JP2016012097A - 光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及びmemsデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】干渉フィルターの分解能の低下を抑制できる光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及びMEMSデバイスを提供する。【解決手段】光学フィルターデバイス600は、基板(固定基板51及び可動基板52)を有する波長可変干渉フィルター5と、ベース620と、基板及びベース620の間に配置される中間部材640と、基板及び中間部材640を固定する第一固定部材645と、中間部材640及びベース620を固定し、第一固定部材645よりも弾性率が低い第二固定部材646と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及びMEMSデバイスに関する。
従来、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ反射膜を所定のギャップを介して対向配置した干渉フィルターを筐体内に収納した光学フィルターデバイスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の光学フィルターデバイスでは、筐体は、干渉フィルターが固定部材で固定されるベース基板を備えている。干渉フィルターの基板は、ベース基板に対向する対向面の一箇所で、当該ベース基板に対して接着固定されている。
特許文献1に記載の光学フィルターデバイスでは、筐体は、干渉フィルターが固定部材で固定されるベース基板を備えている。干渉フィルターの基板は、ベース基板に対向する対向面の一箇所で、当該ベース基板に対して接着固定されている。
この光学フィルターデバイスでは、例えば接着剤を用いて接着固定した場合でも、基板の対向面の略全面を接着した構成と比べて、接着剤から受ける応力を小さくすることができる。すなわち、基板の対向面の接着面積が小さいほど、硬化時に収縮する接着剤からの引張応力や、基板とベース基板との熱膨張係数差により生じる応力の影響を抑制することができる。
しかしながら、干渉フィルターの基板を一箇所で固定しているため、例えば、光学フィルターデバイスに、干渉フィルターの固有振動数に近い周波数の外乱が加わると、当該干渉フィルターが、固定箇所を中心として振動する場合がある。このような振動が生じると、基板が歪むことにより、反射膜間のギャップの寸法の反射面に沿った面内の均一性が低下するため、干渉フィルターの分解能が低下するという課題がある。
本発明の目的は、干渉フィルターの分解能の低下を抑制できる光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器、及びMEMSデバイスを提供することである。
本発明の一適用例である光学フィルターデバイスは、基板を有する干渉フィルターと、ベース部と、前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、干渉フィルターの基板と中間部材とが、第一固定部材で固定され、中間部材とベース部とが、第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材で固定されている。
ここで、上述のように、基板を一箇所で固定した場合、固定位置を固定端とした基板厚み方向の振動が、基板に生じる場合があり、当該振動による基板の歪みにより干渉フィルターの分解能が低下するおそれがある。例えば、干渉フィルターには、固定端から最も離れた位置(最遠部)を振幅が最大の自由端とする振動(1次モード振動)が生じる場合がある。
また、干渉フィルターから所望波長の光を安定して出射させるためには、一対の反射膜間を一定にする必要があるが、例えば基板のばね性により反射膜が振動する場合がある。この場合、例えば基板のばね定数等に基づいた固有振動数で振動することになる。この際、基板のばね定数等に基づいた反射膜の固有振動数と、1次モード振動の振動数とが近い場合は、共振により反射膜の振動が増大する。
また、このような振動の影響を避けるため、ベース部に対する干渉フィルターの振動が収束して、干渉フィルターの分解能が所望の範囲となるまで待機することも考えられる。しかしながら、この場合、干渉フィルターから所望波長の光を出射させるまでの時間(待機時間)が長くなる。
ここで、上述のように、基板を一箇所で固定した場合、固定位置を固定端とした基板厚み方向の振動が、基板に生じる場合があり、当該振動による基板の歪みにより干渉フィルターの分解能が低下するおそれがある。例えば、干渉フィルターには、固定端から最も離れた位置(最遠部)を振幅が最大の自由端とする振動(1次モード振動)が生じる場合がある。
また、干渉フィルターから所望波長の光を安定して出射させるためには、一対の反射膜間を一定にする必要があるが、例えば基板のばね性により反射膜が振動する場合がある。この場合、例えば基板のばね定数等に基づいた固有振動数で振動することになる。この際、基板のばね定数等に基づいた反射膜の固有振動数と、1次モード振動の振動数とが近い場合は、共振により反射膜の振動が増大する。
また、このような振動の影響を避けるため、ベース部に対する干渉フィルターの振動が収束して、干渉フィルターの分解能が所望の範囲となるまで待機することも考えられる。しかしながら、この場合、干渉フィルターから所望波長の光を出射させるまでの時間(待機時間)が長くなる。
これに対して、本適用例では、干渉フィルターの基板は、第二固定部材よりも弾性率が高い第一固定部材で中間部材に固定されている。この基板が固定された中間部材は、第一固定部材よりも低い弾性率を有する第二固定部材によって、ベース部に固定されている。このような構成では、第一固定部材によって基板と中間部材とをより強固に固定でき、1次モード振動が発生した場合に基板と中間部材とを一体的に振動させることができる。この際、例えば、第二固定部材よりも弾性率が高い第一固定部材によってベース部に直接固定されている従来の構成よりも、1次モード振動の固有振動数を小さくすることができ、反射膜の固有振動数から遠ざけることができる。したがって、上記共振による干渉フィルターの分解能の低下を抑制でき、かつ、待機時間を短縮できる。
また、本適用例では、基板は中間部材を介してベース部に固定されている。したがって、中間部材とベース部との間の広い面積に第二固定部材を設けた場合に、第二固定部材の硬化収縮が発生しても、中間部材により当該硬化収縮による基板への影響を緩和できる。
以上から、本適用例によれば、第一固定部材により干渉フィルターを適切に固定するのに十分な固定力を得ることができ、かつ、中間部材及び第二固定部材により干渉フィルターの振動や、熱膨張係数差による影響を低減して、干渉フィルターにおける分解能の低下を抑制できる。
また、本適用例では、基板は中間部材を介してベース部に固定されている。したがって、中間部材とベース部との間の広い面積に第二固定部材を設けた場合に、第二固定部材の硬化収縮が発生しても、中間部材により当該硬化収縮による基板への影響を緩和できる。
以上から、本適用例によれば、第一固定部材により干渉フィルターを適切に固定するのに十分な固定力を得ることができ、かつ、中間部材及び第二固定部材により干渉フィルターの振動や、熱膨張係数差による影響を低減して、干渉フィルターにおける分解能の低下を抑制できる。
本適用例の光学フィルターデバイスにおいて、前記第一固定部材による固定面積は、前記第二固定部材による固定面積よりも小さいことが好ましい。
本適用例では、第一固定部材による固定面積は、前記第二固定部材による固定面積よりも小さい。このような構成では、基板と中間部材との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、第一固定部材の面積が小さいので、当該熱膨張差の影響を小さくでき、基板の歪みを抑制できる。
本適用例では、第一固定部材による固定面積は、前記第二固定部材による固定面積よりも小さい。このような構成では、基板と中間部材との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、第一固定部材の面積が小さいので、当該熱膨張差の影響を小さくでき、基板の歪みを抑制できる。
本適用例の光学フィルターデバイスにおいて、前記第一固定部材は、前記基板及び前記中間部材を一箇所で固定することが好ましい。
ここで、1つの中間部材と、干渉フィルターの基板とを複数箇所で固定する場合、基板と中間部材との間の熱膨張係数差の影響により、複数の固定箇所間において、圧縮又は引張方向の応力が作用し、当該基板が歪むおそれがある。
これに対して、本適用例では、干渉フィルターの基板は、第一固定部材によって、中間部材に対して一箇所で固定されている。このような構成では、基板と中間部材との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、上記のような圧縮又は引張方向の応力を抑制でき、基板の歪みをより確実に抑制できる。
ここで、1つの中間部材と、干渉フィルターの基板とを複数箇所で固定する場合、基板と中間部材との間の熱膨張係数差の影響により、複数の固定箇所間において、圧縮又は引張方向の応力が作用し、当該基板が歪むおそれがある。
これに対して、本適用例では、干渉フィルターの基板は、第一固定部材によって、中間部材に対して一箇所で固定されている。このような構成では、基板と中間部材との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、上記のような圧縮又は引張方向の応力を抑制でき、基板の歪みをより確実に抑制できる。
本適用例の光学フィルターデバイスにおいて、複数の前記中間部材を備え、前記第一固定部材は、前記複数の前記中間部材のそれぞれに個別に設けられ、前記複数の中間部材のそれぞれと前記基板とを個別に固定することが好ましい。
本適用例では、干渉フィルターの基板と複数の中間部材のそれぞれとが、第一固定部材で個別に固定されている。
ここで、基板を一箇所で固定した場合、干渉フィルターには、上記1次モード振動以外にも、固定端から最も離れた位置(最遠部)と固定位置とを通過する仮想線を軸とした捻じれによる振動(2次モード振動)が生じる場合があり、1次モード振動と同様に干渉フィルターの分解能が低下するおそれがある。
これに対して、本適用例では、基板が、複数箇所で固定されているため、一箇所で固定されている場合と比べて、基板を捻じれ方向に変形しにくくできる。これにより、捻じれ方向の振動である2次モード振動の固有振動数を大きくして、反射膜の固有振動数から遠ざけることができ、2次モード振動との共振による干渉フィルターの分解能の低下を抑制できる。
また、各中間部材が個別に固定されているため、基板と中間部材との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、各中間部材及び当該中間部材をベース部に固定する第二固定部材により、当該熱膨張係数差による応力の影響を緩和でき、基板の歪みを抑制できる。
本適用例では、干渉フィルターの基板と複数の中間部材のそれぞれとが、第一固定部材で個別に固定されている。
ここで、基板を一箇所で固定した場合、干渉フィルターには、上記1次モード振動以外にも、固定端から最も離れた位置(最遠部)と固定位置とを通過する仮想線を軸とした捻じれによる振動(2次モード振動)が生じる場合があり、1次モード振動と同様に干渉フィルターの分解能が低下するおそれがある。
これに対して、本適用例では、基板が、複数箇所で固定されているため、一箇所で固定されている場合と比べて、基板を捻じれ方向に変形しにくくできる。これにより、捻じれ方向の振動である2次モード振動の固有振動数を大きくして、反射膜の固有振動数から遠ざけることができ、2次モード振動との共振による干渉フィルターの分解能の低下を抑制できる。
また、各中間部材が個別に固定されているため、基板と中間部材との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、各中間部材及び当該中間部材をベース部に固定する第二固定部材により、当該熱膨張係数差による応力の影響を緩和でき、基板の歪みを抑制できる。
本適用例の光学フィルターデバイスにおいて、前記干渉フィルターは、互いに対向する一対の反射膜と、前記一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部と、を有し、前記基板は、前記一対の反射膜のいずれか一方が設けられる第一基板と、前記一対の反射膜の他方が設けられる第二基板とを含み、前記ギャップ変更部は、前記第二基板を前記第一基板側に撓ませることで、前記ギャップ寸法を変更することが好ましい。
本適用例では、干渉フィルターは、基板は第一基板及び第二基板を含み、第一基板に一対の反射膜の一方が設けられ、第二基板に一対の反射膜の他方が設けられている。そして、干渉フィルターには、第二基板を第一基板側に撓ませて一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部が設けられている。このような構成の干渉フィルターは、第二基板を撓ませることで反射膜間のギャップの寸法を変更し、当該寸法に応じた波長を選択的に出射させることができる。
ところで、上記のような波長可変型の干渉フィルターは、第二基板のばね力に基づいた固有振動数を有する。また、上記のような波長可変型の干渉フィルターでは、ギャップ変更部の駆動によって、干渉フィルター全体が振動することもある。ここで、このようなギャップ変更部に起因する振動や、外部から光学フィルターデバイスに加わる外乱振動による上記1次モード振動や2次モード振動との共振が発生するおそれがある。
これに対して、本適用例では、上述のように、外乱振動による1次モード振動や2次モード振動の影響を抑制でき、干渉フィルターの共振を抑制できる。
本適用例では、干渉フィルターは、基板は第一基板及び第二基板を含み、第一基板に一対の反射膜の一方が設けられ、第二基板に一対の反射膜の他方が設けられている。そして、干渉フィルターには、第二基板を第一基板側に撓ませて一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部が設けられている。このような構成の干渉フィルターは、第二基板を撓ませることで反射膜間のギャップの寸法を変更し、当該寸法に応じた波長を選択的に出射させることができる。
ところで、上記のような波長可変型の干渉フィルターは、第二基板のばね力に基づいた固有振動数を有する。また、上記のような波長可変型の干渉フィルターでは、ギャップ変更部の駆動によって、干渉フィルター全体が振動することもある。ここで、このようなギャップ変更部に起因する振動や、外部から光学フィルターデバイスに加わる外乱振動による上記1次モード振動や2次モード振動との共振が発生するおそれがある。
これに対して、本適用例では、上述のように、外乱振動による1次モード振動や2次モード振動の影響を抑制でき、干渉フィルターの共振を抑制できる。
本適用例の光学フィルターデバイスにおいて、前記第二基板は、前記反射膜が設けられた可動部、及び前記可動部を前記基板の厚み方向に移動可能に保持する保持部を有し、前記第一固定部材は、前記第一基板と前記中間部材とを固定することが好ましい。
本適用例では、第一固定部材は、可動部及び保持部が設けられていない第一基板と、中間部材とを固定する。このような構成では、可動部及び保持部が設けられた第二基板よりも高強度の第一基板を固定することにより、第一固定部材から第一基板に作用する応力により第一基板が歪むことをより確実に抑制できる。
本適用例では、第一固定部材は、可動部及び保持部が設けられていない第一基板と、中間部材とを固定する。このような構成では、可動部及び保持部が設けられた第二基板よりも高強度の第一基板を固定することにより、第一固定部材から第一基板に作用する応力により第一基板が歪むことをより確実に抑制できる。
本発明の一適用例に係る光学モジュールは、基板を有する干渉フィルターと、ベース部と、前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、前記干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、上記のように、光学フィルターデバイスにおける干渉フィルターの分解能の低下を抑制でき、分解能を維持した状態で光学フィルターデバイスから光を出射させることができる。したがって、光学モジュールにおいて、受光部で高い分解能で、所望波長の光の光量を検出することができる。
本適用例では、上記のように、光学フィルターデバイスにおける干渉フィルターの分解能の低下を抑制でき、分解能を維持した状態で光学フィルターデバイスから光を出射させることができる。したがって、光学モジュールにおいて、受光部で高い分解能で、所望波長の光の光量を検出することができる。
本発明の一適用例に係る電子機器は、基板を有する干渉フィルターと、ベース部と、前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、上記のように、光学フィルターデバイスにおける干渉フィルターの分解能の低下を抑制でき、分解能を維持した状態で光学フィルターデバイスから光を出射させることができる。したがって、光学フィルターデバイスから出力される高い分解能の光に基づいた、高精度な処理を実施可能な電子機器を提供できる。
本適用例では、上記のように、光学フィルターデバイスにおける干渉フィルターの分解能の低下を抑制でき、分解能を維持した状態で光学フィルターデバイスから光を出射させることができる。したがって、光学フィルターデバイスから出力される高い分解能の光に基づいた、高精度な処理を実施可能な電子機器を提供できる。
本発明の一適用例に係るMEMSデバイスは、基板を有するMEMS素子と、ベース部と、前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、上記の光学フィルターデバイスに係る適用例と同様に、第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材を用いて、中間部材をベース部に固定することにより、共振や熱膨張係数差によるMEMS素子の基板の歪みを抑制することができる。また、MEMS素子を適切に固定するのに十分な固定力を得ることができる。
本適用例では、上記の光学フィルターデバイスに係る適用例と同様に、第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材を用いて、中間部材をベース部に固定することにより、共振や熱膨張係数差によるMEMS素子の基板の歪みを抑制することができる。また、MEMS素子を適切に固定するのに十分な固定力を得ることができる。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[光学フィルターデバイスの構成]
図1は、本発明の光学フィルターデバイスの第一実施形態である、光学フィルターデバイス600の概略構成を示す平面図である。図2は、図1のA−A線における断面図である。
光学フィルターデバイス600は、入射した検査対象光から、所定の目的波長の光を取り出して射出させる装置であり、筐体610と、筐体610の内部に収納される波長可変干渉フィルター5を備えている。このような光学フィルターデバイス600は、例えば測色センサー等の光学モジュールや、測色装置やガス分析装置等の電子機器に組み込むことができる。なお、光学フィルターデバイス600を備えた光学モジュールや電子機器の構成については、後に詳述する。
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[光学フィルターデバイスの構成]
図1は、本発明の光学フィルターデバイスの第一実施形態である、光学フィルターデバイス600の概略構成を示す平面図である。図2は、図1のA−A線における断面図である。
光学フィルターデバイス600は、入射した検査対象光から、所定の目的波長の光を取り出して射出させる装置であり、筐体610と、筐体610の内部に収納される波長可変干渉フィルター5を備えている。このような光学フィルターデバイス600は、例えば測色センサー等の光学モジュールや、測色装置やガス分析装置等の電子機器に組み込むことができる。なお、光学フィルターデバイス600を備えた光学モジュールや電子機器の構成については、後に詳述する。
[波長可変干渉フィルターの構成]
図3は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図4は、図3のB−B線で切断した波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図3及び図4に示すように、本発明の第一基板に相当する固定基板51、及び本発明の第二基板に相当する可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば各種ガラスや、水晶等により形成されており、本実施形態では、石英ガラスにより構成されるものとする。そして、これらの基板51,52は、図4に示すように、接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。具体的には、固定基板51の第一接合部513、及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された接合膜53により接合されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51又は可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
図3は、波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す平面図である。図4は、図3のB−B線で切断した波長可変干渉フィルター5の概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図3及び図4に示すように、本発明の第一基板に相当する固定基板51、及び本発明の第二基板に相当する可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば各種ガラスや、水晶等により形成されており、本実施形態では、石英ガラスにより構成されるものとする。そして、これらの基板51,52は、図4に示すように、接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。具体的には、固定基板51の第一接合部513、及び可動基板52の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜等により構成された接合膜53により接合されている。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51又は可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
固定基板51には、図4に示すように、本発明の一対の反射膜の一方を構成する固定反射膜54が設けられている。また、可動基板52には、本発明の一対の反射膜の他方を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54及び可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。
そして、波長可変干渉フィルター5には、反射膜54,55間のギャップG1の距離(ギャップ寸法)を調整するのに用いられる、本発明のギャップ変更部に相当する静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562と、を備え、各電極561,562が対向することにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップを介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップよりも小さく形成される構成を例示するが、例えば波長可変干渉フィルター5により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップよりも大きく形成してもよい。
そして、波長可変干渉フィルター5には、反射膜54,55間のギャップG1の距離(ギャップ寸法)を調整するのに用いられる、本発明のギャップ変更部に相当する静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562と、を備え、各電極561,562が対向することにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップを介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。
なお、本実施形態では、反射膜間ギャップG1が電極間ギャップよりも小さく形成される構成を例示するが、例えば波長可変干渉フィルター5により透過させる波長域によっては、反射膜間ギャップG1を電極間ギャップよりも大きく形成してもよい。
ここで、フィルター平面視において、固定基板51の一辺側(例えば、図3における辺C1´−C2´)は、可動基板52の辺C1−C2よりも外側に突出する。この固定基板51の突出部分は、可動基板52と接合されない固定部515であり、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に露出する面514(以下、固定面514とも称する)は、後述する中間部材640を介してベース620に固定されている(図1参照)。
また、同様に、フィルター平面視において、可動基板52の一辺側(例えば、図3における辺C3−C4)は、固定基板51の辺C3´−C4´よりも外側に突出する。この可動基板52の突出部分は、固定基板51と接合されない電装部525であり、波長可変干渉フィルター5を固定基板51側から見た際に露出する面は、後述する電極パッド564P,565Pが設けられる電装面524となる。
(固定基板の構成)
固定基板51には、図4に示すように、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
固定基板51には、図4に示すように、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51のフィルター中心点Oを中心とした環状に形成されている(図3参照)。この電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。
反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
電極設置面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が設けられている。この固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、図3に示すように、固定電極561の外周縁に接続された固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563は、電極配置溝511から辺C3´−C4´側(電装部525側)に向かって形成された接続電極溝511B(図4参照)に沿って設けられている。この接続電極溝511Bには、可動基板52側に向かって突設されたバンプ565Aが設けられ、固定引出電極563は、バンプ565A上まで延出する。そして、バンプ565A上で可動基板52側に設けられた固定接続電極565に当接し、電気的に接続される。この固定接続電極565は、接続電極溝511Bに対向する領域から電装面524まで延出し、電装面524において固定電極パッド565Pを構成する。
そして、固定基板51には、図3に示すように、固定電極561の外周縁に接続された固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563は、電極配置溝511から辺C3´−C4´側(電装部525側)に向かって形成された接続電極溝511B(図4参照)に沿って設けられている。この接続電極溝511Bには、可動基板52側に向かって突設されたバンプ565Aが設けられ、固定引出電極563は、バンプ565A上まで延出する。そして、バンプ565A上で可動基板52側に設けられた固定接続電極565に当接し、電気的に接続される。この固定接続電極565は、接続電極溝511Bに対向する領域から電装面524まで延出し、電装面524において固定電極パッド565Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、フィルター中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。その他、固定反射膜54上に透明電極を設ける構成や、導電性の固定反射膜54を用い、当該固定反射膜54から固定側電装部に接続電極を形成してもよく、この場合、固定電極561として、接続電極の位置に応じて、一部が切り欠かれた構成などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図4に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO2やSiO2等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
この反射膜設置部512には、図4に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO2やSiO2等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び接続電極溝511Bが形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
(可動基板の構成)
可動基板52は、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
可動基板52は、フィルター中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、を備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成される。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動電極562は、所定の電極間ギャップを介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。この可動電極562は、固定電極561とともに静電アクチュエーター56を構成する。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁に接続された可動接続電極564が設けられている。この可動接続電極564は、可動部521から、固定基板51に設けられた接続電極溝511Bに対向する位置に沿って、電装面524に亘って設けられており、電装面524において、内側端子部に電気的に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
また、可動基板52には、上述したように、固定接続電極565が設けられており、この固定接続電極565は、バンプ565A(図3参照)の形成位置で固定引出電極563に接続されている。
また、可動基板52には、上述したように、固定接続電極565が設けられており、この固定接続電極565は、バンプ565A(図3参照)の形成位置で固定引出電極563に接続されている。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップが反射膜間ギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1の寸法が、電極間ギャップの寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップが反射膜間ギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1の寸法が、電極間ギャップの寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。したがって、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、フィルター中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
可動基板52において、第一接合部513に対向する領域は、第二接合部523となる。この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合される。
[筐体の構成]
筐体610は、図2に示すように、本発明のベース部に相当するベース620と、リッド630と、を備え、内部に波長可変干渉フィルター5を収納する。
ベース620は、セラミック薄層を積層して焼成することで形成されたセラミック基板である。このベース620は、図1及び図2に示すように、リッド630に対向する面に、フィルター平面視において枠状となる側壁部621が設けられている。また、ベース620は、当該側壁部621に囲まれて形成された凹部622を有する。また、側壁部621のリッド630側の面であるリッド接合面621Aにリッド630が接合される。
筐体610は、図2に示すように、本発明のベース部に相当するベース620と、リッド630と、を備え、内部に波長可変干渉フィルター5を収納する。
ベース620は、セラミック薄層を積層して焼成することで形成されたセラミック基板である。このベース620は、図1及び図2に示すように、リッド630に対向する面に、フィルター平面視において枠状となる側壁部621が設けられている。また、ベース620は、当該側壁部621に囲まれて形成された凹部622を有する。また、側壁部621のリッド630側の面であるリッド接合面621Aにリッド630が接合される。
この凹部622の底部622Aには、可動基板52を底部622A側に向けた状態で、波長可変干渉フィルター5が載置される。
波長可変干渉フィルター5は、中間部材640を介して、ベース620に固定されている。具体的には、波長可変干渉フィルター5は、第一固定部材645によって、中間部材640に固定されている。そして、中間部材640は、第二固定部材646によって、ベース620に固定されている。
波長可変干渉フィルター5は、中間部材640を介して、ベース620に固定されている。具体的には、波長可変干渉フィルター5は、第一固定部材645によって、中間部材640に固定されている。そして、中間部材640は、第二固定部材646によって、ベース620に固定されている。
中間部材640は、波長可変干渉フィルター5とベース620との間に配置され、波長可変干渉フィルター5及びベース620の両方に固定されている。
この中間部材640は、図1及び図2に示すように、例えば、直方体状の部材であり、固定面514に対向する第一面641と、第一面641に平行で底部622Aに対向する第二面642と、第一面641及び第二面642に連続する側面のうちの可動基板52に対向する第三面643と、当該側面のうちの第三面643以外の面である第四面644と、を有する。
この中間部材640は、図1及び図2に示すように、例えば、直方体状の部材であり、固定面514に対向する第一面641と、第一面641に平行で底部622Aに対向する第二面642と、第一面641及び第二面642に連続する側面のうちの可動基板52に対向する第三面643と、当該側面のうちの第三面643以外の面である第四面644と、を有する。
中間部材640は、フィルター平面視において少なくとも一部が、固定部515に重なる位置に、辺C1−C2に沿って配置されている。中間部材640の第三面643と、可動基板52の基板厚み方向に沿った面である基板側面52Aとの間には、所定のクリアランスが形成されており、例えば、波長可変干渉フィルター5が振動した場合であっても、可動基板52及び中間部材640が干渉することを抑制している。
この中間部材640は、各固定部材645,646からの応力により変形しない程度の高い剛性を有する材料(例えばセラミック、ガラス等)で形成されていることが好ましい。これにより、固定部材645,646からの応力が作用しても中間部材640の変形を抑制できる。また、このような構成では、中間部材640が、ベース620との間で熱膨張係数が異なる場合でも、当該熱膨張係数差による中間部材640の変形を抑制することができる。なお、中間部材640として、固定基板51と同一の素材(例えば石英ガラス)を用いる構成とすると、固定基板51及び中間部材640の熱膨張係数の差を小さくできる。この場合、第一固定部材645の硬化収縮量による影響を低減でき、固定基板51の歪みを低減できる。
第一固定部材645は、図1に示すように、フィルター平面視において、固定基板51の固定面514の頂点C1´近傍に設けられている。この第一固定部材645は、固定面514と、中間部材640の第一面641とに接触し、固定基板51及び中間部材640を、頂点C1´近傍の一箇所で固定する。
この第一固定部材645は、第二固定部材646よりも高い弾性率を有する。第一固定部材645の形成材料としては、例えば、剛性が1GPa以上の、ポリイミド系の接着剤である。
この第一固定部材645は、第二固定部材646よりも高い弾性率を有する。第一固定部材645の形成材料としては、例えば、剛性が1GPa以上の、ポリイミド系の接着剤である。
第二固定部材646は、図1及び図2に示すように、中間部材640の第二面642と底部622Aとに接触し、かつ、第四面644と側壁部621の内面621Bとに接触し、中間部材640及びベース620を固定する。
第二固定部材646は、第一固定部材645よりも低い弾性率を有する(例えば、弾性率が、第一固定部材645の100分の1以下)。第二固定部材646の形成材料としては、例えば、シリコーン系の接着剤である。
第二固定部材646は、第一固定部材645よりも低い弾性率を有する(例えば、弾性率が、第一固定部材645の100分の1以下)。第二固定部材646の形成材料としては、例えば、シリコーン系の接着剤である。
この第二固定部材646による固定面積は、第一固定部材645による固定面積よりも大きくなっている。具体的には、本実施形態では、第一固定部材645が、頂点C1´近傍の一箇所で波長可変干渉フィルター5を中間部材640に固定している。これに対して、第二固定部材646が、中間部材640の第二面642及び第四面644の略全面に接触し、中間部材640をベース620に固定している。これにより、第一固定部材645よりも弾性率が低い第二固定部材646を用いて、ベース620に対して、波長可変干渉フィルター5が固定された中間部材640を固定する際に、第二固定部材646による固定面積を大きくすることで、当該中間部材640を固定するのに十分な固定力を得ることができる。
凹部622の底部622Aには、波長可変干渉フィルター5から出射された光(又は波長可変干渉フィルターに入射される光)を通過させるための光通過孔628が設けられている。光通過孔628には、例えば低融点ガラス等の接合剤により、例えばガラス板等の透光性部材629が接合されている。
また、凹部622の底部622Aには、筐体610外部に貫通する封止孔622Bが設けられている。この封止孔622Bは、光学フィルターデバイス600の製造時において、例えば筐体610内部の気体を吸引したり、不活性ガスに置換するための孔部であり、筐体610の内部を真空又は減圧した状態で、例えばPt等の封止部材622C(図2参照)により金属封止することができる。
さらに、凹部622の底部622Aには、波長可変干渉フィルターの電極パッド564P,565Pに接続される内部端子622D(図1参照)が設けられている。この内部端子622Dの形成部分には、例えば筐体610の外部に貫通する貫通孔(図示略)が設けられ、当該貫通孔には内部端子622Dと電気的に接続される例えばAg等の金属部材が充填されている。この金属部材は、ベース620の外部に設けられた外部端子(図示略)に接続されており、これにより、内部端子622Dと外部端子とが電気接続されている。
リッド630は、フィルター平面視において、ベース620と同様の矩形状の外形を有し、光を透過可能なガラスによって形成されている。このリッド630は、ベース620に波長可変干渉フィルター5が配置された状態で、リッド接合面621Aに接合される。
[光学フィルターデバイスの製造方法]
まず、第一固定部材645を、波長可変干渉フィルター5と中間部材640との間に塗布する。そして、第一固定部材645を硬化させる。
次に、第二固定部材646を底部622Aに塗布し、波長可変干渉フィルター5を位置合わせしながら、底部622Aに配置する。この後、第二固定部材646を硬化させる。これにより、中間部材640を介して、波長可変干渉フィルター5をベース620に対して位置決め固定できる。
まず、第一固定部材645を、波長可変干渉フィルター5と中間部材640との間に塗布する。そして、第一固定部材645を硬化させる。
次に、第二固定部材646を底部622Aに塗布し、波長可変干渉フィルター5を位置合わせしながら、底部622Aに配置する。この後、第二固定部材646を硬化させる。これにより、中間部材640を介して、波長可変干渉フィルター5をベース620に対して位置決め固定できる。
このように、各固定部材による固定の工程を、固定に用いる固定部材の弾性率が高い順に実施する。通常、接着剤等の固定部材は熱負荷が大きいほど硬化し、弾性率が増大する。したがって、弾性率が高い第一固定部材645による固定工程を、弾性率が低い第二固定部材646による固定工程よりも先に実施する。これにより、第二固定部材646への熱負荷の増大を抑制でき、第二固定部材646の剛性が所望の値よりも大きくなることを抑制できる。
この後、波長可変干渉フィルター5の各電極パッド564P,565Pと、内部端子622Dとをワイヤボンディング等により電気的に接続する。
そして、ベース620及びリッド630を、例えば低融点ガラス等を用いて接合する。
この後、封止孔622Bから筐体610内部の気体を吸引し、筐体内部空間を真空又は減圧状態とする。そして、その状態を維持したまま、例えばAu等の封止部材622Cを封止孔622Bに挿通し、溶融させて封止孔622Bを閉塞する。
以上により、本実施形態の光学フィルターデバイス600が製造される。
そして、ベース620及びリッド630を、例えば低融点ガラス等を用いて接合する。
この後、封止孔622Bから筐体610内部の気体を吸引し、筐体内部空間を真空又は減圧状態とする。そして、その状態を維持したまま、例えばAu等の封止部材622Cを封止孔622Bに挿通し、溶融させて封止孔622Bを閉塞する。
以上により、本実施形態の光学フィルターデバイス600が製造される。
[波長可変干渉フィルターの振動と固定状態との関係]
以下、波長可変干渉フィルター5に生じる振動と、固定状態との関係について説明する。
図5は、固定基板51の角部の一箇所を固定された波長可変干渉フィルター5における1次モード振動における振動状態を模式的に示す図である。なお、図5では、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た状態を示している。
頂点C1´側の一箇所で固定された波長可変干渉フィルター5では、図5に示すように1次モード振動による振動が生じる場合がある。すなわち、波長可変干渉フィルター5には、頂点C1´が固定端となり、当該頂点C1´の対角である頂点C3が自由端となる基板厚み方向の振動である1次モード振動が生じる場合がある。1次モード振動では、図5に示すように、固定端である頂点C1´から頂点C3側に向かうにしたがって振幅が大きくなる。
以下、波長可変干渉フィルター5に生じる振動と、固定状態との関係について説明する。
図5は、固定基板51の角部の一箇所を固定された波長可変干渉フィルター5における1次モード振動における振動状態を模式的に示す図である。なお、図5では、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た状態を示している。
頂点C1´側の一箇所で固定された波長可変干渉フィルター5では、図5に示すように1次モード振動による振動が生じる場合がある。すなわち、波長可変干渉フィルター5には、頂点C1´が固定端となり、当該頂点C1´の対角である頂点C3が自由端となる基板厚み方向の振動である1次モード振動が生じる場合がある。1次モード振動では、図5に示すように、固定端である頂点C1´から頂点C3側に向かうにしたがって振幅が大きくなる。
上述のように1次モード振動が生じると、各反射膜54,55が歪み、反射膜間のギャップG1の寸法の面内均一性が低下し、波長可変干渉フィルター5の分解能が低下するおそれがある。また、1次モードの固有振動数(1次振動数)と、波長可変干渉フィルター5の反射膜振動における固有振動数(以下、ミラー振動数とも称する)が近い場合、共振により、ギャップG1の寸法が変動するおそれがある。なお、ミラー振動数は、可動部521の質量や、保持部522のばね係数等の主に可動基板52の構成に応じた値である。
これに対して、本実施形態では、波長可変干渉フィルター5は、第一固定部材645によって中間部材640に強固に固定されている。そして、この中間部材640は、第一固定部材645よりも弾性率が低く比較的に軟弱な第二固定部材646によって、ベース620に固定されている。このような構成では、波長可変干渉フィルター5がベース620に強固に固定されている場合とは異なり、波長可変干渉フィルター5及び中間部材640が振動方向に回転可能となるため、1次振動数が小さくなり、ミラー振動数から遠ざけることができる。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5は、固定基板51と中間部材とが第一固定部材645で固定され、中間部材640とベース620とが、第一固定部材645よりも弾性率が低い第二固定部材646で固定されている。
このような構成では、第一固定部材645によって固定基板51と中間部材640とをより強固に固定でき、1次モード振動が発生した場合に固定基板51と中間部材640とを一体的に振動させることができる。この際、例えば、波長可変干渉フィルター5が、第二固定部材646よりも弾性率が高い第一固定部材645によってベース620に対して、直接、一箇所で固定された従来の構成よりも、1次振動数を小さくすることができ、ミラー振動数から遠ざけることができる。したがって、1次モード振動との共振による波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を抑制できる。また、この1次モード振動との共振を抑制することができるため、発生した1次モード振動が収束して、波長可変干渉フィルター5の分解能が所望範囲となるまでの待機時間を短縮できる。
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5は、固定基板51と中間部材とが第一固定部材645で固定され、中間部材640とベース620とが、第一固定部材645よりも弾性率が低い第二固定部材646で固定されている。
このような構成では、第一固定部材645によって固定基板51と中間部材640とをより強固に固定でき、1次モード振動が発生した場合に固定基板51と中間部材640とを一体的に振動させることができる。この際、例えば、波長可変干渉フィルター5が、第二固定部材646よりも弾性率が高い第一固定部材645によってベース620に対して、直接、一箇所で固定された従来の構成よりも、1次振動数を小さくすることができ、ミラー振動数から遠ざけることができる。したがって、1次モード振動との共振による波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を抑制できる。また、この1次モード振動との共振を抑制することができるため、発生した1次モード振動が収束して、波長可変干渉フィルター5の分解能が所望範囲となるまでの待機時間を短縮できる。
また、弾性率が低い第二固定部材646による固定面積を大きくして、波長可変干渉フィルター5を安定的に固定するのに必要な固定力を得ることができる。このような場合でも、固定基板51は中間部材640を介してベース620に固定されているため、固定基板51とベース620との熱膨張係数の差により、膨張量(又は収縮量)に差が生じたり、第二固定部材646が収縮したとしても、中間部材640によって応力を緩和でき、当該応力が波長可変干渉フィルター5に作用することを抑制できる。
以上から、本実施形態によれば、中間部材640及び第二固定部材646により、波長可変干渉フィルター5の振動や、熱膨張係数差による影響を低減して、波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を抑制できる。
以上から、本実施形態によれば、中間部材640及び第二固定部材646により、波長可変干渉フィルター5の振動や、熱膨張係数差による影響を低減して、波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を抑制できる。
本実施形態では、第一固定部材645は、第二固定部材646に対して弾性率が高く、固定面積が小さくなっている。このような構成では、固定基板51と中間部材640との間の熱膨張係数差が存在する場合でも、第一固定部材645の面積が小さいので、当該熱膨張差の影響を小さくでき、固定基板51の歪みを抑制できる。
また、本実施形態では、固定基板51は、第一固定部材645によって、中間部材640に対して一箇所で固定されている。このような構成では、固定基板51が、中間部材640に対して複数箇所で固定されている構成と比べて、複数の固定箇所間で圧縮又は引張方向の応力が作用することがない。したがって、固定基板51と中間部材640との間の熱膨張係数差による影響で固定基板51が歪むことをより確実に抑制できる。
また、本実施形態では、固定基板51は、第一固定部材645によって、中間部材640に対して一箇所で固定されている。このような構成では、固定基板51が、中間部材640に対して複数箇所で固定されている構成と比べて、複数の固定箇所間で圧縮又は引張方向の応力が作用することがない。したがって、固定基板51と中間部材640との間の熱膨張係数差による影響で固定基板51が歪むことをより確実に抑制できる。
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5は、一対の基板51,52を備えている。この可動基板52では、可動反射膜55が形成された可動部521が、保持部522によって移動可能に保持されている。
このような波長可変干渉フィルター5が外乱等により振動した(例えば1次モード振動が生じた)場合、可動部521は、波長可変干渉フィルター5と一体的に振動せずに、波長可変干渉フィルター5の振動に遅延し、追随するように振動する場合がある。このような波長可変干渉フィルター5では、可動部521及び保持部522を備えない干渉フィルターと比べて、当該振動に応じて反射膜間のギャップG1の寸法が変動しやすく、分解能が低下しやすい。
また、静電アクチュエーター56によって、可動部521を移動させた際に、その反動により波長可変干渉フィルター5に振動が発生する場合がある。そして、波長可変干渉フィルター5が振動すると、上述のように分解能が低下することになる。
これに対して、本実施形態では、上述のように波長可変干渉フィルター5の振動や共振を抑制できる。したがって、波長可変干渉フィルター5の振動に応じた可動部521の変動による分解能の低下を抑制できる。また、静電アクチュエーター56による可動部521の移動に応じて波長可変干渉フィルター5が共振することを抑制でき、当該共振による分解能の低下を抑制できる。
このような波長可変干渉フィルター5が外乱等により振動した(例えば1次モード振動が生じた)場合、可動部521は、波長可変干渉フィルター5と一体的に振動せずに、波長可変干渉フィルター5の振動に遅延し、追随するように振動する場合がある。このような波長可変干渉フィルター5では、可動部521及び保持部522を備えない干渉フィルターと比べて、当該振動に応じて反射膜間のギャップG1の寸法が変動しやすく、分解能が低下しやすい。
また、静電アクチュエーター56によって、可動部521を移動させた際に、その反動により波長可変干渉フィルター5に振動が発生する場合がある。そして、波長可変干渉フィルター5が振動すると、上述のように分解能が低下することになる。
これに対して、本実施形態では、上述のように波長可変干渉フィルター5の振動や共振を抑制できる。したがって、波長可変干渉フィルター5の振動に応じた可動部521の変動による分解能の低下を抑制できる。また、静電アクチュエーター56による可動部521の移動に応じて波長可変干渉フィルター5が共振することを抑制でき、当該共振による分解能の低下を抑制できる。
本実施形態では、第一固定部材645は、可動部521及び保持部522が設けられていない固定基板51と中間部材640とを固定する。このような構成では、可動部521及び保持部522が設けられた可動基板52よりも高強度の固定基板51を固定することにより、各基板51,52の歪みをより確実に抑制できる。
本実施形態では、第一固定部材645は、矩形状の固定基板51の角部(図示例では、頂点C1´)の近傍に設けられている。このような構成では、1次モード振動の固定端と自由端との距離をより長くすることができる(図5に示す例では、自由端を頂点C3、固定端を頂点C1´としている)したがって、1次振動数を小さくすることができ、ミラー振動数から遠ざけることができる。
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5が、可動基板52をベース620側に向けて配置され、固定基板51の固定部515とベース620との間には、可動基板52の厚み寸法程度の空間が形成されている。そして、中間部材640が、固定部515とベース620との間の上記空間に配置されている。このような構成では、中間部材640を配置するためのスペースを別途確保する必要がないので、光学フィルターデバイス600の大型化を抑制できる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
第一実施形態では、1次モード振動の1次振動数が発生する場合について説明したが、波長可変干渉フィルター5を一箇所で固定した場合、固定位置を通過する仮想線を軸とした捻じれによる振動である2次モード振動が生じる場合がある。第二実施形態の光学フィルターデバイスでは、影響を無視できない程度の2次モード振動が発生した場合でも、当該2次モード振動による分解能の低下を抑制できる。
なお、第一実施形態では、波長可変干渉フィルター5が、中間部材640に第一固定部材645によって一箇所で固定されている。これに対して、第二実施形態では、中間部材及び第一固定部材をそれぞれ二つ備え、波長可変干渉フィルター5が二箇所で固定されている。なお、以下の説明では、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
次に、本発明に係る第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
第一実施形態では、1次モード振動の1次振動数が発生する場合について説明したが、波長可変干渉フィルター5を一箇所で固定した場合、固定位置を通過する仮想線を軸とした捻じれによる振動である2次モード振動が生じる場合がある。第二実施形態の光学フィルターデバイスでは、影響を無視できない程度の2次モード振動が発生した場合でも、当該2次モード振動による分解能の低下を抑制できる。
なお、第一実施形態では、波長可変干渉フィルター5が、中間部材640に第一固定部材645によって一箇所で固定されている。これに対して、第二実施形態では、中間部材及び第一固定部材をそれぞれ二つ備え、波長可変干渉フィルター5が二箇所で固定されている。なお、以下の説明では、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図6は、本発明の光学フィルターデバイスの第二実施形態である、光学フィルターデバイス600Aの概略構成を示す平面図である。
図6に示すように、光学フィルターデバイス600Aは、筐体610Aと、筐体610Aの内部に収納された波長可変干渉フィルター5と、を備えている。
この波長可変干渉フィルター5は、2つの中間部材640A,640Bを介してベース620に固定されている。具体的には、波長可変干渉フィルター5は、中間部材640Aに設けられた第一固定部材645、及び中間部材640Bに設けられた第一固定部材645によって、当該中間部材640A,640Bに固定されている。
図6に示すように、光学フィルターデバイス600Aは、筐体610Aと、筐体610Aの内部に収納された波長可変干渉フィルター5と、を備えている。
この波長可変干渉フィルター5は、2つの中間部材640A,640Bを介してベース620に固定されている。具体的には、波長可変干渉フィルター5は、中間部材640Aに設けられた第一固定部材645、及び中間部材640Bに設けられた第一固定部材645によって、当該中間部材640A,640Bに固定されている。
中間部材640Aは、第一実施形態の中間部材640と比べて、辺C1−C2に沿う方向の寸法が半分程度である点を除き、略同様に構成されている。中間部材640Aは、固定面514側に第一面641Aを、底部622A側に第二面を、可動基板52側に第三面643Aを向け、辺C1−C2に沿って配置されている。この中間部材640Aは、フィルター平面視において、固定部515の頂点C1´から、辺C1´−C2´の中点付近に亘って固定部515と重なっている。
中間部材640Bも、中間部材640Aと略同様に構成され、固定面514側に第一面641Bを、底部622A側に第二面を、可動基板52側に第三面643Bを向け、辺C1−C2に沿って配置されている。また中間部材640Bは、フィルター平面視において、固定部515の頂点C2´から、辺C1´−C2´の中点付近に亘って固定部515と重なっている。
本実施形態では、第一固定部材645が、フィルター平面視において、頂点C1´及び頂点C2´の近傍の二箇所に設けられ、固定基板51と、各中間部材640A,640Bのそれぞれとを個別に固定している。
また、第二固定部材646は、図1及び図2に示すように、各中間部材640A,640Bのそれぞれに個別に設けられ、ベース620と、各中間部材640A,640Bとをそれぞれ固定する。
また、第二固定部材646は、図1及び図2に示すように、各中間部材640A,640Bのそれぞれに個別に設けられ、ベース620と、各中間部材640A,640Bとをそれぞれ固定する。
[波長可変干渉フィルターの振動と固定状態との関係]
以下、波長可変干渉フィルター5に生じる振動と、固定状態との関係について説明する。
図7は、固定基板51の角部の一箇所を固定された波長可変干渉フィルター5における2次モード振動における振動状態を模式的に示す図である。なお、図7では、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た状態を示している。
頂点C1´側の一箇所で固定された波長可変干渉フィルター5では、上述の1次モード振動(図5参照)の他、図7に示すように、仮想線Vを軸とし、頂点C1´を固定端とした捻じれによる振動である2次モード振動が生じる場合がある。2次モード振動では、各基板51,52の厚み方向に直交する面に沿って、仮想線Vから離れるにしたがって振幅が大きくなる。
以下、波長可変干渉フィルター5に生じる振動と、固定状態との関係について説明する。
図7は、固定基板51の角部の一箇所を固定された波長可変干渉フィルター5における2次モード振動における振動状態を模式的に示す図である。なお、図7では、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た状態を示している。
頂点C1´側の一箇所で固定された波長可変干渉フィルター5では、上述の1次モード振動(図5参照)の他、図7に示すように、仮想線Vを軸とし、頂点C1´を固定端とした捻じれによる振動である2次モード振動が生じる場合がある。2次モード振動では、各基板51,52の厚み方向に直交する面に沿って、仮想線Vから離れるにしたがって振幅が大きくなる。
本実施形態では、固定基板51を複数の第一固定部材645によって、複数箇所で固定することにより、2次モード振動による共振を抑制できる。すなわち、本実施形態では、固定基板51が、複数箇所で固定することにより、一箇所で固定する場合と比べて、固定基板51を捻じれ方向に変形しにくくできる。これにより、捻じれ方向の振動である2次振動数を大きくして、ミラー振動数から遠ざけることができる。また、捻じれにくくすることができるので、2次モード振動の発生も抑制できる。
図8は、ベース620に対して、固定基板51の角部の一箇所で波長可変干渉フィルター5が固定された光学フィルターデバイスにおける、反射膜間のギャップG1の寸法の周波数応答特性を示すグラフである。
また、図9は、他の比較例としての、ベース620に対して、固定基板51の2つの角部(例えば、頂点C1´及び頂点C2´を含む角部)で波長可変干渉フィルター5が固定された光学フィルターデバイスにおける、反射膜間のギャップG1の寸法の周波数応答特性を示すグラフである。
なお、図8及び図9に示す例では、反射膜54,55間の静電容量を検出することで、反射膜間のギャップG1の寸法の周波数応答特性を測定している。
また、図9は、他の比較例としての、ベース620に対して、固定基板51の2つの角部(例えば、頂点C1´及び頂点C2´を含む角部)で波長可変干渉フィルター5が固定された光学フィルターデバイスにおける、反射膜間のギャップG1の寸法の周波数応答特性を示すグラフである。
なお、図8及び図9に示す例では、反射膜54,55間の静電容量を検出することで、反射膜間のギャップG1の寸法の周波数応答特性を測定している。
図8及び図9に示す例において、波長可変干渉フィルター5は、低周波数側から、fm、f2及びf3に、波長可変干渉フィルター5の振動に由来するピークを有する。
周波数f2は、2次モード振動の固有振動数に相当する2次振動数f2である。また周波数f3は、3次モード振動の固有振動数に相当する3次振動数f3である。また、周波数fmは、ミラー振動数fmに相当する。
なお、3次モード振動は、上記仮想線Vを節とし、仮想線Vから離れるにしたがって振幅が大きくなる屈曲振動である。
周波数f2は、2次モード振動の固有振動数に相当する2次振動数f2である。また周波数f3は、3次モード振動の固有振動数に相当する3次振動数f3である。また、周波数fmは、ミラー振動数fmに相当する。
なお、3次モード振動は、上記仮想線Vを節とし、仮想線Vから離れるにしたがって振幅が大きくなる屈曲振動である。
図8に示すような波長可変干渉フィルター5が1つの角部で固定されている場合と比べて、図9に示すような波長可変干渉フィルター5が2つの角部で固定されている場合では、2次振動数f2、3次振動数f3、及び他の高次モード振動に係る振動数が、いずれも大きくなっており、ミラー振動数fmから遠ざかっている。このように、波長可変干渉フィルター5を複数箇所で固定することで、2次振動数f2を大きくすることができる。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5と各中間部材640A,640Bのそれぞれとが、第一固定部材645で個別に固定されている。
ここで、波長可変干渉フィルター5を一箇所で固定した場合、波長可変干渉フィルター5には、上記1次モード振動以外にも、2次モード振動が生じる場合があり、1次モード振動と同様に干渉フィルターの分解能が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、波長可変干渉フィルター5の固定基板51が、複数箇所(具体的には2箇所)で固定されているため、一箇所で固定されている場合と比べて、上述のように2次振動数f2を大きくすることができ、ミラー振動数fmから遠ざけることができる。したがって、2次モード振動との共振による波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を抑制できる。
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5と各中間部材640A,640Bのそれぞれとが、第一固定部材645で個別に固定されている。
ここで、波長可変干渉フィルター5を一箇所で固定した場合、波長可変干渉フィルター5には、上記1次モード振動以外にも、2次モード振動が生じる場合があり、1次モード振動と同様に干渉フィルターの分解能が低下するおそれがある。
これに対して、本実施形態では、波長可変干渉フィルター5の固定基板51が、複数箇所(具体的には2箇所)で固定されているため、一箇所で固定されている場合と比べて、上述のように2次振動数f2を大きくすることができ、ミラー振動数fmから遠ざけることができる。したがって、2次モード振動との共振による波長可変干渉フィルター5の分解能の低下を抑制できる。
本実施形態では、各中間部材640A,640Bが個別に固定されているため、固定基板51と中間部材640A,640Bとの間の熱膨張係数差が存在する場合でも、各中間部材640A,640B及び当該各中間部材640A,640Bをベース620に固定する第二固定部材646により、当該熱膨張係数差による応力の影響を緩和でき、固定基板51の歪みを抑制できる。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
第三実施形態では、上記第一実施形態の光学フィルターデバイス600が組み込まれた光学モジュールである測色センサー3、及び光学フィルターデバイス600が組み込まれた電子機器である測色装置1を説明する。なお、本実施形態では、一例として、第一実施形態の光学フィルターデバイス600を用いる構成を例示するが、これに限定されず、第二実施形態の光学フィルターデバイス600Aを用いる構成を採用してもよい。
次に、本発明に係る第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
第三実施形態では、上記第一実施形態の光学フィルターデバイス600が組み込まれた光学モジュールである測色センサー3、及び光学フィルターデバイス600が組み込まれた電子機器である測色装置1を説明する。なお、本実施形態では、一例として、第一実施形態の光学フィルターデバイス600を用いる構成を例示するが、これに限定されず、第二実施形態の光学フィルターデバイス600Aを用いる構成を採用してもよい。
[測色装置の概略構成]
図10は、測色装置1の概略構成を示すブロック図である。
測色装置1は、本発明の電子機器である。この測色装置1は、図10に示すように、検査対象Xに光を射出する光源装置2と、測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4と、を備える。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出され検査対象Xにて反射された検査対象光を測色センサー3にて受光する。そして、測色装置1は、受光した測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Xの色を分析して測定する装置である。
図10は、測色装置1の概略構成を示すブロック図である。
測色装置1は、本発明の電子機器である。この測色装置1は、図10に示すように、検査対象Xに光を射出する光源装置2と、測色センサー3と、測色装置1の全体動作を制御する制御装置4と、を備える。そして、この測色装置1は、光源装置2から射出され検査対象Xにて反射された検査対象光を測色センサー3にて受光する。そして、測色装置1は、受光した測色センサー3から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち検査対象Xの色を分析して測定する装置である。
[光源装置の構成]
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図10には1つのみ記載)を備え、検査対象Xに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Xに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば検査対象Xが液晶パネル等の発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
光源装置2は、光源21、複数のレンズ22(図10には1つのみ記載)を備え、検査対象Xに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ22には、コリメーターレンズが含まれてもよく、この場合、光源装置2は、光源21から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから検査対象Xに向かって射出する。なお、本実施形態では、光源装置2を備える測色装置1を例示するが、例えば検査対象Xが液晶パネル等の発光部材である場合、光源装置2が設けられない構成としてもよい。
[測色センサーの構成]
測色センサー3は、本発明の光学モジュールを構成し、上記第一実施形態の光学フィルターデバイス600を備えている。この測色センサー3は、図10に示すように、光学フィルターデバイス600と、光学フィルターデバイス600を透過した光を受光する検出部31と、波長可変干渉フィルター5の透過光の波長を変更する電圧制御部32と、を備える。
また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、検査対象Xで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、光学フィルターデバイス600内の波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を検出部31にて受光する。
測色センサー3は、本発明の光学モジュールを構成し、上記第一実施形態の光学フィルターデバイス600を備えている。この測色センサー3は、図10に示すように、光学フィルターデバイス600と、光学フィルターデバイス600を透過した光を受光する検出部31と、波長可変干渉フィルター5の透過光の波長を変更する電圧制御部32と、を備える。
また、測色センサー3は、波長可変干渉フィルター5に対向する位置に、検査対象Xで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー3は、光学フィルターデバイス600内の波長可変干渉フィルター5により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光を分光し、分光した光を検出部31にて受光する。
検出部31は、本発明の受光部であり、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。ここで、検出部31は、例えば回路基板311を介して、制御装置4に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置4に出力する。
また、この回路基板311には、筐体610の外側表面に形成された外側端子が接続されており、回路基板311に形成された回路を介して、電圧制御部32に接続されている。
このような構成では、回路基板311を介して、光学フィルターデバイス600及び検出部31を一体的に構成でき、測色センサー3の構成を簡略化することができる。
また、この回路基板311には、筐体610の外側表面に形成された外側端子が接続されており、回路基板311に形成された回路を介して、電圧制御部32に接続されている。
このような構成では、回路基板311を介して、光学フィルターデバイス600及び検出部31を一体的に構成でき、測色センサー3の構成を簡略化することができる。
電圧制御部32は、回路基板311を介して光学フィルターデバイス600の外側端子に接続される。そして、電圧制御部32は、制御装置4から入力される制御信号に基づいて、電極パッド564P,565Pに所定のステップ電圧を印加することで、静電アクチュエーター56を駆動させる。これにより、電極間ギャップに静電引力が発生し、保持部522が撓むことで、可動部521が固定基板51側に変位し、反射膜間ギャップG1を所望の寸法に設定することが可能となる。
[制御装置の構成]
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューター等を用いることができる。
そして、制御装置4は、図10に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、及び測色処理部43等を備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター56への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、検出部31により検出された受光量から、検査対象Xの色度を分析する。
制御装置4は、測色装置1の全体動作を制御する。
この制御装置4としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューター等を用いることができる。
そして、制御装置4は、図10に示すように、光源制御部41、測色センサー制御部42、及び測色処理部43等を備えて構成されている。
光源制御部41は、光源装置2に接続されている。そして、光源制御部41は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置2に所定の制御信号を出力し、光源装置2から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部42は、測色センサー3に接続されている。そして、測色センサー制御部42は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー3にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー3に出力する。これにより、測色センサー3の電圧制御部32は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター56への印加電圧を設定する。
測色処理部43は、検出部31により検出された受光量から、検査対象Xの色度を分析する。
[第三実施形態の作用効果]
本実施形態の測色装置1は、上記第一実施形態のような光学フィルターデバイス600を備えている。上述したように、光学フィルターデバイス600は、接合時における可動基板52の撓みや反りを低減でき、波長可変干渉フィルター5から所望波長の光を精度よく出射させることができる。
したがって、光学モジュールである測色センサー3は、検出部31により所望波長の光量を高精度に検出することが可能となる。これにより、電子機器である測色装置1は、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御することで、検査対象Xに対する高精度な測色処理を実施できる。
本実施形態の測色装置1は、上記第一実施形態のような光学フィルターデバイス600を備えている。上述したように、光学フィルターデバイス600は、接合時における可動基板52の撓みや反りを低減でき、波長可変干渉フィルター5から所望波長の光を精度よく出射させることができる。
したがって、光学モジュールである測色センサー3は、検出部31により所望波長の光量を高精度に検出することが可能となる。これにより、電子機器である測色装置1は、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御することで、検査対象Xに対する高精度な測色処理を実施できる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記各実施形態では、第一固定部材645による固定面積が、第二固定部材646による固定面積よりも小さいとしたが、本発明はこれに限定されず、第一固定部材645による固定面積が、第二固定部材646による固定面積以上となる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、中間部材640,640A,640Bのそれぞれが、第一固定部材645によって一箇所で固定されているとしたが、本発明はこれに限定されず、複数箇所で固定される構成としてもよい。すなわち、第一固定部材645の硬化収縮による影響や、固定基板51と中間部材640との熱膨張係数差による影響が許容される程度であれば、第一固定部材645による固定面積や、中間部材640における固定箇所の数を、任意の値に設定してもよい。
例えば、中間部材640が固定基板51と同一の材料である場合は、固定基板51と中間部材640との間の熱膨張量差の影響を無視できる。したがって、中間部材640が、第二固定部材646からの応力により変形しない程度の剛性を有する場合は、中間部材640と固定基板51とを広い面積で固定してもよいし、複数箇所で固定してもよい。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記各実施形態では、第一固定部材645による固定面積が、第二固定部材646による固定面積よりも小さいとしたが、本発明はこれに限定されず、第一固定部材645による固定面積が、第二固定部材646による固定面積以上となる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、中間部材640,640A,640Bのそれぞれが、第一固定部材645によって一箇所で固定されているとしたが、本発明はこれに限定されず、複数箇所で固定される構成としてもよい。すなわち、第一固定部材645の硬化収縮による影響や、固定基板51と中間部材640との熱膨張係数差による影響が許容される程度であれば、第一固定部材645による固定面積や、中間部材640における固定箇所の数を、任意の値に設定してもよい。
例えば、中間部材640が固定基板51と同一の材料である場合は、固定基板51と中間部材640との間の熱膨張量差の影響を無視できる。したがって、中間部材640が、第二固定部材646からの応力により変形しない程度の剛性を有する場合は、中間部材640と固定基板51とを広い面積で固定してもよいし、複数箇所で固定してもよい。
上記第二実施形態では、2つの中間部材640A,640Bを備える構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、3つ以上の中間部材を備える構成であってもよい。
上記各実施形態では、複数の中間部材640A,640Bのそれぞれに個別に設けられた第二固定部材646によって固定されている構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、複数の中間部材が、1つの第二固定部材でベース620に固定される構成であってもよい。
上記各実施形態では、複数の中間部材640A,640Bのそれぞれに個別に設けられた第二固定部材646によって固定されている構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、複数の中間部材が、1つの第二固定部材でベース620に固定される構成であってもよい。
上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5の固定基板51の基板厚み方向に直交する固定面514が、中間部材640,640A,640Bを介してベース620に固定されている構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、固定基板51の基板厚み方向に沿う側面を固定する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5の固定基板51が、中間部材640,640A,640Bを介してベース620に固定されている構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、可動基板52を固定する構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5の固定基板51が、中間部材640,640A,640Bを介してベース620に固定されている構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、可動基板52を固定する構成としてもよい。
上記第二実施形態では、波長可変干渉フィルター5の固定基板51の固定面514が、複数の中間部材640A,640Bで固定される構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の中間部材のうちの一つを固定基板51に、他の一つを可動基板52に固定してもよい。また、1つの中間部材に対して、固定基板51及び可動基板52を同時に固定してもよい。
上記各実施形態では、中間部材640,640A,640Bは、直方体状である構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、立方体及び各種柱状体等でもよく、第二固定部材646による適切な固定面積を確保できる表面積を有していればよい。
上記各実施形態では、中間部材640,640A,640Bは、直方体状である構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、立方体及び各種柱状体等でもよく、第二固定部材646による適切な固定面積を確保できる表面積を有していればよい。
上記各実施形態では、基板が矩形状である構成を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば、フィルター平面視において、正方形状等の各種多角形状でもよいし、楕円状や長円状等の曲線を有する形状でもよい。
上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5が固定される本発明のベース部として、筐体610のベース620を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、各種制御回路が設けられる基板に波長可変干渉フィルター5を固定する際に、上述のように中間部材640を用いて上記本発明の構成を採用してもよい。
上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5が固定される本発明のベース部として、筐体610のベース620を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、各種制御回路が設けられる基板に波長可変干渉フィルター5を固定する際に、上述のように中間部材640を用いて上記本発明の構成を採用してもよい。
上記各実施形態では、ギャップ変更部として、固定電極561、及び可動電極562に電圧を印加することで、静電引力により反射膜間ギャップG1の大きさを変更する静電アクチュエーター56を備える構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、ギャップ変更部として、誘導アクチュエーターを用いてもよい。この場合、固定電極561の代わりに、第一誘導コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘導コイル又は永久磁石を配置する構成を例示できる。
さらに、ギャップ変更部として、圧電アクチュエーターを用いてもよい。この場合、保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませる構成を例示できる。
また、上記各実施形態では、ギャップ変更部としての静電アクチュエーター56を一対の基板の一方のみに設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、ギャップ変更部を両方の基板に設けてもよい。
例えば、ギャップ変更部として、誘導アクチュエーターを用いてもよい。この場合、固定電極561の代わりに、第一誘導コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘導コイル又は永久磁石を配置する構成を例示できる。
さらに、ギャップ変更部として、圧電アクチュエーターを用いてもよい。この場合、保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませる構成を例示できる。
また、上記各実施形態では、ギャップ変更部としての静電アクチュエーター56を一対の基板の一方のみに設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、ギャップ変更部を両方の基板に設けてもよい。
上記各実施形態では、反射膜間ギャップG1を変更可能に構成された波長可変干渉フィルター5を例示したが、これに限定されず、反射膜間ギャップG1の大きさが固定された干渉フィルターであってもよい。
また、上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5として、一対の基板51,52と、各基板51,52のそれぞれに設けられた一対の反射膜54,55を備える構成を例示したが、これに限定されない。例えば、可動基板52が設けられない構成とし、固定基板51を筐体610に固定する構成としてもよい。この場合、例えば、基板(固定基板)の一面に第一反射膜、ギャップスペーサ、及び第二反射膜を積層形成し、第一反射膜と第二反射膜とがギャップを介して対向する構成とする。当該構成では、一枚の基板からなる構成となり、分光素子をより薄型化することができる。
また、上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5として、一対の基板51,52と、各基板51,52のそれぞれに設けられた一対の反射膜54,55を備える構成を例示したが、これに限定されない。例えば、可動基板52が設けられない構成とし、固定基板51を筐体610に固定する構成としてもよい。この場合、例えば、基板(固定基板)の一面に第一反射膜、ギャップスペーサ、及び第二反射膜を積層形成し、第一反射膜と第二反射膜とがギャップを介して対向する構成とする。当該構成では、一枚の基板からなる構成となり、分光素子をより薄型化することができる。
上記各実施形態では、波長可変干渉フィルターや干渉フィルターを筐体に収納した光学フィルターデバイスを例示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、MEMS素子を筐体に収納したMEMSデバイスについても、本発明を好適に適用できる。
MEMS素子としては、例えば、光の反射方向を精密に変化させることができるミラーデバイス等の光学素子を例示できる。このような構成でも、光学素子が備える基板の撓みを抑制でき、光学素子が備える光学部材に応力が加わることを抑制できる。したがって、光学素子の光学特性の低下を抑制できる。
例えば、MEMS素子を筐体に収納したMEMSデバイスについても、本発明を好適に適用できる。
MEMS素子としては、例えば、光の反射方向を精密に変化させることができるミラーデバイス等の光学素子を例示できる。このような構成でも、光学素子が備える基板の撓みを抑制でき、光学素子が備える光学部材に応力が加わることを抑制できる。したがって、光学素子の光学特性の低下を抑制できる。
その他、MEMS素子として、圧電振動素子(例えば、水晶振動子、セラミック振動子、シリコン振動子)や圧力センサー素子、加速度センサー素子、ジャイロセンサー素子等、性能向上や劣化防止等の目的で筐体に収納される各種のMEMS素子が例示できる。
圧電振動素子では、基板が撓みを抑制することで、振動子に応力が加わることを抑制でき、振動特性の変化を抑制できる。圧力センサー素子では、ダイアフラムに応力が加わることを抑制でき、これによりダイアフラムが変形による検出精度の低下を抑制できる。加速度センサー素子やジャイロセンサー素子においても、同様に、加速度や角速度を検出するために基板上に設けられた検出部に応力が加わることを抑制でき、検出精度の低下を抑制できる。
圧電振動素子では、基板が撓みを抑制することで、振動子に応力が加わることを抑制でき、振動特性の変化を抑制できる。圧力センサー素子では、ダイアフラムに応力が加わることを抑制でき、これによりダイアフラムが変形による検出精度の低下を抑制できる。加速度センサー素子やジャイロセンサー素子においても、同様に、加速度や角速度を検出するために基板上に設けられた検出部に応力が加わることを抑制でき、検出精度の低下を抑制できる。
また、本発明の電子機器として、第三実施形態において測色装置1を例示したが、その他、様々な分野により本発明の光学フィルターデバイス、光学モジュール、電子機器を用いることができる。
以下、本発明の光学フィルターデバイスを利用した電子機器の変形例について説明する。なお、以下に例示する電子機器は、上記光学フィルターデバイス600を備え、波長可変干渉フィルター5が筐体610に収納されている。
以下、本発明の光学フィルターデバイスを利用した電子機器の変形例について説明する。なお、以下に例示する電子機器は、上記光学フィルターデバイス600を備え、波長可変干渉フィルター5が筐体610に収納されている。
本発明の電子機器は、例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の光学フィルターデバイスが備える波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図11は、波長可変干渉フィルターを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図12は、図10のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図11に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、光学フィルターデバイス600、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,レンズ135D,レンズ135Eと、により構成されている。
また、ガス検出装置100の表面には、図12に示す、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図12に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150等を備えている。
図12は、図10のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図11に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、光学フィルターデバイス600、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,レンズ135D,レンズ135Eと、により構成されている。
また、ガス検出装置100の表面には、図12に示す、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図12に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150等を備えている。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源135Aを作動させる。光源135Aが駆動されると、光源135Aから単一波長で直線偏光の安定したレーザー光が射出される。また、光源135Aには、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源135Aから入力された温度や光量に基づいて、光源135Aが安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。なお、吸引口120Aには、除塵フィルター120A1が設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気等が除去される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光及びレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が光学フィルターデバイス600に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が光学フィルターデバイス600に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、図11及び図12において、ラマン散乱光を光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示した。この他、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光学モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図13は、光学フィルターデバイス600を利用した電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図13に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する光学フィルターデバイス600と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、図13に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する光学フィルターデバイス600と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部221により光源211が制御されて、光源211から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って光学フィルターデバイス600に入射する。光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5は電圧制御部222の制御により所望の波長を分光可能な電圧が印加されており、分光された光が、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、電圧制御部222を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、及びその含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。さらに、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、さらには、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図13において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
さらには、本発明の波長可変干渉フィルター、光学モジュール、電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、本発明の光学フィルターデバイスが備える波長可変干渉フィルターにより光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機等にも適用できる。このような分光カメラの一例として、波長可変干渉フィルターを内蔵した赤外線カメラが挙げられる。
図14は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図14に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)と、を備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図14に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた光学フィルターデバイス600を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
図14は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図14に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)と、を備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図14に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた光学フィルターデバイス600を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、光学フィルターデバイス600の波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
さらには、本発明の光学フィルターデバイスが備える波長可変干渉フィルターをバンドパスフィルターとして用いてもよく、例えば、発光素子が射出する所定波長域の光のうち、所定の波長を中心とした狭帯域の光のみを波長可変干渉フィルターで分光して透過させる光学式レーザー装置としても用いることができる。
また、本発明の光学フィルターデバイスが備える波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩等の認証装置にも適用できる。
また、本発明の光学フィルターデバイスが備える波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩等の認証装置にも適用できる。
さらには、光学モジュール及び電子機器を、濃度検出装置として用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
上記に示すように、本発明の光学フィルターデバイス及び電子機器は、入射光から所定の光を分光するいかなる装置にも適用することができる。そして、上記光学フィルターデバイスは、上述のように、1デバイスで複数の波長を分光させることができるため、複数の波長のスペクトルの測定、複数の成分に対する検出を精度よく実施することができる。したがって、複数デバイスにより所望の波長を取り出す従来の装置に比べて、光学モジュールや電子機器の小型化を促進でき、例えば、携帯用や車載用の電子機器に好適に利用できる。
上述の測色装置1、ガス検出装置100、食物分析装置200、及び分光カメラ300の説明では、第一実施形態の光学フィルターデバイス600を適用した例を示したが、これに限定されない。もちろん、他の実施形態の光学フィルターデバイスも同様に測色装置1等に適用できる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造等に適宜変更してもよい。
1…測色装置(電子機器)、3…測色センサー(光学モジュール)、4…制御装置(制御部)、5…波長可変干渉フィルター(干渉フィルター)、31…検出部(受光部)、51…固定基板、52…可動基板、54…固定反射膜、55…可動反射膜、56…静電アクチュエーター(ギャップ変更部)、100…ガス検出装置(電子機器)、137…受光素子(受光部)、138…制御部、200…食物分析装置(電子機器)、213…撮像部(受光部)、220…制御部、300…分光カメラ(電子機器)、330…撮像部(受光部)、521…可動部、522…保持部、600,600A…光学フィルターデバイス、620…ベース(ベース部)、640,640A,640B…中間部材、645…第一固定部材、646…第二固定部材。
Claims (9)
- 基板を有する干渉フィルターと、
ベース部と、
前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、
前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、
前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、を備えた
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 請求項1に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
前記第一固定部材による固定面積は、前記第二固定部材による固定面積よりも小さい
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 請求項1又は請求項2に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
前記第一固定部材は、前記基板及び前記中間部材を一箇所で固定する
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
複数の前記中間部材を備え、
前記第一固定部材は、前記複数の前記中間部材のそれぞれに個別に設けられ、
前記複数の中間部材のそれぞれと前記基板とを個別に固定する
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
前記干渉フィルターは、互いに対向する一対の反射膜と、前記一対の反射膜のギャップ寸法を変更するギャップ変更部と、を有し、
前記基板は、前記一対の反射膜のいずれか一方が設けられる第一基板と、前記一対の反射膜の他方が設けられる第二基板とを含み、
前記ギャップ変更部は、前記第二基板を前記第一基板側に撓ませることで、前記ギャップ寸法を変更する
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 請求項5に記載の光学フィルターデバイスにおいて、
前記第二基板は、前記反射膜が設けられた可動部、及び前記可動部を前記基板の厚み方向に移動可能に保持する保持部を有し、
前記第一固定部材は、前記第一基板と前記中間部材とを固定する
ことを特徴とする光学フィルターデバイス。 - 基板を有する干渉フィルターと、
ベース部と、
前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、
前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、
前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、
前記干渉フィルターにより取り出された光を検出する検出部と、を備えた
ことを特徴とする光学モジュール。 - 基板を有する干渉フィルターと、
ベース部と、
前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、
前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、
前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、
前記干渉フィルターを制御する制御部と、を備えた
ことを特徴とする電子機器。 - 基板を有するMEMS素子と、
ベース部と、
前記基板及び前記ベース部の間に配置される中間部材と、
前記基板及び前記中間部材を固定する第一固定部材と、
前記中間部材及び前記ベース部を固定し、前記第一固定部材よりも弾性率が低い第二固定部材と、を備えた
ことを特徴とするMEMSデバイス。
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US10113909B2 (en) | 2014-12-26 | 2018-10-30 | Seiko Epson Corporation | Optical filter device, optical module, and electronic equipment |
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