JP2016011708A - 逆止弁 - Google Patents
逆止弁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016011708A JP2016011708A JP2014133163A JP2014133163A JP2016011708A JP 2016011708 A JP2016011708 A JP 2016011708A JP 2014133163 A JP2014133163 A JP 2014133163A JP 2014133163 A JP2014133163 A JP 2014133163A JP 2016011708 A JP2016011708 A JP 2016011708A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- valve
- seat member
- valve seat
- check valve
- housing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Valve Housings (AREA)
- Check Valves (AREA)
Abstract
【課題】逆止弁における耐久性の向上を図ること。【解決手段】弁体52及び座面51eが樹脂製である。このため、例えば、座面51eが金属製である場合に比べると、シール面52sと座面51eとの当接が繰り返し行われても、シール面52sが擦り減ってしまうことが抑制される。また、弁座部材51とケース53とが熱溶着されているため、例えば、弁座部材51とケース53とが互いに係合されたり圧入されたりすることで組み付けられている場合に比べると、抜け荷重が高くなり、弁座部材51とケース53との固定が強固なものとなる。その結果、逆止弁50における耐久性の向上が図られる。【選択図】図2
Description
本発明は、圧縮機の逆止弁に関する。
例えば、特許文献1に開示されているように、圧縮機は、冷媒の逆流を防止する逆止弁を有する。特許文献1の逆止弁は、弁座部材と、弁座部材に組み付けられるケースと、ケース内で軸方向に摺動可能に設けられた弁体と、ケース内で弁体を弁座部材に向けて付勢する付勢部材とから構成されている。弁座部材は真鍮製(金属製)である。ケース及び弁体は樹脂製である。
逆止弁は、圧縮機の吐出室に連続する収納室に圧入されている。弁座部材には、吐出室に連通する流路(弁孔)が形成されている。さらに、弁座部材のケース側における流路の開口周りには座面が形成されている。ケースの周壁には、圧縮機の吐出通路に連通する連通口が形成されている。弁体には、座面に当接して流路と連通口との連通を遮断するシール面が形成されている。
上記構成の逆止弁において、吐出室内の高圧な冷媒ガスが流路を流れて弁体を押圧すると、シール面が座面から離間して、流路と連通口とが連通する。これにより、吐出室内の高圧な冷媒ガスが吐出通路を介して外部冷媒回路に吐出される。また、圧縮機が停止すると、吐出室内の圧力が低くなり、付勢部材の付勢力によって弁体が弁座部材に向けて移動し、シール面が座面に当接する。これにより、流路と連通口との連通が遮断され、外部冷媒回路から吐出通路を介して吐出室へ冷媒ガスが逆流してしまうことが防止される。
しかしながら、特許文献1の逆止弁は、弁座部材が真鍮製であるとともに、弁体が樹脂製であるため、シール面と座面との当接が繰り返し行われることで、樹脂製である弁体のシール面が徐々に擦り減ってしまう。すると、シール面と座面とのシール性が悪化するため、逆止弁によって、冷媒ガスにおける外部冷媒回路から吐出通路を介した吐出室への逆流を防止することができなくなってしまう。
また、特許文献1の逆止弁は、ケースの凸部が弁座部材の凹部に対して嵌着されることにより、ケースが弁座部材に対して組み付けられている。ここで、例えば、逆止弁を通過する冷媒ガスの圧力や、冷媒ガスの流通方向における逆止弁の上流側と下流側との差圧によっては、凸部が凹部から外れてしまい、ケースが弁座部材から外れてしまう虞がある。すなわち、特許文献1の逆止弁は、耐久性の点で問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、耐久性に優れた逆止弁を提供することにある。
上記課題を解決する逆止弁は、圧縮機に設けられるとともに冷媒の逆流を防止する逆止弁であって、弁孔が形成されるとともに前記弁孔周りに座面を有する弁座部材を含む樹脂製の弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に収容され、前記座面に接離して前記弁孔を開閉するシール面を有する樹脂製の弁体と、を備え、前記弁ハウジングは、前記弁座部材を含む第1構成部材と、前記第1構成部材に対して熱溶着される第2構成部材とを有する。
これによれば、弁体及び座面が樹脂製であるため、例えば、座面が金属製である場合に比べると、シール面と座面との当接が繰り返し行われても、シール面が擦り減ってしまうことを抑制することができる。また、第1構成部材と第2構成部材とが熱溶着されているため、例えば、第1構成部材と第2構成部材とが互いに係合されたり圧入されたりすることで組み付けられている場合に比べると、抜け荷重が高くなり、第1構成部材と第2構成部材との固定を強固なものとすることができる。その結果、逆止弁における耐久性の向上を図ることができる。
上記逆止弁において、前記第1構成部材は弁座部材であり、前記第2構成部材は、前記弁体における前記座面に接離する方向への移動をガイドするとともに内部が前記弁孔に連通する筒状のガイド部を含み、前記ガイド部における前記弁座部材側の端部には、前記ガイド部の外側に向けて突出する環状のフランジ部が形成されており、前記弁座部材と前記フランジ部との間に前記弁座部材と前記フランジ部とを接合する溶着部が設けられていることが好ましい。
これによれば、ガイド部の外側に位置するフランジ部を利用して、第1構成部材である弁座部材とガイド部を含む第2構成部材とを熱溶着しているため、第1構成部材と第2構成部材との熱溶着の作業を容易なものとすることができる。
上記逆止弁において、前記弁座部材は、幅広部と、前記幅広部よりも前記弁体寄りに位置する幅狭部とを有し、前記ガイド部の内周面と前記幅狭部の外周面とによって、前記ガイド部と前記弁座部材との位置決めがなされていることが好ましい。
これによれば、第1構成部材である弁座部材とガイド部を含む第2構成部材との位置決め及び溶着の位置がそれぞれ異なるため、位置決め及び溶着をそれぞれ精度良く行うことができる。
上記逆止弁において、前記弁ハウジングは、強化材が含有された樹脂により形成されていることが好ましい。
これによれば、弁ハウジングの強度を向上させることができる。
これによれば、弁ハウジングの強度を向上させることができる。
上記逆止弁において、前記ガイド部は、前記ガイド部における前記弁座部材とは反対側の端部に、前記圧縮機のハウジングに形成された嵌合凹部に嵌合する嵌合部を有することが好ましい。
これによれば、例えば、ガイド部における弁座部材とは反対側の開口を閉じるための蓋部材が必要無く、逆止弁の部品点数を削減することができる。
上記逆止弁において、前記弁座部材の外周面にシール部を有することが好ましい。
上記逆止弁において、前記弁座部材の外周面にシール部を有することが好ましい。
これによれば、シール部によって、弁座部材と圧縮機のハウジングとの間のシール性を確保することができる。
上記逆止弁において、前記弁ハウジングは、前記圧縮機に設けられる抜け止め部が当接可能な当接部を有することが好ましい。
上記逆止弁において、前記弁ハウジングは、前記圧縮機に設けられる抜け止め部が当接可能な当接部を有することが好ましい。
これによれば、当接部が抜け止め部に当接することにより、逆止弁を圧縮機に対して所望の位置に位置決めすることができる。
この発明によれば、逆止弁における耐久性の向上を図ることができる。
以下、逆止弁を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。逆止弁は、圧縮機としての斜板式圧縮機に搭載されている。なお、本実施形態の斜板式圧縮機は、可変容量型であり、車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、斜板式圧縮機10のハウジング11は、シリンダブロック12と、シリンダブロック12の前端に連結されるフロントハウジング13と、シリンダブロック12の後端に弁・ポート形成体14を介して連結されるリヤハウジング15とから構成されている。フロントハウジング13とシリンダブロック12とに囲まれた空間にはクランク室16が区画形成されている。フロントハウジング13及びシリンダブロック12には、回転軸17がラジアルベアリング18を介して回転可能に支持されるとともに、回転軸17はクランク室16を貫通するように支持されている。
フロントハウジング13の外壁面には、プーリ19がベアリング20を介して回転可能に支持されるとともに、このプーリ19は回転軸17の先端に連結されている。プーリ19はベルト21を介して、外部駆動源としての車両エンジン22に、電磁クラッチ等のクラッチ機構を介することなく直結されている。よって、車両エンジン22の駆動時には、ベルト21及びプーリ19を介して駆動力が伝達されることで、回転軸17が回転される。
クランク室16において、回転軸17には回転支持体23が一体回転可能に止着されるとともに、回転支持体23はスラストベアリング24を介してフロントハウジング13に支持されている。また、回転軸17には、斜板25が、回転軸17に対してその回転軸線Lが延びる方向へスライド移動可能で且つ傾動可能に支持されている。回転支持体23と斜板25との間には、ヒンジ機構26が介在されている。そして、斜板25は、回転支持体23との間でのヒンジ機構26の介在により、回転軸17の回転軸線Lに対して傾動可能で且つ回転軸17と一体的に回転可能となっている。
回転支持体23と斜板25との間には、バネ27が回転軸17周りを囲むように装着されるとともに、このバネ27は、斜板25をシリンダブロック12に向けて傾動するように付勢する。また、回転軸17において、斜板25よりもシリンダブロック12寄りには規制リング28が止着されるとともに、この規制リング28と斜板25の間にはバネ28aが回転軸17周りに囲むように装着されている。このバネ28aは、斜板25を回転支持体23に向けて傾動するように付勢する。
そして、斜板25が回転支持体23に向けて傾動し、斜板25の半径方向中央が回転支持体23に当接した状態では、斜板25のそれ以上の傾動が規制され、この規制された状態では斜板25は最大傾角となる。一方、斜板25がシリンダブロック12に向けて傾動し、最小傾角となったときは、斜板25は0度よりも僅かに大きな傾角となる。
シリンダブロック12には複数のシリンダボア12aが回転軸17の周囲に配列されるとともに、各シリンダボア12aには片頭型のピストン29が往復動可能に収容されている。ピストン29は、一対のシュー30を介して斜板25の外周部に係留されるとともに、ピストン29は、斜板25の回転運動によりシリンダボア12a内で往復運動される。
リヤハウジング15と弁・ポート形成体14との間には、吐出圧領域である吐出室31が環状に区画形成されるとともに、この吐出室31の内側に、吐出室31(吐出圧)よりも低圧の領域である吸入圧領域としての吸入室32が区画形成されている。また、弁・ポート形成体14には、吸入室32に連通する吸入ポート32h、及び吸入ポート32hを開閉する吸入弁32vが形成されるとともに、吐出室31に連通する吐出ポート31h、及び吐出ポート31hを開閉する吐出弁31vが形成されている。
そして、吸入室32の冷媒ガスは、ピストン29の上死点から下死点への移動により、吸入ポート32h及び吸入弁32vを介してシリンダボア12aに吸入される。シリンダボア12aに吸入された冷媒ガスは、ピストン29の下死点から上死点への移動により所定の圧力にまで圧縮されるとともに、吐出ポート31hから吐出弁31vを押し退けて吐出室31に吐出される。
リヤハウジング15には、吐出室31に連通するとともに回転軸17の軸方向に沿って延びる収容空間40が形成されるとともに、収容空間40には、逆止弁50が収容されている。さらに、リヤハウジング15には、収容空間40に連通する吐出通路34が形成されている。吐出通路34は、外部冷媒回路35に接続されている。
リヤハウジング15には、吸入室32に連通する吸入通路33が形成されている。吐出通路34と吸入通路33とは外部冷媒回路35により接続されている。外部冷媒回路35は、吐出通路34に接続された凝縮器35a、凝縮器35aに接続された膨張弁35b、及び膨張弁35bに接続された蒸発器35cを備えるとともに、蒸発器35cには吸入通路33が接続されている。そして、斜板式圧縮機10は、冷凍回路に組み込まれている。
シリンダブロック12及びリヤハウジング15には、吸入室32とクランク室16を接続する抽気通路36が形成されている。また、シリンダブロック12及びリヤハウジング15には、吐出室31とクランク室16を接続する給気通路37が形成されるとともに、この給気通路37には容量制御弁37vが配設されている。容量制御弁37vは電磁弁よりなり、ソレノイド(図示せず)の励磁・消磁によって給気通路37を開閉する。
そして、容量制御弁37vが給気通路37を開閉することで、吐出室31からクランク室16への高圧な冷媒ガスの供給量が変更され、抽気通路36を介したクランク室16から吸入室32への冷媒ガスの排出量との関係から、クランク室16の圧力が変更される。その結果、クランク室16とシリンダボア12aとのピストン29を介した圧力差が変更され、斜板25の傾角が変更されて吐出容量が調節される。
具体的には、容量制御弁37vのソレノイドの励磁・消磁は制御コンピュータ37cによって制御されるとともに、この制御コンピュータ37cにはエアコンスイッチ37sが信号接続されている。制御コンピュータ37cは、エアコンスイッチ37sがOFFされると、容量制御弁37vのソレノイドを消磁する。すると、容量制御弁37vによって給気通路37が開かれ、吐出室31とクランク室16とが連通される。したがって、吐出室31の高圧な冷媒ガスが給気通路37を介してクランク室16へ供給される。さらに、クランク室16の圧力が抽気通路36を介して吸入室32に抜ける。その結果、クランク室16の圧力とシリンダボア12aの圧力とのピストン29を介した差が変更され、斜板25の傾角が最小となって吐出容量が最小となる。
一方、エアコンスイッチ37sがONされ、ソレノイドが励磁されると容量制御弁37vによって給気通路37の開度が小さくなり、クランク室16の圧力が抽気通路36を介した吸入室32への放圧に基づいて低下していく。この減圧により、斜板25が最小傾角から離脱されて傾角が大きくなり、斜板式圧縮機10では、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われる。
図2に示すように、逆止弁50は、弁孔51hを有する円筒状の弁座部材51を含む樹脂製の弁ハウジング60と、弁ハウジング60内に収容される有蓋円筒状である樹脂製の弁体52とを備える。本実施形態において、弁座部材51は、弁ハウジング60を構成する第1構成部材である。また、弁ハウジング60は、弁座部材51に対して熱溶着される有蓋円筒状である樹脂製のケース53を有する。本実施形態において、ケース53は、弁ハウジング60を構成する第2構成部材である。ケース53は、内部が弁孔51hに連通する円筒状のガイド部54と、ガイド部54における弁座部材51とは反対側の端部に連続する底部55とを有する。さらに、逆止弁50は、ケース53の内部に収容されるとともに弁体52と底部55との間に介在される付勢ばね56を備える。付勢ばね56は、弁体52を弁座部材51に向けて付勢する。付勢ばね56の付勢力は、最小吐出容量での圧縮が行われているときに弁体52に作用する開弁方向の付勢力よりも大きくなっている。
弁ハウジング60は、強化材(例えばガラス繊維)が含有された樹脂(例えばナイロン66)により形成されている。弁座部材51は、幅広部51aと、幅広部51aに連なるとともに幅広部51aよりも幅狭の幅狭部51bとを有する。幅狭部51bは、幅広部51aよりも弁体52寄りに位置している。幅狭部51bは、ガイド部54の内側に入り込んでいる。そして、ガイド部54の内周面と幅狭部51bの外周面とによって、ケース53(ガイド部54)と弁座部材51との位置決めがなされている。
幅狭部51bにおける弁体52側の端面には、弁体52に向けて突出する円環状の弁座51cが形成されており、弁座51cの先端面が座面51eを形成している。したがって、座面51eは樹脂により形成されている。幅広部51aの外周面にはシール部としての環状のシール部材51sが装着されている。
ガイド部54における弁座部材51側の端部には、ガイド部54の軸方向に対して直交する方向に延びる円環状のフランジ部54fが一体形成されている。フランジ部54fは、ガイド部54における弁座部材51側の端部からガイド部54の外側に向けて突出している。フランジ部54fにおける弁座部材51側の端面と、弁座部材51の幅広部51aにおけるガイド部54側の端面との間には、弁座部材51とケース53とを接合する環状の溶着部W1が設けられている。したがって、弁座部材51とケース53とは熱溶着により接合されている。ガイド部54の周壁には、連通窓54hが複数(図2では二つ図示)形成されている。
弁体52は、円板状の蓋部52aと、蓋部52aの周縁からガイド部54の周壁の内周面に沿って延びる円筒状の壁部52bとから構成されている。蓋部52aは壁部52bよりも弁座部材51寄りに位置している。そして、蓋部52aにおける弁座部材51側の端面には、座面51eに接離して弁孔51hを開閉するシール面52sが形成されている。弁体52は、壁部52bの外周面が、ガイド部54の周壁の内周面に摺接可能な状態でケース53に収容されている。よって、弁体52は、ガイド部54の周壁によって座面51eに対して接離する方向へ移動可能にガイドされるようになっている。
収容空間40は、吐出室31寄りの第1収容部40aと、第1収容部40aよりも幅狭であるとともに、吐出通路34に連通する第2収容部40bとから形成されている。第1収容部40aと第2収容部40bとの間には回転軸17の径方向に延びる段差部40cが形成されている。弁座部材51の幅広部51aは、第1収容部40a内に配置されており、弁座部材51の幅広部51aにおけるガイド部54側の端面の外周縁は、段差部40cに当接している。また、シール部材51sによって、弁座部材51の幅広部51aと第1収容部40a(リヤハウジング15)との間のシール性が確保されている。弁座部材51の幅狭部51bは、第2収容部40bに入り込んでいる。ケース53は、第2収容部40b内に配置されている。
弁座部材51におけるガイド部54とは反対側の端面は、リヤハウジング15に設けられる抜け止め部としてのサークリップ57に当接可能な当接部51fを有する。そして、サークリップ57により、逆止弁50における収容空間40からの吐出室31に向けた抜け出しが規制されている。
図3に示すように、斜板25の傾角が最小傾角から離脱されて傾角が大きくなり、最小吐出容量を越えた吐出容量で圧縮が行われると、吐出室31に吐出された冷媒ガスの吐出圧が、弁孔51hを介して弁体52に作用し、弁体52が付勢ばね56の付勢力に抗して弁座部材51から離間する方向へ移動する。すると、シール面52sが座面51eから離間して、逆止弁50が開弁する。その結果、吐出室31と吐出通路34とが、弁孔51h、ケース53の内部、各連通窓54h及び第2収容部40bを介して連通する。これにより、吐出室31から弁孔51h、ケース53の内部、各連通窓54h、第2収容部40b及び吐出通路34を介して外部冷媒回路35へ冷媒ガスが吐出される。
図2に示すように、斜板25の傾角が最小となり、最小吐出容量となると、付勢ばね56の付勢力によって弁体52が弁座部材51に向けて付勢される。そして、シール面52sが座面51eに当接(着座)して、逆止弁50が閉弁する。その結果、吐出室31から弁孔51h、ケース53の内部、各連通窓54h、第2収容部40b及び吐出通路34を介した外部冷媒回路35への冷媒ガスの吐出が阻止されるとともに、外部冷媒回路35の冷媒循環が停止される。さらには、外部冷媒回路35から吐出通路34、第2収容部40b、各連通窓54h、ケース53の内部、弁孔51hを介した吐出室31への冷媒ガスの逆流が逆止弁50により阻止される。
斜板25の最小傾角は0度ではないため、斜板25の傾角が最小の状態においてもシリンダボア12aから吐出室31への吐出は行われている。また、吸入室32の冷媒ガスは、シリンダボア12aへ吸入されて吐出室31へ吐出される。すなわち、斜板25の傾角が最小の状態では、吐出室31、給気通路37、クランク室16、抽気通路36、吸入室32及びシリンダボア12aを経由する循環通路が斜板式圧縮機10の内部に形成されている。冷媒ガスと共に流動する潤滑油は、循環経路を経由して斜板式圧縮機10内を潤滑する。また、吐出室31、クランク室16及び吸入室32は、均圧化され、斜板25が最小傾角で安定的に保持される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
弁体52及び座面51eが樹脂製であるため、例えば、座面51eが金属製である場合に比べると、シール面52sと座面51eとの当接が繰り返し行われても、シール面52sが擦り減ってしまうことが抑制される。
弁体52及び座面51eが樹脂製であるため、例えば、座面51eが金属製である場合に比べると、シール面52sと座面51eとの当接が繰り返し行われても、シール面52sが擦り減ってしまうことが抑制される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)弁体52及び座面51eが樹脂製であるため、例えば、座面51eが金属製である場合に比べると、シール面52sと座面51eとの当接が繰り返し行われても、シール面52sが擦り減ってしまうことを抑制することができる。また、弁座部材51とケース53とが熱溶着されているため、例えば、弁座部材51とケース53とが互いに係合されたり圧入されたりすることで組み付けられている場合に比べると、抜け荷重が高くなり、弁座部材51とケース53との固定を強固なものとすることができる。その結果、逆止弁50における耐久性の向上を図ることができる。
(1)弁体52及び座面51eが樹脂製であるため、例えば、座面51eが金属製である場合に比べると、シール面52sと座面51eとの当接が繰り返し行われても、シール面52sが擦り減ってしまうことを抑制することができる。また、弁座部材51とケース53とが熱溶着されているため、例えば、弁座部材51とケース53とが互いに係合されたり圧入されたりすることで組み付けられている場合に比べると、抜け荷重が高くなり、弁座部材51とケース53との固定を強固なものとすることができる。その結果、逆止弁50における耐久性の向上を図ることができる。
(2)弁座部材51とフランジ部54fとの間に弁座部材51とフランジ部54fとを接合する溶着部W1が設けられている。これによれば、ガイド部54の外側に位置するフランジ部54fを利用して、弁座部材51とケース53とを熱溶着しているため、弁座部材51とケース53との熱溶着の作業を容易なものとすることができる。
(3)ガイド部54の内周面と幅狭部51bの外周面とによって、ガイド部54と弁座部材51との位置決めがなされている。これによれば、弁座部材51とケース53との位置決め及び溶着の位置がそれぞれ異なるため、位置決め及び溶着をそれぞれ精度良く行うことができる。
(4)弁ハウジング60は、強化材が含有された樹脂により形成されている。これによれば、弁ハウジング60の強度を向上させることができる。また、弁ハウジング60が樹脂により形成されていると、弁ハウジング60が金属により形成されている場合に比べると、弁ハウジング60を軽量化することができる。しかし、弁ハウジング60が樹脂により形成されていると、弁ハウジング60が金属により形成されている場合に比べて、弁ハウジング60の強度が低下してしまう。そこで、弁ハウジング60を、強化材が含有された樹脂により形成することで、弁ハウジング60を軽量化することができるとともに、弁ハウジング60の強度を向上させることができる。また、強度の低い種類の樹脂を使用しても、強化材を含有することにより、弁ハウジング60の強度を確保することができるため、樹脂の材料の選択の自由度を向上させることができる。
(5)弁座部材51の外周面にシール部材51sを有する。これによれば、シール部材51sによって、弁座部材51とリヤハウジング15との間のシール性を確保することができる。また、弁座部材51とリヤハウジング15との間に間隙を設け、シール部材51sによって、弁座部材51とリヤハウジング15との間をシールすることができる。よって、例えば、金属製の弁座部材をリヤハウジング15に圧入して固定する場合に比べると、弁座部材51とリヤハウジング15との接触面積が小さくて済み、逆止弁50からリヤハウジング15側への振動の伝達、及びリヤハウジング15側から逆止弁50への振動の伝達を抑制し易くすることができる。
(6)弁座部材51におけるガイド部54とは反対側の端面に、サークリップ57が当接可能な当接部51fを有する。これによれば、当接部51fがサークリップ57に当接することにより、逆止弁50を斜板式圧縮機10のリヤハウジング15に対して所望の位置に位置決めすることができる。
(7)弁体52及び座面51eが樹脂製であるため、例えば、座面51eが金属製である場合に比べると、シール面52sと座面51eとの当接が行われることで発生する打音を抑制し易くすることができ、騒音を低減することができる。
(8)本実施形態によれば、弁座部材51とケース53とを組み付けるために、弁座部材51及びケース53に凸部や凹部等を形成する必要が無いため、構成を簡素化させることができるとともに、逆止弁50を小型化させることができる。また、逆止弁50を小型化させることができるため、逆止弁50の収容スペースを小さくすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図4に示すように、底部55を削除するとともに、ガイド部54は、ガイド部54における弁座部材51とは反対側の端部に、リヤハウジング15に形成された嵌合凹部15aに嵌合する嵌合部54aを有していてもよい。付勢ばね56は、弁体52と嵌合凹部15aの底部との間に介在されている。これによれば、例えば、ガイド部54における弁座部材51とは反対側の開口を閉じるための蓋部材が必要無く、逆止弁50の部品点数を削減することができる。また、逆止弁50を、リヤハウジング15の底部寄りに極力配置することができるため、吐出室31の容積を確保し易くすることができる。その結果、吐出室31に吐出される冷媒ガスの吐出脈動の低減を図ることができる。
○ 図4に示すように、底部55を削除するとともに、ガイド部54は、ガイド部54における弁座部材51とは反対側の端部に、リヤハウジング15に形成された嵌合凹部15aに嵌合する嵌合部54aを有していてもよい。付勢ばね56は、弁体52と嵌合凹部15aの底部との間に介在されている。これによれば、例えば、ガイド部54における弁座部材51とは反対側の開口を閉じるための蓋部材が必要無く、逆止弁50の部品点数を削減することができる。また、逆止弁50を、リヤハウジング15の底部寄りに極力配置することができるため、吐出室31の容積を確保し易くすることができる。その結果、吐出室31に吐出される冷媒ガスの吐出脈動の低減を図ることができる。
○ 図5に示すように、弁座部材51とガイド部54とが一体形成されていてもよい。この場合、弁座部材51及びガイド部54は、第1構成部材を形成する。そして、弁体52及び付勢ばね56をガイド部54内に収容するとともに、ガイド部54における弁座部材51とは反対側の開口を蓋部材58により閉鎖してもよい。この場合、蓋部材58は第2構成部材に相当する。さらに、ガイド部54における弁座部材51とは反対側と蓋部材58との間には、ガイド部54と蓋部材58とを接合する環状の溶着部W2が設けられており、ガイド部54と蓋部材58とが熱溶着により接合されていてもよい。
○ 実施形態において、サークリップ57に代えて、第1収容部40aの内周面に、抜け止め部としての環状の突起を形成してもよい。
○ 実施形態において、弁座部材51の幅広部51aが第1収容部40aに圧入されていてもよい。そして、幅広部51aと第1収容部40aとの圧入により、弁座部材51とリヤハウジング15との間のシール性が確保できるのであれば、シール部材51sを削除してもよい。この場合、幅広部51aの外周面がシール部として機能する。
○ 実施形態において、弁座部材51の幅広部51aが第1収容部40aに圧入されていてもよい。そして、幅広部51aと第1収容部40aとの圧入により、弁座部材51とリヤハウジング15との間のシール性が確保できるのであれば、シール部材51sを削除してもよい。この場合、幅広部51aの外周面がシール部として機能する。
○ 実施形態において、強化材としては、例えば、炭素繊維を用いてもよい。
○ 実施形態において、弁ハウジング60を形成する樹脂に、強化材が含有されていなくてもよい。
○ 実施形態において、弁ハウジング60を形成する樹脂に、強化材が含有されていなくてもよい。
○ 実施形態において、リヤハウジング15に、吸入室32に連通する収容空間を形成し、この収容空間に逆止弁50が収容されていてもよい。
○ 実施形態において、斜板式圧縮機10は、車両空調装置に用いられなくてもよく、その他の空調装置に用いられてもよい。
○ 実施形態において、斜板式圧縮機10は、車両空調装置に用いられなくてもよく、その他の空調装置に用いられてもよい。
○ 実施形態において、圧縮機は、斜板式圧縮機10に限らず、例えば、スクロール型、ベーン型、又はルーツ式の圧縮機であってもよい。
W1,W2…溶着部、10…圧縮機としての斜板式圧縮機、11…ハウジング、15a…嵌合凹部、50…逆止弁、51…第1構成部材である弁座部材、51a…幅広部、51b…幅狭部、51e…座面、51f…当接部、51h…弁孔、51s…シール部としてのシール部材、52…弁体、52s…シール面、53…第2構成部材であるケース、54…ガイド部、54a…嵌合部、54f…フランジ部、57…抜け止め部としてのサークリップ、58…第2構成部材に相当する蓋部材、60…弁ハウジング。
Claims (7)
- 圧縮機に設けられるとともに冷媒の逆流を防止する逆止弁であって、
弁孔が形成されるとともに前記弁孔周りに座面を有する弁座部材を含む樹脂製の弁ハウジングと、
前記弁ハウジング内に収容され、前記座面に接離して前記弁孔を開閉するシール面を有する樹脂製の弁体と、を備え、
前記弁ハウジングは、前記弁座部材を含む第1構成部材と、前記第1構成部材に対して熱溶着される第2構成部材とを有することを特徴とする逆止弁。 - 前記第1構成部材は弁座部材であり、
前記第2構成部材は、前記弁体における前記座面に接離する方向への移動をガイドするとともに内部が前記弁孔に連通する筒状のガイド部を含み、
前記ガイド部における前記弁座部材側の端部には、前記ガイド部の外側に向けて突出する環状のフランジ部が形成されており、
前記弁座部材と前記フランジ部との間に前記弁座部材と前記フランジ部とを接合する溶着部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の逆止弁。 - 前記弁座部材は、幅広部と、前記幅広部よりも前記弁体寄りに位置する幅狭部とを有し、前記ガイド部の内周面と前記幅狭部の外周面とによって、前記ガイド部と前記弁座部材との位置決めがなされていることを特徴とする請求項2に記載の逆止弁。
- 前記弁ハウジングは、強化材が含有された樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の逆止弁。
- 前記ガイド部は、前記ガイド部における前記弁座部材とは反対側の端部に、前記圧縮機のハウジングに形成された嵌合凹部に嵌合する嵌合部を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の逆止弁。
- 前記弁座部材の外周面にシール部を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の逆止弁。
- 前記弁ハウジングは、前記圧縮機に設けられる抜け止め部が当接可能な当接部を有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の逆止弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014133163A JP2016011708A (ja) | 2014-06-27 | 2014-06-27 | 逆止弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014133163A JP2016011708A (ja) | 2014-06-27 | 2014-06-27 | 逆止弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016011708A true JP2016011708A (ja) | 2016-01-21 |
Family
ID=55228565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014133163A Pending JP2016011708A (ja) | 2014-06-27 | 2014-06-27 | 逆止弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016011708A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017134964A (ja) * | 2016-01-27 | 2017-08-03 | アイシン精機株式会社 | 燃料電池システム |
JPWO2021039080A1 (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-04 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60237282A (ja) * | 1984-05-11 | 1985-11-26 | Hitachi Ltd | ポンプの合成樹脂製逆止弁 |
JPH1047236A (ja) * | 1996-08-07 | 1998-02-17 | Kiyousan Denki Kk | 電磁ポンプ |
JP2003120835A (ja) * | 2001-10-09 | 2003-04-23 | Sanden Corp | 逆止弁 |
JP2009078526A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-16 | Toyoda Gosei Co Ltd | 溶着方法、溶着構造体および燃料遮断弁 |
-
2014
- 2014-06-27 JP JP2014133163A patent/JP2016011708A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60237282A (ja) * | 1984-05-11 | 1985-11-26 | Hitachi Ltd | ポンプの合成樹脂製逆止弁 |
JPH1047236A (ja) * | 1996-08-07 | 1998-02-17 | Kiyousan Denki Kk | 電磁ポンプ |
JP2003120835A (ja) * | 2001-10-09 | 2003-04-23 | Sanden Corp | 逆止弁 |
JP2009078526A (ja) * | 2007-09-27 | 2009-04-16 | Toyoda Gosei Co Ltd | 溶着方法、溶着構造体および燃料遮断弁 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017134964A (ja) * | 2016-01-27 | 2017-08-03 | アイシン精機株式会社 | 燃料電池システム |
JPWO2021039080A1 (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-04 | ||
WO2021039080A1 (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-04 | ダイキン工業株式会社 | 回転式圧縮機 |
JP7332942B2 (ja) | 2019-08-30 | 2023-08-24 | ダイキン工業株式会社 | 回転式圧縮機 |
US11906060B2 (en) | 2019-08-30 | 2024-02-20 | Daikin Industries, Ltd. | Rotary compressor with backflow suppresion mechanism for an introduction path |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1798499A2 (en) | Refrigerant compressor having an oil separator | |
JPH11315785A (ja) | 圧縮機 | |
US8439652B2 (en) | Suction throttle valve for variable displacement type compressor | |
JP2014118939A (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
JP2007327446A (ja) | 開度調整弁及びこれを用いた可変容量型圧縮機 | |
JPH09317628A (ja) | 圧縮機 | |
JP2016011708A (ja) | 逆止弁 | |
JP6127999B2 (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
JP2014118922A (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
JP2020034130A (ja) | 圧縮機 | |
JP5240535B2 (ja) | 可変容量型クラッチレス圧縮機 | |
JP5888223B2 (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
JP7062698B2 (ja) | 可変容量型圧縮機 | |
JP5915511B2 (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
JP2020034129A (ja) | 圧縮機 | |
JP4451835B2 (ja) | 可変容量型往復動流体機械 | |
JP2013096299A (ja) | 容量可変型斜板式圧縮機 | |
JP2013204563A (ja) | 圧縮機 | |
WO2020196577A1 (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JP2017150315A (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
KR20060096379A (ko) | 용량 가변형 사판식 압축기 | |
JP2016008582A (ja) | 圧縮機 | |
JP4128656B2 (ja) | 斜板式圧縮機 | |
JP2014074366A (ja) | 可変容量型斜板式圧縮機 | |
JP6191527B2 (ja) | 容量可変型斜板式圧縮機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161007 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170829 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180306 |