+8Vで順に電圧を印加した。電圧印加は大気中、室温で行い、各電圧の保持時間は20秒であった。電圧印加後の可視光透過率を入射光波長400〜700で測定しその平均値を求め、平均可視光透過率とした。+8Vにおける平均可視光透過率は、22%に低下した。何らかの作用で膜中に電子が捕獲されると平均可視光透過率は低下する。これにより、プラズマ支援化学蒸気堆積法で合成した亜鉛(Zn)とシリコン(Si)の酸化物のナノサイズ粒子の集合体は、電圧印加によって平均可視光透過率が変動するエレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
次に、試料に及ぼす紫外線照射の影響を測定した。真空容器から取り出した本試料に波長254nmの紫外線を室温で照射した。紫外線照射量がおよそ1020/cm2を超えたあたりから本試料の可視光透過率が減少し始め、およそ1027/cm2で飽和した。紫外線照射後での平均可視光透過率は、入射光波長400〜700nmでは12%に低下した。何らかの作用で膜中に電子が捕獲されると可視光透過率は低下する。この結果から、本試料は、紫外線照射に可視光透過率が変動するフォトクロミズム特性を有していることを確認した。
次に、それぞれ上記と同じ条件で、電圧印加の後に紫外線照射を行った。平均可視光透過率は9%に低下した。
次に、それぞれ上記と同じ条件で、電圧印加の後に紫外線照射を行った。平均可視光透過率は9%に低下した。
熱的安定性試験を実施例1と同様にして実施した。その結果、620Kで製膜直後と同じ透明に戻った。
試料に含まれる炭素と水素の量を実施例1と同様にして測定した。その結果、炭素濃度1×1019原子/cm3、水素濃度7×1018原子/cm3であった。
実施例5
酸素ガス導入量、排気速度等のプラズマ合成条件を変えることで、ナノサイズ粒子内の炭素原子と水素原子の濃度が変動する。
酸素ガス導入量を実施例1の1.2倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例1と同様にして試料を形成した。膜厚は3μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
酸素ガス導入量、排気速度等のプラズマ合成条件を変えることで、ナノサイズ粒子内の炭素原子と水素原子の濃度が変動する。
酸素ガス導入量を実施例1の1.2倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例1と同様にして試料を形成した。膜厚は3μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
比較例1
酸素ガス導入量を実施例1の1.6倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例1と同様にして試料を形成した。膜厚は3μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。表1において、<1×1017原子/cm3は検出限界以下である。
酸素ガス導入量を実施例1の1.6倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例1と同様にして試料を形成した。膜厚は3μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。表1において、<1×1017原子/cm3は検出限界以下である。
実施例6
酸素ガス導入量を実施例2の1.2倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例2と同様にして試料を形成した。膜厚は8μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
酸素ガス導入量を実施例2の1.2倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例2と同様にして試料を形成した。膜厚は8μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
比較例2
酸素ガス導入量を実施例2の1.6倍、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例2と同様にして試料を形成した。膜厚は8μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
酸素ガス導入量を実施例2の1.6倍、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例2と同様にして試料を形成した。膜厚は8μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
実施例7
酸素ガス導入量を実施例3の1.2倍、排気速度を1.5倍にした他は、実施例3と同様にして試料を形成した。膜厚は5μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
酸素ガス導入量を実施例3の1.2倍、排気速度を1.5倍にした他は、実施例3と同様にして試料を形成した。膜厚は5μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
比較例3
酸素ガス導入量を実施例3の1.6倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例3と同様にして試料を形成した。膜厚は5μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
酸素ガス導入量を実施例3の1.6倍にし、コンダクタンスを調節して排気速度を大きくした他は、実施例3と同様にして試料を形成した。膜厚は5μmであった。
実施例1と同様にして膜の特性を評価した。結果を表1,2に示す。
実施例8
(1)積層ZnO膜の作製
導電膜が形成されているガラスにスパッタ法で膜厚10nmの酸化物絶縁体SiO2膜が堆積されたものを、基板として用いた。
ジメチル亜鉛(Zn(CH3)2)とアルゴンの混合ガスをプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入した。排気速度調節弁を用いて真空容器内における混合ガス圧力を200Paに調節し、さらに酸素ガスを専用パイフ経由で反応容器内に導入した。酸素ガス導入後の全圧力は330Paであった。真空容器内には向い合っている2枚の金属電極が配置されていて、金属電極の間隔は50mmであった。一方の金属電極は接地されていて、残りの金属電極には周波数80MHzの電力を供給した。これにより、向かい合う2つの金属電極で挟まれている空間に原料ガス、アルゴン、酸素の複合電離気体が生成し、この結果、接地電極上に置かれた基板上に金属ガス成分を含んだ薄膜が堆積させた構造体を作製した。この方法により、上記基板上に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を形成した。試料膜厚は5μmであった。
(1)積層ZnO膜の作製
導電膜が形成されているガラスにスパッタ法で膜厚10nmの酸化物絶縁体SiO2膜が堆積されたものを、基板として用いた。
ジメチル亜鉛(Zn(CH3)2)とアルゴンの混合ガスをプラズマ支援化学蒸気堆積装置に導入した。排気速度調節弁を用いて真空容器内における混合ガス圧力を200Paに調節し、さらに酸素ガスを専用パイフ経由で反応容器内に導入した。酸素ガス導入後の全圧力は330Paであった。真空容器内には向い合っている2枚の金属電極が配置されていて、金属電極の間隔は50mmであった。一方の金属電極は接地されていて、残りの金属電極には周波数80MHzの電力を供給した。これにより、向かい合う2つの金属電極で挟まれている空間に原料ガス、アルゴン、酸素の複合電離気体が生成し、この結果、接地電極上に置かれた基板上に金属ガス成分を含んだ薄膜が堆積させた構造体を作製した。この方法により、上記基板上に酸化亜鉛(ZnO)薄膜を形成した。試料膜厚は5μmであった。
作製した薄膜の表面形状を、原子間力顕微鏡を用いて観察した(図8)。その結果、試料の膜は球状又は角のある粒子で構成されていることが分かった。平均粒子径は380nmであった。
また、上記試料について、SIMSを用いて薄膜に含まれる元素を分析したところ、亜鉛(Zn)の他に、炭素(C)及び水素(H)が検出された。炭素濃度は3×1019/cm3、水素濃度は8×1018/cm3であった。
(2)積層ZnO膜に及ぼす紫外線照射又は電圧印加の影響
次に、試料に及ぼす紫外線照射の影響を測定した。真空容器から取り出した試料に波長254nmの紫外線を室温で照射したところ、平均可視光透過率は、入射光波長400〜700nmでは10%に低下した。これにより、フォトクロミズム特性を有することが確認された。
次に、試料に及ぼす紫外線照射の影響を測定した。真空容器から取り出した試料に波長254nmの紫外線を室温で照射したところ、平均可視光透過率は、入射光波長400〜700nmでは10%に低下した。これにより、フォトクロミズム特性を有することが確認された。
次に、試料に及ぼす電圧印加の影響について調べた。
真空容器から取り出した試料の可視光透過率に及ぼす電圧印加の影響を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上に形成してある導電膜を接地した状態、試料上部導電膜に+8V、0V、−8Vの順で電圧印加を繰り返した。電圧印加は大気中、室温で行い、各電圧の保持時間は20秒であった。電圧印加後の平均可視光透過率は18%となった。これにより、エレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
真空容器から取り出した試料の可視光透過率に及ぼす電圧印加の影響を測定した。測定方法は次の通りである。試料表面に直径5mmの導電薄膜を形成した。基板直上及び試料表面のそれぞれの導電膜に導線を接続した。基板直上に形成してある導電膜を接地した状態、試料上部導電膜に+8V、0V、−8Vの順で電圧印加を繰り返した。電圧印加は大気中、室温で行い、各電圧の保持時間は20秒であった。電圧印加後の平均可視光透過率は18%となった。これにより、エレクトロクロミズム特性を有することが確認された。
熱的安定性試験を実施例1と同様にして実施した。その結果、620Kで製膜直後と同じ平均可視光透過率の値になった。
実施例1,5と比較例1、実施例2,6と比較例2、実施例3,7と比較例3をそれぞれ比較することにより、炭素原子、水素原子の不純物を含むことによって、蓄電状態の熱的安定性を70〜110K増加できることが分かる。
本発明の電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを電力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電池として用いることができる。
1 電池
100 基板
200 電極(下部電極)
300 電極(上部電極)
400,430,450 蓄電層
431,451 n型酸化物半導体
433,453 酸化物絶縁体
511,513 電極を構成する層
100 基板
200 電極(下部電極)
300 電極(上部電極)
400,430,450 蓄電層
431,451 n型酸化物半導体
433,453 酸化物絶縁体
511,513 電極を構成する層
Claims (18)
- n型酸化物半導体と、酸化物絶縁体を含み、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子を含む構造体。
- 実質的にn型酸化物半導体と酸化物絶縁体からなり、炭素原子、水素原子、又は炭素原子と水素原子がドープしている請求項1記載の構造体。
- 前記構造体中の、炭素原子の量が1×1017〜1×1023原子/cm3である請求項1又は2記載の構造体。
- 前記構造体中の、水素原子の量が1×1017〜1×1023原子/cm3である請求項1乃至3のいずれか記載の構造体。
- 前記n型酸化物半導体が、In、Ga、Zn、Sn、Ti、W、Ta、Nb、Ba、Ca及びMgから選択される1以上を含む請求項1乃至4のいずれか記載の構造体。
- 前記酸化物絶縁体が、Si、Al、Y、Zr及びHfから選択される1以上を含む請求項1乃至5のいずれか記載の構造体。
- 前記n型酸化物半導体が、平均粒径が1μm以下の粒子である請求項1乃至6のいずれか記載の構造体。
- 前記酸化物絶縁体が、平均粒径が1μm以下の粒子である請求項1乃至7のいずれか記載の構造体。
- 前記n型酸化物半導体及び前記酸化物絶縁体が粒子であり、
前記n型酸化物半導体粒子と酸化物絶縁体粒子が混合して少なくとも一部が接合している請求項1乃至8のいずれか記載の構造体。 - 前記n型酸化物半導体が半導体層を形成し、
前記酸化物絶縁体が絶縁体層を形成し、
前記半導体層と絶縁体層が、積層している請求項1乃至8のいずれか記載の構造体。 - 1V以上50V以下の電圧を1秒以上1時間以下で印加すると、入射光波長400〜700nmの平均可視光透過率が低下して0%以上40%以下となる請求項1乃至10のいずれか記載の構造体。
- 波長400nm以下の光を照射すると、入射光波長400〜700nmの平均可視光透過率が低下して0%以上40%以下となる請求項1乃至11のいずれか記載の構造体。
- 厚さが20nm以上10mm以下である請求項1乃至12のいずれか記載の構造体。
- 正極及び負極と、
前記正極及び負極の間にある蓄電層を備え、
前記蓄電層が請求項1乃至13のいずれか記載の構造体である二次電池。 - 前記正極が、p型半導体層と導電体層が接合した電極である請求項14記載の二次電池。
- 前記負極が、n型半導体層と導電体層が接合した電極である請求項14又は15記載の二次電池。
- n型酸化物半導体原料と、酸化物絶縁体原料を、プラズマ支援化学蒸気堆積法により、堆積して製造する、請求項1乃至13のいずれか記載の構造体の製造方法。
- 前記プラズマ支援化学蒸気堆積法を、周波数40MHz以上で、実施する請求項17記載の製造方法。
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JP2020501304A (ja) * | 2016-11-25 | 2020-01-16 | ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト−ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオー | Liイオン電池用のハイブリッドナノラミネート電極 |
-
2014
- 2014-11-26 JP JP2014238787A patent/JP2016014128A/ja active Pending
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KR20190076013A (ko) * | 2016-12-21 | 2019-07-01 | 가부시끼가이샤 도시바 | 반도체 고체 전지 |
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