JP2014120523A - 半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014120523A
JP2014120523A JP2012272550A JP2012272550A JP2014120523A JP 2014120523 A JP2014120523 A JP 2014120523A JP 2012272550 A JP2012272550 A JP 2012272550A JP 2012272550 A JP2012272550 A JP 2012272550A JP 2014120523 A JP2014120523 A JP 2014120523A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
semiconductor
mask
hydrofluoric acid
sacrificial layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012272550A
Other languages
English (en)
Inventor
Takuya Kazama
拓也 風間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2012272550A priority Critical patent/JP2014120523A/ja
Publication of JP2014120523A publication Critical patent/JP2014120523A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】AlGaInP系半導体の表面に高密度かつ高精度の突起を形成する方法を提供する。
【解決手段】AlGaInP系半導体の表面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層11、希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層12、及び金属層13がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成するステップと、マスクを用いて表面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成するステップと、希フッ酸を用いてマスクを除去するステップと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法に関し、特にAlGaInP系半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び当該方法を用いた半導体発光素子の製造方法に関する。
発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子は、通常、成長用基板上に、n型半導体層、発光層、及びp型半導体層などを有する半導体構造層を成長し、半導体構造層に電極を形成して作製される。発光層から放出された光は、p型半導体層又はn型半導体層を透過し、外部へ取出される。しかし、半導体構造層とその周囲媒体(例えば空気又はエポキシ樹脂)との光の屈折率差などの要因によって、発光層から放出された光が外部へ取出される効率が低下する。
この光取出し効率を向上させる試みが種々行われている。例えば、特許文献1には、酢酸、フッ酸、硝酸、ヨウ素及び水によってエッチングされた面荒し突起部を有する半導体発光素子が開示されている。特許文献2には、ブロックコポリマを溶解した溶液によって形成されたパターンのマスクを使用してエッチングを行うことによって、微小凹凸が形成された光取出し面を有する半導体発光素子が開示されている。特許文献3には、光を回折させる凹凸を有する半導体発光素子が開示されている。
特開2005-317664号公報 特開2003-218383号公報 特開2011-176379号公報
上記先行技術文献の各々に記載されているように、半導体発光素子の光取出し効率を向上させる技術の1つは光取出し面に凹凸構造を形成することである。仮に光取出し面が平坦な構造を有している場合、発光層から放出された光の大部分は光取出し面を通過することができず、半導体構造層内に留まる。例えば、光取出し面に対する入射角が臨界角を超えている場合、光取出し面において全反射が起こり、光取出し面から発光層の方向に向かって光が戻ってしまう。また、臨界角よりも小さい入射角にて入射する場合であっても、フレネル反射によって一部の光は発光層の方向に向かって戻ってしまう。半導体構造層内においてこれらの反射を繰り返す度に発光層から放出された光は減衰し、その結果光取出し効率が低下する。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、高密度、高精度の突起又は凹部を形成することによって光取出し効率を向上させることができることに着眼し、AlGaInP系半導体の表面に光取出し効率に優れた光取出し構造を形成する方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、AlGaInP系半導体からなる光取出し効率に優れた高発光効率の半導体発光素子の製造方法を提供することを目的としている。
本発明による方法は、AlGaInP系半導体の表面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層、希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層、及び金属層がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成するステップと、当該マスクを用いて表面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成するステップと、希フッ酸を用いてマスクを除去するステップと、を含むことを特徴としている。
また、本発明による半導体発光素子の製造方法は、第1の導電型を有する第1の半導体層、発光層及び第2の導電型を有する第2の半導体層が順に積層され、第2の半導体層の表面を光取出し面とするAlGaInP系半導体からなる半導体発光素子の製造方法であって、光取出し面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層、希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層、及び金属層がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成する工程と、マスクを用いて光取出し面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成する工程と、希フッ酸を用いてマスクを除去する工程と、を含むことを特徴としている。
本発明による突起又は凹部の形成時に使用するマスクの構造を説明する断面図である。 (a)〜(d)は、突起形成後からマスクが除去されるまでの過程を説明する断面図である。 マスクが除去される過程の一部を模式的に示す図である。 (a)〜(d)は、本発明による実施例1におけるAlGaInP系半導体の表面に突起が形成される過程を説明する図である。 (a)〜(c)は、実施例1におけるドライエッチング後からマスクが除去されるまでの過程を説明する図である。 (a)及び(b)は、実施例2の半導体発光素子の製造方法を説明する図である。 (a)〜(f)は、実施例2における光取出し面に突起を形成する工程を説明する図である。 実施例2における光取出し面に形成された突起を示す図である。 実施例2における光取出し効果を示す図である。
半導体発光素子の光取出し面に凹凸構造を形成することによって、発光層から放出された光が凹凸構造の突起又は凹部の各々を通過して外部へ取出される確率が高くなる。しかし、本願の発明者は、光取出し効率を向上させる好ましい突起又は凹部は、いくつかの条件を満たしていることに着眼した。その条件は、光取出し面上に形成された突起又は凹部において、突起又は凹部の各々が互いに密に形成されていること及び突起又は凹部の各々が均一な形状を有していることである。
従来の方法においては、突起又は凹部の形成方法の性質上、その形状を厳密に制御することができない。従って、形成された突起又は凹部の形状及び密度は大きくばらついてしまう。また、AlGaInP系半導体からなる半導体発光素子に使用すると、光取出し効率に優れた突起又は凹部を形成することが困難であった。すなわち、エッチャントによってマスクを除去する際に、ドライエッチングによって形成された突起又は凹部の形状を劣化させるため、結果的には突起又は凹部の形状が均一なものでなくなる。さらに、マスク除去の際においてマスクと共に突起又は凹部の一部も除去され、突起又は凹部の高さが小さくなる。
本発明において、AlGaInP系半導体の表面に突起又は凹部を形成する際に使用するマスクについて説明する。まず、図1を参照して、マスクの構成について説明する。
本発明によるAlGaInP系半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法に用いられるマスク10は、AlGaInP系半導体(以下、単に半導体と称する)20の表面上に形成された第1の犠牲層11と、第1の犠牲層11上に形成された第2の犠牲層12と、第2の犠牲層12上に形成された金属層13と、を有している。
第1の犠牲層11は、希フッ酸に可溶性の材料、例えば酸化物又は窒化物から構成されている。第1の犠牲層11は、例えばSiO、Si又はTiOから構成されている。
第2の犠牲層12は、希フッ酸に可溶性の材料、好ましくは第1の犠牲層11よりも希フッ酸に対する溶解度の大きい材料から構成されている。第2の犠牲層12は、例えばTiから構成されている。第2の犠牲層12は第1の犠牲層11よりも大きな層厚を有していることが好ましい。
金属層13は、半導体20とのドライエッチングにおける選択比が高い金属から構成されている。例えば、金属層13は、Ni、Ti、Pt、Au、Cr、W、Ag又はAlから構成されている。
次に、図2(a)〜図2(d)を参照して、半導体20の表面にドライエッチングを行った後において、マスク10が除去される過程を具体的に説明する。半導体20からマスク10を除去する際には、希フッ酸を使用する。以下においては、錐台形状(切頭錐形状)の突起を形成した場合について説明する。
図2(a)は、マスク10を使用して半導体20の表面上にドライエッチングを行った後における半導体20の表面及びマスク10の断面を示している。図2(a)に示されているように、半導体20の表面にはドライエッチングによって錐台形状の突起21が形成されている。マスク10は金属層13によってドライエッチング前の形状を維持している。
図2(b)は、マスク10及び半導体20を希フッ酸に浸漬した直後におけるマスク10及び半導体20の断面を示している。第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12は希フッ酸によって溶解し、第1の犠牲層11と第2の犠牲層12との界面に隙間が発生し始める。この隙間によって第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12が希フッ酸に接触する面積が拡大するため、第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12の溶解は加速する。
図3は、図2(b)における破線で囲んだ部分において、第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12が希フッ酸に溶解する過程を模式的に示す図である。図3の破線は、第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12が溶解する段階を模式的に示している。第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12は、図3に示されているように両層の界面に隙間を発生させながら両層の内部に向かって(図の左の方向に向かって)溶解する。
なお、第2の犠牲層12の層厚T2が第1の犠牲層T1よりも大きい場合、第2の犠牲層12はより速やかに第1の犠牲層11から離脱する。この場合、第2の犠牲層12は、第1の犠牲層11よりも大きな面積にて希フッ酸に接触する。さらに、希フッ酸に接触する面積が拡大するスピードは、第1の犠牲層11よりも第2の犠牲層12の方が速い。従って、第2の犠牲層12は第1の犠牲層11から速やかに離脱する。
図2(c)は、第1の犠牲層11から第2の犠牲層12が離脱した直後におけるマスク10及び半導体20の断面を示している。上記したように、第2の犠牲層12は第1の犠牲層11から速やかに離脱する。第1の犠牲層11は、第2の犠牲層12が離脱した後も半導体20の表面に残存する。
図2(d)は、第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12が完全に溶解した際のマスク10及び半導体20の断面を示している。第1の犠牲層11から第2の犠牲層12が離脱した後は、第1の犠牲層11は速やかに希フッ酸に溶解する。
上記したように、希フッ酸によって、第1の犠牲層11からの第2の犠牲層12及び金属層13の離脱と、第1の犠牲層11の溶解とが容易に進む。従って、突起21の形状を劣化させることなくマスク10が除去される。
上記した3層構造を有するマスク10を使用して半導体20の表面にパターンを形成し、ドライエッチングを行うと、マスク10の金属層13によって半導体20の表面に高精度の突起21を均一かつ密に形成することができる。また、ドライエッチング後に希フッ酸を使用してマスク10を除去すると、第1の犠牲層11及び第2の犠牲層12によって容易に半導体20からマスク10を除去することができ、突起の形状が劣化しない。
従って、ドライエッチングによって形成された突起の形状を維持することができるのみならず、突起の底面から頂面までの高さが大きい突起を形成することができる。この突起を光取出し面としてのAlGaInP系半導体の表面に形成した場合、光取出し効率に優れた光取出し構造を光取出し面に形成することができる。
なお、上記においては、錐台形状(切頭錐形状)の突起を形成する場合について説明したが、形成される突起は柱形状を有していても良い。すなわち、形成される突起は、錐形状(すなわち円錐、多角錐、円錐台又は多角錐台形状)及び柱形状(すなわち円柱又は多角柱形状)のいずれかの形状を有し得る。また、突起を形成する場合について説明したが、形成されるのは突起ではなく凹部であってもよい。
突起又は凹部の形状は、パターン形状(円形又は多角形など)及びドライエッチングの条件(例えば、エッチングガスやエッチング時間など)を調整することによって変更することができる。
また、第2の犠牲層の方が第1の犠牲層よりも希フッ酸に対する溶解度が大きい場合について説明したが、これに限らない。例えば、第1の犠牲層と第2の犠牲層の希フッ酸に対する溶解度は同程度であってもよい。第2の犠牲層の方が第1の犠牲層よりも大きな層厚を有することが好ましいが、これに限らない。例えば、第1の犠牲層及び第2の犠牲層は同程度の層厚を有していても良い。
また、金属層が希フッ酸に対して不溶性である場合について説明したが、金属層は半導体とのドライエッチングに対する選択比の高い材料から構成されていればよく、例えば希フッ酸によって溶解する材料から構成されていてもよい。例えば、金属層はTiを含む層であってもよい。
以下においては、形成される突起又は凹部の評価基準として、突起又は凹部の底面の直径Dに対する突起又は凹部の底面から頂面までの高さHの比(=H/D:ここでは、アスペクト比と称する)を使用する。なお、直径Dにおいては、突起又は凹部の底面の形状が円形である場合はその直径を直径Dとして使用し、楕円形である場合はその長径を直径Dとして使用する。また、突起又は凹部の底面の形状が多角形の場合はその外接円の直径を直径Dとして使用し、上記以外の不定形状の場合はその形状を内包する最小の円の直径を直径Dとして使用する。アスペクト比が大きいほど高精度の突起又は凹部である。
以下において、AlGaInP系半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法の実施例を実施例1として説明し、当該方法を用いたAlGaInP系半導体からなる半導体発光素子の製造方法の実施例を実施例2として説明する。
図4(a)〜図4(d)を参照して、本発明の実施例1に係るAlGaInP系半導体(以下、単に半導体と称する)の表面に突起を形成する方法を具体的に説明する。図4(a)は、マスク30によってパターンが形成された半導体40の上面を示している。なお、本実施例においては、半導体40が(AlGa1−z0.5In0.5P(0.6≦z≦1.0)の組成を有する場合について説明する。図4(a)に示されているように、半導体40の表面上にマスク30のパターンが形成される。
本実施例においては、半導体40の表面上においてレジスト(図示せず)を電子線によってパターニングし、残存したレジスト及び半導体40の表面上にマスク30を形成した後、リフトオフによって残存したレジストを除去することによってマスク30のパターンを形成した。また、マスク30の形成には、直径(L)300nmの貫通穴がピッチ(P)600nmにて三角格子状に配列されたパターンを有するレジストを用いた。
図4(b)は、図4(a)のW−W線に沿った断面図を示している。図4(b)に示されているように、マスク30は、半導体40の表面上に、第1の犠牲層としてのSiO層31、第2の犠牲層としてのTi層32及び金属層としてのNi層33がこの順で順次積層された構造を有している。SiO層31、Ti層32及びNi層33は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法及び化学気相成長(chemical vapor deposition:CVD)法を用いて半導体40の表面に形成される。本実施例においては、SiO層31の層厚を10nmとし、Ti層32の層厚を30nmとし、Ni層33の層厚を40nmとした。
図4(c)は、マスク30を使用してドライエッチングを行った後のマスク30及び半導体40の表面の断面を示している。図4(c)に示されているように、SiO層31、Ti層32及びNi層33をマスクとして、半導体40の表面にドライエッチングが行われる。ドライエッチングによって、半導体40の表面には突起41が形成される。ドライエッチングには、例えばCl及びBClなどの塩素系ガスが用いられる。
本実施例においては、加工深さが400nmに達するまでドライエッチングを行った。すなわち、ドライエッチングによって形成された突起41の底面から頂面までの高さHは約400nmであった。また、形成された突起の底面の直径Dは約600nmであった。
図4(d)は、希フッ酸によってマスク30が除去された半導体40を示している。図4(d)に示されているように、ドライエッチングによって半導体40の表面に突起41を形成した後、半導体40からマスク30が希フッ酸によって除去される。本実施例においては、希フッ酸として、バッファードフッ酸(BHF)を用いた。ドライエッチング後のマスク30及び半導体40をバッファードフッ酸に浸漬させ、半導体40からマスク30を除去した。
バッファードフッ酸に浸漬させると、図2を用いて説明したように、SiO層31及びTi層32が溶解し、SiO層31とTi層32との界面に隙間が発生し始める。その後、SiO層31及びTi層32が溶解し、マスク30は半導体40から除去される。
Ti層32の材料であるTiは、バッファードフッ酸によって凝集するため、Ti層32の表面からTi層32の内部に向かって細い空洞が発生する。この空洞内にバッファードフッ酸が含浸するとTi層32の溶解は加速する。また、Ti層32は、バッファードフッ酸に含浸的に溶解すると共に、水素ガスを発生させる。この水素ガスによってSiO層31及びTi層32の溶解のみならずTi層32からのNi層33の剥離も容易に行われる。
Ti層32の上記2つの特徴は、Tiがバッファードフッ酸に溶解する(液体化する)前に、以下の式に示される化学反応が起きていることに起因すると解される。
Ti + 4HF → TiF + 2H
一方の特徴である溶解時に水素が発生することについては式から明らかである。他方の特徴であるTiが凝集することによる含浸的な溶解については、バッファードフッ酸による反応前後の固体のモル体積(0℃及び1気圧時における1モル(mol)当たりの体積)の差によるものと解される。式中の固体はTi(反応前)及びTiF(反応後)であり、そのモル体積はTiが10.64×10−3/mol、TiFが0.044×10−3/molである。従って、バッファードフッ酸とTiとの反応によって固体の体積が0.004倍に減少する。この反応によってTiは凝集すると共に水素を発生させ、その後液体化すると解される。
図5(a)〜図5(c)は、本実施例におけるマスクが除去される過程を示す電子顕微鏡観察画像(Scanning Electron Microscope:SEM像)である。図5(a)はマスク30の除去前(BHF浸漬前)における半導体40の表面の斜視図、図5(b)はバッファードフッ酸に浸漬して5秒経過した後の半導体40の表面の斜視図、図5(c)はバッファードフッ酸に浸漬して30秒経過した後の半導体40の表面の斜視図を示している。
図5(a)ではマスク30は半導体40から除去されておらず、図5(b)ではマスク30の一部が半導体40から除去されており、図5(c)ではマスク30が完全に半導体40から除去されている。図5(b)を参照すると、半導体40の表面から剥離してその周辺に浮遊しているマスク30の金属層33の一部を確認することができる。
図5(a)及び図5(c)を参照すると、マスク除去前後において半導体40の表面に形成された突起41が全く変形していないことがわかる。すなわち、本実施例においては、マスクを除去した後においてもドライエッチングによって形成された突起の形状が崩れないことが実証された。本実施例においては、突起の底面の直径Dは600nm、突起の高さHは400nmであることから、約0.67のアスペクト比(=H/D)を有する規則的かつ密に形成された突起41を半導体40の表面に形成することができた。
なお、本実施例においては、AlGaInP系半導体の表面に錐台形状の突起を形成する場合について説明したが、ドライエッチングの条件を適宜調節することによって、錐形状又は柱形状の突起を形成することもできる。また、突起が形成される場合について説明したが、凹部が形成されてもよい。凹部を形成する場合、反転したパターンを有するマスクを用いる(マスク材料の残存する部分と除去される部分を反対にする)。
また、三角格子状に配列されたパターンを有するマスクを用いる場合について説明したが、マスクのパターンはこれに限らない。例えば、マスクは、四角格子状のパターンを有していてもよい。さらに、マスクは、周期的に配置された(格子状の)パターンではなく、例えば、準周期的(準結晶など)やランダムに配置されたパターンを有していても良い。
また、円形のパターンを形成されたパターンを有するマスクを用いる場合について説明したが、マスクのパターンはこれに限らない。例えば、マスクは、楕円形状又は多角形状のパターンを有していても良い。
また、希フッ酸に対して含浸的に溶解する材料であるTiを第2の犠牲層として用いた場合について説明したが、第2の犠牲層は希フッ酸に可溶性の材料から形成されていればよい。
上記したように、本発明による方法は、AlGaInP系半導体の表面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層、希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層、及び金属層がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成するステップと、マスクを用いて表面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成するステップと、希フッ酸を用いてマスクを除去するステップと、を含む。このように形成された突起又は凹部は、高精度かつ均一な形状を有し、密に表面上に形成されている。従って、光取出し効率が大きく向上した高信頼性の光取出し構造を提供することができる。
以下においては、本発明の実施例2として、AlGaInP系半導体からなる半導体構造層を含む半導体発光素子の製造方法を説明する。実施例2の半導体発光素子の製造方法は、半導体発光素子の光取出し面に、実施例1において説明した突起を形成する工程を含む。本実施例においては、AlGaInP系半導体からなる半導体構造層に反射層を形成し、支持基板を有する支持体に貼り合わせた後、半導体構造層の成長に用いた成長用基板を除去した構造を有するいわゆるメタルボンディング構造の半導体発光素子を製造する場合について説明する。
図6(a)及び図6(b)は、実施例2の半導体発光素子の製造方法を説明する図である。図6(a)は半導体発光素子50の構造を示す断面図である。半導体発光素子50は半導体構造層51、反射層60及び支持体70からなるメタルボンディング構造を有しており、反射層60と支持体70とは複合接合層75を介して接合されている。以下、半導体発光素子50の製造方法を具体的に説明する。本実施例においては、350μmの幅及び長さを有する半導体発光素子を製造した。
まず、成長用基板(図示せず)上にn型半導体層52を形成した。本実施例においては、成長用基板としてn型のGaAs基板を用いた。具体的には、GaAs基板上に、(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる第1のnクラッド層53(層厚:2.5μm、キャリア濃度:2×1018cm−3)及びAl0.5In0.5Pからなる第2のnクラッド層54(層厚:0.5μm)をこの順で積層した。
続いてn型半導体層52上に発光層55を形成した。本実施例においては、15層の井戸層(ウェル層)からなる多重量子井戸構造を有する発光層55を形成した。具体的には、第2のnクラッド層54上に、(Al0.1Ga0.90.5In0.5Pからなる井戸層(層厚:20nm)と(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pからなるバリア層(層厚:10nm)とをそれぞれ15層ずつ交互に形成した。
続いて発光層55上にp型半導体層56を形成した。本実施例においては、発光層55上に、Al0.5In0.5Pからなるpクラッド層57(層厚:0.5μm、キャリア濃度:2×1018cm−3)及びGaPからなるpコンタクト層58(層厚:1.5μm)をこの順で積層した。
半導体構造層51の形成には、MOCVD(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition)法を使用した。
次に、半導体構造層51上に反射層60を形成した。具体的には、pコンタクト層58上に絶縁体層61を形成し、絶縁体層61の一部に開口部を設けてpコンタクト層58の一部を露出させ、当該開口部にp型電極62を形成した後、反射金属層63を形成した。絶縁体層61は、例えばプラズマCVD法やスパッタ法などによってpコンタクト層58上に成膜した後、エッチングなどを用いてpコンタクト層58に達する開口部を設けることによって形成される。反射金属層63は、抵抗加熱蒸着法やEB蒸着法などによって形成される。本実施例においては、絶縁体層61としてSiO層(層厚:100nm)を形成し、p型電極62としてAuZnを形成し、反射金属層63としてAu層(層厚:300nm)を形成した。なお、p型電極62を形成した後に、窒素雰囲気の下で約400℃の熱処理を行った。
次に、反射金属層63上に、第1のバリア金属層(図示せず)、第1の密着層(図示せず)をこの順で形成した。第1のバリア金属層及び第1の密着層は、スパッタ法又はEB蒸着法によって形成される。本実施例においては、第1のバリア金属層としてTi層及びTaN層(層厚:合計200nm)を形成し、第1の密着層としてNi層(層厚:300nm)を形成した。
次に、支持体70を別個に形成した。具体的には、支持基板71の一方の主面上に第1のオーミック金属層72を形成し、支持基板71の他方の主面上に第2のオーミック金属層73を形成した。その後、第2のオーミック金属層73上に、第2のバリア金属層(図示せず)、第2の密着層(図示せず)及び共晶接合層(図示せず)をこの順で形成した。
第1のオーミック金属層72及び第2のオーミック金属層73、第2のバリア金属層、第2の密着層及び共晶接合層は、例えば抵抗加熱、EB蒸着法、又はスパッタ法を用いて形成される。本実施例においては、支持基板71としてSi基板(層厚:20μm)を用い、第1のオーミック金属層72及び第2のオーミック金属層73としてPt層(層厚:それぞれ25nm)を形成し、第2のバリア金属層としてTi層及びTaN層(層厚:合計200nm)を形成し、第2の密着層としてNi層(層厚:300nm)を形成し、共晶接合層としてAuSn層(層厚:600nm)を形成した。
次に、反射層60が形成された半導体構造層51と支持体70とを接合した。具体的には、支持体70の表面上に形成されている共晶接合層と反射層60の表面上に形成されている第1の密着層を熱圧着によって接合した。熱圧着によって、第1の密着層(Ni層)、共晶接合層(AuSn層)及び第2の密着層(Ni層)が複合接合層(AuSnNi層)75を形成する。
次に、成長用基板を半導体構造層51から除去した。本実施例においては、アンモニア及び過酸化水素を混合したエッチャントを用いたウェットエッチングによって、成長用基板を半導体構造層51のn型半導体層52から除去した。
次に、n型半導体層52の表面上に光取り出し構造を形成した。具体的には、光取出し面である第1のnクラッド層53の表面に、多数の突起80を形成した。本実施例においては、第1のnクラッド層53の表面上に、ドライエッチングを用いて錐台形状の多数の突起80を形成した。この突起80を形成する工程については、図7を用いて詳細に後述する。
次に、第1のnクラッド層53の表面にn型電極91及びパッド電極92を形成した。本実施例においては、n型電極91として、第1のnクラッド層53上に、AuGeNi層(層厚:300nm)(図示せず)、Ti層及びTaN層(層厚:合計200nm)(図示せず)並びにAu層(層厚:200nm)(図示せず)をこの順で形成した。また、パッド電極として、第1のnクラッド層53上又はn型電極91上に、Ti層(層厚:50nm)(図示せず)及びAu層(層厚:1.2μm)(図示せず)を形成した。
図6(b)は、半導体発光素子50の電極構成を示す平面図である。図6(b)は半導体発光素子50の上面から見た電極構成を模式的に示している。図の実線部分は表出している電極部分、破線部分は素子内部に埋設されている電極部分を示している。なお、図6(a)は、図6(b)のV−V線に沿った断面図である。
図7(a)〜図7(f)は、本実施例の半導体発光素子50の製造工程の1つである第1のnクラッド層53上に複数の突起80からなる光取出し構造を形成する工程について具体的に説明する断面図である。n型半導体層52の表面である第1のnクラッド層53の表面は、半導体発光素子50における光取出し面である。
まず、図7(a)に示されているように、第1のnクラッド層53上にレジスト層81を形成した。レジスト層81の材料は、例えば日本ゼオン社製の型式ZEPなどのレジストが使用され、レジスト層81は、例えば50nm〜1μmの範囲内の層厚を有している。本実施例においては、250nmの層厚を有するレジスト層81を第1のnクラッド層53上に形成した。
次に、図7(b)に示されているように、レジスト層81にパターンを形成した。レジスト層81のパターンは、例えば電子線照射、ナノインプリント及び干渉露光のいずれかを用いて形成される。本実施例においては、直径(L)230nmの貫通穴がピッチ(P)600nmにて三角格子状に配列されたステンシルマスク(図示せず)を準備し、当該ステンシルマスクの上からレジスト層81の表面を電子線にて露光及び現像することによってレジスト層81にパターンを形成した。また、5〜100μC/cmの電子線を用いた。
なお、本実施例においては、電子線照射によってレジスト層81にパターンを形成したため、第1のnクラッド層53の表面に達した電子線が第1のnクラッド層53の表面からレジスト層81の方向(図の上方)に向かって散乱及び反射し、残存するレジスト層81の第1のnクラッド層53に近い側部にも電子線が照射された。従って、図7(b)に示されているように、パターニング後のレジスト層81は、その表面から第1のnクラッド層53に向かって先細となるテーパ形状を有している。
次に、図7(c)に示されているように、レジスト層81及び第1のnクラッド層53の表面上に、マスク82を形成した。マスク82は、レジスト層81又は第1のnクラッド層53の表面から、第1の犠牲層83、第2の犠牲層84及び金属層85の順で積層された構造を有している。マスク82は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法及びCVD法のいずれかを用いて形成される。
本実施例においては、第1の犠牲層83としてSiO層(層厚:10nm)を用い、第2の犠牲層84としてTi層(層厚:30nm)を用い、金属層85としてNi層(層厚:30nm)を用いた。
次に、図7(d)に示されているように、レジスト層81を除去した。具体的には、レジスト層81及びレジスト層81上のマスク82を第1のnクラッド層53から除去した。本実施例においては、リフトオフによってレジスト層81を除去した。
次に、図7(e)に示されているように、第1のnクラッド層53の表面に突起80を形成した。突起80は、Cl及びBClなどの塩素系ガスを用いたドライエッチングを行うことによって形成される。本実施例においては、塩素系ガスを用いたドライエッチングによって、深さ600nmの加工を行った。従って、形成された突起80の頂面から底面までの高さHは600nmである。また、形成された突起80の底面の直径Dは約600nmであった。マスク82の金属層85によって、ドライエッチング後もマスク82が第1のnクラッド層53上に残存している。
次に、図7(f)に示されているように、マスク82を除去した。マスク82は、希フッ酸を用いて除去される。本実施例においては、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチングによってマスク82を除去した。ウェットエッチング時間は30秒とした。
図8は、半導体発光素子50の光取出し面である第1のnクラッド層53の表面に形成された突起80を示すSEM像である。突起80は、均一な形状を有し、密に形成されていることがわかる。これは、マスク82を用いて形成されたことによって、ドライエッチングによって高精度な突起80が均一かつ密に形成され、マスク82を除去した後においても突起80の形状が崩れなかったことに起因する。
従って、上記したように希フッ酸に可溶性の2層構造の犠牲層と金属層からなるマスクを用いて光取出し面に突起を形成すると、光取出し効率を大幅に向上させる光取出し構造を有する半導体発光素子を製造することができる。
光取出し効率を評価するために、光取出し面に形成された突起のアスペクト比が異なる点を除いては本実施例と同じ構成を有する複数の半導体発光素子を作製し、その光取出し効果を測定した。また、素子表面にエポキシ樹脂を被覆した場合についても同様に光取出し効果を測定した。
その評価結果を図9に示す。図9は、本実施例におけるアスペクト比(=H/D)に対する光取出し効果を示すグラフである。図9の横軸は光取出し面に形成された突起のアスペクト比を表し、縦軸はアスペクト比が0である場合、すなわち光取出し面が平坦面である場合を1とした場合の規格化光取出し効果を表している。素子表面にエポキシ樹脂を被覆した場合(対樹脂)の規格化光取出し効果が破線で示され、素子表面に樹脂を被覆しない場合(対空気)の規格化光取出し効果が実線で示されている。
図9に示されているように、対空気及び対樹脂の両方の場合において、突起のアスペクト比が0.4を超えると光取出し効果が向上していることがわかる。例えば、本実施例の半導体発光素子50においては、突起80の底面の直径Dが600nmであり、突起の高さHが600nmである。従って、アスペクト比は1.0であり、光取出し面が平坦な場合に比べて2倍の光取出し効果を有している。素子表面にエポキシ樹脂を被覆した場合であっても50%光取出し効果が向上している。
なお、本実施例においては、突起間のピッチが600nmである場合について説明したが、突起間のピッチは、発光層から放出された光の半導体構造層内における波長(以下、光学波長と称する)の約2倍乃至約5倍の範囲内であるのが好ましい。例えば、本実施例においては、発光層55から放出される光の波長を625nm、第1のnクラッド層53の光の屈折率を3.3として計算した場合、光学波長は約190nmであり、好ましい突起間のピッチは、約400乃至約1000nmの範囲内である。
光取出し面に形成された突起が約400乃至約1000nmの範囲内のピッチを有する場合、光の回折作用を利用して光取出し効率を向上させることができ、また、輝度ムラを低減することができる。突起間のピッチが光学波長の約2倍よりも小さい場合、光の回折作用を利用することができなくなり、光取出し効率は低下する。また、約5倍よりも大きい場合、形成される突起の形状又は均一性が低下することや素子の動作電圧への影響が大きくなるなど、信頼性が低下する。
なお、上記においては、周期的な突起を形成する場合について説明したため、好ましい突起間のピッチについて説明したが、準周期的又はランダムな配置を有する突起を形成する場合、形成された突起の底面の(外接円などの)直径が上記範囲内にあればよい。すなわち、突起の底面が円形状を有する場合、当該円形の直径が光学波長の約2倍乃至約5倍の範囲内にあることが好ましく、突起の底面が多角形状を有する場合、当該多角形の外接円の直径が光学波長の約2倍乃至約5倍の範囲内にあることが好ましい。
実施例2における半導体発光素子50の突起80は、突起間のピッチと突起の底面の直径との両方が好ましい範囲にあり、最も光取出し効率の向上する構成条件を満たしている。
また、形成された突起のアスペクト比が1.0である場合について説明したが、アスペクト比は、0.5乃至1.2の範囲内であることが好ましい。すなわち、突起の底面から頂面までの高さは、突起の底面の直径の0.5倍乃至1.2倍の範囲内であることが好ましい。図9に示されているように、この範囲であれば光取出し効率が大きく向上するからである。さらに、アスペクト比が0.7乃至1.0の範囲内であればより大きく光取出し効率が向上する。すなわち、突起の高さが突起の底面の(外接円などの)直径の約0.7倍乃至1.0倍の範囲内であれば、より光取出し効率が向上する。
上記した好ましい突起間のピッチ(又は突起底面の直径)及び突起の高さの範囲については、FDTD法を用いたシミュレーション結果によって、同様の範囲であれば光取出し効率が向上することを確認した。
また、突起が形成される場合について説明したが、形成されるのは凹部であってもよい。凹部が形成される場合、反転したパターンを有するマスクを用いる(マスク材料の残存する部分と除去される部分を反対にする)。好ましい凹部間のピッチ又は凹部の底部の(外接円などの)直径、及びアスペクト比(=H/D)は、突起が形成される場合の好ましい範囲と同様である。
また、第1の犠牲層(SiO層)が10nmの層厚を有する場合について説明したが、第1の犠牲層は、AlGaInP系半導体の表面を完全に被覆することができる層厚を有していればよく、その層厚は5nm以上であれば良い。希フッ酸によるマスク除去性を考慮すると第1の犠牲層は50nm以下であることが好ましいため、第1の犠牲層は5〜50nmの範囲内の層厚を有していることが好ましい。
また、第2の犠牲層(Ti層)が30nmの層厚を有する場合について説明したが、第2の犠牲層は10nm以上の層厚を有していることが好ましい。層厚が10nm未満であると、第1の犠牲層と第2の犠牲層との界面に希フッ酸が進入していかず、希フッ酸によってマスクを除去することができない場合があるからである。
第2の犠牲層の層厚の上限は、マスクのパターンを形成する方法によって異なる。例えば、リフトオフによってマスクのパターンを形成する場合、第2の犠牲層は100nm以下の層厚を有していることが好ましい。層厚が100nmを超えると、リフトオフを行う際にマスクの不要な部分を除去することができなくなるからである。
また、金属層(Ni層)が40nmの層厚を有する場合について説明したが、金属層の層厚は半導体材料(例えばAlGaInP系半導体)と金属層とのドライエッチングにおける条件及び選択比によって異なる。例えば、半導体材料として(AlGa1−z0.5In0.5P(0≦z≦1)を使用し、金属層としてNiを用い、エッチングガスとして塩素系ガスを用い、1μmの深さに達するまでドライエッチングを行う場合、金属層の好ましい層厚は100nmである。
また、光取出し面である第1のnクラッド層が(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pの組成を有する場合について説明したが、これに限らない。光取出し効率を考慮すると、第1のnクラッド層は(AlGa1−z)0.5In0.5P(0.6≦z≦1.0)の組成を有することが好ましく、この範囲内であっても同様の突起又は凹部を形成することができた。
また、製造される半導体発光素子の詳細構成(各層の組成、層厚及びキャリア濃度など)は例示に過ぎない。例えば、n型半導体層が2層構造を有する場合について説明したが、n型半導体層は単層構造を有していてもよく、第2のnクラッド層を有していなくてもよい。発光層が多重量子井戸構造を有する場合について説明したが、発光層は単層構造又は単一量子井戸構造を有していても良い。メタルボンディング構造を有する半導体発光素子を製造する場合について説明したが、製造される半導体発光素子は、例えば、成長用基板に、n型半導体層、発光層及びp型半導体層が順次積層された単純な構造を有していても良い。
上記したように、本発明による半導体発光素子の製造方法は、AlGaInP系半導体からなる半導体層の表面である光取出し面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層、希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層、及び金属層がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成する工程と、マスクを用いて光取出し面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成する工程と、希フッ酸を用いてマスクを除去する工程と、を含む。このように光取出し面に突起又は凹部を形成すれば、光取出し効率を大幅に向上させる光取出し構造を形成することができる。従って、高発光効率かつ高信頼性の半導体発光素子を提供することができる。
10、30、82 マスク
11、31、83 第1の犠牲層
12、32、84 第2の犠牲層
13、33、85 金属層
20、40 AlGaInP系半導体
21、41、80 突起
50 半導体発光素子
53 第1のnクラッド層

Claims (8)

  1. AlGaInP系半導体の表面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層、前記希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層、及び金属層がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成するステップと、
    前記マスクを用いて前記表面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成するステップと、
    前記希フッ酸を用いて前記マスクを除去するステップと、を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第2の犠牲層の前記希フッ酸に対する溶解度は、前記第1の犠牲層の前記希フッ酸に対する溶解度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の犠牲層は、前記第1の犠牲層よりも大きい層厚を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第2の犠牲層はTiからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 前記第1の犠牲層は酸化物又は窒化物からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記金属層は、Ni、Ti、Pt、Au、Cr、W、Ag及びAlのいずれかからなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 第1の導電型を有する第1の半導体層、発光層及び第2の導電型を有する第2の半導体層が順に積層され、前記第2の半導体層の表面を光取出し面とするAlGaInP系半導体からなる半導体発光素子の製造方法であって、
    前記光取出し面上に、希フッ酸に可溶性の第1の犠牲層、前記希フッ酸に可溶性の第2の犠牲層、及び金属層がこの順に積層された、所定のパターンを有するマスクを形成する工程と、
    前記マスクを用いて前記光取出し面にドライエッチングを行って、錐形状又は柱形状を有する突起又は凹部を形成する工程と、
    前記希フッ酸を用いて前記マスクを除去する工程と、を含むことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記第2の半導体層は、(AlGa1−z)0.5In0.5P(0.6≦z≦1.0)の組成を有していることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子の製造方法。
JP2012272550A 2012-12-13 2012-12-13 半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法 Pending JP2014120523A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012272550A JP2014120523A (ja) 2012-12-13 2012-12-13 半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012272550A JP2014120523A (ja) 2012-12-13 2012-12-13 半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014120523A true JP2014120523A (ja) 2014-06-30

Family

ID=51175140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012272550A Pending JP2014120523A (ja) 2012-12-13 2012-12-13 半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014120523A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4481894B2 (ja) 半導体発光装置及びその製造方法
JP5379434B2 (ja) 発光素子用サファイア基板の製造方法
KR100682872B1 (ko) 고효율 반도체 발광 소자 및 그 제조방법
US9490393B2 (en) Semiconductor light emitting device with light extraction surface
JP4970843B2 (ja) 発光素子用のオーミックコンタクト層の製造方法及びこれを備えた発光素子の製造方法
JP5626800B2 (ja) Led基板及びled
JP2016500925A (ja) ナノワイヤled構造及びその製造方法
US9647183B2 (en) Vertical light emitting diode with photonic nanostructures and method of fabrication thereof
US8232567B2 (en) Light emitting device with pillar structure having hollow structure
JP3177600U (ja) 発光ダイオード基板及び発光ダイオード
TW201515091A (zh) 藉由乾式蝕刻移除3d半導體結構之方法
JP2007150259A (ja) 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
WO2014058069A1 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP5429770B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2009283762A (ja) 窒化物系化合物半導体ledの製造方法
JP6349036B2 (ja) 発光素子の製造方法
JP6389178B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法、および半導体発光素子
JP5032511B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法と、それを用いて製造した半導体発光装置
JP2014120523A (ja) 半導体の表面に突起又は凹部を形成する方法及び半導体発光素子の製造方法
JP6001476B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2016012610A (ja) 半導体発光素子
JP2011086723A (ja) 化合物半導体のエッチング液、化合物半導体のエッチング方法及び化合物半導体発光素子の製造方法
KR20220118931A (ko) 금속 나노입자가 적용된 나노홀을 포함하는 발광소자 및 이의 제조 방법
WO2011058890A1 (ja) 発光素子
KR101392999B1 (ko) 화합물반도체 선택적 결정 성장 방법