JP5942482B2 - 波長可変干渉フィルターの駆動方法、光学モジュール、及び電子機器 - Google Patents
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Description
このような波長可変干渉フィルターでは、電極間に電圧を印加することで、ダイヤフラムを変形させ、可動部をガラス基板に対して進退させることで、反射膜間ギャップを調整することが可能となる。
したがって、従来、このような波長可変干渉フィルターを用いた分光測定装置では、可動部の振動が静止して目的波長の光が取り出されるまでに待機する必要があるという課題があった。
また、上記特許文献1のような波長可変干渉フィルターを用いる場合、電極間への電圧を印加した際の応答性を向上させるために、減圧下(真空下)で駆動させることが好ましい。しかしながら、減圧下(真空下)で波長可変干渉フィルターを駆動させると、空気抵抗の影響を抑制することで応答性の向上を図ることができるが、一方で、駆動により発生するダイヤフラムの振動も収束しにくくなるという課題がある。
このような駆動方法では、第二基板は、第一目的電圧印加ステップで、ギャップ変更部により加えられる作用力(例えば静電引力等)と、第一基板から離れる方向に作用する復元力とが作用する。このため、第二基板は、目的電圧に対応した目的ギャップ量Aλに対応する位置を振動中心として、所定の振幅(±αλ)で振動し、反射膜間ギャップのギャップ量は、Aλ±αλの範囲で変動する。
ここで、第二基板が、反射膜間ギャップのギャップ量Aλ−αλの位置からAλ+αλの位置に変位する際に、第一電圧印加ステップが実施されると、目的電圧よりも大きい第一電圧が印加されることで、第二基板の復元力に抗する作用力が生じる。つまり、第二基板が変位する方向とは逆方向に作用力が作用する。このため、第二基板は、反射膜間ギャップのギャップ量がAλ+αλとなる位置まで変位せず、振幅がβ1(<αλ)に減衰される。この後、第二次目的電圧印加ステップを実施することで、再び目的電圧が印加されるが、この際の第二基板の振動は、減衰された振幅β1となる。
以上のように、本発明の波長可変干渉フィルターの駆動方法では、第一電圧印加ステップにより、第二基板の振動を抑制する作用力を作用させることが可能となり、第二基板の振動を減衰させることができる。したがって、波長可変干渉フィルターから、目的波長の光を安定して取り出すことができるまでの時間(安定化時間)を短くすることができる。
また、本発明では、上記のように、復元力に抗する作用力を生じさせて第二基板の振動を収束させるため、減圧下(真空下)であっても、第二基板の振動の収束を早めることができる。すなわち、波長可変干渉フィルターを(減圧下)真空下で駆動させることで、電圧印加時における応答性の向上と、安定化時間の短縮との双方を両立することができる。
また、第二基板が最初に第一基板から離れる方向に移動する際に、第一電圧印加ステップが実施されるため、更に波長可変干渉フィルターの安定化時間を短縮させることができる。
本発明では、第二基板の振動において、第二基板が第一基板から離れる方向に移動する毎に、第二基板に目的電圧よりも大きい第一電圧に基づいた作用力を作用させることができる。これにより、第二基板の振動がより早く減衰し、波長可変干渉フィルターから目的波長の光を安定して取り出すことができるまでの時間(安定化時間)をより短縮することができる。
上記発明のように、第一電圧印加ステップと、第二次目的電圧印加ステップとを複数回繰り返すことで、第二基板の振動振幅はより早く減衰される。しかしながら、複数回の第一電圧印加ステップを繰り返した後も第一電圧の電圧値を変化させなかった場合、目的電圧よりも大きい第一電圧により第二基板の振動が増幅されることになる。これに対して、本発明では、前記第一電圧印加ステップの実施回数を重ねる毎に、印加電圧を徐々に目的電圧に近づけるため、上述のような第二基板の振動増幅がなく、波長可変干渉フィルターの安定化時間を短縮させることができる。
このような駆動方法では、第二電圧印加ステップで印加された第二電圧により、第二基板が第一基板側に撓む。この時、第二基板は、第二電圧を印加した場合、第二電圧に対応したギャップ量A2を中心としてギャップ量がA2±α2の範囲で振動する。ここで、第二電圧は目的電圧よりも小さいため、振幅α2は、電圧印加開始時点で目的電圧を印加する場合の振幅αλよりも小さくなる。すなわち、本発明では、第二基板を駆動させた際の初期振動振幅を小さくできる。
また、第二基板が、反射膜間ギャップのギャップ量A2−α2の位置からA2+α2の位置に変位する際に、目的電圧印加ステップが実施されると、第二電圧よりも大きい目的電圧が印加されることで、目的電圧に応じた作用力が第二基板に作用する。したがって、第一基板から離れる方向に作用する復元力に抗する作用力により、第二基板は、ギャップ量A2+α2まで変位せず、振動が減衰される。これにより、本発明の波長可変干渉フィルターの駆動方法においても、安定化時間を短くすることができる。
そして、本発明においても、波長可変干渉フィルターを減圧下(真空下)で駆動させる場合、電圧印加時における応答性の向上と、安定化時間の短縮との両立を図ることができる。
また、第二基板が最初に第一基板から離れる方向に移動する際に、目的電圧印加ステップが実施されるため、更に波長可変干渉フィルターの安定化時間を短縮させることができる。
このような駆動方法では、第二電圧印加ステップの実施により、上述した発明と同様、初期振動振幅を小さくできるので、振動をより早く減衰させることができる。また、第一電圧印加ステップの実施により、第二基板の復元力に抗する作用力を作用させることで、振動振幅を更に減衰させることができる。したがって、本発明では、波長可変干渉フィルターにおける安定化時間をより一層短縮することができる。
そして、本発明においても、波長可変干渉フィルターを減圧下(真空下)で駆動させる場合、電圧印加時における応答性の向上と、安定化時間の短縮との両立を図ることができる。
経過時間T=T0/2では、第二基板の復元力が最大となるタイミングとなるため、ギャップ変更部に印加する電圧を第二電圧から第一電圧に切り替えることで、最大復元力に対してより強い作用力で第二基板の振動を減衰させることができる。また、第二基板が第一基板から離れる方向に移動する間中、目的電圧より大きい第一電圧が印加される。さらに、経過時間T=T0以降は、目的電圧が印加される。このため、第二基板は、第一基板へ近づく方向に向かって移動する時間に合せて、目的ギャップ量Aλと釣り合う力を受けることになり、第一電圧による振動の振幅増加を抑制することが可能となる。これにより、第二基板の振動をより減衰させることができ、波長可変干渉フィルターの安定化時間をより一層短縮することができる。
本発明では、第二基板の振動において、第二基板が第一基板から離れる方向に変位する毎に、第二基板に作用する復元力を減衰させることができる。これにより、より早く第二基板の振動を静止させることができる。
上記発明のように、第一電圧印加ステップと、目的電圧印加ステップとを複数回繰り返すことで、第二基板の振動振幅はより早く減衰される。しかしながら、複数回の第一電圧印加ステップを繰り返した後も第一電圧の電圧値を変化させなかった場合、目的電圧よりも大きい第一電圧により第二基板の振動が増幅されることになる。これに対して、本発明では、前記第一電圧印加ステップの実施回数を重ねる毎に、徐々に目的電圧に近づけるため、上述のような第二基板の振動増幅がなく、より迅速に波長可変干渉フィルターの安定化時間を短縮させることができる。
これにより、第一電圧印加ステップにより、第二基板の復元力に抗する作用力を生じさせることで、第二基板の振動を抑制することができ、波長可変干渉フィルターにおける安定化時間を短くすることができる。
そして、本発明においても、波長可変干渉フィルターを減圧下(真空下)で駆動させる場合、電圧印加時における応答性の向上と、安定化時間の短縮との両立を図ることができる。
これにより、第二電圧印加ステップにより、第二基板を駆動させた際の初期振動振幅を小さくできる。また、第二電圧印加ステップの後に、目的電圧印加ステップが実施されることで、第二基板の復元力に抗する作用力を生じさせることができ、第二基板の振動をさらに抑制することができ、波長可変干渉フィルターにおける安定化時間をより短くすることができる。
そして、本発明においても、波長可変干渉フィルターを減圧下(真空下)で駆動させる場合、電圧印加時における応答性の向上と、安定化時間の短縮との両立を図ることができる。
これにより、第二電圧印加ステップの実施により、初期振動振幅が小さくでき、第一電圧印加ステップの実施により、第二基板の復元力に抗する作用力を作用させることができる。したがって、本発明では、波長可変干渉フィルターにおける安定化時間をより一層短縮することができる。
そして、本発明においても、波長可変干渉フィルターを減圧下(真空下)で駆動させる場合、電圧印加時における応答性の向上と、安定化時間の短縮との両立を図ることができる。
本発明では、第二基板は、可動部と保持部とを備え、保持部が変形することで、可動部が第一基板に対して進退する。このような構成では、保持部の変形により可動部が変位するため、可動部が変位した際の可動部の変形を抑制でき、可動部に設けられる第二反射膜の撓みを抑制できる。これにより、第一反射膜及び第二反射膜の平行度を維持することができ、可動部が変位した際の分解能の低下を抑制できる。
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、測定対象Xで反射された測定対象光における各波長の光強度を分析し、分光スペクトルを測定する電子機器である。
この分光測定装置1は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11(検出部)と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、電圧制御部15と、制御部20と、を備えている。ここで、波長可変干渉フィルター5及び電圧制御部15により本発明の光学モジュールが構成されている。
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御部20に出力する。
電圧制御部15は、制御部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の後述する静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。なお、電圧制御部15による駆動電圧の制御に関する詳細な説明は後述する。
ここで、分光測定装置1に組み込まれる波長可変干渉フィルター5について、以下説明する。図2は、波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図である。図3は、図2をIII−III線で断面した際の断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、図2に示すように、例えば矩形板状の光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、図3に示すように、固定基板51および可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ各種ガラスや水晶等により形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。
また、波長可変干渉フィルター5は、図1に示すように、内部空間が真空環境(又は大気圧よりも減圧された環境)に維持された筐体50内に収納されて、分光測定装置1に組み込まれている。この筐体50は、例えば、波長可変干渉フィルター5に設けられた後述する固定電極パッド563P及び可動電極パッド564Pと接続される内部電極と、内部電極と電気的に接続され、筐体50外部に設けられる外部電極とを備える。これにより、筐体50の外部電極を電圧制御部15に接続することで、筐体50内部を真空(減圧)に維持した状態で、波長可変干渉フィルターを駆動させることができる。
また、この筐体50は、波長可変干渉フィルター5の後述する固定反射膜54及び可動反射膜55に対向する位置に、光透過部50Aを有し、この光透過部50Aを介して波長可変干渉フィルター5への入射光の入射、波長可変干渉フィルター5を透過した光に射出が可能となる。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た図2に示すようなフィルター平面視において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜54及び可動反射膜55の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致する。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
固定基板51には、図3に示すように、エッチングにより電極配置溝511および反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561および可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の頂点C1には、切欠部514が形成されており、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側に、後述する可動電極パッド564Pが露出する。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の頂点C1,頂点C2に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、頂点C2方向に延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C2に位置する部分)は、電圧制御部15に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO2、低屈折層をSiO2とした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiO2やSiO2等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
可動基板52は、図2に示すようなフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
また、可動基板52には、図2に示すように、頂点C2に対応して、切欠部524が形成されており、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に、固定電極パッド563Pが露出する。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54と反射膜間ギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップG2のギャップ量が反射膜間ギャップG1のギャップ量よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、反射膜間ギャップG1のギャップ量が、電極間ギャップG2のギャップ量よりも大きくなる構成としてもよい。
なお、本実施形態では、ダイヤフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
図1に戻り、分光測定装置1の制御部20について、説明する。
制御部20は、本発明の処理部に相当し、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、フィルター駆動部21と、光量取得部22と、分光測定部23と、を備えている。
また、制御部20は、各種データを記憶する記憶部30を備える。この記憶部30は、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧に対する、当該波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長の関係を示すV−λデータを記憶する。
ここで、フィルター駆動部21は、記憶部30に記憶されたV−λデータから、測定対象である目的波長に対応した駆動電圧を読み出し、読み出した駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加する。
分光測定部23は、光量取得部22により取得された光量に基づいて、測定対象光のスペクトル特性を測定する。
以上のような波長可変干渉フィルター5では、固定電極パッド563P及び可動電極パッド564Pがそれぞれ電圧制御部15に接続されている。したがって、電圧制御部15により、固定電極561及び可動電極562間に電圧が印加されることで、静電引力により可動部521が固定基板51側に変位する。これにより、反射膜間ギャップG1のギャップ量を所定量に変更することが可能となる。
図4は、本実施形態において、静電アクチュエーター56に印加された駆動電圧のパルス波形を示す図である。
図4において、電圧Vにおいて、Vλは、制御部20により設定された目的電圧、V1は、目的電圧よりも大きい第一電圧を示す。また、時間Tにおいて、「0」は、静電アクチュエーター56への電圧印加開始タイミングであり、「T0」は、可動基板52の可動部521が振動した際の固有振動周期である。
また、図5は、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際に、可動部521の振動により変化する反射膜間ギャップG1のギャップ量を示す図である。図5において、破線は、電圧印加開始時点から静電アクチュエーター56に目的電圧Vλを印加し続けた場合における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。また、実線は、本実施形態の駆動方法を用いて静電アクチュエーター56に電圧を印加した場合における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。
この第一次目的電圧印加ステップでは、電圧制御部15は、印加電圧が目的電圧Vλであり、パルス幅がT0/2である駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加する。
ここで、第一電圧V1は、例えば、可動部521の撓み易さ(可動基板52の剛性)や、設定する反射膜間ギャップG1のギャップ量等によって適宜変化するものであり、個々の波長可変干渉フィルター5により異なる値となる。例えば、可動基板52の剛性が大きい場合は、可動基板52の剛性が小さい波長可変干渉フィルター5よりも第一電圧V1を大きく設定する。また、反射膜間ギャップG1のギャップ量が小さくなるほど、静電アクチュエーター56により加えられる静電引力(作用力)は大きくなるため、第一電圧V1も目的電圧Vλに近づける必要がある。したがって、第一電圧V1としては、波長可変干渉フィルター5の製造時又は検査時において、印加する目的電圧Vλに対する最適な第一電圧V1を予め測定して、例えば記憶部(図示略)に記憶しておくことが好ましい。なお、制御部20に設けられた記憶部30に、目的電圧Vλに対する第一電圧V1が記憶されていてもよい。
このように記憶部に目的電圧Vλに対する第一電圧V1が記憶されている場合、電圧制御部15は、第一電圧印加ステップにおいて、設定された目的電圧Vλに対する第一電圧V1を読み出すことで、最適な第一電圧V1の制振パルスを静電アクチュエーター56に印加させることができる。
静電アクチュエーター56に駆動パルスが印加されると、静電アクチュエーター56の静電引力と可動部521に作用する復元力とにより、可動部521は、反射膜間ギャップG1のギャップ量が目的ギャップ量Aλとなる位置を中心に、振幅αλで振動する。ここで、経過時間TがT=T0/2の状態では、可動部521は、図6(A)に示すように、反射膜間ギャップG1のギャップ量がギャップ変動範囲における最小値(Aλ−αλ)となる位置にあり、第一基板から離れる方向(X方向)に向かって復元力FXが作用する。ここで、経過時間TがT=T0/2からT=T0となるまでの間、第一電圧印加ステップが実施されると、可動部521がX方向に移動する間、目的電圧Vλが印加された時よりも大きい静電引力F1が−X方向に作用する。このため、可動部521は、図6(B)に示すように、T=T0において、Aλ+β1(ただし、β1<αλ)の位置まで変位する。つまり、第一電圧印加ステップにより、制振パルスが静電アクチュエーター56に印加されることで、可動部521の振幅が小さくなり、振動が減衰することになる。
これにより、可動部521は、反射膜間ギャップG1のギャップ量が目的ギャップ量Aλとなる位置を振動中心として振動する。この時、第一電圧印加ステップにより、振動振幅の値が、初期の振幅αλよりも小さい振幅β1に減衰されているので、以降の可動部521の振動は、振幅β1の減衰振動となり、振動が静止するまでの時間(安定化時間)が短縮される。
本実施形態の分光測定装置1では、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法において、まず、静電アクチュエーター56に目的電圧Vλを印加する第一次目的電圧印加ステップを実施する。その後、目的電圧Vλよりも大きい第一電圧V1を静電アクチュエーター56に印加する第一電圧印加ステップを実施する。そして、その後、目的電圧Vλを印加する第二次目的電圧印加ステップを実施する。
このような駆動方法では、第一目的電圧印加ステップで印加された目的電圧Vλにより、可動部521が固定基板51に最も近接する位置まで変位した後、可動部521が固定基板51から離れるX方向に向かって変位する際に、可動部521は、目的電圧Vλの印加時よりも大きな静電引力を受ける。このため、可動部521の振動を減衰させることができ、波長可変干渉フィルター5の安定化時間を短縮させることができる。
これにより、波長可変干渉フィルター5から目的電圧Vλに対応する目的波長の光を迅速に取り出すことができ、分光測定装置1による測定対象光の分光測定処理も迅速に開始することができる。
そして、本実施形態では、波長可変干渉フィルター5は、内部空間が真空に維持された筐体50内に収納されている。このような筐体50内に収納した状態、つまり真空下で波長可変干渉フィルター5を駆動させることで、電圧印加時に可動部521に空気抵抗による応力が作用しない。したがって、電圧印加時における応答性を向上させることができる。また、通常は、このように真空下に波長可変干渉フィルター5を配置することで、可動部521に振動が収束しにくくなるが、本発明では、上記のように第一電圧印加ステップを実施することで、可動部521に対して振動方向とは反対側に力を作用させることができ、振動を迅速に収束させることができる。したがって、本実施形態では、波長可変干渉フィルター5の応答性の向上と、安定化時間の短縮との双方を図ることができる。
このため、可動部521が固定基板51に最も近接した位置から+X方向に移動する間、可動部521は、目的電圧Vλよりも大きい第一電圧V1による静電引力F1を受けることになる。したがって、可動部521の固定基板51から離れるX方向への変位をより確実に抑えることができ、可動部521の振動をより減衰させることができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
第二実施形態は、上記第一実施形態と同様の構成を有するが、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法が異なる。したがって、本実施形態における各構成については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略し、以下において、本実施形態における電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法について説明する。
図7は、本実施形態において、静電アクチュエーター56に印加された駆動電圧のパルス波形を示す図である。
図7において、電圧Vにおいて、Vλは、制御部20により設定された目的電圧、V2は、目的電圧よりも小さい第二電圧を示す。また、時間Tにおいて、「0」は、静電アクチュエーター56への電圧印加開始タイミングであり、「T0」は、可動基板52の可動部521が振動した際の固有振動周期である。
また、図8は、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際に、可動部521の振動により変化する反射膜間ギャップG1のギャップ量を示す図である。図8において、破線は、電圧印加開始時点から静電アクチュエーター56に目的電圧Vλを印加し続けた場合における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。また、実線は、本実施形態の駆動方法を用いて静電アクチュエーター56に電圧を印加した場合における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。
この第二電圧印加ステップでは、電圧制御部15は、印加電圧が第二電圧V2であり、パルス幅がT0/2である初期駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加する。
次に、図7に示すように、時間T=T0/2のタイミングで、電圧制御部15は、目的電圧印加ステップを実施する。目的電圧印加ステップでは、印加電圧が、目的電圧Vλである駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加し続ける。
第二電圧印加ステップが実施されると、図9(A)に示すように、静電アクチュエーター56の静電引力と可動部521に作用する復元力とにより、可動部521は、反射膜間ギャップG1が第二電圧V2に応じたギャップ量A2となる位置を振動中心として振幅α2で振動する。したがって、経過時間TがT=T0/2の状態では、可動部521は、図9(A)に示すように、反射膜間ギャップG1のギャップ量がギャップ変動範囲における最小値(A2−α2)となる位置にあり、第一基板から離れる方向(+X方向)に向かって復元力FXが作用する。
経過時間TがT=T0/2からT=T0となるまでの間、目的電圧印加ステップが実施されると、可動部521がX方向に移動する間、第二電圧V2が印加された時よりも大きい静電引力F2が−X方向に作用する。このため、可動部521は、図9(B)に示すように、T=T0において、A2+β2(β2<α2)の位置(基準位置Xm)まで変位する。
以降、可動部521は、この基準位置Xmから固定基板51側(−X方向)に向かって、目的電圧Vλに応じた目的ギャップ量Aλを振動中心に、振幅βλ(=A2−α2−Aλ)で振動する。ここで、この振幅βλは、反射膜間ギャップG1の初期ギャップ量(電圧を印加していない状態における反射膜間ギャップG1の最大ギャップ量)に対して十分に小さい。したがって、振幅βλは、図8に示すように、電圧印加開始時から目的電圧Vλを静電アクチュエーター56に印加し続けた際に発生する振動振幅αλに比べて小さくなる。したがって、波長可変干渉フィルター5の安定化時間も、電圧印加開始時から目的電圧Vλを印加した場合に比べて十分に短い時間となる。
この場合においても、図10(A)に示すように、経過時間TがT=T0/2の状態で、可動部521は、反射膜間ギャップG1のギャップ量がギャップ変動範囲で最小値(A2−α2)となる位置にあり、第一基板から離れる方向(X方向)に向かって復元力FXが作用する。
一方、目的ギャップ量Aλが、Aλ≦A2−α2である場合、静電アクチュエーター56に作用する静電引力F2は、復元力FXよりも大きくなる。したがって、可動部521は、T=T0/2におけるA2−α2の基準位置Xm2から、固定基板51側(−X方向)に更に向かって目的電圧Vλに応じた目的ギャップ量Aλを振動中心に振幅βλ(=A2−Aλ−α2)で振動する。ここで、この振幅βλは、図8に示すように、反射膜間ギャップG1の初期ギャップ量に対して十分に小さくなる。したがって、可動部521が静止する安定化時間も、電圧印加開始時から目的電圧Vλを印加し続けた場合に比べて短縮される。
この場合、電圧印加開始時点からの経過時間TがT=T0/2の状態で、目的電圧Vλが静電アクチュエーター56に印加されると、静電アクチュエーターによる静電引力と可動部521に作用する復元力とが略同値となる。また、この状態において、可動部521は、基準位置Xm2に位置するので、可動部521の変位速度が0である。したがって、復元力と静電引力とがほぼ釣り合った状態が維持されることで、可動部521の振動をより抑制することができる。
なお、実際には、第二電圧V2から目的電圧Vλまで電圧が立ち上がるまでの遅延や、可動部521の残留応力等の影響により、可動部521に振動が発生する。したがって、第二電圧V2から目的電圧Vλまでの電圧立ち上がり時間を考慮し、T=T0/2となる所定時間前から目的電圧印加ステップを実施してもよく、この場合、可動部521の振動をより減衰させることが可能となる。
本実施形態では、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法において、まず、静電アクチュエーター56に第二電圧V2を静電アクチュエーター56に印加する第二電圧印加ステップを実施し、その後、目的電圧Vλを印加する第二次目的電圧印加ステップを実施する。
これにより、第二電圧印加ステップで印加された第二電圧V2により、可動部521は、目的電圧Vλが印加された場合よりも小さい振幅の振動が発生する。ここで、反射膜間ギャップG1の目的ギャップ量Aλが第二電圧印加ステップによる可動部521の振動範囲内(A2>Aλ>A2−α2)である場合、可動部521が+X方向に変位する際に、目的電圧印加ステップが実施されると、第二電圧V2より大きな目的電圧Vλによる静電引力により可動部521の振動が減衰される。これにより、波長可変干渉フィルター5の安定化時間を短縮させることができる。また、波長可変干渉フィルター5の安定化時間が短縮されることで、波長可変干渉フィルター5から目的波長の光を迅速に取り出すことができ、分光測定装置1による測定対象光の分光測定処理も迅速に開始することができる。
また、第一実施形態と同様に、波長可変干渉フィルター5が、内部空間が真空に維持された筐体50内に収納されることで、波長可変干渉フィルター5の応答性の向上と、安定化時間の短縮との双方を図ることができる。
これにより、波長可変干渉フィルター5から目的波長の光を迅速に取り出すことができ、分光測定装置1による測定対象光の分光測定処理も迅速に開始することができる。
このため、反射膜間ギャップG1の目的ギャップ量Aλが第二電圧印加ステップによる可動部521の振動範囲内である場合、可動部521が固定基板51に最も近接した位置から、最も離れる位置に変位するまでの間、可動部521は、目的電圧Vλによる静電引力F2を受けることになる。したがって、可動部521の固定基板51から離れるX方向への変位をより確実に抑えることができ、可動部521の振動をより減衰させることができる。
また、反射膜間ギャップG1の目的ギャップ量Aλが第二電圧印加ステップによる可動部521の振動範囲外である場合、可動部521が固定基板51に最も近接した位置を基準位置Xm2として、この基準位置Xm2から目的電圧Vλに応じた可動部521の振動が発生する。したがって、目的電圧印加ステップによる発生する振動の初期振幅を十分に小さくできる。これにより、可動部521の振動がより減衰させられることになり、波長可変干渉フィルター5の安定化時間がより短縮される。
次に、本発明の第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
第三実施形態は、上記第一実施形態と同様の構成を有するが、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法が異なる。したがって、本実施形態における各構成については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略し、以下において、本実施形態における電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法について説明する。
図11は、本実施形態において、静電アクチュエーター56に印加された駆動電圧のパルス波形を示す図である。
図12は、静電アクチュエーター56に電圧を印加した際に、可動部521の振動により変化する反射膜間ギャップG1のギャップ量を示す図である。図12において、破線は、電圧印加開始時点から静電アクチュエーター56に目的電圧Vλを印加し続けた場合における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。また、実線は、本実施形態の駆動方法を用いて静電アクチュエーター56に電圧を印加した場合における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。
図13は、第一実施形態、第二実施形態、及び第三実施形態における可動部521の振動により変化する反射膜間ギャップG1のギャップ量の違いを示す図である。図13において、一点鎖線は第二実施形態における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化、二点鎖線は第一実施形態における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化、破線は電圧印加開始時点から目的電圧のみを印加した場合の反射膜間ギャップG1のギャップ量変化、実線は第三実施形態における反射膜間ギャップG1のギャップ量変化を示す。
この第二電圧印加ステップでは、電圧制御部15は、印加電圧が第二電圧V2であり、パルス幅がT0/2である初期駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加する。
次に、図11に示すように、時間T=T0/2のタイミングで、電圧制御部15は、第一電圧印加ステップを実施する。第一電圧印加ステップでは、第一実施形態と同様に、印加電圧が、目的電圧Vλよりも大きい第一電圧V1であり、パルス幅がT0/2である制振パルスを静電アクチュエーター56に印加する。
この後、図11に示すように、時間T=T0のタイミングから目的電圧印加ステップを実施する。目的電圧印加ステップでは、第一実施形態の第二次目的電圧印加ステップや、第二実施形態の目的電圧印加ステップと同様に、印加電圧が、目的電圧Vλである駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加し続ける。
このような駆動方法を用いる場合でも、図12に示すように、電圧印加開始時点から目的電圧Vλを印加する場合に比べて、振動振幅を小さくでき、波長可変干渉フィルター5の安定化時間を短縮できる。
また、第二電圧印加ステップの後、第一電圧印加ステップを実施することで、第一実施形態の第一電圧印加ステップと同様の作用により、図13に示すように、目的電圧Vλを印加する場合(例えば、第二実施形態)と比べて、T=T0/2からT=T0における振動振幅を小さくできる。
したがって、目的電圧印加ステップを実施した際、可動部521の振動振幅は、第一実施形態や第二実施形態の駆動方法を用いた場合に比べて更に小さくなっており、これにより、可動部521の振動をより迅速に減衰させ、静止させることが可能となる。
本実施形態では、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法において、まず、静電アクチュエーター56に第二電圧V2を静電アクチュエーター56に印加する第二電圧印加ステップを実施し、その後、目的電圧Vλよりも大きい第一電圧V1を静電アクチュエーター56に印加する第一電圧印加ステップを実施し、その後、目的電圧Vλを印加する目的電圧印加ステップを実施する。
これにより、第二実施形態と同様に、第二電圧印加ステップにより、可動部521は、目的電圧Vλが印加された場合よりも小さい振動振幅で変位し、その後の第一電圧印加ステップにより、その振動振幅を更に減衰させることができる。したがって、本実施形態では、電圧印加開始時点から目的電圧Vλを印加した場合や、第二電圧印加ステップの後に目的電圧印加ステップを実施する場合に比べて、より可動部521の振動を減衰させることができ、波長可変干渉フィルター5の安定化時間をより短縮することができる。
また、第一実施形態と同様に、波長可変干渉フィルター5が、内部空間が真空に維持された筐体50内に収納されることで、波長可変干渉フィルター5の応答性の向上と、安定化時間の短縮との双方を図ることができる。
このため、可動部521が固定基板51側に最も変位した位置から、最も離れる位置まで、第一電圧V1による静電引力を可動部521に作用させることができ、可動部521の振動をより各確実に減衰させることができる。これにより、波長可変干渉フィルター5の安定化時間がより短縮される。
次に、本発明の第四実施形態について、図面に基づいて説明する。
第四実施形態は、上記第一実施形態と同様の構成を有するが、電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法が異なる。したがって、本実施形態における各構成については、第一実施形態と同一の符号を付し、その説明を省略し、以下において、本実施形態における電圧制御部15による波長可変干渉フィルター5の駆動方法について説明する。
図14(A)は、本実施形態において、静電アクチュエーター56に印加された駆動電圧のパルス波形を示す図であり、図14(B)は、可動部521の振動により変化する反射膜間ギャップG1のギャップ量を示す図である。
この場合、第二次目的電圧印加ステップでは、電圧制御部15は、印加電圧が目的電圧Vλであり、パルス幅がT0/2である駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加する。すなわち、第一電圧印加ステップ及び第二次目的電圧印加ステップをT0/2周期で繰り返す。
第二実施形態や第三実施形態に適用する場合、電圧制御部15は、目的電圧印加ステップにおける駆動パルスのパルス幅をT0/2とし、この目的電圧印加ステップの直後、目的電圧Vλよりも大きい第一電圧を可動部521の固有振動周期の1/2の間印加する(パルス幅がT0/2の制振パルスを印加する)。そして、このような目的電圧印加ステップ及び第一電圧印加ステップを複数回繰り返すとともに、第一電圧印加ステップにおいて印加する電圧を第一電圧から徐々に低下させ、目的電圧Vλに近づける。
これにより、可動部521の振動は、分光測定装置1周期間隔で確実に制振パルスにより減衰され、波長可変干渉フィルター5の安定化時間を短縮させることができる。
本実施形態では、第二次目的電圧印加ステップの後、第一電圧印加ステップと第二次目的電圧印加ステップが交互に実施される。
このため、可動部521の振動において、可動部521がX方向に変位する度に、振動を抑制する電圧による静電引力が作用し、より迅速に振動を減衰させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、可動部521が、固定基板51から離れるX方向に移動する際に、第一電圧印加ステップが実施されていれば、印加時間がT0/2よりも短い時間であってもよい。
図15は、第一電圧印加ステップにおける第一電圧の印加時間と、安定化時間との関係を示す図である。なお、図15は、可動部521の固有振動周期T0が104(μs)である波長可変干渉フィルター5を用いた実験結果であり、各実験において、第一電圧印加ステップは、電圧印加開始時点からの経過時間Tが50(μs)(≒T0/2)から実施した。
また、この波長可変干渉フィルター5において、電圧印加開始時点から、目的電圧Vλのみを印加し続けた場合における安定化時間は、24msであった。図15に示すように、上記第一実施形態の駆動方法を用いた場合、第一電圧印加ステップの第一電圧の印加時間によらず、安定化時間を短縮される。そして、第一電圧の印加時間がT0/2となる場合に、最も効果が高く安定化時間が最短となる。
なお、第二電圧印加ステップにおける第二電圧の印加時間も同様である。すなわち、初期駆動パルスとして、第二電圧が印加される時間としては、可動部521の固有振動周期T0の1/2であることが好ましいが、より短い時間であっても、電圧印加開始時点から目的電圧Vλを印加した場合に比べて、安定化時間の短縮を図ることができる。
例えば、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイルまたは永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
さらに、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、および上部電極層を積層配置させ、下部電極層および上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。また、圧電素子を用いたギャップ量の調整では、圧電素子への印加電圧と反射膜間ギャップのギャップ量とが比例関係となるため、より容易に波長可変干渉フィルター5を駆動させることができる。
例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の波長可変干渉フィルターを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図17は、図16のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図16に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置(光学モジュール)と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138(処理部)、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源135Aと、光源135Aから入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,135D,135Eと、により構成されている。
また、図17に示すように、ガス検出装置100の表面には、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
更に、ガス検出装置100の制御部138は、図17に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源135Aを制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149、及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150などを備えている。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146に対して制御信号を出力する。これにより、電圧制御部146は、上記第一実施形態から第四実施形態のいずれかに示すような駆動方法により、波長可変干渉フィルター5を駆動させ、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。この場合、波長可変干渉フィルター5から目的とするラマン散乱光を迅速に取り出すことができる。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
この食物分析装置200は、図18に示すように、検出器210(光学モジュール)と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源211と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213(検出部)と、を備えている。
また、制御部220は、光源211の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部221と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
更には、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
図19は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図19に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)とを備えている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図19に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。この時、各波長に対して、電圧制御部(図示略)が上記第一実施形態から第四実施形態に示すような本発明の駆動方法により波長可変干渉フィルター5を駆動させることで、迅速に波長可変干渉フィルター5から目的波長の分光画像の画像光を取り出すことができ、分光画像の撮像速度を向上させることができる。
また、本発明の波長可変干渉フィルターを生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩などの認証装置にも適用できる。
(比較例)
電圧印加開始時点から目的電圧を印加し続ける従来の駆動方法を実施した。ここで、反射膜間ギャップG1のギャップ量を目的ギャップ量Aλ=315(nm)に設定するため、目的電圧Vλ=14.7(V)の駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加し続けた。なお、波長可変干渉フィルター5の可動部521の振動における固有振動周期T0は、0.1(ms)であった。
(実施例1)
比較例と同一の波長可変干渉フィルター5に対して、第一実施形態の駆動方法を実施した。
具体的には、第一次目的電圧印加ステップにおいて、目的電圧Vλ=14.7(V)、パルス幅t=0.05(ms)(=T0/2)の駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加した。第一次目的電圧印加ステップの直後(T=0.05(ms))から、第一電圧印加ステップを実施し、第一電圧V1=17.5(V)、パルス幅t=0.05(ms)の制振パルスを静電アクチュエーター56に印加した。第一電圧印加ステップの直後(T=0.1(ms))から、第二次目的電圧印加ステップを実施し、目的電圧Vλ=14.7(V)の駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加し続けた。
(実施例2)
比較例と同一の波長可変干渉フィルター5に対して、第二実施形態の駆動方法を実施した。
具体的には、第二電圧印加ステップにおいて、第二電圧V2=11(V)、パルス幅t=0.05(ms)(=T0/2)の初期駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加した。第二電圧印加ステップの直後(T=0.05(ms))から、目的電圧印加ステップを実施し、目的電圧Vλ=14.7(V)の駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加し続けた。
(実施例3)
比較例と同一の波長可変干渉フィルター5に対して、第三実施形態の駆動方法を実施した。
具体的には、第二電圧印加ステップにおいて、第二電圧V2=11(V)、パルス幅t=0.05(ms)(=T0/2)の駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加した。第二電圧印加ステップの直後(T=0.05(ms))から、第一電圧印加ステップを実施し、第一電圧V1=15(V)、パルス幅t=0.05(ms)の制振パルスを静電アクチュエーター56に印加した。第一電圧印加ステップの直後(T=0.1(ms))から、目的電圧印加ステップを実施し、目的電圧Vλ=14.7(V)の駆動パルスを静電アクチュエーター56に印加し続けた。
比較例及び各実施例1,2,3において、電圧印加開始時点から振動が静止するまでの安定化時間を計測した。
以下の表1に安定化時間の計測結果を示す。
Claims (17)
- 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一次目的電圧印加ステップと、
前記第一次目的電圧印加ステップの後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加ステップと、
前記第一電圧印加ステップの後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二次目的電圧印加ステップと、
を含み、
前記第一次目的電圧印加ステップは、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加ステップは、前記第一次目的電圧印加ステップの終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターの駆動方法において、
前記第二次目的電圧印加ステップの後、前記第一電圧印加ステップ及び前記第二次目的電圧印加ステップを交互に複数回繰り返すことを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 請求項2に記載の波長可変干渉フィルターの駆動方法において、
前記第一電圧印加ステップの実施回数を重ねる毎に、前記第一電圧を前記目的電圧に近づけることを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加ステップと、
前記第二電圧印加ステップの後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加ステップと、
を含み、
前記第二電圧印加ステップは、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記目的電圧印加ステップは、前記第二電圧印加ステップの終了時から所定時刻の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加ステップと、
前記第二電圧印加ステップの後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加ステップと、
前記第一電圧印加ステップの後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加ステップと、
を含み、
前記第二電圧印加ステップは、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加ステップは、前記第二電圧印加ステップの終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 請求項4または請求項5に記載の波長可変干渉フィルターの駆動方法において、
前記目的電圧印加ステップの後、前記第一電圧印加ステップ、及び前記目的電圧印加ステップを交互に複数回繰り返すことを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 請求項6に記載の波長可変干渉フィルターの駆動方法において、
前記第一電圧印加ステップの実施回数を重ねる毎に、前記第一電圧を前記目的電圧に近づけることを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 第一基板、前記第一基板にギャップを介して対向して配置された第二基板、及び電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて前記ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部、を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一次目的電圧印加ステップと、
前記第一次目的電圧印加ステップの後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加ステップと、
前記第一電圧印加ステップの後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二次目的電圧印加ステップと、
を含み、
前記第一次目的電圧印加ステップは、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加ステップは、前記第一次目的電圧印加ステップの終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 第一基板、前記第一基板にギャップを介して対向して配置された第二基板、及び電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて前記ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加ステップと、
前記第二電圧印加ステップの後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加ステップと、
を含み、
前記第二電圧印加ステップは、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記目的電圧印加ステップは、前記第二電圧印加ステップの終了時から所定時刻の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 第一基板、前記第一基板にギャップを介して対向して配置された第二基板、及び電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターの駆動方法であって、
前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加ステップと、
前記第二電圧印加ステップの後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加ステップと、
前記第一電圧印加ステップの後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加ステップと、
を含み、
前記第二電圧印加ステップは、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加ステップは、前記第二電圧印加ステップの終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする波長可変干渉フィルターの駆動方法。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記ギャップ量変更部に対して電圧を印加する電圧制御部と、
を備え、
前記電圧制御部は、前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一次目的電圧印加を行った後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加を行い、その後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二次目的電圧印加を行い、
前記第一次目的電圧印加において、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加において、前記第一次目的電圧印加の終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする光学モジュール。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記ギャップ変更部に対して電圧を印加する電圧制御部と、
を備え、
前記電圧制御部は、前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加を行った後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加を行い、
前記第二電圧印加において、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記目的電圧印加において、前記第二電圧印加ステップの終了時から所定時刻の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする光学モジュール。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記ギャップ変更部に対して電圧を印加する電圧制御部と、
を備え、
前記電圧制御部は、前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加を行った後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加を行い、その後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加を行い、
前記第二電圧印加において、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加において、前記第二電圧印加の終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする光学モジュール。 - 請求項11から請求項13のいずれかに記載の光学モジュールにおいて、
前記第二基板は、前記第一基板の側に変位可能な可動部と、前記可動部を保持する保持部とを有し、
前記第二反射膜は、前記可動部に配置されていることを特徴とする光学モジュール。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板の側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記ギャップ変更部に対して電圧を印加する電圧制御部と、
前記波長可変干渉フィルターから取り出された光に基づいて所定の処理を実施する処理部と、
を備え、
前記電圧制御部は、前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一次目的電圧印加を行った後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加を行い、その後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二次目的電圧印加を行い、
前記第一次目的電圧印加において、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加において、前記第一次目的電圧印加の終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする電子機器。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板の側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記ギャップ変更部に対して電圧を印加する電圧制御部と、
前記第一反射膜及び前記第二反射膜により取り出された光に基づいて所定の処理を実施する処理部と、
を備え、
前記電圧制御部は、前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加を行った後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加を行い、
前記第二電圧印加において、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記目的電圧印加において、前記第二電圧印加ステップの終了時から所定時刻の間、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする電子機器。 - 第一基板、前記第一基板に対向して配置された第二基板、前記第一基板に設けられた第一反射膜、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向して配置された第二反射膜、及び、電圧印加により前記第二基板を前記第一基板側に撓ませて、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変化させるギャップ変更部を備えた波長可変干渉フィルターと、
前記ギャップ変更部に対して電圧を印加する電圧制御部と、
前記第一反射膜及び前記第二反射膜により取り出された光に基づいて所定の処理を実施する処理部と、
を備え、
前記電圧制御部は、前記波長可変干渉フィルターから目的波長の光を取り出すための目的電圧よりも小さい第二電圧を前記ギャップ変更部に印加する第二電圧印加を行った後、前記目的電圧よりも大きい第一電圧を前記ギャップ変更部に印加する第一電圧印加を行い、その後、前記目的電圧を前記ギャップ変更部に印加する目的電圧印加を行い、
前記第二電圧印加において、電圧印加開始時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第二電圧を前記ギャップ変更部に印加し、
前記第一電圧印加において、前記第二電圧印加の終了時から前記第二基板が有する固有振動周期の1/2の間、前記第一電圧を前記ギャップ変更部に印加することを特徴とする電子機器。
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