JP2016013092A - ニンジンペーストおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ニンジン特有の臭みやえぐみが少なく香りや味が良好で、かつ食感のよいニンジンペーストの提供。
【解決手段】香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量が20質量%未満であるニンジンペースト。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲食品に好適に用いることができるニンジンペーストを製造する方法に関する。
従来、ニンジンを粉砕、磨砕または裏ごししたペーストは、離乳食の材料として常用されており、またハンバーグ等の練り物食品や、シチュー、スープ、ソース等の液体食品、ケーキ等のベーカリー食品などの風味付けや色付けにも使用されている。しかし、生のニンジンから得られたペーストは、特有のえぐみや臭みが強いため、そのまま大量に用いるのは好ましくないことが多い。特許文献1には、ブランチング、蒸煮または焙煎処理した野菜磨砕物を用いて製造したルウが、コク味が増し、滑らかになることが記載されている。特許文献2には、野菜を過熱水蒸気で加熱後に破砕し、さらに酵素処理することで、味、風味、食感の良好な野菜ペーストが得られることが記載されている。しかし、これらの野菜磨砕物やペーストにもなお、野菜のえぐみや臭みが残る、舌触りが悪いなどの問題がある。さらに、ボイルまたは蒸し煮したニンジンを粉砕して得られたペーストは、加熱により甘みが増すものの、風味に欠け、ボイル臭が強いものとなる。
特開平11−196828号公報 特開2009−296890号公報
本発明は、ハンバーグ、カレー、シチュー、スープ、ソース、ベーカリー食品等の各種食品の製造に好適に用いることができるニンジンペーストに関する。詳細には、ニンジン特有の臭みやえぐみが少なく、食品にニンジンの好ましい香りや風味を付与することができ、かつ食感のよいニンジンペーストの提供に関する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ニンジンを、香気性成分中に含まれる特定沸点のテルペン類の量が特定の値になるように油脂とともに加熱した後、粉砕することにより、良好な香りと風味を有し、かつ舌触りが滑らかで食感のよいニンジンペーストが得られることを見出した。
すなわち本発明は、香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量が20質量%未満であるニンジンペーストを提供する。
また本発明は、ニンジンを油脂と共に加熱して、加熱後の該ニンジン中の香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量を20質量%未満に低減させることと、該加熱したニンジンを粉砕することとを含む、ニンジンペーストの製造方法を提供する。
本発明によれば、ニンジンに特有のえぐみや臭みが少なく香りがよく、一方でニンジンの好ましい甘味と風味を有しており、かつ舌触りが滑らかで食感がよいニンジンペーストを提供することができる。本発明のニンジンペーストは、ハンバーグ、カレー、シチュー、スープ、ソース、ベーカリー食品等の各種食品の材料として好適である。
本発明のニンジンペーストの原料となるニンジンの種類は、食用に用い得るものであれば特に限定がなく、金時ニンジン、島ニンジン、五寸ニンジンなどを挙げることができる。本発明の製造方法において、上記に挙げたニンジンは単独で使用してもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明のニンジンペーストは、特定沸点のテルペン類の含有量が低減されている。すなわち、本発明のニンジンペーストは、その香気性成分に含まれるテルペン類の全量(揮発性テルペン類の合計量)中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量が、20質量%未満、好ましくは7〜15質量%、より好ましくは8〜11質量%である。さらに好ましくは、本発明のニンジンペーストにおける該沸点270〜275℃のテルペン類の含有量は、香気性成分に含まれる沸点150℃以上のテルペン類の全量中20質量%未満、好ましくは7〜15質量%、より好ましくは8〜11質量%である。テルペン類の量が当該範囲であると、香りがよく、かつ良好なニンジンの甘みと風味を有する好ましいペーストとなる。他方、該沸点270〜275℃のテルペン類の含有量が、香気性成分中のテルペン類全量中20質量%以上である場合、ニンジンの臭みが強いペーストとなる。
上記ニンジンの香気性成分に含まれるテルペン類としては、ニンジンの品種、産地、収穫年等により多少の変動はあるが、例えば、α−ピネン、β−ピネン、α−カリオフィレン、β−カリオフィレン、D−リモネン、L−リモネン、o−シメン、m−シメン、p−シメン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、α−ベルガモテン、α−ファルネセン、サビネン、ミリスチシン、α−ビサボレン、β−ビサボレン、シス−α−ビサボレン、β−ヒマチャレン、α−クルクメン、β−クルクメン、カリオフィレンオキシドが挙げられ、これらは沸点150℃以上のテルペン類である。このうち、沸点270〜275℃のテルペン類としては、ミリスチシン、α−ビサボレン、β−ビサボレンが挙げられる。
好ましくは、本発明のニンジンペーストはさらに、特定沸点のアルデヒド類の含有量が低減されている。本発明のニンジンペーストは、その香気性成分に含まれるアルデヒド類の全量(揮発性のアルデヒド類の合計量)中における沸点200℃以上のアルデヒド類の含有量が、0.001質量%未満である。該沸点200℃以上のアルデヒド類の含有量が、香気性成分中のアルデヒド類の全量中0.001質量%以上である場合、ニンジンの臭みが強いペーストとなる。
上記香気性成分に含まれるアルデヒド類としては、ニンジンの品種、産地、収穫年等により多少の変動はあるが、例えば、2,4−デカジエナール、ヘキサナール、2−オクテナール、ノナナール、2−ノネナールが挙げられ、このうち沸点200℃以上のアルデヒド類としては、2−ノネナールが挙げられる。
ニンジンまたはニンジンペーストの香気性成分に含まれる各成分の含有量は、ガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた分析により定量することができる。より詳細には、ペースト状の試料100mgを20mL(高さ75.5mm×径22.5mm)のガラス容器に入れ、80℃で60分間加熱したときに放出された成分をガスクロマトグラフ質量分析にかけたときに測定される値として表すことができる。
したがって、本明細書における「香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量」とは、上記手順でのガスクロマトグラフ質量分析により検出されたテルペン類の全量中における、沸点270〜275℃のテルペン類の量であり得、好ましくは、上記手順でのガスクロマトグラフ質量分析により検出されたα−ピネン、β−ピネン、α−カリオフィレン、β−カリオフィレン、D−リモネン、L−リモネン、o−シメン、m−シメン、p−シメン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、α−ベルガモテン、α−ファルネセン、サビネン、ミリスチシン、α−ビサボレン、β−ビサボレン、シス−α−ビサボレン、β−ヒマチャレン、α−クルクメン、β−クルクメンおよびカリオフィレンオキシドの合計量中における、ミリスチシン、α−ビサボレンおよびβ−ビサボレンの合計含有量であり得る。また本明細書における「香気性成分に含まれるアルデヒド類全量中における沸点200℃以上のアルデヒド類の含有量」とは、上記手順でのガスクロマトグラフ質量分析により検出されたアルデヒド類の全量中における、沸点200℃以上のアルデヒド類の量であり得、好ましくは、上記手順でのガスクロマトグラフ質量分析により検出された2,4−デカジエナール、ヘキサナール、2−オクテナール、ノナナールおよび2−ノネナールの合計量中における2−ノネナールの含有量であり得る。
本発明のニンジンペーストの製造方法は、最終的に得られたニンジンペーストに含まれる上記特定沸点のテルペン類の量、好ましくは上記特定沸点のテルペン類およびアルデヒド類の量を上記所定の量にすることができる方法である限り、どのような方法であってもよい。好ましくは、本発明のニンジンペーストの製造方法は、まず原料となるニンジンを、上記特定沸点のテルペン類、好ましくは上記特定沸点のテルペン類およびアルデヒド類が上記所定の量になるまで油脂と共に加熱し(加熱工程)、その後、該加熱したニンジンを粉砕してペーストにすること(粉砕工程)を含む方法である。
本発明の製造方法において、ニンジンは、上記加熱工程に供する前に、種類または必要に応じて適切に前処理されてもよい。前処理としては、洗浄、不要部分のトリミング、小片化、ブランチング(表面の殺菌や酵素の失活を目的とした、熱湯や蒸気等による短時間の加熱処理)等が挙げられる。例えば、上記ニンジンを予め切断して一定の大きさの小片にしておくと、上記加熱工程において加熱ムラや加熱不足が起こりにくくなるため好ましい。小片は、ダイス状、拍子木状等の通常の調理で行われる形状であればよく、その大きさは、加熱ムラや加熱不足を防ぐ観点からは、好ましくは、少なくとも一辺が5cm以下、より好ましくは3cm以下となるようにする。しかしながら、上記ニンジンは、上記加熱工程の前に粉砕されることはない。また小片を小さくし過ぎると、加熱工程において焦げが発生しやすくなり、最終的に得られたペーストの品質が低下するため好ましくない。したがって小片は、各辺を1mm未満、好ましくは3mm未満としないことが望ましく、より好ましくは各辺を3mm以上、さらに好ましくは5mm以上とする。なお、本明細書において、ニンジンの粉砕とは、当該ニンジンをその細胞内容物が漏出して全体が液状またはペースト状になる程度に、あるいはろ過によって液状物を分離できるようになる程度に、物理的に破壊することをいう。好ましくは、本明細書において、ニンジンの粉砕とは、各粉砕物の最大長が1mm未満となるように、ニンジンを任意の手段で細分化することであり得る。
本発明の製造方法における上記加熱工程は、上述の必要に応じて前処理したニンジンを油脂とともに加熱し、加熱後の該ニンジン中の香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量を、20質量%未満、好ましくは7〜15質量%、より好ましくは8〜11質量%に低減させる工程であり得る。好ましくはさらに、当該加熱工程により、加熱後の該ニンジン中の香気性成分中に含まれるアルデヒド類の全量中における沸点200℃以上のアルデヒド類の含有量を、0.001質量%未満に低減させる。当該加熱工程により、ニンジンの硬い構造を緩和させるとともに、えぐみや臭みの成分を低下させ、風味や甘みの成分を凝縮することができ、さらに加熱によって生じる新たな香りや、風味、コク味成分をニンジンに付加することができる。
上記加熱工程により、上記ニンジンに含まれる水分や、他の揮発成分は蒸発、揮発または飛散するため、加熱後のニンジンの質量は加熱前と比べて減少する。本発明の製造方法においては、加熱後のニンジンの質量は、加熱前の質量に対して、好ましくは95〜75質量%、より好ましくは92〜79質量%、さらに好ましくは92〜88質量%であるとよい。言い換えると、当該加熱工程においては、加熱後のニンジンの質量が、加熱前の質量に対して、好ましくは95〜75質量%、より好ましくは92〜79質量%、さらに好ましくは92〜88質量%に減少するまで、当該ニンジンを加熱すればよい。上記所定の質量となるようにニンジンを油脂とともに加熱することにより、上記特定沸点のテルペン類、好ましくはさらに上記特定沸点のアルデヒド類が上述した所定の量まで低減したニンジンの加熱物を得ることができる。
上記加熱工程における、ニンジンを油脂と共に加熱する手段としては、ニンジンの水分や揮発成分を蒸発、揮発または飛散させて当該ニンジンの質量を減少させるとともに、上記特定沸点のテルペン類、好ましくは上記特定沸点のテルペン類およびアルデヒド類の含有量を低減することができる方法であれば、特に限定されない。油脂と共に加熱する手段としては、例えば、油脂を用いた炒め、揚げ焼き、油ちょうに供する方法が挙げられ、このうち、ニンジンをムラ無く焦げないように加熱でき、かつ加熱状況を観察しながら処理できるとの観点では、少量の油を用いた油炒めが好ましく用いられる。当該加熱工程に用いる油脂としては、通常食用に用いられる油脂であれば特に限定されないが、植物性油脂が好ましく、コーン油、大豆油、綿実油、なたね油、ピーナッツ油、オリーブ油等がより好ましい。加熱条件としては、油脂温度またはヒーター等の設定温度として、70℃以上180℃以下が好ましく、75℃以上160℃以下がより好ましい。加熱温度が70℃未満であると、得られたペーストの香りや、風味、甘みが十分に向上せず、また上記特定沸点のテルペン類やアルデヒド類が十分に除去されないためにペーストにニンジンのえぐみや臭みが残る場合がある。一方、加熱温度が180℃超であると、ニンジンが焦げやすくなり、またメイラード反応やカラメル反応が過剰になるため、得られたペーストがやはり香りや、風味、甘みに劣るものになる場合がある。加熱時間は、加熱方法、加熱温度、加熱する食材の種類や大きさに応じて、ニンジンの質量が所定量減少する時間を適宜設定すればよい。油脂を用いた加熱工程の後、余分な油脂は除去することが好ましい。油脂を除去する方法としては、紙等に染み込ませる方法、網等で油切りする方法等が挙げられる。
一方、ニンジンの加熱手段として、油脂を用いない加熱、例えば、焙煎、油脂添加なしでのオーブン加熱、水(湯)を用いるボイルや、水蒸気を用いる蒸煮による加熱は、ニンジンのえぐみや臭みの除去効果が不十分であり、または風味成分の水(湯)中への溶出や流出により、最終的に得られたペーストの香りや、風味、甘みが十分に向上しないため好ましくない。
本発明のニンジンペーストの製造方法においては、次いで、上記加熱工程で得られた加熱したニンジンを粉砕して粉砕物を得る。この粉砕工程により、加熱したニンジンを滑らかなペースト状にして舌触りをよくするとともに、当該加熱したニンジン中の香りや、風味、甘みの成分をペースト全体に分散させる。本発明の製造方法により得られたニンジンペーストは、ペースト状にする前のニンジンを加熱してえぐみや臭みの成分を減少させているため、粉砕しても細胞内のえぐみや臭みの成分がペースト中に漏れ出て香りや風味が損なわれることがない。
上記粉砕工程は、上述した加熱工程直後に行ってもよいが、当該加熱工程後に、加熱したニンジンを一旦冷却してから行ってもよい。当該粉砕工程における、加熱したニンジンを粉砕する手段としては、フードプロセッサーやミキサー等の回転刃による処理、ホモゲナイザーやブレンダー等によるせん断処理、ミル等の粉砕装置による処理などが挙げられる。このうち、処理能力や操作の簡便さの観点からは、回転刃による処理が好ましい。ニンジンの粉砕の際には、ニンジンの種類、含水量、粉砕手段等により、必要に応じて加水してもよい。加水により、例えば、粉砕機器の壁や回転刃に材料が付着することを防いで、粉砕効率の低下を防止することができる。また、ニンジンの種類により、例えば繊維質が多量に含まれるニンジンでは、上記粉砕工程を行って全体が液状またはペースト状になった状態であっても、最大長が1mm以上の細長い破片が残ることがある。このような繊維質等の破片は香りや、風味、コク味への影響は少なく、一部残留しても問題ないが、舌触りの点で劣ることがある。その場合は、粉砕物を目開き1mmのざる、網、篩などに通して当該細長い破片を除去するか、または除去した破片をさらに粉砕して用いることが好ましい。
上記粉砕工程を経て得られた本発明のニンジンペーストは、平均粒子径が、好ましくは520μm以下、より好ましくは400μm以下である。本発明の製造方法によれば、平均粒子径をそれほど細かくしなくとも比較的滑らかで舌触りのよいニンジンペーストが得られるが、ペーストの平均粒子径が520μm以下であると、香りがよく立ち、舌触りも滑らかになって、該ペーストを配合する食品の風味や食感が好ましいものとなる。なお、本明細書における粉砕物またはニンジンペーストの平均粒子径とは、前記の最大長が1mm以上の細長い破片を除いた後の該粉砕物またはペーストの粒度分布をレーザー回折・散乱法により測定したときの、体積の積算値50%での値をいう。
本発明のニンジンペーストは、そのまま単独で食することもでき、または各種食品の材料とすることもできる。あるいは、当該ニンジンペーストは、それ単独でもしくは他の食材と合わせてジュース、ソース、ルウ等の製造に用いたり、またはハンバーグ、コロッケ、ベーカリー食品、パスタ等の生地に練り込むなどして、各種食品の製造に使用することができる。本発明の製造方法により製造されたニンジンペーストを含有し得る食品としては、通常ペースト状のニンジンを添加して製造することができるあらゆる食品が挙げられ、例えば、カレー、シチュー、スープ、ソース、ディップ、ドレッシング、コロッケ、ハンバーグ、ミートボール、サラダ、ベビーフード、ムース、ゼリー、プディング、ベーカリー食品、パスタ、ジュース、乳製品、流動食等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明のニンジンペーストは、ニンジンの特有の色や香り、風味、甘みを有しながら、そのニンジンの持つえぐみや臭みが低減されており、しかも舌触りが非常に滑らかであるため、他の食材の風味を邪魔することなく、食品の風味や香りを一層引き立てることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
以下の実施例において、ペーストに含まれる香気性成分の組成分析方法は次のとおりである。
ペースト測定試料100mgを20mL(高さ75.5mm×径22.5mm)のガラス容器に入れ、80℃、60分間加熱して、放出された香気成分を固相マイクロ抽出(SPME)ファイバー(SUPELCO社製)に捕集した。SPMEファイバーからガスクロマトグラフィー質量分析装置(ISQ;サーモサイエンティフィック社製)を用いて、以下の条件にて香気性成分の含有比を分析した。結果は、クロマトグラムの面積から換算した質量%として表した。
<カラム条件>
カラム:サーモサイエンティフィック社製TR−1MS 0.25mm径×60mL、
カラム温度:注入口280℃
カラム流量:1.5mL/min
(製造例1〜2)
ニンジンを皮むきし、洗浄後、約1cm角のダイス状にカットした。約150〜160℃に熱したフライパンに、油50gを入れ、さらに上記カットしたニンジン950gを投入して13分間炒めた。加熱後のニンジンを、余分な油を紙に吸い取った後、質量を測定したところ、835g(加熱前の88%)であった。この加熱処理したニンジンに加水して質量を1000gとし、250gずつ4つに小分けした。そのうち2つを、それぞれフードプロセッサーを用いて20秒間(製造例1)、またはコーヒーミルを用いて180秒間(製造例2)粉砕し、2種類のニンジンペーストを得た。
(製造例3〜4)
ニンジンを皮むきし、洗浄後、約1cm角のダイス状にカットした。このカットしたニンジン1000gを熱湯で6分間加熱した。加熱後のニンジンの質量を測定したところ、1039g(加熱前の104%)であった。この加熱処理したニンジンを250gずつ4つに小分けした。そのうち2つを、それぞれフードプロセッサーを用いて20秒間(製造例3)、またはコーヒーミルを用いて180秒間(製造例4)粉砕処理し、ニンジンペーストを得た。
(製造例5〜6)
ニンジンを皮むきし、洗浄後、約1cm角のダイス状にカットした。このカットしたニンジン1000gを耐熱皿に厚みが均等になるように並べ、オーブンにセットして130℃で10分間加熱した。加熱後のニンジンの質量を測定したところ、793g(加熱前の79%)であった。この加熱処理したニンジンに加水して質量を1000gとし、250gずつ4つに小分けした。そのうち2つを、それぞれフードプロセッサーを用いて20秒間(製造例5)、またはコーヒーミルを用いて180秒間(製造例6)粉砕処理し、ニンジンペーストを得た。
(製造例7)
ニンジンを皮むきし、洗浄後、約1cm角のダイス状にカットした。このカットしたニンジン250gずつをフードプロセッサーを用いて20秒間粉砕処理し、ニンジンペーストを得た。約150〜160℃に熱したフライパンに、油12gを入れ、さらに上記のニンジンペースト238gを投入して4分間炒めた。加熱後のニンジンペーストを、余分な油を紙に吸い取った後、質量を測定したところ、171g(加熱前の72%)であった。この加熱処理したニンジンペーストに加水して質量を250gとした。
(製造例8)
ニンジンを皮むきし、洗浄後、約1cm角のダイス状にカットした。このカットしたニンジン250gずつをフードプロセッサーを用いて20秒間粉砕処理し、ニンジンペーストを得た。
(試験例1)
製造例1〜8の各ニンジンペーストについて、SALD−2100(島津製作所)を用いてレーザー回折・散乱法により平均粒子径を算出し、また香気性成分を分析した。さらに、各ペーストの香り、味および食感を、表1の基準に従って10名のパネラーにより評価し、平均値を求めた。以上の結果を表2に示す。
Figure 2016013092
Figure 2016013092
(試験例2)
製造例2と同様の手順で、ただし、油炒めの時間を変えることでニンジンの加熱後質量を表3記載のとおりに調整し、ニンジンペーストを得た(製造例9〜12)。試験例1と同様の手順で各ペーストの香り、味、食感を評価した。結果を表3に示す。なお、表3には製造例2の結果を再掲する。
Figure 2016013092

Claims (7)

  1. 香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量が20質量%未満である、ニンジンペースト。
  2. 香気性成分に含まれるアルデヒド類の全量中における沸点200℃以上のアルデヒド類の含有量が0.001質量%未満である、請求項1記載のペースト。
  3. 平均粒子径が520μm以下である、請求項1または2記載のペースト。
  4. ニンジンを油脂と共に加熱して、加熱後の該ニンジン中の香気性成分に含まれるテルペン類の全量中における沸点270〜275℃のテルペン類の含有量を20質量%未満に低減させることと、該加熱したニンジンを粉砕することとを含む、ニンジンペーストの製造方法。
  5. 前記ニンジンを油脂と共に加熱することにより、加熱後の該ニンジン中の香気性成分に含まれるアルデヒド類の全量中における沸点200℃以上のアルデヒド類の含有量を0.001質量%未満に低減させることをさらに含む、請求項4記載の方法。
  6. 前記ニンジンを油脂と共に加熱する際に、該ニンジンを、加熱前の質量に対して95〜75質量%になるまで加熱する、請求項4または5記載の方法。
  7. 前記加熱したニンジンの粉砕が、ニンジンを平均粒子径が520μm以下に粉砕することである、請求項4〜6のいずれか1項記載の方法。
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