JP2016050965A - 光学モジュール及び電子機器 - Google Patents

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達昭 舟本
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Abstract

【課題】分光精度が高い光学モジュール及び電子機器を提供する。
【解決手段】光学モジュールは、光を出射する光源部6と、光源部6からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する波長可変干渉フィルター5と、複数次数の波長のうち、測定対象の波長の光成分を含み、当該測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分を含まない光を、光源部6から出射させる制御部20と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学モジュール及び電子機器に関する。
従来、一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ反射膜を所定のギャップを介して対向配置した波長可変干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような波長可変干渉フィルターにより取り出される光の波長λは、下記式(1)に示す条件を満たす。
Figure 2016050965
(1)式において、nは反射膜間の媒体の屈折率(空気の場合はn=1)であり、dは、反射膜間の間隔である。また、mは、次数であり、整数(m=1,2,3・・・)の値を採る。すなわち、波長可変干渉フィルターの分光特性は、次数mが異なる複数のピーク波長を有する。
特開平1−94312号公報
ところで、上述の波長可変干渉フィルターに対して広い波長帯域の光を入射させると、複数のピーク波長に対応した光が透過されることとなる。例えば、400nm以上700nm以下の可視域を測定対象範囲とし、1次ピーク波長として700nmの光を透過させたい場合に、2次ピーク波長として400nmの近傍の光が同時に透過されることになり、分光精度が低下するおそれがあった。
本発明は、分光精度が高い光学モジュール及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明の一適用例に係る光学モジュールは、光を出射する光源部と、前記光源部からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する分光フィルターと、前記複数次数の波長のうち、測定対象の波長の光成分を含み、当該測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分を含まない光を、前記光源部から出射させる制御部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、制御部は、分光フィルターが出射する光に含まれる複数次数の波長のうち、測定対象の波長の光成分を含み、測定対象の波長の次数とは異なるその他の次数の波長の光成分を含まない光を、光源部から出射させる。
このような構成では、分光フィルターにおいて、複数次数の波長の光が出射可能な状態であっても、光源部から出射される光に、測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分が含まれていない。このため、分光フィルターから出射された光においても、測定対象の波長の次数以外の他の次数の波長の光が含まれず、分光精度を向上させることができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記光源部は、第1波長よりも長い波長の第1光を出射する第1光源と、前記第1波長よりも短い波長を含む第2光を出射する第2光源と、を備え、前記分光フィルターから出射される複数次数の波長の光において、前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される場合に、前記対象波長の次数とは異なる次数の波長は、前記第1波長よりも短い波長域に含まれ、前記制御部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記光源部から前記第1光を出射させ、前記第2光を出射させないことが好ましい。
本適用例では、第1波長よりも長波長の第1光を出射する第1光源と、第1波長よりも短波長の第2光を出射する第2光源とを備えている。そして、分光フィルターから出射させる対象波長が第1波長よりも長波長側の場合に、当該対象波長の次数とは異なる次数は第1波長よりも短波長側に含まれる。このため、対象波長が第1波長よりも長波長側の場合に、第1光源を点灯させて第1光を出射させ、第2光源を消灯させて第2光を出射させないことにより、分光フィルターから測定対象の波長の光以外の光が出射される不都合をより確実に抑制でき、分光精度をより向上させることができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記制御部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記第1光源を点灯させ、第2光源を消灯することが好ましい。
本適用例では、分光フィルターから第1波長よりも長い対象波長の光を出射させる際に、第1光源を点灯させ、第2光源を消灯させる。このような構成では、第1光源及び第2光源のスイッチング制御を実施するだけで容易に対象波長の光のみを高い分光精度で出射させることができる。
本適用例の光学モジュールにおいて、前記光源部は、前記第2光の光路を遮蔽又は解放するシャッター機構を備え、前記制御部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記シャッター機構の駆動を制御して、前記第2光の光路を遮蔽することが好ましい。
本適用例では、分光フィルターから第1波長よりも長い対象波長の光を出射させる際に、シャッター機構を駆動させて第2光の光路を遮蔽する。一方、第1波長よりも短い対象波長の光を出射させる際では、シャッター機構を駆動させて第2光の光路を解放する。
このような構成では、シャッター機構を駆動させることで、第2光の光路を遮蔽及び解放を容易に切替えることができ、容易に対象波長の光のみを高い分光精度で出射させることができる。
また、第1光源及び第2光源を常時点灯させ、シャッター機構の遮蔽及び解放を制御することで、測定対象の次数以外の次数の波長の光成分を含まない光を出射させることができる。したがって、点灯直後に各光源の光量が変動するような場合でも、各光源を光量が安定した状態で用いることができ、光量変動を抑制することができる。さらに、光量が安定するまでの待機時間を省略することができる。
本発明の他の適用例に係る光学モジュールは、光を出射する光源部と、前記光源部からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する分光フィルターと、第1波長よりも長い光を透過し、前記第1波長よりも短い光をカットするカットフィルターと、前記分光フィルターに入射する光又は前記分光フィルターから出射される光の光路上と、前記光路外との間で、前記カットフィルターの配置位置を切替える切替部と、を備え、前記分光フィルターから出射される複数次数の波長において、前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される場合に、前記対象波長の次数とは異なる次数の波長は、前記第1波長よりも短い波長域に含まれ、前記切替部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記光路上に前記カットフィルターを配置することを特徴とする。
本適用例では、分光フィルターから第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、切替部により、分光フィルターに入射する光又は出射される光の光路上にカットフィルターを配置させる。一方、第1波長よりも短い対象波長の光を出射させる際では、前記光路外にカットフィルターを配置させる。
このような構成では、測定対象の波長の次数以外の他の次数の波長の光を除くことができ、上記一適用例の光学モジュールと同様に、分光精度を向上させることができる。
また、本適用例では、カットフィルターの位置を光路上及び光路外との間で切替えることで、測定対象波長の次数とは異なる次数の波長を含まない光を容易に出射させることができる。
本発明の他の適用例に係る電子機器は、光を出射する光源部と、前記光源部からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する分光フィルターと、前記複数次数の波長のうち、測定対象の波長の光成分を含み、当該測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分を含まない光を、前記光源部から出射させる制御部と、前記分光フィルターから出射された光に基づく処理を行う処理部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、上記光学モジュールに係る適用例と同様に、測定対象の次数の波長の光を高精度に選択して取り出すことができる。したがって、当該高精度に選択して取り出された光に基づいて、高精度の処理を実施可能な電子機器を提供できる。
第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示す図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図2におけるIII−III線における断面図。 第1光源及び第2光源のぞれぞれの発光スペクトルの一例を示す図。 第一実施形態の分光測定装置による分光測定処理の一例を示す図。 波長可変干渉フィルターの分光透過率の一例を示す図。 波長可変干渉フィルターの反射膜間ギャップの寸法を、700nmの1次ピークに対応する寸法に設定した場合の分光スペクトルの一例を示す図。 第二実施形態の分光測定装置の概略構成を示す図。 第二実施形態の分光測定装置による分光測定処理の一例を示す図。 第三実施形態の分光測定装置の概略構成を示す図。 第三実施形態の光源の発光スペクトルの一例を示す図。 第三実施形態の分光測定装置による分光測定処理の一例を示す図。 本発明の一変形例における波長可変干渉フィルターの分光透過率を示す図。 本発明の電子機器の他の一例である測色装置の概略構成を示す図。 本発明の電子機器の他の一例であるガス検出装置の概略構成を示す図。 図15のガス検出装置の制御系を示す図。 本発明の電子機器の他の一例である食物分析装置の概略構成を示す図。 本発明の電子機器の他の一例である分光カメラの概略構成を示す図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、分光測定の対象である測定対象Xで反射した測定対象光における各波長の光量を取得し、分光スペクトルを測定する装置である。この分光測定装置1は、図1に示すように、分光モジュール10と、分光モジュール10を制御する制御部20と、を備えている。
なお、本実施形態における分光測定とは、対象により反射され、分光モジュール10に入射した光から、所定波長の光を順次分光させ、順次分光された光の光量を測定する処理を指す。
[分光モジュールの構成]
分光モジュール10は、波長可変干渉フィルター5と、第1光源61及び第2光源62を含み、光を出射する光源部6と、バンドパスフィルター7と、本発明の検出部に相当する受光素子8と、電圧制御部11と、検出信号処理部12と、を備えている。
この分光モジュール10は、光源部6によって照明された測定対象Xからの測定対象光を、入射光学系(図示略)を通して、波長可変干渉フィルター5に導き、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光素子8に受光させる。そして、受光素子8から出力された検出信号は、検出信号処理部12を介して制御部20に出力される。
[波長可変干渉フィルターの構成]
図2は、波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図である。図3は、図2のIII−III線を断面した際の波長可変干渉フィルターの断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型のファブリーペローエタロンである。この波長可変干渉フィルター5は、例えば矩形板状の光学部材であり、固定基板51と可動基板52とを備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。
固定基板51には、固定反射膜54が設けられ、可動基板52には、可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54及び可動反射膜55は、ギャップG1を介して対向配置されている。そして、波長可変干渉フィルター5には、このギャップG1の寸法を調整(変更)するのに用いられる静電アクチュエーター56が設けられている。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た図2に示すような平面視(以降、フィルター平面視と称する)において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜54及び可動反射膜55の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致するものとする。
(固定基板の構成)
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511及び反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561及び可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の頂点C1には、切欠部514が形成されており、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側に、後述する可動電極パッド564Pが露出する。
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51の平面中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の頂点C1,頂点C2に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
電極配置溝511の電極設置面511Aには、静電アクチュエーター56を構成する固定電極561が設けられている。より具体的には、固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、頂点C2方向に延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C2に位置する部分)は、電圧制御部11に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。本実施形態では、Agの金属膜を用いる。
なお、固定反射膜54として、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び電極引出溝511Bが形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
(可動基板の構成)
可動基板52は、図2に示すフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
また、可動基板52には、図2に示すように、頂点C2に対応して、切欠部524が形成されており、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に、固定電極パッド563Pが露出する。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜及び高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
可動電極562は、ギャップG2を介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。この可動電極562は、固定電極561とともに静電アクチュエーター56を構成する。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁から可動基板52の頂点C1に向かって延出する可動引出電極564を備えている。この可動引出電極564の延出先端部(可動基板52の頂点C1に位置する部分)は、電圧制御部11に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54とギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、ギャップG2がギャップG1の寸法よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、ギャップG1の寸法が、ギャップG2の寸法よりも大きくなる構成としてもよい。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。したがって、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
基板外周部525は、上述したように、フィルター平面視において保持部522の外側に設けられている。この基板外周部525の固定基板51に対向する面は、第一接合部513に対向する第二接合部523を備えている。そして、この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合されている。
[光源部の構成]
図4は、光源部6が備える第1光源61及び第2光源62のぞれぞれの発光スペクトルの一例を示すグラフである。
光源部6は、第1光源61及び第2光源62を備え、所定波長(本発明の第1波長に相当)よりも長い波長の第1光と、所定波長よりも短い波長を含む第2光とのいずれかを出射する。
第1光源61は、第1光を出射する。本実施形態では、図4に示すように、所定波長である420nmよりも長い波長の第1光を出射する白色LEDを用いる。この第1光は、420nm以下の波長の光強度が、受光素子8の感度に対して低く、420nm以下の波長の光を含まないと見なすことができる。
なお、図示しないが、第1光源61に対して、照明光を集光するレンズや、当該レンズに向かって光を反射させるリフレクター等を設けてもよい。
第2光源62は、所定波長よりも短い波長を含む第2光を出射する。本実施形態では、図4に示すように、所定波長である420nm以下の波長を含む(より具体的には、約425nmにのみピーク波長を有する)第2光を出射する紫色LEDを用いる。なお、第2光源62は、受光素子8の感度に対して、約425nmのピークに係る波長域以外(例えば、約480nm以上の波長域)の光を含まないと見なすことができる第2光を出射する光源を用いているが、480nm以上の波長の光を含む光源を用いてもよい。
また、第2光源62に対しても、第1光源61同様に、上記レンズ及びリフレクター等を設けてもよい。
なお、本発明の光学モジュールは、波長可変干渉フィルター5、各光源61,62、及び制御部20で構成されている。
[バンドパスフィルター及び受光素子の構成]
バンドパスフィルター7は、特定波長域の光を透過し、それ以外の光をカットする光学素子である。本実施形態において、バンドパスフィルター7は、例えば、400nm以上700nm以下の測定波長範囲に対して、390nm以下及び710nm以上の波長域の光をカットするように構成されている。これにより測定波長範囲に含まれない波長に対応するピークによる分光測定の精度の低下を抑制できる。
受光素子8は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光(検出)し、受光量に基づいた検出信号を検出信号処理部12に出力する。つまり、受光素子8は、光が露光されると、その露光量に応じた検出信号を出力する。
[電圧制御部及び検出信号処理部の構成]
次に、図1に戻り、分光モジュール10における波長可変干渉フィルター5以外の構成について説明する。
電圧制御部11は、制御部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。これにより、静電アクチュエーター56の固定電極561及び可動電極562間で静電引力が発生し、可動部521が固定基板51側に変位する。
検出信号処理部12は、入力された検出信号(アナログ信号)を増幅したのち、デジタル信号に変換して制御部20に出力する。検出信号処理部12は、例えば、検出信号が電流値である場合、検出した電流値を電圧値に変換するI−V変換器や、検出信号を増幅するアンプや、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器等により構成される。
[制御部の構成]
制御部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体の動作を制御する。この制御部20は、図1に示すように、光源制御部21と、フィルター駆動部22と、光量取得部23と、分光測定部24と、記憶部25とを備えている。
なお、記憶部25には、分光測定装置1を制御するために各種データ及び各種プログラム等が記憶されている。各種データとしては、例えば、波長可変干渉フィルター5の透過波長と、当該透過波長に対応して静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧との関係を示すV−λデータが挙げられる。
光源制御部21は、測定対象波長が、所定波長(本実施形態では420nm)よりも大きいか否かに応じて、各光源61,62の点灯及び消灯を制御する。具体的には、本実施形態では、測定対象波長が420nmよりも大きい場合は第1光源61を点灯させ、かつ第2光源62を消灯させる。一方、測定対象波長が420nm以下の場合は第2光源62を点灯させる。なお、測定対象波長が420nm以下の場合は第1光源61を消灯させてもよいし、点灯させてもよい。
フィルター駆動部22は、V−λデータに基づいて、測定対象波長に対応する駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加させる旨の指令信号を電圧制御部11に出力する。
光量取得部23は、受光素子8によって検出された検出信号を取得し、当該検出信号において、波長可変干渉フィルター5を透過した光の光量を取得する。
分光測定部24は、光量取得部23によって測定された各波長の光量に基づいて、測定対象光の分光スペクトル特性を取得する。
[分光測定装置の動作]
上述のように構成された分光測定装置1は、波長可変干渉フィルター5の反射膜間のギャップG1を、複数の測定対象波長に対応する寸法に順次設定し、測定対象波長における光量を取得する。本実施形態では、測定対象波長に応じて、第1光源61及び第2光源62のいずれかを点灯させる。
なお、本実施形態では、一例として、400nmから700nmまでの範囲において20nm間隔に設定された16波長を測定対象波長とし、各測定波長の光を波長可変干渉フィルター5から1次のピーク波長の光として出射させて、受光素子8により受光する場合について説明する。
図5は、分光測定装置1による分光測定処理の一例を示すフローチャートである。
図5に示す分光測定処理では、測定開始の指示を受けると、光源制御部21は、測定対象波長が、所定波長(本実施形態では420nm)より長波長か否かを判定する(ステップS1)。
光源制御部21は、測定対象波長が420nmより大きいと判定した場合(ステップS1;YES)、第1光源61を点灯させ、かつ、第2光源62を消灯させ、420nm以下の波長を含まない第1光を出射させる(ステップS2)。なお、本実施形態では、440nm以上700nm以下の14波長において、測定対象波長が420nmより大きいと判定される。
一方、光源制御部21は、測定対象波長が420nm以下であると判定した場合(ステップS1;NO)、第1光源61を消灯させ、かつ、第2光源62を点灯させ、420nm以下の波長を含み、400nmにピーク波長を有する第2光を出射させる(ステップS3)。なお、本実施形態では、各測定対象波長の光を、波長可変干渉フィルター5を1次ピーク波長として透過させた光を検出するので、ステップS2では第1光源61及び第2光源62の双方を点灯させてもよい。測定対象波長の光を、波長可変干渉フィルター5を2次以上のピーク波長として透過させる場合では、上記のように、第1光源61を消灯させて、第2光源62を点灯させることが好ましい。
このように、本実施形態では、測定対象波長が所定波長である420nmよりも大きい場合に第1光を、420nm以下の場合に第2光を出射することで、各測定波長について1次ピークの光量を取得する場合に、以下に詳細に説明するように、他の次数のピークの影響を抑制することができる。
図6は、波長可変干渉フィルター5の分光透過率の一例を示すグラフである。
図6は、波長を400nmから700nmまでの範囲において20nm間隔で、1次のピークを取得するように、波長可変干渉フィルター5のギャップ寸法を設定した場合の分光透過率を示す。図6に示すように、例えば、700nmに1次のピーク波長となるようにギャップ寸法を設定すると、2次のピーク波長が380nm近傍の値となる。このように、1次ピークに対応する高次ピークの波長を含む光源を用いる場合、1次ピークと同時に、1次ピークよりも短波長側に、測定対象次数よりも高次の波長の光成分に対応する2次ピークが出現する。
図7は、波長可変干渉フィルター5のギャップG1の寸法を、700nmの1次ピークに対応する寸法に設定した場合の分光スペクトルの一例を示す図である。
第1光源61及び第2光源62を同時に点灯した場合、波長可変干渉フィルター5のギャップG1の寸法を700nmの測定対象波長に対応する寸法に設定すると、上記のように、波長可変干渉フィルター5から、測定対象次数以外の次数に対応する2次ピーク波長(約380nm)を中心とした所定波長域の光が出射される(図6参照)。ここで、バンドパスフィルター7の透過波長範囲(例えば390nm以上710nm以下)に対して、図7に示すように、2次ピーク波長近傍の光も透過波長範囲内に含まれる。このため、測定対象の次数の波長の光成分に加え、測定対象次数以外の次数の波長に対応する光成分の光量も同時に取得することになり、測定精度が低下する。
ここで、本実施形態のように、波長可変干渉フィルター5の各反射膜54,55のようにAgやAg合金を用いた反射膜では、短波長側(例えば400nm近傍の短波長側)において、700nmの近傍の長波長側と比べて反射率が低い(透過率が高い)。このため、短波長側では、波長可変干渉フィルター5の入射光の一部が透過する場合がある。したがって、例えば測定対象波長の光を700nmとした場合に、短波長側の光の透過光量が増えることで測定精度がさらに低下する場合がある。すなわち、AgやAg合金を用いた反射膜では、短波長側におけるノイズ成分が増加する傾向にある。
これに対して、第1光源61を点灯し、第2光源62を消灯した場合は、420nm以下の波長の光を含まない第1光が光源部6から出射される。この第1光は、700nmの1次ピーク(測定対象の次数に対応)に対する2次ピーク(測定対象の次数以外の次数に対応)の波長や、400nm以上420nm以下の短波長側の光を含まないため、1次ピークの光量を取得する際、2次ピークに係る光量が加算されたり、短波長側におけるノイズ成分による影響を受けたりすることによる、測定精度の低下を抑制できる。
なお、第1光が、測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分を含まないとは、第1光に含まれる測定対象の次数の波長の光成分(第1成分)と、測定対象の次数とは異なる他の次数の波長の光成分(第2成分)とのうち、第2成分の光量が、第1成分の光量に対して、当該第2成分を無視できる程度に十分に小さいことを意味する。例えば、本実施形態では、第1光において、1次ピーク波長が700nmである場合の2次ピークの波長に対応する光量が、受光素子8で検出できない程度に十分に小さくなっている。
図5に戻り、ステップS2又はステップS3で各光源61,62のうちのいずれかが点灯された後、フィルター駆動部22は、波長可変干渉フィルター5のギャップG1の寸法を、1次ピークの測定対象波長に対応する寸法に設定することで、波長可変干渉フィルター5からの出射光の波長を設定する(ステップS4)。具体的には、フィルター駆動部22は、記憶部25に記憶されたV−λデータから、測定対象波長に対する駆動電圧を読み出し、当該駆動電圧を静電アクチュエーター56に印加する旨の指令信号を電圧制御部11に出力する。これにより、静電アクチュエーター56に駆動電圧が印加され、ギャップG1が、測定対象波長に対応した寸法に設定される。
次に、光量取得部23は、波長可変干渉フィルター5から出射された光の光量を取得する(ステップS5)。取得された光量値は、設定されたギャップG1の寸法に対応する測定対象波長の光の光量値である。光量取得部23は、取得した光量値を、設定されている測定対象波長と対応づけて記憶部25に記憶させる。
次に、光源制御部21は、測定終了か否かを判定し(ステップS6)、測定終了であると判定した場合(ステップS7;YES)、各光源61,62を消灯させる。
一方、光源制御部21は、測定終了ではないと判定した場合(ステップS6;NO)、ステップS1に戻り、上記ステップS1の処理を実行する。
なお、分光測定部24は、測定終了タイミングや、ユーザーによって指示されたタイミング等において、取得した光量値を用いて分光スペクトルを取得する。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態では、光源制御部21は、波長可変干渉フィルター5が出射する光に含まれる複数次数の波長のうち、測定対象の次数の波長の光成分を含み、測定対象の波長の次数とは異なるその他の次数の波長の光成分を含まない光を、光源部6に出射させる。
このような構成では、波長可変干渉フィルター5において、複数次数の波長の光が出射可能な状態であっても、光源部6から出射される光に、測定対象の波長の次数である1次とは異なる他の次数の波長の光成分が含まれていない。このため、波長可変干渉フィルター5から出射され受光素子8で受光される光にも、測定対象ではない次数の波長の光が含まれず、分光精度を向上させることができる。
本実施形態では、所定波長(例えば420nmであり、第1波長とも称する)よりも長波長の第1光を出射する第1光源61と、上記所定波長よりも短波長の第2光を出射する第2光源62とを備えている。また、波長可変干渉フィルター5から出射させる測定対象波長が第1波長よりも長波長側の場合に、当該測定対象波長の次数とは異なる次数は第1波長よりも短波長側に含まれる。このため、対象波長が第1波長よりも長波長側の場合に、第1光源61を点灯させて第1光を出射させ、第2光源62を消灯させて第2光を出射させないことにより、波長可変干渉フィルター5から測定対象の波長の光以外の光が出射される不都合をより抑制でき、分光精度をより向上させることができる。
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5から第1波長よりも長い対象波長の光を出射させる際に、第1光源61を点灯させ、第2光源62を消灯させる。このような構成では、第1光源61及び第2光源62のスイッチング制御を実施するだけで、容易に対象波長の光のみを高い分光精度で出射させることができる。
また、本実施形態では、反射膜としてAgやAg合金を用いており、上述のように、長波長側(例えば700nm近傍)と比べて短波長側(例えば400nm近傍)において反透過率が高い。これに対して、第1光は、700nmの波長の1次ピークに対して、短波長側に現れる2次ピークの波長の光成分を含まない。このため、短波長側の光の透過光量の増大を抑制できる。
[第二実施形態]
以下、本発明に係る第二実施形態を図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態では、各測定波長について1次ピークの光量を高精度で取得するために、測定対象波長が所定波長より大きい場合に、第1光源61のみを点灯させ、測定対象波長域に2次ピークの光成分を含まない第1光を出射させ、測定対象波長が所定波長以下の場合に、第2光源62を点灯させる構成を採用した。
一方、第二実施形態では、第1光源61及び第2光源62を同時に点灯させておき、第1光の出射タイミングでは、第2光の光路を遮蔽するシャッター機構を備える点で相違する。
以下の説明では、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明は省略又は簡略化する。
図8は、本発明に係る第二実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図8に示すように、分光測定装置1Aは、分光モジュール10Aと、制御部20と、を備えている。
分光モジュール10Aは、第一実施形態の光源部6に代えて、第1光源61、第2光源62、及びシャッター機構63を有する光源部6Aを備える。
シャッター機構63は、第2光の光路を遮蔽又は解放するシャッター631と、当該シャッター631を第2光の光路上と光路外との間で移動させる移動部632と、を備えている。このシャッター機構63は、光源制御部21の制御により、シャッター631の位置を変更し、第2光の光路を遮蔽又は解放する。
[分光測定装置の動作]
上述のように構成された分光測定装置1Aは、第一実施形態の分光測定装置1と同様に、波長可変干渉フィルター5の反射膜間のギャップG1を、複数の測定対象波長に対応する寸法に順次設定し、測定対象波長における光量を取得する。
その際、第二実施形態の分光測定装置1Aでは、測定波長に応じて、シャッター機構63により、第2光の光路を遮蔽又は解放する。
図9は、分光測定装置1Aによる分光測定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、第一実施形態の分光測定処理と異なる点について重点的に説明し、共通の処理については省略又は簡略化する。
図9に示す分光測定処理では、測定開始の指示を受けると、光源制御部21は、測定対象波長が、所定波長(420nm)よりも大きいか否かを判定する(ステップS1)。
光源制御部21は、測定対象波長が420nmよりも大きいと判定した場合(ステップS1;YES)、シャッター機構63を駆動して、第2光の光路を遮蔽し、光源部6から第1光を出射させる(ステップS2A)。
一方、光源制御部21は、測定対象波長が420nm以下であると判定した場合(ステップS1;NO)、シャッター機構63を駆動して、第2光の光路を解放し、光源部6から第2光を含む光を出射させる(ステップS3A)。
以下、第一実施形態同様に、ステップS4において、波長可変干渉フィルター5のギャップG1の寸法を、1次ピークの測定対象波長に対応する寸法に設定する。
次に、ステップS5において、光量取得部23は、波長可変干渉フィルター5から出射された光の光量を取得する。
そして、ステップS6において、光源制御部21は、測定終了か否かを判定し(ステップS6)、測定終了であると判定した場合(ステップS6;YES)、各光源61,62を消灯させる。一方、光源制御部21は、測定終了ではないと判定した場合(ステップS6;NO)、ステップS1に戻り、上記ステップS1の処理を実行する。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5から所定波長(例えば420nm)である第1波長よりも長い対象波長の光を出射させる際に、シャッター機構63により第2光の光路を遮蔽する。一方、第1波長よりも短い対象波長の光を出射させる際に、シャッター機構63に第2光の光路を解放させる。
このような構成では、シャッター機構63を駆動させることで、第2光の光路を遮蔽及び解放を容易に切替えることができ、容易に対象波長の光のみを高い分光精度で出射させることができる。
また、第1光源及び第2光源を常時点灯させ、シャッター機構の遮蔽及び解放を制御することで、測定対象の次数以外の次数の波長の光成分を含まない光を出射させることができる。したがって、点灯直後に各光源の光量が変動するような場合でも、各光源を光量が安定した状態で用いることができ、光量変動を抑制することができる。さらに、光量が安定するまでの待機時間を省略することができる。
また、第1光源61及び第2光源62を常時点灯させ、シャッター機構63の遮蔽及び解放を制御することで、測定対象の次数以外の次数の波長の光成分を含まない光を出射させることができる。したがって、点灯直後に各光源61,62の光量が変動するような場合でも、各光源61,62を光量が安定した状態で用いることができ、光量変動を抑制することができる。さらに、光量が安定するまでの待機時間を省略することができ、測定の所要時間を短縮することができる。
[第三実施形態]
以下、本発明に係る第三実施形態を図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態では、各測定波長について1次ピークの光量値を高精度で取得するために、測定波長が所定波長よりも大きい場合に、第1光源61のみを点灯させ、測定対象波長域に2次ピークを含まない第1光を出射させ、測定波長が所定波長以下の場合に、第2光源62を点灯させる構成を採用した。
一方、第三実施形態では、測定波長を含む波長範囲の光を出射させる光源と、所定の第1波長よりも長波長の光を透過させ、それ以外の光をカットするカットフィルターとしてのロングパスフィルターとを備え、このロングパスフィルターを光源の光路に対して進退させる点で相違する。
以下の説明では、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明は省略又は簡略化する。
図10は、本発明に係る第三実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図10に示すように、分光測定装置1Bは、分光モジュール10Bと、制御部20Bと、を備えている。
分光モジュール10Bは、波長可変干渉フィルター5と、光源部に相当する光源64と、バンドパスフィルター7と、受光素子8と、電圧制御部11と、検出信号処理部12と、本発明のフィルター部としてのロングパスフィルター13と、光源64からの光の光路上と光路外との間で、ロングパスフィルター13の配置位置を切替える切替部14と、を備えている。
光源64は、測定波長範囲を含む所定波長範囲の光を出射する。本実施形態では、例えば、400nm以上700以下の測定波長範囲の波長を含むタングステンランプを用いる。
図11は、タングステンランプを用いた場合の光源64の発光スペクトルの一例を示すグラフである。
図11に示す光源64では、短波長側から長波長側に向かうにしたがって強度が増大し、400nmの近傍では700nmの近傍に対して強度が弱くなっている。
ロングパスフィルター13は、本実施形態では、光源64から波長可変干渉フィルター5までの間の光路上に配置されている。ロングパスフィルター13は、所定波長、例えば420nm以上の波長の光を透過し、420nm以下の波長の光をカットするカットフィルターである。このロングパスフィルター13は、測定対象波長が所定波長(420nm)より大きい場合は、光源64からの出射光の光路上に配置され、所定波長以下の場合は、上記出射光の光路外に配置される。
切替部14は、光源64からの光の光路上の第1位置と、光路外の第2位置との間で、ロングパスフィルター13の配置位置を切替える。切替部14は、例えば、ロングパスフィルター13を保持する保持部材と、当該保持部材が配置されるレールと、当該保持部材をレールに沿って移動させるモーター等の駆動装置とを備え、上記第1位置及び第2位置の間で、ロングパスフィルター13を移動させる。
制御部20Bは、第一実施形態の制御部20に対して、さらに切替制御部26を備える。
切替制御部26は、測定対象波長が所定波長以上か否かに応じて、切替部14を駆動させて、ロングパスフィルター13の配置位置を、光源64からの出射光の光路上と光路外との各位置の間で切替えさせる。なお、本実施形態では、切替制御部26が本発明の制御部に相当する。
[分光測定装置の動作]
上述のように構成された分光測定装置1Bは、第一実施形態の分光測定装置1と同様に、波長可変干渉フィルター5の反射膜間のギャップG1を、複数の測定対象波長に対応する寸法に順次設定し、測定対象波長における光量を取得する。
その際、第三実施形態の分光測定装置1Bでは、測定波長に応じて、ロングパスフィルターの配置位置を切替える。
図12は、分光測定装置1Bによる分光測定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、第一実施形態の分光測定処理と異なる点について重点的に説明し、共通の処理については省略又は簡略化する。
図12に示す分光測定処理では、測定開始の指示を受けると、切替制御部26は、測定対象波長が、所定波長以上、本実施形態では420nmより大きいか否かを判定する(ステップS1B)。なお、測定開始の指示を受けた際、光源制御部21は、光源64を点灯させる。
切替制御部26は、測定対象波長が420nmより大きいと判定した場合(ステップS1B;YES)、ロングパスフィルター13を光路上の第1位置に配置させる(ステップS2B)。ロングパスフィルター13が第1位置に配置されると、420nm以下の波長を含まない光(本発明の第1光に相当)が測定対象Xに向かって照射される。
本実施形態においても、第一実施形態と同様に、測定対象波長が所定波長(420nm)よりも大きい場合に第1光を、以下の場合に第2光を出射することで、各測定波長について1次ピークの光量を取得する場合に、他の次数のピークの影響を抑制することができる。
一方、切替制御部26は、測定対象波長が420nm以下であると判定した場合(ステップS1B;NO)、ロングパスフィルター13を光路外の第2位置に配置させる(ステップS3B)。ロングパスフィルター13が第2位置に配置されると、420nm以下の波長を含む光(本発明の第2光に相当)が測定対象Xに向かって照射される。
以下、第一実施形態と同様に、ステップS4において、波長可変干渉フィルター5のギャップG1の寸法を、測定対象波長に設定された1次ピーク波長に対応する寸法に設定する。
次に、ステップS5において、光量取得部23は、波長可変干渉フィルター5から出射された光の光量を取得する。
そして、ステップS6において、光源制御部21は、測定終了か否かを判定し、測定終了であると判定した場合(ステップS6;YES)、光源64を消灯させる。一方、光源制御部21は、測定終了ではないと判定した場合(ステップS6;NO)、上記ステップS1Bに戻り、ステップS1Bの処理を実行する。
[第三実施形態の作用効果]
本実施形態では、波長可変干渉フィルター5から、所定波長である第1波長よりも長い対象波長の光を出射させる際に、切替部14により、第2光の光路上にロングパスフィルター(カットフィルター)13を配置させる。一方、第1波長よりも短い対象波長の光を出射させる際では、第2光の光路外にロングパスフィルター13を配置させる。
このような構成では、ロングパスフィルターの位置を第2光の光路上及び光路外との間で切替えることで、測定対象波長の次数とは異なる次数の波長を含まない光を容易に出射させることができる。
また、測定波長域の光を出射可能な光源を1つ設ければよく、複数種類の光源を設ける場合と比べて構成を簡略化することができる。
また、測定対象波長を含む広範囲の波長の光を出射可能な光源を使用している場合、光源を交換せずにカットフィルターを、カット対象の波長範囲が異なるものに交換することにより、測定波長の範囲を変更することができる。したがって、測定波長の範囲の変更に容易に対応可能であり、汎用性が高い分光測定装置1Bを提供することができる。
[実施形態の変形]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、各測定波長について、波長可変干渉フィルター5の出射光の1次ピークの光量値を取得する構成を例示したが、2以上の次数に対応するピークの光量値を取得してもよい。
図13は、測定波長範囲のうちの長波長側の測定に1次ピーク、短波長側の測定に2次ピークを使用した場合の波長可変干渉フィルター5の分光透過率の一例を示すグラフである。なお、測定波長範囲は、例えば400nm以上700nm以下の範囲とする。
図13に示すように、短波長側において2次ピークの光量値を測定する際は、長波長側に現れる1次ピーク(例えば、1次ピーク波長が約780nm)の裾部分が、測定波長範囲に含まれる場合がある。この場合、上記1次ピークの裾部分がノイズ成分となり、短波長側における測定精度が低下する。
また、長波長側において1次ピークの光量値を測定する際は、上記各実施形態と同様に、短波長側に現れる2次ピークの裾部分がノイズ成分となり、長波長側における測定精度が低下する。
このように、長波長側と短波長側とで異なる次数に対応する波長の光量を測定するような場合において、長波長側を測定する際は、短波長側の波長の光成分を含まない光を、短波長側を測定する際は、長波長側の波長の光成分を含まない光を光源部から出射させることで、測定対象の次数とは異なる次数の光の影響を抑制できる。
より具体的には、例えば、長波長側を測定する際は、短波長側の波長を含まない光を出射する長波長用光源を点灯させ、短波長側を測定する際は、長波長側の波長を含まない光を出射する短波長用光源を点灯させる構成を採用することができる。このような所定範囲の波長の光を出射する光源としてLEDを用いることができる。また、例えば、長波長側を測定する際は、短波長側の波長を除去するカットフィルターを、短波長側を測定する際は、長波長側の波長を除去するカットフィルターを、光源部からの光の光路上に配置する構成を採用することができる。
上記第三実施形態では、ロングパスフィルター13を、光源64から波長可変干渉フィルター5までの間の光路上に配置する構成を例示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、波長可変干渉フィルター5から出射された光の光路上(すなわち、波長可変干渉フィルター5から受光素子8までの間の光路上)に、ロングパスフィルター13を配置してもよい。
また、上記第三実施形態において、光源64とロングパスフィルター13と切替部14とを含み光源部を構成してもよい。
上記各実施形態では、ギャップ変更部として、固定電極561、及び可動電極562に電圧を印加することで、静電引力により反射膜間ギャップG1の大きさを変更する静電アクチュエーター56を備える構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、ギャップ変更部として、誘導アクチュエーターを用いてもよい。この場合、固定電極561の代わりに、第一誘導コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘導コイル又は永久磁石を配置する構成を例示できる。
さらに、ギャップ変更部として、圧電アクチュエーターを用いてもよい。この場合、保持部522に下部電極層、圧電膜、及び上部電極層を積層配置させ、下部電極層及び上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませる構成を例示できる。
また、上記各実施形態では、ギャップ変更部としての静電アクチュエーター56を一対の基板の一方のみに設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されず、ギャップ変更部を両方の基板に設けてもよい。
上記各実施形態では、反射膜間ギャップG1を変更可能に構成された波長可変干渉フィルター5を例示したが、これに限定されず、反射膜間ギャップG1の大きさが固定された干渉フィルターであってもよい。
また、上記各実施形態では、波長可変干渉フィルター5として、一対の基板51,52と、各基板51,52のそれぞれに設けられた一対の反射膜54,55を備える構成を例示したが、これに限定されない。例えば、可動基板52が設けられない構成としてもよい。この場合、例えば、基板(固定基板)の一面に第一反射膜、ギャップスペーサ、及び第二反射膜を積層形成し、第一反射膜と第二反射膜とがギャップを介して対向する構成とする。当該構成では、一枚の基板からなる構成となり、分光フィルターをより薄型化することができる。
上記各実施形態において、波長可変干渉フィルター5がパッケージ内に収納された状態で分光モジュール10に組み込まれる構成などとしてもよい。この場合、パッケージ内を真空密閉することで、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に電圧を印加した際の駆動応答性を向上させることができる。
上記各実施形態では、分光フィルターとして、波長可変干渉フィルター5を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばAOTF(Acousto Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid Crystal Tunable Filter)が用いられてもよい。ただし、装置の小型化の観点から上記各実施形態のようにファブリーペローフィルターを用いることが好ましい。
また、本発明の電子機器として、上記各実施形態において分光測定装置1,1A,1Bを例示したが、その他、様々な分野により本発明の光学モジュール及び電子機器を用いることができる。
以下、本発明の光学フィルターデバイスを利用した電子機器の変形例について説明する。
なお、本発明の電子機器に係る下記変形例では、第一実施形態の分光モジュールを採用する構成を例示するが、第二実施形態や第三実施形態の分光モジュールを採用してもよい。
図14は、上記第一実施形態の光源部6が組み込まれた電子機器の一例である測色装置の概略構成を示すブロック図である。
この測色装置400は、図14に示すように、測定対象Xに光を射出する光源部6を含む光源装置410と、測色センサー420と、測色装置400の全体動作を制御する制御装置430と、を備える。そして、この測色装置400は、光源部6から射出される光を測定対象Xにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサー420にて受光させ、測色センサー420から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち測定対象Xの色を分析して測定する装置である。ここで、光源装置410及び測色センサー420は、第一実施形態の分光モジュールに相当する。
光源装置410は、光を出射する光源部6と、光源部6からの光を測定対象Xに対して、所定の角度で光を照射する導光光学系411を備える。なお、導光光学系411は、1つの光学素子(集光レンズ等)で構成されてもよく、複数のレンズで構成されてもよい。
測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5と、波長可変干渉フィルター5を透過する光を受光する受光素子8と、波長可変干渉フィルター5で透過させる光の波長に対応する電圧を静電アクチュエーター56に印加する電圧制御部11と、を備える。そして、この測色センサー420は、波長可変干渉フィルター5により、検査対象光のうち所定波長の光を分光し、分光した光を受光素子8にて受光する。
制御装置430は、測色装置400の全体動作を制御する。
この制御装置430としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。そして、制御装置430は、図14に示すように、光源制御部21、測色センサー制御部432、及び測色処理部433などを備えて構成されている。
光源制御部21は、上述の機能を有し、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置410に所定の制御信号を出力する。
測色センサー制御部432は、測色センサー420に接続され、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー420にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー420に出力する。これにより、測色センサー420では、制御信号に基づいて、静電アクチュエーター56に電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5を駆動させる。
測色処理部433は、受光素子8により検出された受光量から、測定対象Xの色度を分析する。
また、本発明の電子機器は、例えば、特定物質の存在を検出するための光ベースのシステムとして用いることができる。このようなシステムとしては、例えば、本発明の光学モジュールを用いた分光計測方式を採用して特定ガスを高感度検出する車載用ガス漏れ検出器や、呼気検査用の光音響希ガス検出器等のガス検出装置を例示できる。
このようなガス検出装置の一例を以下に図面に基づいて説明する。
図15は、波長可変干渉フィルターを備えたガス検出装置の一例を示す概略図である。
図16は、図15のガス検出装置の制御系の構成を示すブロック図である。
このガス検出装置100は、図15に示すように、センサーチップ110と、吸引口120A、吸引流路120B、排出流路120C、及び排出口120Dを備えた流路120と、本体部130と、を備えて構成されている。
本体部130は、流路120を着脱可能な開口を有するセンサー部カバー131、排出手段133、筐体134、光学部135、フィルター136、波長可変干渉フィルター5、及び受光素子137(検出部)等を含む検出装置と、検出された信号を処理し、検出部を制御する制御部138、電力を供給する電力供給部139等から構成されている。また、光学部135は、光を射出する光源部6と、光源部6から入射された光をセンサーチップ110側に反射し、センサーチップ側から入射された光を受光素子137側に透過するビームスプリッター135Bと、レンズ135C,レンズ135D,レンズ135Eと、により構成されている。
また、ガス検出装置100の表面には、図16に示す、操作パネル140、表示部141、外部とのインターフェイスのための接続部142、電力供給部139が設けられている。電力供給部139が二次電池の場合には、充電のための接続部143を備えてもよい。
さらに、ガス検出装置100の制御部138は、図16に示すように、CPU等により構成された信号処理部144、光源部6を制御するための光源ドライバー回路145、波長可変干渉フィルター5を制御するための電圧制御部146、受光素子137からの信号を受信する受光回路147、センサーチップ110のコードを読み取り、センサーチップ110の有無を検出するセンサーチップ検出器148からの信号を受信するセンサーチップ検出回路149及び排出手段133を制御する排出ドライバー回路150等を備えている。なお、信号処理部144及び光源ドライバー回路145が、第一実施形態における光源制御部21と同様の機能を実現する。
次に、上記のようなガス検出装置100の動作について、以下に説明する。
本体部130の上部のセンサー部カバー131の内部には、センサーチップ検出器148が設けられており、このセンサーチップ検出器148でセンサーチップ110の有無が検出される。信号処理部144は、センサーチップ検出器148からの検出信号を検出すると、センサーチップ110が装着された状態であると判断し、表示部141へ検出動作を実施可能な旨を表示させる表示信号を出す。
そして、例えば利用者により操作パネル140が操作され、操作パネル140から検出処理を開始する旨の指示信号が信号処理部144へ出力されると、まず、信号処理部144は、光源ドライバー回路145に光源作動の信号を出力して光源部6を作動させる。また、光源部6には、温度センサーや光量センサーが内蔵されており、その情報が信号処理部144へ出力される。そして、信号処理部144は、光源部6から入力された温度や光量に基づいて、光源部6が安定動作していると判断すると、排出ドライバー回路150を制御して排出手段133を作動させる。これにより、検出すべき標的物質(ガス分子)を含んだ気体試料が、吸引口120Aから、吸引流路120B、センサーチップ110内、排出流路120C、排出口120Dへと誘導される。なお、吸引口120Aには、除塵フィルター120A1が設けられ、比較的大きい粉塵や一部の水蒸気等が除去される。
また、センサーチップ110は、金属ナノ構造体が複数組み込まれ、局在表面プラズモン共鳴を利用したセンサーである。このようなセンサーチップ110では、レーザー光により金属ナノ構造体間で増強電場が形成され、この増強電場内にガス分子が入り込むと、分子振動の情報を含んだラマン散乱光及びレイリー散乱光が発生する。
これらのレイリー散乱光やラマン散乱光は、光学部135を通ってフィルター136に入射し、フィルター136によりレイリー散乱光が分離され、ラマン散乱光が波長可変干渉フィルター5に入射する。そして、信号処理部144は、電圧制御部146を制御し、波長可変干渉フィルター5に印加する電圧を調整し、検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5で分光させる。この後、分光した光が受光素子137で受光されると、受光量に応じた受光信号が受光回路147を介して信号処理部144に出力される。
信号処理部144は、上記のようにして得られた検出対象となるガス分子に対応したラマン散乱光のスペクトルデータと、ROMに格納されているデータとを比較し、目的のガス分子か否かを判定し、物質の特定をする。また、信号処理部144は、表示部141にその結果情報を表示させたり、接続部142から外部へ出力したりする。
なお、図15及び図16において、ラマン散乱光を波長可変干渉フィルター5により分光して分光されたラマン散乱光からガス検出を行うガス検出装置100を例示した。この他、ガス検出装置として、ガス固有の吸光度を検出することでガス種別を特定するガス検出装置として用いてもよい。この場合、センサー内部にガスを流入させ、入射光のうちガスにて吸収された光を検出するガスセンサーを本発明の光学モジュールとして用いる。そして、このようなガスセンサーによりセンサー内に流入されたガスを分析、判別するガス検出装置を本発明の電子機器とする。このような構成でも、波長可変干渉フィルターを用いてガスの成分を検出することができる。
また、特定物質の存在を検出するためのシステムとして、上記のようなガスの検出に限られず、近赤外線分光による糖類の非侵襲的測定装置や、食物や生体、鉱物等の情報の非侵襲的測定装置等の、物質成分分析装置を例示できる。
以下に、上記物質成分分析装置の一例として、食物分析装置を説明する。
図17は、電子機器の一例である食物分析装置の概略構成を示す図である。
この食物分析装置200は、図17に示すように、検出器210と、制御部220と、表示部230と、を備えている。検出器210は、光を射出する光源部6と、測定対象物からの光が導入される撮像レンズ212と、撮像レンズ212から導入された光を分光する波長可変干渉フィルター5と、分光された光を検出する撮像部213と、を備えている。
また、制御部220は、光源部6の点灯・消灯制御、点灯時の明るさ制御を実施する光源制御部21と、波長可変干渉フィルター5を制御する電圧制御部222と、撮像部213を制御し、撮像部213で撮像された分光画像を取得する検出制御部223と、信号処理部224と、記憶部225と、を備えている。
この食物分析装置200は、システムを駆動させると、光源制御部21により光源部6が制御されて、光源部6から測定対象物に光が照射される。そして、測定対象物で反射された光は、撮像レンズ212を通って波長可変干渉フィルター5に入射する。波長可変干渉フィルター5はで電圧制御部222の制御により所望の波長を分光可能な電圧が印加されており、分光された光が、例えばCCDカメラ等により構成される撮像部213で撮像される。また、撮像された光は分光画像として、記憶部225に蓄積される。また、信号処理部224は、電圧制御部222を制御して波長可変干渉フィルター5に印加する電圧値を変化させ、各波長に対する分光画像を取得する。
そして、信号処理部224は、記憶部225に蓄積された各画像における各画素のデータを演算処理し、各画素におけるスペクトルを求める。また、記憶部225には、例えばスペクトルに対する食物の成分に関する情報が記憶されており、信号処理部224は、求めたスペクトルのデータを、記憶部225に記憶された食物に関する情報を基に分析し、検出対象に含まれる食物成分、及びその含有量を求める。また、得られた食物成分及び含有量から、食物カロリーや鮮度等をも算出することができる。さらに、画像内のスペクトル分布を分析することで、検査対象の食物の中で鮮度が低下している部分の抽出等をも実施することができ、さらには、食物内に含まれる異物等の検出をも実施することができる。
そして、信号処理部224は、上述のようにして得られた検査対象の食物の成分や含有量、カロリーや鮮度等の情報を表示部230に表示させる処理をする。
また、図17において、食物分析装置200の例を示すが、略同様の構成により、上述したようなその他の情報の非侵襲的測定装置としても利用することができる。例えば、血液等の体液成分の測定、分析等、生体成分を分析する生体分析装置として用いることができる。このような生体分析装置としては、例えば血液等の体液成分を測定する装置として、エチルアルコールを検知する装置とすれば、運転者の飲酒状態を検出する酒気帯び運転防止装置として用いることができる。また、このような生体分析装置を備えた電子内視鏡システムとしても用いることができる。
さらには、鉱物の成分分析を実施する鉱物分析装置としても用いることができる。
さらには、本発明の光学モジュール及び電子機器としては、以下のような装置に適用することができる。
例えば、各波長の光の強度を経時的に変化させることで、各波長の光でデータを伝送させることも可能であり、この場合、光学モジュールに設けられた波長可変干渉フィルターにより特定波長の光を分光し、受光部で受光させることで、特定波長の光により伝送されるデータを抽出することができ、このようなデータ抽出用光学モジュールを備えた電子機器により、各波長の光のデータを処理することで、光通信を実施することもできる。
また、電子機器としては、波長可変干渉フィルター5により光を分光することで、分光画像を撮像する分光カメラ、分光分析機等にも適用できる。
図18は、分光カメラの概略構成を示す模式図である。分光カメラ300は、図18に示すように、カメラ本体310と、撮像レンズユニット320と、撮像部330(検出部)と、光源部6と、を備えている。なお、光源部6は、カメラ本体310に設けられている。
カメラ本体310は、利用者により把持、操作される部分である。
撮像レンズユニット320は、カメラ本体310に設けられ、入射した画像光を撮像部330に導光する。また、この撮像レンズユニット320は、図18に示すように、対物レンズ321、結像レンズ322、及びこれらのレンズ間に設けられた波長可変干渉フィルター5を備えて構成されている。
撮像部330は、受光素子により構成され、撮像レンズユニット320により導光された画像光を撮像する。
このような分光カメラ300では、波長可変干渉フィルター5により撮像対象となる波長の光を透過させることで、所望波長の光の分光画像を撮像することができる。
さらには、本発明の光学モジュール及び電子機器を、生体認証装置として用いてもよく、例えば、近赤外領域や可視領域の光を用いた、血管や指紋、網膜、虹彩等の認証装置にも適用できる。
また、本発明の光学モジュール及び電子機器を、濃度検出装置としても用いることができる。この場合、波長可変干渉フィルターにより、物質から射出された赤外エネルギー(赤外光)を分光して分析し、サンプル中の被検体濃度を測定する。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造等に適宜変更してもよい。
1,1A,1B…分光測定装置(電子機器)、5…波長可変干渉フィルター(分光フィルター)、6,6A…光源部、10,10A,10B…分光モジュール、13…ロングパスフィルター(カットフィルター)、14…切替部、20,20B…制御部、21…光源制御部(制御部)、61…第1光源、62…第2光源、63…シャッター機構、64…光源(光源部)、100…ガス検出装置(電子機器)、138…制御部(処理部)、200…食物分析装置(電子機器)、210…検出器、220…制御部(処理部)、300…分光カメラ(電子機器)、400…測色装置(電子機器)、420…測色センサー、430…制御装置(制御部、処理部)。

Claims (6)

  1. 光を出射する光源部と、
    前記光源部からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する分光フィルターと、
    前記複数次数の波長のうち、測定対象の波長の光成分を含み、当該測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分を含まない光を、前記光源部から出射させる制御部と、を備えた
    ことを特徴とする光学モジュール。
  2. 請求項1に記載の光学モジュールにおいて、
    前記光源部は、
    第1波長よりも長い波長の第1光を出射する第1光源と、
    前記第1波長よりも短い波長を含む第2光を出射する第2光源と、を備え、
    前記分光フィルターから出射される複数次数の波長の光において、前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される場合に、前記対象波長の次数とは異なる次数の波長は、前記第1波長よりも短い波長域に含まれ、
    前記制御部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記光源部から前記第1光を出射させ、前記第2光を出射させない
    ことを特徴とする光学モジュール。
  3. 請求項2に記載の光学モジュールにおいて、
    前記制御部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記第1光源を点灯させ、第2光源を消灯する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の光学モジュールにおいて、
    前記光源部は、前記第2光の光路を遮蔽又は解放するシャッター機構を備え、
    前記制御部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記シャッター機構の駆動を制御して、前記第2光の光路を遮蔽する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  5. 光を出射する光源部と、
    前記光源部からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する分光フィルターと、
    第1波長よりも長い光を透過し、前記第1波長よりも短い光をカットするカットフィルターと、
    前記分光フィルターに入射する光又は前記分光フィルターから出射される光の光路上と、前記光路外との間で、前記カットフィルターの配置位置を切替える切替部と、を備え、
    前記分光フィルターから出射される複数次数の波長において、前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される場合に、前記対象波長の次数とは異なる次数の波長は、前記第1波長よりも短い波長域に含まれ、
    前記切替部は、前記分光フィルターから前記第1波長よりも長い対象波長の光が出射される際に、前記光路上に前記カットフィルターを配置する
    ことを特徴とする光学モジュール。
  6. 光を出射する光源部と、
    前記光源部からの光から、複数次数の波長の光を選択して出射する分光フィルターと、
    前記複数次数の波長のうち、測定対象の波長の光成分を含み、当該測定対象の波長の次数とは異なる他の次数の波長の光成分を含まない光を、前記光源部から出射させる制御部と、
    前記分光フィルターから出射された光に基づく処理を行う処理部と、を備えた
    ことを特徴とする電子機器。
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