JP2014074366A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Hirokazu Mesaki
寛和 目崎
Hisaya Kondo
久弥 近藤
Teruari Kono
輝有 河野
Yoshinori Inoue
井上  宜典
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Abstract

【課題】吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルを効率良くクランク室に供給することができる可変容量型斜板式圧縮機を提供すること。
【解決手段】給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部を、吐出室31における重力方向下側の領域に位置させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、可変容量型斜板式圧縮機に関する。
この種のものとして、例えば特許文献1のものがある。このような可変容量型斜板式圧縮機は、シリンダボア内にピストンを往復動可能に収容したシリンダブロックの前端面にフロントハウジングが接合固定されるとともに、シリンダブロックの後端面に弁・ポート形成体を介して吸入室及び吐出室を区画する区画壁を有するリヤハウジングが接合固定されている。シリンダブロックとフロントハウジングとで囲まれた空間にはクランク室が区画されている。クランク室には、回転軸から駆動力を得て回転する傾角可変な斜板が収容されている。ピストンはシューを介して斜板に係留されている。
吐出室とクランク室とは給気通路により接続されているとともに、クランク室と吸入室とは抽気通路により接続されている。給気通路上には制御弁が設けられている。そして、制御弁の弁開度を調節することで、給気通路の開度が調節されて、給気通路を介したクランク室への高圧な冷媒ガスの供給量と、抽気通路を介したクランク室からの冷媒ガスの排出量とのバランスが制御され、クランク室内の圧力が決定される。そして、決定されたクランク室内の圧力に応じて、ピストンを介してのクランク室内の圧力とシリンダボア内の圧力との差が変更され、斜板の傾角が変更される結果、ピストンのストローク、すなわち吐出容量が調節される。
ところで、可変容量型斜板式圧縮機において、制御弁の組付位置は、可変容量型斜板式圧縮機が搭載される車両の種類等に応じて適宜変更される。そして、給気通路は、制御弁の組付位置に合わせて形成されるため、それに伴って、給気通路の形成位置も変更されることになる。ここで、制御弁の組付位置によっては、可変容量型斜板式圧縮機が車両に対して搭載された状態において、吐出室における重力方向下側の領域に溜まった冷媒ガス中に含まれるオイルを、給気通路を介してクランク室に供給することができなくなってしまう場合があり、クランク室に収容されている斜板やシュー等の摺動部材の潤滑性が低下してしまう。
そこで、給気通路の吐出室側端部を、吐出室における重力方向下側の領域に連通させたものが、例えば特許文献1に開示されている。これによれば、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルが、冷媒ガスと共に給気通路を介してクランク室に供給されるため、クランク室に収容されている斜板やシュー等の摺動部材の潤滑性が向上する。
特開平8−296552号公報
しかしながら、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁が閉じられている状態であると、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルを、給気通路を介してクランク室に供給することができなくなり、吐出室における重力方向下側の領域にオイルが溜まってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルを効率良くクランク室に供給することができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、シリンダボア内にピストンを往復動可能に収容したシリンダブロックの前端面にフロントハウジングが接合されるとともに、前記シリンダブロックの後端面に弁・ポート形成体を介して吸入室及び吐出室を区画するリヤハウジングが接合され、前記吸入室と外部冷媒回路とが吸入通路により接続されるとともに、前記吐出室と前記外部冷媒回路とが吐出通路により接続されており、クランク室に回転軸から駆動力を得て回転する傾角可変な斜板が収容されるとともに、前記斜板には前記ピストンが係留され、前記吐出室と前記クランク室とを繋ぐ給気通路上に、前記給気通路の開度を調節する制御弁が設けられた可変容量型斜板式圧縮機であって、前記給気通路の吐出室側端部、及び前記吐出通路の吐出室側端部が、前記吐出室における重力方向下側の領域に位置していることを要旨とする。
ここで、「吐出室における重力方向下側の領域」とは、例えば、可変容量型斜板式圧縮機が車両に対して搭載された状態において、吐出室にオイルが溜まる領域のことを言う。この発明によれば、制御弁が開いている状態では、吐出室における重力方向下側の領域に溜まっているオイルが、少なくとも給気通路を介してクランク室に供給される。さらに、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁が閉じられている状態であっても、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルが、吐出通路、外部冷媒回路、及び吸入通路を介して可変容量型斜板式圧縮機に還流され、この還流されたオイルがクランク室に供給される。よって、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルを効率良くクランク室に供給することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記給気通路の吐出室側端部、及び前記吐出通路の吐出室側端部が共用されていることを要旨とする。
この発明によれば、給気通路の吐出室側端部、及び吐出通路の吐出室側端部がそれぞれ別々に設けられている場合に比べると、可変容量型斜板式圧縮機の構成を簡素化することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記給気通路と前記吐出通路との分岐点で冷媒とオイルとを分離するオイル分離器を備え、前記オイル分離器によって分離された冷媒が前記吐出通路を介して前記外部冷媒回路に流れるとともに、前記オイル分離器によって分離されたオイルが前記給気通路を介して前記クランク室に供給されることを要旨とする。
この発明によれば、オイルが冷媒と共に吐出通路を介して外部冷媒回路に流れてしまうことを抑制することができ、オイルをさらに効率良くクランク室に供給することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記吐出室に吐出された冷媒を、前記外部冷媒回路に向けて導く導入通路がさらに設けられるとともに、前記導入通路と前記給気通路とを連通する連通路が設けられていることを要旨とする。
この発明によれば、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁が閉じられている状態であっても、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルが給気通路及び連通路を介して導入通路に流れ込み、導入通路を流れる冷媒と共に導入通路を介して外部冷媒回路に向けて導かれる。よって、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルをさらに効率良くクランク室に供給することができる。
この発明によれば、吐出室における重力方向下側の領域に溜まったオイルを効率良くクランク室に供給することができる。
第1の実施形態における可変容量型斜板式圧縮機を示す縦断面図。 可変容量型斜板式圧縮機の断面図。 吐出室周辺を拡大して示す断面図。 第2の実施形態における吐出室周辺を拡大して示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、可変容量型斜板式圧縮機(以下、単に「圧縮機10」と記載する)のハウジングHは、シリンダブロック11と、このシリンダブロック11の前端面に接合されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の後端面に弁・ポート形成体13を介して接合されたリヤハウジング14とから構成されている。ハウジングH内において、シリンダブロック11とフロントハウジング12とで囲まれた空間にはクランク室15が区画されている。また、シリンダブロック11及びフロントハウジング12には、回転軸16が回転可能に支持されるとともに、クランク室15内において、回転軸16にはラグプレート21が一体回転可能に固定されている。
回転軸16のハウジングHからの突出端部には、動力伝達機構PTを介して外部駆動源としての車両のエンジンEが作動連結されている。動力伝達機構PTは、外部からの電気制御によって動力の伝達及び遮断を選択可能なクラッチ機構(例えば電磁クラッチ)であってもよく、又は、そのようなクラッチ機構を持たない常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト及びプーリの組合せ)であってもよい。本実施形態では、クラッチレスタイプの動力伝達機構PTが採用されている。
クランク室15には、回転軸16から駆動力を得て回転する傾角可変な斜板22が収容されている。斜板22は、クランク室15内において、スライド移動可能、かつ傾動可能に回転軸16に支持されるとともに、この斜板22は押圧ばね25によって傾角が最小になる方向へ付勢されている。ラグプレート21と斜板22との間にはヒンジ機構23が介在されている。そして、斜板22は、押圧ばね25の付勢力、ヒンジ機構23を介したラグプレート21との間でのヒンジ連結、及び回転軸16の支持により、ラグプレート21及び回転軸16と同期回転可能であるとともに、回転軸16の軸方向へのスライド移動を伴いながら回転軸16に対し傾動可能となっている。
シリンダブロック11には、複数(図面には1つのみ示す)のシリンダボア11aが回転軸16を取り囲むようにして貫設されるとともに、各シリンダボア11aにはピストン30が往復動可能にそれぞれ収容されている。各シリンダボア11aの両開口は、弁・ポート形成体13及びピストン30によって閉塞されるとともに、各シリンダボア11a内にはピストン30の往復動に応じて体積変化する圧縮室24が区画されている。各ピストン30は、シュー29を介して斜板22の外周部に係留されている。そして、回転軸16の回転にともなう斜板22の回転運動が、シュー29を介してピストン30の往復直線運動に変換される。
弁・ポート形成体13とリヤハウジング14との間には、吐出室31と、この吐出室31を取り囲む吸入室32とが区画されている。すなわち、吐出室31は、吸入室32よりも回転軸16の径方向内側に配置されている。弁・ポート形成体13には各シリンダボア11aに対応して、吸入ポート33、及びこの吸入ポート33を開閉する吸入弁34、並びに、吐出ポート35、及びこの吐出ポート35を開閉する吐出弁36が形成されている。そして、吸入ポート33を介して吸入室32と各シリンダボア11a(圧縮室24)とが連通されるとともに、吐出ポート35を介して各シリンダボア11a(圧縮室24)と吐出室31とが連通されている。
吸入室32の冷媒ガスは、ピストン30の上死点から下死点への移動により、吸入ポート33及び吸入弁34を介してシリンダボア11aに吸入される。シリンダボア11aに吸入された冷媒ガスは、ピストン30の下死点から上死点への移動により所定の圧力にまで圧縮されるとともに、吐出ポート35から吐出弁36を押し退けて吐出室31に吐出される。
圧縮機10において、斜板22の傾角(回転軸16の軸線L1に直交する平面との間でなす角度)は、クランク室15内の圧力の変更に応じて変更され、最小傾角(図1で実線で示す状態)と最大傾角(図1で二点鎖線で示す状態)との間の任意の角度に設定される。
吐出室31とクランク室15とは給気通路38で接続されている。給気通路38上には電磁式の制御弁39が設けられている。また、回転軸16には、軸線L1に沿って延びる軸内通路16aが形成されている。さらに、回転軸16には、軸内通路16aの前端とクランク室15内とを連通する導入路16bが形成されている。また、シリンダブロック11の後端面には、回転軸16の後端と弁・ポート形成体13との間の空間16kに連通する導入溝11eが形成されている。さらに、弁・ポート形成体13には、導入溝11eと吸入室32とを連通する導入孔13hが形成されている。そして、本実施形態では、導入路16b、軸内通路16a、空間16k、導入溝11e、及び導入孔13hによって、クランク室15と吸入室32とを接続する抽気通路が構成されている。
制御弁39に対しての通電制御(デューティ比制御)は、図示しない制御コンピュータによって行われる。制御弁39における弁開度は、制御コンピュータによって制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)が高められると減少し、供給電流値(デューティ比)が下げられると増大する。
制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)が高められると、制御弁39における弁開度が減少し、吐出室31から給気通路38を介したクランク室15への冷媒ガス供給量が減る。クランク室15内の冷媒ガスは、導入路16b、軸内通路16a、空間16k、導入溝11e、及び導入孔13hを介して吸入室32へ流出しているため、冷媒ガス供給量が減るとクランク室15内の圧力が下がり、斜板22の傾角が増大して吐出容量が増える。制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)が下げられると、制御弁39における弁開度が増大し、吐出室31から給気通路38を介したクランク室15への冷媒ガス供給量が増える。その結果、クランク室15内の圧力が上がり、斜板22の傾角が減少して吐出容量が減る。
このように、制御弁39の弁開度を調節することで、給気通路38の開度が調節され、給気通路38を介したクランク室15への高圧な冷媒ガスの供給量と、導入路16b、軸内通路16a、空間16k、導入溝11e、及び導入孔13hを介したクランク室15からの冷媒ガスの排出量とのバランスが制御され、クランク室15内の圧力が決定される。そして、決定されたクランク室15内の圧力に応じて、ピストン30を介してのクランク室15内の圧力とシリンダボア11a内の圧力との差が変更され、斜板22の傾角が変更される結果、ピストン30のストローク、すなわち吐出容量が調節される。
リヤハウジング14における吐出室31を区画する後端壁14eには、吐出路31aが形成されている。また、リヤハウジング14には、吸入室32に連通する吸入通路32aが形成されている。吐出路31aと、吸入通路32aとは外部冷媒回路40により接続されている。外部冷媒回路40は、吐出路31aに接続された凝縮器41と、凝縮器41に接続された膨張弁42と、膨張弁42に接続された蒸発器43とを備え、蒸発器43は吸入通路32aに接続されている。そして、圧縮機10は、車両用空調装置の冷媒循環回路(冷凍サイクル)に組み込まれている。
リヤハウジング14の後端壁14eにおける吐出路31aよりも吐出室31側には、吐出室31に開口する被挿入凹部51が形成されている。被挿入凹部51内と吐出路31aとは連通している。
図2に示すように、被挿入凹部51は円孔状であるとともに、被挿入凹部51内には、吐出室31と吐出路31aとの間を開閉する逆止弁52が配設されている。
図3に示すように、逆止弁52は、有蓋円筒状の弁体53と、弁体53を収容する有底円筒状の弁ハウジング54と、弁ハウジング54に組み付けられるとともに弁体53が着座する弁座55aを形成する弁座形成体55と、弁ハウジング54内に収容されるとともに弁体53を弁座55aに着座する方向(閉弁方向)へ付勢する付勢ばね56と、から構成されている。弁座形成体55は有蓋円筒状であるとともに、被挿入凹部51に挿入されて被挿入凹部51に対して圧入固定されている。
弁ハウジング54の周壁には一対の連通孔54hが周壁の径方向の対向する位置に形成されている。また、弁体53は、その外周面が弁ハウジング54の周壁の内周面に摺接可能な状態で弁ハウジング54に収容されている。よって、弁体53は、弁ハウジング54の周壁によって弁座55aに対し接離する方向へ移動可能にガイドされるようになっている。そして、吐出室31内の吐出圧力が、付勢ばね56における弁体53に作用する閉弁方向への付勢力を上回ると、弁体53が弁座55aから離間する方向へ移動して、逆止弁52が開弁される。一方、弁体53が弁座55aに着座して逆止弁52が閉弁されている場合、外部冷媒回路40から吐出室31への冷媒ガスの逆流が阻止される。なお、付勢ばね56のばね荷重による付勢力は、最小吐出容量での圧縮が行われているときに弁体53に作用する開弁方向の付勢力よりも大きくなっている。
図2及び図3に示すように、弁座形成体55の外周面55b(外面)には環状溝55cが形成されている。そして、環状溝55cと被挿入凹部51とによって空間60が区画されている。さらに、弁座形成体55には、空間60と弁座形成体55の内側とを連通する連通路55dが形成されている。
図1に示すように、空間60と吐出室31における重力方向下側の領域とは、リヤハウジング14の後端壁14eに形成される第1連通路61により連通している。また、空間60と制御弁39とは、リヤハウジング14の後端壁14eに形成される第2連通路62により連通している。さらに、制御弁39とクランク室15とは、リヤハウジング14、弁・ポート形成体13、及びシリンダブロック11を貫通する第3連通路63により連通している。よって、本実施形態では、第1連通路61、空間60、第2連通路62、及び第3連通路63により、吐出室31とクランク室15とを繋ぐ給気通路38が形成されている。ここで、「吐出室31における重力方向下側の領域」とは、圧縮機10が車両に対して搭載された状態において、吐出室31に冷媒ガス中に含まれるオイルが溜まる領域のことを言う。
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
エンジンEの駆動に伴い、回転軸16が回転すると、各ピストン30における上死点から下死点への移動により吸入室32から吸入ポート33及び吸入弁34を介して圧縮室24に冷媒ガスが吸入される。そして、ピストン30における下死点から上死点への移動により圧縮室24内の冷媒ガスが圧縮されて吐出ポート35及び吐出弁36を介して吐出室31に吐出される。
制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)が下げられており、制御弁39における弁開度が最大のとき、第1連通路61、空間60、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介してクランク室15に供給される冷媒ガス供給量が最大となり、クランク室15内の圧力が上昇して、斜板22の傾角が最小傾角となる。その結果、圧縮機10は最小吐出容量で圧縮を行う。このとき、吐出室31からは僅かに冷媒ガスが吐出されるが、この吐出圧力は僅かであるため、逆止弁52は、付勢ばね56の閉弁方向への付勢力によって弁体53が弁座55aに着座し、吐出路31aを介した外部冷媒回路40への冷媒ガスの流出が防止されている。
また、吐出室31に吐出された冷媒ガス中に含まれるオイルは、自重により吐出室31における重力方向下側の領域に溜まる。ここで、圧縮機10において、制御弁39の組付位置は、圧縮機10が搭載される車両の種類等に応じて適宜変更される。このように、制御弁39の組付位置が変更されたとしても、本実施形態では、給気通路38の吐出室側端部が、吐出室31における重力方向下側の領域に位置している。よって、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルが、第1連通路61、空間60、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介してクランク室15に供給される。その結果として、クランク室15に収容されている斜板22やシュー29等の摺動部材の潤滑性が向上する。
また、制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)が高められて、制御弁39における弁開度が減少すると、第1連通路61、空間60、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介してクランク室15に供給される冷媒ガス供給量が減り、クランク室15内の圧力が下がって、斜板22の傾角が増大する。その結果、圧縮機10の吐出容量が増える。すると、吐出室31から第1連通路61、空間60、連通路55dを介して弁座形成体55の内側に流れ込んだ冷媒ガスによって、弁体53が弁座55aから離間する方向へ押圧されて、弁体53が弁座55aから離間する。これにより、逆止弁52が開弁されて、弁座形成体55の内側の冷媒ガスが、連通孔54h、被挿入凹部51、及び吐出路31aを介して外部冷媒回路40に吐出される。
よって、本実施形態では、第1連通路61、空間60、連通路55d、弁座形成体55の内側、弁ハウジング54の内側、連通孔54h、被挿入凹部51、及び吐出路31aにより吐出室31と外部冷媒回路40とを接続する吐出通路68が形成されている。そして、第1連通路61及び空間60は、給気通路38及び吐出通路68を兼ねている。すなわち、給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部が共用されており、給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部が、吐出室31における重力方向下側の領域に位置している。
また、自重により吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルは、吐出室31に吐出された冷媒ガスと共に第1連通路61を介して空間60に流れ込む。冷媒ガスと共に空間60に流れ込んだオイルは、空間60を旋回することで冷媒ガスから遠心分離される。よって、本実施形態では、弁座形成体55は、冷媒ガスとオイルとを分離するオイル分離器として機能する。また、空間60は、給気通路38と吐出通路68との分岐点に相当する。
遠心分離されたオイルは、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介してクランク室15に供給される。よって、オイルが冷媒ガスと共に、連通路55d、弁座形成体55の内側、弁ハウジング54の内側、連通孔54h、被挿入凹部51、及び吐出路31aを介して外部冷媒回路40に流れてしまうことが抑制されており、オイルがさらに効率良くクランク室15に供給される。
制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)がさらに高められて、制御弁39が閉じられると、第1連通路61、空間60、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介したクランク室15への冷媒ガスの供給が無くなり、クランク室15内の圧力が最小となって、斜板22の傾角が最大傾角となる。その結果、圧縮機10は最大吐出容量で圧縮を行う。
ここで、自重により吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルは、吐出室31に吐出された冷媒ガスと共に、第1連通路61、空間60、連通路55d、連通孔54h、被挿入凹部51、及び吐出路31aを介して外部冷媒回路40に吐出される。よって、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁39が閉じられている状態であっても、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルが、外部冷媒回路40、及び吸入通路32aを介して圧縮機10に還流され、この還流されたオイルがクランク室15に供給される。よって、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルが効率良くクランク室15に供給される。
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部を、吐出室31における重力方向下側の領域に位置させた。これによれば、制御弁39が開いている状態では、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まっているオイルが、少なくとも給気通路38を介してクランク室15に供給される。さらに、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁39が閉じられている状態であっても、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルが、吐出通路68、外部冷媒回路40、及び吸入通路32aを介して圧縮機10に還流され、この還流されたオイルがクランク室15に供給される。よって、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルを効率良くクランク室15に供給することができる。
(2)給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部を共用した。これによれば、給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部がそれぞれ別々に設けられている場合に比べると、圧縮機10の構成を簡素化することができる。
(3)冷媒ガスと共に空間60に流れ込んだオイルを、空間60を旋回させることで冷媒ガスと遠心分離するようにした。そして、遠心分離されたオイルは、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介してクランク室15に供給される。これによれば、オイルが冷媒ガスと共に、連通路55d、弁座形成体55の内側、弁ハウジング54の内側、連通孔54h、被挿入凹部51、及び吐出路31aを介して外部冷媒回路40に流れてしまうことを抑制することができ、オイルをさらに効率良くクランク室15に供給することができる。
(4)本実施形態によれば、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まるオイルの量を少なくすることができるため、吐出室31における重力方向下側の領域にオイルが溜まってしまうことを見込んで、冷媒ガスにオイルを多めに封入しておく必要が無くなり、コスト削減に寄与することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図4にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図4に示すように、弁座形成体55には、吐出室31に吐出された冷媒ガスを、外部冷媒回路40に向けて導く導入通路71が形成されている。導入通路71と第1連通路61(給気通路38)とは連通路55dを介して連通している。
そして、制御弁39に対する供給電流値(デューティ比)がさらに高められて、制御弁39が閉じられると、第1連通路61、空間60、第2連通路62、制御弁39、及び第3連通路63を介したクランク室15への冷媒ガスの供給が無くなり、クランク室15内の圧力が最小となって、斜板22の傾角が最大傾角となる。その結果、圧縮機10は最大吐出容量で圧縮を行う。
ここで、自重により吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルは、吐出室31に吐出された冷媒ガスと共に、第1連通路61、空間60、連通路55dを介して導入通路71に流れ込む。すると、導入通路71を流れる冷媒ガスと共に連通孔54h、被挿入凹部51、及び吐出路31aを介して外部冷媒回路40に吐出される。よって、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁39が閉じられている状態であっても、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルが、外部冷媒回路40、及び吸入通路32aを介して圧縮機10に還流され、この還流されたオイルがクランク室15に供給される。よって、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルがさらに効率良くクランク室15に供給される。なお、最大吐出容量以外の圧縮状態のときの作用においては、第1の実施形態と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
したがって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(5)弁座形成体55に、吐出室31に吐出された冷媒ガスを、外部冷媒回路40に向けて導く導入通路71を形成した。そして、導入通路71と給気通路38とを連通路55dにより連通させた。これによれば、最大吐出容量での圧縮が行われているときのように、制御弁39が閉じられている状態であっても、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルが給気通路38及び連通路55dを介して導入通路71に流れ込み、導入通路71を流れる冷媒ガスと共に導入通路71を介して外部冷媒回路40に向けて導かれる。よって、吐出室31における重力方向下側の領域に溜まったオイルをさらに効率良くクランク室15に供給することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第1の実施形態において、弁・ポート形成体13によって弁座形成体55における吐出室31側の端部を閉塞するようにしてもよい。そして、弁・ポート形成体13、環状溝55c、及び被挿入凹部51によって空間60を区画してもよい。
○ 上記各実施形態において、給気通路38の吐出室側端部、及び吐出通路68の吐出室側端部がそれぞれ別々に設けられていてもよい。
○ 上記各実施形態において、冷媒ガスと共に空間60に流れ込んだオイルが、空間60で冷媒ガスと遠心分離されない構成としてもよい。すなわち、弁座形成体55がオイル分離器として機能しなくてもよい。
○ 上記各実施形態において、第1連通路61が複数形成されていてもよい。
○ 上記各実施形態において、連通路55dが複数形成されていてもよい。
○ 上記各実施形態において、弁座形成体55の環状溝55cを削除するとともに、被挿入凹部51の内面に環状溝を形成して、当該環状溝と弁座形成体55とによって区画される空間を形成してもよい。
○ 上記各実施形態において、弁座形成体55と被挿入凹部51とで区画される空間によって第1連通路61と第2連通路62とが連通可能であればよく、弁座形成体55に、例えば、環状ではない溝を形成することで、当該溝と被挿入凹部51とで区画される空間を形成してもよい。
○ 上記各実施形態において、吐出室31が吸入室32よりも回転軸16の径方向外側に配置されていてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記吐出室は、前記吸入室よりも前記回転軸の径方向内側に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
10…圧縮機(可変容量型斜板式圧縮機)、11…シリンダブロック、11a…シリンダボア、12…フロントハウジング、13…弁・ポート形成体、14…リヤハウジング、15…クランク室、16…回転軸、22…斜板、30…ピストン、31…吐出室、32…吸入室、32a…吸入通路、38…給気通路、39…制御弁、40…外部冷媒回路、55…オイル分離器として機能する弁座形成体、55d…連通路、68…吐出通路、71…導入通路。

Claims (4)

  1. シリンダボア内にピストンを往復動可能に収容したシリンダブロックの前端面にフロントハウジングが接合されるとともに、前記シリンダブロックの後端面に弁・ポート形成体を介して吸入室及び吐出室を区画するリヤハウジングが接合され、前記吸入室と外部冷媒回路とが吸入通路により接続されるとともに、前記吐出室と前記外部冷媒回路とが吐出通路により接続されており、クランク室に回転軸から駆動力を得て回転する傾角可変な斜板が収容されるとともに、前記斜板には前記ピストンが係留され、前記吐出室と前記クランク室とを繋ぐ給気通路上に、前記給気通路の開度を調節する制御弁が設けられた可変容量型斜板式圧縮機であって、
    前記給気通路の吐出室側端部、及び前記吐出通路の吐出室側端部が、前記吐出室における重力方向下側の領域に位置していることを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 前記給気通路の吐出室側端部、及び前記吐出通路の吐出室側端部が共用されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  3. 前記給気通路と前記吐出通路との分岐点で冷媒とオイルとを分離するオイル分離器を備え、
    前記オイル分離器によって分離された冷媒が前記吐出通路を介して前記外部冷媒回路に流れるとともに、前記オイル分離器によって分離されたオイルが前記給気通路を介して前記クランク室に供給されることを特徴とする請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  4. 前記吐出室に吐出された冷媒を、前記外部冷媒回路に向けて導く導入通路がさらに設けられるとともに、前記導入通路と前記給気通路とを連通する連通路が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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