JP2016012610A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】同一面内にドット領域とともに設けられた電極形成部との間に適切な間隔を設け、歩留まりを向上させた発光効率の良い半導体発光素子を提供することを目的とする。【解決手段】第2半導体層の発光層から発生した光の出射面側に形成された微細構造層を有する半導体発光素子であって、微細構造層の表面は、高さ(深さ)が1μmよりも小さい凸状あるいは凹状にて形成された複数のドット(10)により構成されるドット領域(7)と、電極パッドが配置される電極パッド形成領域(8)と、ドット領域と電極パッド形成領域との間に位置する平坦領域(9)と、を有し、平坦領域の幅寸法は、0.05μmよりも大きく150μmよりも小さく、電極パッド上から平坦領域上及びドット領域上にかけて封止樹脂(13)が充填されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、凸状あるいは凹状から構成される複数のドットが表面に形成されてなる微細構造層を有する半導体発光素子に関する。
半導体層を利用した半導体発光素子である例えば発光ダイオード(LED)は、従来の蛍光灯や白熱球等の旧来の発光装置に比較し、小型で電力効率が高く、オンオフ応答性が速い等の特性を有し、かつ、全て固体で構成されているため振動に強く機器寿命が長い等の多くの利点を有している。
近年ではさらにLEDの光取り出し効率を向上させることを目的として、基材の表面や素子の光出射面に凹凸を形成する試みが活発に行われている。例えば特許文献1では半導体層の表面にマイクロサイズの凹凸を設けて光の進行方向を変更することにより、光取り出し効率の向上を図っている。
特許第4874155号公報
しかし、マイクロサイズの凹凸構造があると電極を直接蒸着した際に半導体層と電極間で密着性を確保するのが難しい。このため、電極形成部には平坦領域が用いられてきた。また、電流を効率よく捕集するために、表面電極はコンタクトパッド用の電極部だけでなく、そこから伸びる細線の導入が進んでいる。
一方、半導体層表面の凹凸構造がナノレベルに小さくなるとこれまでと同様の方法では主に二点の問題が発生した。まずはドット構造の倒れである。LED素子は外部の水分や酸素の影響を排除し、劣化を抑制するために樹脂によって封止するが、ドット構造の大きさがナノサイズになることで樹脂硬化時に発生する歪み量が小さくてもその影響は無視できないものになり、結果として倒れが生じたと考えられる。特に平坦領域の端面において顕著に見られた。二点目は、バブルの噛みである。樹脂充填後のLED素子の電極とドット領域が接触もしくはオーバーラップしている部分を光学顕微鏡にて観察すると、光の散乱が異なる領域が観察され、SEMにて観察するとナノサイズのバブルが噛むことによって、ドットと金属間で他の部分とは異なる光散乱を起こしていることがわかった。こうしたバブルは素子の劣化原因や異常散乱のもとになると考えられるために、その排除が望まれる。特に細線化が進むと平坦面の形成領域は増えるために以上のような問題点の解決が大いに望まれる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、同一面内にドット領域とともに設けられた電極形成部との間に適切な間隔を設け、歩留まりを向上させた発光効率の良い半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、半導体発光素子の出光面において電極パッド形成領域とドット領域との間の距離及び形状を最適化することによって、空隙の抱き込みや変形率及び弾性率の差による凹凸形状の崩れがなく、歩留まり良く素子を作製できることを見出した。即ち本発明は、以下の通りである。
本発明は、第1半導体層、発光層、及び第2半導体層が順に積層されており、前記第2半導体層の前記発光層から発生した光の出射面側に形成された微細構造層を有する半導体発光素子であって、前記微細構造層の表面は、高さあるいは深さが1μmよりも小さい凸状あるいは凹状にて形成された複数のドットにより構成されるドット領域と、電極パッドが配置される電極パッド形成領域と、前記ドット領域と前記電極パッド形成領域との間の少なくとも一部に平坦領域と、を有し、前記ドット領域の端部側から前記電極パッド形成領域の端部側に向かう方向への前記平坦領域の幅寸法は、0.05μmよりも大きく150μmよりも小さく、前記電極パッド上から前記平坦領域上及び前記ドット領域上にかけて封止樹脂が充填されていることを特徴とする。
また本発明は、第1半導体層、発光層、及び第2半導体層が順に積層されており、前記第2半導体層の前記発光層から発生した光の出射面側に形成された微細構造層を有する半導体発光素子であって、前記微細構造層の表面は、高さあるいは深さが1μmよりも小さい凸状あるいは凹状にて形成された複数の第1ドットにより構成される第1ドット領域と、電極パッドが配置される電極パッド形成領域と、前記第1のドット領域と前記電極パッド形成領域との間に位置し、凸状あるいは凹状にて形成された複数の第2ドットにより構成される第2ドット領域と、前記第2ドット領域と前記電極パッド形成領域との間の少なくとも一部に位置する平坦領域と、を有し、前記第2ドットは、高さあるいは深さが1μmよりも小さく且つ、前記第1ドットよりも、高さ、深さ及び幅のいずれか一つが小さく形成されており、前記第2ドット領域の端部側から前記電極パッド形成領域の端部側に向かう方向への前記平坦領域の幅寸法は、0.05μmよりも大きく150μmよりも小さく、前記電極パッド上から前記平坦領域上、前記第2ドット領域上及び前記第1ドット領域上にかけて封止樹脂が充填されていることを特徴とする。
上記のように本発明では、電極パッド形成領域とドット領域(第2ドット領域)との間に、ドット領域(第2ドット領域)の端部側から電極パッド形成領域の端部側にかけて0.05μmよりも大きく150μmよりも小さい幅寸法を有する平坦領域を設けた。またドット領域を高さ(深さ)が1μmよりも小さい複数のドットにより構成した。以上により、封止樹脂が適切に充填されないことによるナノバブルの発生や、封止樹脂の体積変化に伴う凹凸構造の破壊を防ぎ、歩留まり良く発光効率の高い半導体発光素子を提供することができる。
また本発明では、前記平坦領域の幅寸法は、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。さらに、前記ドットの高さあるいは深さが100nm以上700nm以下であることが好ましい。
また本発明では、前記平坦領域に最も近い位置に設けられた前記ドットの裾部は、前記ドットの先端部側から前記裾部側に向けて徐々に幅寸法が広がるテーパ面で形成されていることが好ましい。
また本発明では、前記平坦領域側を向く前記電極パッドの側端面は、前記電極パッドの上端面から下端面に向けて徐々に幅寸法が広がるテーパ面で形成されていることが好ましい。
本発明によれば、電極パッド形成領域とドット領域(第2ドット領域)との間に、ドット領域(第2ドット領域)の端部側から電極パッド形成領域の端部側にかけて0.05μmよりも大きく150μmよりも小さい幅寸法を有する平坦領域を設けた。またドット領域を高さあるいは深さが1μmよりも小さい凸状あるいは凹状で形成された複数のドットにより構成した。以上により、封止樹脂が適切に充填されないことによるナノバブルの発生や、封止樹脂の体積変化に伴う凹凸構造の破壊を防ぎ、歩留まり良く発光効率の高い半導体発光素子を提供することができる。
図1Aは、第1の実施の形態における半導体発光素子の断面模式図であり、図1Bは、第1の実施の形態における半導体発光素子の部分平面図である。 図2Aは、第2の実施の形態における半導体発光素子の断面模式図であり、図2Bは、第2の実施の形態における半導体発光素子の部分平面図である。 図3Aは、各ドットを凹状で形成したときの半導体発光素子の部分斜視模式図であり、図3Bは、各ドットを凸状で形成したときの半導体発光素子の部分斜視模式図である。 ドットの周期性についての説明図である。 本実施の形態における半導体発光素子を拡大して示した好ましい形態としての部分拡大断面模式図である。 本発明における半導体発光素子の製造方法を説明するための部分断面模式図である。 図6の次に行われる半導体発光素子の製造方法を説明するための部分断面模式図である。 図7の次に行われる半導体発光素子の製造方法を説明するための部分断面模式図である。 モールドの斜視模式図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1Aは、実施の形態における半導体発光素子の断面模式図であり、図1Bは、実施の形態における半導体発光素子の部分平面図である。なお図1Bは、図1Aに示す封止樹脂13を除いて図示したものである。また図1Aは、図1Bに示すように設置位置が前後する電極パッド5の部分と電極パッド15の部分とが仮に横方向に並んで配置されたと仮定した際の、電極パッド5の部分から電極パッド15の部分にかけての断面を模式図的に示したものである。
図1Aに示すように、本発明の半導体発光素子14は、基材1と、基材1の表面(上面)に設けられた第1半導体層2と、第1半導体層2の表面に形成された発光層3と、発光層3の表面に形成された第2半導体層4と、第2半導体層4の発光層3から発生した光の出射面側(第2半導体層4の表面側)に形成された微細構造層6と、封止樹脂13とを有する。第1半導体層2と、発光層3と、第2半導体層4と、微細構造層6がこの順に積層されていれば、基材1を具備しなくてもよい。
図1Aに示すように、第1半導体層2と第2半導体層4との間に発光層3が介在している。第1半導体層2はn型半導体であり、第2半導体層4はp型半導体であり、微細構造層6の表面はp電極側である。
図1Aに示すように、微細構造層6の表面(上面;発光層3から離れた側の面)には、複数の凸状からなるドット10を有するドット領域7と、半導体発光素子14の電極パッド5を形成可能な電極パッド形成領域8、ドット領域7と電極パッド形成領域8との間に位置する平坦領域9とを有して構成される。平坦領域9には、電極パッドが形成されない。平坦領域9とは、ドット領域7に比べて当然のことながら表面粗さが小さい領域であるが、具体的には平坦領域9の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.1nm〜15nm程度とされる。「算術平均粗さRa」は、JIS B 0601−2001で規定される。
図1Aに示すように、電極パッド形成領域8も平坦面で形成されており、電極パッド形成領域8から平坦領域9にかけて連続した平坦面となっている。なお電極パッド形成領域8は平坦面であることに限定されるものでないが、通常、電極パッド形成領域8を平坦面で形成することが製造工程を簡単にでき、且つ、電極パッド5と電極パッド形成領域8との間の接合強度を強めることができる。
また、電極パッド形成領域8と平坦領域9とが連続して形成されることは必須ではなく、例えば電極パッド形成領域8と平坦領域9との間に段差があり、電極パッド形成領域8と平坦領域9とが不連続な面として存在していてもよい。また、平坦領域9とは、上記した例えば表面粗さで規制される面であり、XY平面に平行な面でなくてもよく、例えば傾斜した面であってもよい。
図1Aに示すように、出光面である微細構造層6の電極パッド形成領域(p面)8に電極パッド5が設けられている。電極パッド形成領域8と平坦領域9とを足した面積は、出光の妨げにならない面積にて形成される。電極パッド形成領域8の面積としては、電極パッド成膜面として使用することができればよく、10μm以上が好ましいが、ワイヤボンディングにある程度の大きさが必要なため100μm以上がより好ましく、400μm以上が最も好ましい。また、平坦領域9の面積は、2μm以上100000μm以下であることが好ましい。
電極パッド形成領域8と平坦領域9との合計の面積の上限は100000μm程度である。また、電極パッド5は第2半導体層4の大きさよりも小さければよく、出光の妨げにならないような大きさにすることが好ましい。
平坦面とドット領域とでは変形率及び弾性率が異なり、封止樹脂13の収縮によるストレスがかかった場合にドット領域の最も平坦面(平坦領域9)に近い端部に応力がかかり、ドットの破壊に繋がる。平坦面の面積が大きいほど支点となるドット領域7の端部からの距離が長くなることになり、応力がかかりやすくなる。よって、ドット領域7の端部から電極パッド5の端部までの距離、つまり平坦領域9(電極パッド5が存在しない平坦面)の幅寸法は150μmよりも小さく、100μm以下が好ましく、75μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましく、5μm以下がよりドット構造の倒れを防ぐためには最も好ましい。
一方で、ドット領域7と電極パッド5が近い場合、ドット領域7と電極パッド5との間に封止樹脂13が適切に充填されず、充填されない部分は空隙として残され、ナノバブルが発生してしまう。よってドット領域7の端部から電極パッド5の端部までの距離、つまり平坦領域9(電極パッド5が存在しない平坦面)の幅寸法は0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、5μm以上がナノバブルの滞留を防ぐためにはさらに好ましい。
また平坦領域9は、ドット領域7と電極パッド5の間の全領域でなく一部に形成される構成としてもよい。なお後述する第2の実施の形態においても同様である。
図1A、図1Bに示すように、発光層3、第2半導体層4及び微細構造層6の平面は、基材1よりも小さく形成され、基材1の表面に形成された第1半導体層2の一部が露出している。その露出した第1半導体層2の表面に電極パッド15が配置されている。電極パッド形成領域8に設けられた電極パッド5はアノード電極であり、電極パッド15はカソード電極である。
図1Aでは、微細構造層6が第2半導体層4と別の層として示されているが、例えば、微細構造層6の表面に形成されたドット部分を除いて、第2半導体層4と一体で形成されていてもよい。ドット部分については、第2半導体層4と別の材料で形成することができる。
図2Aは、第2の実施の形態における半導体発光素子の断面模式図であり、図2Bは、第2の実施の形態における半導体発光素子の部分平面図である。なお図1と同じ符号は図1と同じ層を示しているので説明を割愛する。また図2Bは、図2Aに示す封止樹脂13を除いて図示したものである。また図2Aは、図2Bに示すように設置位置が前後する電極パッド5の部分と電極パッド15の部分とが仮に横方向に並んで配置されたと仮定した際の、電極パッド5の部分から電極パッド15の部分にかけての断面を模式図的に示したものである。
図2Aに示すように、微細構造層6の表面には複数の凸状の第1ドット10を有する第1ドット領域7と、発光素子の電極パッド5が配置される電極パッド形成領域8と、複数の凸状の第2ドット11を有する第2ドット領域12と、電極パッド形成領域8と第2ドット領域12との間に位置する平坦領域9とが形成されている。
図2Aに示すように第1ドット領域7は、微細構造層6の全面に形成されておらず、微細構造層6の一部に形成されている。本実施の形態では、出光面に形成した凹凸により発光した光を回折させることで、反射する光(デバイス内に閉じ込められる光)の量を低減することができ、結果として、発光効率の高いLED等の発光素子を製造することが可能である。
第2ドット領域12には複数の第2ドット11が形成されている。第2ドット11の形状や周期は、第1ドット領域7の第1ドット10と同じでもよく、異なってもよい。第2ドット11の平均高さ(凸状の場合)、平均深さ(凹状の場合)及び平均幅の少なくともいずれか一つが第1ドット領域7に設けられた第1ドット10より小さいことが好ましい。ここで「平均高さ」や「平均深さ」とは少なくとも10個以上の隣り合った複数の凸状ドットの高さ又は凹状ドットの深さについて平均値を算出した値を示す。また幅とは、ドットが略円形状であれば直径を指し、ドットが楕円形状であれば長径を指す。また多角形状であれば長辺の長さを指す。
本実施の形態に係る半導体発光素子の第1ドット領域7と平坦領域9との間に設けられた第2ドット領域12は、第1ドット領域7よりも光の散乱効果や回折効果が小さい領域である。具体的には第2ドット領域12を構成する第2ドット11は、第1ドット領域7を構成する第1ドット10よりも、高さ、深さ及び幅のいずれか一つが小さく調整されている。
これにより、第2ドット領域12を第1ドット領域7に比べて光の回折効果や散乱効果を小さくでき、電極パッド形成領域8及び平坦領域9を有する平坦面の端部を明確に視認することが可能となり、平坦面のサイズや形状を検査することが容易になる。
図3Aは、各ドットを凹状で形成したときの半導体発光素子の部分斜視模式図であり、図3Bは、各ドットを凸状で形成したときの半導体発光素子の部分斜視模式図である。
図3Aに示すように、ドット領域7には各層の積層方向に対して直交する面方向に平行な主面7aから凹状のドット10が積層方向に向けて凹形成されている。また図3Bに示すように、ドット領域7には各層の積層方向に対して直交する面方向に平行な主面7aから凸状のドット10が積層方向に向けて凸形成されている。
微細構造層6に設けられたドット10の配列は周期性があってもよいし、なくてもよいが、光取出し効率向上の観点から周期性があることがより好ましい。
図3Aに示す凹形状からなるドット10の深さ、及び、図3Bに示す凸形状からなるドット10の高さは、1μmよりも小さい。また各ドット10の高さ又は各ドット10の深さの下限値は、光取出し効率向上の観点から、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、200nm以上がさらに好ましく、300nm以上が最も好ましい。また各ドット10の高さ又は各ドット10の深さの上限値は、800nm以下が好ましく、700nm以下がより好ましく、400nm以下がさらに好ましい。
図4は、ドットの周期性についての説明図である。例えば図4Aに示すように、各第1ドット10が一定のピッチPで形成されていてもよいし、図4Bに示すように、複数のドット10を組み合わせたドット群20が一定の周期性を持つように、各第1ドット10が配列されていてもよい。例えば、各第1ドット10が正六方配列、六方配列、準六方配列、準四方配列、四方配列、及び正四方配列などで配列されていてもよい。また、全てのドットに周期性がなくてもよく、一部のドットに周期性があるように配列され、残りのドットがランダムに配列されていてもよい。このとき、ドットの倒壊を防ぐ観点から、図4Cに示すようなドット配列の場合、パターンの面内配置はパターン端において密度が高くなるような配置(図4Cに示す「OK」と記載された配置がパターン端となるパターン)にすることが好ましい。
またドット間(最も近いドット同士の間)の距離(ピッチ)Pの下限値は、光取出し効率の観点や、製造工程でのモールドとの密着性及び剥離性の観点から、50nm以上であることが好ましく、100nm以上がより好ましく、150nm以上がさらに好ましい。またピッチPの上限値は、3000nm以下が好ましく、2000nm以下がより好ましく、1000nm以下がさらに好ましい。図3Aに示すように、ピッチPとは、最も近いドット同士の頂点又は中心間の距離を示す。
各ドット10は凸状でも凹状でもよく、ドットの形状は使用するモールドの設計による。凸状ドット及び凹状ドットの形状は、本発明の効果が得られる範囲であれば特に限定されず、用途に応じて適宜変更可能である。凸状ドット及び凹状ドットの形状としては、例えば、ピラー形状、ホール形状、円錐形状、角錐形状及び楕円錘形状、円錐台形状等を用いることができる。
微細構造層6及び各ドットの最適な形状やサイズについては、使用する材質の屈折率、エッチング耐性、光取出し効率向上性等の光学特性、物理特性等により種々選択できる。
図1、図2に示した半導体発光素子では、いずれも、ドット領域に形成されたドットの高さ(ドットが凸状のとき)、あるいは深さ(ドットが凹形状のとき)が1μmよりも小さい。なお図2では、第1ドット及び第2ドットの双方が、1μmよりも小さく形成されている。
さらに、電極パッド5が形成されない平坦領域9の幅寸法が0.05μmよりも大きく150μmよりも小さく形成されている。
そして図1では、電極パッド5上から平坦領域9上及びドット領域7上にかけて封止樹脂13が充填されている。また図2では、電極パッド5上から平坦領域9上、第2ドット領域12上及び第1ドット領域7上にかけて封止樹脂13が充填されている。
このようにドット高さ(深さ)を規制し、且つ、ドット領域(第2ドット領域)と電極パッド形成領域との間に、電極パッドが形成されない平坦領域9を設けるとともに平坦領域9の幅寸法を所定範囲内に規制することで、封止樹脂13が適切に充填されないことによるナノバブルの発生や、封止樹脂13の体積変化に伴う凹凸構造の破壊を防ぎ、歩留まり良く発光効率の高い半導体発光素子を提供することができる。なお、上記数値範囲に規制された形態は後述する実験での実施例がすべて含まれる。
図5は、本実施の形態における半導体発光素子を拡大して示した好ましい形態としての部分拡大断面模式図である。
図5に示すように、平坦領域9の幅寸法T1は、ドット領域7と電極パッド5との間に位置する平坦面の間隔を意味する。平坦領域9であるか否かは、上記で記載したように、表面粗さにより規定することができる。したがって表面粗さに基づいて平坦領域9を規定して幅寸法T1を測定することができる。また、図5では、平坦領域9とドット領域7及び電極パッド5とが接している。したがって図5では、平坦領域9の幅寸法T1を、ドット領域7の最も平坦領域9に近い側に位置するドット10の平坦領域9側に向く最下部と、電極パッド5の平坦領域9側に向く最下部との間の距離で測定することもできる。このとき、特にドット10の最下部を認識不能あるいは認識することが困難なことがある。その場合は、平坦領域9の平均粗さを算術平均粗さRaにより求めた際の粗さ曲面から導かれる平均線と、ドット10の平坦領域9側を向く側面とが接する部分を、平坦領域9の一方の端部と規定することができる。ドット10の側面を認識不能あるいは認識することが困難な場合は、後述する裾部10bに引いた接線と、上記の平均線とが交わる位置を、平坦領域9の一方の端部と規定することができる。電極パッド5側についても同様に平坦領域9の他方の端部を導くことができる。
図5に示すように、ドット領域7に形成されたドットのうち、最も平坦領域9に近い位置に形成されたドット10aの裾部10bは、ドット10aの先端部10cから裾部10b側に向けて徐々に幅寸法が広がるテーパ面で形成されていることが好ましい。また、裾部10bは先端部10c付近に比べて緩やかなテーパ面であることが好ましい。またドット10aよりも平坦領域9から離れた内側に位置するドット10dの裾部10eよりも、平坦領域9に近い位置に形成されたドット10aの裾部10bは緩やかな平坦面であることが好ましい。
これにより、平坦領域9からドット領域7にかけて適切に封止樹脂13を充填することができ、一旦生成すると除去及び消滅しにくいナノバブルの発生を抑制できる。
また、図5に示すように、平坦領域9に向く電極パッド5の側端面5aも、電極パッド5の上端面5b側から下端面5c側に向けて徐々に幅寸法が広がるテーパ面で形成されていることが好ましい。側端面5aのテーパ面は、上端面5b側よりも下端面5c側のほうが緩やかに傾斜していることが好ましい。
これにより、平坦領域9から電極パッド5上にかけて適切に封止樹脂13を充填することができ、一旦生成すると除去及び消滅しにくいナノバブルの発生を抑制できる。
ドット10aの裾部10bのテーパ角度θ、及び、電極パッド5の側端面5aのテーパ角度θは、いずれも45°〜90°程度であることが好ましい。ここでテーパ角度は、テーパ面が直線状の傾斜でなく図のように湾曲等している場合には、図5の断面において裾部10bの中心位置から接線を引き、その接線と平面方向の直線との間の角度で設定される。なお裾部10bは、ドット10aの下方位置において曲率が上方位置に対して変化している領域、あるいは、ドット10aの高さ寸法に対し半分の高さの下方位置にて設定される。また、電極パッド5の場合は、図5の断面において高さ寸法に対し半分の高さの下方位置における側端面5aの中心位置から接線を引き、その接線と平面方向の直線との間の角度で設定される。「中心位置」とは、正確な中心位置のみならず、正確な中心位置から上下に数nm〜数十nm程度の許容範囲を有する。
次に、本実施の形態に係る半導体発光素子を構成する各部材の材質について説明する。本実施の形態に係る半導体発光素子において、適用される基材1の材質は、半導体発光素子用基材として使用できるものであれば特に制限はない。例えば、サファイア、SiC、SiN、GaN、AlN、シリコン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン亜鉛鉄、酸化マグネシウムアルミニウム、ホウ化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化リチウムガリウム、酸化リチウムアルミニウム、酸化ネオジウムガリウム、酸化ランタンストロンチウムアルミニウムタンタル、酸化ストロンチウムチタン、酸化チタン、ハフニウム、タングステン、モリブデン、GaP、GaAs等の半導体発光素子用基材を用いることができる。なかでも半導体層との格子マッチングの観点から、サファイア、GaN、AlN、GaP、GaAs、SiC半導体発光素子用基材等を適用することが好ましい。さらに、単体で用いてもよく、これらを用いた半導体発光素子用基材本体上に別の半導体発光素子用基材を設けたヘテロ構造の半導体発光素子用基材としてもよい。
本実施の形態に係る半導体発光素子においては、n型半導体層の材質は、半導体発光素子に適したn型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。
また、本実施の形態に係る半導体発光素子においては、p型半導体層の材質は、半導体発光素子に適したp型半導体層として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、及び、III−V族、II−VI族、VI−VI族等の化合物半導体に適宜、種々の元素をドープしたものを適用できる。
例えば、図1における第1半導体層2は、n型半導体層であり、第2半導体層4は、p型半導体層である。
また、n型半導体層及びp型半導体層には、適宜、図示しないn型クラッド層及びp型クラッド層を設けることができる。
発光層3としては、半導体発光素子として発光特性を有するものであれば、特に限定されない。例えば、発光層3として、InGaAsP、GaP、AlGaAs、InGaN、GaN、AlGaN、ZnSe、AlGaInP、ZnO等の半導体層を適用できる。また、発光層3には、適宜、特性に応じて種々の元素をドープしてもよい。
これらの積層半導体層(n型半導体層、発光層、及びp型半導体層)は、半導体発光素子用基材の表面に公知の技術により成膜できる。例えば、成膜方法としては、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)等が適用できる。
電極パッド5、15の材質は、例えばNi、Pd、Co、Fe、Ti、Cu、Rh、Cr、Au、Ru、W、Zr、Mo、Ta、Pt、Ag及びこれらの酸化物、窒化物から選択した少なくとも1種を含む合金又は多層膜を用いることができる。半導体層との接触面側では半導体層との密着性の高い材料が好ましく、また、最表層はボンディングボールやワイヤとの密着性が高い材料が好ましい。
微細構造層6は第2半導体層4そのものであってもよく、第2半導体層4の上に積層した異なる材料からなる賦形層を別途設けてもよい。賦形層を設ける場合、賦形層としては例えば透明導電膜、絶縁膜及びこれらの積層体などを用いることができる。光取り出し効率向上の観点から、賦形層は透明であることが好ましく、賦形層の屈折率は発光波長において発光層3及び第2半導体層4との差が小さいことが好ましい。
微細構造層6として透明導電膜を賦形層として設けた場合、透明導電膜の材質は、半導体発光素子に適した透明導電膜として使用できるものであれば、特に制限はない。例えば、Ni/Au電極等の金属薄膜や、ITO、AZO、GZO、FTO、NTO、ATO、TTO、ZnO、In、SnO、IZO、IGZO等の導電性酸化物膜等を適用できる。特に、透明性、導電性の観点からITOが好ましい。
次に、本実施の形態に係る半導体発光素子の製造方法について説明する。前記したように、半導体発光素子用基材の主面側に、n型半導体層、発光層、p型半導体層を形成する。本実施の形態の半導体発光素子の製造方法においては、半導体発光素子用基材上に、半導体層を設ける工程が含まれていればよく、得られる半導体発光素子中に、半導体発光素子用基材が含まれている必要はない。具体的には、半導体発光素子用基材上に半導体層を設けた後、半導体発光素子用基材を除去する方法が挙げられる。得られた半導体発光素子の最表面に、微細構造層6を形成する。
微細構造層6を形成する工程としては、フォトリソグラフィ、熱リソグラフィ及びナノインプリント等、一般的に知られている微細パターン形成手法を挙げることができる。本実施の形態においては、ナノサイズのパターン形成が安価かつ容易という観点からナノインプリントを用いているが、これに限定されるものではない。
図6は、本発明における半導体発光素子の製造方法を説明するための部分断面模式図であり、図7は、図6の次に行われる半導体発光素子の製造方法を説明するための部分断面模式図であり、図8は、図7の次に行われる半導体発光素子の製造方法を説明するための部分断面模式図である。特に図6ないし図8において微細構造層の表面に形成されるドット構造の形成方法について説明する。
図6Aに示すように、モールド25のドットが形成された表面側にマスク層28を構成する第1マスク層26及び第2マスク層27を順に充填する。基材1の表面に第1半導体層2、発光層3、第2半導体層4が積層された半導体発光素子14の出光側表面が第2マスク層27に接触するように、モールド25ごと半導体層表面に押圧し、モールド25、マスク層28、及び半導体発光素子14が順に積層された積層体を得る。なお、図6Aに示す半導体発光素子14の最表面は例えば第2半導体層4である。半導体発光素子14は第2半導体層4の発光層3と接しない面側に透明導電膜を備えてもよく、さらに透明導電膜に実質的に同等の屈折率を有する膜を形成してもよい。この場合、マスク層28と接するのは透明導電膜、又は透明導電膜に実質的に同等の屈折率を有する膜である。
次に、図6Bに示すように、積層体に対し、パターニング用露光マスク29を通して紫外線を照射し、モールド25を積層体から剥がす(図7A参照)。そして図7Bに示すように、非露光部131を現像により除去する。これにより半導体層の表面の一部にマスク層28からなるドットが転写され、それ以外の部分では半導体層の表面が露出した状態になる。なお図6ないし図8では、ネガ型のフォトリソグラフィを例に説明しているが、ポジ型のフォトリソグラフィを行ってもよい。ポジ型の場合には、露光部が現像除去され、非露光部にマスク層28からなるドットが転写される。
次いで図8Aに示すように、第1マスク層26をマスクとして第2マスク層27をドライエッチングする(以下、微細パターンマスク層の形成工程と呼ぶ)。これにより、半導体層上に、第1マスク層26及び第2マスク層27で構成されたマスク層133を有するエッチング被加工材を作製する。このエッチング被加工材を、マスク層133としてドライエッチングすることにより、図8Bに示すように、半導体層表面に凹凸からなるドット領域7、電極パッド形成領域8及び平坦領域9を同一面内に併設する微細構造層を形成することができる。
以下、微細構造層の表面形状に関係する部材や工程についてさらに詳細に説明する。モールド25の凹凸にマスク層28を充填する方法としては、スピンコート、バーコート、ディップ、スプレー塗布などがある。面内均一性、モールドの凹凸への充填の観点から、ダイコート及びバーコートを用いることが好ましい。
モールド25の形状は、表面にドットの反転形状を含む微細構造が形成されていれば特に限定されないが、平板状、フィルム状又はロール状であることが好ましく、特に平板状又はフィルム状であることが好ましい。モールド25は、図9Aに示すように、表面に微細構造が設けられている。また、モールド25としては、図9Bに示すように、支持基板121上に設けられていても良い。
モールド25の材料としては、例えば、シリコン、石英、ニッケル、クロム、サファイア、SiC等の無機材料や、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等の有機材料が挙げられる。また、支持基板121としては、ガラス、石英、シリコン、SUS等の剛性基板、スポンジ、ゴム(シリコーンゴム)等の弾性材料で構成された弾性基板、PETフィルム、TACフィルム、COPフィルム等の樹脂フィルム等が挙げられる。
図9Aに示すように、支持基板121を具備しないモールド25としては、シリコン、石英、ニッケル、クロム、サファイア、SiC等の無機材料で構成される硬質な平板状モールドや、軟質なPDMS、COP、ポリイミド、ポリエチレン、PET、フッ素樹脂等で構成されるフィルム状モールドが挙げられる。硬質な平板状のモールド25を使用することで、モールド25の面精度を高く保つことができる。ここで面精度とは、モールド25の微細構造の頂部位置と微細構造と反対側の面との間の平行度を意味する。
一方、軟質なモールド25を使用することにより、モールド25を含む微細パターン形成用の積層体を半導体層表面に貼合する際の大きな気泡の巻き込みや、微細構造の内部へのミクロな気泡の巻き込みなどを抑制することができる。さらに、半導体層の表面の凹凸を吸収することができ、転写精度が向上するため、軟質なモールド25が好ましい。
図6A等に示すように、マスク層28は、第1マスク層26及び第2マスク層27で構成されている。なお、マスク層は、図6A等に示す構成に限定されず、単一の層で構成されていても良く、3層以上の層で構成されていても良い。
マスク層を構成する材料については、後述するエッチング選択比を満たせば特に限定されず、溶剤に希釈可能な種々の樹脂、無機前駆体、無機縮合体、メッキ液(クロムメッキ液など)、金属酸化物フィラー、金属酸化物微粒子、HSQ、SOG(スピンオングラス)などを適宜選択することができる。露光・現像工程によってドット領域と平坦面(電極パッド形成領域と平坦領域)を同一面内に有する微細パターンマスクを形成できるという点から、マスク層の材料は感光性樹脂材を含むことが好ましい。
微細パターンマスク形成工程における形状精度の観点からマスク層は2層以上の多層膜であることが好ましく、図6A等に示すように、第1マスク層26と第2マスク層27を設けた場合、以下の材料を用いることが好ましい。
第1マスク層26を構成する材料(第1マスク材料)については、後述するエッチング選択比を満たせば特に限定されず、上述のマスク層材料から適宜選択することができる。
第1マスク層26は、微細パターンマスク形成工程における耐ドライエッチング性の観点から、金属元素を含むことが好ましい。さらに、第1マスク層26は、金属酸化物微粒子を含むことにより、無機材料で構成された半導体層をドライエッチングする際の加工が、より容易になるため好ましい。
微細パターンマスク形成工程に用いられるドライエッチングについて、第1マスク層26のエッチングレート(Vm1)と、後述する第2マスク層27のエッチングレート(Vo1)から算出されるエッチング選択比(Vo1/Vm1)が、10≦Vo1/Vm1を満たす樹脂を含有することが好ましい。第1マスク層26と第2マスク層27のエッチング選択比(Vo1/Vm1)がVo1/Vm1>1を満たすとき、これは、第1マスク層26が第2マスク層27よりもエッチングされにくいことを意味する。特に、Vo1/Vm1≧10を満たすことで、厚みのある第2マスク層27をドライエッチングにより容易に加工でき、ドライエッチング微細加工されたアスペクト比の高い微細凹凸構造を有するマスク層(第1マスク層26及び第2マスク層27からなる微細パターン)を半導体層上に形成できるため好ましい。
なお、微細パターンに対するドライエッチングレートは、微細パターンに大きく影響するため、これらのエッチング選択比は、各種材料のフラット膜(ベタ膜)に対し測定される値である。
第2マスク層27を構成する材料は、上記した微細パターンマスク形成工程におけるエッチングレート比(エッチング選択比)を満たせば、特に限定されないが、感光性樹脂材を用いることが好ましい。
また、モールド、第1マスク層26及び第2マスク層27が積層された構造体を使用し、半導体層へ貼合する際のハンドリングの観点から、第2マスク層27は、ドライフィルムレジストに代表される熱圧着可能な樹脂であると好ましい。ここで、ドライフィルムレジストとは、少なくともバインダーポリマー、反応性希釈材及び重合開始材を含む有機材であり、熱圧着が可能な樹脂を意味する。ドライフィルムレジストとしては、第1マスク層との接着性の観点から、感光性樹脂を含むドライフィルムレジストであるとより好ましい。
図6Bに示すように、積層体のモールド側に、露光マスク29を配置する。露光マスク29をモールド25に接触させてもよいし、露光マスク29をモールド25からやや離した状態で配置してもよい。
図6Bに示すように、露光マスク29には露光領域29aと非露光領域29bとが設けられている。図6Bに示すように、露光領域29aは、露光マスク29の一部分だけに形成されており、露光領域29aは、モールド25に形成されたドットの形成領域よりも狭い領域となっている。
露光マスク29の露光領域29aあるいは非露光領域29bの形状は、円形、正方形、長方形、台形、ラインアンドスペース等、任意の形状を用いることができる。それらの形状は抜きパターン(その形状の内部の感光性樹脂材が溶解する)であっても、残しパターン(その形状の外部の感光性樹脂材が溶解する)であってもよい。
露光は、縮小投影法、コンタクト露光、プロキシミティ露光のいずれの方法でもよい。パターニングの精度の観点から縮小投影法が好ましく、スループットの観点からはコンタクト露光又はプロキシミティ露光が好ましい。
積層体のモールド表面には微細なドットパターンが存在するため、モールド25と第1マスク層26及び第2マスク層27の屈折率の違いにより光が散乱することがある。そのような場合はパターニングの精度の観点から、縮小投影法又はコンタクト露光が好ましい。
露光量としては、マスク層中に添加する光活性物質の添加量により最適値を変化させることが可能であり、プロセスのスループットの観点とプロセスの再現性の観点から最適化するとよく、50〜1000mJが好ましい。
露光後に、積層体を加熱することが好ましい。加熱により、露光により発生した活性物質が、より活性化し、露光部132と非露光部131のコントラストを強くすることができる。加熱の温度としては、活性物質の活性化の観点から最適化するとよく、80〜150℃が好ましい。
加熱時間としては、加熱温度にもよるが、プロセスの安定性とスループットの観点から最適化するとよく、10秒〜10分の間が好ましい。
続いて、積層体からモールド25を剥離する。剥離工程において、剥離する方向は貼り付け時の方向と同じであっても、異なっていてもよい。剥離する速さとしては、スループットの観点から最適化するとよく、毎秒2.0cm以上が好ましい。積層体からモールド25を剥離した状態を図7Aに示す。
図7Aに示すように、半導体発光素子14の主面14a全体にマスク層28が形成されており、半導体層の表面全体が、微細なドットパターンとなっている。図7Aに示すマスク層28は、露光部132と非露光部131とに分かれている。
続いて図7Bの工程では、マスク層のうち非露光部131を現像により除去する。これにより半導体発光素子14の主面14aの一部にドット領域が残され、それ以外の部分では半導体層が露出した状態になる。
現像方法としては、ディップ、ディスペンススピン、スプレー、シャワーなどが挙げられる。現像液としては有機溶剤、アルカリ性水溶液、酸性水溶液が挙げられる。半導体層へのダメージの観点から、有機溶剤、又はアルカリ性水溶液が好ましい。また、環境調和及び安全性の観点からアルカリ水溶液がより好ましい。
現像液として用いる有機溶剤としては、マスク層中に添加できる有機溶剤であればよいが、沸点や引火点の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、ガンマブチロラクトン等が挙げられる。
現像液で非露光部131を洗浄したのちに、低沸点の有機溶剤でリンスしてもよい。例えば、アセトンやエタノール、メタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
アルカリ性水溶液として適した例としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土塁金属の炭酸塩の水溶液、アルカリ金属の水酸化物の水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム水溶液等の水酸化アンモニウム類、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン類を挙げることができる。特に、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化アンモニウム類、ジエチルアミン、ジエタノールアミン等のアミン類を0.05〜10質量%含有する弱アルカリ性水溶液を用いて、現像するのがよい。
アルカリ性水溶液で現像した場合は、リンス液として純水を用いることが好ましい。現像及びリンスは20℃以上、35℃以下の温度で行うことが好ましい。
現像及び/又はリンス後に加熱してもよい。加熱により、ドット内に浸透した現像液、リンス液を除去することができる。さらに加えて、マスク層をより硬化させることもできる。
非露光部131の部分には現像後、半導体層が露出するが、残渣などでマスク層の成分の一部又はすべてが残っていたとしても、後述する微細パターンマスク形成工程のエッチングにより除去することも可能である。
図8Aに微細パターンマスク層133が表面に形成された半導体発光素子を示す。微細パターンマスク層133の形成工程とは、第1マスク層26をマスクとして、半導体層がエッチングされずに第2マスク層27のみがエッチングされる条件でエッチングを行うことにより図8Aに示す第2マスク層27及び第1マスク層26で構成されるマスク層(微細パターンマスク層133)を半導体層の表面に形成する工程である。
図8Aに示すように、微細パターンマスク層133は、半導体発光素子14の主面14aに、第1マスク層26及び第2マスク層27の材質からなる複数のドットとして残される。
微細パターンマスク層133の形成工程は形状制御の観点から行うことが好ましいが、前述の現像工程で得られたマスク層28に対して直接、後述の半導体ドライエッチング工程を行ってもよい。
微細パターンマスク層133の形成工程におけるエッチングとしては、ウェットエッチングやドライエッチングのような一般的に知られているエッチング方法を用いることができる。このエッチング条件は材料により種々設計できるが、例えばドライエッチングを用いる場合は、次のようなエッチング条件が挙げられる。第2マスク層27を化学反応的にエッチングする観点から、Oガス及びHガスを選択することができる。イオン入射成分の増加による縦方向(鉛直方向)のエッチングレート向上という観点から、Arガス及びXeガスを選択することができる。エッチングに用いるガスは、Oガス、Hガス、及びArガスの少なくとも1種を含む混合ガスを使用する。特に、Oのみを使用することが好ましい。
エッチング時の圧力は、反応性エッチングに寄与するイオン入射エネルギーを高め、エッチング異方性をより向上させることができるため、0.1〜5Paであることが好ましく、0.1〜1Paであると、より好ましい。
また、Oガス又はHガスとArガス又はXeガスとの混合ガス比率は、化学反応性のエッチング成分とイオン入射成分とが適量であるときに異方性が向上する。このため、ガスの層流量を100sccmとした場合、ガス流量の比率は99sccm:1sccm〜50sccm:50sccmが好ましく、95sccm:5sccm〜60sccm:40sccmがより好ましく、90sccm:10sccm〜70sccm:30sccmがなお好ましい。ガスの総流量が変化した場合、上記の流量の比率に準じた混合ガスとなる。
プラズマエッチングとしては、容量結合型RIE、誘導結合型RIE、誘導結合型RIE、又はイオン引き込みバイアスを用いるRIEを用いることができる。例えば、Oガスのみ、又はOガスとArを流用の比率90sccm:10sccm〜70sccm:30sccmの間で混合したガスを用い、処理圧力を0.1〜1Paの範囲に設定し、かつ容量結合型RIE、又は、イオン引き込み電圧を用いるRIEを用いる。エッチングに用いる混合ガスの総流量が変化した場合、上記の流量の比率に準じた混合ガスとなる。
第1マスク層中に含まれる蒸気圧の低い成分(例えば、Ti、Zr、Ta、Zn、Si等を金属元素として有するゾルゲル材料や、メタロキサン結合部位)が、第2マスク層をエッチングする際に、第1マスク層の側壁を保護する役割を果たし、その結果、厚みのある第2マスク層を容易にエッチングできる。
マスク層28もしくは微細パターンマスク層133をマスクとして、半導体層がエッチングされる条件によりドライエッチングを行うことにより、半導体層の表面にドットからなるドット領域7、電極パッド形成領域8、及び平坦領域9を形成する(半導体層のドライエッチング工程)。電極パッド形成領域8と平坦領域9は連続した平坦面である。
このときエッチングされる層は第1半導体層の上に別途形成した透明導電膜でもよく、さらに透明導電膜の上に形成した実質的に同等の屈折率を有する膜であってもよい。
半導体層をエッチングするという観点から、塩素系ガスやフロン系ガスを用いたエッチングを行うことができる。塩素系ガスに、酸素ガス、アルゴンガス、又は酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを添加してもよい。半導体層を反応性エッチングすることが容易なフロン系ガス(CxHzFy:x=1〜4、y=1〜8、z=0〜3の範囲の整数)のうち、少なくとも1種を含む混合ガスを使用する。フロン系ガスとしては例えば、CF、CHF、C、C、C、C、CH、CHF等が挙げられる。さらに、半導体層のエッチングレートを向上させるため、フロン系ガスにArガス、Oガス、及びXeガスを、ガス流量全体の50%以下混合したガスを使用する。フロン系ガスでは反応性エッチングすることが難しい半導体層(難エッチング基材)や堆積性の高い反応物が発生してしまう半導体層をエッチングする場合は、反応性エッチングすることが可能な塩素系ガスのうち少なくとも1種を含む混合ガスを使用する。塩素系ガスとしては、例えば、Cl、BCl、CCl、PCl、SiCl、HCl、CCl、CClF等が挙げられる。さらに難エッチング半導体層のエッチングレートを向上させるため、塩素系ガスに酸素ガス、アルゴンガス、又は酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを添加してもよい。
エッチング時の圧力は反応性エッチングに寄与するイオン入射エネルギーが大きくなり、半導体層のエッチングレートが向上するため、0.1Pa〜20Paであることが好ましく、0.1Pa〜10Paであることがより好ましい。
また、フロン系ガス(CxHzFy:x=1〜4、y=1〜8、z=0〜3の範囲の整数)のCとFの比率(y/x)の異なるフロン系ガス2種を混合し、半導体層のエッチング側壁を保護するフロロカーボン膜の堆積量を増減させることで、半導体層に作製される微細パターンの傾斜面形状の角度を作り分けることができる。半導体層に対するマスクの形状を、ドライエッチングにより、より精密に制御する場合、F/C≧3のフロンガスと、F/C<3のフロンガスの流量の比率を、95sccm:5sccm〜60sccm:40sccmとすることが好ましく、70sccm:30sccm〜60sccm:40sccmであると、より好ましい。ガスの総流量が変化した場合においても、上記の流量の比率は変わらない。
以上により図8Bに示すように半導体発光素子14の表面に複数のドット10から構成されるドット領域7と、電極パッド形成面8及び平坦領域9と形成することができる。
なお、半導体層のドライエッチングを行った後において半導体層上にマスク層が残っている場合は、マスク層を除去する工程を含んでもよい。半導体層の表面からマスク層を除去する方法としては、ドライエッチングでマスク層を選択的にエッチングする方法やウェットエッチングで半導体層の表面を溶かし、マスク層を剥離する方法、有機溶剤、アルカリ性水溶液、酸性水溶液などに浸しマスク層を膨潤もしくは溶解させて剥離する方法、酸化剤などでマスク層を分解して除去する方法などが挙げられる。半導体層がダメージを受けない手法が好ましい。
上記では微細パターンマスク層133を形成する手法の一例を詳しく述べたが、上記の形成方法に限定されない。微細パターンマスク層133がドット領域と平坦面(電極パッド形成面及び平坦領域)を有しているため、半導体層を一度ドライエッチングするだけで、半導体層のドット領域と平坦面を同時に形成することができる。
また、上記で示した方法を用いれば、図2に示す半導体層の第1ドット領域7と第2ドット領域12と電極パッド形成領域8と電極パッドが形成されない平坦領域9とを適切に形成することができるため、半導体発光素子の光取り出し効率向上と製造工程の容易化を両立することが可能である。
なお上記では図6ないし図8の工程を得ることで、半導体発光素子14を製造できると説明したが、実際には、図6ないし図8の工程を得ることで、多数の半導体発光素子14が一体的に連なった半導体積層基板が形成される。このため、半導体積層基板に対しフォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィを行って半導体発光素子区画をパターニングする。レジストで覆われていない部分の積層半導体層を、塩素系ドライエッチング法で第1半導体層までエッチングした後、レジストを除去する。再度、フォトレジストを成膜し、フォトリソグラフィを行って電極パッド15を配置するための電極パッド形成領域をパターニングする。次に、真空蒸着法で電極パッド材料の金属(Cr、Ti、Au等)を全面に成膜する。その後、レジストマスクとレジスト上に成膜された電極パッド材料をリフトオフ法により除去して、p電極パッドとn電極パッドが形成された半導体発光素子14が得られる。上記のリフトオフ法を用いることで、図5で示したように電極パッド5の側端面5aをテーパ面とすることができる。
次に、半導体発光素子14を個々にチップ化する工程が行われる。ダイヤモンド刃やレーザーを用いて、素子区画に沿ってスクライビングを行い、スクライブラインを起点として、素子区画ごとに裁断することで半導体発光素子14が作成される。得られた半導体発光素子14はチップボンディング、ワイヤボンディングを経て、LEDパッケージの製造に好適に用いることができる。
封止の際は液体状態の封止樹脂を半導体発光素子14の表面にポッティングし、その後に硬化させる。封止樹脂は単一層から形成することもできるが、複数層(例えば、第1封止樹脂と第2封止樹脂の2層)から構成することもできる。封止樹脂13の材料としては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂又はこれらを1つ以上含む樹脂を用いることができる。また、封止樹脂13には、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、アルミナ、窒化アルミニウムなどの光散乱粒子を分散させてもよい。
以下、実施例に従って本発明の方法を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(半導体層の形成)
サファイア半導体発光素子用基材上に、MOCVDにより、(1)GaN低温バッファ層、(2)n型GaN層、(3)n型AlGaNクラッド層、(4)InGaN発光層(MQW)、(5)p型AlGaNクラッド層、(6)p型GaN層を連続的に積層した。さらに、(6)p型GaN層の上に(7)ITO層を電子ビーム蒸着法によって成膜した。上記構成により、半導体層からの発光は460nmであり、ITO層の膜厚は、1200nmとした。
(積層体の形成)
モールドには、次の凹部からなるドットパターンを表面に備える樹脂モールドを使用した。
凹部の直径:400nm
凹部深さ:800nm
ドットの配列:六方格子
X軸方向のピッチPx:700nm
Y軸方向のピッチPy:700nm
まず、半導体パルスレーザを用いた直接描画リソグラフィ法にて微細なドットパターンを備える樹脂モールド作製用鋳型を形成した。続いて、前記樹脂モールド作製用鋳型を用いた転写工程を経て樹脂モールドを形成した。
下記の表1に示すように固形分濃度の異なる感光性樹脂材(A)及び(B)を調製した。感光性樹脂材(B)を樹脂モールド上にバーコーター(No4)を用いて塗布しシートを得た。そしてシートを、105℃のオーブンで10分乾燥させた。得られたシートに、さらに感光性樹脂材(A)を、バーコーター(No4)を用いて塗布しシートを得た。そしてシートを、105℃のオーブンで15分乾燥させた。
上記で得られたシートと予め85℃に加熱しておいた半導体層を、ITO層と感光性樹脂材(A)が接するように0.01MPaの圧力をかけながら貼合し、積層体を得た。
Figure 2016012610
なお表1に記載された記号は以下の意味を示す。EA−HG001:9,9‘−ビス(4−(アクリロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル社製)ACMO:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランCNEA−100:ノボラックアクリレート(ケーエスエム社製、固形分50%)TTB:テトラn−ブトキシチタン(東京化成工業社製)SH710:トリメチル末端フェニルメチルシロキサン(東レダウコーニング社製)Irg184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(IRGACURE(登録商標)184、BASF社製)Irg369:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(IRGACURE(登録商標)369、BASF社製)PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
(露光・現像工程)
積層体の樹脂モールド側の上方に露光マスクを載せ、平行光露光機でコンタクト露光した。露光マスクのパターンは、一辺が150μmの正方形の非露光領域が400μm間隔で正方格子状に配列したものを用いた。
露光量は50mJ/cmだった。露光後、120℃で30秒間の露光後ベークを行った。続いて樹脂モールドを剥離したのちに、PGMEで30秒間ディップ現像し、その後エタノールで10秒間リンスし、圧気にて乾燥後、さらに100℃のオーブンにて5分間ベークした。
(微細パターンマスク層の形成工程)
得られた微細ドットを有するマスク層と半導体層からなるエッチング被加工材の第1マスク層側より酸素ガスを使用したエッチングを行い、第1マスク層をマスクとして第2マスク層をナノ加工し、第1半導体層表面を部分的に露出させることで微細パターンを有するマスク層を形成した。酸素エッチンングは、処理時間20分、圧力1Pa、電力300Wの条件にて行った。
(半導体層のドライエッチング)
微細パターンマスク層が形成された半導体層に対し、BClガスを使用した反応性イオンエッチングを行い、半導体層表面に微細凹凸構造を形成した。装置は反応性イオンエッチング装置(RIE−101iPH、サムコ株式会社製)を使用し、エッチング条件はBClガス:20sccm、ICP:150W、BIAS:100W、圧力0.2Pa、温調Heガス温度40℃(ガス圧力2.0kPaとして実施した。)、処理時間は感光性樹脂材(A1)を用いたもので7分間とした。
ドライエッチング後に酸素エッチングを20分行い、ITO表面に残留していたマスク層及びエッチング堆積物を除去した。酸素エッチンングは、圧力1Pa、電力300Wの条件にて行った。
ついで酸素エッチング後に反応性イオンエッチングを再度1分行い、最も平坦領域に近いドット(凸形状のドット)の裾部付近にテーパ面をつけた。それ以外の条件は同様である。
感光性樹脂材(A)を用いて得られた半導体層の露光部を走査型電子顕微鏡で観察したところ、ITO層表面に直径300nm、高さ300nmの円柱凸状ドットが複数形成され、平坦面のITO膜厚は900nmであった。
(電極形成工程)
半導体発光素子にフォトレジスト(AZ5214E)をスピンコートにより成膜し、120℃で1.5分のベーク処理を経た後、フォトリソグラフィを行ってn電極パッド形成部位がむき出しになるようにパターニングした。次に、真空蒸着法で電極パッド材料の金属Auを厚み1μmを全面に成膜する。その後、レジストマスクとレジスト上に成膜された電極パッド材料をリフトオフ法により除去して、p電極パッドとn電極パッドが形成された半導体発光素子を得た。p電極の位置は3通り作製し、ドット領域の端から5μm離れた位置に形成した。
(封止工程)
封止樹脂であるシリコーン樹脂としてはジメチルシリコーンタイプのシリコーン樹脂である信越化学工業株式会社製KER−2500を用いた。塗布後、100℃で1時間、150℃で5時間加熱することにより硬化させた。
[実施例2]
酸素エッチング後の反応性イオンエッチングは行わず、その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例3]
一度目のイオンエッチングの時間を調節して作製した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例4]
一度目のイオンエッチングの時間を調節して作製した。また二度目のイオンエッチングの工程も省き、その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例5]
一度目のイオンエッチングの時間を調節して作製した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例6]
一度目のイオンエッチングの時間を調節して作製した。また二度目のイオンエッチングの工程も省き、その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例7]
電極形成のための露光の際距離を調節した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例8]
電極形成のための露光の際距離を調節した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例9]
電極形成のための露光の際距離を調節した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[実施例10]
電極形成のための露光の際距離を調節した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[比較例1]
電極形成のための露光の際距離を調節した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[比較例2]
電極形成のための露光の際距離を調節した。また二度目のイオンエッチングの工程も省き、その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[比較例3]
電極形成のための露光の際距離を調節した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[比較例4]
電極形成のための露光の際距離を調節した。また二度目のイオンエッチングの工程も省き、その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[比較例5]
一度目のイオンエッチングの時間を調節して作製した。その他の工程は、実施例1と同様の方法で作製した。
[評価方法]
光学顕微鏡(HIROX HI―SCOPE Advanced KH−3000)及びSEM(HITACHI SU8010)による観察を行った。実施例1では、光学顕微鏡にて封止樹脂を通して、ドットが倒壊することなく配列していることを確認することができた。またドット間やドットと電極パッドの間における空隙は観察されず、ナノバブルの噛み込みを確認することはできなかった。また封止樹脂を引き剥がしSEMにより電極パッドとドット領域との界面を観察した。電極パッド及びドットの表面形状をそのままレプリカにした形状が観察され、ナノバブルの噛み込みがないことを確認することができた。以上より、本構造では良好な封止樹脂の密着性を有していることがわかった。
ドットの倒壊が1サンプルに対して観察されないものを◎、1〜2個観察されたときを○、2〜5個観察された時を△、5個以上観察された時を×とし、バブルの噛みこみについても同様に評価し、結果を表2にまとめた。
Figure 2016012610
比較例1や2においては、ドットの倒壊は光学顕微鏡を用いては観察されなかった。しかし、電極パッドの端近傍において電極方向に向かってドットの形状とは異なるいびつな形状が発生していることを確認することができた。封止樹脂を剥離し、SEMによって観察したところ、電極パッドとドットの間に空隙が発生しているごとが原因であることがわかった。このような箇所が比較例2では多数確認され、その形状から空隙によるものであり、倒壊とみられる形状のものは確認できなかった。
比較例3においては、電極パッドの側端面側に向かって大小異なるだ円型の形状をしたものが光学顕微鏡にて観察された。封止樹脂を剥離し、SEMによって観察したところ、断面SEMで予め確認していたドットの形状と類似した形状であることがわかった。ところによってはITOのドットの欠片が観察され、倒壊し剥離されているものであることがわかった。特に比較例4では顕著にドットの倒壊を確認できた。
比較例5においては、断面SEMで確認したところ、ドット間でも空隙が確認され、封止樹脂の入り込みが非常に良くないことがわかった。これに対して、各実施例では、いずれもドットの倒壊やナノバブルの噛み込みが観察されなかった。
また実施例1、実施例3、実施例5は、いずれも、電極パッドに最も近いドット領域の端部に位置する凸形状のドットの裾部、及び電極パッドの側端面がテーパ面とされている。このときテーパ面のテーパ角度θ、θは30°〜40°程度であった(図5参照)。これら実施例1、実施例3及び実施例5は、実施例2、実施例4及び実施例6に比べてナノバブルの脱離の面で優れていることがわかった。
また電極パッドと電極パッドに最も近いドットとの間の距離(平坦領域の幅寸法)だけを変えた実施例4と、実施例7〜実施例10との間では、距離が長くなるにつれてわずかながらドットの倒壊数が増えることがわかった。
以上の実験結果により、ドットの高さ(深さ)を1μmよりも小さく、電極パッドと電極パッドに最も近いドットとの間の距離(平坦領域の幅寸法)を、0.05μmよりも大きく150μmよりも小さい範囲内に設定した。また好ましくは、平坦領域の幅寸法を、0.1μm以上100μm以下とし、より好ましくは5μm以上75μm以下とした。また好ましくは、ドットの高さ(深さ)を100nm以上700nm以下とした。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
本発明の半導体発光素子によれば、出光面において電極パッド形成領域とナノサイズのドット領域との間に適切な幅の平坦領域を設けることによって、封止樹脂の剥離性を抑え、半導体発光素子の生産効率を向上することが可能である。また、本発明の半導体発光素子は、高い発光効率を有するため、電力の有効活用ができ、省エネルギーに大きく貢献できる。
1 基材
2 第1半導体層
3 発光層
4 第2半導体層
5、15 電極パッド
5a 側端面
6 微細構造層
7 ドット領域(第1ドット領域)
7a 主面
8 電極パッド形成領域
9 平坦領域
10、10a、10d ドット(第1ドット)
10b、10e 裾部
12 第2ドット領域
13 封止樹脂
14 半導体発光素子
20 ドット群
25 モールド
26 第1マスク層
27 第2マスク層
28 マスク層
29 パターニング用露光マスク
131 非露光部
132 露光部
133 微細パターンマスク層

Claims (7)

  1. 第1半導体層、発光層、及び第2半導体層が順に積層されており、前記第2半導体層の前記発光層から発生した光の出射面側に形成された微細構造層を有する半導体発光素子であって、
    前記微細構造層の表面は、高さあるいは深さが1μmよりも小さい凸状あるいは凹状にて形成された複数のドットにより構成されるドット領域と、電極パッドが配置される電極パッド形成領域と、前記ドット領域と前記電極パッド形成領域との間の少なくとも一部に位置する平坦領域と、を有し、
    前記ドット領域の端部側から前記電極パッド形成領域の端部側に向かう方向への前記平坦領域の幅寸法は、0.05μmよりも大きく150μmよりも小さく、
    前記電極パッド上から前記平坦領域上及び前記ドット領域上にかけて封止樹脂が充填されていることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 第1半導体層、発光層、及び第2半導体層が順に積層されており、前記第2半導体層の前記発光層から発生した光の出射面側に形成された微細構造層を有する半導体発光素子であって、
    前記微細構造層の表面は、高さあるいは深さが1μmよりも小さい凸状あるいは凹状にて形成された複数の第1ドットにより構成される第1ドット領域と、電極パッドが配置される電極パッド形成領域と、前記第1のドット領域と前記電極パッド形成領域との間に位置し、凸状あるいは凹状にて形成された複数の第2ドットにより構成される第2ドット領域と、前記第2ドット領域と前記電極パッド形成領域との間の少なくとも一部に位置する平坦領域と、を有し、
    前記第2ドットは、高さあるいは深さが1μmよりも小さく且つ、前記第1ドットよりも、高さ、深さ及び幅のいずれか一つが小さく形成されており、
    前記第2ドット領域の端部側から前記電極パッド形成領域の端部側に向かう方向への前記平坦領域の幅寸法は、0.05μmよりも大きく150μmよりも小さく、
    前記電極パッド上から前記平坦領域上、前記第2ドット領域上及び前記第1ドット領域上にかけて封止樹脂が充填されていることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 前記平坦領域の幅寸法は、0.1μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記平坦領域の幅寸法は、50μm以下であることを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子。
  5. 前記ドットの高さあるいは深さが100nm以上700nm以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体発光素子。
  6. 前記平坦領域に最も近い位置に設けられた前記ドットの裾部は、前記ドットの先端部側から前記裾部側に向けて徐々に幅寸法が広がるテーパ面で形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体発光素子。
  7. 前記平坦領域側を向く前記電極パッドの側端面は、前記電極パッドの上端面から下端面に向けて徐々に幅寸法が広がるテーパ面で形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の半導体発光素子。

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