JP2016011847A - イオン化室 - Google Patents
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Abstract
Description
液体クロマトグラフ質量分析装置101は、液体クロマトグラフ部(LC部)60とイオン化室200と質量分析部50とを備える。また、質量分析部50には、イオン化室200に隣接する第1中間室12と、第1中間室12に隣接する第2中間室13と、第2中間室13に隣接する質量分析室(MS部)14とがそれぞれ隔壁を介して連続的に設けられている。
ノズル152は、プローブ本体部151の下方に突出するよう形成された二重管構造になっている。流路155を介して供給される液体試料は内部円管(例えば、直径外径0.27mm)152bの内側から噴出される。一方、流路156から供給される窒素ガスは内部円管152bと外部円管(例えば直径内径0.37mm)152aとの間から噴射される。このようにすることにより、噴出された液体試料は、内部円管152bの周囲に噴射されるネブライズガスとの衝突作用により霧状態となって噴霧される。また、外部円管152aの先端に電圧源(図示せず)から5kV程度の高電圧が印加されるように配線(図示せず)が接続されており、イオン化が行われるようになっている。
なお、図8において、スプレー15はESI用のものであるが、一般的にスプレー15はイオン化室200に対し着脱自在になっており、APCI法を用いる場合には、スプレー15を取り外し、その代わりに放電用の針電極がユニット化されたAPCI用のものをイオン化室200に取り付けることになる。
そして、上面には、上下方向(Z方向)に連通する円形状の開口部(図示せず)が形成されており、開口部にスプレー15が上方向から取り付けられるようになっている。また、下面には、ドレイン211が形成されており、不要な液体試料はドレイン211から外部へ排出されるようになっている。
ヒータブロック20には、チャンバ210の内部に入口が配置されるとともに、第1中間室12の内部に出口が配置される1本の脱溶媒管(イオン導入管)119が形成されている。脱溶媒管119は、中心軸がX方向となる円管形状(例えば、直径外径1.6mm、内径0.5mm)となっている。これにより、脱溶媒管119の入口は、ノズル152からの試料噴霧方向(Z方向)に対して略直角方向(X方向)に向けてあり、噴霧された巨大な試料の液滴がそのまま脱溶媒管119内に飛び込むことを防ぐようにしてある。
このようなチャンバ210の隔壁26によって、ノズル152により噴霧されたイオンや微細な試料の液滴が脱溶媒管119の内部を通過するときに、加熱作用や衝突作用により脱溶媒化、イオン化が促進されるようになっている。
第2中間室13の内部には、オクタポール23とフォーカスレンズ24とが設けられ、第2中間室13の下面には、ターボ分子ポンプ(TMP)で約10−1Pa〜10−2Paに真空排気するための排気口32が設けられている。第2中間室13と質量分析室14との間の隔壁には、細孔を有する入口レンズ25が設けられ、この細孔を介して第2中間室13の内部と質量分析室14の内部とが連通する。
このような液体クロマトグラフ質量分析装置101において、イオン化室200で生成されたイオンは、脱溶媒管119、第1中間室12内の第1イオンレンズ21、スキマー22、第2中間室13内のオクタポール23およびフォーカスレンズ24、入口レンズ25を順に経て質量分析室14に送られ、四重極16、17により不要イオンが排出され、検出器18に到達した特定イオンのみが検出されるようになっている。
なお、液体クロマトグラフ質量分析装置101では、液体試料を噴霧するノズル152と脱溶媒管119の入口との適切な位置関係は、測定する液体試料の種類やネブライズガスの流量等の測定条件によって異なるため、分析を行う前にノズル152と脱溶媒管119の入口との位置関係等を適切に調整しているが、ほとんどの液体試料はそのままドレイン211から排出されていた。
内径0.5mmのノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流は、Z方向へ進行するにつれて広がっていき最終的には±2mm〜4mm程度の直径の円形状になる。図10(a)は、ノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流の側面図であり、図10(b)は、図10(a)に示すXY平面の断面図である。図11は、ノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流の広がりを説明するための図である。
Re=ρUd/μ ・・・(1)
なお、μは流体の粘性係数(Pa・s)であり、ρは流体の密度(kg/m3)であり、Uは流速(m/s)であり、dは管の内径(m)である。
よって、脱溶媒管(イオン導入管)の内径の大きさは、レイノルズ数Reを考慮した上で、イオン導入管を噴霧流の形状に沿うように配置することで、ノズルから噴霧された液体試料を無駄なくイオン導入管内に取り込むことを見出した。
また、本発明のイオン化室は、前記入口部の開口の大きさは、Z方向より水平方向に長くなっているようにしてもよい。
ここで、「入口部の開口の大きさ」における水平方向の長さとは、入口部が1個の開口からなるときには、その入口(開口)の水平方向の長さとなり、また、入口部が複数個の開口からなるときには、その複数個の入口(開口)をZ方向から見た際の水平方向の合計長さとなる。そして、同様に「入口部の入口の大きさ」におけるZ方向の長さとは、入口部が1個の開口からなるときには、その入口(開口)のZ方向の長さとなり、また、入口部が複数個の開口からなるときには、その複数個の入口(開口)を水平方向から見た際のZ方向の合計長さとなる。
また、本発明のイオン化室は、前記入口部は、複数個の入口を有し、複数個の入口は、同一のXY面に配置されているようにしてもよい。
本発明のイオン化室によれば、複数本のイオン導入管を並列に配置することで、イオン導入管の内径の総断面積を大きくすることにより、質量分析部内に導入されるイオンの総量を増やしながら、なおかつ、1本1本の管内の流れは乱さずに効率よくイオンを導入することができ、その結果、検出感度が向上する。
また、本発明のイオン化室は、複数個の入口は、それぞれ異なる方向となるように配置されているようにしてもよい。
さらに、本発明のイオン化室は、前記イオン化室内は大気圧であり、前記質量分析部内は真空であるようにしてもよい。
図1は、第一の実施形態に係るESI法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置の一例を示す概略構成図である。また、図2は、図1に示すイオン化室100の隔壁26に設けられるヒータブロック20の構造図である。さらに、図3(a)は、ノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流の側面図であり、図3(b)は、図3(a)に示すXY平面の断面図である。なお、上述した従来の液体クロマトグラフ質量分析装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
液体クロマトグラフ質量分析装置1は、液体クロマトグラフ部(LC部)60とイオン化室100と質量分析部50とを備える。また、質量分析部50には、イオン化室100に隣接する第1中間室12と、第1中間室12に隣接する第2中間室13と、第2中間室13に隣接する質量分析室(MS部)14とがそれぞれ隔壁を介して連続的に設けられている。
そして、上面には、上下方向(Z方向)に連通する円形状の開口部(図示せず)が形成されており、この開口部にスプレー15が上方向から取り付けられるようになっている。また、下面には、ドレイン111が形成されており、不要な液体試料はドレイン111から外部へ排出されるようになっている。
ヒータブロック20には、チャンバ110の内部に入口が配置されるとともに、第1中間室12の内部に出口が配置されたイオン導入管である、第1脱溶媒管19aと第2脱溶媒管19bと第3脱溶媒管19cとが形成されている。各脱溶媒管19a〜19cは、中心軸がX方向となる円管形状(例えば、直径外径1.6mm、内径0.5mm)となっており、図2に示すように、第1脱溶媒管19aと第2脱溶媒管19bと第3脱溶媒管19cとが、同一のXY平面でこの順にY方向に並ぶように配置されている。
図4は、第二の実施形態に係るESI法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置のイオン化室の図である。また、図4(a)は、ノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流の側面図であり、図4(b)は、図4(a)に示すXY平面の断面図である。なお、上述した従来の液体クロマトグラフ質量分析装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
イオン化室100は、13cm×13cm×12cmの直方体形状のチャンバ110を備える。チャンバ110は、上面と前面と右側面と後面(隔壁26)と左側面と下面とを有する。
ヒータブロック20には、チャンバ110の内部に入口が配置されるとともに、第1中間室12の内部に出口が配置された1本の脱溶媒管(イオン導入管)219が形成されている。脱溶媒管219は、中心軸がX方向となる四角管形状(例えば、長辺1.6mm短辺0.5mm)となっており、長辺がY方向となるように配置されている。
図5は、第三の実施形態に係るESI法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置のイオン化室の図である。また、図5(a)は、ノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流の側面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すXY平面の断面図である。なお、上述した従来の液体クロマトグラフ質量分析装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
イオン化室100は、13cm×13cm×12cmの直方体形状のチャンバ110を備える。チャンバ110は、上面と前面と右側面と後面(隔壁26)と左側面と下面とを有する。
ヒータブロック20には、チャンバ110の内部に入口が配置されるとともに、第1中間室12の内部に出口が配置されたイオン導入管である、第1脱溶媒管319a〜第6脱溶媒管319fが形成されている。各脱溶媒管319a〜319fは、中心軸がX方向となる円管形状(例えば、直径外径1.6mm、内径0.5mm)となっており、第1脱溶媒管319a〜第3脱溶媒管319cとが、第1のXY平面でこの順にY方向に並ぶように配置され、第4脱溶媒管319d〜第6脱溶媒管319fとが、第1のXY平面の下方となる第2のXY平面でこの順にY方向に並ぶように配置されている。
図6は、第四の実施形態に係るESI法を用いた液体クロマトグラフ質量分析装置のイオン化室の図である。また、図6(a)は、ノズル152から噴霧された液体試料の噴霧流の側面図であり、図6(b)は、図6(a)に示すXY平面の断面図である。なお、上述した従来の液体クロマトグラフ質量分析装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
イオン化室100は、13cm×13cm×12cmの直方体形状のチャンバ110を備える。チャンバ110は、上面と前面と右側面と後面(隔壁26)と左側面と下面とを有する。
ヒータブロック20には、チャンバ110の内部に入口が配置されるとともに、第1中間室12の内部に出口が配置されたイオン導入管である、第1脱溶媒管419a〜第7脱溶媒管419gが形成されている。各脱溶媒管419a〜419gは、円管形状(例えば、直径外径1.6mm、内径0.5mm)となっており、第1脱溶媒管419a〜第3脱溶媒管419cとが、第1のXY平面に配置され、第4脱溶媒管419dと第5脱溶媒管419eとが、第1のXY平面の下方となる第2のXY平面に配置され、第6脱溶媒管419fと第7脱溶媒管419gとが、第2のXY平面の下方となる第3のXY平面に配置されている。
上述した液体クロマトグラフ質量分析装置1において、ESI法を用いる構成としたが、APCI法や、他のイオン化手法を用いるような構成としてもよい。
19: 脱溶媒管(イオン導入管)
50: 質量分析部
60: 液体クロマトグラフ部(LC部)
100: イオン化室
Claims (7)
- 液体クロマトグラフ部と質量分析部との間に配置されたイオン化室であって、
前記液体クロマトグラフ部から送られてきた液体試料をイオン化しつつ、前記イオン化室内でZ方向に噴霧する噴霧手段と、
前記イオン化室内で前記Z方向に対して垂直となる水平方向に入口部が形成されるとともに、前記質量分析部内にイオンを導入するための出口部が形成されたイオン導入管とを備え、
前記入口部の開口の大きさは、Z方向に噴霧された液体試料におけるXY面での広がりに対応した形状となっていることを特徴とするイオン化室。 - 前記入口部の開口の大きさは、前記入口部の開口の大きさは、Z方向より水平方向に長くなっていることを特徴とする請求項1に記載のイオン化室。
- 前記入口部は、複数個の入口を有し、
複数個の入口は、同一のXY面に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン化室。 - 複数個の入口は、同じX方向となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のイオン化室。
- 複数個の入口は、それぞれ異なる方向となるように配置されていることを特徴とする請求項3に記載のイオン化室。
- 前記入口部は、Z方向より水平方向に長くなる入口を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン化室。
- 前記イオン化室内は大気圧であり、
前記質量分析部内は真空であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のイオン化室。
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