本発明の実施形態に係るコネクタ1は、図3等で示すように、たとえば、相手側コネクタ3に接合(設置)されて使用されるものであり、図1、図2、図4、図5等で示すように、インナハウジング5を備えて構成されている。
インナハウジング5は、お互いの形状(たとえば長さ)が異なる複数のアウタハウジング7(7A,7B)の中から、コネクタ(たとえばメスコネクタ)1が設置される箇所の状況に応じて(たとえば障害物9の有無に応じて)選択された1つのアウタハウジング7に設置(仮設置)されるようになっている(図1、図4等参照)。
さらに説明すると、メスコネクタ1は、インナハウジング5と、お互いの長さが異なる複数のアウタハウジング7(7A,7B)の中から選択された1つのアウタハウジング7とを備えて構成されている。また、メスコネクタ1は、たとえば、インナハウジング5がアウタハウジング7に設置(仮係止;仮設置)されている状態(図1、図4、図11、図12、図16等参照)から、相手側コネクタ(たとえばオスコネクタ)3に設置(本係止;本設置;図13、図14、図19等参照)されるように構成されている。
インナハウジング5には、図9等で示すように、端子(たとえばメス端子)11が設けられており、オスコネクタ3は、図10等で示すように、ハウジング(オスコネクタハウジング)13を備えて構成されており、オスコネクタハウジング13には端子(オス端子)15が設けられている。そして、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合されたとき、オス端子15にメス端子11が接続されるようになっている(図13、図14参照)。
また、オスコネクタ3は、たとえば、燃焼圧センサ素子(図示せず)を一体として有し、エンジンのシリンダヘッド等のコネクタ設置体17(図3、図6参照)に、たとえば螺合することで締結されて設置され使用されるものであり、メスコネクタ1は、コネクタ設置体17に設置されているオスコネクタ3に接合されるようになっている。
また、各アウタハウジング7(7A,7B)は、図7、図8等で示すように、筒状(たとえば円筒状)に形成されており、インナハウジング5は、図1、図4、図11、図12等で示すように、アウタハウジング7の長さにかかわらず、アウタハウジング7の一方の端(下端;オスコネクタ3に接合されたときにオスコネクタが内部に入り込む側の開口部)19から一定の距離だけ離れたところで、アウタハウジング7の内部に設置(仮設置)されるようになっている。
すなわち、インナハウジング5とアウタハウジング7とを備えて構成されたメスコネクタ1がオスコネクタ3に設置されたとき、アウタハウジング7の長手方向(中心軸C1の延伸方向)の一方の端19からのインナハウジング5までの距離は、アウタハウジング7の長さにかかわらず一定になっているが、アウタハウジング7の長手方向の他方の端(上端)21からのインナハウジング5までの距離は、アウタハウジング7の長さに応じて変化する。
インナハウジング5の所定の部位には、図9等で示すように、インナハウジング被係止部23が形成されており、オスコネクタ3(オスコネクタハウジング13)の所定の部位には、図10等で示すように、第1の相手側コネクタ係止部(第1のオスコネクタ係止部)25が形成されており、アウタハウジング7の所定の部位には、図7、図8等で示すように、第1のアウタハウジング被係止部27が形成されている。
そして、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態では、図13、図14、図19等で示すように、インナハウジング5のメス端子11がオスコネクタ3のオス端子15に接続されており、インナハウジング被係止部23と第1のアウタハウジング被係止部27とが第1の相手側コネクタ係止部25に係合している(第1のアウタハウジング被係止部27がインナハウジング被係止部23とともに第1の相手側コネクタ係止部25に係合して係止されている)。
これにより、インナハウジング5とアウタハウジング7とがオスコネクタ3に本係止(本設置)され、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態が維持されるようになっている。メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態では、オスコネクタ3とアウタハウジング7とインナハウジング5とが一体化している。
また、オスコネクタ3(オスコネクタハウジング13)の別の所定の部位には、図10等で示すように、第2の相手側コネクタ係止部(第2のオスコネクタ係止部)29が形成されており、アウタハウジング7の別の所定の部位には、図7、図8等で示すように、第2のアウタハウジング被係止部31が形成されている。
そして、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態では、図13、14等で示すように、第2のアウタハウジング被係止部31が、第2の相手側コネクタ係止部29に係合している(第2のアウタハウジング被係止部31が第2の相手側コネクタ係止部29に係合して係止されている)。これによっても、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態が維持されるように構成されている。
インナハウジング被係止部23は、図9等で示すように、可撓性を備えた(たとえば片持ち梁状の梁部)梁部(弾性アーム;インナハウジング梁部)33と、この梁部33の所定の箇所(たとえば先端部)に設けられた被係止爪(インナハウジング被係止爪)35とを備えて構成されており、第1の相手側コネクタ係止部25は、図10等で示すように、凹部(第1の被係止爪収容部)37で構成されており、第1のアウタハウジング被係止部27は、図7、図8等で示すように、可撓性を備えた(たとえば両持ち梁状の梁部)梁部(弾性アーム;第1のアウタハウジング梁部)39と、この梁部39の所定の箇所(たとえば中間部)に設けられた被係止爪(第1のアウタハウジング被係止爪)41とで構成されている。
オスコネクタ3に設置される前であってインナハウジング5がアウタハウジング7に設置(仮設置)されている接合準備状態では、図16等で示すように、インナハウジング5の被係止爪35がアウタハウジング7の被係止爪41に係合して、インナハウジング5がアウタハウジング7に一体的に仮設置されている。
また、接合準備状態では、メス端子11がオス端子15から離れていてオス端子15に接続されておらず、インナハウジング被係止部23と第1のアウタハウジング被係止部27とが、オスコネクタ3の第1の相手側コネクタ係止部25から離れていて第1の相手側コネクタ係止部25に係合しておらず、第2のアウタハウジング被係止部31が、オスコネクタ3の第2の相手側コネクタ係止部29から離れていて第2の相手側コネクタ係止部29に係合していない。
接合準備状態からインナハウジング5とアウタハウジング7とをオスコネクタ3側に移動することで、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合されるように構成されている(図16〜図19参照)。
詳しく説明すると、接合準備状態からアウタハウジング7をオスコネクタ3側に所定の距離だけ移動することで、インナハウジング5がアウタハウジング7で押されてアウタハウジング7とともにオスコネクタ3に対して相対的に移動し、インナハウジング被係止部23の被係止爪35が第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込む(図18参照)。このとき、メス端子11がオス端子15に接続されてインナハウジング5がオスコネクタ3に当接しているが、第1のアウタハウジング被係止部27の被係止爪41は、第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37から離れていて凹部37に入り込んでいない。
続いて、アウタハウジング7をオスコネクタ3側に所定の距離だけさらに移動することで、アウタハウジング7がオスコネクタ3とインナハウジング5とに対して相対的にさらに移動して、第1のアウタハウジング被係止部27の被係止爪41が、インナハウジング7の被係止爪35のところを通過して(たとえば乗り越えて)第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込み(図19参照)、インナハウジング5とアウタハウジング7とが、オスコネクタ3に係止(本係止)され、メスコネクタ1のオスコネクタ3への接合がなされこの状態が維持されるように構成されている。
また、第2の相手側コネクタ係止部29は、図10等で示すように、凹部(第2の被係止爪収容部)43で構成されており、第2のアウタハウジング被係止部31は、図7、図8等で示すように、可撓性を備えた(たとえば両持ち梁状もしくは片持ち梁状の梁部)梁部(弾性アーム;第2のアウタハウジング梁部)45と、この梁部45の所定の箇所(たとえば先端部)に設けられた被係止爪(第2のアウタハウジング被係止爪)47とで構成されている。
そして、第2のアウタハウジング被係止部31の被係止爪47は、第1のアウタハウジング被係止部27の被係止爪41が第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込むときに(図19(b)参照)、第2の相手側コネクタ係止部29の凹部43に入り込み(図19(a)参照)、これによっても、インナハウジング5とアウタハウジング7とがオスコネクタ3に係止(本係止)され、メスコネクタ1のオスコネクタ3への接合がなされこの状態が維持されるように構成されている。
ここで、オスコネクタ3やメスコネクタ1についてさらに詳しく説明する。説明の便宜のために筒状(たとえば円筒状)に形成されているオスコネクタ3やメスコネクタ1の中心軸C1の延伸方向を上下方向とする。メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態では、オスコネクタ3の中心軸C1とメスコネクタ1の中心軸C1とはお互いが一致している。
また、コネクタ設置体17に設置されたオスコネクタ3は、図3、図6等から理解されるように、コネクタ設置体17の上端から上方に突出しており、メスコネクタ1は、コネクタ設置体17に設置されたオスコネクタ3の上方から下方に移動してオスコネクタ3に接合され、この接合がされた状態で、中心軸C1が上下方向に延伸している。また、図13、図14、図19等で示すように、上下方向で、メスコネクタ1の下側の部位がオスコネクタ3とほぼ同じところに位置しており、メスコネクタ1の上側の部位がオスコネクタ3の上端から上方に突出している。また、長いアウタハウジング7Aでコネクタ1を構成した場合は、短いアウタハウジング7Bでコネクタ1を構成した場合に比べて、オスコネクタ3の上端からの上方への突出長さが長くなっている。
オスコネクタ3は、図10等で示すように、たとえば、絶縁性の合成樹脂で一体成形された筒状のオスコネクタハウジング13を備えて構成されている。オス端子15は、オスコネクタハウジング13の内部の所定の位置で、オスコネクタハウジング13に一体的に設けられている。オスコネクタハウジング13の外周には、第1の相手側コネクタ係止部25を構成する凹部(第1の被係止爪収容部)37と、第2の相手側コネクタ係止部29を構成する凹部(第2の被係止爪収容部)43と、リブ49と、凸部50とが設けられている。凹部(第1の被係止爪収容部)37はたとえば2箇所に設けられており、凹部(第2の被係止爪収容部)43はたとえば1箇所に設けられており、リブ49はたとえば3本設けられており、凸部50は、凹部(第1の被係止爪収容部)37に合わせてたとえば2箇所に設けられている。
オスコネクタ3の中心軸C1の延伸方向(上下方向)から見て、中心軸C1を極座標の原点とし、1つ目の凹部(第1の被係止爪収容部)37と1つ目の凸部50との偏角を0°とすると、凹部(第2の被係止爪収容部)43の偏角は90°になっており、2つ目の凹部(第1の被係止爪収容部)37と2つ目の凸部50との偏角は180°になっており、リブ49の偏角は概ね225°、270°、315°になっている(図10(b)参照)。
中心軸C1の延伸方向(上下方向)では、凸部50は、凹部37に隣接して凹部37の上側に設けられている。
リブ49は、メスコネクタ1をオスコネクタ3に接合するときに、オスコネクタ3に対するメスコネクタ1の偏角を合わせるために使用されるものである。
インナハウジング5も、図9等で示すように、たとえば、絶縁性の合成樹脂で成形されており、円柱状の内側本体部51と円筒状の外側本体部53と円板状の連結部55とインナハウジング被係止部23とを備えて構成されている。内側本体部51には、メス端子11が設けられている。外側本体部53は、上下方向(中心軸C1の延伸方向)では、内側本体部51の中間部で上側に位置しており、内側本体部51の上端に設けられている連結部55を介して内側本体部51と一体化している。また、外側本体部53は、内側本体部51の径方向で、内側本体部51の外側に位置して内側本体部51を囲んでいる。
インナハウジング被係止部23のインナハウジング梁部33は、凹部(第1の被係止爪収容部)37に対応して、一対で設けられている。一対のインナハウジング被係止部23のそれぞれは、筒状の外側本体部53の肉部を延長した態様で設けられている。上下方向(中心軸C1の延伸方向)では、円筒状の外側本体部53の下端から下方に延出しいる。ただし、インナハウジング梁部33の先端(下端)は、内側本体部51の下端よりも上側に位置している。
インナハウジング5の中心軸C1の延伸方向(上下方向)から見て、中心軸C1を極座標の原点とし、1つ目のインナハウジング梁部33の偏角を0°とすると、2つ目のインナハウジング梁部33の偏角は180°になっている。
インナハウジング被係止爪35は、片持ち梁状のインナハウジング梁部33の先端部(下端部)に設けられており、内側(中心軸C1)側に突出している。ただし、インナハウジング被係止爪35は、内側本体部51から離れている。
また、インナハウジング梁部33には、切り欠き57が設けられている。切り欠き57は所定の幅で、インナハウジング梁部33の幅方向中央部に設けられており、上下方向にわたって長く延びている。
これにより、切り欠き57が設けられている部位では、インナハウジング梁部33の肉部と外側本体部53の肉部とが欠損している。また、切り欠き57が一対のインナハウジング梁部33のそれぞれに設けられていることで、1つ目のインナハウジング梁部33は2本存在しているように見えるし、2つ目のインナハウジング梁部33も2本存在しているように見える。
なお、切り欠き57が設けられていても、1つ目のインナハウジング梁部33、2つ目のインナハウジング梁部33は分断されておらず、2本存在しているように見える各インナハウジング梁部33は、この先端部(下端部)で、インナハウジング被係止爪35により連結されている。ただし、インナハウジング被係止爪35の外側の部位は、切り欠き57を延長したような態様で、わずかに内側に凹んでいる。
また、外側本体部53には、切り欠き59が設けられており、切り欠き59が設けられている部位では、外側本体部53の肉部が欠損している。さらに、インナハウジング5の中心軸C1の延伸方向(上下方向)から見て、中心軸C1を極座標の原点とし、1つ目のインナハウジング梁部33の偏角を0°とすると、切り欠き59の偏角は90°になっている。切り欠き59は、インナハウジング5をアウタハウジング7に設置するときに、アウタハウジング7に対するインナハウジング5の偏角を合わせるために使用されるものである。
長いアウタハウジング7Aは、図8等で示すように、絶縁性の合成樹脂で一体成形されて円筒状に形成されている。
アウタハウジング7Aには、第1のアウタハウジング被係止部27と第2のアウタハウジング被係止部31と凸部63と内側リブ65とが設けられている。
第1のアウタハウジング被係止部27の第1のアウタハウジング梁部39は、オスコネクタ3の一対の凹部37やインナハウジング被係止部23の一対のインナハウジング梁部33や一対のインナハウジング被係止爪35に合わせて、一対の第1のアウタハウジング梁部39を備えて構成されている。一対の第1のアウタハウジング梁部39のそれぞれには、第1のアウタハウジング被係止爪41が設けられている。
1つ目のアウタハウジング梁部39は、アウタハウジング7Aの肉部を貫通して上下方向に細長く延びている一対の切り欠き67の間に設けられており、両持ち梁状に形成されている。2つ目のアウタハウジング梁部39も、アウタハウジング7Aの肉部を貫通して上下方向に細長く延びている一対の切り欠き67の間に設けられており、両持ち梁状に形成されている。中心軸C1の延伸方向では、各アウタハウジング梁部39は、アウタハウジング7Aの中間部に設けられている。
また、第1のアウタハウジング被係止爪41は、アウタハウジング梁部39から内側(中心軸C1)に突出しており、中心軸C1の延伸方向では、アウタハウジング梁部39の中間部に設けられている。
第2のアウタハウジング被係止部31の第2のアウタハウジング梁部45は、オスコネクタ3の凹部43に合わせて、1つの第2のアウタハウジング梁部45と、第2のアウタハウジング梁部45に設けられた1つの第2のアウタハウジング被係止爪47とを備えて構成されている。
第2のアウタハウジング梁部45は、アウタハウジング7Aの肉部を貫通して上下方向に細長く延びている一対の切り欠き69の間に設けられており、両持ち梁状に形成されている。中心軸C1の延伸方向では、第2のアウタハウジング梁部45は、アウタハウジング7Aの中間部に設けられている。
第2のアウタハウジング被係止爪47は、アウタハウジング梁部45から内側(中心軸C1)に突出しており、中心軸C1の延伸方向では、アウタハウジング梁部45の中間部に設けられている。
また、アウタハウジング7Aの中心軸C1の延伸方向(上下方向)から見て、中心軸C1を極座標の原点とし、1つ目の第1のアウタハウジング梁部39の偏角を0°とすると、2つ目の第1のアウタハウジング梁部39の偏角は180°になっており、第2のアウタハウジング梁部45の偏角は90°になっている。
長いアウタハウジング7Aの上下方向で、長いアウタハウジング7Aの下端からこの近傍にかけての内部空間56は、図8(a)、(d)、(e)で示すように、正六角柱状になっており、第1のアウタハウジング被係止部27のところおよびこの近傍の内部空間58は、第1のアウタハウジング被係止部27や第2のアウタハウジング被係止部31を無視すれば円柱状になっており、他の内部空間(空間58よりも上側の空間)の箇所62も、円柱状になっている。ただし、内部空間58の直径は、内部空間56の二面幅と等しいか内部空間56の二面幅よりも僅かに小さくなっている。内部空間62の直径は、内部空間58の直径よりも大きくなっている。また、中心軸C1の延伸方向から見ると、正六角形の1つの角部の偏角と、第2のアウタハウジング梁部45(第2のアウタハウジング被係止部31)の偏角とはお互いが一致している(図8(a)参照)。
正六角柱状の内部空間58の複数の角部(たとえば3つの角部)のところには、図8(a)で示すように、溝部60設けられている。これらの溝部60は、上下方向で内部空間58の全長にわたって設けられており、これらの溝部60のそれぞれと、オスコネクタの複数のリブ(図10(b)で示す3つのリブ)49のそれぞれとがお互いに係合するようになっている。そして、メスコネクタ1をオスコネクタ3に接合するときに、オスコネクタ3に対するメスコネクタ1の偏角を合わせることができるようになっている。
また、長いアウタハウジング7Aの内部には、インナハウジング5のストッパを構成する凸部63が設けられている。凸部63は、内部空間56が正六角形状になっていて内部空間58が円柱状になっていることで形成されている。
内側リブ65は、長いインナハウジング7Aの内部空間62内の上側で中心軸C1側に突出しており、上下方向に細長く延びている。長いインナハウジング7Aにインナハウジング5を設置するとき、内側リブ65が、インナハウジング5の外側本体部53の切り欠き59に入り込み、アウタハウジング7Aに対するインナハウジング5の偏角を合わせることができるようになっている。
短いアウタハウジング7Bも長いアウタハウジング7Aと同様に構成されている。ただし、図7等で示すように、短いアウタハウジング7Bは上下方向の寸法が、上端側の部位を短くすることで、アウタハウジング7Aのものよりも短くなっている。また、第2のアウタハウジング被係止部31が片持ち梁状になっている。
ここで、インナハウジング5を長いアウタハウジング7Aに設置する動作(仮設置動作)について説明する。
まず、初期状態では、インナハウジング5がアウタハウジング7Aから離れてアウタハウジング7Aの上側に位置しており、インナハウジング5の中心軸C1とアウタハウジング7Aの中心軸C1とがお互いに一致しており、インナハウジング5が、インナハウジング梁部33が下方(アウタハウジング7A側)に延出している姿勢になっている。
上記初期状態において、インナハウジング5を下方に移動すると、インナハウジング5がアウタハウジング7Aの内部にアウタハウジング7Aの上端21の開口部から入り始める。
インナハウジング5をさらに下方に移動すると、インナハウジング被係止爪35が第1のアウタハウジング被係止爪41に当接し、第1のアウタハウジング梁部39が外側(中心軸C1から離れる側)に押され、第1のアウタハウジング梁部39が外側に弾性変形する。
インナハウジング5のインナハウジング梁部33の先端がアウタハウジング7Aの凸部63に当接するまで、インナハウジング5をさらに下方に移動すると、上記当接により、インナハウジング5はアウタハウジング7Aに対してそれ以上下方には移動できなくなるとともに、インナハウジング被係止爪35が第1のアウタハウジング被係止爪41を越えて第1のアウタハウジング被係止爪41よりも下側に位置し、第1のアウタハウジング梁部39が復元する。これにより、図12、図16で示すように、インナハウジング5の長いアウタハウジング7Aへの仮設置が終了し、メスコネクタ1が得られる。
なお、図16等で示すメスコネクタ1では、第1のアウタハウジング被係止部27の第1のアウタハウジング被係止爪41が、インナハウジング梁部33の上方で切り欠き57内に入り込み、インナハウジング被係止部23のインナハウジング被係止爪35の後方でインナハウジング被係止爪35に当接している。また、アウタハウジング7Aの凸部63がインナハウジング5の外側本体部53に当接している(図16参照)ことで、インナハウジング5がアウタハウジング7Aに固定されている。
次に、メスコネクタ1のオスコネクタ3への設置動作(本設置動作)について説明する。
初期状態(接合準備状態)では、図16で示すように、オスコネクタ3がコネクタ設置体17に設置されており、メスコネクタ1がオスコネクタ3から離れてオスコネクタ3の上側に位置しており、オスコネクタ3の中心軸C1とメスコネクタ1の中心軸C1とがお互いに一致しており、メスコネクタ1のインナハウジング梁部33が下方(オスコネクタ3側)に延出している姿勢になっている。
上記初期状態において、アウタハウジング7Aを下方に押してメスコネクタ1を下方に移動すると、オスコネクタ3がメスコネクタ1(アウタハウジング7A)の内部に入り始める。
アウタハウジング7Aをさらに下方に移動すると、インナハウジング被係止部23のインナハウジング被係止爪35と第1のアウタハウジング被係止部27の第1のアウタハウジング被係止爪41とが、オスコネクタ3の凸部50に当接し、インナハウジング梁部33と第1のアウタハウジング梁部39とが外側(中心軸C1から離れる側)に押され、インナハウジング梁部33と第1のアウタハウジング梁部39とが外側に弾性変形する(図17(b)参照)。
また、第2のアウタハウジング被係止部31の第2のアウタハウジング被係止爪47が、オスコネクタ3に当接し、第2のアウタハウジング梁部45が外側(中心軸C1から離れる側)に押され、第2のアウタハウジング梁部45が外側に弾性変形する(図17(a)参照)。
アウタハウジング7Aをさらに下方に移動すると、インナハウジング5の下端がオスコネクタ3の上端に当接し、端子11,15同士がお互いに接され、インナハウジング梁部33が復元し、インナハウジング被係止爪35がオスコネクタ3の凹部37に入る(図18(b)参照)。この状態では、上記当接によって、インナハウジング5がそれ以上下方に移動することができない。なお、第2のアウタハウジング被係止部31については、第2のアウタハウジング梁部45が外側(中心軸C1から離れる側)に押され続け、第2のアウタハウジング梁部45が外側に弾性変形している(図18(a)参照)。
アウタハウジング7Aをさらに下方に移動すると、アウタハウジング7Aがインナハウジング5とオスコネクタ3とに対してさらに下方に移動し、第1のアウタハウジング被係止部27の第1のアウタハウジング被係止爪41がインナハウジング被係止部23のインナハウジング被係止爪35を外側から乗り越えて、第1のアウタハウジング被係止爪41が凹部37内に入り、第1のアウタハウジング梁部39が復元する(図19(b)参照)。この状態では、インナハウジング被係止爪35と第1のアウタハウジング被係止爪41とが凹部43内に入っている。また、第2のアウタハウジング被係止部31の第2のアウタハウジング被係止爪47が、凹部43内に入り、第2のアウタハウジング梁部45が復元する(図19(a)参照)。この状態では、インナハウジング5とアウタハウジング7Aとがオスコネクタ3に対して移動できない。
以上によって、メスコネクタ1のオスコネクタ3への接合が終了する。
上記動作説明では、長いアウタハウジング7Aへのインナハウジング5の設置動作を例に掲げて説明したが、短いアウタハウジング7Bへのインナハウジング5の設置動作も同様になされる。
また、上述したように、コネクタ設置体17に設置されているオスコネクタ3の近くに障害物9が存在する場合やコネクタ設置体17に設置されているオスコネクタ3が奥深いところに位置している場合には、長いアウタハウジング7Aが使用され、コネクタ設置体17に設置されているオスコネクタ3の近くに障害物が非存在である場合等には、短いアウタハウジング7Bが使用される。
メスコネクタ1によれば、お互いの長さが異なる複数のアウタハウジング7(7A,7B)の中から、設置される箇所の状況に応じて(たとえば障害物9の有無に応じて)選択された1つのアウタハウジングに設置されるインナハウジング5を有するので、搭載(設置)される部位の形態(たとえば障害物9の有無)に応じて形状の異なったコネクタを使い分ける場合においてコネクタを低コストで提供することができる。
すなわち、インナハウジング5とオスコネクタ3とを共通にして、形状(たとえば、長さ)の異なるアウタハウジング7(7A,7B)を使い分けることで、コネクタ(オスコネクタ3、メスコネクタ1)が搭載される部位が変化しても、アウタハウジング7のみの形状(たとえば長さ)を変えるだけでよく、少ない部品点数で低コスト化をはかるこことができる。
また、メスコネクタ1によれば、インナハウジング被係止部23と第1のアウタハウジング被係止部27とが第1の相手側コネクタ係止部25に係合していることで、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態が維持されるように構成されているので、第1の相手側コネクタ係止部25が、インナハウジング被係止部23と第1のアウタハウジング被係止部27との係止に共用されている。これにより、各コネクタ1,3の構成が簡素化される。
また、メスコネクタ1によれば、第2のアウタハウジング被係止部31が、第2の相手側コネクタ係止部29に係合していることで、メスコネクタ1がオスコネクタ3に接合された状態が維持されるように構成されているので、メスコネクタ1のオスコネクタ3への接合状態をより強固に維持することができる。
また、メスコネクタ1によれば、接合準備状態からアウタハウジング7をオスコネクタ3側に移動することで、インナハウジング5がアウタハウジング7で押されてアウタハウジング7とともに移動し、インナハウジング被係止部23の被係止爪35が第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込み、続いて、アウタハウジング7を相手側コネクタ3側にさらに移動することで、アウタハウジング7がオスコネクタ3とインナハウジング5とに対して相対的にさらに移動して、第1のアウタハウジング被係止部27の被係止爪41が、インナハウジング5の被係止爪35のところを乗り越えて第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込み、メスコネクタ1のオスコネクタ3への接合がなされるように構成されている。これにより、端子11,15同士が接続された後も、オスコネクタ3とインナハウジング5とがアウタハウジング7に対して移動するので、メスコネクタ1とオスコネクタ3との嵌合状態(接合状態)が保障される。
また、インナハウジング被係止部23の被係止爪35が第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込みメス端子11がオス端子15に接続されるタイミングに対して、第1のアウタハウジング被係止部27の被係止爪41が、インナハウジング5の被係止爪35のところを通過して第1の相手側コネクタ係止部25の凹部37に入り込むタイミングがずれ、このタイミングのずれによってアウタハウジング7が、オスコネクタ3やインナハウジングに対してさらに移動するので、メスコネクタ1をオスコネクタ3へ接合するのに要する力がたとえば2段階で変化し、メスコネタ1をオスコネクタ3への接合状態を感知しやすくなり、接合状態が保障される。
なお、上記説明では、アウタハウジング7として長いアウタハウジング7Aと短いアウタハウジング7Bとを用いる場合を例に掲げて説明したが、お互いの長さが異なる3本以上の複数本のアウタハウジング7の中から1本のアウタハウジング7を選択するようにしてもよいし、長さだけでなくお互いの形状が異なる複数本のアウタハウジング7の中から1本のアウタハウジング7を選択するようにしてもよい。
さらに、メスコネクタ1では、インナハウジング5がアウタハウジング7内に入り込んでアウタハウジング7に係合しているが、第1のハウジング(アウタハウジング7に相当)に第2のハウジング(インナハウジング5に相当)が別の形態で係合して仮設置されるように構成されていてもよい。
また、オスコネクタ3を用いることなく、コネクタ(メスコネクタ1に相当)をコネクタ設置体17に直接設置する構成になっていてもよい。この場合、たとえば、インナハウジングに相当する第2のハウジングがコネクタ設置体17に直接係合するものとする。