JP2011086723A - 化合物半導体のエッチング液、化合物半導体のエッチング方法及び化合物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

化合物半導体のエッチング液、化合物半導体のエッチング方法及び化合物半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)を除去することができる化合物半導体のエッチング液、当該エッチング液を用いた化合物半導体のエッチング方法、及び当該エッチング方法を用いた化合物半導体発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングするために用いられる化合物半導体のエッチング液であって、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなること。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードや半導体レーザ等の発光素子を構成する化合物半導体のエッチング液、化合物半導体のエッチング方法、及び当該エッチング方法を用いた化合物半導体発光素子の製造方法に関する。
GaxIn1-xP(0≦x≦1.0)系、及び(AlzGa1-z0.5In0.5P(0≦z≦1.0)系の化合物半導体材料は、赤色から緑色の発光が可能であることが知られていたために、従来から、発光ダイオード(LED)及び半導体レーザ等の発光素子に幅広く使用されてきた。これらの化合物半導体材料からなる化合物半導体層は、一般に、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)を用いて、格子整合するGaAs基板の上にエピタキシャル成長層として順次積層される。
また、上述した発光素子の製造工程には、レジスト又はSiO2からなる絶縁膜をマスクとして、結晶成長した化合物半導体層をエッチングする工程が含まれている。ここで、化合物半導体層は化学的に金属塩的な性質を示すため、一般に、化合物半導体に用いられるエッチング液は、酸又はアルカリを侵食成分として構成されている。例えば、AlGaInP系の化合物半導体のエッチングを行う場合には、塩酸系、硫酸系、リン酸系、又はリン酸を少なくとも含む混合系のエッチャントが多く用いられている。
これらのエッチャントを使用した場合、一般的に、化合物半導体のAl組成が大きくなると、エッチングレートが大きくなることが知られている。このことから、Al組成の小さい材料に対して、Al組成の大きい材料を選択的にエッチングする方法が、発光素子の製造工程に用いられていた。例えば、半導体レーザのリッジを形成する際に、GaInP層をエッチングストッパ層として用い、AlGaInP層をエッチングする方法が知られている(特許文献1)。
また、LEDにおいては、電流拡散層としてGaP又はGaInPが用いられており、特に、Inを数パーセント含むもの(例えば、Ga0.95In0.05P)は、表面モフォロジーの改良及び不純物の拡散防止の観点から優れた性質を有している。GaPからなる化合物半導体は、エッチングに対する耐性が大きく、王水系又は臭素系のエッチング液が用いられる。例えば、LEDの光取り出し効率を向上させるために、GaP及び他の化合物半導体層の表面を粗面化するエッチング方法が知られている(特許文献2)。更に、GaP又はGaInPからなる化合物半導体層の選択エッチングについては、例えば、Ga0.5In0.5Pについてのエッチングが開示されている(非特許文献1)。
特開2004−134770号公報 特開2006−339294号公報 Selective Etching for III-V Compounds with Redox Systems, R.PTijburg and Tvon.Dongan, J.Electrochem.Soc.,1796,Vol.123,P.687
しかしながら、Inを0から数パーセント程度含む電流拡散層(すなわち、GaxIn1-xP:0.9≦x≦1.0)を(AlzGa1-z0.5In0.5P(0≦z≦1.0)に対して選択的に除去することができるエッチング溶液及びエッチング方法はなかった。このため、上述した電流拡散層のみを高精度にエッチングすることが不可能になり、高輝度且つ高い信頼性を有する化合物半導体発光素子の製造が困難であった。
また、結晶成長した化合物半導体層の構造評価(添加される不純物濃度の評価)においては、表面層(最上部層)である上述した電流拡散層をエッチングによって除去することが困難であるために、上述した電流拡散層を残したまま化合物半導体層の構造評価を行うか、又は研磨処理により上述した電流拡散層を薄くして構造評価を行うことしかできなかった。いずれの場合も、電流拡散層を介して化合物半導体層の構造評価が行われるために、高精度の構造評価を行うことが困難であった。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、その目的は、GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)を除去することができる化合物半導体のエッチング液、当該エッチング液を用いた化合物半導体のエッチング方法、及び当該エッチング方法を用いた化合物半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の化合物半導体のエッチング液は、GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングするために用いられる化合物半導体のエッチング液であって、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなることを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明の化合物半導体のエッチング方法は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなるエッチング液を用いて、GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングすることを特徴とする。
更に、上述した課題を解決するために、本発明の化合物半導体発光素子の製造方法は、GaAs基板の上に、GaAs基板と格子整合する(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)を形成する工程と、(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)の上に、GaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を形成する工程と、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなるエッチング液を用いて、(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してGaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングする工程と、を有することを特徴とする。
本発明のエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなるため、GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングすることができる。
また、本発明のエッチング液は、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してはエッチングが進行しないため、当該エッチング液を用いたエッチング方法においては、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してGaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることができる。
更に、本発明の化合物半導体発光素子の製造方法は、当該エッチング液を用いたエッチング工程を有しているため、(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してGaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることができ、化合物半導体発光素子の発光効率及び信頼性の向上を図ることができる。
ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比とエッチングレートとの関係を示したグラフである。 ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比とエッチングレートとの関係を示したグラフである。 エッチング温度とエッチングレートとの関係を示したグラフである。 ヨウ化カリウムの濃度とエッチングレートとの関係を示したグラフである。 本発明の実施例1における化合物半導体発光素子の製造工程における断面図である。 本発明の実施例1における化合物半導体発光素子の製造工程における断面図である。 本発明の実施例2における化合物半導体発光素子の製造工程における断面図である。 本発明の実施例3における化合物半導体発光素子の製造工程における断面図である。 本発明の実施例4における化合物半導体のエッチング方法を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、図1乃至図4を参照しつつ、本発明の実施例に係るエッチング液について詳細に説明する。
本発明の実施例に係るエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液である。エッチング溶液の製造方法は、ヨウ化カリウム及びヨウ素からなる水溶液を先ず作製する。ここで、ヨウ素は水に対して溶解度が低いが、ヨウ化カリウム水溶液には三ヨウ化物イオンを形成しつつ溶解する。その後、当該水溶液にアンモニア水(NH3の含有率29wt%)を加えて調合する。
次に、上述した製造方法によって得られるエッチング液の特性を評価し、エッチング液の最適条件を調査した。具体的には、300μmの厚さを有する成長用基板であるGaAs基板の上に、有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)により、1.0μmの層厚を有するGaxIn1-xP層(x=0.9、0.95、1.0)、又は1.0μmの層厚を有する(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)を結晶成長させ、8種類のサンプルウエハを作製した。更に、各サンプルウエハの結晶成長層の上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィによって直径100μmの開口が300μmのピッチで複数設けられたパターン(Φ100μm/ピッチ300μのパターン)を当該レジストに形成し、8種類のエッチング試料を作成した。次に、上述したエッチング液を用いて各エッチング試料にエッチングを施し、当該レジストを除去し、その後に段差計を用いてエッチング量を測定した。
先ず、図1の結果について説明する。図1は、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比とエッチングレート(nm/min)との関係を示したグラフである。グラフの縦軸はエッチングレート(nm/min)であり、横軸はヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比である。
エッチング液の条件としては、ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比:3.0、温度(エッチング温度):摂氏40度(40℃)に設定し、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比を0〜1.8の範囲から選択した。
図1から判るように、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)は、モル比が1.0より小さい領域では、全くエッチングされることはなかった。また、モル比が1.0以上の領域では、3〜5分程度浸漬しておくと若干の表面荒れが確認され始め、図1では判別できないが僅かにエッチングされていることが確認できた。なお、(AlzGa1-z0.5In0.5P層におけるzの値を変更しても(すなわち、z=0、0.16、0.56、0.7、1.0の場合)、エッチングレートに差異は無かった。
GaxIn1-xP層(x=0.9→図1記号□、x=0.95→図1記号△、x=1.0→図1記号○)の場合には、アンモニアが存在しない場合(ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比=0)において、x=0.9〜1.0のいずれもエッチングレート0nm/min、すなわちエッチングが進行しなかった。また、アンモニアが添加されることによりエッチングが進行したが、アンモニア比率の増加とともにエッチングレートが低下する傾向が確認できた。これは、結晶成長した化合物半導体層との反応が進みにくくなるためと考えられる。
更に、xが0.9の場合には、xが0.95及び1.0の場合と比較して、エッチングレートが極端に低下することが判った。例えば、モル比が0.1又は0.3の場合において、GaP層におけるエッチングレートは約500〜650nm/minあったのに対して、Ga0.9In0.1P層におけるエッチングレートは約2〜3nm/minであった。しかしながら、モル比が0.1又は0.3の場合において(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)は全くエッチングされないため、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)に対してGa0.9In0.1P層を選択エッチングすることは可能である。すなわち、本発明のエッチング液は、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)に対してGaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を選択してエッチングすることはでき、特にGaxIn1-xP層(0.95≦x≦1.0)に対して効率のよいエッチングを行うことができることが判った。
以上のことから、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比は、0.1〜0.8の範囲を選択することが好ましい。このような範囲を選択する理由は、モル比が1.0を超えも十分な選択比を得ることができるが、かかるモル比では、後述するGaAs基板と格子整合する(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)において表面荒れが生じ、化合物半導体発光素子の製造工程における不都合を生じさせ、化合物半導体発光素子の発光効率の低下及び歩留まり低下等の問題に繋がるからである。
次に、図2の結果について説明する。図2は、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比とエッチングレート(nm/min)との関係を示したグラフである。グラフの縦軸はエッチングレート(nm/min)であり、横軸はヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比である。
エッチング液の条件としては、ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比:0.3、温度:40℃に設定し、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比を2〜10の範囲から選択した。
図2から判るように、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)は、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比を変化させても、表面が荒れることも、エッチングされることもなかった。
GaxIn1-xP層(x=0.95、1.0)の場合には、ヨウ化カリウムに対してヨウ素が少ない(ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が大きい)と結晶成長した化合物半導体層との反応が進みにくくなり、エッチングレートが低下する傾向が確認できた。特に、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が10の場合には、GaxIn1-xP層(x=0.95、1.0)のエッチングレートが50nm/min以下になり、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)に対して選択的にエッチングを行えるが、エッチングは進みにくいことが判った。また、ヨウ化カリウムに対してヨウ素が多い(ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が小さい)と結晶成長した化合物半導体層との反応が進みやすくなり、エッチングレートが増加する傾向が確認できた。
しかしながら、上述したようにヨウ素はヨウ化カリウム水溶液に三ヨウ化物イオンを作って溶解し、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が2程度で飽和するため、モル比が2程度より小さい場合にはヨウ素が溶解せずにヨウ化カリウム水溶液中に残存してしまう。すなわち、モル比が2付近では、ヨウ素の溶解度が安定せず、エッチングレートが不安定になり、エッチングの時間管理が困難になってしまう。
以上のことから、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比は3〜5の範囲で選択することが好ましい。かかる範囲で選択することで、エッチングレートの安定化及びエッチング時間の短縮を図ることが可能になる。
次に、図3の結果について説明する。図3は、エッチング液の温度(エッチング温度)とエッチングレート(nm/min)との関係を示したグラフである。グラフの縦軸はエッチングレート(nm/min)であり、横軸はエッチング温度である。
エッチング液の条件としては、ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比:0.3、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比:3.0に設定し、温度を20℃〜50℃の範囲から選択した。
図3から判るように、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)は、エッチング温度を変化させても、表面が荒れることも、エッチングされることもなかった。
GaxIn1-xP層(x=0.95、1.0)の場合には、エッチング温度が高くなるにつれて、エッチングレートが増加していた。このことから、エッチング対象物である化合物半導体層の層厚に応じて、適宜エッチング温度を選択できることが判った。
次に、図4の結果について説明する。図4は、ヨウ化カリウムの濃度(mol/l)とエッチングレート(nm/min)との関係を示したグラフである。グラフの縦軸はエッチングレート(nm/min)であり、横軸はヨウ化カリウムの濃度(mol/l)である。
エッチング液の条件としては、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比:0.3、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比:3.0、エッチング温度:40℃に設定し、ヨウ化カリウムの濃度を0.1〜0.3mol/lの範囲から選択した。
図4から判るように、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)は、ヨウ化カリウムの濃度を変化させても、表面が荒れることも、エッチングされることもなかった。
GaxIn1-xP層(x=0.95、1.0)の場合には、ヨウ化カリウムの濃度が高くなるにつれて、エッチングレートが増加していた。このことから、エッチング対象物である化合物半導体層の層厚に応じて、適宜ヨウ化カリウムの濃度を選択できることが判った。
以上のことから、本願発明のエッチング液は、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)に対してGaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることが可能であり、且つ、その選択比はほぼ無限大になることが判った。更に、エッチングレートの安定化、エッチング時間の短縮及び高い選択比を得るためには、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比を0.1〜0.8、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比を3〜5の範囲で選択したほうが良いことが判った。
また、化合物半導体層のInの比率が増加するにつれてエッチングレートが減少することが判った。具体的には、Ga0.95In0.05P層のエッチングレートはGaP層のエッチングレートの約70%であり、Ga0.9In0.1P層のエッチングレートはGaP層のエッチングレートの約1%であり、Ga0.7In0.3Pにあっては表面が荒れる程度でほとんどエッチングされなかった。
次に、上述したエッチング液を用いた化合物半導体発光素子の製造方法について、図5及び図6を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、成長用基板であるn型GaAs基板11が準備される。n型GaAs基板11の厚さは、約300μmである。続いて、MOCVD法を用いて、n型GaAs基板11の上にGaAs基板11と格子整合するように、組成がAl0.5In0.5Pであるn型クラッド層12、組成が(Al0.15Ga0.850.5In0.5Pであるアンドープ活性層13、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるp型クラッド層14を設けさらに、その上に組成がGa0.95In0.05Pであるp型電流拡散層15を積層する。積層後の断面図を図5(a)に示す。ここで、n型クラッド層12の厚さは3.0μm、アンドープ活性層13の厚さは0.5μm、p型クラッド層14の厚さは1.0μm、p型電流拡散層15の厚さは3μmである。また、n型クラッド層12、アンドープ活性層13及びp型クラッド層14は、n型GaAs基板11と格子整合するように成長する。なお、アンドープ活性層13は、多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)、単一量子井戸(SQW:Single Quantum Well )又は単層等のいずれの構造を有しても良い。
次に、p型電流拡散層15の上にレジスト(図示せず)が塗布される。続いて、フォトリソグラフィによって当該レジストにパターニングが施される。更に、パターニングされたレジストをマスクとして、p型電流拡散層15にエッチングが施され、メサ部15aが形成される(図5(b))。ここで用いられるエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液であり、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が3.0(ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ素(I2換算):0.1mol/l)、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比が0.3である。また、エッチング温度は50℃、エッチング時間は5分間とした。
上述したように、当該エッチング液はGa0.95In0.05Pにおいてはエッチングが進行するが、(AlzGa1-z0.5In0.5P層(z=0、0.16、0.56、0.7、1.0)においてはエッチングが進行しない。このため、レジストに覆われていないp型電流拡散15の領域(すなわち、露出した領域)ではエッチングが進行し、エッチングによる開口15bがp型クラッド層14とp型電流拡散層15との界面に到達するとエッチングが進行しなくなる。すなわち、エッチングは、p型クラッド層14が露出すると停止することになる。このため、p型クラッド層14及びp型電流拡散層15が不要にエッチングされることがなくなり、その後の製造工程の不具合の解消及び化合物半導体発光素子の発光効率及び歩留まりの向上を図ることができる。
次に、当該レジストの除去、及び化合物半導体層が積層されたn型GaAs基板11であるウエハの洗浄が施される。その後、プラズマCVDにより、二酸化シリコンからなる絶縁層16が形成される。ここで、絶縁層16に高い反射率を備えさせるために、例えば、絶縁層16の層厚を90nmにしても良い。これにより、アンドープ活性層13から出射される光を光取り出し面側に効率よく反射することができ、化合物半導体発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。続いて、絶縁層16の上にレジストが塗布され、フォトリソグラフィにより当該レジストにパターニングが施される。更に、当該パターニングされたレジストをマスクとして、バッファードフッ酸(BHF)を用いたウェットエッチング又はドライエッチングが施され、絶縁層16に開口部16aが形成される(図5(c))。なお、絶縁層16に代えて、Al23等の他の透明な誘電体材料からなる誘電体層を形成しても良い。
次に、スパッタ法を用いて、絶縁層16の上に反射電極層17が形成される(図5(d))。ここで、反射電極層17は、p型電流拡散層15と良好なオーミック接合を形成することができ且つ高い反射率を有する高反射率金属、金属原子の拡散を防止することができるバリアメタル及び接合金属からなる多層構造である。例えば、反射電極層17は、300nmの膜厚を有する高反射率金属であるAuZn、200nmの膜厚を有するバリアメタルであるTiWN、及び50nmの膜厚を有する接合金属であるAuが順次形成された構造を有している。このような構造により、共晶材料が反射電極層17に侵入することによる反射率の低下及び電気的特性の劣化を防止し、アンドープ活性層13から出射される光を光取り出し面側に効率よく反射することができ、化合物半導体発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。なお、バリアメタルは、Ta、Ti若しくはW等の高融点金属又はこれらの窒化物(例えば、TaN)からなる単層膜又は多層膜から構成されていても良い。更に、後述する支持体部との熱圧着工程における濡れ性及び密着性の向上のために、Ni等の金属膜を更に形成しても良い。
その後、窒素雰囲気下において約500℃の熱処理が上述した工程を経たウエハに施される。これにより、絶縁層16の開口部16aにおいて、電流拡散層15と反射電極層17と間の良好なオーミック接合が得られる。以上の工程を経ることによって形成された積層半導体(すなわち、n型GaAs基板11、n型クラッド層12、アンドープ活性層13、p型クラッド層14、p型電流拡散層15、絶縁層16及び反射電極層17からなる積層構造体)を半導体発光部20と称する。
次に、支持基板である導電性基板21と、導電性基板21の表面及び裏面にオーミック金属層22a、22bと、オーミック金属層22aの上に形成された共晶接合層23と、からなる支持体部30が準備される(図5(e))。例えば、導電性基板21はp型不純物が高濃度で添加されたSi基板であり、オーミック金属層22a、22bは200nmの膜厚を有するPtである。また、共晶接合層23は1000nmの膜厚を有するAuSnであり、その組成は、Au:Sn=約80wt%:約20wt%(=約70at%:約30at%)である。
なお、導電性基板21はAl又はCu等の導電性を有し且つ熱伝導率が高い材料であっても良く、オーミック金属層22はSi基板と良好なオーミック接合を形成することができるAu、Ni又はTiであっても良い。また、共晶接合層23はAuSnを主成分としていれば良く、例えばAuSnに添加物が加えられていても良い。更に、導電性基板21の密着信頼性の向上、後述する半導体発光部20との熱圧着工程における濡れ性の向上、及びAuSn層のボールアップを防止する目的で、Ti等の密着層やNi等の接着層をオーミック金属層22aと共晶接合層23との間に適宜挿入しても良い。
次に、半導体発光部20の反射電極層17と支持体部30の共晶接合層23とが対向した状態で密着される。その後、密着した半導体発光部20及び支持体部30が窒素雰囲気下で熱圧着される(図6(a))。熱圧着の条件は、例えば、圧力が約1MPa(メガパスカル)、温度が約330℃、圧着時間が約10分間である。この熱圧着により、共晶接合層23と反射電極層17のAu層とが混ざり合い接合層31が形成され、半導体発光部20と支持体部30との接合が完了する(図6(b))。
次に、アンモニア水と過酸化水素水との混合液を用いたウエットエッチングにより、n型GaAs基板11が除去される。n型GaAs基板11が除去されることにより、n型クラッド層12の表面が露出する。なお、n型GaAs基板11の除去は、ドライエッチング、機械的研削、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)、又はこれの組合せなどによって行われても良い。続いて、n型クラッド層12とオーミック接合をするn側電極32が、n型クラッド層12の露出面上に形成される。例えば、n側電極32は、AuGeNi、AuGe、AuSn又はAuSnNiからなり、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着又はスパッタ法等による成膜と、リフトオフ法とによって所望の形状に形成される。その後、n側電極32に、窒素雰囲気下であって約400℃の状態で熱処理が施される。この熱処理により、n型クラッド層12とn側電極32とが合金化し、良好なオーミック接合が得られる。本工程の終了により、化合物半導体発光素子10が完成する(図6(c))。
なお、化合物半導体発光素子10の光取り出し効率向上のために、n型クラッド層12の露出面に凹凸構造を形成する工程を適宜行っても良い。また、化合物半導体発光素子10の表面保護及び光取り出し効率の向上のために、n型クラッド層12の露出面にSiNx等の薄膜を成膜しても良い。
以上のように、化合物半導体発光素子10の反射面に複数のメサ部15aを形成することにより、アンドープ活性層13から出射される光のうち、光取り出し面とは反対側に向かう光を効率よく反射することができる。これにより、化合物半導体発光素子10の光取り出し効率を向上させることが可能になる。これは、屈折率差により決まる臨界角より大きい角度で入射した光は、半導体層内で全反射を繰り返して減衰し外部に取り出すことが出来ないが、メサ部15aを形成する事により反射する角度を変更し、入射角の大きい光も光取り出し面に導かれることになるからである。
以上のように、本発明のエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなるため、GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングすることができる。
また、本発明のエッチング液は、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してはエッチングが進行しないため、当該エッチング液を用いたエッチング方法においては、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してGaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることができる。
更に、本発明の化合物半導体発光素子の製造方法は、当該エッチング液を用いたエッチング工程を有しているため、(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対してGaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることができ、化合物半導体発光素子の発光効率及び信頼性の向上を図ることができる。
以上の検討からIn比率によりエッチングレートが異なると言える。また、In比率が大きくなることでエッチングレートが減少する傾向を示している。(AlzGa1-zyIn1-yP層(0<y<0.8、0≦z≦1.0)の範囲内ならGaxIn1-xP(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることが可能であると予測される。
実施例1に記載されたエッチング液を用いた他の化合物半導体発光素子の製造方法について、図7を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、成長用基板であるn型GaAs基板41が準備される。n型GaAs基板41の厚さは、約300μmである。続いて、MOCVD法を用いて、n型GaAs基板41の上に、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるn型クラッド層42、組成が(Al0.15Ga0.850.5In0.5Pであるアンドープ活性層43、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるp型クラッド層44、GaPからなるn型電流阻止層45が順次積層される。積層後の断面図を図7(a)に示す。ここで、n型クラッド層42の厚さは1.0μm、アンドープ活性層43の厚さは0.5μm、p型クラッド層44の厚さは1.0μm、n型電流阻止層45の厚さは0.3μmである。また、n型クラッド層42、アンドープ活性層43及びp型クラッド層44は、n型GaAs基板41と格子整合するように成長する。なお、アンドープ活性層43は、MQW、SQW、又は単層等のいずれの構造を有しても良い。
次に、n型電流阻止層45の上にレジスト(図示せず)が塗布される。続いて、フォトリソグラフィによって当該レジストにパターニングが施される。更に、パターニングされたレジストをマスクとして、n型電流阻止層45にエッチングが施される。かかるエッチングにより、n型電流阻止層45は、p型クラッド層44の中央部のみに積層された状態になる(図7(b))。ここで用いられるエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液であり、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が3.0(ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ素(I2換算):0.1mol/l)、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比が0.6である。また、エッチング温度は40℃、エッチング時間は90秒間とした。
実施例1と同様に、当該エッチング液はGaPにおいてはエッチングが進行するが、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)においてはエッチングが進行しない。このため、レジストに覆われていないn型電流阻止層45の領域(すなわち、露出した領域)ではエッチングが進行し、エッチングによる開口がp型クラッド層44とn型電流阻止層45との界面に到達するとエッチングが進行しなくなる。すなわち、エッチングは、p型クラッド層44が露出すると停止することになる。このため、p型クラッド層44及びn型電流阻止層45が不要にエッチングされることがなくなり、その後の製造工程の不具合の解消及び化合物半導体発光素子の発光効率及び歩留まりの向上を図ることができる。
次に、当該レジストの除去、及び化合物半導体層が積層されたn型GaAs基板41であるウエハの洗浄が施される。その後、MOCVD法を用いて、p型クラッド層44及びn型電流阻止層45の上に、GaPからなるp型電流拡散層46が形成される(図7(c))。
次に、p型電流拡散層46の上であって、n型電流阻止層45のほぼ直上に(すなわち、n型電流阻止層45と対向するように)、p側電極47が形成される。また、n型GaAs基板41の裏面全域(すなわち、n型クラッド層42が形成されていない面)にはn側電極48が形成される。例えば、p側電極47は抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着又はスパッタ法等による成膜と、リフトオフ法とによって所望の形状に形成され、n側電極48は抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着又はスパッタ法により形成される。本工程の終了により、化合物半導体発光素子40が完成する(図7(d))。
本実施例における化合物半導体発光素子40においては、p側電極47の直下部分への電流注入が制御されるため、電極による遮蔽が低減され、化合物半導体発光素子40の発光特性を改善する事が可能になる。
実施例1に記載されたエッチング液を用いた他の化合物半導体発光素子の製造方法について、図8を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、成長用基板であるn型GaAs基板51が準備される。n型GaAs基板51の厚さは、約300μmである。続いて、MOCVD法を用いて、n型GaAs基板51の上に、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるn型クラッド層52、組成が(Al0.15Ga0.850.5In0.5Pであるアンドープ活性層53、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるp型クラッド層54、GaPからなるp型電流拡散層55が順次積層される。積層後の断面図を図8(a)に示す。ここで、n型クラッド層52の厚さは1.0μm、アンドープ活性層53の厚さは0.5μm、p型クラッド層54の厚さは1.0μm、p型電流拡散層55の厚さは0.5μmである。また、n型クラッド層52、アンドープ活性層53及びp型クラッド層54は、n型GaAs基板51と格子整合するように成長する。なお、アンドープ活性層53は、MQW、SQW、又は単層等のいずれの構造を有しても良い。
次に、p型電流拡散層55の上にレジスト(図示せず)が塗布される。続いて、フォトリソグラフィによって当該レジストにパターニングが施される。更に、パターニングされたレジストをマスクとして、p型電流拡散層55にエッチングが施される。かかるエッチングにより、p型電流拡散層55の中央部に開口55aが形成される(図8(b))。ここで用いられるエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液であり、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が4.0(ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ素(I2換算):0.075mol/l)、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比が0.3である。また、エッチング温度は40℃、エッチング時間は2分間とした。
実施例1と同様に、当該エッチング液はGaPにおいてはエッチングが進行するが、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)においてはエッチングが進行しない。このため、レジストに覆われていないp型電流拡散層55の領域(すなわち、露出した領域)ではエッチングが進行し、エッチングによる開口55aがp型クラッド層54とp型電流拡散層55との界面に到達するとエッチングが進行しなくなる。すなわち、エッチングは、p型クラッド層54が露出すると停止することになる。このため、p型クラッド層54及びp型電流拡散層55が不要にエッチングされることがなくなり、その後の製造工程の不具合の解消及び化合物半導体発光素子の発光効率及び歩留まりの向上を図ることができる。
次に、当該レジストの除去、及び化合物半導体層が積層されたn型GaAs基板51であるウエハの洗浄が施される。その後、スパッタ法を用いて、p型クラッド層54及びp型電流拡散層55の上に、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)層56が形成される(図8(c))。
次に、ITO層56の上であって、p型電流拡散層55の開口55aのほぼ直上に(すなわち、p型電流拡散層55が形成されていない領域の上部に)、p側電極57が形成される。また、n型GaAs基板51の裏面全域(すなわち、n型クラッド層52が形成されていない面)にはn側電極58が形成される。例えば、p側電極57は抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着又はスパッタ法等による成膜と、リフトオフ法とによって所望の形状に形成され、n側電極58は抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着又はスパッタ法により形成される。本工程の終了により、化合物半導体発光素子50が完成する(図8(d))。
本実施例における化合物半導体発光素子50においては、p型電流拡散層55の表面不純物濃度を高くすることにより、p型電流拡散層55とITO層56との界面における接触抵抗を低くすることができる。一方、p型クラッド層54とITO層56の界面における接触抵抗は高いため、電流はITO層56からp型電流拡散層55を通って流れるようになる。これにより、p側電極57からその直下部に向けて流れる電流が制御されることになり、化合物半導体発光素子50の発光特性を改善することが可能になる。
実施例1に記載されたエッチング液を用いた化合物半導体のエッチング方法及び化合物半導体の評価方法について、図9を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、成長用基板であるn型GaAs基板61が準備される。n型GaAs基板61の厚さは、約300μmである。続いて、MOCVD法を用いて、n型GaAs基板61の上に、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるn型クラッド層62、組成が(Al0.15Ga0.850.5In0.5Pであるアンドープ活性層63、組成が(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pであるp型クラッド層64、GaPからなるp型電流拡散層65が順次積層され、積層半導体が形成される。積層後の断面図を図9(a)に示す。ここで、n型クラッド層62の厚さは1.0μm、アンドープ活性層63の厚さは0.5μm、p型クラッド層64の厚さは1.0μm、p型電流拡散層65の厚さは10μmである。また、n型クラッド層62、アンドープ活性層63及びp型クラッド層64は、n型GaAs基板61と格子整合するように成長する。なお、アンドープ活性層63は、MQW、SQW、又は単層等のいずれの構造を有しても良い。
次に、p型電流拡散層65にエッチングが施され、p型電流拡散層65が除去され、p型クラッド層64の表面64aが露出する(図9(b))。ここで用いられるエッチング液は、ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液であり、ヨウ素に対するヨウ化カリウムのモル比が3.0(ヨウ化カリウム:0.3mol/l、ヨウ素(I2換算):0.1mol/l)、ヨウ化カリウムに対するアンモニアのモル比が0.3である。また、エッチング温度は50℃、エッチング時間は15分間とした。
実施例1と同様に、当該エッチング液はGaPにおいてはエッチングが進行するが、(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)においてはエッチングが進行しない。このため、p型電流拡散層65ではエッチングが進行し、p型クラッド層64の表面64aが露出するとエッチングが進行しなくなる。このため、p型クラッド層64が不要にエッチングされることがない。
その後、p型クラッド層64の表面64a側から、pクラッド層64の不純物濃度を測定し、化合物半導体の評価を行う。かかる測定工程においては、p型半導体の表面64aが露出しているため、p型クラッド層64の不純物濃度を直接測定することができる。これにより、化合物半導体の評価を高精度に行うことができる。
従来においては、p型電流拡散層65のみを除去する手段がなかったため、p型電流拡散層65をエッチングしつつ測定する方法が用いられていたが、その精度は低くかった。また、機械的にp型電流拡散層65を研磨して薄膜化し、その後に測定する方法では、研磨制御が難しくなり、高精度の評価を実現できなかった。
しかしながら、本発明のエッチング方法を用いれば、化合物半導体の評価用のサンプル(p型クラッド層64の表面64aが露出したサンプル)を容易に製造することができ、その後において化合物半導体の評価を高精度に実現することができる。
10 化合物半導体発光素子
11 n型GaAs基板
12 n型クラッド層
13 アンドープ活性層
14 アンドープ活性層
15 p型電流拡散層
16 絶縁層
17 反射電極層
20 半導体発光部
21 導電性基板
22a、22b オーミック金属層
23 共晶接合層
30 支持体部

Claims (6)

  1. GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングするために用いられる化合物半導体のエッチング液であって、
    ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなることを特徴とするエッチング液。
  2. 前記ヨウ素に対する前記ヨウ化カリウムのモル比は、3.0以上5.0以下であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング液。
  3. 前記ヨウ化カリウムに対する前記アンモニアのモル比は、0.1以上0.8以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエッチング液。
  4. ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなるエッチング液を用いて、GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)をエッチングすることを特徴とする化合物半導体のエッチング方法。
  5. 前記エッチング液を用いて、前記GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)を(AlzGa1-zyIn1-yP半導体(0<y<0.8、0≦z≦1.0)の上に積層した積層半導体の前記GaxIn1-xP半導体(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングすることを特徴とする請求項4に記載のエッチング方法。
  6. GaAs基板の上に、前記GaAs基板と格子整合する(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)を形成する工程と、
    前記(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)の上に、GaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を形成する工程と、
    ヨウ素、ヨウ化カリウム及びアンモニアを含む水溶液からなるエッチング液を用いて、前記(AlzGa1-zyIn1-yP層(0.48≦y≦0.52、0≦z≦1.0)に対して前記GaxIn1-xP層(0.9≦x≦1.0)を選択的にエッチングする工程と、を有することを特徴とする化合物半導体発光素子の製造方法。
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