JP2020034130A - 圧縮機 - Google Patents

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ベルトラン デュポン
雅典 雨森
Masanori Amemori
雅典 雨森
浩 何
Hao He
浩 何
大貴 蓮沼
Daiki Hasunuma
大貴 蓮沼
研士 篠原
Kenji Shinohara
研士 篠原
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Yujiro Morita
雄二郎 森田
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Abstract

【課題】吐出通路上に配置された逆止弁において、弁体の自励振動に起因する吐出脈動の誘発を防ぎ、騒音の発生を防止することが可能な圧縮機を提供する。【解決手段】底部51a一体又は別体に設けられた筒状のケース51と、底部51aに形成された弁孔58と、ケース51の深さ方向に沿って該ケース内を移動可能であり、弁孔58を開閉する弁体52と、弁体52を底部51aに向かって付勢するバネ53と、を有する逆止弁50を吐出通路40上に備えた圧縮機において、吐出通路40に、逆止弁50から流出される作動流体を逆止弁50の直後において弁体52の軸心から片寄らせて流す偏流形成手段(弁体52の軸心からずらした絞り部74)を設ける。【選択図】 図5

Description

この発明は、冷凍サイクルに用いられる圧縮機、より詳しくは、圧縮された作動流体を外部へ送出する吐出通路上に逆止弁を備えた圧縮機に関する。
冷凍サイクルに用いる圧縮機においては、運転停止時の作動流体の逆流を防止するために、また、可変容量斜板式圧縮機の場合は、最小容量運転からの起動性の向上を図るために、さらに、クラッチレス圧縮機の場合は、アイドル運転時の作動流体の流出防止を図るために、圧縮機内の吐出通路上に逆止弁を設けることが知られている。
例えば、特許文献1(WO2002−061280)には、可変容量斜板式クラッチレス圧縮機の吐出通路であって、圧縮機の吐出口の近傍に逆止弁を設けた圧縮機が開示されている。
この逆止弁は、有底円筒状のケースと、このケースの深さ方向に沿って前記ケース内を摺動可能であり、底部に形成された弁孔を開閉する弁体と、この弁体を前記ケースの底部に向かって付勢するバネとを備えている。したがって、圧縮機が運転を停止しているとき、もしくは圧縮機が最小容量で運転されているときに、弁体の上流側と下流側の圧力差がバネの付勢力に打ち勝つほど大きくない場合は、弁体が弁孔を塞ぐようにケースの底面に押しつけられる。これに対して、圧縮機が所定以上の吐出容量で運転され、弁体の上流側と下流側との圧力差がバネの付勢力に打ち勝てば、弁体が押し上げられて弁孔の閉塞を開放し、作動流体が弁体とケースの間を通って下流側に流れ、圧縮機の吐出口から冷凍サイクルへ吐出されるようになっている。
国際公開WO02/061280
上述した構成の逆止弁においては、弁体がケース内を摺動できるように弁体の最大径部とケースの内周面との間に所定のクリアランスが確保されている。 このため、作動流体が弁体の周囲を片寄って流れると、弁体の周囲を流れる冷媒によって弁体が自励振動を起こして吐出脈動を誘発する場合がある。
すなわち、冷媒が弁体の周囲を完全に均一に流れれば振動は生じないが、弁体の周囲の流れに僅かな片寄りがあると、冷媒が多く流れた側へ弁体が引き寄せられる。すると、その反対側のクリアランスが大きくなり、その部分への冷媒の流れが多くなって弁体が引き戻される。このような冷媒が多く流れる部位の変動が短い周期で繰り返されるため、弁体がケース内で自励振動を起こし、これによって吐出脈動が誘発されて騒音が発生する不都合がある。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、吐出通路上に配置された逆止弁において、弁体の自励振動に起因する吐出脈動の誘発を防ぎ、騒音の発生を防止することが可能な圧縮機を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る圧縮機は、圧縮された作動流体を外部へ送出する吐出通路上に逆止弁が設けられ、この逆止弁は、底部が一体又は別体に設けられた筒状のケースと、前記底部に形成された孔と、前記ケースの深さ方向に沿って該ケース内を移動可能であり、前記孔を開閉する弁体と、前記弁体を前記底部に向かって付勢するバネと、を有する圧縮機であって、前記吐出通路に、前記逆止弁から流出される作動流体を、前記逆止弁の直後において前記弁体の軸心から片寄らせて流す偏流形成手段を設けたことを特徴としている。
したがって、逆止弁の直後において弁体の軸心から片寄らせて流す偏流形成手段が設けられているので、弁体の周囲を流れる作動流体も逆止弁直後の流れに合わせて偏りが生じやすくなる。このため、偏流形成手段を設けたことで弁体の周囲を流れる作動流体を意図的に偏らせて流すことが可能となり、この作動流体が意図的に多く流れる側へ弁体を常時引き寄せることが可能となる。このため、弁体の自励振動を誘発することが抑えられる。
ここで、逆止弁から流出される作動流体を逆止弁の直後において弁体の軸心から片寄らせて流す偏流形成手段としては、いろいろな形態が考えられるが、例えば、前記逆止弁の直後の吐出通路上に通路断面を絞る絞り部を設け、この絞り部を前記弁体の軸心からずらすことで形成するようにしてもよい。
また、逆止弁は、吐出通路の末端部において圧縮機のハウジングと共にマフラ室を画成すると共に吐出口が形成されたカバー部材に設けるようにしてもよく、このような構成においては、絞り部をカバー部材と一体に設けるようにしても、別部材で形成するようにしてもよい。また、絞り部は、マフラ室への作動流体の入り口とは反対の方向にずらして設けるとよい。
なお、逆止弁としては、底部がケースに一体に形成し、ケースの開口端部に固定されると共に弁体の動きを規制するストッパをさらに有し、前記バネを弁体とストッパとの間に弾装するものであっても、底部をケースに篏合される底部材によって形成し、ケースの底部材が篏合する側と反対側に弁体の動きを規制するストッパを一体に形成し、前記バネを弁体とストッパとの間に弾装するものであってもよい。
さらに、弁体の自励振動を効果的に抑えるために、前記弁体と前記ケースの内周面との間に形成される作動流体の流路を前記弁体の軸心の周りに偏在させて形成してもよい。
このような構成によれば、弁体の軸心の周りに偏在して形成された流路によって、弁体の周囲に作動流体が多く流れる領域を意図的に偏らせて形成することが可能となり、前記偏流形成手段による作動流体の弁体周囲の片寄りと相俟って、弁体の周囲で作動流体が多く流れる領域を効果的に形成して弁体を引き寄せる力を大きくすることが可能となる。このため、弁体の自励振動をより効果的に抑えることが可能となる。
なお。上述の構成は、クランク室を貫通してハウジングに回転自在に支持されたシャフトと、前記シャフトの回転に同期して回転すると共に、シャフトに対して傾斜可能に設けられた斜板と、前記斜板の周縁に係留され、前記斜板の回転に伴い前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの往復摺動により前記シリンダボアに選択的に連通する吸入室および吐出室とを有し、前記斜板の傾斜角を変更することで吐出容量を制御する可変容量斜板式圧縮機において特に有効である。
以上述べたように、この発明によれば、逆止弁から流出される作動流体を、逆止弁の直後において弁体の軸心から片寄らせて流す偏流形成手段を設けたので、弁体の周囲に作動流体が多く流れる領域を意図的に形成することが可能となり、作動流体を意図的に多く流している側へ弁体を常時引き寄せることが可能となる。このため、弁体の自励振動を誘発することが抑えられ、自励振動に起因する吐出脈動の誘発を防ぎ、騒音の発生を防止することが可能な圧縮機を提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態にかかる可変容量型クラッチレス圧縮機を示す断面図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる圧縮機の逆止弁が設けられている部分を示す拡大断面図である。 図3(a)は、図2に示す逆止弁の拡大断面図、図3(b)は、図2に示す逆止弁の分解斜視図である。 図4は、逆止弁の弁体を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその平面図、(c)はその底面図、(d)は(b)のA−A線で切断した断面図である。 図5は、逆止弁の断面図であり、(a)は弁体が閉状態である場合を示し、(b)は弁体が開状態である場合を示す。 図6は、逆止弁の他の構成例を示す断面図である。 図7(a)は、本発明の実施形態にかかる圧縮機の逆止弁が設けられている部分の変形例を示す拡大断面図であり、図7(b)は、吐出口側から絞り部を見た図であり、図7(c)は、弁体の斜視図を示す。 図8は、図7で示す構成において冷媒の流れを説明する断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、圧縮機の一例として、可変容量型クラッチレス圧縮機が示されている。この圧縮機は、シリンダブロック1と、このシリンダブロック1のリア側(図中、右側)にバルブプレート2を介して組み付けられたリアヘッド3と、シリンダブロック1のフロント側(図中、左側)を閉塞するように組み付けられてクランク室4を画成するフロントヘッド5とを有して構成されているもので、これらフロントヘッド5、シリンダブロック1、バルブプレート2、及び、リアヘッド3は、締結ボルト6により軸方向に締結され、圧縮機のハウジングを構成している。
フロントヘッド5とシリンダブロック1とによって画設されるクランク室4には、一端がフロントヘッド5から突出するシャフト7が貫通している。このシャフト7のフロントヘッド5から突出した部分には、ボルト8によって固定された中継部材9を介してフロントヘッド5のボス部5aに回転自在に外嵌される駆動プーリ10が連結され、車両のエンジンから図示しない駆動ベルトを介して回転動力が伝達されるようになっている。また、このシャフト7の一端側は、フロントヘッド5との間に設けられたシール部材11を介してフロントヘッド5との間が気密よく封じられると共にラジアル軸受12にて回転自在に支持されており、シャフト7の他端側は、シリンダブロック1の凹部13に収容されたラジアル軸受14にて回転自在に支持されている。
シリンダブロック1には、ラジアル軸受14が収容される前記凹部13と、この凹部13を中心とする円周上に等間隔に配された複数のシリンダボア15とが形成されており、それぞれのシリンダボア15には、片頭ピストン16が往復摺動可能に挿入されている。
前記シャフト7には、クランク室4において、該シャフト7と一体に回転するスラストフランジ17が固装されている。このスラストフランジ17は、フロントヘッド5の内面に対してスラスト軸受18を介して回転自在に支持されており、このスラストフランジ17には、リンク部材19を介して斜板20が連結されている。
斜板20は、シャフト7上に摺動自在に設けられたヒンジボール21を中心に傾動可能に設けられているもので、リンク部材19を介してスラストフランジ17の回転に同期して一体に回転するようになっている。そして、斜板20には、その周縁部分に一対のシュー22を介して片頭ピストン16の係合部16aが係留されている。
したがって、シャフト7が回転すると、これに伴って斜板20が回転し、この斜板20の回転運動がシュー22を介して片頭ピストン16の往復直線運動に変換され、シリンダボア15内において片頭ピストン16とバルブプレート2との間に形成された圧縮室23の容積が変更されるようになっている。
前記バルブプレート2には、それぞれのシリンダボア15に対応して吸入孔31と吐出孔32とが形成され、また、リアヘッド3には、圧縮室23に供給する作動流体を収容する吸入室33と、圧縮室23から吐出した作動流体を収容する吐出室34とが画設されている。吸入室33は、リアヘッド3の中央部分に形成されており、蒸発器の出口側に通じる図示しない吸入口に連通すると共に吸入弁35によって開閉されるバルブプレート2の吸入孔31を介して圧縮室23に連通可能となっている。また、吐出室34は、吸入室33の周囲に形成されており、吐出弁36によって開閉されるバルブプレート2の吐出孔32を介して圧縮室23に連通可能になっていると共に、バルブプレート2及びシリンダブロック1に形成された通路2a,1aを介してシリンダブロック1の周縁部に形成されたマフラ室37に連通している。
このマフラ室37は、図2にも示されるように、シリンダブロック1に取り付けられたカバー38によって閉塞され、このカバー38には、吐出口38a及び弁収容孔38bが形成されている。上述した通路1a,2a、マフラ室37、弁収容孔38b、及び吐出口38aにより圧縮室23から吐出室34に吐出された冷媒ガスを圧縮機外へ送り出す吐出通路40が構成されている。そして、この吐出通路40の弁収容孔38bには、逆止弁50が収容されている。
斜板20のシャフト7と垂直な面に対する傾斜角度は、斜板20に作用するモーメントによって決定される。斜板には、シュー22を介してそれぞれのピストン16の前面と背面に作用する圧力差(即ち圧縮室23とクランク室4の圧力差)に基づく力、及び、ヒンジボール21を介してピストンストロークを小さくする方向に付勢するデストロークスプリング28の押力等が作用している。これらの力に基づくモーメントの総和がバランスするところで斜板20の傾きが設定され、これによりピストンストロークが決定されて吐出容量が決定されるようになっている。
これにより、クランク室4の圧力が低くなれば、圧縮室23とクランク室4との差圧が大きくなり、斜板20の傾斜角度を大きくする方向にモーメントが働き、ピストン16のストローク量が大きくなって吐出容量が大きくなる。逆に、クランク室4の圧力が高くなれば、圧縮室23とクランク室4との差圧が小さくなり、斜板20の傾斜角度を小さくする方向にモーメントが働き、ピストン16のストローク量が小さくなって吐出容量が小さくなる。
また、シリンダブロック1、バルブプレート2、及びリアヘッド3に亘って形成された通路1b,2b,3bによって吐出室34とクランク室4とを連通する給気通路41が形成され、また、シリンダブロック1及びバルブプレート2に形成された通路1c,2c及びシャフト7に形成された通路7cやラジアル軸受14の隙間などを介してクランク室4と吸入室33とを連通する抽気通路42が形成されている。給気通路41上には圧力制御弁45が設けられ、この圧力制御弁45により吐出室34からクランク室4へ流入する冷媒流量を調節することで、クランク室4の圧力を制御するようにしている。
ここで、圧力制御弁45は、リアヘッド3に形成された装着孔43に挿着され、弁部45a、ソレノイド45b、及びベローズ45cを有している。ベローズ45cは、吸入圧力が低下した時に伸長し、給気通路41を開く方向へ弁部45aを移動させる。ソレノイド45bは、図示しないコントロールユニットから供給される電流が増加したときに給気通路41を閉じる方向へ弁部45aを付勢する。そして、給気通路41の開度又は開時間を外部から供給される通電量を調節することで、吸入圧力が目標値となるようクランク室圧を制御すると共に、通電を停止(off)して給気通路41を全開とし、クランク室圧を高めて吐出容量を最小にするなどの制御を行う。
したがって、通電を停止した状態においては、圧縮室23、吐出孔32、吐出室34、給気通路41、クランク室4、抽気通路42、吸入室33により、圧縮機内に内部循環経路が構成され、この内部循環経路により、斜板20の傾斜角度が最小又は最小付近にあるときに冷媒ガスを圧縮機内に循環させ、圧縮機内部の摺動部分を潤滑及び冷却するようにしている。このような冷媒の内部循環を確保するために、吐出通路40の吐出口38aの手前に前記逆止弁50が設けられ、圧縮機内部の冷媒の外部への流出防止が図られている。
逆止弁50は、後述する弁孔58がマフラ室37に臨むようにカバー部材38に取り付けられており、この例においては、吐出室34と連通する通路1a,2aから離れたマフラ室37の終端部近傍に臨む位置に設けられている。
前記吐出通路40の弁収容孔38bに収容された逆止弁50は、図3にも示されるように、有底筒状のケース51と、このケース内に収容される弁体52と、この弁体52を付勢するコイル状のバネ53と、弁体の動きを規制するストッパ54と、前記弁体52に摺動可能に嵌合して弁体52と共にダンパ室55を構成する区画部材56とを有して構成されている。
ケース51は、底部51aと、この底部51aに続いて形成されたオーバーラップ部51bと、このオーバーラップ部51bに続いて形成された移行部51cと、この移行部51cに続いて延設された円筒部51dとを有して構成されている。底部51aには、弁体の先端部が当接するシート面57と、このシート面57の中央部に形成された弁孔58とを有している。オーバーラップ部51bは、底部51aに対して略垂直に立設され、弁体52の先端部とケース51の深さ方向で所定長の嵌合状態を可能としている。
移行部51cは、シート面57から離れるにつれて広がるように形成されており、弁体52の先端部との間で冷媒ガスの流れを絞るテーパ面59を有している。円筒部51dは、移行部51cの最も径が広がった部分からケースの軸方向に延設されており、弁体52をケース51の深さ方向(軸方向)に沿った移動を許容するようになっている。
また、ケースの解放端近傍の内壁には、後述するストッパ54を係止させる係止凹部60が全周に亘って環状に形成されている。
これに対して、弁体52は、ケース51内に収容され、ケース51の深さ方向(軸方向)に摺動自在となっている。この弁体52は、図4にも示されるように、その先端部に形成された弁頭部52aと、この弁頭部に続いて形成され、背面にバネ53を収容する凹部61が形成された筒状の胴部52bと、この胴部52bの外周面から突設されたガイド羽根部52cとを有している。弁頭部52aには、その中央に軸方向に突出する凸部52a1が形成され、その周囲に段差部52a2が形成されている。凸部52a1は、ケース51のシート面57と当接可能なシート面62を有し、ケース51のシート面57に接触したり離隔したりすることで、弁孔58を開閉するようにしている。ガイド羽根部52cは、胴部の外周面に等間隔に複数設けられ(この例では、90度間隔に4つ設けられ)、ケース51の円筒部51dの内周面を軸方向に摺接することで弁体52をケース51の軸方向にスムーズに案内する。また、隣り合うガイド羽根部間は、弁孔58からケース51内に流入した冷媒ガスを弁体52の下流側へ流通させる流路部52dとなっている。したがって、ケース内で作動流体が弁体の脇を通る流路部52d(弁体とケースの内周面との間に形成される作動流体の流路)は、周方向の4箇所となっており、弁体の軸心の周りに均等に形成されている。
ストッパ54は、この例では、ばね鋼等によって形成された薄板状の部材を菊座状に形成したもので、中央に通孔54aが形成された円盤状の座面部54bとこの座面部54bから放射状に等間隔に延設されて同方向(弁体と反対側)に折り曲げられた可撓性を有する複数の爪部54c(この例では、60度間隔に6つ設けられている)とを有して構成されている。このストッパ54は、ケース51の解放端部に座面部54bの側から押し込んで爪部54cを弾性変形させ、爪部54cの先端をケース51の内壁の解放端近傍に形成された前記係止凹部60に引っ掛けるように係止させてケース51に固定させるようにしている。したがって、ストッパ54をケース51に固定した状態においては、隣り合う爪部54c間の隙間によってストッパ54の前後を連通させる連通部54dが形成され、前記弁体52と前記ケース51の内周面との間には、弁体52が開いた状態(弁体52の弁頭部52aがオーバーラップ部51bから外れるようにリフトした状態)においてケース51の弁孔58からストッパ54の連通部54dにかけて吐出ガスをケース内部で流通させるガス通路65が形成される。
区画部材56は、有底円筒状に形成されているもので、バネ53の径よりも大きい内径を有し、軸方向の寸法が弁体52に形成された凹部61の軸方向の寸法に略等しいかそれよりも短く形成されている。この区画部材56の外径は、弁体52の凹部61の内径よりも僅かに小さく形成されており、区画部材56を弁体52の凹部61に摺動自在に内嵌させることでダンパ室55が形成されている。また、区画部材56の底部56aには軸方向外側へ膨出された凸部56bが形成され、この凸部56bをストッパ54の通孔54aに遊嵌させて底部56aをストッパ54の座面部54bに当接させている。
前記バネ53は、このダンパ室55に軸方向で圧縮された状態で収容されているもので、弁体52の弁頭部52aと区画部材56の底部56aとの間に弾装されており、弁体52の凸部52a1をケース51のシート面57に所定のセット荷重で押圧するように調整されている。
そして、このような逆止弁50が設けられたカバー部材38の弁収容孔38bと吐出口38aとの間(吐出通路40の逆止弁50の下流側)には、弁収容孔38bに続いて形成され、弁収容孔38bよりも径を小さくした中継空間70が形成され、この中継空間70と吐出口38aとが連通路71を介して連通されている。この弁収容孔38bから中継空間70へ移行する部分には、逆止弁50のケース51を位置決めする段部72が形成され、ケース51は、この段部72に当接するまで弁収容孔38bに圧入されて固定されている。またこの例では、異常高圧時に開放するリリーフバルブに通じるリリーフ通路73が中継空間70に接続されている。
前記連通路71は、中継空間と接続する部分に絞り部74が設けられている。この絞り部74は、弁体52の軸心に対して径方向にずらした位置に形成されている。したがって、この絞り部74により、逆止弁50から中継空間72に流出された作動流体は、逆止弁の直後において弁体52の軸心から片寄って流れることになる。この弁体52の軸心からオフセットされた絞り部74により、偏流形成手段が形成されている。
以上の構成において、閉弁時においては、図5(a)に示されるように、弁体52の凸部52a1のシート面62がケース51のシート面57に当接し、弁孔58を塞いでいる凸部52a1よりも内側部分にのみマフラ室37の圧力が作用した状態にある。
外部サイクル側の圧力はバネ53のバネ荷重とともに弁体52を閉方向へ押圧しているので、この押圧力よりもマフラ室37の圧力が高まると、逆止弁50は開弁される。
そして、開弁直後においては、弁体52はシート面57から離反し、弁孔58は開いた状態にあるが、弁体52の先端部(弁頭部52a)がオーバーラップ部51bから外れていないため、弁孔58から流入された冷媒はオーバーラップ部51bにおける弁体52とケース51とのクリアランスを介して吐出口側へ流れるだけであり、逆止弁50は実質的に開いていない状態にある。この状態においては、上流側の圧力(マフラ室37の圧力)が凸部52a1及び段差部52a2に作用し、上流側の圧力の作用する面積が広がるので、開弁力は強くなり、バネ53のバネ荷重に打ち勝って弁体52は開方向へ移動する。
図5(b)は開状態を示すもので、弁体52の先端部がオーバーラップ部51bから外れ、マフラ室37側の冷媒ガスが逆止弁50のガス通路65を介して外部サイクル側へ吐出される。一旦逆止弁50が開状態に推移すると、弁体52の凸部52a1及び段差部52a2で上流側の圧力を受けるので、逆止弁を通過する冷媒ガスの流量が低下しても開状態を維持することができるようになっている。
この際、ケース内に弁孔を介して流入した作動流体は、主として弁体の流路部52dを流れ、この流路部52dを通過した後にストッパ54の連通部54dを介して逆止弁50の下流側の中継空間70へ流出される。中継空間70と吐出口38aとは、弁体52の軸心からずらした位置に設けられた絞り部74を介して連通しているので、中継空間70に流出された作動流体は、絞り部74に向かって流れるため、逆止弁50の直後において作動流体の流方向が大きく変更される。このため、逆止弁内(ケース内)を流れる作動流体は、逆止弁50の下流側の流れに合わせて絞り部74寄りに流れようとするので、弁体52には絞り部74寄りに引き寄せる力が常時作用することになる。このため、弁体52の自励振動が抑制され、これに伴う作動流体の圧力脈動も抑制され、騒音を低減することが可能となる。
また、この例においては、絞り部74は、弁体52の軸心に対してマフラ室37に開口する通路1aの出口とは反対側となる方向にずれた位置に設けられている。このため、通路1aからマフラ室37に流入された作動流体は、その流れに勢い付けられたまま弁孔58からケース51内に流入し、さらに通路1aの出口とは反対側となる方向にずらして設けられた絞り部74に導かれるので、ケース51内において通路1aの反対側を多く流れることになり、弁体52には、通路1aから遠ざかる方向へ押し付ける力が相乗して作用することになる。
また、発明者らの評価において、絞り部74の径を弁孔58とほぼ同じ径(例えばΦ6)に設定することにより、絞り部74による通路抵抗が無視できる程度に抑えられるとともに、好ましい脈動低減効果が得られることが確認された。
なお、上述の構成においては、弁体52とストッパ54との間にダンパ室55が形成されているので、圧力脈動や、突発的な圧力変動があった場合でも、弁体52の急激な動きを緩和することが可能となる。
また、上述の構成においては、ダンパ室55にバネ53が配置されているので、ケース51と弁体52との間に形成されるガス通路65にバネ53を配置する必要がなくなり、バネ53により通路抵抗が大きくなる不都合を回避することも可能となる。
以上の逆止弁50の構成においては、底部51aが一体化したケース51を用い、ストッパ54をケース51に篏合する構成であったが、逆止弁50の構成は各種形態を用いることが可能である。
例えば、図6に示されるように、オーバーラップ部51bとこれに続きて形成されたガイド部51cが一体に立設されると共に弁孔58が中央に形成された底部材70をケース51に篏合して底部51aを形成し、また、ストッパ54をケース51と一体化し、ケース内に収容する弁体52と区画部材56との間にバネ53を弾装させるようにしてもよい。このような構成においても、弁体は、図4に示されるように、その先端部に形成された弁頭部52aと、この弁頭部に続いて形成され、背面にバネ53を収容する凹部61が形成された筒状の胴部52bと、この胴部52bの外周面から突設されたガイド羽根部52cとを有している。また、この例においても、ガイド羽根部52cは、胴部の外周面に等間隔に複数設けられ(この例では、90度間隔に4つ設けられ)、隣り合うガイド羽根部の間は、弁孔58からケース51内に流入した冷媒ガスを弁体52の下流側へ流通させる流路部52dとしている。したがって、ケース内で作動流体が弁体の脇を通る流路部52d(弁体とケースの内周面との間に形成される作動流体の流路)は、周方向の4箇所となっており、弁体の軸心の周りに均等に形成されている。
このような弁体においても、逆止弁50を介して作動流体が流出される場合においては、逆止弁の直後に設けられた偏流形成手段(絞り部74)により弁体の周囲を流れる作動流体を弁体の軸心に対して片寄った流れとすることが可能となり、弁体の自励振動を抑えることが可能となる。
以上の構成を前提として、さらに弁体の周囲を流れる作動流体の流れを片寄らせるために、図7に示さるように、弁体52とケース51の内周面との間に形成される作動流体の流路(流路部52d)を弁体52の軸心の周りに偏在させて形成するようにしてもよい。
この図7に示される例は、隣り合うガイド羽根部52cは、略90度の間隔を開けて設けられているものの、2つのガイド羽根部52c1,52c2は、周方向の幅が胴部からの突出量と同程度に形成され、残りの1つのガイド羽根部52c3は、周方向の幅が中心角で略90度に形成されている(ガイド羽根部52c1に対して対角線上に位置する部位からガイド羽根部52c2に対して対角線上に位置する部位にかけて形成されている)。したがって、ケース内で作動流体が弁体の脇を通る流路部52d(弁体とケースの内周面との間に形成される作動流体の流路)は、周方向の三箇所となっており、弁体の軸心の周りに偏在して配置されている。
このような構成においては、図8に示されるように、流路部52dは、弁体52の軸心の周りに偏在して配置されているので、作動流体は弁体52の軸心の周りを確実に片寄って流れることになる。このため、絞り部を弁体の軸心からずらして設けることによって得られる弁体周囲の作動流体の片寄りと相まって、弁体周囲を流れる作動流体の流れをより効果的に片寄らせることが可能となる。
特に上述した偏流形成手段と偏在する流路の形成により、弁体の周囲の偏在させた流路部52dは、弁体の周囲を流れる作動流体により回動して、逆止弁直後において作動流体が向かう側(絞り部側)へ向けられることが判明しており、弁体の絞り部側を流れる作動流体量は一層多くなり、逆止弁直後の作動流体が片寄る側へ向けて弁体をケースの内周面に引き寄せる力は一層大きくなる。このため、自励振動を効果的に抑えることが可能となり、自励振動に伴う作動流体の圧力脈動、騒音を効果的に低減することが可能となる。
4 クランク室
7 シャフト
15 シリンダボア
16 ピストン
20 斜板
23 圧縮室
33 吸入室
34 吐出室
40 吐出通路
50 逆止弁
51 ケース
51a 底部
51b オーバーラップ部
52 弁体
52a 弁頭部
52b 胴部
52c ガイド羽根部
53 バネ
54 ストッパ
55 ダンパ室
56 区画部材
58 弁孔
61 凹部
65 ガス通路
70 中継空間
71 連通路
74 絞り部

Claims (5)

  1. 圧縮された作動流体を外部へ送出する吐出通路上に逆止弁が設けられ、
    この逆止弁は、
    底部が一体又は別体に設けられた筒状のケースと、
    前記底部に形成された孔と、
    前記ケースの深さ方向に沿って該ケース内を移動可能であり、前記孔を開閉する弁体と、
    前記弁体を前記底部に向かって付勢するバネと、
    を有する圧縮機において、
    前記吐出通路に、前記逆止弁から流出される作動流体を、前記逆止弁の直後において前記弁体の軸心から片寄らせて流す偏流形成手段を設けたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記偏流形成手段は、前記逆止弁の直後の吐出通路上に通路断面を絞る絞り部を設け、
    この絞り部を前記弁体の軸心からずらすことで形成されていることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記逆止弁は、前記吐出通路の末端部において圧縮機のハウジングと共にマフラ室を画成すると共に吐出口が形成されたカバー部材に設けられ、前記絞り部は、前記マフラ室への作動流体の入り口とは反対の方向にずれていることを特徴とする請求項2記載の圧縮機。
  4. 前記弁体と前記ケースの内周面との間に形成される前記作動流体の流路を前記弁体の軸心の周りに偏在させて形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧縮機。
  5. 前記圧縮機は、クランク室を貫通してハウジングに回転自在に支持されたシャフトと、前記シャフトの回転に同期して回転すると共に、シャフトに対して傾斜可能に設けられた斜板と、前記斜板の周縁に係留され、前記斜板の回転に伴い前記ハウジングに形成されたシリンダボア内を往復摺動するピストンと、前記ピストンの往復摺動により前記シリンダボアに選択的に連通する吸入室および吐出室とを有し、前記斜板の傾斜角を変更することで吐出容量を制御する可変容量斜板式圧縮機であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020034129A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 株式会社ヴァレオジャパン 圧縮機
CN114930024A (zh) * 2020-04-14 2022-08-19 翰昂汽车零部件有限公司 用于对气态流体的压缩机的压力脉动进行阻尼的装置

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