JP2016013736A - 鉄道車両用テーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】跳ね上げ式テーブルとマガジンラックを一体とすることで、設置面積を削減しつつ、テーブルを薄くして、乗客の居住空間を確保するとともに、列車の加減速により雑誌が飛び出すことのない鉄道車両用テーブルを提供すること。【解決手段】テーブル本体12は、テーブル本体12が水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面13と、テーブル表面13の裏にあるテーブル裏面14を備えていること、テーブル裏面14には、雑誌18を収納するための凹部16が形成され、凹部16には、凹部16の一部を覆い、雑誌18を出し入れするための挿入開口部173を備えるホルダ17が取り付けられていること、凹部16を形成する凹部底面161は、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度θを有すること、を特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルに関するものである。
従来、鉄道車両において、客室の仕切り壁面に向かって座る乗客のために、客室が仕切られている壁面にテーブルが取り付けられている。一般的に、このテーブルは、座席の転換に必要なスペース、及び客室の仕切り壁面に向かって座る乗客の居住空間を確保するために跳ね上げ収納式を採用している。
乗客に対するサービスの一環として、乗車中に自由に読むことができる雑誌を提供する場合があり、その雑誌を収納するために座席ごとにマガジンラックが設置されている。例えば、新幹線のグリーン車では、2冊の雑誌が常設されている。
これらのテーブルとマガジンラックは、別々に設置される場合、あるいはテーブルに雑誌を収納するための収納部を設けてマガジンラックと一体とする場合がある。
特開2014-94064号公報 特開2012-205812号公報 特開2009-67170号公報
しかしながら、テーブルとマガジンラックを別々に設置した場合、設置面積が広がり、乗客の居住空間が狭くなるという問題があった。
また、テーブルとマガジンラックを一体とした場合、テーブルに収納部を設けるため、テーブルの厚みが増してしまい、乗客の居住空間が狭くなるという問題があった。
仮に、跳ね上げ式テーブルとマガジンラックを一体とした状態でテーブルを薄くした場合、テーブルの使用時(テーブルが水平位置にあるとき)に、列車の加減速により、雑誌がテーブルから飛び出す恐れがあった。新幹線のグリーン車のように、2冊の雑誌が常設されていると、雑誌同士の摩擦係数μが低いため、2冊のうちテーブル使用時に上に位置する雑誌はさらに滑りやすくなっており、雑誌がテーブルから飛び出しやすかった。雑誌が完全にテーブルから飛び出さなくても、少し飛び出てくることが乗客に不快感を与える恐れがあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、跳ね上げ式テーブルとマガジンラックを一体とすることで、設置面積を削減しつつ、テーブルを薄くして、乗客の居住空間を確保するとともに、列車の加減速により雑誌が飛び出すことのない鉄道車両用テーブルを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の鉄道車両用テーブルは、次のような構成を有している。
(1)鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、前記固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、前記テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルにおいて、前記テーブル本体は、前記テーブル本体が前記水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面と、前記テーブル表面の裏にあるテーブル裏面を備えていること、前記テーブル裏面には、雑誌を収納するための凹部が形成され、前記凹部には、前記凹部の一部を覆い、前記雑誌を出し入れするための挿入開口部を備えるホルダが取り付けられていること、前記凹部を形成する凹部底面は、前記テーブル表面に対し、所定の傾斜角度を有すること、を特徴とする。ここで、壁面としては、客室妻部の壁面等が想定される。
(2)(1)に記載の鉄道車両用テーブルについて、前記所定の傾斜角度θは、前記鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<g(sinθ+μ・cosθ)を満たすこと、を特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載の鉄道車両用テーブルにおいて、前記ホルダは、前記固定取付部材側に開口部が備えられていること、前記開口部を備える辺に折り曲げ部が形成されていること、前記挿入開口部を備える辺に雑誌保持凸部が形成されていること、を特徴とする。
本発明の鉄道車両用テーブルは、上記構成を有することにより、次のような作用及び効果を有する。
(1)鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルにおいて、テーブル本体は、テーブル本体が水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面と、テーブル表面の裏にあるテーブル裏面を備えていること、テーブル裏面には、雑誌を収納するための凹部が形成され、凹部には、凹部の一部を覆い、雑誌を出し入れするための挿入開口部を備えるホルダが取り付けられていること、凹部を形成する凹部底面は、テーブル表面に対し所定の傾斜角度θを有すること、を特徴とするので、凹部に雑誌を収納することにより、テーブルとマガジンラックを別々に設置した場合と比べて設置面積を削減でき、乗客の居住空間を確保することができる。また、凹部底面は、テーブル表面に対し所定の傾斜角度を有することにより、テーブル本体の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。さらに、これにより、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
ここで、所定の傾斜角度は、4°程度であることが好ましい。傾斜角度が4°未満だと、慣性力により雑誌が飛び出す恐れがある。また、飛び出すのを防止するために傾斜角度を4°より大きくすると、テーブルの厚みが増してしまい、乗客の居住空間を狭くする恐れがある。
(2)(1)に記載の鉄道車両用テーブルについて、所定の傾斜角度θは、鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<g(sinθ+μ・cosθ)を満たすこと、を特徴とするので、テーブル本体の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。また、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
(3)(1)又は(2)に記載の鉄道車両用テーブルにおいて、ホルダは、固定取付部材側に開口部が備えられていること、開口部を備える辺に折り曲げ部が形成されていること、挿入開口部を備える辺に雑誌保持凸部が形成されていること、を特徴とするので、開口部から凹部を清掃することができ、ペンなどを落としても開口部から取り出すことができる。開口部がないと、凹部とホルダの間にごみが溜まってしまい、清掃しにくい。そのため、雑誌を取り出して読もうとしたときに、雑誌にごみが付いてしまい、乗客に不快感を与える恐れがあった。
また、テーブルの不使用時(テーブル本体が垂直位置にあるとき)、折り曲げ部により、雑誌が開口部から落ちることを防止する。さらに、挿入開口部から雑誌のタイトルを見ることができるため、乗客は読みたい雑誌を容易に取り出すことができる。また、テーブルの使用時(テーブル本体が水平位置にあるとき)は、雑誌保持凸部により雑誌が保持されるため雑誌が垂れ下がる恐れがない。
図2に示す水平位置の鉄道車両用テーブルのA−A端面図である。 水平位置の鉄道車両用テーブルの斜視図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの正面図である。 図3に示す垂直位置の鉄道車両用テーブルのD−D端面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの背面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの側面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの平面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの底面図である。 垂直位置から水平位置への回動を説明するための鉄道車両用テーブルの斜視図である。 垂直位置から水平位置への回動を説明するための鉄道車両用テーブルの側面図である。 水平位置の鉄道車両用テーブルに収納された雑誌に働く力を示す図である。
以下、本発明に係る鉄道車両用テーブル1について、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
<鉄道車両用テーブル1の構成>
図2に、テーブルの使用時、すなわちテーブル本体12が水平位置にある鉄道車両用テーブル1の斜視図を示す。図1は、図2のA−A端面図を示す。なお、図1では雑誌18が収納された状態を示す。図1は端面図であるため、断面図と異なり、端面より奥の外観の図示はない。端面図としたのは、構成を見易くするためである。
図3に、テーブルの不使用時、すなわちテーブル本体12が垂直位置にある鉄道車両用テーブル1の正面図(テーブル裏面14)を示す。図4は、図3のD−D端面図を示す。図5にその背面図(テーブル表面13)、図6に側面図(テーブル側面15)、図7に平面図、図8に底面図を示す。図5から図8は、図3と同様にテーブル本体12が垂直位置にある状態を示す。
鉄道車両用テーブル1は、図6に示すように、固定取付部材11と、テーブル本体12を有する。
固定取付部材11は取付板21を介して壁面19に固定される。取付板21は、図示しない5本のボルトで壁面19に取り付けられている。取付板21に対して、図7に示すように、固定取付け部材11の端部の上部及び下部からそれぞれ2本ずつのボルト20により、固定取付け部材11が取り付けられている。固定取付部材11の下方は、図3に示すように、傾斜角度θ2を有して形成されており、外観をより小さく見せている。
テーブル本体12は、図5に示すように、ノート型パソコンなどを載置するテーブル表面13を有する。テーブル表面13には、飲み物を置くための飲み物用凹部131が形成されている。
テーブル表面13の裏には、図3に示すように、テーブル裏面14が備えられている。テーブル裏面14は、図中上部141、右中央下部142、左中央下部143、及び下部144を備える。テーブル本体12のうち、下部144が位置する部分は、強度をもたせるため、及び機構部品を納めるため、厚く形成されている。右中央下部142及び左中央下部143が位置する箇所には、図2に示すように、テーブル側面15が形成されている。テーブル側面15は、右中央下部142、及び左中央下部143から上部141に向かって薄くなるように傾斜が形成されている。
テーブル裏面14の中央部には、図3に示すように、雑誌18を収納するための凹部16が形成される。凹部16は、雑誌が2冊収まる程度の深さを有する。テーブル裏面14のうち、上部141付近ではホルダ17から上部端面、左右端面に向かって薄くなるように傾斜して形成されている。右中央下部142、及び左中央下部143付近では、傾斜はより緩やかに形成されている。
テーブル本体12は、図2に示すように、テーブル使用時に斜めからみると、非常に薄く見える。また、テーブル側面15の形状により、テーブル使用時には、テーブル本体12と固定取付部材11に一体感をもたせることができ、乗客に居住空間を狭く感じさせない。また、テーブルの角は角張っておらず、緩やかなカーブであるため、服などが引っかからず乗客に不快を感じさせず、乗客の居住空間を広く確保することができる。
凹部16には、凹部16の一部を覆って雑誌18を保持するためのホルダ17が取り付けられている。ホルダ17は、雑誌18を出し入れするための挿入開口部173を備えている。凹部16には凹部底面161が形成されている。凹部底面161は、図1に示すように、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度θ1を有している。本実施形態では、傾斜角度θ1は4°に設定している。
ここで、傾斜角度θ1は4°程度に設定することが好ましい。傾斜角度θ1が4°未満だと、テーブル使用時に(水平状態)雑誌18がテーブルから飛び出す恐れがある。また、傾斜角度θ1が4°より大きいとテーブルの厚みが増し、乗客の居住空間を狭くする恐れがある。
図3に示すように、ホルダ17の固定取付部材11側には、開口部171が形成されている。ホルダ17の開口部171を備える一方の辺には、開口部切欠部172が形成されている。また、開口部切欠部172が形成されていない部分には、図4の図3のD−D端面図に示すように、凹部16に向かって折り曲げられた折り曲げ部175が形成されている。ホルダ17の挿入開口部173を備える他方の辺には、雑誌保持部174が形成されている。この雑誌保持部174が、請求項の雑誌保持凸部に相当する。
テーブル本体12及びホルダ17は樹脂から成る成形品である。テーブル使用時に乗客と平行の位置関係にあるテーブル本体12の辺(図2に示す)の寸法Bは、およそ340mmである。乗客と直交する位置関係にある辺の寸法Cは、およそ530mmである。テーブル本体12には、およそA4サイズのノート型パソコンを置くことができる。
<鉄道車両用テーブル1の作用・効果>
図9は、テーブル本体12の垂直位置から水平位置への回動を説明するための、鉄道車両用テーブル1の斜視図であり、図10は、その側面図である。図9及び図10では、垂直位置から水平位置への回動を矢印Pで示している。図9では、垂直位置にあるテーブル本体12は、矢印P方向に回動し、水平位置に移動する。水平位置にあるテーブル本体12を仮想線として2点鎖線で示している。図10では、垂直位置のテーブル本体12は、矢印P方向に回動し、水平位置に移動する。垂直位置にあるテーブル本体12を仮想線として2点鎖線で示している。
テーブル不使用時には、図3に示すように、テーブル本体12は垂直位置に収納されている。このとき、開口部171から凹部16を清掃することができ、清潔に保つことができる。また、誤って挿入開口部173からものを落とした場合にも、開口部171から取り出すことができる。開口部171がないと、凹部16とホルダ17の間に溜まったごみを取り除くことが困難であった。そのため、雑誌18を取り出して読もうとしたときに、雑誌18にごみが付いてしまい、乗客に不快感を与える恐れがあった。また、開口部171に開口部切欠部172が形成されていることにより、清掃がより容易になる。
また、挿入開口部173から雑誌18のタイトルを見ることができ、特に新幹線のグリーン車に常設されている雑誌は、雑誌のタイトルが上部に記載されているため、2冊の雑誌のタイトルを同時に見ることができる。挿入開口部173により、乗客は雑誌を取り出しやすいだけでなく、読みたい雑誌を容易に取り出すことができる。また、テーブル本体12が垂直位置にあっても、雑誌18は折り曲げ部175により押さえられ、滑って開口部171から落ちることはない。
テーブル使用時には、テーブル本体12は水平位置に保持されている。このとき、雑誌に働く力について、図11を用いて説明する。図11に示す重心Sは、図1における雑誌18の重心Sと対応する。雑誌18の重力をGで示し、鉄道車両の加減速度aにより雑誌に生じる慣性力をFで示す(F=ma)(mは雑誌の質量を示す。)。また、雑誌18がホルダ17を押さえる力をNで示す(N=G・cosθ1)。なお、重力Gは、請求項に記載する「g」に相当する。また、雑誌の質量mを1として(m=1)、以下説明をする。
鉄道車両の加減速度aにより生じる慣性力Fは、凹部底面に対し水平方向に働く力、すなわち雑誌がホルダから飛び出そうとする力F’(F’=Fcosθ1)に分かれる。反対方向には、雑誌とホルダの接する面にかかる摩擦力μN(摩擦係数μ)に加え、雑誌の重力Gの分力G’(G’=G・sinθ1)が働く。
雑誌がテーブルのホルダ内に収められるとき、テーブルを薄くしようと傾斜角度を4°未満に設定すると、雑誌がホルダから飛び出そうとする力F’は、雑誌とホルダが接する面にかかる摩擦力μNと雑誌を止めようとする力G’を足した力より大きくなる(F’>G’+μN)。そのため、雑誌はホルダから飛び出すことがあり、乗客に不快感を与える恐れがあった。また、傾斜角度を4°より大きく設定すると、テーブルの厚みが増し、乗客の居住空間が狭くなる問題があった。
ここで、新幹線では、最大加減速度は一定である。また、新幹線のグリーン車では、2冊の雑誌が常設されており、雑誌の重量はほぼ決まっている。そのため、雑誌に生じる慣性力Fをある一定の数値に想定することができる。
そこで、本出願人は、その想定に基づき、数々のシミュレーション及び実験を通して、特に新幹線の車両において、テーブル表面13と凹部底面161との傾斜角度θ1は、列車の加減速度aに対してa・cosθ<G(sinθ1+μ・cosθ1)を満たすこと、また、傾斜角度θ1を4°程度に設定することが最も有効であると見出すことができた。
鉄道車両用テーブル1では、図1に示すように、凹部底面161が、テーブル表面13に対し、傾斜角度θ1は4°である。このとき、雑誌18がホルダ17から飛び出そうとする力F’は、雑誌18とホルダ17の接する面にかかる摩擦力μNと雑誌を止めようとする力G’を足した力より小さくなる(F’<G’+μN)。すなわち、鉄道車両の加減速度aは、重力G(sinθ+μ・cosθ)より小さい(a・cosθ<G(sinθ+μ・cosθ))。そのため、雑誌18は、通常の車両加減速作用によってホルダ17から飛び出すことはない。
仮に、非常ブレーキ等により、通常よりも大きな減速が行われたときであっても、2冊ある雑誌のうち、テーブル使用時に上に位置する雑誌は滑って飛び出す恐れがあるが、凹部16の壁面に当たり、その反発力によりホルダ17内に収納される。そのため、雑誌18が外に完全に飛び出すことはない。
これにより、テーブル本体12を薄くしつつ、雑誌18がホルダ17から飛び出さないことの両方を実現することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態の鉄道車両用テーブル1によれば、
(1)鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材11と、固定取付部材11に回動可能に支持されるテーブル本体12を有し、テーブル本体12が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブル1において、テーブル本体12は、テーブル本体12が水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面13と、テーブル表面13の裏にあるテーブル裏面14を備えていること、テーブル裏面14には、雑誌18を収納するための凹部16が形成され、凹部16には、凹部16の一部を覆い、雑誌18を出し入れするための挿入開口部173を備えるホルダ17が取り付けられていること、凹部16を形成する凹部底面161は、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度を有すること、を特徴とするので、凹部16に雑誌18を収納することにより、テーブルとマガジンラックを別々に設置した場合と比べて設置面積を削減でき、乗客の居住空間を確保することができる。また、凹部底面161は、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度θ1を有することにより、テーブル本体12の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。さらに、これにより、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
ここで、所定の傾斜角度θ1は、4°程度であることが好ましい。傾斜角度θ1が4°未満だと、慣性力により雑誌が飛び出す恐れがある。また、飛び出すのを防止するために傾斜角度θ1を4°より大きくすると、テーブルの厚みが増してしまい、乗客の居住空間を狭くする恐れがある。
(2)(1)に記載の鉄道車両用テーブル1について、所定の傾斜角度θ1は、鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<G(sinθ1+μ・cosθ1)を満たすこと、を特徴とするので、テーブル本体12の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。また、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
(3)(1)又は(2)に記載の鉄道車両用テーブル1において、ホルダ17は、固定取付部材11側に開口部171が備えられていること、開口部171を備える辺に折り曲げ部175が形成されていること、挿入開口部173を備える辺に雑誌保持部174が形成されていること、を特徴とするので、開口部171から凹部16を清掃することができ、ペンなどを落としても開口部171から取り出すことができる。
また、折り曲げ部175が形成されているため、テーブルの不使用時は、雑誌18が開口部171から落ちる恐れがない。
さらに、挿入開口部173から雑誌18のタイトルを見ることができるため、乗客は読みたい雑誌を容易に取り出すことができる。また、テーブルの使用時は、雑誌保持部174により雑誌18が保持されるため雑誌18が垂れ下がる恐れがない。
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
1 鉄道車両用テーブル
11 固定取付部
12 テーブル本体
13 テーブル表面
131 飲み物用凹部
14 テーブル裏面
141 上部
142 右中央下部
143 左中央下部
144 下部
15 テーブル側面
16 凹部
161 凹部底面
17 ホルダ
171 開口部
172 開口部切欠部
173 挿入開口部
174 雑誌保持部
175 折り曲げ部
18 雑誌
19 壁面
20 ボルト
21 取付板
本発明は、鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルに関するものである。
従来、鉄道車両において、客室の仕切り壁面に向かって座る乗客のために、客室が仕切られている壁面にテーブルが取り付けられている。一般的に、このテーブルは、座席の転換に必要なスペース、及び客室の仕切り壁面に向かって座る乗客の居住空間を確保するために跳ね上げ収納式を採用している。
乗客に対するサービスの一環として、乗車中に自由に読むことができる雑誌を提供する場合があり、その雑誌を収納するために座席ごとにマガジンラックが設置されている。例えば、新幹線のグリーン車では、2冊の雑誌が常設されている。
これらのテーブルとマガジンラックは、別々に設置される場合、あるいはテーブルに雑誌を収納するための収納部を設けてマガジンラックと一体とする場合がある。
特開2014-94064号公報 特開2012-205812号公報 特開2009-67170号公報
しかしながら、テーブルとマガジンラックを別々に設置した場合、設置面積が広がり、乗客の居住空間が狭くなるという問題があった。
また、テーブルとマガジンラックを一体とした場合、テーブルに収納部を設けるため、テーブルの厚みが増してしまい、乗客の居住空間が狭くなるという問題があった。
仮に、跳ね上げ式テーブルとマガジンラックを一体とした状態でテーブルを薄くした場合、テーブルの使用時(テーブルが水平位置にあるとき)に、列車の加減速により、雑誌がテーブルから飛び出す恐れがあった。新幹線のグリーン車のように、2冊の雑誌が常設されていると、雑誌同士の摩擦係数μが低いため、2冊のうちテーブル使用時に上に位置する雑誌はさらに滑りやすくなっており、雑誌がテーブルから飛び出しやすかった。雑誌が完全にテーブルから飛び出さなくても、少し飛び出てくることが乗客に不快感を与える恐れがあった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、跳ね上げ式テーブルとマガジンラックを一体とすることで、設置面積を削減しつつ、テーブルを薄くして、乗客の居住空間を確保するとともに、列車の加減速により雑誌が飛び出すことのない鉄道車両用テーブルを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の鉄道車両用テーブルは、次のような構成を有している。
(1)鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、前記固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、前記テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルにおいて、前記テーブル本体は、前記テーブル本体が前記水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面と、前記テーブル表面の裏にあるテーブル裏面を備えていること、前記テーブル裏面には、雑誌を収納するための凹部が形成され、前記凹部には、前記凹部の一部を覆い、前記雑誌を出し入れするための挿入開口部を備えるホルダが取り付けられていること、前記凹部を形成する凹部底面は、前記テーブル表面に対し、所定の傾斜角度θ1を有すること、を特徴とする。ここで、壁面としては、客室妻部の壁面等が想定される。
(2)(1)に記載の鉄道車両用テーブルについて、前記所定の傾斜角度θは、前記鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<g(sinθ+μ・cosθ)を満たすこと、を特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載の鉄道車両用テーブルにおいて、前記ホルダは、前記固定取付部材側に開口部が備えられていること、前記開口部を備える辺に折り曲げ部が形成されていること、前記挿入開口部を備える辺に雑誌保持凸部が形成されていること、を特徴とする。
本発明の鉄道車両用テーブルは、上記構成を有することにより、次のような作用及び効果を有する。
(1)鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルにおいて、テーブル本体は、テーブル本体が水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面と、テーブル表面の裏にあるテーブル裏面を備えていること、テーブル裏面には、雑誌を収納するための凹部が形成され、凹部には、凹部の一部を覆い、雑誌を出し入れするための挿入開口部を備えるホルダが取り付けられていること、凹部を形成する凹部底面は、テーブル表面に対し所定の傾斜角度θを有すること、を特徴とするので、凹部に雑誌を収納することにより、テーブルとマガジンラックを別々に設置した場合と比べて設置面積を削減でき、乗客の居住空間を確保することができる。また、凹部底面は、テーブル表面に対し所定の傾斜角度を有することにより、テーブル本体の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。さらに、これにより、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
ここで、所定の傾斜角度θ1は、4°程度であることが好ましい。傾斜角度θ1が4°未満だと、慣性力により雑誌が飛び出す恐れがある。また、飛び出すのを防止するために傾斜角度θ1を4°より大きくすると、テーブルの厚みが増してしまい、乗客の居住空間を狭くする恐れがある。
(2)(1)に記載の鉄道車両用テーブルについて、所定の傾斜角度θは、鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<g(sinθ+μ・cosθ)を満たすこと、を特徴とするので、テーブル本体の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。また、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
(3)(1)又は(2)に記載の鉄道車両用テーブルにおいて、ホルダは、固定取付部材側に開口部が備えられていること、開口部を備える辺に折り曲げ部が形成されていること、挿入開口部を備える辺に雑誌保持凸部が形成されていること、を特徴とするので、開口部から凹部を清掃することができ、ペンなどを落としても開口部から取り出すことができる。開口部がないと、凹部とホルダの間にごみが溜まってしまい、清掃しにくい。そのため、雑誌を取り出して読もうとしたときに、雑誌にごみが付いてしまい、乗客に不快感を与える恐れがあった。
また、テーブルの不使用時(テーブル本体が垂直位置にあるとき)、折り曲げ部により、雑誌が開口部から落ちることを防止する。さらに、挿入開口部から雑誌のタイトルを見ることができるため、乗客は読みたい雑誌を容易に取り出すことができる。また、テーブルの使用時(テーブル本体が水平位置にあるとき)は、雑誌保持凸部により雑誌が保持されるため雑誌が垂れ下がる恐れがない。
図2に示す水平位置の鉄道車両用テーブルのA−A端面図である。 水平位置の鉄道車両用テーブルの斜視図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの正面図である。 図3に示す垂直位置の鉄道車両用テーブルのD−D端面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの背面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの側面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの平面図である。 垂直位置の鉄道車両用テーブルの底面図である。 垂直位置から水平位置への回動を説明するための鉄道車両用テーブルの斜視図である。 垂直位置から水平位置への回動を説明するための鉄道車両用テーブルの側面図である。 水平位置の鉄道車両用テーブルに収納された雑誌に働く力を示す図である。
発明に係る鉄道車両用テーブル1について、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
<鉄道車両用テーブル1の構成>
図2に、テーブルの使用時、すなわちテーブル本体12が水平位置にある鉄道車両用テーブル1の斜視図を示す。図1は、図2のA−A端面図を示す。なお、図1では雑誌18が収納された状態を示す。図1は端面図であるため、断面図と異なり、端面より奥の外観の図示はない。端面図としたのは、構成を見易くするためである。
図3に、テーブルの不使用時、すなわちテーブル本体12が垂直位置にある鉄道車両用テーブル1の正面図(テーブル裏面14)を示す。図4は、図3のD−D端面図を示す。図5にその背面図(テーブル表面13)、図6に側面図(テーブル側面15)、図7に平面図、図8に底面図を示す。図5から図8は、図3と同様にテーブル本体12が垂直位置にある状態を示す。
鉄道車両用テーブル1は、図6に示すように、固定取付部材11と、テーブル本体12を有する。
固定取付部材11は取付板21を介して壁面19に固定される。取付板21は、図示しない5本のボルトで壁面19に取り付けられている。取付板21に対して、図7に示すように、固定取付け部材11の端部の上部及び下部からそれぞれ2本ずつのボルト20により、固定取付け部材11が取り付けられている。固定取付部材11の下方は、図3に示すように、傾斜角度θ2を有して形成されており、外観をより小さく見せている。
テーブル本体12は、図5に示すように、ノート型パソコンなどを載置するテーブル表面13を有する。テーブル表面13には、飲み物を置くための飲み物用凹部131が形成されている。
テーブル表面13の裏には、図3に示すように、テーブル裏面14が備えられている。テーブル裏面14は、図中上部141、右中央下部142、左中央下部143、及び下部144を備える。テーブル本体12のうち、下部144が位置する部分は、強度をもたせるため、及び機構部品を納めるため、厚く形成されている。右中央下部142及び左中央下部143が位置する箇所には、図2に示すように、テーブル側面15が形成されている。テーブル側面15は、右中央下部142、及び左中央下部143から上部141に向かって薄くなるように傾斜が形成されている。
テーブル裏面14の中央部には、図3に示すように、雑誌18を収納するための凹部16が形成される。凹部16は、雑誌が2冊収まる程度の深さを有する。テーブル裏面14のうち、上部141付近ではホルダ17から上部端面、左右端面に向かって薄くなるように傾斜して形成されている。右中央下部142、及び左中央下部143付近では、傾斜はより緩やかに形成されている。
テーブル本体12は、図2に示すように、テーブル使用時に斜めからみると、非常に薄く見える。また、テーブル側面15の形状により、テーブル使用時には、テーブル本体12と固定取付部材11に一体感をもたせることができ、乗客に居住空間を狭く感じさせない。また、テーブルの角は角張っておらず、緩やかなカーブであるため、服などが引っかからず乗客に不快を感じさせず、乗客の居住空間を広く確保することができる。
凹部16には、凹部16の一部を覆って雑誌18を保持するためのホルダ17が取り付けられている。ホルダ17は、雑誌18を出し入れするための挿入開口部173を備えている。凹部16には凹部底面161が形成されている。凹部底面161は、図1に示すように、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度θ1を有している。本実施形態では、傾斜角度θ1は4°に設定している。
ここで、傾斜角度θ1は4°程度に設定することが好ましい。傾斜角度θ1が4°未満だと、テーブル使用時に(水平状態)雑誌18がテーブルから飛び出す恐れがある。また、傾斜角度θ1が4°より大きいとテーブルの厚みが増し、乗客の居住空間を狭くする恐れがある。
図3に示すように、ホルダ17の固定取付部材11側には、開口部171が形成されている。ホルダ17の開口部171を備える一方の辺には、開口部切欠部172が形成されている。また、開口部切欠部172が形成されていない部分には、図4の図3のD−D端面図に示すように、凹部16に向かって折り曲げられた折り曲げ部175が形成されている。ホルダ17の挿入開口部173を備える他方の辺には、雑誌保持部174が形成されている。この雑誌保持部174が、請求項の雑誌保持凸部に相当する。
テーブル本体12及びホルダ17は樹脂から成る成形品である。テーブル使用時に乗客と平行の位置関係にあるテーブル本体12の辺(図2に示す)の寸法Bは、およそ340mmである。乗客と直交する位置関係にある辺の寸法Cは、およそ530mmである。テーブル本体12には、およそA4サイズのノート型パソコンを置くことができる。
<鉄道車両用テーブル1の作用・効果>
図9は、テーブル本体12の垂直位置から水平位置への回動を説明するための、鉄道車両用テーブル1の斜視図であり、図10は、その側面図である。図9及び図10では、垂直位置から水平位置への回動を矢印Pで示している。図9では、垂直位置にあるテーブル本体12は、矢印P方向に回動し、水平位置に移動する。水平位置にあるテーブル本体12を仮想線として2点鎖線で示している。図10では、垂直位置のテーブル本体12は、矢印P方向に回動し、水平位置に移動する。垂直位置にあるテーブル本体12を仮想線として2点鎖線で示している。
テーブル不使用時には、図3に示すように、テーブル本体12は垂直位置に収納されている。このとき、開口部171から凹部16を清掃することができ、清潔に保つことができる。また、誤って挿入開口部173からものを落とした場合にも、開口部171から取り出すことができる。開口部171がないと、凹部16とホルダ17の間に溜まったごみを取り除くことが困難であった。そのため、雑誌18を取り出して読もうとしたときに、雑誌18にごみが付いてしまい、乗客に不快感を与える恐れがあった。また、開口部171に開口部切欠部172が形成されていることにより、清掃がより容易になる。
また、挿入開口部173から雑誌18のタイトルを見ることができ、特に新幹線のグリーン車に常設されている雑誌は、雑誌のタイトルが上部に記載されているため、2冊の雑誌のタイトルを同時に見ることができる。挿入開口部173により、乗客は雑誌を取り出しやすいだけでなく、読みたい雑誌を容易に取り出すことができる。また、テーブル本体12が垂直位置にあっても、雑誌18は折り曲げ部175により押さえられ、滑って開口部171から落ちることはない。
テーブル使用時には、テーブル本体12は水平位置に保持されている。このとき、雑誌に働く力について、図11を用いて説明する。図11に示す重心Sは、図1における雑誌18の重心Sと対応する。雑誌18の重力をGで示し、鉄道車両の加減速度aにより雑誌に生じる慣性力をFで示す(F=ma)(mは雑誌の質量を示す。)。また、雑誌18がホルダ17を押さえる力をNで示す(N=G・cosθ1)。なお、重力Gは、請求項に記載する「g」に相当する。また、雑誌の質量mを1として(m=1)、以下説明をする。
鉄道車両の加減速度aにより生じる慣性力Fは、凹部底面に対し水平方向に働く力、すなわち雑誌がホルダから飛び出そうとする力F’(F’=Fcosθ1)に分かれる。反対方向には、雑誌とホルダの接する面にかかる摩擦力μN(摩擦係数μ)に加え、雑誌の重力Gの分力G’(G’=G・sinθ1)が働く。
雑誌がテーブルのホルダ内に収められるとき、テーブルを薄くしようと傾斜角度θ1を4°未満に設定すると、雑誌がホルダから飛び出そうとする力F’は、雑誌とホルダが接する面にかかる摩擦力μNと雑誌を止めようとする力G’を足した力より大きくなる(F’>G’+μN)。そのため、雑誌はホルダから飛び出すことがあり、乗客に不快感を与える恐れがあった。また、傾斜角度θ1を4°より大きく設定すると、テーブルの厚みが増し、乗客の居住空間が狭くなる問題があった。
ここで、新幹線では、最大加減速度は一定である。また、新幹線のグリーン車では、2冊の雑誌が常設されており、雑誌の重量はほぼ決まっている。そのため、雑誌に生じる慣性力Fをある一定の数値に想定することができる。
そこで、本出願人は、その想定に基づき、数々のシミュレーション及び実験を通して、特に新幹線の車両において、テーブル表面13と凹部底面161との傾斜角度θ1は、列車の加減速度aに対してa・cosθ<G(sinθ1+μ・cosθ1)を満たすこと、また、傾斜角度θ1を4°程度に設定することが最も有効であると見出すことができた。
鉄道車両用テーブル1では、図1に示すように、凹部底面161が、テーブル表面13に対し、傾斜角度θ1は4°である。このとき、雑誌18がホルダ17から飛び出そうとする力F’は、雑誌18とホルダ17の接する面にかかる摩擦力μNと雑誌を止めようとする力G’を足した力より小さくなる(F’<G’+μN)。すなわち、鉄道車両の加減速度aは、重力G(sinθ+μ・cosθ)より小さい(a・cosθ<G(sinθ+μ・cosθ))。そのため、雑誌18は、通常の車両加減速作用によってホルダ17から飛び出すことはない。
仮に、非常ブレーキ等により、通常よりも大きな減速が行われたときであっても、2冊ある雑誌のうち、テーブル使用時に上に位置する雑誌は滑って飛び出す恐れがあるが、凹部16の壁面に当たり、その反発力によりホルダ17内に収納される。そのため、雑誌18が外に完全に飛び出すことはない。
これにより、テーブル本体12を薄くしつつ、雑誌18がホルダ17から飛び出さないことの両方を実現することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態の鉄道車両用テーブル1によれば、
(1)鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材11と、固定取付部材11に回動可能に支持されるテーブル本体12を有し、テーブル本体12が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブル1において、テーブル本体12は、テーブル本体12が水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面13と、テーブル表面13の裏にあるテーブル裏面14を備えていること、テーブル裏面14には、雑誌18を収納するための凹部16が形成され、凹部16には、凹部16の一部を覆い、雑誌18を出し入れするための挿入開口部173を備えるホルダ17が取り付けられていること、凹部16を形成する凹部底面161は、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度を有すること、を特徴とするので、凹部16に雑誌18を収納することにより、テーブルとマガジンラックを別々に設置した場合と比べて設置面積を削減でき、乗客の居住空間を確保することができる。また、凹部底面161は、テーブル表面13に対し所定の傾斜角度θ1を有することにより、テーブル本体12の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。さらに、これにより、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
ここで、所定の傾斜角度θ1は、4°程度であることが好ましい。傾斜角度θ1が4°未満だと、慣性力により雑誌が飛び出す恐れがある。また、飛び出すのを防止するために傾斜角度θ1を4°より大きくすると、テーブルの厚みが増してしまい、乗客の居住空間を狭くする恐れがある。
(2)(1)に記載の鉄道車両用テーブル1について、所定の傾斜角度θ1は、鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<G(sinθ1+μ・cosθ1)を満たすこと、を特徴とするので、テーブル本体12の厚みを抑え、薄くすることができ、乗客の居住空間を確保することができる。また、テーブル使用時であっても、列車の加減速により雑誌が飛び出す恐れがない。
(3)(1)又は(2)に記載の鉄道車両用テーブル1において、ホルダ17は、固定取付部材11側に開口部171が備えられていること、開口部171を備える辺に折り曲げ部175が形成されていること、挿入開口部173を備える辺に雑誌保持部174が形成されていること、を特徴とするので、開口部171から凹部16を清掃することができ、ペンなどを落としても開口部171から取り出すことができる。
また、折り曲げ部175が形成されているため、テーブルの不使用時は、雑誌18が開口部171から落ちる恐れがない。
さらに、挿入開口部173から雑誌18のタイトルを見ることができるため、乗客は読みたい雑誌を容易に取り出すことができる。また、テーブルの使用時は、雑誌保持部174により雑誌18が保持されるため雑誌18が垂れ下がる恐れがない。
なお、本実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
1 鉄道車両用テーブル
11 固定取付部
12 テーブル本体
13 テーブル表面
131 飲み物用凹部
14 テーブル裏面
141 上部
142 右中央下部
143 左中央下部
144 下部
15 テーブル側面
16 凹部
161 凹部底面
17 ホルダ
171 開口部
172 開口部切欠部
173 挿入開口部
174 雑誌保持部
175 折り曲げ部
18 雑誌
19 壁面
20 ボルト
21 取付板

Claims (3)

  1. 鉄道車両の壁面に固定される固定取付部材と、前記固定取付部材に回動可能に支持されるテーブル本体を有し、前記テーブル本体が使用されるときは水平位置に、使用されないときは垂直位置に保持される鉄道車両用テーブルにおいて、
    前記テーブル本体は、前記テーブル本体が前記水平位置に保持されるときにものを載置できるテーブル表面と、前記テーブル表面の裏にあるテーブル裏面を備えていること、
    前記テーブル裏面には、雑誌を収納するための凹部が形成され、前記凹部には、前記凹部の一部を覆い、前記雑誌を出し入れするための挿入開口部を備えるホルダが取り付けられていること、
    前記凹部を形成する凹部底面は、前記テーブル表面に対し、所定の傾斜角度θを有すること、
    を特徴とする鉄道車両用テーブル。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用テーブルについて、
    前記所定の傾斜角度θは、前記鉄道車両の加減速度aに対してa・cosθ<g(sinθ+μ・cosθ)を満たすこと、
    を特徴とする鉄道車両用テーブル。
  3. 請求項1又は2に記載の鉄道車両用テーブルにおいて、
    前記ホルダは、前記固定取付部材側に開口部が備えられていること、
    前記開口部を備える辺に折り曲げ部が形成されていること、
    前記挿入開口部を備える辺に雑誌保持凸部が形成されていること、
    を特徴とする鉄道車両用テーブル。
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