JP7047936B2 - 質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は質量分析装置に関し、さらに詳しくは、イオン源が大気圧イオン源であり、質量分離器が四重極マスフィルタである質量分析装置に関する。本発明に係る質量分析装置は特に、液体クロマトグラフ(LC)のカラムの出口に質量分析装置を接続した液体クロマトグラフ質量分析装置(LC-MS)に好適である。
液体クロマトグラフ(LC)の検出器として用いられる質量分析装置は、液体試料中の成分をイオン化するために、通常、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法、大気圧化学イオン化(APCI)法、大気圧光イオン化(APPI)法などのイオン化法による大気圧イオン源を備える。こうした質量分析装置では、大気圧雰囲気の下で生成したイオンを、四重極マスフィルタ等の質量分離器が配置されている分析室まで輸送する必要があり、該分析室内を高真空雰囲気に保つために、イオン化室と分析室との間に複数の中間真空室が設けられた多段差動排気系の構成が採られる。このような質量分析装置では、圧力が相違する複数の区画が直列的に接続される構成であるため、イオン源からイオン検出器に至るまでのイオンが通過するイオン経路が長くなり、装置のサイズが大きくなる傾向にある。
近年、特にLC-MSにおいて質量分析装置の小形化が強く求められている。これは、LC-MSシステムでは、フォトダイオードアレイ(PDA)検出器など、他の方式によるLC用検出器に代えて質量分析装置が用いられることも多く、PDA検出器などの他の検出器ユニットとLC用検出器としての質量分析装置のユニットとのサイズが揃っている或いは同じ程度であるほうが、システムの設置スペースの関係上等、都合がよいためである。こうしたことから、LC-MSに用いられる質量分析装置、特に、シングルタイプの四重極型質量分析装置では、従来の一般的な四重極型質量分析装置に比べてかなり小形化された装置が開発されている(非特許文献1参照)。
大気圧イオン化四重極型質量分析装置を小形化するうえで重要なのは、イオン源からイオン検出器までの間のイオン経路を短縮することのほか、中間真空室や分析室を真空排気する真空ポンプを小形化することである。一般的に、質量分析装置の小形化は、質量分析装置を構成するいくつかの要素をそれぞれ小形化し、それに応じて印加電圧などの制御パラメータを適宜変更することで実現されている。例えば特許文献1、2等に記載の質量分析装置では、大気圧雰囲気であるイオン化室から次段の第1中間真空室へイオンを取り込むための開口(大気圧オリフィス)からイオン検出器のイオン入射面までのイオン経路の長さが400mm以下、大気圧オリフィスの内径は0.3mmφ以下に定められている。また、各中間真空室や分析室の内容積もそれぞれ適宜に定められている。このように大気圧オリフィスの内径を小さくすることでイオン化室から第1中間真空室へと流入する空気の量を少なくすることができ、しかも第1中間真空室の容積自体も従来の質量分析装置に比べて少ないので、第1中間真空室内を真空排気する真空ポンプ(ロータリーポンプ)の排気速度を落とすことができ、小型のロータリーポンプの利用が可能となる。実際に、上記特許文献1、2に記載の装置では、従来一般的な質量分析装置で用いられているロータリーポンプの排気速度の半分以下である、排気速度が10m3/Hr以下の小型のロータリーポンプが使用されている。
米国特許出願公開第2016/0093480号明細書 米国特許出願公開第2016/0111266号明細書
「ACQUITY QDa検出器-質量分析(MS)検出器」、[online]、日本ウォーターズ株式会社、[2018年8月8日検索]、インターネット<URL: http://www.waters.com/waters/ja_JP/ACQUITY-QDa-Mass-Detector-for-Chromatographic-Analysis/nav.htm?locale=ja_JP&cid=134761404>
しかしながら、特許文献1、2等に開示されている従来の小型質量分析装置では次のような問題がある。
イオン化室から第1中間真空室へとイオンを取り込むイオン導入開口(大気圧オリフィス)を小径にすると、上述したようにロータリーポンプの能力を下げることができる反面、イオン化室から第1中間真空室へイオンが導入されにくくなったり途中でイオンが消失したりする可能性が高くなる。そのため、分析に供されるイオンの量が減少し、検出感度の低下に繋がるおそれがある。また、大気圧イオン源では微小な試料液滴もイオン導入開口を通過しようとするが、イオン導入開口が小径であるほど詰まり易く、それによってイオンが一層通過しにくくなって検出感度が低下したり検出出力が不安定化したりする。また、イオン導入開口の詰まりを解消するために洗浄等のメンテナンスの頻度を上げる必要が生じ、装置のメンテナンスのコストが増加するのみならず、装置を使用できない期間が長くなるという問題もある。
即ち、従来の小型質量分析装置は、検出感度やメンテナンス性などを或る程度犠牲にしつつ、小型化を図ったものである、ということができる。
本発明はこうした課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、従来の一般的なサイズの質量分析装置並みの又はそれに近い性能やメンテナンス性を維持しつつ、真空ポンプを含めた装置のサイズや設置面積を小さくすることができる小型の質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために想到し得る最も簡単な方法は、例えば特許文献1、2等に記載のような小形化された質量分析装置において、イオン化室から第1中間真空室へイオンを取り込むイオン導入開口の面積を広げることである。もちろん、イオン導入開口の面積を広げることでガスの流入量も増加するため、第1中間真空室内の圧力をイオン導入開口の面積が小さいときと同じに保つには、ロータリーポンプの排気速度を上げる必要がある。ところが、本発明者の実験によれば、第1中間真空室内の圧力をほぼ維持した状態でイオン導入開口の面積を広げても、イオン検出器で検出されるイオン強度は却って下がってしまい逆効果であることが判明した。
そこで、本発明者は実験を繰り返し、イオン強度がどのような条件で高くなるのかを調べた。その結果、イオン導入開口の面積が大きい場合には小さい場合に比べて、第1中間真空室内の圧力を低くしたほうがイオン強度が高くなることを見いだし、イオン導入開口の開口面積と第1中間真空室内の圧力との積が所定の範囲に収まるようにすることにより、様々な開口面積のイオン導入開口に対してイオン強度を最大又はそれに近い状態にできる、との知見を得た。また、そうした条件に従って決められた圧力(真空度)を維持するための真空ポンプの能力(排気速度)が、従来の一般的な質量分析装置で用いられている真空ポンプに比べて十分に低いもので済むことも確認した。本発明者はこうした知見と検証とに基づいて本発明をするに至った。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明の第1態様による質量分析装置は、
液体試料中の成分をイオン化する大気圧イオン源と、
前記大気圧イオン源の次段に配置され、第1真空ポンプにより真空排気される第1中間真空室と、
前記第1中間真空室の内部に配設され、高周波電場の作用でイオンを収束しつつ輸送するイオンガイドと、
前記大気圧イオン源で生成されたイオンを前記第1中間真空室に導入するための第1開口部と、
前記第1中間真空室のさらに後段に配置され、第2真空ポンプにより又は該第2真空ポンプと前記第1真空ポンプの両方により真空排気される高真空の分析室と、
前記分析室の内部に配設され、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離器と、
前記分析室の内部に配設され、前記質量分離器で分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
を備え、
前記第1開口部の開口面積は0.071mm2以上であり、該第1開口部の開口面積と前記第1中間真空室内の圧力との積は15~40mm2・Paの範囲内であり、且つ、前記第1真空ポンプの排気速度は15m3/Hr以下である、ことを特徴としている。
また、第1中間真空室内の圧力はイオン検出器で検出されるイオン強度ができるだけ高くなるように設定されるのが一般的であるが、上述したように第1中間真空室内を真空排気する真空ポンプの能力を抑えて小形化を図りたい場合には、イオン強度がその最大値よりも多少下がることを許容しても、つまりはイオン強度が許容可能な閾値以上である範囲内であれば第1中間真空室内の圧力を高い状態とすることが望ましい。
そこでこうした観点に基づき、上記課題を解決するために成された本発明の第2態様による質量分析装置は、
液体試料中の成分をイオン化する大気圧イオン源と、
前記大気圧イオン源の次段に配置され、第1真空ポンプにより真空排気される第1中間真空室と、
前記第1中間真空室の内部に配設され、高周波電場の作用でイオンを収束しつつ輸送するイオンガイドと、
前記大気圧イオン源で生成されたイオンを前記第1中間真空室に導入するための第1開口部と、
前記第1中間真空室のさらに後段に配置され、第2真空ポンプにより又は該第2真空ポンプと前記第1真空ポンプの両方により真空排気される高真空の分析室と、
前記分析室の内部に配設され、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離器と、
前記分析室の内部に配設され、前記質量分離器で分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
を備え、前記第1開口部の開口面積は0.071mm2以上であり、
前記第1中間真空室内の圧力は、該圧力の変化と前記イオン検出器でのイオン強度との関係においてイオン強度が極大となるときの圧力よりも高く、且つ、そのイオン強度が前記極大である値の50%以上であるような圧力に設定されていることを特徴としている。
本発明において、典型的には、初段の真空領域を形成するための第1真空ポンプはロータリーポンプであり、それ以降の真空領域を形成するための第2真空ポンプは、真空排気による到達圧力がより低いターボ分子ポンプである。
一般にロータリーポンプはホース等の配管を介して質量分析装置本体に接続されるため、ロータリーポンプ本体は質量分析装置本体が設置されるスペースから離れた位置に設置されることが多い。一方、ターボ分子ポンプは質量分析装置本体に直接接続され該装置本体と一体化されるため、ターボ分子ポンプのサイズが大きいと、質量分析装置を設置するために広いスペースを占有することになる。そのため、質量分析装置を設置するスペースを低減するためには、ターボ分子ポンプのサイズをできるだけ抑えることが望ましい。
こうした観点に基づき、上記課題を解決するために成された本発明の第3態様による質量分析装置は、
液体試料中の成分をイオン化する大気圧イオン源と、
前記大気圧イオン源の次段に配置され、配管を介して第1真空ポンプにより真空排気される第1中間真空室と、
前記第1中間真空室の次段に配置され、ターボ分子ポンプの第1ポートを介して該ターボ分子ポンプにより真空排気される第2中間真空室と、
前記第2中間真空室のさらに後段に配置され、前記ターボ分子ポンプの第2ポートを介して該ターボ分子ポンプにより真空排気される分析室と、
前記分析室の内部に配設され、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離器と、
前記分析室の内部に配設され、前記質量分離器で分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
前記大気圧イオン源で生成されたイオンを前記第1中間真空室に導入するための第1開口部と、
前記第1中間真空室を通過したイオンを前記第2中間真空室に導入するための第2開口部と、
前記第2中間真空室を通過したイオンを前記分析室に導入するための第3開口部と、
を備え、前記第1開口部の開口面積は0.125mm2以上であり、前記第2開口部の開口面積は0.8mm2以下であり、前記第3開口部の開口面積は0.8mm2以下であり、且つ、前記ターボ分子ポンプの排気速度は100L/sec以下であることを特徴としている。
本発明における大気圧イオン源は、例えば、エレクトロスプレーイオン化法、大気圧化学イオン化法、大気圧光イオン化法などのイオン化法を用いたイオン源である。
また本発明における第1開口部は、脱溶媒管や加熱キャピラリなどと呼ばれる細管の開口、或いは、略円錐形状であるサンプリングコーンの頂部に形成されたオリフィスである。第1開口部が細管の開口である場合、第1開口部の開口面積とはその細管の長手方向の開口断面の中で最も断面積が小さい部分の面積(つまりはイオンが通過する際に最も狭い部分の面積)である。ただし、細管の長手方向の断面積が等しい場合には、イオン化室側の開口である。
本発明の第1、第2の態様において、第1中間真空室と分析室との間には、通常、一つ又は二つの中間真空室が設けられ、本発明の第3の態様において、第1中間真空室と分析室との間には、通常、二つ以上の中間真空室が設けられる。そして、それら中間真空室内には、第1中間真空室内と同様に、高周波電場の作用によりイオンを収束させつつ輸送するイオンガイドが配設される。
本発明において第1開口部の開口形状が円形である場合、その開口の径は上述した従来の小型質量分析装置におけるイオン導入開口の径(最大0.3mmφ)に比べて大きい。一方で、小型質量分析装置としては、第1開口部の開口面積が比較的大きい条件の下でも高いイオン強度が得られるように、第1中間真空室内の圧力が適切に設定される。本発明において、例えば円形状である第1開口部の径が0.4mmφ(開口面積:0.126mm2)であり、第1開口部の開口面積と第1中間真空室内の圧力との積が30mm2・Paである場合、第1中間真空室内の圧力を239Paに保つことができるような能力の第1真空ポンプを用いればよい。その第1真空ポンプの能力は第1中間真空室の容積にも依存するが、例えば第1開口部からイオン検出器のイオン入射面までのイオン経路の長さを400mm以下とするように中間真空室や分析室のサイズなどが決められている質量分析装置では、排気速度が12m3/Hr程度である小形のロータリーポンプを用いれば十分である。
本発明の第1の態様による質量分析装置では、イオン化室から第1中間真空室へとイオンを導入する第1開口部の面積を比較的大きくして、イオン検出器でのイオン強度が高い状態を確保しつつ、第1中間真空室を真空排気する真空ポンプの能力を抑えて小形化することができる。
また本発明の第2の態様による質量分析装置では、イオン化室から第1中間真空室へとイオンを導入する第1開口部の面積を比較的大きくし、イオン強度が或る程度以上確保できる条件の下で、真空ポンプの排気性能をできるだけ低いものとすることができる。それによって、質量分析装置として十分な性能を確保しつつ、真空ポンプを含めた質量分析装置の小形化を実現することができる。
もちろん、第1開口部の開口面積が大きいほうが該開口部を通して第1中間真空室へイオンは入り易くなり、導入効率は高くなる。また、液体試料が付着して詰まるリスクも下がる。本発明の第3の態様による質量分析装置では、イオン化室から第1中間真空室へとイオンを導入する第1開口部の面積をさらに大きくしているので、第1中間真空室へのイオンの導入効率を高め、メンテナンス性も向上させることができる。一方で、その後段に位置する第2開口部及び第3開口部の開口面積は小さくしているので、第2中間真空室以降への無駄なガス流入を抑えることができる。そのため、本発明の第3の態様による質量分析装置では、イオン検出器での検出感度が高い状態を確保しつつ、分析室を真空排気するターボ分子ポンプの能力を抑えて小形化することができる。
もちろん、本発明の第1、第2の態様においても、前記第1開口部の開口面積は0.125mm2以上とすることが好ましい。
一方、第1開口部の開口面積を大きくするほど第1中間真空室内の圧力を低くする必要があり、第1真空ポンプや第2真空ポンプとして排気速度が大きいものが必要になる。第1開口部の開口径の上限は最大でも従来の一般的な質量分析装置で用いられている0.8~1.0mmφ(開口面積:0.5~0.79mm2)であるが、実際には第1真空ポンプや第2真空ポンプの排気速度によりさらに小さい値に制約され得る。
また本発明において、前記イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数の電極によりイオンが進行するイオン通過空間を形成するものであり、該イオン通過空間におけるイオン光軸と直交する断面の面積はイオンが進行するに従って小さくなっており、前記第1中間真空室から次段へイオンを送り出す第2開口部の開口面積は0.8mm2以下であることが好ましい。
イオンガイドのイオン通過空間の形状を上記のようにすることで、空間電荷効果のために拡がろうとするイオンを良好に収束させ、小径の第2開口部を通して次段の第2中間真空室へ効率良く送ることができる。一方で、第2開口部の開口面積を0.8mm2以下にすることで、第1中間真空室から次段の第2中間真空室へ流入するガスの量を少なくし、第2中間真空室内を真空排気する第2真空ポンプ(又は第1真空ポンプと第2真空ポンプの両方)の負荷を軽減することができる。その結果、第2真空ポンプを小形化することができる。
具体的に例えば、上記イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数のロッド状電極、又はその1本がイオン光軸の延伸方向に複数に分離された電極から成る複数の仮想ロッド状電極である構成とすることができる。或いは、上記イオンガイドとして、中央に円形状の開口を有する円盤状電極をイオン光軸の延伸方向に多数並べた構造のイオンファンネルを用いることもできる。
また本発明の第3の態様と同様に、第1、第2の態様において、前記第1中間真空室と前記分析室との間に第2中間真空室が設けられ、該第2中間真空室の内部には、高周波電場の作用でイオンを収束させつつ輸送する多重極型のイオンガイドが配置されており、該第2中間真空室と前記分析室との間の第3開口部の開口面積は0.8mm2以下である構成としてもよい。
上記多重極型イオンガイドとしては、イオンの収束効果の高い四重極型イオンガイドを用いるとよい。これにより、第2中間真空室内でもイオンを良好に収束させ、小径の第3開口部を通して次段の例えば分析室へ効率良く送ることができる。一方で、第3開口部の開口面積を0.8mm2以下にすることで、第2中間真空室から次段の分析室へ流入するガスの量を少なくし、分析室内を真空排気する第2真空ポンプ(又は第1真空ポンプと第2真空ポンプの両方)の負荷を軽減することができる。その結果、第2真空ポンプを小形化することができる。
本発明に係る質量分析装置によれば、従来の小型質量分析装置に比べて、大気圧イオン源から第1中間真空室へイオンを導入するイオン導入開口の面積を大きくし、十分に高いイオン強度を確保するとともに高いメンテナンス性を維持しながら、装置の小形化を図ることができる。それにより、装置を設置する際の省スペース化を図ることができる。その結果、例えば本発明に係る質量分析装置をLC-MSの検出器として用いる場合に、他の方式の検出器と本発明に係る質量分析装置による検出器とを容易に置き換えることが可能となる。
本発明の一実施例である質量分析装置の概略構成図。 脱溶媒管(イオン導入開口)の内径が異なるときの、第1中間真空室内の圧力とイオン検出器で検出されるイオン強度との関係の実測結果を示すグラフ。 第1中間真空室内の圧力とイオン強度との関係において、本実施例の質量分析装置で設定される第1中間真空室内の圧力の範囲を示す図。 イオン化室と第1中間真空室を隔てる開口部の他の例を示す図。
以下、本発明の一実施例である質量分析装置について、添付図面を参照して説明する。
図1は本実施例の質量分析装置のイオン経路を中心とする概略構成図である。なお、当然のことながら、図1は概略構成図であるので、図中の各構成要素の大きさや異なる構成要素間の間隔、距離などは必ずしも実際の装置を反映したものではない。
本実施例の質量分析装置は、チャンバ1の内部に、略大気圧雰囲気の下で液体試料中の成分(化合物)をイオン化するためのイオン化室2と、試料成分由来のイオンを質量分離して検出するための、高真空雰囲気に維持される分析室5とを有し、イオン化室2と分析室5との間に、段階的に真空度が高まる、第1中間真空室3及び第2中間真空室4を有する。第1中間真空室3は長さが約1mのポリ塩化ビニル(PVC)ホース等である配管6を介してロータリーポンプ(RP)18に接続され、該ロータリーポンプ18により真空排気される。一方、第2中間真空室4及び分析室5はそれぞれターボ分子ポンプ(TMP)19の第1ポート7及び第2ポート8に直接接続されており、上記ロータリーポンプ18とターボ分子ポンプ(TMP)19の両方により真空排気される。即ち、この質量分析装置は多段差動排気系の構成となっており、それにより最終段である分析室5内が高い真空度に保たれる。
イオン化室2内には、液体試料を静電噴霧することで該試料中の成分をイオン化するエレクトロスプレイイオン化(ESI)プローブ10が配設されている。イオン化室2と第1中間真空室3とは、適度な温度に加熱されるキャピラリ管である脱溶媒管11を通して連通している。ここでは、ESIプローブ10による液滴の噴霧方向と脱溶媒管11によるイオンの吸込み方向とが略直交する関係になっているが、これは必ずしも直交していなくても構わない。
第1中間真空室3内には、高周波電場の作用によりイオンを収束しつつ輸送するQアレイ型イオンガイド12が配設されている。このQアレイ型イオンガイド12は、イオン光軸Cを囲むように4本の仮想的なロッド状電極が配置された構成であり、1本の仮想的なロッド状電極はイオン光軸Cの延伸方向に複数に分割された電極から成る。また、Qアレイ型イオンガイド12にあって仮想的なロッド状電極で囲まれる空間はイオン進行方向に徐々に狭くなっている。
第1中間真空室3と第2中間真空室4との間は、略円錐状であるスキマー13の頂部に形成された微小なイオン通過孔(オリフィス)13aを通して連通している。第2中間真空室4内には、高周波電場の作用によりイオンを収束しつつ輸送する四重極型イオンガイド14が配設されている。この四重極型イオンガイド14は、イオン光軸を囲むように該イオン光軸に平行に配置された四本のロッド電極から成る。第2中間真空室4と分析室5との間は、平板状であるアパーチャ電極15に形成された微小なイオン通過孔15aを通して連通している。
分析室5内には、質量分離器としての四重極マスフィルタ16、及びイオン検出器17が配設されている。四重極マスフィルタ16は、イオン光軸Cに平行に延伸する四本のロッド電極をイオン光軸Cの周りに配置した構成である。また、イオン進行方向に沿って四重極マスフィルタ16の手前には、該四重極マスフィルタ16を構成するロッド電極よりも短い4本のロッド電極から成るプレフィルタが配置されている。イオン検出器17は例えば、コンバージョンダイノードと二次電子増倍管とから成るものである。
イオン光軸Cに沿って配列されている脱溶媒管11、Qアレイ型イオンガイド12、スキマー13、四重極型イオンガイド14、アパーチャ電極15、四重極マスフィルタ16、イオン検出器17にはそれぞれ、図示しない電源から直流電圧、又は高周波電圧と直流電圧とが加算された電圧が印加される。また、ESIプローブ10にも所定の直流電圧が印加される。
本実施例の質量分析装置における一般的な分析動作を簡単に説明する。
例えば図示しないLCのカラムから溶出した液体試料がESIプローブ10に導入されると、該プローブ10の先端で液体試料に電荷が付与され、微小な帯電液滴としてイオン化室2内に噴霧される。イオン化室2内において、帯電液滴は周囲の空気に接触して微細化されつつ液滴中の溶媒は蒸発する。その過程で液滴中の試料成分は電荷を以て飛び出し、試料成分由来のイオンが発生する。脱溶媒管11の入口端と出口端との間には圧力差があるため、脱溶媒管11中には、イオン化室2側から第1中間真空室3へと流れるガス流が形成されている。そのため、上述したようにイオン化室2内で生成されたイオンは脱溶媒管11に吸い込まれ、第1中間真空室3内へと送られる。このとき、微細な帯電液滴の一部も脱溶媒管11に吸い込まれるが、脱溶媒管11は適度に加熱されているため、帯電液滴が脱溶媒管11中を通過する間にも溶媒の蒸発が促進され、イオンの生成が進行する。
ガス流に乗って第1中間真空室3に入ったイオンは残留ガスに接触することで適度にクーリングされ、Qアレイ型イオンガイド12により形成されている高周波電場により捕捉されつつ進行する。このイオンはスキマー13頂部のイオン通過孔13a付近に収束され、イオン通過孔13aを通して第2中間真空室4へと送られる。第2中間真空室4へ入ったイオンは四重極型イオンガイド14により形成されている高周波電場により捕捉されてイオン光軸C付近に収束されつつ進行する。そして、イオンはアパーチャ電極15に形成されたイオン通過孔15aを通して分析室5へと送られる。
分析室5においてイオンはプレフィルタを通して四重極マスフィルタ16へと導入される。プレフィルタは四重極マスフィルタ16のロッド電極の前縁端付近に形成される電場の乱れを補正するものであり、これによりイオンは円滑に且つ効率良く四重極マスフィルタ16に導入される。四重極マスフィルタ16の各ロッド電極には、直流電圧に高周波電圧を重畳した電圧が印加されており、それら電圧に応じた特定の質量電荷比を有するイオンのみが四重極マスフィルタ16を通り抜けてイオン検出器17に到達する。イオン検出器17は到達したイオンの量に応じた大きさのイオン強度信号を生成し、この信号を図示しないデータ処理部へと送る。
四重極マスフィルタ16の各ロッド電極に印加する直流電圧と高周波電圧とを所定の関係を保ちつつ変化させることで、四重極マスフィルタ16を通り抜け得るイオンの質量電荷比が変化する。これにより、所定の質量電荷比範囲に亘る質量電荷比走査を行い、その質量電荷比範囲に亘るイオン強度信号の変化を示すマススペクトル(プロファイルスペクトル)を得ることができる。
次に、本実施例の質量分析装置の特徴的な構成について説明する。本実施例の質量分析装置は従来の一般的な四重極型質量分析装置に比べて小形であり、十分な性能を確保しつつ小形化を実現するために様々な工夫がなされている。
上述したように、イオン化室2内で生成された試料成分由来である測定対象のイオンは、脱溶媒管11から各構成要素を経て最終的にイオン検出器17に到達する。したがって、装置を小型化するためには、脱溶媒管11にあってイオン化室2に向いた開口(つまりはイオン入口開口)からイオン検出器17のイオン入射面までの間の直線状の空間であるイオン経路L1の長さをできるだけ短くする必要がある。そのためには、Qアレイ型イオンガイド12、四重極型イオンガイド14、及び、四重極マスフィルタ16長さを短縮する必要がある。ただし、一般的な四重極型質量分析装置では、四重極マスフィルタ16のロッド電極の長さが200mm以上であるのに対し、その上流側に位置するイオンガイドであるQアレイ型イオンガイド12や四重極型イオンガイド14の長さは100mm以下であり、もともと相対的に短い。そのため、Qアレイ型イオンガイド12や四重極型イオンガイド14の長さをさらに短くしたとしても装置の小型化に対する効果が小さいうえに、許容できない装置感度の低下につながるおそれもある。そこで、本実施例の質量分析装置では、イオン経路L1を形成する各部品の長さを可能な限り短くするとともに、特にイオン経路L1の長さに占める割合が相対的に大きい四重極マスフィルタ16のロッド電極の長さL2を一般的な四重極型質量分析装置に比べて大幅に短くしている。
具体的には、四重極マスフィルタ16のロッド電極の長さL2は従来の一般的な四重極型質量分析装置では200mm以上であるが、イオン経路の長さL1を400mm以下にする場合、ロッド電極の長さL2は150mm以下、より好ましくは120mm以下とするとよい。本実施例の質量分析装置では、ロッド電極の長さL2を100mmとしている。四重極マスフィルタ16に導入されたイオンは四本のロッド電極で囲まれる空間を通過する間に高周波電場の作用により径方向に振動しつつ進行するが、質量分離性能はその振動回数に依存する。そのため、ロッド電極が短くなることでイオンの振動回数が減ると質量分離性能が下がる。これに対し、本実施例の質量分析装置では、ロッド電極に印加する電圧、具体的には四重極マスフィルタ16を構成する4本のロッド電極に共通に印加される直流バイアス電圧を適切に調整することで、イオンの振動回数を従来装置と同程度に保ち、十分な質量分離性能を維持するようにしている。
また、本実施例の質量分析装置では、脱溶媒管11の断面開口形状は円形であり、その内径dはイオン通過方向の位置に依らず一定で0.4mmφである。つまり、本発明における第1開口部の内径dは0.4mmφであり、その開口面積は0.126mm2である。これは、特許文献1、2等に開示されている従来の小型質量分析装置における大気圧オリフィスの内径よりも大きい。
イオン化室2内で生成された試料成分由来のイオンは高周波電場により収束されて脱溶媒管11に取り込まれるのではなく、上述したように圧力差により形成されるガス流によって脱溶媒管11に取り込まれる。ここで、脱溶媒管11から流入するガスの流量は、脱溶媒管11が円形状の開口を有する場合、その開口の半径の4乗に比例することが知られている。そのため、内径の僅かな差異がガス流量の大きな差異として現れる。例えば、脱溶媒管11の開口の内径が0.4mmφである場合には、その内径が0.3mmφである場合に比べてガスの流量は約3倍になる。ガス流量の増加はイオン導入量の増加につながる。したがって、脱溶媒管11の内径(つまりは第1開口部の内径)d又はその開口面積はイオン化室2から第1中間真空室3へのイオンの導入効率を左右し、イオン導入量を増やすには内径dが大きいほうがよい。また、内径dが大きいほうが、試料液滴が詰まりにくくメンテナンス性も高い。ただし、内径dを大きくするとイオン化室2から第1中間真空室3へのガス流入量も増加するため、第1中間真空室3内の圧力を内径dが小さい場合と同程度にするには、ロータリーポンプ18の能力を高める必要がある。
一方で、上述したように第1中間真空室3内では残留ガスによるイオンのクーリング作用を利用してイオンを高周波電場に捕捉しているので、イオンの通過効率のうえで圧力は低いほどよいというわけではない。そこで、本発明者は、脱溶媒管11の内径が0.4mmφである場合と0.3mmφである場合との二つのケースについて、第1中間真空室内の圧力とイオン検出器で検出されるイオン強度との関係を実験的に調べた。図2は、第1中間真空室内の圧力を変化させたときのイオン強度の変化の実測結果を示すグラフである。
図2から、いずれの内径dでも圧力とイオン強度との関係は上に凸であるピーク状になるが、内径dが大きいほうがイオン強度のピークが現れる圧力範囲が低い(つまりは真空度が高い)ことが分かる。即ち、脱溶媒管11の内径が小さいほうが大きいほうに比べて最適な圧力が高い。この結果から、第1開口部の内径つまりはその開口面積と第1中間真空室内の圧力との積が所定の範囲に収まるようにその圧力を設定することで、第1開口部の内径に依らず十分なイオン強度が得られるようにできると結論付けることができる。
具体的には、図2の結果によれば、脱溶媒管11の内径dが0.4mmφであるとき、第1中間真空室3内の圧力を155Pa~290Paの範囲内に設定すれば、所望のレベルのイオン強度(ここではピーク強度の60%以上の強度)を得ることができる。この場合、開口面積×圧力は19.5~36.4mm2・Paの範囲となる。一方、脱溶媒管11の内径dが0.3mmφであるときには、第1中間真空室3内の圧力を235Pa~455Paの範囲内に設定すれば、所望のレベルのイオン強度を得ることができる。この場合、開口面積×圧力は16.6~32.1mm2・Paの範囲となる。実際にはピーク強度の半分程度以上のレベルのイオン強度が得られれば許容できるから、従来の小型質量分析装置で用いられている第1開口部の開口面積よりも開口面積を大きくしたい場合でも、その開口面積と第1中間真空室内の圧力との積が15~40mm2・Pa程度の範囲に収まるようにすればよい。
ただし、部品交換を伴うメンテナンスによって脱溶媒管11の内径が変化した場合や、電源電圧の変動によりロータリーポンプの排気速度が変化した場合には、第1中間真空室3内の圧力が変化し、イオン強度が変化してしまうことがある。したがって、第1開口部の開口面積と第1中間真空室3内の圧力との積は、圧力変化時のイオン強度変化が小さくなるように設定することがが望ましい。図2の結果によると、脱溶媒管11の内径dが0.4mmφであるとき、第1中間真空室3内の圧力をイオン強度が極大を示す215Paの周辺の圧力範囲内、例えば175~265Paの範囲内に設定すれば、他の圧力範囲に設定した場合に比べて高いイオン強度を達成しつつ、圧力変化時のイオン強度変化を低減することができる。この場合、第1開口部の開口面積と第1中間真空室3内の圧力との積が20~35mm2・Paの範囲に収まるようにすればよい。
いま、従来の小型質量分析装置で用いられているものに比べて開口面積が大きい、内径が0.4mmφである脱溶媒管11を用いたうえで開口面積×圧力を上記範囲内である30mm2・Paに収める場合を想定すると、第1中間真空室3内の圧力を239Paに維持できるような能力のロータリーポンプが必要である。実際に必要とされるロータリーポンプの能力は第1中間真空室3の内容積にも依存するが、本実施例の質量分析装置では上述したようにイオン経路は短く、従来の一般的な質量分析装置に比べて第1中間真空室3の内容積も小さいので、排気速度が12m3/Hr程度である比較的小形なロータリーポンプを使用することで上記圧力を実現することができる。従来の一般的な質量分析装置では、排気速度が25~30m3/Hr程度以上のロータリーポンプが必要である。これに対し、本実施例の質量分析装置では排気速度がその半分程度以下のロータリーポンプ18を用いればよいので、ロータリーポンプ18はかなり小形で済む。
また、例えばイオン強度の許容レベルをピーク強度の50%或いは60%に設定した場合、これを実現し得る第1中間真空室3内の圧力の範囲はかなり広いが、ロータリーポンプ18としてできるだけ小形のものを使用するという観点からは、圧力を図3に示したP1よりも高くP2以下である範囲に収めるようにするとよい。これにより、イオン強度は同じレベルであってもロータリーポンプ18の排気速度をより低く抑えることができるので、ロータリーポンプ18の小形化には有利である。
また本実施例の質量分析装置において、Qアレイ型イオンガイド12を構成する仮想的なロッド状電極はイオンが進行するに従いイオン光軸Cに近づくようにテーパ状になっている。そして、そのQアレイ型イオンガイド12の最後端における略円形状のイオン出口領域の半径は2.0mmφ以下となっている。一方、スキマー13に形成されている円形状であるイオン通過孔13aの内径は0.8mmφ(開口面積:0.5mm2)であり、1.0mmφ(開口面積:0.79mm2)以下のごく小径である。Qアレイ型イオンガイド12を上述した構造とすることで、高周波電場により捕捉したイオンをイオン光軸C上の小さな領域に収束させることができ、それによって、イオン通過孔13aの内径を小さくしてもイオンを効率良く該イオン通過孔13aに通過させることができる。また、イオン通過孔13aの内径が小さいつまりは開口面積が小さいことで、第1中間真空室3から第2中間真空室4へのガスの流入量を少なくすることができ、第2中間真空室4及び分析室5を真空排気するターボ分子ポンプ19の負荷を低減することができる。
ここで、第1中間真空室3内に配置されるイオンガイドは、Qアレイ型イオンガイドに限らず、同様にテーパ状になっている多重極型RFイオンガイドでもよい。或いは、中心に円形開口を有する円盤状電極をイオン光軸Cに沿って狭い間隔で多数並べ、各電極の中央の開口面積を出口に向かうに伴い徐々に小さくしたイオンファンネル型のイオンガイドでもよい。ただし、こうしたイオンファンネル型の構造の場合、隣接電極間の距離が1mm程度と非常に近接しているため、中性粒子やイオンが電極に衝突する可能性が高くなる。一方、Qアレイ型やロッド電極を用いた多重極型RFイオンガイドの場合には、隣接する電極間の距離が相対的に大きいため、中性粒子やイオンが電極に衝突する可能性が低い。そのため、耐久性の点で、イオンファンネル型イオンガイドよりも有利である。
本実施例の質量分析装置では、本発明における第1開口部に相当する脱溶媒管11の開口の面積が従来の小型質量分析装置よりも大きいため、この第1開口部が詰まるというリスクを低減することができるものの、その下流側にあるイオンガイドが汚染される可能性は相対的に高くなる。そうしたリスクに関しては上記の理由で、汚染に対する耐久性が高いQアレイ型イオンガイド又は多重極型RFイオンガイドを第1中間真空室のイオンガイドとして採用する構成がより好ましいということができる。
また本実施例の質量分析装置において、アパーチャ電極15に形成されているイオン通過孔15aの内径も1.0mmφ(開口面積:0.79mm2)以下の小径である。四重極型イオンガイド14は例えば八重極型などの、より極数の多い多重極型イオンガイドに比べてイオンの収束効果が高い。それにより、高周波電場により捕捉したイオンをイオン光軸C上の小さな領域に収束させることができ、それによって、イオン通過孔15aの内径を小さくしてもイオンを効率良く該イオン通過孔15aに通過させることができる。また、イオン通過孔15aの内径が小さいつまりは開口面積が小さいことで、第2中間真空室4から分析室5へのガスの流入量を少なくすることができる。それによって、分析室5を真空排気する真空ポンプ(ターボ分子ポンプ19)の負荷を低減することができるうえに、四重極マスフィルタ16が配置される分析室5内の圧力をより低くできる。その結果、四重極マスフィルタ16におけるイオンの透過率及び質量分解能を向上させることができる。
具体的には、二つのイオン通過孔13a、15aの開口面積をそれぞれ上記のように小さくすることで、ターボ分子ポンプ19の排気速度を100L/sec以下に抑えることができる。従来の一般的な質量分析装置では、ターボ分子ポンプの排気速度は200~300L/sec程度である。これに対し、本実施例の質量分析装置ではターボ分子ポンプの排気速度もその半分程度以下で済むので、小形のターボ分子ポンプを用いることができ、ターボ分子ポンプを装置本体と一体化するときにも装置をコンパクトに収めることができる。
上述した通り、ロータリーポンプ18は長さ1m程度の配管6を介して第1中間真空室3に接続されている。そのため、質量分析装置本体を実験台の上に設置する場合、ロータリーポンプ18は例えば実験台の下のスペースに収容することができ、ユーザにとってロータリーポンプのサイズの大小は実質的に問題とならないことが多い。一方、図1にも示したように、ターボ分子ポンプは分析室を形成する真空チャンバに直接接続されるため、質量分析装置本体と実質的に一体であり、実験台上に設置される質量分析装置本体の体積を大きくする要因となる。これに対し、本実施例の構成によれば、排気速度が比較的小さい小型のターボ分子ポンプを使用することができ、実質的な装置のサイズを低減することができるという利点がある。
上述したように本実施例の質量分析装置では、高い検出感度やメンテナンスの良好さを維持しつつ、ロータリーポンプ18及びターボ分子ポンプ19を含めた装置の小形化を達成することができる。
なお、上記実施例の質量分析装置では、脱溶媒管11はその軸方向に内径が一定であったが、イオン化室2から第1中間真空室3へとイオンを導入するためのイオン導入開口の形状や構造は様々である。本発明における第1開口部とは、イオン化室2から第1中間真空室3へとイオンを導入する際にイオン量を制約する部分であるから、第1開口部の内径又は開口面積とは次のように定義すればよい。
例えば図4(a)に示すように、脱溶媒管11の出口端(第1中間真空室3内に向いた開口)が絞られている場合には、その最先端の開口の内径又は開口面積が第1開口部の内径又は開口面積に相当する。図4(b)に示すように、脱溶媒管11の管路の途中で内径が絞られている場合には、その絞られた部分における断面開口の内径又は開口面積が第1開口部の内径又は開口面積に相当する。さらに図4(c)に示すように、サンプリングコーンの頂部に設けられたオリフィスを通してイオン化室と第1中間真空室とが連通している場合(例えばサンプリングコーンが二段である場合もある)には、そのオリフィスの内径又は開口面積が第1開口部の内径又は開口面積に相当する。
また、上記実施例の質量分析装置では、大気圧イオン源はESI法を用いたものであるが、APCI法、APPI法などを用いた大気圧イオン源でもよい。
さらにまた、上記実施例は本発明の一例であるから、上記記載以外の点について、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形、追加、修正を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…チャンバ
2…イオン化室
3…第1中間真空室
4…第2中間真空室
5…分析室
10…ESIプローブ
11…脱溶媒管
11a…イオン出口開口
12…Qアレイ型イオンガイド
13…スキマー
13a…イオン通過孔
14…四重極型イオンガイド
15…アパーチャ電極
15a…イオン通過孔
16…四重極マスフィルタ
17…イオン検出器
18…ロータリーポンプ
19…ターボ分子ポンプ
C…イオン光軸

Claims (18)

  1. 液体試料中の成分をイオン化する大気圧イオン源と、
    前記大気圧イオン源の次段に配置され、第1真空ポンプにより真空排気される第1中間真空室と、
    前記第1中間真空室の内部に配設され、高周波電場の作用でイオンを収束しつつ輸送するイオンガイドと、
    前記大気圧イオン源で生成されたイオンを前記第1中間真空室に導入するための第1開口部と、
    前記第1中間真空室のさらに後段に配置され、第2真空ポンプにより又は該第2真空ポンプと前記第1真空ポンプの両方により真空排気される高真空の分析室と、
    前記分析室の内部に配設され、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離器と、
    前記分析室の内部に配設され、前記質量分離器で分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
    を備え、
    前記第1開口部の開口面積は0.071mm2以上であり、該第1開口部の開口面積と前記第1中間真空室内の圧力との積は15~40mm2・Paの範囲内であり、且つ、前記第1真空ポンプの排気速度は15m3/Hr以下である、質量分析装置。
  2. 液体試料中の成分をイオン化する大気圧イオン源と、
    前記大気圧イオン源の次段に配置され、第1真空ポンプにより真空排気される第1中間真空室と、
    前記第1中間真空室の内部に配設され、高周波電場の作用でイオンを収束しつつ輸送するイオンガイドと、
    前記大気圧イオン源で生成されたイオンを前記第1中間真空室に導入するための第1開口部と、
    前記第1中間真空室のさらに後段に配置され、第2真空ポンプにより又は該第2真空ポンプと前記第1真空ポンプの両方により真空排気される高真空の分析室と、
    前記分析室の内部に配設され、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離器と、
    前記分析室の内部に配設され、前記質量分離器で分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
    を備え、前記第1開口部の開口面積は0.071mm2以上であり、
    前記第1中間真空室内の圧力は、該圧力の変化と前記イオン検出器でのイオン強度との関係においてイオン強度が極大となるときの圧力よりも高く、且つ、そのイオン強度が前記極大である値の50%以上であるような圧力に設定されている、質量分析装置。
  3. 液体試料中の成分をイオン化する大気圧イオン源と、
    前記大気圧イオン源の次段に配置され、配管を介して第1真空ポンプにより真空排気される第1中間真空室と、
    前記第1中間真空室の次段に配置され、ターボ分子ポンプの第1ポートを介して該ターボ分子ポンプにより真空排気される第2中間真空室と、
    前記第2中間真空室のさらに後段に配置され、前記ターボ分子ポンプの第2ポートを介して該ターボ分子ポンプにより真空排気される分析室と、
    前記分析室の内部に配設され、イオンを質量電荷比に応じて分離する質量分離器と、
    前記分析室の内部に配設され、前記質量分離器で分離されたイオンを検出するイオン検出器と、
    前記大気圧イオン源で生成されたイオンを前記第1中間真空室に導入するための第1開口部と、
    前記第1中間真空室を通過したイオンを前記第2中間真空室に導入するための第2開口部と、
    前記第2中間真空室を通過したイオンを前記分析室に導入するための第3開口部と、
    を備え、前記第1開口部の開口面積は0.125mm2以上であり、前記第2開口部の開口面積は0.8mm2以下であり、前記第3開口部の開口面積は0.8mm2以下であり、且つ、前記ターボ分子ポンプの排気速度は100m3/Hr以下である、質量分析装置。
  4. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記第1開口部の開口面積と前記第1中間真空室内の圧力との積が20~35mm2・Paの範囲内である、質量分析装置。
  5. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記第1開口部の開口面積は0.125mm2以上である、質量分析装置。
  6. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記質量分離器は4本のロッド電極で構成され、該ロッド電極の長さが120mm以下である、質量分析装置。
  7. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数の電極によりイオンが進行するイオン通過空間を形成するものであり、該イオン通過空間におけるイオン光軸と直交する断面の面積はイオンが進行するに従って小さくなっており、前記第1中間真空室からのイオン出口である第2開口部の開口面積は0.8mm2以下である、質量分析装置。
  8. 請求項7に記載の質量分析装置であって、
    前記イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数のロッド状電極、又はその1本がイオン光軸の延伸方向に複数に分離された電極から成る複数の仮想ロッド状電極である、質量分析装置。
  9. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記第1中間真空室と前記分析室との間には第2中間真空室が設けられ、該第2中間真空室の内部には、高周波電場の作用でイオンを収束させつつ輸送する四重極型のイオンガイドが配置されており、該第2中間真空室と前記分析室との間の第3開口部の開口面積は0.8mm2以下である、質量分析装置。
  10. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記第1開口部の開口面積は0.125mm2以上であることを特徴とする質量分析装置。
  11. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記質量分離器は4本のロッド電極で構成され、該ロッド電極の長さが120mm以下である、質量分析装置。
  12. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数の電極によりイオンが進行するイオン通過空間を形成するものであり、該イオン通過空間におけるイオン光軸と直交する断面の面積はイオンが進行するに従って小さくなっており、前記第1中間真空室からのイオン出口である第2開口部の開口面積は0.8mm2以下である、質量分析装置。
  13. 請求項12に記載の質量分析装置であって、
    前記イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数のロッド状電極、又はその1本がイオン光軸の延伸方向に複数に分離された電極から成る複数の仮想ロッド状電極である、質量分析装置。
  14. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記第1中間真空室と前記分析室との間には第2中間真空室が設けられ、該第2中間真空室の内部には、高周波電場の作用でイオンを収束させつつ輸送する四重極型のイオンガイドが配置されており、該第2中間真空室と前記分析室との間の第3開口部の開口面積は0.8mm2以下である、質量分析装置。
  15. 請求項3に記載の質量分析装置であって、
    前記第1中間真空室の内部に、高周波電場の作用でイオンを収束しつつ輸送する第1イオンガイドが配置されており、該第1イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数の電極によりイオンが進行するイオン通過空間を形成するものであり、該イオン通過空間におけるイオン光軸と直交する断面の面積はイオンが進行するに従って小さくなっている、質量分析装置。
  16. 請求項15に記載の質量分析装置であって、
    前記第1イオンガイドは、イオン光軸を囲むように配置された複数のロッド状電極、又はその1本がイオン光軸の延伸方向に複数に分離された電極から成る複数の仮想ロッド状電極である、質量分析装置。
  17. 請求項3に記載の質量分析装置であって、
    前記第2中間真空室の内部に、高周波電場の作用でイオンを収束させつつ輸送する四重極型のイオンガイドが配置されている、質量分析装置。
  18. 請求項3に記載の質量分析装置であって、
    前記質量分離器は4本のロッド電極で構成され、該ロッド電極の長さが120mm以下である、質量分析装置。
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