JP2016013652A - 塗布具 - Google Patents

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Abstract

【課題】先端開口にシャッター部材を有する塗布具を改良するものであり、ノック部材の移動ストロークの短縮化や、ペン先が見やすい塗布具を開発する。【解決手段】塗布部7を有する移動体3を有し、移動体3は軸筒2内にあって軸方向に移動可能である。シャッター部材8は軸筒2と交差する方向に回動して軸筒2の先端開口6を開閉するものである。軸筒2内に回動部材21を有し、回動部材21に回動体側係合部36が設けられ、回動部材21がシャッター部材8と係合している。移動体3の一部が回動体側係合部36と係合して回動部材21を回転させ、さらに回動部材21によってシャッター部材8を回動させて軸筒2の先端開口6を開放する。【選択図】図19

Description

本発明は、マーキングペン等の塗布具に関するものであり、特にノック式等の出没式塗布具に関するものである。
塗布具の一つにマーキングペンと称されるものがある。マーキングペンは、樹脂や繊維束等で作られたペン先チップを有する筆記用具の一種であり、当該ペン先チップからインキを漏出させて文字や絵を書いたり、ラインを引くといった用途に供するものである。
またノック式のボールペンが広く知られている。ノック式のボールペンは、軸筒からペン先チップが出没する構造のボールペンであり、軸筒の後端に、ノック筒が装着されている。ノック式のボールペンは、軸筒内に筆記芯が収納されており、後端のノック筒を押すと、内部の筆記芯が軸方向に移動し、軸筒の先端開口からペン先チップが出る。また軸筒の内部に、軸方向係止部材があり、軸筒の先端開口からペン先チップが出た状態で、筆記芯が停止する。
ノック筒を再度押すと、軸方向係止部材の係合が解除され、筆記芯が後方に移動し、ペン先チップが軸筒内に収容される。
ところでマーキングペンであって、ノック式のものが開発されている。ノック式のマーキングペンは、図27の様に軸筒110内に塗布芯120が内蔵されている。塗布芯120は、図28の様にインキ貯留部材100にペン先チップ101が装着されたものであり、インキ貯留部材100の先端からペン先チップ101の先端の塗布部107が露出している。そして後端のノック筒を押すことによって、軸筒の先端開口からペン先チップの塗布部107が突出する。
ノック式のマーキングペンでは、軸筒110の先端開口121にシャッター111が設けられている。
即ちマーキングペンは、樹脂や繊維束等のペン先チップを採用しているから、ペン先チップ101の塗布部107はインキで濡れている。そのため塗布部107の乾燥を防ぐ必要がある。そこでノック式のマーキングペンでは、軸筒110の先端開口にシャッター111を設け、塗布部107が軸筒110内にある場合は、シャッター111を閉じて軸筒110を密閉し、塗布部107の乾燥を防いでいる。
従来技術のマーキングペンは、前記した様に、軸筒110内に塗布芯120が内蔵されている。塗布芯120のインキ貯留部材100は、図28の様に、大径で筒状のインキ溜部102と、小径で筒状のペン先装着部103を有している。
特許文献1に開示されたマーキングペンでは、ペン先装着部103の先端に突起があり、当該突起でシャッターを押し、シャッターを回転させてシャッターを開く。
また従来技術のマーキングペンは、軸筒110内に塗布部107が収容された状態の際に、塗布部107を収容する空間を密閉するために、インキ貯留部材100のペン先装着部103と軸筒110の内面との間に気密構造を設けている。
即ち図27の概念図の様に、軸筒110内に内フランジ105を設け、内フランジ105の中央の貫通孔にインキ貯留部材100のペン先装着部103を挿通している。そして内フランジ105とインキ貯留部材100のペン先装着部103との間にオーリング106を設け、軸筒110内の先端側を後端側から隔離している。
そのためペン先チップ101が収容される空間は、先端側がシャッター111によって封鎖され、後端側が内フランジ105とインキ貯留部材100のペン先装着部103によって封鎖された気密空間となっている。
また従来技術のマーキングペンは、インキ溜部102が密閉構造となっている。一方、ペン先装着部103の内周面には、図29の様に溝113が設けられており、ペン先チップ101とペン先装着部103の内周面との間には、溝113による連通路115が形成されている。そして当該連通路115が空気通路となり、インキ溜部102内のインキを空気置換し、インキが消費されることによるインキ溜部102内の負圧化を防いでいる。
特許第4973013号公報
従来技術のマーキングペンは、ノック式の構造を実用化したものであり、ペン先チップの乾燥も防止される。
しかしながら、従来技術のマーキングペンは、ノック筒の移動ストロークが長く、使いにくいという問題がある。
また従来技術のマーキングペンは、インキ貯留部材のペン先装着部の先端に突起があるためにペン先チップの根元部分が太く、塗布や筆記をしにくいという問題や、塗布時や筆記時にペン先部分が見えにくいという問題がある。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、先端開口にシャッター部材を有する塗布具を改良するものであり、ノック部材の移動ストロークの短縮化や、ペン先が見やすい塗布具を開発することを課題とするものである。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、先端開口を有する軸筒と、前記先端開口を開閉するシャッター部材と、先端に塗布部を有する移動体を有し、前記移動体は前記軸筒内にあって軸方向に移動可能であり、前記移動体を移動させて塗布部を軸筒の先端開口から出没可能であり、塗布部を軸筒の先端開口から突出させた状態においては前記シャッター部材が軸筒の先端開口を開放し、塗布部が軸筒内に収容された状態においては前記シャッター部材が軸筒の先端開口を封鎖する塗布具において、シャッター部材は軸筒と交差する方向に回動して軸筒の先端開口を開閉するものであり、軸筒内に回動可能に収容された回動体を有し、前記回動体に回動体側係合部が設けられ、移動体の一部または移動体と共に軸方向に移動する部材に移動体側係合部が設けられ、前記回動体がシャッター部材と直接的にまたは間接的に係合し、前記移動体を移動させて塗布部を軸筒の先端開口から突出させる際、移動体側係合部と回動体側係合部が係合して回動体を回転させ、さらに回動体によってシャッター部材を回動させて軸筒の先端開口を開放することを特徴とする塗布具である。
ここで「軸筒と交差する方向」とは、軸筒の中心軸と交わる方向だけでなく、軸筒の中心軸と食い違う方向を含む概念である。
本発明の塗布具は、例えば出没式のマーキングペンであり、軸筒の先端開口を開閉するシャッター部材を有している。本発明の塗布具は、軸筒内に回動体があり、回動体がシャッター部材と直接的にまたは間接的に係合する。そして移動体を軸方向に移動させる際、回動体側係合部との係合関係によって回動体を回転し、シャッター部材を回動させて軸筒の先端開口を開く。そのため移動体を直接係合させてシャッター部材を回動させる構造に比べて、ノック部材の移動ストロークを短縮化することができる。また回動体を回転させるための部材を任意の位置に設けることができ、必ずしも塗布部の近傍に設ける必要がないから、塗布部が見やすい。
移動体側係合部は移動体の表面に設けられた突起であり、前記回動体側係合部は回動体に設けられたガイド溝であり、移動体を軸方向に移動することによって回動体側係合部と突起との接触位置が変化し、回動体を回動させることが望ましい(請求項2)。
シャッター部材は軸筒と係合して軸筒に対して交差する方向を回転軸として回転し、シャッター部材の前記回転軸以外の部位が回動体と係合していることが望ましい(請求項3)。
またシャッター部材は回動体と係合して回動体及び軸筒に対して交差する方向を回転軸として回転し、シャッター部材の前記回転軸以外の部位が軸筒と係合している構成であってもよい(請求項4)。
また請求項5に記載の発明は、回動体を先端開口側に付勢する弾性部材を有し、先端開口にはシール部材が設けられ、弾性部材に基づく付勢力によってシャッター部材がシール部材に押圧され、回動体は他の部材と係合して特定の回転姿勢の際に軸方向に移動し、前記移動体を移動させて塗布部を軸筒の先端開口から突出させる際、移動体側係合部と回動体側係合部が係合して回動体を回転させ、回動体が回動すると共に軸方向に移動し、シャッター部材がシール部材を押圧する押圧力が減少することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布具である。
シール部材は例えばオーリングである。
本発明の塗布具によると、シャッター部材が閉じられている際にはシャッター部材がシール部材に押圧され、気密性が確保される。その一方で、シャッター部材を開く際にはシャッター部材がシール部材を押圧する押圧力が減少し、シャッター部材が容易に開く。またシャッター部材を動作させる際におけるシャッター部材とシール部材との間の摩擦力が減少するので、シール部材等の磨耗が少ない。
本発明の塗布具は、先端開口をシャッター部材で開閉することができるので、塗布部の乾燥を防ぐことができる。またシャッター部材を開く際におけるノック部材の移動ストロークを短縮化することができる。さらに本発明の塗布具は、塗布部が見やすい。
本発明の実施形態のマーキングペンの斜視図である。 (a)は図1のマーキングペンの断面図であってペン先チップが軸筒内に収容された状態を示し、(b)はその先端部分及び後端近傍の拡大図であり、(c)は(a)のA−A断面における先端部分の拡大図である。 (a)は図1の塗布具の断面図であってペン先チップが軸筒から突出した状態を示し、(b)はその先端部分及び後端近傍の拡大図であり、(c)は(a)のA−A断面における先端部分の拡大図である。 図1の塗布具の分解斜視図である。 図1の塗布具の軸筒の分解断面図である。 図1の塗布具に内蔵されているシャッター部材の斜視図である。 図1の塗布具に内蔵されているシャッター部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその左側面図、(d)はその右側面図である。 図1の塗布具に内蔵されている回動部材の斜視図である。 図1の塗布具に内蔵されている回動部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその平面図、(c)はその左側面図、(d)はその右側面図、(e)はその底面図である。 (a)は図1の塗布具に内蔵されている回動部材の断面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1の塗布具に内蔵されている移動体の分解斜視図である。 図1の塗布具の移動体の断面図である。 図1の塗布具に内蔵されている押さえ部材の斜視図である。 図1の塗布具に内蔵されている押さえ部材を示し、(a)はその正面図、(b)はその右側面図、(c)はその背面図である。 図12のA−A断面斜視図である。 図1の塗布具の回転子の斜視図である。 (a)は図1の塗布具のノック筒の斜視図であり、(b)はそれをA方向から観察した側面図である。 図1の塗布具の先端部分の構造を示す分解斜視図である。 図1の塗布具の先端部分の動作を示す斜視図であり、(a)は、シャッター部材が軸筒の先端開口を閉鎖した状態を示し、(b)は、シャッター部材が開く過程の様子を示し、(c)は、シャッター部材が軸筒の先端開口を開放してペン先チップが先端開口から突出した状態を示す。 図1の塗布具の先端部分の動作を示す概念図であり、(a)は、シャッター部材が軸筒の先端開口を閉鎖した状態を示し、(b)は、シャッター部材が軸筒の先端開口を開放した状態を示す。 塗布具の先端部分の変形例を示す概念図であり、(a)は、シャッター部材が軸筒の先端開口を閉鎖した状態を示し、(b)は、シャッター部材が軸筒の先端開口を開放した状態を示す。 本発明の他の実施形態の塗布具の後端部分の変形例を示す概念図である。 塗布具の後端部分の他の変形例を示す概念図である。 塗布具の後端部分のさらに他の変形例を示す概念図である。 塗布具の後端部分のさらに他の変形例を示す概念図である。 塗布具の後端部分のさらに他の変形例を示す概念図である。 従来技術の塗布具の要部の断面図である。 従来技術の塗布具で採用するインキ貯留部材の斜視図である。 従来技術の塗布具で採用するインキ貯留部材の拡大断面斜視図である。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の塗布具1は、ノック式のマーキングペンである。
本実施形態の塗布具1は、図1、図2、図3の様に軸筒2を有し、当該軸筒2内に移動体3が内蔵され、後端のノック筒5を押すことによって軸筒2の先端開口6からペン先チップ7の先端の塗布部55が突出する。また本実施形態の塗布具1では、先端開口6を封鎖するシャッター部材8が設けられており、ペン先チップ7の塗布部55が軸筒2内にある場合は、シャッター部材8が先端開口6を閉じている。
以下、塗布具(マーキングペン)1を構成する各部材について説明する。軸筒2は、樹脂で作られた筒であり、図1、図2、図3、図4、図5の様に後端筒10と先端筒11によって構成されている。
後端筒10は、両端が開口した筒である。後端筒10は、先端側の外径がやや細く作られている。即ち後端筒10には、細径部66が設けられている。
後端筒10の内部には、図5の様に中間フランジ(固定側フランジ)12が設けられている。中間フランジ12は、内フランジであり、中央に開口13がある。
また後端筒10の後端側(ノック筒5側)にはスリット15が形成されている。スリット15は、後端筒10の内外を連通するものであり、後端筒10の軸線CL(CLは塗布具の軸線でもある)と平行に設けられている。
後端筒10の内面であって、中間フランジ12よりも後端側の位置に、直動用ガイド溝65が設けられている。直動用ガイド溝65についても後端筒10の軸線CLと平行に設けられている。
また後端筒10の内面であって、中間フランジ12よりも後端側の位置には、突起74が設けられている。
先端筒11は、図4、図5の様に、先端部分が先細のテーパー形状をした筒であり、先端と後端とが開口している。
先端筒11の先端の開口は、先端開口6として機能するものである。先端筒11の内面側であって先端開口6の開口端には段部16が設けられている。
また先端筒11の内部であって先端開口6の近傍(テーパー形状の部位)には、回動用凹部17がある。回動用凹部17は、軸線CLを挟んで対向する2箇所の位置に設けられている。回動用凹部17は、長さの短い溝状であり、当該溝(回動用凹部17)は、先端開口6側が閉塞し、後端側は開放されている。
さらに先端筒11の内部であって先端開口6の近傍には、円弧状のガイド溝19が設けられている。
軸筒2は、先端筒11の後端に後端筒10の細径部66が差し込まれ、内部に収納空間が形成されたものである。本実施形態では、先端開口6から中間フランジ12までの領域が、主要構成内蔵部92として機能し、中間フランジ12よりも後ろ側の領域は、ノック部材配置部93として機能する。
軸筒2の中には、図2、図3、図4の様に、シャッター部材8、回動部材(回動体)21、移動体3、押さえ部材23及び回転子25が内蔵されている。また軸筒2の中には、第1オーリング(シール部材)26、第2オーリング(シール部材)27及びバネ(付勢手段)28が内蔵されている。即ちこれらの部材は、いずれも軸筒2の主要構成内蔵部92に配されている(回転子25の一部を除く)。
ノック筒5の一部も軸筒2の中にある。即ちノック筒5の一部の一部と回転子25の一部は、ノック部材配置部93に配置されている。
シャッター部材8は、図6、図7の様に、球面部30と、支持脚部31a,31bからなる部材である。球面部30は、球面の一部を切り取った形状をしており、外側面が球面である。
支持脚部31a,31bは、球面部30の端部に接続されており、球面部30の平面に対して垂直に近い角度で設けられている。正確には、支持脚部31a,31b同士は、自由端同士がやや離れる方向に形成されている。
支持脚部31a,31bは、図6、図7の様に対向する位置に設けられており、支持脚部31a,31b同士の間には空間91がある。
支持脚部31a,31bの自由端近傍には、回転軸32a,32bが設けられている。回転軸32a,32bは、支持脚部31a,31bの外周面側にあって外側に突出するものであり、図6、図7(a)(b)の様に両者の軸線RCは一致する。回転軸32a,32bの断面形状は、図7(c)(d)の様に卵型である。即ち回転軸32a,32bの断面形状は、真円ではなく、中心から周面に至る長さに長短がある。
より詳細に説明すると、回転軸32a,32bの断面形状は卵型であり、図7(c)の様に長径Lと短径Wがある。本実施形態では、長径Lを球面部30に対して略平行に配置し、短径Wを球面部30に対して略垂直に配している。
また一方の支持脚部31aには、係合突起33が形成されている。係合突起33は、支持脚部31aの外側に突出するものである。係合突起33の軸線と、回転軸32a,32bの軸線RCは一致しない。即ち係合突起33は、シャッター部材8の中心線clを中心とする回転方向に偏心した位置に設けられている。
また図7(c)の様に、係合突起33と回転軸32aとの間は回転軸32aを正面に見たとき平面的に距離Dだけ離れており、この距離Dは回転軸32aと球面部30との距離Hよりも短い。
シャッター部材8の中心線cl方向に沿った距離に注目すると、係合突起33と回転軸32aとの間は、中心線cl方向に沿った距離hだけ離れている。両者の中心線cl方向に沿った距離hは、回転軸32aと球面部30との中心線cl方向に沿った距離Hよりも短い。
即ち係合突起33は、回転軸32aに対して塗布具1の中心線cl方向に距離hだけずれた位置に設けられている。
係合突起33の回転軸32aに対する角度は、図7(c)の様に回転軸32aを正面に見て、係合突起33と中心線clとの角度θ(シータ)が、30度から60度であることが望ましい。即ち、角度θ(シータ)が90度であるならば、係合突起33を横方向に移動させてもシャッター部材8を回転させるモーメントが発生しない。逆に角度θ(シータ)が0度であるならば、シャッター部材8を回転させるモーメントは大きいが、シャッター部材8の回転角度は小さくなってしまう。
シャッター部材8の2個の回転軸32a,32bを回転可能に支持すると、図7(c)の矢印Bの様に、シャッター部材8の球面部30は、回転軸32a,32bを中心として回転可能な状態となる。
その際、係合突起33は矢印Aの様に、回転軸32aを中心として回転する。
逆に、係合突起33を矢印Aの方向に移動させると、シャッター部材8の球面部30は、矢印Bの様に回転する。
ここで前記した様に、係合突起33と回転軸32aとの間は距離D及び中心線cl方向の距離hは、回転軸32aと球面部30と中心線cl方向の距離Hよりも短いから、係合突起33をわずかに矢印Aの方向に移動させるだけで、球面部30は大きく回動する。
また係合突起33は、回転軸32aに対して塗布具1の中心線cl方向に距離hだけずれた位置に設けられているから、係合突起33を中心線cl方向に対して垂直方向に付勢すると、回転軸32a,32bを中心としてシャッター部材8を回転させるモーメントが発生する。
回動部材21は、筒状の部材であり、内部は空洞である。
回動部材21の内周面35には、図10の様に回動用ガイド溝36が設けられている。回動用ガイド溝36は、回動体側係合部であり、回動部材21に回転方向の分力を発生させる部位である。回動用ガイド溝36は、回動部材21の一方の端面38から他端に向かって延びる溝である。
回動用ガイド溝36には、傾斜部68がある。即ち回動用ガイド溝36は、一方の端面38側に開いており、端面38側の近傍は、回動部材21の軸線に対して平行である。そして回動用ガイド溝36の長手方向の中央部分に回動部材21の軸線に対して傾斜した傾斜部68がある。さらにその先の部分は、回動部材21の軸線に対して平行である。傾斜部68は、直線的であってもよく、曲線的であってもよい。
回動部材21の内周面であって他方の端面67の近傍には、図8、図10の様に旋回用凹部37が設けられている。旋回用凹部37は、一方の端面67と回動部材21の内周面の双方に開口している。
移動体3は、図11の様に支持部材22と、ペン先チップ7、インキ吸蔵体53によって構成されている。
支持部材22は、支持枠部46とペン先装着部43とを有する部材である。支持枠部46は、樋の様な形状をしている。即ち支持枠部46は、図11の様に前端支持部45と、樋状部47によって構成されている。
前端支持部45は、深さの浅い筒状である。即ち前端支持部45は、円形の板状部70を有し、その周端に周壁71が設けられたものである。周壁71にはスリット72が設けられている。当該スリット72は成形上の都合により設けられたものである。
樋状部47は、前端支持部45の周部の一部に設けられており、約180度程度の円弧面を有している。樋状部47の外周面には図示しない突条がある。
支持部材22の樋状部47は、前記した様に樋の様な形状をしており、側面は大きく開口している。即ち支持部材22の側面には大きな開口部90があると言える。
前端支持部45と樋状部47で囲まれた空間が吸蔵体保持部50として機能する。
前端支持部45の板状部70に、ペン先装着部43が設けられている。ペン先装着部43は、細長い筒体である。ペン先装着部43の一端は、吸蔵体保持部50に開口している。
ペン先装着部43の断面形状は円形であり、従来技術の様な溝は無い。
ペン先装着部43の外周面には、係合突起48が設けられている。係合突起48は、移動体側係合部である。
係合突起48は、直線部61と先端曲部62に分かれている。直線部61はペン先装着部43の表面にあり、塗布具1の軸線と平行にのびる突条である。先端曲部62は、直線部61の先頭部分であり、直線部61に対して交差する方向にのびる突条である。先端曲部62の長さは、前記した回動部材21の回動用ガイド溝36の幅と略等しい。
ペン先装着部43の先端は、二箇所の面取り部69a,69bがある。面取り部69a,69bは、シャッター部材8との干渉を防ぐために設けられたものである。
ペン先チップ7は、塗布部(ペン先部)55と、軸部(導出部)54を有する部材である。本実施形態では、塗布部55と軸部54は同一の材料で作られたものであり、両者は一体的である。
ペン先チップ7は、内部に軸方向にのびる隙間を有する樹脂によって作られており、軸部54の毛細現象によって軸部54から塗布部55にインキを導くことができる。
ペン先チップ7の塗布部55の形状は、公知のマーキングペンと同様であり、例えば円錐形であったり、先端が峰状に削られた形状をしている。
ペン先チップ7の軸部54は、断面形状が円形であり、その外径は、塗布部55よりも細い。
また軸部54の外径は、前記した支持部材22のペン先装着部43の内径と略等しい。
インキ吸蔵体53は、中綿と称される部材であり、繊維が絡み合った部材である。インキ吸蔵体53には、インキがしみ込んでいる。
移動体3は、支持部材22のペン先装着部43にペン先チップ7の軸部(導出部)54が差し込まれ、支持部材22の吸蔵体保持部50にインキ吸蔵体53が設置されたものである。
支持部材22の吸蔵体保持部50は、前端支持部45がインキ吸蔵体53の前端部を覆い、樋状部47がインキ吸蔵体53の周面の約半分を覆う。即ち支持部材22の吸蔵体保持部50は、インキ吸蔵体53の一部を覆うだけであり、インキ吸蔵体53が吸蔵体保持部50に設置された状態においては、インキ吸蔵体53の一部が、直接露出する。
ペン先チップ7の軸部54は、ペン先装着部43を貫通してその先端が吸蔵体保持部50に至り、図12の様にインキ吸蔵体53の中に差し込まれている。
ペン先チップ7の塗布部55は、ペン先装着部43から露出している。
前記した様に、軸部54の外径は、前記した支持部材22のペン先装着部43の内径と略等しく、軸部54であってペン先装着部43に挿入されている領域は、図12,15に示す様に、その外周の全てがペン先装着部43の内周面と密接している。ペン先装着部43には溝を設ける必要がないので、ペン先装着部43の肉厚は従来よりも薄いもので足る。従ってペン先装着部43の外径を従来よりも小さくすることができる。
押さえ部材23は、本実施形態では、支持部材22の後端を押さえて吸蔵体保持部50を保持する作用と、可動側フランジとしての機能を果たす部材である。押さえ部材23は円板状である。
即ち押さえ部材23の一方の面は、可動側フランジ面41として機能する。また押さえ部材23の一方の面は、インキ吸蔵体押さえ42として機能する。
可動側フランジ面41は、中央にやや隆起した円形隆起部39があり、その中央部に円形の凹部44が設けられている。
また円形隆起部39の周囲は、オーリング取り付け部49となっている。
インキ吸蔵体押さえ42として機能する面には、一面に突条73が設けられている。突条73は押さえ部材23の一面に放射状に形成されている。本実施形態では、中心から等間隔に6条の突条73が設けられている。
また押さえ部材23の周面は、突条73同士の端部よりも中心側に引き込んだ部位がある。即ち周面が突条73の同士の先端に至る部位と、先端に至らない部位が交互に設けられている。押さえ部材23の外接円の直径は、支持部材22の前端支持部45の直径と等しい。従って、突条73同士の端部よりも中心側に引き込んだ部位の直径は、支持部材22の前端支持部45の直径よりも小さい。
回転子25は、公知のものであり、太径部75と細径部76を有する部材である。太径部75の細径部76の端面には、鋸刃状部77が形成されている。太径部75の周面には、溝78が設けられている。溝78は、細径部76側の端面に開いており、反対側の端面には至っていない。
ノック筒5についても概ね公知の部材である。ノック筒5は、後端側が閉塞した筒体であり、開口端面側の鋸刃状部80が設けられている。ノック筒5の側面には、突起81が設けられている。突起81の軸方向先端は尖っている。
またノック筒5の側面であって開口端の近傍にはガイド溝84が設けられている。
次に前記した各部材同士の関係について説明する。
本実施形態では、軸筒2の収納空間内に、シャッター部材8、回動部材21、移動体3、押さえ部材23及び回転子25が内蔵されている。
シャッター部材8は、軸筒2の先端開口6の近傍にある。そしてシャッター部材8の回転軸32a,32bが図2(c)、図3(c)の様に、先端筒11の内部に設けられた回動用凹部17と係合している。
またシャッター部材8の一部が先端開口6の内部に設けられた円弧状のガイド溝19と係合している。そのためシャッター部材8は先端開口6の近傍にあって回転軸32a,32bを中心として回動する。
ここでシャッター部材8が軸筒2に装着された状態においては、シャッター部材8の回転軸32a,32bの延長線(軸線RC)は、軸筒2の軸線CLと直交する。そのためシャッター部材8は、軸筒2の軸線CLと直交する方向を回転軸として回動することとなる。
回転軸32a,32bを中心としてシャッター部材8を回転させると、偏心位置に形成された係合突起33は、回転軸32a,32bを中心として円弧軌跡を描いて移動する。そのため、回転軸32a,32bを中心としてシャッター部材8を回転させると、偏心位置に形成された係合突起33は、塗布具1の軸線を中心とする回転成分をもって移動する。即ち回転軸32a,32bを中心としてシャッター部材8を回転させると、塗布具1に対して横方向成分を有した軌跡で係合突起33が移動する。
逆に、係合突起33を横方向に移動させると、シャッター部材8は回転軸32a,32bを中心として回動する。
また軸筒2の先端開口6の開口端に設けられた段部16に、第1オーリング26が装着されており、シャッター部材8の球面部30が先端開口6を覆う姿勢となった際、球面部30と先端開口6との間に第1オーリング26が挟まれる。
シャッター部材8の後端側には、回動部材21が内蔵されている。回動部材21は、軸筒2内で回動可能である。
シャッター部材8の係合突起33が、回動部材21の一部と係合している。より具体的には、シャッター部材8の係合突起33が、図19の様に回動部材21の端面67の旋回用凹部37と係合している。
また回動部材21の後端側には、移動体3がある。そして移動体3の先端部分が、図2、図3の様に回動部材21の中心の孔に挿入されている。より具体的には、移動体3のペン先チップ7の塗布部55と、支持部材22のペン先装着部43が、回動部材21の中に挿通されている。
そしてペン先装着部43に設けられた係合突起48が、回動部材21の内面に設けられた回動用ガイド溝36と係合している。
また移動体3のペン先装着部43を中心としてバネ(付勢手段)28が配され、バネ28の両端が移動体3の前端支持部45と回動部材21の後端面とに当接している。
移動体3は、図示しない突条が軸筒2の図示しない溝と係合している。そのため移動体3は軸方向にのみ自由度を持ち、回転することはできない。
移動体3の後端には押さえ部材23が配されている。押さえ部材23の可動側フランジ面41のオーリング取り付け部49に、第2オーリング(シール部材)27が装着されている。
また押さえ部材23の後端側(可動側フランジ面41側)には、回転子25とノック筒5が配されている。即ち回転子25の細径部76がノック筒5の中に回転可能に挿入され、この状態で両者が押さえ部材23の後端側に配置されている。そして回転子25の太径部75が中間フランジ12の開口13に挿通されて移動体3が収容された領域(主要構成内蔵部92)に突出し、太径部75の先端が、押さえ部材23の中央部に形成された凹部44と当接している。
ノック筒5は、中間フランジ12よりも後端側にあり、軸筒2の内部において、ガイド溝84が直動用ガイド溝65と係合している。そのためノック筒5は、軸方向にのみ自由度を持ち、回転することはできない。
ノック筒5の突起81が軸筒2のスリット15と係合している。そのためノック筒5は軸筒2から抜け去ることはない。
次に塗布具1の機能について説明する。
塗布具1は、使用中以外の時は、移動体3が後方に引き込み、塗布部55が軸筒2内に収容される。そしてシャッター部材8の球面部30が、先端開口6を封止している。
シャッター部材8が封止状態の際には、シャッター部材8の中心線clは、塗布具1の中心線(軸線CL)と一致する姿勢となっている。
このとき、バネ(付勢手段)28によって回動部材21及びシャッター部材8が先端開口6側に押圧され、図2の様にシャッター部材8と先端開口6の間に配された第1オーリング26を圧縮する。そのため、シャッター部材8の球面部30と先端開口6との間の気密が確保される。
同様に、バネ(付勢部材)28によって移動体3及び押さえ部材23が中間フランジ12側に付勢され、図2の様に押さえ部材23の可動側フランジ面41に設けられた第2オーリング(シール部材)27を押さえ部材23の可動側フランジ面41と中間フランジ12の間で挟んで圧縮する。そのため、押さえ部材23と中間フランジ12との間の気密が確保される。即ち軸筒2内の主要構成内蔵部92は外部から遮断された気密空間となる。
この様に、塗布部55が軸筒2内に収容されている際には、先端開口6側がシャッター部材8によって封鎖され、中間フランジ12の開口13が押さえ部材23によって封鎖されるから、先端開口6と中間フランジ12との間(主要構成内蔵部92)は、気密空間となる。
そのため塗布部55の乾燥が防止される。
本実施形態では、支持部材22の吸蔵体保持部50に大きな開口部90があり、インキ吸蔵体53の一部が剥き出しの状態となるが、インキ吸蔵体53が収容される空間(主要構成内蔵部92)自体が気密構造となるから、インキ吸蔵体53からのインキの蒸発が抑制される。
塗布具1を使用する際には、後端のノック筒5を押し込む。その結果、回転子25がノック筒5と共に先端開口6側に移動し、バネに抗して移動体3を先端開口6側に移動させる。なおノック筒5及び回転子25の動作は公知であり、ノック筒5を一回押すと、鋸刃状部77と鋸刃状部80の作用によって回転子25が回転し、回転子25の溝78が軸筒2の内面の突起74と係合し、ノック筒5の後退が阻止される。再度ノック筒5を押すと、回転子25がさらに回転し、回転子25の溝78と軸筒2の内面の突起74との係合が解除されてノック筒5が後退する。本実施形態では、ノック筒5及び回転子25によって、軸方向移動阻止手段が構成されている。
後端のノック筒5を押し込むと、回転子25に押されて押さえ部材23が軸方向に移動する。即ち押さえ部材23は、ノック筒5及び回転子25と共に軸方向に移動する部材である。
従ってノック筒5を軸方向に移動させると、これに連れて押さえ部材23が先端開口6側に移動する。
その結果、図3の様に、押さえ部材23の可動側フランジ面41が固定側フランジたる中間フランジ12から離れ、中間フランジ12の開口13が開く。
そのため主要構成内蔵部92の気密が破れ、主要構成内蔵部92内に空気が入り得る状態となる。
また後端のノック筒5を押し込んで移動体3を先端開口6側に移動させると、移動体3の係合突起48についても前進する。ここで移動体3のペン先装着部43に設けられた係合突起48が、回動部材21の内面に設けられた回動用ガイド溝36と係合しており、且つ回動用ガイド溝36に回動部材21の軸線に対して傾斜した傾斜部68がある。また移動体3は軸方向にのみ自由度を持ち、回転しない。一方、回動部材21は、軸筒2内で回転することができる。
そのため移動体3が直線移動し、ペン先装着部43に設けられた係合突起48が回動用ガイド溝36の傾斜部68を通過する際、回動部材21に回転方向の力が生じ、回動部材21が回転する。
またシャッター部材8の係合突起33が、回動部材21の端面67の旋回用凹部37と係合しているから、回動部材21が回動すると、図19の様に、シャッター部材8の係合突起33が横方向に移動する。ここでシャッター部材8の回転軸32a,32bが図2(c)、図3(c)の様に、先端筒11の内部に設けられた回動用凹部17と係合しているから、係合突起33は、回転軸32a,32bを中心として円弧軌跡を描いて移動し、シャッター部材8は、図19(b)の様に軸筒2の軸線CLと直交する方向に回動することとなる。即ち回動部材21が回動することによって係合突起33が横方向に強制移動させられ、シャッター部材8が回転軸32a,32bを中心として回動する。
そして遂には、図19(c)の様にシャッター部材8の球面部30が、軸筒2の軸線に対して垂直姿勢となり、先端開口6が開かれる。
このとき、図19(c)の様に、塗布部55は、シャッター部材8よりも先端側に至り、先端開口6から突出する。
本実施形態の塗布具1では、移動体3の直線運動を回動用ガイド溝36の作用によって一旦、回転運動に変換し、さらにシャッター部材8の回転運動に変換している。そのため移動体3の移動量が少なくてもシャッター部材8を大きく回動させることができる。そのため本実施形態の塗布具1は、ノック筒の移動ストロークが短く、使い勝手がよい。
なお本実施形態の塗布具1では、シャッター部材8が閉鎖姿勢から開放姿勢に回動する際、シャッター部材8がやや後方に移動し、第1オーリング26の圧縮力を弱める。
以下、この作用について説明する。
本実施形態の塗布具1では、回転軸32a,32bの断面形状は、卵型であり、中心から周面に至る長さに長短がある。そして回転軸32a,32bは、軸筒2の先端筒11の内部に設けられた回動用凹部17と係合し、回動用凹部17は先端側が閉塞している。
本実施形態では、シャッター部材8が閉鎖姿勢にあるとき、図20(a)の様に回転軸32a,32bは、短径側が回動用凹部17の閉塞部94側にあり、シャッター部材8は、図20(a)の様に先端開口6に近い位置まで移動することができる。
これに対してシャッター部材8が開放姿勢にあるときは、図20(b)の様に回転軸32a,32bは、長径側が回動用凹部17の閉塞部94と当接し、シャッター部材8は、先端開口6から離れる。
そのため本実施形態の塗布具1では、シャッター部材8が閉鎖姿勢から開放姿勢に回動する際、シャッター部材8がやや後方に移動し、第1オーリング26の磨耗を防止する。
シャッター部材8が開き、塗布部55が先端開口6から突出することにより、使用者は、塗布具1を使用して線や文字を描くことができる。
また線や文字を描くことによりインキが消費されるが、塗布部55が先端開口6から突出している状態の際には、主要構成内蔵部92の両端が共に開放されていて、主要構成内蔵部92内に空気が流れ込み得る。
さらに支持部材22のインキ吸蔵体53を収容する部位には大きな開口部90があり、インキ吸蔵体53の一部が剥き出しの状態であるから、インキ吸蔵体53が負圧になることはない。
また本実施形態の塗布具1の構造によると、溝等による空気流路を確保する必要がないから、ペン先装着部43の先端部分を細くすることが可能であり、使用時に塗布部55を見やすい。
また本実施形態では、インキ吸蔵体53を覆う部材が少ないから、インキ吸蔵体53を大きくすることが可能であり、収容可能なインキの量が多い。
また本実施形態の塗布具1は、インキ吸蔵体53が設けられた位置よりも後端側で気密性を確保しているため、ペン先装着部43の長さを短くすることができ、その分インキ吸蔵体53を収容する容積を大きく確保することができる。この点からも本実施形態の塗布具1は、収容可能なインキの量が多い。
さらに移動体3の移動ストロークが短いからインキ吸蔵体53を収容する容積を大きく確保することができる。この点からも本実施形態の塗布具1は、収容可能なインキの量が多い。
以上説明した実施形態では、シャッター部材8の回転軸32a,32bを軸筒2に係合させ、シャッター部材8の係合突起33を回動部材21に係合させた。しかしながら本発明はこの構成に限定されるものではなく、シャッター部材8の回転軸32a,32bを回動部材21に係合し、シャッター部材8の係合突起33を軸筒2に係合させてもよい。
この構成によると、シャッター部材8は、塗布具1の軸線に沿って回動しつつ、軸線と交差する方向にも回転することとなる。
またシャッター部材8の回転軸32a,32bを回動部材21に係合し、シャッター部材8の係合突起33を軸筒2に係合させる構成を採用する場合は、図21の様に、回動部材21に突起や溝等の係合部82を設け、シャッター部材8が回動する際にこの係合部82を軸筒2の内面のいずれかの部位(例えば突起89)と係合させ、図21(b)の様にシャッター部材8を後退させる構成を採用することが望ましい。
以上説明した実施形態では、回動部材21側に設けられた回動体側係合部として回動用ガイド溝36を採用し、移動体3側に設けられた移動体側係合部として係合突起48を採用した。
しかしながら、本発明はこの構成に限定されるものではなく、回動体側係合部として突起を設け、移動体側係合部としてガイド溝を設けてもよい。
また溝以外のガイドやカム、傾斜面等を回動体側係合部又は移動体側係合部としてもよい。例えば、回動部材21又は移動体3の少なくとも一方に傾斜面を設け、移動体3で回動部材21を押して回動部材21を回動させてもよい。
要するに、回動体側係合部と移動体側係合部は、協働して移動体3等の直線運動を回動部材21の回転運動に変換するための部材であり、回転方向の分力を発生させることができるものであれば足る。
また移動体3と回動部材21の間に他の部材を介在させ、当該介在部材を介して回動部材21を回動させてもよい。
以上説明した実施形態では、軸筒2内に中間フランジ12を設け、中間フランジ12の先端側の面と、押さえ部材23の一方の面(可動側フランジ面41)との間に第2オーリング27を設けて主要構成内蔵部92の気密性を確保した。即ち軸筒2内に設けた中間フランジ12を固定側フランジとし、押さえ部材23を可動側フランジと、両者の間で第2オーリング27を挟んで気密性を確保した。
即ちノック筒5と共に軸方向に移動する部材を可動側フランジとした。ノック筒5と共に軸方向に移動する部材としては、他に回転子25と移動体3があり、回転子25又は移動体3に可動側フランジを設けてもよい。
またノック筒5自体に可動側フランジを設けてもよい。即ちノック筒5と軸筒2内の間で気密性を確保する構成とすることも考えられる。
即ち図22に示す実施形態の様に、軸筒2の後端部に固定側フランジとして内フランジ83を設ける。一方、ノック筒5の開口端や、中間部に可動側フランジとして外フランジ85を設ける。そしてノック筒5の外フランジ85と、軸筒2の内フランジ83との間に第2オーリング27を設け、ノック筒5を突出させる力によって第2オーリング27を圧縮する。
内フランジ83や、外フランジ85の平面や、前記した中間フランジ12等の平面は、必ずしも塗布具1の軸線に対して垂直である必要はなく、図23、図24の様に傾斜していてもよい。
またノック筒5は、図25の様に複数の部材が接合されているものであってもよい。
また図26に示す実施形態の様に、軸筒2の後端部に外フランジ86を設ける。一方、ノック筒5の開口端や、中間部に内フランジ87を設け、ノック筒5で軸筒2の端部を覆うと共に、外フランジ86と、内フランジ87との間に第2オーリング27を設け、ノック筒5を突出させる力によって第2オーリング27を圧縮することも可能である。
前記した実施形態では、軸部54であってペン先装着部43に挿入されている領域は、その外周の全てがペン先装着部43の内周面と密接しているが、必ずしも軸部54であってペン先装着部43に挿入されている領域の全てがペン先装着部43の内周面と密接している必要はない。例えば、ペン先装着部43の先端部分の領域だけが軸部54と密接し、他の部分の間に空間があってもよい。
即ち、使用時に軸筒2から突出してペン先チップの塗布部55を見えにくくするのは、ペン先装着部43の先端部分に限られるから、ペン先装着部43の先端部分、特に使用時に軸筒2から突出する部分だけが細ければ足る。そのためペン先装着部43の先端部分の領域だけが軸部54と密接しておれば足る。
以上説明した実施形態は、いずれも軸筒2の後端にノック筒5を有する出没式マーキングペンであるが、軸筒2の側面にノック部材を有し、ノック部材をスライドする構造の出没式マーキングペンに本発明を適用することもできる。
1 塗布具
2 軸筒
3 移動体
5 ノック筒
6 先端開口
7 ペン先チップ(塗布部)
8 シャッター部材
12 中間フランジ(固定側フランジ)
17 回動用凹部
21 回動部材(回動体)
22 支持部材
23 押さえ部材(可動側フランジ)
25 回転子
26 第1オーリング(シール部材)
27 第2オーリング(シール部材)
28 バネ(付勢手段)
30 球面部
31a,31b 支持脚部
32a,32b 回転軸
33 係合突起
36 回動用ガイド溝(回動体側係合部)
37 旋回用凹部
43 ペン先装着部
45 前端支持部
46 支持枠部
47 樋状部
48 係合突起(移動体側係合部)
50 吸蔵体保持部
53 インキ吸蔵体
54 軸部(導出部)
55 塗布部
90 開口部
92 主要構成内蔵部

Claims (5)

  1. 先端開口を有する軸筒と、前記先端開口を開閉するシャッター部材と、先端に塗布部を有する移動体を有し、前記移動体は前記軸筒内にあって軸方向に移動可能であり、前記移動体を移動させて塗布部を軸筒の先端開口から出没可能であり、塗布部を軸筒の先端開口から突出させた状態においては前記シャッター部材が軸筒の先端開口を開放し、塗布部が軸筒内に収容された状態においては前記シャッター部材が軸筒の先端開口を封鎖する塗布具において、
    シャッター部材は軸筒と交差する方向に回動して軸筒の先端開口を開閉するものであり、軸筒内に回動可能に収容された回動体を有し、前記回動体に回動体側係合部が設けられ、移動体の一部または移動体と共に軸方向に移動する部材に移動体側係合部が設けられ、前記回動体がシャッター部材と直接的にまたは間接的に係合し、
    前記移動体を移動させて塗布部を軸筒の先端開口から突出させる際、移動体側係合部と回動体側係合部が係合して回動体を回転させ、さらに回動体によってシャッター部材を回動させて軸筒の先端開口を開放することを特徴とする塗布具。
  2. 移動体側係合部は移動体の表面に設けられた突起であり、前記回動体側係合部は回動体に設けられたガイド溝であり、移動体を軸方向に移動することによって回動体側係合部と突起との接触位置が変化し、回動体を回動させることを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. シャッター部材は軸筒と係合して軸筒に対して交差する方向を回転軸として回転し、シャッター部材の前記回転軸以外の部位が回動体と係合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
  4. シャッター部材は回動体と係合して回動体及び軸筒に対して交差する方向を回転軸として回転し、シャッター部材の前記回転軸以外の部位が軸筒と係合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
  5. 回動体を先端開口側に付勢する弾性部材を有し、先端開口にはシール部材が設けられ、弾性部材に基づく付勢力によってシャッター部材がシール部材に押圧され、回動体は他の部材と係合して特定の回転姿勢の際に軸方向に移動し、前記移動体を移動させて塗布部を軸筒の先端開口から突出させる際、移動体側係合部と回動体側係合部が係合して回動体を回転させ、回動体が回動すると共に軸方向に移動し、シャッター部材がシール部材を押圧する押圧力が減少することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布具。
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