JP2016013634A - 射出成型用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型構造を極力簡単にして、その製作コストを安くしつつ、簡便で寸法精度が高く、柔軟な樹脂を用いて、生体内管腔で性能を発揮するステントを作るのに好適な射出成形用金型を提供する。
【解決手段】周面に複数の貫通孔を有するステントを成形する筒状成形空間11を備えた射出成形用金型10であって、ステントの外面側を成形する2つの外型30、31と、ステントの内面側を成形する2つの内型20、21とを備え、第1内型側成形面20aの外周面形状及び第1外型側成形面30aの内周面形状を、筒状成形空間11にて成形したステントに対する軸方向への相対移動により、ステントから離脱可能な形状に形成し、第2内型側成形面21aの外周面と第2外型側成形面31aの内周面に、ステントの複数の貫通孔を成形する内型側突出部21bと外型側突出部31bとをそれぞれ形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば医療用生分解性ステントなどのように、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品を成形するのに好適な射出成形用金型に関する。
筒状成形品を成形する射出成形用の金型は、一般に、雄型、雌型、中子を組み合わせ、組み合わせた金型の隙間に溶融した樹脂を射出し、冷却、固化した後、離型することで成形品を成形している。そのため、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品を成形する金型設計を行う際には、金型の分解方向(抜き方向)が貫通孔の貫通方向と交差しないように金型設計を行っている。このことから、ステントのような円筒形で且つ周面に多数の貫通孔を形成した網目構造を有する成形品を成形するための金型は、多数に分割可能な金型で作る必要がある。しかし、金型の分割数を多くすると、小型の成形品を作ることが非常に難しくなるという問題がある。
ステントは一般に、血管あるいは他の生体内管腔が狭窄もしくは閉塞することによって生じる様々な疾患を治療するために、その狭窄もしくは閉塞部位を拡張し、その管腔サイズを維持するためにそこに留置する医療用具として用いられている。ステントには、1本の線状の金属もしくは高分子材料からなるコイル状のステントからなるもの、金属や樹脂製のチューブをレーザーによって切り抜いて加工したもの、線状の部材をレーザーによって溶接して組み立てたもの、複数の線状金属を織って作ったもの等がある。
また、これらのものはステントをマウントしたバルーンによって拡張されるもの(バルーン拡張型)と、外部からの拡張を抑制する部材を取り除くことによって自ら拡張していくもの(自己拡張型)とに分類することが出来る。
この内、自己拡張型ステントは、一般に、管内カテーテルの先端付近に取り付けられ、その上からステント保持部を有するシース等を被せて使用に供され、カテーテルを患者の体管腔内の治療部位へ進め、治療部位にてシース等を取り除き、これに伴ってステントが自己拡張することで留置する方法で用いられる。近年、尿管や胆管、下肢動脈の形成術に対してこれらのステントが多く用いられるようになってきている。
ステントの材質としては、ステンレス、ニッケル−チタンなどの金属材料が広く採用されているが、これらの金属材料が体内に異物として残留することにより、生体内管腔への長期的負荷が懸念されてきている。このことから、ステンレス、ニッケル−チタンなどの金属材料に代えて、ある一定の期間体内に残留し、その後体内に取り込まれて、自然に分解、吸収される材料でステントを製造する検討がなされている。
生体吸収機能のあるステントの材料としては、金属ではマグネシウム合金、樹脂ではポリ乳酸を主成分とした材料が挙げられる。特に近年では生分解樹脂が注目されているが、様々な問題点があり、現在は小規模での臨床試験が行われているだけである。
これらのステントは、生体内管腔に挿入される大きさであり、生体内管腔に畳まれた状態で挿入され、生体内管腔内で拡張されることから、円筒表面は空隙とストランドとでデザインされたパンタグラフのような形状、言い換えると多数の貫通孔を有する網目構造になっている。また一般に、ステントのサイズは、直径2mmから15mm、長さは10mmから200mmと、金型で射出成形するには、非常に小さいものであるから、射出成形による成形は非常に困難であった。
そのため、樹脂を用いたステント製造方法は、円筒形の押し出し成形で樹脂チューブを作製し、その後フェムト秒レーザー等の特殊な加工装置を用いて作製されることが一般的である。
特開2002−200175号公報 特表2006−516466号公報 特開2009−028289号公報
例えば特許文献1には、生体吸収性材料製のチューブを押出成形により製作し、このチューブの周面にレーザーカット、パンチング等機械加工により複数の貫通孔を形成してステントを製造する、ステントの製造方法が提案されているが、この方法では、押出成形したチューブをレーザーカット装置に取り付け、円筒表面をレーザーで切断する工程が必須となり、樹脂チューブをジグに取り付け、レーザーの焦点に合わせることが可能な硬度と真直性が樹脂チューブに求められる。しかし、樹脂チューブに対する硬度向上と真直性向上は、樹脂チューブに対してレーザー加工を施すためには必要であるが、このような硬度と真直性を有するステントでは、実際に生体内管腔に挿入、拡張する場合、蛇行した生体内管腔に追従せず、目的部位まで挿入することができなかったり、目的部位に到達できても、拡張時に破損する可能性がある。また、製造時に真直性が保てず、設計強度を得るための寸法を得ることができず、生体内管腔内で疲労破壊を起こす可能性がある。
また、特許文献2には、生体吸収性材料製の筒状のステントであって、周面にステントの全長に沿って延びる少なくとも二つの溝を設け、該少なくとも二つの溝の外側への変形により、円筒状に拡大径するように構成したステントが提案されている。このステントでは、周面に複数の貫通孔からなる網目構造(パンタグラフ構造)を形成しないので、押出成形により容易に製作できるが、周面に設けた溝によりステントが曲り難くなり、生体内管腔に挿入するときに、生体内管腔の蛇行に追従できないという問題がある。
更に、特許文献3には、生分解ステントを射出成形により成形する技術が記載されているが、特許文献3記載の発明では、金型として、2つの外型と、1つの内型の3つの金型を用いており、両外型の内周面に中央部側へ向けて突出する複数の突出部を形成し、この突出部によりステントの周面に複数の貫通孔を成形するように構成しているので、成形したステントを両外型から離型するときに、両外型の合わせ面付近の突出部がステントの貫通孔の内面に引っ掛かるので、ステントの離型性が悪く、無理に離型するとステントが疵付く可能性がある。
本発明の目的は、金型構造を極力簡単にして、その製作コストを安くしつつ、簡便で寸法精度が高く、柔軟な樹脂を用いて、生体内管腔で性能を発揮するステントを作るのに好適な射出成形用金型を提供することである。
本発明に係る射出成形用金型は、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品を成形する筒状成形空間を備えた射出成形用金型であって、前記筒状成形品の外面側を成形する複数の外型と、前記筒状成形品の内面側を成形する複数の内型とを備え、前記内型の少なくとも1つを、前記筒状成形空間にて成形した筒状成形品に対する軸方向への相対移動により、該筒状成形品から離脱可能な外周面形状の第1内型で構成し、前記第1内型以外の内型に対面する外型の少なくとも1つを、前記筒状成形空間にて成形した筒状成形品に対する軸方向への相対移動により、該筒状成形品から離脱可能な内周面形状の第1外型で構成したものである。
この金型では、複数の外型と複数の内型とを組み合わせて形成される筒状成形空間内に、溶融合成樹脂材料を射出して、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品を射出成形することになる。このとき、筒状成形品の周面の複数の貫通孔は、第1内型以外の内型としての第2内型の外周面に形成した突出部と、第1外型以外の外型としての第2外型の内周面に形成した突出部により成形されることになる。また、こうして成形した筒状成形品を離型する際には、先ず第1内型及び第1外型と筒状成形品とを筒状成形品の軸方向に相対移動させて、第1内型及び第1外型を筒状成形品から順次抜き取る。次に、第2内型の突出部を筒状成形品の貫通孔から順次抜き取ってから、第2内型と筒状成形品とを筒状成形品の軸方向に相対移動させて、第2内型から筒状成形品を抜き取る。次に、第2外型の突出部を筒状成形品の貫通孔から順次抜き取ってから、第2外型から筒状成形品を取り外して、金型から筒状成形品を離型することになる。なお、第1内型及び第2内型は、それぞれ複数に分割構成でき、また第1外型及び第2外型は、それぞれ複数に分割構成することができる。また、第1内型の外周面と第1外型の内周面とは、凹凸を有しない平坦な円弧面で構成することが、離型性を向上する上で好ましいが、第1内型の外周面又は第1外型の内周面の少なくとも一方に、筒状成形空間の軸方向に沿って延びる1乃至複数の突条と条溝の少なくとも一方を形成することもできる。
このように、第1内型及び第1外型を筒状成形品から抜き取った後、第2内型及び第2外型を筒状成形品から取り外すので、第1内型及び第1外型が配置されていた空間を利用して、筒状成形品の貫通孔から第2内型及び第2外型の突出部を容易に抜き取ることができ、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品であっても、貫通孔周辺を傷つけたり、貫通孔の寸法精度を低下させたりすることなく、筒状成形品を無理なく簡単な操作で離型することができる。また、第1内型の外周面及び第1外型の内周面は、凹凸のない平坦な円弧面で構成でき、しかも内型及び外型は少なくとも2個にそれぞれ分割構成するだけでよいので、金型構造を極力簡単にして、その製作コストを安くできる。このため、小型の円筒形で、なおかつ円筒表面全体に空隙とストランドとでデザインされる網目構造を有する射出成形品からなるステントを、柔軟な合成樹脂材料を用いつつ、簡便に精度良く製作できる。
ここで、前記第1内型の外周面及び第1外型の内周面を凹凸のない平坦な周面で構成することが好ましい実施の形態である。第1内型の外周面及び第1外型の内周面には筒状成形空間の軸方向に沿った突条や条溝を形成することも可能であるが、凹凸のない平坦な周面で構成することで、金型の製作コストを安くできるとともに、第1内型及び第1外型からの筒状成形品の離型性を向上できるので好ましい。
前記第1内型に対面する外型を、前記筒状成形品の複数の貫通孔を成形する外型側突出部を内周面に形成した第2外型で構成し、前記第1外型に対面する内型を、前記筒状成形品の複数の貫通孔を成形する内型側突出部を外周面に形成した第2内型で構成することが好ましい。
前記複数の内型の合わせ面を、前記筒状成形空間の軸心を含む平面内に配置した内型合わせ面で構成し、前記複数の外型の合わせ面を、前記内型合わせ面と同一平面内に配置した第1外型合わせ面と、該第1外型合わせ面の筒状成形空間の軸方向の両端から第1外型合わせ面と直交状に相互に逆方向へ延びる第2外型合わせ面とからなるクランク状の外型合わせ面で構成し、前記内型を第1内型と第2内型の2つの内型に分割構成するとともに、前記外型を第1外型と第2外型との2つの外型に分割構成することが好ましい実施の形態である。内型と外型とはそれぞれ任意の個数に分割構成することができるが、本発明のように分割することで、金型の分割個数を極力少なくしつつ、筒状成形品の離型性を向上できる。
前記第1内型及び第1外型を筒状成形空間の軸方向の一端側において一体的に連結することも好ましい実施の形態である。このように構成することで、射出成形装置の取付盤に対する、第1内型及び第1外型の取付構造として、簡単な構成のものを採用でき、射出成形装置の構成を簡単にして、その製作コストを低減できる。
前記第2内型及び第2外型を筒状成形空間の軸方向の他端側において一体的に連結することが好ましい実施の形態である。このように構成すると、射出成形装置の取付盤に対する、第2内型及び第2外型の取付構造として、簡単な構成のものを採用でき、射出成形装置の構成を簡単にして、その製作コストを低減できる。
前記筒状成形品が、生体の管状器官の内腔部に挿入・留置して使用される、前記貫通孔を周面に複数形成した網目構造を有する樹脂製ステントであることが好ましい実施の形態である。
本発明に係る射出成形用金型によれば、第1内型及び第1外型を筒状成形品から抜き取った後、第2内型及び第2外型を筒状成形品から取り外すので、第1内型及び第1外型が配置されていた空間を利用して、筒状成形品の貫通孔から第2内型及び第2外型の突出部を容易に抜き取ることができ、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品であっても、貫通孔周辺を傷つけたり、貫通孔の寸法精度を低下させたりすることなく、筒状成形品を無理なく簡単な操作で離型することができる。また、第1内型の外周面及び第1外型の内周面は、凹凸のない平坦な円弧面で構成でき、しかも内型及び外型は少なくとも2個にそれぞれ分割構成するだけでよいので、金型構造を極力簡単にして、その製作コストを安くできる。このため、小型の円筒形で、なおかつ円筒表面全体に空隙とストランドとでデザインされる網目構造を有する射出成形品からなるステントを、柔軟な合成樹脂材料を用いつつ、簡便に精度良く製作できる。
ステントの一例の(a)は正面図、(b)は図1のb−b線での切断部端面図 内型及び外型の一例を模式的に示す分解斜視図 (a)は同内型及び外型の型閉じ状態における金型の縦断面図、(b)は図3(a)のb−b線断面図 (a)は第1内型及び第1外型からのステントの離型途中における金型の縦断面図(ただし、ステントは同位置での切断部端面図)、(b)は図4(a)のb−b線断面図 (a)は型開き後における第2内型及び第2外型の縦断面図(ただし、ステントは同位置での切断部端面図)、(b)は図5(a)のb−b線断面図 第2外型からステントを取り外すときの第2外型の縦断側面図(ただし、ステントは同位置での切断部端面図)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(ステント)
先ず、本発明に係る射出成形用金型で成形する、筒状成形品としてのステントについて説明する。
図1に示すように、ステント1は、生体の管状器官の内腔部に挿入・留置して使用される筒状部材からなり、周面に内外を連通する菱形状の複数の貫通孔2を周方向及び軸方向に間隔をあけて形成し、隣接する貫通孔2間を網糸3となした網目構造に構成したものである。周方向に配置される網糸3は三角波状の環状に形成され、軸方向に隣接する網糸3は、3個おきの波の頂部同士を接続部4において接続することで連結されている。
図1に示すステント1は、自己拡張型ステントで、折り畳んだ状態で、シース等の医療機器に挿入され、患部に到達した後、シースの遠位部から管状器官の内腔部に押し出され、材料の弾性特性を用いて自然に拡張するように構成したものである。ただし、ステント1として、バルーンカテーテル等の拡張機能のある医療機器に取り付けられ、患部に到達した後、バルーンにより拡張され、拡張後の形態を保持するように構成したバルーン拡張型ステントを成形することも可能である。
ステント1の寸法は、図1に図示の拡張状態において、例えば外径が2mm〜15mm、長さが10mm〜200mm程度に設定されている。
ステント1の素材としては、生体の管状器官の内腔部に挿入・留置した後、一定期間経過すると、体内に取り込まれて、自然に分解、吸収される生分解性樹脂で構成することが好ましく、例えば乳酸、グリコール酸、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、テトラメチレンカーボネート、ジオキサノンの少なくとも1種類以上からなる重合体であることが好ましい。また、ステント1を拡張した際のコーティング層の割れや剥がれを防止する観点を考慮すると、前記重合体は乳酸−グリコール酸共重合体であることが好ましい。前記乳酸−グリコール酸共重合体に含まれる乳酸は、D−体の乳酸のみの場合、L−体の乳酸のみの場合、D−体の乳酸とL−体の乳酸の両方を含む場合があるが、いずれの乳酸を含む共重合体であってもよい。
なお、貫通孔2の形状は、ステント1を半径方向に拡縮可能に構成できる形状であれば、スリット状、円、楕円、長方形、正方形など、菱形状以外の任意の形状に形成することも可能である。また、周方向に配置する貫通孔2は任意の個数に設定できるし、隣接する網糸3の接続部4は、3個おきの波の頂部に形成したが、各波の頂部に形成することもできるし、3個以外の個数おきの波の頂部に形成することもできる。ステント1の直径や長さ、網目の大きさ、網糸3の幅や厚さは、適用する生体の管状器官などに応じて任意に設定可能である。
(射出成形用金型)
次に、射出成形用金型の構成について説明する。
図2、図3に示すように、射出成形用金型10は、周面に複数の貫通孔2を有する筒状成形品としてのステント1を成形する筒状成形空間11を備えた射出成形用金型10であって、ステント1の内面側を成形する第1内型20及び第2内型21と、ステント1の外面側を成形する第1外型30及び第2外型31とを備え、第1内型20の第1内型側成形面20aの外周面と第2外型31の第2外型側成形面31aの内周面とを対面状に配置するとともに、第2内型21の第2内型側成形面21aの外周面と第1外型30の第1外型側成形面30aの内周面とを対面状に配置し、第1内型側成形面20aの外周面形状及び第1外型側成形面30aの内周面形状を、筒状成形空間11にて成形したステント1に対する軸方向への相対移動により、ステント1から離脱可能な形状に形成し、第2内型側成形面21aの外周面と第2外型側成形面31aの内周面に、ステント1の複数の貫通孔2を成形する内型側突出部21bと外型側突出部31bとをそれぞれ形成したものである。
より具体的には、両内型20、21は、ステント1の長さ及び内周側半径に適合する長さ及び半径の半円柱状に形成され、筒状成形空間11の軸心を含む平面内の内型合わせ面20c、21cを重ね合わせて円柱状に組み合わせ可能に構成され、第1内型20の外周の半円筒状の第1内型側成形面20aは凹凸のない円弧面で構成されている。第2内型21の外周の半円筒状の第2内型側成形面21aにはそれにより成形されるステント1の半円筒部分の複数の貫通孔2を成形する内型側突出部21bが形成されるとともに、内型側突出部21b間にはステント1の網糸3を成形する内型側溝部21dが形成されている。ただし、第1内型側成形面20aは、第1内型20からのステント1の離型性を高めるため、凹凸のない半円筒面で構成することが好ましいが、筒状成形空間11の軸方向に沿ってその全長にわたって延びる1乃至複数の突条と条溝の少なくとも一方を形成することもできる。また、内型としては、ステント1に対する軸方向への相対移動により、ステント1から離脱可能な第1内型と、ステント1の複数の貫通孔2を成形する内型側突出部21bを有する第2内型とを備え、第1内型と第2内型とを組み合わせて円柱状となるように分割構成したものであれば、任意の形状、任意の個数に分割構成することができる。
両外型30、31は、正面視略L字状のブロック状にそれぞれ構成され、第1外型30は正面視略L字状の短手側の短手部32aと長手側の長手部32bとを有し、第2外型31は正面視略L字状の短手側の短手部33aと長手側の長手部33bとを有している。両外型30、31の合わせ面は、内型合わせ面20c、21cと同一平面内に配置した長手側合わせ面30c、31cと、長手側合わせ面30c、31cの筒状成形空間11の軸方向の両端から長手側合わせ面30c、31cと直交状に相互に逆方向へ延びる短手側合わせ面30d、31dとで、正面視クランク状に形成され、両外型30、31は、長手部32b、33bの長手側合わせ面30c、31cを重ね合わせるとともに、第1外型30の長手部32bの端面の短手側合わせ面30dを第2外型31の短手部33aの側面の短手側合わせ面31dに突き合わせるとともに、第2外型31の長手部33bの端面の短手側合わせ面31dを第1外型30の短手部32aの側面の短手側合わせ面30dに突き合わせて、直方体状に組み合わせ可能に構成されている。
第1外型30の長手側合わせ面30cの幅方向の中央部には略半円柱状の第1外型側成形面30aが長手部32bの長さ方向の全長にわたって形成され、第1外型側成形面30aの内周面は凹凸のない円弧面で構成されている。第2外型31の長手側合わせ面31cの幅方向の中央部には略半円柱状の第2外型側成形面31aが長手部33bの長さ方向の全長にわたって形成され、第2外型側成形面31aにはそれにより成形されるステント1の半円筒部分の複数の貫通孔2を成形する外型側突出部31bが形成されるとともに、外型側突出部31b間にはステント1の網糸3を成形する外型側溝部31eが形成されている。ただし、第1外型側成形面30aは、第1外型30からのステント1の離型性を高めるため、凹凸のない半円筒面で構成することが好ましいが、筒状成形空間11の軸方向に沿って延びる1乃至複数の突条と条溝の少なくとも一方を形成することもできる。また、外型としては、ステント1に対する軸方向への相対移動により、ステント1から離脱可能な第1外型30と、ステント1の複数の貫通孔2を成形する外型側突出部31bを有する第2外型31とを備え、第1外型30と第2外型31とを組み合わせて円柱状の空間が形成されるように分割構成されたものであれば、任意の形状、任意の個数に分割構成することができる。
第1内型20の基端部は第1外型30の短手部32aの短手側合わせ面30dに着脱可能にボルト12で固定されて、第1内型20は第1外型30に片持ち状に支持され、第2内型21の基端部は第2外型31の短手部33aの短手側合わせ面31dに着脱可能にボルト13で固定されて、第2内型21は第2外型31に片持ち状に支持されている。第1内型20及び第1外型30と、第2内型21及び第2外型31を筒状成形空間11の軸方向に相対移動させて組み合わせることで、筒状成形空間11を形成できるように構成されている。なお、型閉じ状態において、筒状成形空間11の両端部は、両外型30、31の短手側合わせ面30d、31dで閉塞されるように構成されている。
なお、図示していないが、金型10には筒状成形空間11内に連通するゲートやスプルーなどが形成され、射出成形機からの溶融樹脂材料は、スプルーやゲートを通じて筒状成形空間11内に射出されるように構成されている。ゲートやスプルーの形成位置は任意に設定可能である。
次に、金型10を用いたステント1の製造方法について説明する。
この金型10によりステント1を製造する際には、先ず図3に示すように、2つの内型20、21と2つの外型30、31とを組み合わせて筒状成形空間11を形成し、この筒状成形空間11内に、図示外の射出成形装置から溶融合成樹脂材料を射出して、周面に複数の貫通孔2を有するステント1を射出成形することになる。このとき、ステント1の周面の複数の貫通孔2は、第2内型21の第2内型側突出部21bと、第2外型31の第2外型側突出部31bにより成形されることになる。
こうして成形したステント1を離型する際には、先ず図4に示すように、第1内型20及び第1外型30を第2内型21及び第2外型31に対して筒状成形空間11の軸方向に相互に離間するように相対移動させる。このとき、第1内型20の第1内型側成形面20a及び第1外型30の第1外型側成形面30aとは凹凸のない滑らかな円弧面なので、図5に示すように、第1内型20及び第1外型30がステント1から抜き取られ、ステント1は第2内型21及び第2外型31に保持されることになる。
次に、第2内型21のボルト13を取り外してから、ステント1の弾性を利用して、第2内型21を、例えば図5の矢印Aに示す方向へ(すなわち、第2内型側成形面21aをステント1の内側に密着させつつ、第2外型31から乖離する方向へ)微小移動させ、その後第2内型21をその軸心回りに回転させながら、第2内型21の一側部を、第1内型20を抜き取って形成されるステント1の内側の半円状の空間内へ回動させ、ステント1の貫通孔2から第2内型21の第2内型側突出部21bを順次抜き取り、その後第2内型21を第2外型31に対して軸方向に相対移動させて、第2内型21をステント1から抜き取る。
次に、図6に示すように、第1内側20及び第2内型21を抜き取って形成されるステント1の内側の空間を利用して、第2外型31の第2外型側成形面31aに収まっていないステント1の半円筒部分の両側部を中央部側へ弾性変形させながら、ステント1の貫通孔2から第2外型31の第2外型側突出部31bを順次抜き取り、その後ステント1を図6に矢印Bで示す方向(すなわち、第2外型31の第2外型側成形面31aから乖離する方向へ)へ移動させて、第2外型31からステント1を取り外し、金型10からステント1を離型することになる。
なお、前記実施の形態では、ステント1を射出成形する金型10に本発明を適用した場合について説明したが、周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品であれば、ステント以外の任意の構成の筒状成形品を射出成形する金型に対しても、本発明を同様に適用できる。
(実施例)
以下に、本発明に係る金型を用いた生分解樹脂製ステントの射出成形方法の実施例を説明するが、本発明は、この具体的な成形方法に限定されるものではない。
生分解性樹脂として、ポリ乳酸を用いた。図1に示すような網目構造のステント1であって、直径6mm、長さ30mm、厚さ0.4mmのステント1を製造すべく、図2に模式的に示す金型10を基本構成とし、各部の寸法を成形するステント1寸法に応じて適正に設定した金型を作製した。金型の加熱方式としてカートリッジヒータを用い、金型の温度を120℃として、小型射出成形機を用い、射出成形を行ったところ、疵のないステント1が製造できた。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1 ステント
2 貫通孔
3 網糸
4 接続部
10 金型
11 筒状成形空間
12 ボルト
13 ボルト
20 第1内型
20a 第1内型側成形面
20c 内型合わせ面
21 第2内型
21a 第2内型側成形面
21b 第2内型側突出部
21c 第2内型合わせ面
21d 内型側溝部
30 第1外型
30a 第1外型側成形面
30c 長手側合わせ面
30d 短手側合わせ面
31 第2外型
31a 第2外型側成形面
31b 第2外型側突出部
31c 長手側合わせ面
31d 短手側合わせ面
31e 外型側溝部
32a 短手部
32b 長手部
33a 短手部
33b 長手部

Claims (7)

  1. 周面に複数の貫通孔を有する筒状成形品を成形する筒状成形空間を備えた射出成形用金型であって、
    前記筒状成形品の外面側を成形する複数の外型と、前記筒状成形品の内面側を成形する複数の内型とを備え、
    前記内型の少なくとも1つを、前記筒状成形空間にて成形した筒状成形品に対する軸方向への相対移動により、該筒状成形品から離脱可能な外周面形状の第1内型で構成し、
    前記第1内型以外の内型に対面する外型を、前記筒状成形空間にて成形した筒状成形品に対する軸方向への相対移動により、該筒状成形品から離脱可能な内周面形状の第1外型で構成した、
    ことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記第1内型の外周面及び第1外型の内周面を凹凸のない平坦な周面で構成した請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 前記第1内型に対面する外型を、前記筒状成形品の複数の貫通孔を成形する外型側突出部を内周面に形成した第2外型で構成し、前記第1外型に対面する内型を、前記筒状成形品の複数の貫通孔を成形する内型側突出部を外周面に形成した第2内型で構成した請求項1又は2記載の射出成形用金型。
  4. 前記複数の内型の合わせ面を、前記筒状成形空間の軸心を含む平面内に配置した内型合わせ面で構成し、前記複数の外型の合わせ面を、前記内型合わせ面と同一平面内に配置した第1外型合わせ面と、該第1外型合わせ面の筒状成形空間の軸方向の両端から第1外型合わせ面と直交状に相互に逆方向へ延びる第2外型合わせ面とからなるクランク状の外型合わせ面で構成し、前記内型を第1内型と第2内型の2つの内型に分割構成するとともに、前記外型を第1外型と第2外型との2つの外型に分割構成した請求項3項記載の射出成形用金型。
  5. 前記第1内型及び第1外型を筒状成形空間の軸方向の一端側において一体的に連結した請求項3又は4記載の射出成形用金型。
  6. 前記第2内型及び第2外型を筒状成形空間の軸方向の他端側において一体的に連結した請求項3〜5のいずれか1項記載の射出成形用金型。
  7. 前記筒状成形品が、生体の管状器官の内腔部に挿入・留置して使用される、前記貫通孔を周面に複数形成した網目構造を有する樹脂製ステントである請求項1〜6のいずれか1項記載の射出成形用金型。
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